JP7223278B2 - 架空送電線用スペーサ - Google Patents

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Description

本発明は、3本の架空送電線からなる3導体送電線に取り付けられる架空送電線用スペーサに関するものである。
一般に氷雪が多導体送電線に吹きつけると、多導体送電線を構成する各素導体には風上側に翼状の着氷雪が生じる。このため多導体送電線は強風により浮き上がり、いわゆるギャロッピングが発生する。ギャロッピングは、大規模になると鉄塔のアームを変形させたり、鉄塔自身を倒壊させたりする可能性があり、小規模でも相間短絡事故の発生原因となる。
そこで、ギャロッピング防止策として、平行に並んで支持された複数の架空送電線に対して、各架空送電線を把持するクランプを有するスペーサを取り付け、半数のクランプが架空送電線をその長手方向を軸として回転可能に把持する可動クランプであることにより、着雪や着氷による断面形状の向きが異なるようにしてギャロッピングの抑制を図ることが提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1では、架空送電線用スペーサを用いての従来のギャロッピング防止策は、4本の架空送電線からなる4導体送電線に関するものである。また、従来、2本の架空送電線からなる2導体送電線にも、可動クランプを1つ装備した架空送電線用スペーサを用いることで、ギャロッピングの抑制を図ることが実施されている。
一方で、3本の架空送電線からなる3導体送電線では、従来、3つのクランプともに架空送電線を回動させずに把持する固定クランプを装備した架空送電線用スペーサが用いられていた。3つのクランプともに固定クランプとすると、3本の架空送電線に、一様な形状にて着雪や着氷が生じやすくなることから、3導体送電線に用いられる架空送電線用スペーサには、ギャロッピングを抑制する効果は期待できなかった。
特開2005-261030号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、3本の架空送電線からなる3導体送電線の強風によるギャロッピングを抑制できる架空送電線用スペーサを提供することを目的とする。
本発明の架空送電線用スペーサは、3つのクランプのうち、2つのクランプについては架空送電線を中心にして該架空送電線を回動可能に把持する可動クランプとし、1つのクランプについては架空送電線を回動させずに固定的に把持する固定クランプとすることで、3本の架空送電線間の着雪や着氷の断面形状が異なるようにするものである。
本発明の構成の要旨は以下の通りである。
[1]3本の架空送電線を個別に把持する3つのクランプと、
前記クランプが取り付けられている支持部材と該支持部材の間隔を維持する枠部とを有し、3つの前記クランプを介して3本の前記架空送電線の間隔を維持する枠体と、
を備え、
3つの前記クランプのうち、2つの前記クランプが、前記架空送電線を中心にして該架空送電線を回動可能に把持する可動クランプであり、3つの前記クランプのうち、1つの前記クランプが、前記架空送電線を回動させずに把持する固定クランプである架空送電線用スペーサ。
[2]2つの前記可動クランプのうち、少なくとも1つの前記可動クランプの、前記架空送電線を把持する把持部が、前記架空送電線の長手方向に対して直交方向における該把持部の中心部と前記支持部材とを結ぶ直線を基準位置にして-90°~90°の範囲以下の回動角度にて、前記架空送電線を中心にして回動する[1]に記載の架空送電線用スペーサ。
[3]前記固定クランプが、少なくとも1つの前記可動クランプよりも天側に位置する[1]または[2]に記載の架空送電線用スペーサ。
[4]天側に位置する前記可動クランプの回動角度の範囲が、地側に位置する前記可動クランプの回動角度の範囲と同じである[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の架空送電線用スペーサ。
[5]前記可動クランプが、前記直線を基準位置にして-70°~70°の範囲以上-90°~90°の範囲以下の回動角度にて、前記架空送電線を中心にして回動する[2]に記載の架空送電線用スペーサ。
本発明の態様によれば、3導体送電線に取り付けられる架空送電線用スペーサに装備された3つのクランプのうち、2つのクランプが架空送電線を中心にして該架空送電線を回動可能に把持する可動クランプであり、他の1つのクランプが、架空送電線を回動させずに把持する固定クランプであることにより、3本の架空送電線間の着雪や着氷の断面形状が異なって、3導体送電線の強風によるギャロッピングを抑制できる。
本発明の態様によれば、可動クランプの把持部が-90°~90°の範囲内の回動角度であることにより、架空送電線への着雪や着氷を効果的に抑制でき、強風によるギャロッピングを確実に抑制できる。
本発明の態様によれば、固定クランプが、少なくとも1つの可動クランプよりも天側に位置することにより、特に、3導体送電線の天地方向の振動が抑制されるので、強風によるギャロッピングをさらに確実に抑制できる。
本発明の態様によれば、天側に位置する可動クランプの回動角度の範囲が、地側に位置する可動クランプの回動角度の範囲と同じであることにより、3導体送電線の天地方向の振動をさらに抑制することができる。
本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサを架空送電線方向から視認した状態を説明する正面図である。 本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサを架空送電線方向に対して直交方向から視認した状態を説明する側面図である。 本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサに装備された可動クランプの回動していない状態を架空送電線方向から視認した正面図である。 本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサに装備された可動クランプの最大限回動した状態を架空送電線方向から視認した正面図である。 本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサに装備された固定クランプを架空送電線方向から視認した正面図である。 実施例及び比較例の架空送電線用スペーサについて、耐張径間におけるシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例及び比較例の架空送電線用スペーサについて、懸垂径間におけるシミュレーション結果を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサについて説明する。図1は、本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサを架空送電線方向から視認した状態を説明する正面図、図2は、本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサを架空送電線方向に対して直交方向から視認した状態を説明する側面図である。
本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサ1は、平行に支持された複数の架空送電線100に渡って取り付けられて、架空送電線100同士の距離を一定に維持するためのものである。架空送電線用スペーサ1は、平行に支持された3本の架空送電線100-1、100-2、100-3に取り付けられる3導体送電線用である。
図1に示すように、架空送電線用スペーサ1は、架空送電線100-1を把持する可動クランプ20である第1の可動クランプ20-1と、架空送電線100-2を把持する可動クランプ20である第2の可動クランプ20-2と、架空送電線100-3を把持する固定クランプ40と、可動クランプ20、固定クランプ40を介して、3本の架空送電線100の間隔を維持する枠体60と、を備えている。枠体60に、可動クランプ20と固定クランプ40が装備されている。架空送電線用スペーサ1は、3つのクランプのうち、2つが可動クランプ20、他の1つが固定クランプ40となっている。
第1の可動クランプ20-1と、第2の可動クランプ20-2と、固定クランプ40は、いずれも、枠体60に取り付けられている。可動クランプ20は、架空送電線100を中心にして架空送電線100を回動可能に把持する機能を有している。一方で、固定クランプ40は、架空送電線100を回動させずに把持する機能を有している。
架空送電線100方向から視認した枠体60の形状は、逆三角形となっている。第1の可動クランプ20-1と、第2の可動クランプ20-2と、固定クランプ40は、枠体60の逆三角形の3つの角部63-1、63-2、63-3のうちのいずれかの角部63にて、枠体60に取り付けられている。架空送電線用スペーサ1では、角部63-1と角部63-3が天側に位置し、角部63-2が地側に位置している。また、角部63-1と角部63-3は同じ高さに位置している。
架空送電線用スペーサ1に装備された3つのクランプのうち、2つのクランプが可動クランプ20であり、他の1つのクランプが固定クランプ40であることにより、3本の架空送電線100-1、100-2、100-3間で捻れ剛性が相違するようになる。架空送電線100間で捻れ剛性が相違すると、捻れ剛性が相違する架空送電線100間では、着雪や着氷の断面形状が異なるようになり、強風によって一様な揚力が生じることを防止できるので、3導体送電線の強風によるギャロッピングを抑制できる。
第1の可動クランプ20-1と、第2の可動クランプ20-2と、固定クランプ40は、三角形の3つの角部63-1、63-2、63-3のうちのいずれの角部63に取り付けられていてもよい。すなわち、第1の可動クランプ20-1と第2の可動クランプ20-2が天側の角部63に取り付けられ、固定クランプ40が地側の角部63に取り付けられていてもよく、図1に示すように、第1の可動クランプ20-1と固定クランプ40が天側の角部63に取り付けられ、第2の可動クランプ20-2が地側の角部63に取り付けられていてもよい。第1の可動クランプ20-1と固定クランプ40が天側の角部63に取り付けられ、第2の可動クランプ20-2が地側の角部63に取り付けられている場合には、固定クランプ40が、第2の可動クランプ20-2よりも天側に位置することとなる。
このうち、架空送電線100の天地方向の振動が抑制されて強風によるギャロッピングをさらに確実に抑制できる点から、固定クランプ40が第2の可動クランプ20-2よりも天側に位置することが好ましい。
図2に示すように、架空送電線用スペーサ1では、枠体60の角部63に取り付けられている第1の可動クランプ20-1と第2の可動クランプ20-2と固定クランプ40は、同一平面上に位置している。また、第1の可動クランプ20-1と固定クランプ40は、第2の可動クランプ20-2の鉛直方向に位置している。
次に、可動クランプ20の構造について説明する。図3は、本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサに装備された可動クランプの回動していない状態を架空送電線方向から視認した正面図、図4は、本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサに装備された可動クランプの最大限回動した状態を架空送電線方向から視認した正面図である。
可動クランプ20としては、一般に使用される可動クランプであれば、いずれも、使用可能である。可動クランプ20としては、例えば、図3、4に示すように、ヒンジ構造21を介して連結され、架空送電線100を把持する第1の把持部材22と第2の把持部材23からなる把持部24と、把持部24と枠体60とを連結し、把持された架空送電線100を中心に把持部24を回動可能に支持する連結部材25と、第1の把持部材22と第2の把持部材23による把持状態を維持する締結部材26と、第1の把持部材22と第2の把持部材23による架空送電線100の把持の際に介在するカラー27、28とを備えている。
第1の把持部材22と第2の把持部材23は、それぞれの一端部(基端部)がヒンジ構造21により連結され、それぞれの他端部(回動端部)は締結部材26によって相互に近接された状態が保持される。第1の把持部材22と第2の把持部材23は、ヒンジ構造21によって、相互に回動可能に連結されている。締結部材26としては、ボルトとナットを備えた締結手段が挙げられる。
第1の把持部材22と第2の把持部材23は、相互の回動端部を近接させた状態である把持状態において、外形が略円柱状となり、略円柱状の中心位置には、その中心線に沿って架空送電線100が把持される。また、第1の把持部材22と第2の把持部材23は、直接、架空送電線100に接触せず、略円柱形状の中心位置に設けられた、半円筒状であるカラー27、28を介して架空送電線100を把持する。第1の把持部材22と第2の把持部材23を把持状態とすることにより、カラー27、28が略円筒状となり、その内側で架空送電線100を把持することが可能となる。
第1の把持部材22と第2の把持部材23は、いずれも、その内部に段差があり、把持される架空送電線100を中心とする内周面221、231を有する中空が形成されている。また、第1の把持部材22と第2の把持部材23の外周面上には、それぞれ、その回動端部から基端側に向かって中空内部に至る切り欠き222、232が形成されている。これらは、カラー27、28と協働して、連結部材25が把持部24を回動可能に支持するための構造である。
図3、4に示すように、連結部材25は、把持部24に連結される基部251と、枠体60の支持部材61側に連結される頭部252と、基部251と頭部252とを連結する首部253とから構成されている。連結部材25の基部251は、架空送電線方向から見た形状が円弧状に湾曲した板状に形成されている。基部251の内径は、カラー27、28の外径と略同じかまたはわずかに大きく設計されており、基部251の外径は、第1の把持部材22の内周面221と第2の把持部材23の内周面231の内径と略同じかまたはわずかに小さく設計されている。従って、基部251は、カラー27、28の外面と第1の把持部材22の内周面221と第2の把持部材23の内周面231との間の空間内をカラー27、28と第1の把持部材22と第2の把持部材23に摺接しながら移動することができる。これにより、連結部材25の基部251は、架空送電線100を中心にして把持部24を回動可能に支持することができる。
図3、4に示すように、首部253は、略板状であって、第1の把持部材22の切り欠き222と第2の把持部材23の切り欠き232に挿入された状態にあり、基部251側で把持部24が回動すると、首部253は相対的に切り欠き222、232に沿って移動する。従って、切り欠き222、232が連結部材25に対する把持部24の回動可能な角度範囲を規定している。可動クランプ20では、連結部材25の頭部252が第1の把持部材22と第2の把持部材23の回動端部側を向いた状態を基準位置とした場合、すなわち、架空送電線100の長手方向に対して直交方向における把持部24の中心部Cと支持部材61の中心軸とを結ぶ直線Lを基準位置とした場合、切り欠き222、232の終端が首部253に当接して、正方向と逆方向(時計方向と反時計方向)とについて、それぞれ、80度の角度まで把持部24は回動可能となっている。
上記のように、可動クランプ20では、直線Lを基準位置とした場合、-80°~80°の範囲以下の回動角度にて、架空送電線100を中心にして回動する。可動クランプ20の直線Lを基準位置とした回動角度は、特に限定されないが、架空送電線100への着雪や着氷を効果的に抑制でき、強風によるギャロッピングを確実に抑制できる点から、2つの可動クランプ20のうち少なくとも1つの可動クランプ20は-90°~90°の範囲以下が好ましく、2つの可動クランプ20のうち少なくとも1つの可動クランプ20は直線Lを基準位置にして-70°~70°の範囲以上-90°~90°の範囲以下の回動角度が特に好ましい。
また、2つの可動クランプ20の回動角度の範囲は、同じでも異なっていてもよいが、3導体送電線の天地方向の振動を確実に抑制することができる点及び部品点数の低減の点から、2つの可動クランプ20の回動角度の範囲は同じであることが好ましい。また、第1の可動クランプ20-1と固定クランプ40が天側の角部63に取り付けられ、第2の可動クランプ20-2が地側の角部63に取り付けられ、第1の可動クランプ20-1の回動角度の範囲が、第2の可動クランプ20-2の回動角度の範囲と同じであることにより、3導体送電線の天地方向の振動をさらに抑制することができるので、ギャロッピング抑制効果がさらに向上する。
図3、4に示すように、頭部252は、その先端部が二叉状に形成され、二叉部分のそれぞれには、架空送電線方向及び連結部材25の長手方向に直交する方向に沿って円形の貫通穴が形成されている。枠体60に設けられた支持部材61の一端部が頭部252の二叉部分に挿入され、支持部材61の一端部に形成された貫通穴と頭部252の貫通穴とにボルト611とが挿入され、ナット612を締結することにより、枠体60と連結部材25とが連結される。
次に、固定クランプ40の構造について説明する。図5は、本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサに装備された固定クランプを架空送電線方向から視認した正面図である。
固定クランプ40としては、一般に使用される固定クランプであれば、いずれも、使用可能である。固定クランプ40は、架空送電線100を回動させることなく固定的に把持する機能を有している。固定クランプ40としては、例えば、図5に示すように、ヒンジ構造41を介して連結され、架空送電線100を把持する第1の把持部材42と第2の把持部材43からなる把持部44と、第1の把持部材42と第2の把持部材43による把持状態を維持する締結部材46と、第1の把持部材42と第2の把持部材43による架空送電線100の把持の際に介在するカラー47、48とを備えている。
第1の把持部材42と第2の把持部材43は、それぞれの一端部(基端部)がヒンジ構造41により連結され、それぞれの他端部(回動端部)は締結部材46により相互に近接された状態が保持される。第1の把持部材42と第2の把持部材43は、ヒンジ構造41によって、相互に回動可能に連結されている。締結部材46としては、ボルトとナットを備えた締結手段が挙げられる。
固定クランプ40では、架空送電線100を回動可能に把持しないので、可動クランプ20のような連結部材25は設けられていない。図5に示すように、固定クランプ40では、連結部材25に代えて、第1の把持部材42と一体的に形成されているアーム状の連結部材45が設けられている。アーム状の連結部材45は、ヒンジ構造41の近傍に架空送電線100の把持位置を中心とする半径方向外側に向かって延出されている。連結部材45は、その先端部が二叉状に形成され、二叉部分のそれぞれには、架空送電線方向及び連結部材45の長手方向に直交する方向に沿って貫通穴451、452が形成されている。枠体60に設けられた支持部材61の一端部が連結部材45の二叉部分に挿入され、支持部材61の一端部に形成された貫通穴と連結部材45の貫通穴451、452にボルト614が挿入され、ボルト614を締結することにより、枠体60と連結部材45とが連結される。
次に、枠体60の構造について説明する。図1に示すように、枠体60は、架空送電線方向から見て逆三角形状の枠部62と、枠部62の3つの角部63-1、63-2、63-3に、それぞれ、1つずつ設けられた支持部材61と、を備えている。3つの支持部材61のうち、2つの支持部材61には可動クランプ20が1つずつ装備され、残り1つの支持部材61には、1つの固定クランプ40が装備されている。
枠部62が、3つの支持部材61の間隔を維持する、すなわち、第1の可動クランプ20-1と、第2の可動クランプ20-2と、固定クランプ40の間隔を維持する機能を有している。枠部62の架空送電線方向から見た形状は、三角形であれば、正三角形、二等辺三角形等、特に限定されないが、架空送電線用スペーサ1では、枠部62の形状は二等辺三角形となっている。また、枠部62には、架空送電線用スペーサ1の取り付けの際に、第1の可動クランプ20-1と固定クランプ40が天側に位置するよう、天側を示すマークMが付けられている。支持部材61には、上記の通り、可動クランプ20又は固定クランプ40側の一端部に、可動クランプ20又は固定クランプ40と連結するための貫通穴が形成されている。
次に、本発明の架空送電線用スペーサ1の取り付け方法について説明する。架空送電線用スペーサ1を3本の架空送電線100に取り付ける際には、2つの可動クランプ20及び1つの固定クランプ40は、いずれも締結部材26、46のボルトとナットを緩めて把持部24、44の把持状態を解除し、第1の把持部材22、42と第2の把持部材23、43を開いた状態とする。また、可動クランプ20は、連結部材25を基準位置以外の位置とする。
2つの可動クランプ20及び1つの固定クランプ40について、把持部24、44に架空送電線100を挿通し、第1の把持部材22、42と第2の把持部材23、43とを閉じた状態として各架空送電線100を把持する。さらに、締結部材26、46のボルトとナットを締め付け方向に回して締結を行うことで、2つの可動クランプ20及び1つの固定クランプ40に架空送電線100を取り付け、3導体送電線に架空送電線用スペーサ1を取り付けることができる。
次に、本発明の架空送電線用スペーサの実施例を説明するが、本発明の架空送電線用スペーサは、以下の実施例の態様に限定されるものではない。
実施例及び比較例の3導体送電線に取り付けられる架空送電線用スペーサでは、いずれも、上記した本発明の実施形態例に係る架空送電線用スペーサの枠体である逆三角形状の枠体を用いた。クランプとしては、以下のものを以下の位置に装備した。
実施例1:天側に、第1の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)と第2の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)。地側に1つの固定クランプ。
実施例2:天側に、第1の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)と1つの固定クランプ。地側に、第2の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)。
実施例3:天側に、第1の可動クランプ(-90°~90°の範囲の回動角度)と1つの固定クランプ。地側に、第2の可動クランプ(-40°~40°の範囲の回動角度)。
比較例1:3つのクランプとも固定クランプ。
比較例2:天側に、1つの可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)と1つの固定クランプ。地側に、1つの固定クランプ。
比較例3:天側に、2つの固定クランプ、地側に、1つの可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)。
上記実施例及び比較例の架空送電線用スペーサについて、水平方向の変位量と垂直方向の変位量をシミュレーションにて求めた。解析ソフトとして、CAFSS PROのバージョンは1.1.3を使用した。また、水平方向の変位量と垂直方向の変位量は、径間中央付近に取り付けたスペーサにおいて逆三角形である枠体が形成する逆三角形の平面の中心の挙動から求めた。
実施例及び比較例の架空送電線用スペーサについて、耐張径間におけるシミュレーション結果を図6に、懸垂径間におけるシミュレーション結果を図7に、それぞれ示す。
図6に示すように、天側に第1の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)と第2の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)、地側に1つの固定クランプを装備した実施例1、天側に第1の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)と1つの固定クランプ、地側に第2の可動クランプ(-80°~80°の範囲の回動角度)を装備した実施例2では、3つのクランプとも固定クランプである比較例1と比較して、耐張径間において、垂直方向の変位量が著しく低減した。従って、回動角度の範囲が同じである可動クランプを2つ装備した実施例1、2では、3導体送電線の強風によるギャロッピングを抑制できることが判明した。特に、天側に1つの可動クランプと1つの固定クランプ、地側に1つの可動クランプを装備した実施例2は、天側に2つの可動クランプ、地側に1つの固定クランプを装備した実施例1よりも、垂直方向の変位量がさらに低減し、強風によるギャロッピングをさらに確実に抑制できることが判明した。
また、図7に示すように、可動クランプを2つ装備した実施例1、2、3では、3つのクランプとも固定クランプである比較例1、天側と地側のいずれか一方に1つ可動クランプを装備した比較例2、3と比較して、懸垂径間においても、垂直方向の変位量が著しく低減した。従って、可動クランプを2つ装備した実施例1、2、3では、3導体送電線の強風によるギャロッピングを抑制できることが判明した。特に、天側に1つの可動クランプと1つの固定クランプ、地側に天側の可動クランプと同じ回動角度の範囲である可動クランプを装備した実施例2は、天側に1つの可動クランプと1つの固定クランプ、地側には天側の可動クランプとは異なる回動角度の範囲である可動クランプを装備した実施例3よりも、垂直方向の変位量がさらに低減し、強風によるギャロッピングをさらに確実に抑制できることが判明した。
本発明の架空送電線用スペーサは、3本の架空送電線からなる3導体送電線に取り付けられても、3本の架空送電線間の着雪や着氷の断面形状が異なって、3導体送電線の強風によるギャロッピングを抑制できるので、架空送電線に着雪や着氷が生じる寒冷地における3導体送電線の分野で利用価値が高い。
1 架空送電線用スペーサ
20 可動クランプ
24 把持部
40 固定クランプ
44 把持部
60 枠体
61 支持部材
62 枠部

Claims (4)

  1. 3本の架空送電線を個別に把持する3つのクランプと、
    前記クランプが取り付けられている支持部材と該支持部材の間隔を維持する枠部とを有し、3つの前記クランプを介して3本の前記架空送電線の間隔を維持する枠体と、
    を備え、
    3つの前記クランプのうち、2つの前記クランプが、前記架空送電線を中心にして該架空送電線を回動可能に把持する可動クランプであり、3つの前記クランプのうち、1つの前記クランプが、前記架空送電線を回動させずに把持する固定クランプであり、
    前記枠体の形状は、逆三角形であり、
    前記固定クランプが、少なくとも1つの前記可動クランプよりも天側に位置し、
    2つの前記可動クランプのうち、第1の可動クランプが天側、第2の可動クランプが地側に取り付けられ、前記第1の可動クランプと前記第2の可動クランプが同じであり、
    3本の前記架空送電線間で捻れ剛性が相違する架空送電線用スペーサ。
  2. 2つの前記可動クランプのうち、少なくとも1つの前記可動クランプの、前記架空送電線を把持する把持部が、前記架空送電線の長手方向に対して直交方向における該把持部の中心部と前記支持部材とを結ぶ直線を基準位置にして-90°~90°の範囲以下の回動角度にて、前記架空送電線を中心にして回動する請求項1に記載の架空送電線用スペーサ。
  3. 天側に位置する前記可動クランプの回動角度の範囲が、地側に位置する前記可動クランプの回動角度の範囲と同じである請求項1または2に記載の架空送電線用スペーサ。
  4. 前記可動クランプが、前記直線を基準位置にして-70°~70°の範囲以上-90°~90°の範囲以下の回動角度にて、前記架空送電線を中心にして回動する請求項2に記載の架空送電線用スペーサ。
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