JP3056042B2 - スペーサとスペーサ用のルーズ導体把持部およびギャロッピング振動を防止した架空送電線路 - Google Patents
スペーサとスペーサ用のルーズ導体把持部およびギャロッピング振動を防止した架空送電線路Info
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- JP3056042B2 JP3056042B2 JP6156560A JP15656094A JP3056042B2 JP 3056042 B2 JP3056042 B2 JP 3056042B2 JP 6156560 A JP6156560 A JP 6156560A JP 15656094 A JP15656094 A JP 15656094A JP 3056042 B2 JP3056042 B2 JP 3056042B2
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Description
防止するためのスペーサと、このスペーサに用いられる
とともに着氷雪の成長を防止し得るスペーサ用のルーズ
導体把持部、およびギャロッピング振動を防止した架空
送電線路に関するものである。
してギャロッピング振動がある。この振動は、その振幅
が大きくて送電線に電気的および機械的に重大な障害を
与えることがあり、その対策が従来より種々研究されて
いる。そして、ギャロッピング振動の発生メカニズム
は、一般的に、氷雪が送電線に吹き付けると、風上側に
翼状の着氷雪が生じ、この着氷雪と送電線の断面形状に
より、送電線が風に対して浮き上がりを生じるためであ
る、と説明されている。
止する対策としては、実開昭50−68892号公報に
示されるごとく、架設された複数本の送電線からなる架
空送電線路に複数個のスペーサが設けられ、このスペー
サに設けた少なくとも1つ以上の一部の回転導電把持部
で送電線が軸回りに回転自在に把持され、他の導電把持
部で送電線が固定把持される。しかも、架空送電線路の
1径間に複数個のスペーサを設けるにあたり、回転自在
に送電線を把持する回転導電把持部と送電線を固定把持
する導電把持部が、送電線の長手方向で交互にまたはラ
ンダムになるように取り付けられる。
線は捩じれが防止されて風上側にのみ着氷雪が発生する
のに対して、回転自在に把持された送電線は自由に捩じ
れるために、ほぼ断面円形筒状の着氷雪が大きく発達
し、双方の着氷雪の重量が大きく相違し、この重量差で
スペーサが設けられた箇所の架空送電線路全体が回転す
る捩じれが生じる。そして、この重量差により各送電線
路の運動周期が相違し、架空送電線路全体として上下振
動するギャロッピング振動が抑制される。
にあっては、回転自在に把持された送電線に対して断面
円形筒状の着氷雪が発生してこれが大きく成長し易く、
1径間の長いものにあっては、この断面円形筒状の着氷
雪による重量が過大なものとなって断線を生じる虞があ
る。また、従来のものにあっては、回転自在に送電線を
把持する回転導電把持部と送電線を固定把持する導電把
持部が、送電線の長手方向で交互にまたはランダムに取
り付けられるために、断面円形筒状の着氷雪による重量
が複数本の送電線に分散されるが、送電線間で風に対す
る浮き上がりにより生ずる運動周期の相違は小さくな
り、径間全体では複数の送電線の回転運動周期が同期し
易く、ギャロッピング振動の抑制が必ずしも充分でな
い。
で、送電線に断面円形筒状の着氷雪が発生しないように
したスペーサとスペーサ用のルーズ導体把持部を提供す
ることを目的とし、また複数本の送電線の一方の片側半
分の回転運動周期と他方の片側半分の回転運動周期を大
きく相違させて、径間全体で振動を減衰させ得るギャロ
ッピング振動を防止した架空送電線路を提供することを
目的とする。
めに、本発明のスペーサは、枠体の左右対称の位置で、
左または右の一方の片側に設けられた導体把持部で素導
体を固定把持し、他方の片側に設けられたルーズ導体把
持部で、素導体をルーズ用クランプ本体で把持し、この
ルーズ用クランプ本体を、把持した前記素導体の軸回り
に予め設定された角度範囲で揺動自在に前記枠体に連結
して構成されている。
持部は、素導体と平行な揺動軸で開閉自在に2分割され
るとともに閉じて前記素導体を把持するルーズ用クラン
プ本体を、把持した前記素導体の軸回りに予め設定され
た角度範囲で揺動自在に連結部材に配設し、この連結部
材をスペーサの枠体に連結するように構成されている。
記素導体を両側から把持するように2分割された内管部
材と、この内管部材が固定されるとともに前記揺動軸で
開閉自在に2分割された外管部材との二重管構造とする
とともに、前記内管部材と前記外管部材との間の少なく
とも一部に隙間部を形成し、前記外管部材に前記隙間部
に達するスリットを軸回りに形成し、前記連結部材に前
記隙間部に頭部が挿入され前記スリットに首部が貫通さ
れるT字状突起を設け、このT字状突起を前記隙間部と
スリット内を軸回りに揺動自在として、前記ルーズ用ク
ランプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに揺動自在
に前記連結部材に配設して構成することもできる。
した架空送電線路は、架設された偶数本の送電線からな
る架空送電線路にスペーサを設け、線路方向を見て、前
記スペーサの枠体の左または右の片側半分に設けた導体
把持部で片側半分の送電線を固定把持し、他方の片側半
分に設けたルーズ導体把持部で、他方の片側半分の送電
線をルーズ用クランプ本体で把持し、このルーズ用クラ
ンプ本体を、把持した前記送電線の軸回りに予め設定さ
れた角度範囲で揺動自在に連結部材に配設し、この連結
部材を前記枠体に連結し、前記架空送電線路の一方の片
側半分の送電線と他方の片側半分の送電線の捩じれ剛性
が相違するように構成されている。
る架空送電線路の1つの径間に複数個のスペーサを設
け、線路方向を見て、これらの前記スペーサの枠体の左
または右の同一側の片側半分に設けられた全ての導体把
持部で片側半分の送電線を固定把持し、他方の側の片側
半分に設けられた全てのルーズ導体把持部で他方の片側
半分の送電線をルーズ用クランプ本体で把持し、これら
のルーズ用クランプ本体を、把持した前記送電線の軸回
りに予め設定された角度範囲で揺動自在に連結部材に配
設し、この連結部材を前記枠体に連結し、前記架空送電
線路の1つの径間で線路方向を見て片側半分の送電線と
他方の片側半分の送電線の捩じれ剛性が相違するように
構成しても良い。
体の一方の片側半分に設けられたルーズ導体把持部で素
導体を予め設定された角度範囲で素導体の軸回りに揺動
自在に把持するので、この素導体は自由な回転ができず
に断面円形筒状の着氷雪が発生しない。そこで、素導体
に着氷雪による過大な荷重が加わらない。しかも、スペ
ーサの一方の片側半分にある素導体を固定把持し、他方
の片側半分にある素導体を揺動自在に把持するので、双
方の素導体の捩じれ剛性が大きく相違する。
持部にあっては、素導体を把持するルーズ用クランプ本
体が、連結部材に所定の角度範囲で素導体の軸回りに揺
動自在に配設されるので、素導体が把持される位置で軸
方向にずれることなしに素導体の軸回りに所定の角度範
囲で揺動し得る。
ズ導体把持部にあっては、素導体と平行な揺動軸で開閉
自在に2分割された外管部材で、素導体を跨いで閉じる
ことによりルーズ用クランプ本体で素導体を把持し得
る。しかも、外管部材と内管部材の間に形成された隙間
部に連結部材のT字状突起を挿入したままで、素導体を
把持し得る。
した架空送電線路は、偶数本の送電線の一方の片側半分
にある送電線を固定把持し、他方の片側半分にある送電
線を所定の角度範囲で送電線の軸回りに揺動自在に把持
するので、一方の片側半分の送電線は捩じれ剛性が大き
く、他方の片側半分の送電線は捩じれ剛性が小さい。そ
こで、捩じれ剛性の相違する2つのグループの送電線は
互いに回転運動周期が同期せず、架空送電線路全体とし
ての振動が抑制される。しかも、揺動自在に把持される
送電線には、断面円形筒状の着氷雪が発生せず、着氷雪
による過大な荷重が送電線に加わらない。
動を防止した架空送電線路にあっては、1つの径間に設
けられた複数のスペーサで、一方の片側半分にある全て
の送電線を固定把持し、他方の片側半分にある全ての送
電線を揺動自在に把持するので、径間全体で捩じれ剛性
の相違する2つのグループの送電線により、径間全体と
しての振動が抑制される。
を参照して説明する。図1は、本発明のスペーサの一実
施例の一部を切り欠いた正面図であり、図2(a)は、
図1のA矢視図であり、図2(b)は、図1のB矢視図
であり、図3は、図1のC−C断面矢視拡大図であり、
図4は、図1に用いるスペーサ用のルーズ導体把持部の
分解斜視図であり、図5は、図4の組み立て外観斜視図
であり、図6は、図4に示される外管部材の一部の構成
部品を異なる方向から見た外観斜視図であり、図7
(a)は、素導体が反時計回りに90°揺動した状態を
示すスペーサ用のルーズ導体把持部の縦断面図であり、
図7(b)は、素導体が時計回りに90°揺動した状態
を示すスペーサ用のルーズ導体把持部の縦断面図であ
り、図8は、架空送電線路の1径間に複数のスペーサを
設けた簡略斜視図であり、図9は、架空送電線路のギャ
ロッピング振動による上下運動軌跡および送電線の回転
を説明する簡略図である。
する。図1に示すごとく、スペーサ10は、枠体12,
12…により左右で軸対称の位置に把持部が設けられ
る。そして、図1で上下方向の対称軸に対して右片側半
分に設けられた導体把持部14,14は、素導体16,
16を固定把持するもので、例えば実公昭57−574
62号公報で示される公知のものである。なお、図1に
あっては素導体16,16をアーマーロッド18,18
…で巻き、その上から把持される。
ズ導体把持部20,20は、後述するごとく新規な構造
であり、素導体16,16が軸回りに揺動自在である。
このルーズ導体把持部20,20は、素導体16を把持
固定するルーズクランプ用本体22が、連結部材24の
一端部に素導体16の軸回りに180°の範囲で揺動自
在に配設され、連結部材24の他端部がスペーサ10の
枠体12,12…に連結されて構成される。なお、スペ
ーサ10は、左右で重量がバランスするように形成され
る。
持部20の構造につき説明する。素導体16を両側から
把持できるように軸を含む平面で筒状体が略2分割され
た一対の部材26a,26aからなる内管部材26が形
成される。この内管部材26の両端には、それぞれフラ
ンジ状突起部26b,26b…が分割面と直交する方向
に突出して設けられ、また2分割された部材の対向する
一方の縁は互いに噛合する凹凸部26c,26cが設け
られる。そして、この一対の部材26a,26aからな
る内管部材26全体を両側から把持できるように、軸と
平行な揺動軸28により蝶番状に開閉自在に2分割され
た一対の部材30a,30b,30bからなる外管部材
30が形成される。すなわち、内管部材26と外管部材
30により二重管構造が形成される。そして、外管部材
30を形成する一対の一方の部材30aは一体である
が、他方の部材30b,30bは軸方向に半分に分割さ
れる。さらに、外管部材30を形成する一対の部材30
a,30b,30bの軸方向の両端部は内管部材26の
外径とほぼ同じ内径の小径部30c,30c…が形成さ
れ、中央部には内管部材26の外径より大きな径で一部
の内周壁30d,30dが形成され、この内周壁30
d,30dと内管部材26との間に隙間部32が設けら
れる。また、外管部材30の軸方向の両端面には内管部
材26のフランジ状突起部26b,26b…が嵌合挿入
される凹部30e,30e…が設けられる。さらに、外
管部材30には、隙間部32に達するスリット30fが
軸回りに形成される。具体的には、外管部材30を形成
する一方の部材30aには中央にスリット30fを設
け、他方の部材30b,30bには軸方向に半分に分割
された分割面の縁の一部が切り欠かれて連接したときに
スリット30fとなるように形成される。そしてさら
に、外管部材30の一方の部材30aには、揺動軸28
とは略反対側に一対の突起30g,30gを2組み設
け、軸と平行なピン34,34により締付けボルト3
6,36の一端が揺動自在に連結される。そしてまた、
他方の部材30bには、同様に突起30h,30hが突
設され、締付けボルト36,36が揺動して挿入される
ように、その先端部からU字状の溝30i,30iが設
けられる。かかる内管部材26と外管部材30等により
ルーズ用クランプ本体22が形成される。
材26と外管部材30との間に形成される隙間部32を
軸回りに揺動できる頭部とスリット30fを貫通して移
動自在な首部とからなるT字状突起24aが形成され
る。また連結部材24の他端には一対の突起24b,2
4bが設けられ、適宜にスペーサ10の枠体12,12
に揺動自在に連結されるように形成される。
て、予め連結部材24がスペーサ10の枠体12,12
…に適宜に連結される。また、部材30a,30b,3
0bが蝶番状に組み付けられた外管部材30に、内管部
材26が止めピン40,40…により固定される。さら
に、外管部材30の突起30g,30g…には締付けボ
ルト36,36がピン34,34により揺動自在に連結
される。しかも、外管部材30と内管部材26の間の隙
間部32に連結部材24のT字状突起24aの頭部が挿
入されるとともに首部がスリット30fを貫通するよう
にされる。そして、外管部材30が閉じられ、締付けボ
ルト36,36が揺動されて溝30i,30iに挿入さ
れ、締付けボルト36,36の先端にスプリングロック
ナット38,38が螺合されて仮止めされる。なお、こ
のスプリングロックナット38,38は、特公平4−2
0090号公報に示されるごとく、所定の締付け圧力が
得られる公知のものである。
部20で把持する際には、T字状突起24aが外管部材
30の軸方向に一体の部材30a側に形成される隙間部
32に位置するように、ルーズ用クランプ本体22を予
め揺動する。さらに、スプリングロックナット38,3
8を緩めて溝30i,30iから締付けボルト36,3
6を抜き取り、外管部材30を開けるようにする。この
とき、内管部材26も開けられることは勿論である。
30で跨いで閉じるようにして、素導体16を内管部材
26で両側から把持させ、締付けボルト36,36を揺
動させて溝30i,30iに挿入し、スプリングロック
ナット38,38を締め付ければ、把持が完成する。な
お、内管部材26は、縁に設けられた凹凸部26c,2
6cが噛合することで、一対の部材が軸方向にずれるこ
とがない。
結部材24のT字状突起24aが隙間部32とスリット
30f内で軸回りに揺動でき、図7(a)に示すごとく
素導体16は連結部材24に対して反時計回りに揺動で
き、また図7(b)に示すごとく時計回りにも揺動でき
る。本発明のルーズ導体把持部20にあっては、一例と
して揺動範囲が反時計回りに90°および時計回りに9
0°の180°の範囲で設定される。
の角度範囲で揺動自在であれば、自由に回転できる素導
体のごとく断面円形筒状の着氷雪は発生することができ
ず、それだけ着氷雪による荷重が軽減し得る。しかも、
ルーズ用クランプ本体22を連結部材24と連結した状
態のままで、素導体16を把持させることができ、作業
が容易である。これは、部品を脱落させる等の不具合が
なく、それだけ宙乗り作業等の高所作業等に適する。
送電線が架設されてなる架空送電線路に設けてギャロッ
ピング振動を防止する構造を説明する。図8に示すごと
く、送電線の1径間内に複数個のスペーサ10,10…
が設けられる。しかも、線路方向を見て、スペーサ10
の枠体12の右の片側半分に設けられた全ての導体把持
部14,14で、右の片側半分の送電線42,42が固
定把持され、左の片側半分に設けられた全てのルーズ導
体把持部20,20で、左の片側半分の送電線42,4
2が軸回りに所定角度範囲で軸回りに揺動自在に把持さ
れる。ここで、スペーサ10,10…は、左右がバラン
スした重量であり、スペーサ10,10…を設けること
により送電線42,42…全体を捩じって回転させるご
とき力は作用しない。なお、図8および図9の簡略図に
おいて、黒丸は送電線42を固定把持する導体把持部1
4を示し、白丸は送電線42を揺動自在に把持するルー
ズ導体把持部20を示す。
見て右側から風が吹き付けるとするならば、多数本の送
電線からなる架空送電線路は全体として、上下動の振動
を生じるとともに、上昇運動の際に送電線路全体として
時計回りに捩じられ下降運動の際に反時計回りに捩じら
れることが風洞実験で知られている。そして、それぞれ
の送電線の捩じれ剛性が同じであると、それぞれの送電
線の固有振動数が一致し、送電線路全体の回転運動周期
と上下動の振動周期が同期する場合が生じ、この同期に
よって上下動の振幅が増大されることが知られている。
また、多数本の送電線からなる架空送電線路に比べて単
導体の回転運動周期は長く、単導体にあっては上下動の
振動周期に比べて回転運動周期が長いために同期するこ
とが少なく、ギャロッピング振動を生じにくいことも知
られている。
止した架空送電線路にあっては、図8および図9に示す
ごとく、一方の片側半分の送電線42,42を固定把持
し、他方の片側半分の送電線42,42を揺動自在に把
持することで、一方の片側の送電線42,42…と他方
の片側の送電線42,42の捩じれ剛性を大きく相違さ
せ、左と右の送電線42,42…における回転運動周期
を大きく相違させられるので、送電線路全体としての回
転運動周期が大幅に乱される。しかも、1径間の長さ方
向全体にわたって、左右の送電線42,42…で回転運
動周期が相違するので、径間全体でのギャロッピング振
動を抑制する効果が大きい。
らも本発明の上記効果が期待できる。実験は、4導体に
おいて片側半分を固定把持し他方の片側半分を軸回りに
揺動自在に把持した本発明のギャロッピング振動を防止
した架空電線路と、4導体においていずれも固定把持し
た従来のものとを比較し、4導体の回転方向における回
転角の対数減衰率を測定した。試験条件で、架空電線路
の径間は80mであり、この径間内にスペーサを1つ取
り付けたものと2つ取り付けたもので測定された。ま
た、電線はACSR410mm2であり、張力は20%
U.T.Sである。測定結果は、本発明のスペーサを1
つ取り付けたものの対数減衰率は0.0208であり、
スペーサを2つ取り付けたものの対数減衰率は0.04
05であった。これに対して、4導体が固定把持された
従来のものでスペーサを1つ取り付けたものの対数減衰
率は0.0140であり、スペーサを2つ取り付けたも
のの対数減衰率は0.0181であった。この実験結果
から、4導体を固定把持する従来のものに比べて、本発
明のものは対数減衰率が大きく、ギャロッピングの抑制
を期待できる。しかも、本発明にあっては、スペーサが
1つのものに対して2つのものの対数減衰率の増大が著
しく、本発明にあってはスペーサの個数を増やすことで
一層の抑制効果が期待し得る。
電線42,42…からなるが、2本以上の偶数本の送電
線42,42からなる架空送電線路に適用できることは
勿論であり、また線路方向を見て左右いずれの片側半分
が固定把持され他方の片側半分が軸回りに揺動自在に把
持されても良い。そして、素導体16を固定把持する導
体把持部は、いかなる構造であっても良い。さらに、本
発明のスペーサおよびギャロッピング振動を防止した架
空送電線路にあっては、ルーズ用クランプ本体22を連
結部材24に揺動自在に配設する構造は、上記実施例に
限られるものでない。
とスペーサ用のルーズ導体把持部およびギャロッピング
振動を防止した架空送電線路は構成されているので、以
下のごとき格別な効果を奏する。
ーサの片側半分にある素導体を予め設定された角度範囲
で揺動自在に把持するので、断面円形筒状の着氷雪が発
生せず、この着氷雪の発達による過大な重量が素導体に
加わることがなく、断線等の虞がない。そして、一方の
片側半分にある素導体を揺動自在に把持し、他方の片側
半分にある素導体を固定把持するので、一方の片側半分
の素導体の捩じれ剛性と他方の片側半分にある素導体の
捩じれ剛性とが相違し、それぞれの素導体の回転運動周
期が相違し、ギャロッピング振動の抑制に貢献し得る。
導体把持部にあっては、素導体は軸回りに所定の角度範
囲で揺動できるが回転できないので、断面円形筒状の着
氷雪の発生を防止できる。
ズ導体把持部にあっては、ルーズ用クランプ本体を連結
部材に連結したままで、素導体を把持することができ、
素導体を把持させる作業が容易である。また、構成部品
を分離しなくても作業ができるので、それだけ部品を脱
落させる等の不具合がなく、宙乗り作業等の高所作業に
好適である。
を防止した架空送電線路では、偶数本の一方の片側半分
の送電線が揺動自在に把持され、他方の片側半分の送電
線が固定把持されるので、一方の片側半分の送電線の捩
じれ剛性と他方の片側半分の送電線の捩じれ剛性が相違
して固有振動数が大きく相違し、それぞれのグループの
回転運動周期が相違して、架空送電線路全体としての回
転運動周期が大きく乱され、ギャロッピング振動が抑制
される。しかも、一方の片側半分の送電線は揺動し得る
が回転できず、断面円形筒状の着氷雪が生じず、着氷雪
による過大な荷重による断線を生じない。
動を防止した架空送電線路にあっては、1つの径間で、
一方の片側半分の送電線が揺動自在に把持され他方の片
側半分の送電線が固定把持されるので、1つの径間全体
で固有振動の相違する送電線の2つのグループにより径
間全体としての回転運動周期が効果的に乱され、ギャロ
ッピング振動の抑制がなされる。
た正面図である。
図1のB矢視図である。
分解斜視図である。
なる方向から見た外観斜視図である。
た状態を示すスペーサ用のルーズ導体把持部の縦断面図
であり、(b)は、素導体が時計回りに90°揺動した
状態を示すスペーサ用のルーズ導体把持部の縦断面図で
ある。
た簡略斜視図である。
運動軌跡および送電線の回転を説明する簡略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 枠体の左右対称の位置で、左または右の
一方の片側に設けられた導体把持部で素導体を固定把持
し、他方の片側に設けられたルーズ導体把持部で、素導
体をルーズ用クランプ本体で把持し、このルーズ用クラ
ンプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに予め設定さ
れた角度範囲で揺動自在に前記枠体に連結して構成した
ことを特徴とするスペーサ。 - 【請求項2】 素導体と平行な揺動軸で開閉自在に2分
割されるとともに閉じて前記素導体を把持するルーズ用
クランプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに予め設
定された角度範囲で揺動自在に連結部材に配設し、この
連結部材をスペーサの枠体に連結するように構成したこ
とを特徴とするスペーサ用のルーズ導体把持部。 - 【請求項3】 請求項2記載のスペーサ用のルーズ導体
把持部において、前記ルーズ用クランプ本体を、前記素
導体を両側から把持するように2分割された内管部材
と、この内管部材が固定されるとともに前記揺動軸で開
閉自在に2分割された外管部材との二重管構造とすると
ともに、前記内管部材と前記外管部材との間の少なくと
も一部に隙間部を形成し、前記外管部材に前記隙間部に
達するスリットを軸回りに形成し、前記連結部材に前記
隙間部に頭部が挿入され前記スリットに首部が貫通され
るT字状突起を設け、このT字状突起を前記隙間部とス
リット内を軸回りに揺動自在として、前記ルーズ用クラ
ンプ本体を、把持した前記素導体の軸回りに揺動自在に
前記連結部材に配設したことを特徴とするスペーサ用の
ルーズ導体把持部。 - 【請求項4】 架設された偶数本の送電線からなる架空
送電線路にスペーサを設け、線路方向を見て、前記スペ
ーサの枠体の左または右の片側半分に設けた導体把持部
で片側半分の送電線を固定把持し、他方の片側半分に設
けたルーズ導体把持部で、他方の片側半分の送電線をル
ーズ用クランプ本体で把持し、このルーズ用クランプ本
体を、把持した前記送電線の軸回りに予め設定された角
度範囲で揺動自在に連結部材に配設し、この連結部材を
前記枠体に連結し、前記架空送電線路の一方の片側半分
の送電線と他方の片側半分の送電線の捩じれ剛性が相違
するように構成したことを特徴とするギャロッピング振
動を防止した架空送電線路。 - 【請求項5】 架設された偶数本の送電線からなる架空
送電線路の1つの径間に複数個のスペーサを設け、線路
方向を見て、これらの前記スペーサの枠体の左または右
の同一側の片側半分に設けられた全ての導体把持部で片
側半分の送電線を固定把持し、他方の側の片側半分に設
けられた全てのルーズ導体把持部で他方の片側半分の送
電線をルーズ用クランプ本体で把持し、これらのルーズ
用クランプ本体を、把持した前記送電線の軸回りに予め
設定された角度範囲で揺動自在に連結部材に配設し、こ
の連結部材を前記枠体に連結し、前記架空送電線路の1
つの径間で線路方向を見て片側半分の送電線と他方の片
側半分の送電線の捩じれ剛性が相違するように構成した
ことを特徴とするギャロッピング振動を防止した架空送
電線路。
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JP6156560A JP3056042B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | スペーサとスペーサ用のルーズ導体把持部およびギャロッピング振動を防止した架空送電線路 |
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