JP4334377B2 - 多導体用ルーズスペーサ、相間スペーサ、相間スペーサの取付け方法、および多導体送電線のジャンパ構造 - Google Patents

多導体用ルーズスペーサ、相間スペーサ、相間スペーサの取付け方法、および多導体送電線のジャンパ構造 Download PDF

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本発明は、導体固定把持部と導体ルーズ把持部とを有する多導体用ルーズスペーサを取付けることにより、導体把持部の構造の相違に基づく質量差のために、送電線の正多角形配列がアンバランスとなって線路と直角方向に傾斜して、ギャロッピング振動の誘発やコロナ騒音の増大などの不具合発生を防止した、バランスウエイトを有する多導体用ルーズスペーサの改良に関するものである。
冬季、架空線に着雪や着氷が生じてその断面が非円形になると、横風を受けてギャロッピング振動と呼ばれる1〜3ループの低周波大振幅の振動がしばしば生ずることがある。
この振動が生ずると架空線の張力変動が非常に大きくなるために、鉄塔のアームを変形させたり、鉄塔自身を倒壊させたりする大事故に至ることがあるほか、典型的な事故形態としては相間短絡事故が圧倒的に多く、広範囲な停電事故を引き起こしている。
従来この種のギャロッピング事故を防止する公知技術には以下のものがある。
1)線路の長手方向に1つの軸線を軸とする線路にかかる回転力の方向が、スペーサ取付け位置においてバラバラとなるように複導体架空送電線路の径間内の線路方向の複数の点において、無作為に選ばれた隣接する2本の導体を、錘を取付けたスペーサにより連結してなることを特徴とするギャロッピング防止する架空送電線路が知られている(例えば特許文献1)。
2)架設された複数本の送電線からなる架空送電線路に複数個のスペーサが設けられ、このスペーサに設けた少なくとも1つ以上の一部の回転導電把持部で送電線が軸回りに回転自在に把持され、他の導電把持部で送電線が固定把持される。しかも、架空送電線の1径間に複数個のスペーサを設けるに当たり、回転自在に送電線を把持する回転導電把持部と送電線を固定把持する導電把持部が、送電線の長手方向で交互に叉はランダムとなるように取付けたギャロッピング防止スペーサが知られている(例えば特許文献2)。
3)枠体の軸対称にある偶数個の位置で、軸対称の一方の片側に設けられた導体把持部が素導体を固定把持し、他方の片側に設けられたルーズ導体把持部が、素導体をルーズ用クランプ本体で把持し、このルーズクランプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに予め設定された角度範囲で揺動自在に前記枠体に連結して構成した多導体用ルーズスペーサが知られている(例えば特許文献3)。
4)素導体の回転角度を制限する回転角度制限機構を備えてなるルーズ型スペーサに於いて、前記回転角度制限機構を、該ルーズ型スペーサを素導体に取り付けた状態において、該ルーズ型スペーサを上面から見た際、見えない位置に設けたことを特徴とするルーズ型スペーサが知られている(例えば特許文献4)。
特開昭48-028986号公報 実開昭50-068892号公報 特開平08-009544号公報 特開平10-322866号公報
前記[特許文献1]のギャロッピングを防止する架空送電線路では、本発明の課題とするルーズ把持部を有するスペーサの傾斜防止に関するものではなく、通常の固定把時部のみで構成され、例えば4導体バランスウエイト付きルーズスペーサのアームに偏心した重錘Wをランダムに取付けて、ギャロッピングを助長する線路の回転特性を変えて定在波が乗り難くしたものであるが、偏心した重錘Wをスペーサアーム1に取付けたスペーサに着目すれば、前記重錘の取付けにより送電線の正多角形配列がアンバランスとなって線路と直角方向に傾斜するのを避け難いという問題があった。
[特許文献2]による難着雪電線用電線ねじれ防止兼ギャロッピング防止スペーサでは、難着雪リングを取付けた2導体送電線において、一方が回転自由形の掌握部3Aと他方が固定掌握部3Bとを有する2導体スペーサを前記送電線に取付けたとき、いずれか一方の掌握部が他方よりも重くなるように構成したものである。かかる構成のスペーサでは、重いほうの掌握部側に導体が傾斜するのは明らかである。同文献ではこのような弊害を避けるために、回転掌握部と固定掌握部とを交互にあるいはランダムとなるような取付け方法を提案しているが、このような取付け方法によっても導体の傾斜は避けられないほかに、交互に取付ける方法では多導体相互のねじれ剛性が同等となることにより、着氷などの形状も類似した形状となってギャロッピングを効果的に抑制できなくなる問題があった。また、同文献では4導体送電線への取付け方法についても第6図で例示しているが、同図によると導体の傾斜が避けがたいことが一層明らかである。
[特許文献3]によるスペーサとスペーサ用のルーズ導体把持部およびギャロッピング振動を防止した架空送電線路では、4導体送電線路において、図1に示すように、ルーズ把持部20が枠体12の一方側の上下に偏在して設置された構成となっている。
また、前記ルーズ把持部20は、図2〜図6にその詳細を示すように横長で、導体把持部14に比べて複雑な構造で重くなっている。このため、4導体送電線に取付けると、送電線の正多角形配列がルーズ把持部側20に素導体16が傾斜してアンバランスとなって菱形状の配列となり、風圧荷重が増加してギャロッピング振動を誘発したり、軽雨時のコロナ騒音が増大するなどの好ましくない問題が発生したりする懸念があった。
[特許文献4]の図2の構造の4導体用ルーズスペーサでは、上下の水平2導体間で素導体が傾斜して、上記特許文献3と同様な不具合が生ずるほかに、ルーズ把持部が主風向に対して偏在していないために、ギャロッピング防止効果が文献3の構造のルーズスペーサに比べて小さいという欠点があった。また、[特許文献4]の図1のような構造の2導体用のルーズスペーサでは、水平2導体相互の弛度が相違して上記[特許文献3]と同様な不具合が生ずる欠点があった。
そこで、本発明では、特にルーズ把持部が枠体に偏在して取付けられる構造の多導体用ルーズスペーサにおいて、導体把持部の構造の相違に基づく質量差のために、送電線の正多角形配列における水平2導体相互の弛度がアンバランスとなって線路と直角方向に傾斜する弊害を防止して、ギャロッピング振動の誘発やコロナ騒音の増大などの不具合発生を防止した、バランスウエイトを有する多導体用ルーズスペーサとその取付け方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、一体の枠体上に素導体を把持するための複数の把持部を備える多導体電線用スペーサであって、この枠体は、取付け位置における鉛直(天地)方向軸に対して左右が軸対称の形状をなし、この枠体の左側または右側のいずれか、枠体の軸対称にある偶数個の位置で、対称軸のいずれか一方の片側に設けた導体固定把持部が素導体を固定把持し、他方の片側に設けられたルーズ導体把持部が、素導体をルーズ用クランプで把持し、このルーズ用クランプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに予め設定された角度範囲で揺動自在に前記枠体に連結して構成した多導体用ルーズスペーサにおいて、導体固定把持用クランプとルーズ把持用クランプとが導体の線路方向と直角な水平軸に関して、モーメントバランスするようなバランスウエイトを、導体固定把持用クランプ側を連結する枠体に取付けた、ことを特徴とする多導体用ルーズスペーサである。
請求項2記載の発明は、導体固定把持部とルーズ導体把持部とを左右に連結する多導体用ルーズスペーサの枠体において、前記両把持部間の質量差を相殺するように、導体把持部側の枠体が重くなるような部材で構成してモーメントバランスを図った枠体構造を特徴とする多導体用ルーズスペーサである。
請求項3記載の発明は、一対の多導体用ルーズスペーサ相互の枠体間を、シリコーンゴムなどの有機絶縁材料からなるポリマー碍子あるいは磁器製碍子で連結してなる相間スペーサにおいて、前記相間スペーサに連結される多導体用ルーズスペーサの枠体は、請求項1または2に記載の多導体用ルーズスペーサで構成したことを特徴とする相間スペーサである。
請求項4記載の発明は、多導体送電線に取付けた請求項3の相間スペーサを用いた相間スペーサの取付け方法であり、複数個数の相間スペーサを線路方向の前後で取り付けるにあたり、相間スペーサ毎のルーズスペーサの把持部が、枠体対象軸の左右で反転されるように取付けることを特徴とする多導体用ルーズスペーサからなる相間スペーサの取付け方法である。
請求項5記載の発明は、複数のジャンパスペーサが取り付けられる多導体送電線のジャンパ構造において、少なくとも電線径間側の最直近位置に取付ける第1ジャンパスペーサとしては、上記請求項1または2に記載の構造を備える多導体用ルーズスペーサを取付けたことを特徴とするジャンパ構造である。
なお、ジャンパ構造としては、ジャンパ装置のほかに、電線・ジャンパスペーサ・クランプ等の架線緊線金物・碍子・鉄塔など、ジャンパ周りの多くの構成部材を含んで構成されている。
本発明によれば、枠体の一方に導体固定把持部を有し他方側にルーズ導体把持部を有する多導体用ルーズスペーサにおいて、導体固定把持部側の枠体に重錘叉はモーメント体を取付けて左右の質量がバランスするように構成したので、本発明のルーズスペーサでは次のような特有で顕著な効果がある。
1)ルーズスペーサ取付けによる素導体の傾斜がなくなるので、投影受風面積が増加しない。従って、横方向からの強風を受けたときの電線の風圧荷重は、4導体送電線の場合、見掛け上は素導体2本の受風面積を考えればよい。従来のルーズスペーサを取付けた場合では、把持部の重量差のために5〜10度程度傾斜するので、素導体4本の受風面積を考慮しなければならず、本発明では、従来のルーズスペーサに比べて風圧荷重を50%に抑制できる。
2)同様の理由から、ギャロッピング振動のトリガーとなる揚力の増加も低減できるので、ギャロッピング振動を抑制できる。
3)例えば、4導体送電線が左右に傾斜すると、大地側最下方の素導体の電位傾度が高くなるので、雨天軽雨時にはコロナ騒音レベルが高くなるが、本発明では、ルーズスペーサ取付け点での傾斜がないので、騒音レベルの増加がなく、騒音公害を引き起こすことがない。
4)送電線に着雪などが発生した際に、傾斜した方向に風上から強風を受けると多導体が捻回し易くなり、送電線の素導体が損傷したり、捻回点では縊れて束導体径が局部的に細くなるので電波障害を引き起こしたりするが、本発明のルーズスペーサではこのような問題を引き起こすことがなくなる。
5)枠体に取付けるバランスウエイトの代わりに、導体把持部側を連結する枠体の部材をより重い部材で構成すれば、特別なウエイトを取付けなくとも同様な効果が期待でき、枠体の強度設計も容易である。
6)本発明構造のルーズスペーサを、例えばポリマー製の碍子で連結した相間スペーサとして送電線の相間に取付けることにより、ギャロッピング抑止効果を一層大なるものとすることができる。
7)ジャンパ装置を含むジャンパ構造の第1ジャンパスペーサに本発明構造のルーズスペーサを適用したので、ギャロッピング振動時の上下および横振れ振動の際に受ける曲げ応力を緩和して、ジャンパ線の素線切れなどを防止できる。
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1を参照して説明する。即ち図1は本発明のバランスウエイト付きルーズスペーサ1の一部を切開した正面図である。先ず本発明のバランスウエイト付きルーズスペーサ1の構造について説明する。図1に示す如くバランスウエイト付きルーズスペーサ1は、枠体2により左右の軸対称の位置に把持部が設けられる。即ち、図1において、上下方向の対称軸に対して右側半分に設けられた導体把持部(3,3)は素導体(5,5)を固定するものであって通常の導体把持用のクランプが適用され、左側半分のルーズ導体把持部(4,4)よりも軽量なクランプが使用されている。
また、図1で左側半分に設けられたルーズ導体把持部(4,4)は、素導体(5,5)が導体軸回りに回動自在となっている。このルーズ導体把持部4では、素導体5を把持固定するルーズクランプ用本体6が、連結部材8の一端部に素導体5の軸回りに略±80度の範囲で揺動自在に配置され、連結部材8の他端部がバランスウエイト付きルーズスペーサ1の枠体2に連結されて構成される。
バランスウエイト付きルーズスペーサ1は、ルーズ導体把持部(4,4)側に連結部材8を設けているために導体把持部3.3側よりも重く、そのためルーズ導体把持部(4,4)側に傾くので、枠体2の左右でモーメントがバランスするように、導体把持部(3,3)側の枠体2の任意箇所にバランスウエイト7を配設したことを特徴とするものである。そして、バランスウエイト7の質量を軽くして施工性を向上させるためには、導体把持部(3,3)間の枠体2の軸からバランスウエイト7の重心位置までの距離Lgを長くするか、枠体2の軸から図示の右側に偏芯量を大きくした形状の重錘とすればよい。なお、バランスウエイト付きルーズスペーサ1の詳細な構造については上記したように、導体把持部(3,3)に通常のクランプを用い、バランスウエイト7を枠体に取付けたほかは、[特許文献3]
の特開平08-009544号公報と同一構造とした場合の実施形態例を示したので、詳細な説明は省略する。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について図2を参照して説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態を示す相間スペーサ20の正面略図である。
本第2実施形態では、碍子(12,12)の上下にバランスウエイト付きルーズスペーサ1を連結した相間スペーサ20を示したものである。図2において、9は相間間隔の調整を兼ねるアルミパイプなどのロッドであり、上方部のみに配設されたり、上下に配設されたり、あるいは中央部に配設されることもあり、その一端側はバランスウエイト付きルーズスペーサ1の枠体2に固定され、他端側は碍子12の連結フランジ金具11に連結固定される。碍子12はシリコーンゴムなどで成形された有機碍子が使用されるが、磁器製の碍子であっても良い。
なお、相間スペーサ20用の碍子12の連結金具11は、その碍子12の上下に同一形状の例えば図2のようにフランジ状の連結金具11として構成したので、それらを突き合わせてボルトで連結固定すれば、複数本の碍子12を直線状に連結して任意の長さの碍子装置を簡単に形成できる。10は碍子の電界を緩和するためのシールドリングである。図2の構造の相間スペーサ20は、異なる相間に配置された素導体(5,5…)からなる素導体束を前記相間スペーサ20により相互連結した構成であるから、ギャロッピングによる上下方向の振動を効果的に規制できるし、図1のバランスウエイト付きルーズスペーサ1のみでは防止できないギャロッピング振動をも抑制することができる。また、碍子(12,12)の上下にバランスウエイト付きルーズスペーサ1を連結した構成であるので、素導体(5,5…)からなる素導体束の捻回が生じないし、碍子(12,12)には曲げモーメントが作用しないから、ギャロッピング発生時に生じる束導体の捻じれ運動に基づく碍子(12,12)の変形や折損を防止できる利点がある。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について、図3を参照して説明する。
図3は本発明の第3実施形態を示す吊下式ジャンパ装置21を含むジャンパ構造を示す側面略式図である。図中の22は多導体送電線であり、23はジャンパ線である。なお、ジャンパ線部分は、図3の実施形態では、鉄塔アーム24の両側の楔型引留めクランプ30で引留められて吊下された送電線部分をいう。25は耐張碍子連であり、26は引留めヨークである。27はジャンパ線23の弛度を抑制するための剛性水平材であり、型鋼や鋼管材などが用いられる。前記剛性水平材27は、吊下用スペーサ29によって、ジャンパ線23と一体的に把持固定される。28は支持材であり、前記吊下用スペーサ29を吊上げて引留めヨーク26の下方に吊下げて保持する。31〜33はそれぞれ第1〜第3ジャンパスペーサであり、本発明では少なくとも径間側に最も近い第1ジャンパスペーサ31をバランスウエイト付きのルーズスペーサとしたことを特徴とするものである。
図3のように構成する理由は、径間にギャロッピング振動が生ずると、最も曲げ変形を受けて成形されている第1ジャンパスペーサ31の取付け点箇所が、過大な曲げ応力を受けやすいためである。しかも、従来のジャンパスペーサの構造は、その把持部がジャンパスペーサの枠体と一体的に固定されたリジッド構造であるため、ジャンパ線23を著しく拘束する結果、ジャンパスペーサの取付け箇所でジャンパ線23の素線切れなどが多発していたものである。
しかしながら、本発明によれば、ルーズ把持部があるためジャンパ線は拘束されずに自由に動くことができるので、素線切れなどを生ずることがなくなるのである。また、前記ルーズスペーサは、バランスウエイトが設置されているのでジャンパ線が横振れ等を生じても復元作用があり、ジャンパ線の風圧荷重を最小に保つことができると共に、復元の際にルーズ把持部でギャロッピングの振動エネルギーを吸収して、ジャンパ線が受ける曲げ応力を緩和する等の副次的作用も大いに期待できるものである。
以上説明したように、本実施形態では第1ジャンパスペーサをバランスウエイト付きのルーズスペーサに代替した場合を説明したが、全てのジャンパスペーサを前記の構造のルーズスペーサとすれば、一層の効果が期待できるものである。なお、便宜上、吊下式ジャンパ装置を含むジャンパ構造を例示して適用形態を示したが、パイプジャンパ装置、撚り線式両端末補強型ジャンパ装置など、種々のジャンパ装置を含むジャンパ構造に適用できることは自明である。
以上、本発明のバランスウエイト付きルーズスペーサ1について説明したが、本発明のバランスウエイト付きルーズスペーサの把持部構造については、明細書で説明した4導体用のルーズ把持部構造に限られることはなく、例えば、特開平10−322866その他の構造のルーズ把持部を有する2導体用ルーズスペーサに対しても適用できるものである。即ち、前記2導体用のルーズスペーサに対しては、固定把時部側の連結部材にバランスウエイトを取付けて2導体を水平状態に位置するように調整すれば良い。
また、枠体2へのバランスウエイト7の取付け方法、相間スペーサ20との組み合わせなどを説明したが、バランスウエイト付きルーズスペーサ1の枠体2の構造についても、ルーズ把持部(4,4)側を軽量な管体構造として、導体把時部側を中実体構造とすることによって、バランスウエイトを新たに設けることを省略できる可能性があり、これによって一層のコストダウンを図ることが可能である。また、第2実施形態のような相間スペーサを、ひとつの径間の前後でバランスウエイト付きルーズスペーサ1の把持部が反転されるように取付けられた複数個の相間スペーサを配設する場合においても、ギャロッピング抑制効果が期待できるものである。
さらに、上記構造のバランスウエイト付きのルーズスペーサを、ギャロッピング多発径間におけるジャンパ装置のジャンパスペーサに用いることとし、従来のジャンパスペーサに代替して適用すれば、第3実施形態で説明したように、ジャンパ装置のギャロッピング振動を減衰できることにより、シャンパ装置の損傷などを確実に防止することができ、その効果は極めて大きい。
本発明による多導体用ルーズスペーサの一部切開正面略図である。 本発明による多導体用ルーズスペーサを用いた相間スペーサの正面略図である。 本発明による多導体用ルーズスペーサを用いた吊下式ジャンパ装置を含むジャンパ構造を示す側面略図である。
符号の説明
1 バランスウエイト付きルーズスペーサ
2 枠体
3 導体把時部
4 ルーズ導体把持部
5 素導体
6 ルーズクランプ用本体
7 バランスウエイト
8 連結部材
9 連結ロッド
10 シールドリング
11 連結フランジ金具
12 碍子
20 相間スペーサ
Lg 偏心ウエイトの重心距離
21 吊下式ジャンパ装置
22 多導体送電線
23 ジャンパ線
24 鉄塔アーム
25 耐張碍子連
26 引留めヨーク
27 剛性水平材
29 吊下用スペーサ
30 楔型引留めクランプ
31 第1ジャンパスペーサ
32 第2ジャンパスペーサ
33 第3ジャンパスペーサ
34 弛度調整金具
35 鉄塔

Claims (5)

  1. 一体の枠体上に素導体を把持するための4以上の偶数の把持部を備える多導体電線用スペーサであって、
    前記枠体は、取付け位置における鉛直方向軸に対して左右が軸対称の形状をなし、
    前記枠体の左側または右側のいずれか一方の片側に設けた複数の導体固定把持部が素導体を固定把持し、
    前記枠体の他方の片側には前記導体固定把持部と同数のルーズ導体把持部を設け、素導体をルーズ用クランプで把持し、このルーズ用クランプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに予め設定された角度範囲で揺動自在に前記枠体に連結して構成し、
    前記ルーズ導体把持部のそれぞれには前記枠体との間に重い連結部材を設け、前記ルーズ導体把持部の側は前記導体固定把持部の側よりも重くして、前記ルーズ導体把持部の側に傾けて構成し、
    前記導体固定把持部とルーズ導体把持部とが、導体の線路方向と直角な水平軸に関してモーメントバランスするようなバランスウエイトを、前記導体固定把持部のある側の枠体に取付ける、ことを特徴とする多導体用ルーズスペーサ。
  2. 一体の枠体上に素導体を把持するための4以上の偶数の把持部を備える多導体電線用スペーサであって、
    前記枠体は、取付け位置における天地方向軸に対して左右が軸対称の形状をなし、
    前記枠体の左側または右側のいずれか一方の片側に設けた複数の導体固定把持部が素導体を固定把持し、
    前記枠体の他方の片側に前記導体固定把持部と同数のルーズ導体把持部を設け、素導体をルーズ用クランプで把持し、このルーズ用クランプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに予め設定された角度範囲で揺動自在に前記枠体に連結して構成し、
    前記ルーズ導体把持部のそれぞれは前記導体固定把持部よりも重くして、その両把持部間の質量差のために、前記ルーズ導体把持部の側を前記導体固定把持部の側よりも下方向に傾けて構成しておき
    前記導体固定把持部とルーズ導体把持部とを左右に連結する前記枠体において、前記両把持部間の質量差を相殺するように、前記導体固定把持部側の上下方向の枠体にそれを重くするようなバランスウエイトを取り付けて、モーメントバランスを図った枠体構造を備える、ことを特徴とする多導体用ルーズスペーサ。
  3. 一対の多導体用スペーサ相互の枠体間を、有機絶縁材料からなるポリマー碍子あるいは磁器製碍子で連結してなる相間スペーサにおいて、
    前記相間スペーサに連結される多導体用スペーサは、請求項1または2に記載の多導体用ルーズスペーサを用いて構成する、ことを特徴とする相間スペーサ。
  4. 多導体送電線に複数の相間スペーサを取り付ける方法であって、
    前記相間スペーサには請求項3に記載の相間スペーサを適用し、
    前記複数の相間スペーサを線路方向に前後してそれぞれ取り付け、前記相間スペーサ毎の多導体用ルーズスペーサの把持部が、枠体対象軸に対して左右反転されるように取り付ける、ことを特徴とする相間スペーサの取付け方法。
  5. 複数のジャンパスペーサを取り付けて構成する多導体送電線のジャンパ構造において、
    少なくとも電線径間側の最直近位置に取り付ける第1ジャンパスペーサとしては、請求項1または2に記載の多導体用ルーズスペーサを用いて構成する、ことを特徴とする多導体送電線のジャンパ構造。
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