JP2507750B2 - 多導体送電線のギヤロツピング防止方法 - Google Patents

多導体送電線のギヤロツピング防止方法

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JP2507750B2 JP62162418A JP16241887A JP2507750B2 JP 2507750 B2 JP2507750 B2 JP 2507750B2 JP 62162418 A JP62162418 A JP 62162418A JP 16241887 A JP16241887 A JP 16241887A JP 2507750 B2 JP2507750 B2 JP 2507750B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、複数本の素導体よりなる多導体送電線のギ
ャロッピング防止方法に関するものである。
〔従来技術とその問題点〕
一般に氷雪が多導体送電線に吹きつけると、多導体送
電線を構成する各素導体には風上側に翼状の着氷雪が生
じる。このため多導体送電線は風により浮き上がり、い
わゆるギャロッピングが発生する。
従来、このようなギャロッピングを防止するには第3
図のような手段がとられていた。すなわち多導体送電線
を構成する2本(3本以上でもよい)の素導体11A・11B
に、すべての把持部がルーズ把持部13A・13Bとなってい
るスペーサ12を取り付けると共に、スペーサ取付け位置
の前後に一対の偏心ウェイト14を取り付けるものであ
る。このようにすると、素導体11A・11Bはスペーサ12の
ルーズ把持部13A・13B内で自由に回転することができる
から、各素導体の着氷雪は、スペーサで各素導体を固定
した場合に比べ不均一になり、ギャロッピングが生じ難
くなる。
しかし上記の構成では、スペーサの把持部がすべてル
ーズであるため、偏心ウェイトを水平にバランスさせて
取り付けることが困難であり、またスペーサの把持部が
大型化する上に偏心ウェイトが取り付けられるため弛度
の増加が大きく、さらに偏心ウェイト脱落の危険性もあ
る等の問題があった。
〔問題点の解決手段とその作用〕
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題点を解
決した多導体送電線のギャロッピング防止方法を提供す
ることにある。
この目的を達成するため本発明は、架設された複数本
の素導体よりなる多導体送電線のギャロッピング防止方
法において、素導体の間隔を保持するスペーサにルーズ
把持部と固定把持部を設け、上記複数本の素導体のうち
少なくとも1本を上記スペーサのルーズ把持部で把持し
て、その素導体の捻じれ剛性を他の素導体と相違させた
ことを特徴とするものである。
このように複数本の素導体間で捻じれ剛性を異ならせ
ると、捻じれ剛性の異なる素導体間では着氷雪の形状が
異なるようになり、一様な揚力が生じ難くなるため、多
導体送電線としてのギャロッピングを効果的に抑制する
ことが可能となる。また偏心ウェイトを必要としないの
で、弛度増加やウェイト脱落の問題も解消できる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図および第2図を参照
して詳細に説明する。
第1図(a)(b)は本発明を水平2導体送電線に適
用した場合である。平行に架設さた2本の素導体11A・1
1Bには、その長手方向に20〜50m間隔でスペーサ21が取
り付けられる。このスペーサ21は、スペーサバー22の一
端にルーズ把持部23を、他端に固定把持部24を設けた構
造である。
ルーズ把持部23は、ヒンジピン26を中心として開閉可
能で、ボルト27の締付けにより素導体11Aに固定される
内部クランプ25と、ヒンジピン29を中心として開閉可能
で、ボルト30の締付けにより内部クランプ25をルーズに
把持するルーズクランプ28とから構成されており、内部
クランプ25はルーズクランプ28内で回転自在となってい
る。
なおルーズクランプ28の内周面または内部クランプ25
の外周面には摩耗や騒音防止のためゴムやポリテトラフ
ルオロエチレンなどの成形体を取り付けておくことが好
ましく、また内部クランプ25に代えて素導体11A上にア
ーマーロッドを巻き付けてもよい。
一方、固定把持部24は、ヒンジピン32を中心として開
閉可能で、ボルト33の締付けにより素導体11Bを固定把
持するクランプ31より構成されている。
次に上記構成の2導体送電線のギャロッピング作用を
説明する。第2図に示すように矢印V方向から風雪が吹
き付けたとすると、スペーサ21のルーズ把持部23で把持
されている素導体11Aは、捻じれ剛性が小さいため、付
着した氷雪の偏心モーメントで容易に捻じれ、ほぼ断面
円形の着氷雪35が生じる。一方、スペーサ21の固定把持
部24で把持されている素導体11Bは、捻じれ剛性が大き
く、捻じれ難いため、着氷雪36は風上側にのみ円弧状に
発達する。このような状態になると2導体送電線は着氷
雪の重量差によって素導体11A側が下になるように回転
し、ほぼ垂直状態で安定する。このようにして着氷雪の
形状が風に対して変化する結果、揚力が変化し、ギャロ
ッピングが抑制されるのである。もちろん着氷雪がなく
なれば、2導体送電線はもとの水平な状態に復帰する。
なお上記実施例では、2導体送電線に本発明を適用し
た場合を説明したが、本発明は4導体送電線等にも適用
できる。4導体送電線の場合は4本の素導体のうち少な
くとも1本の捻じれ剛性を上記と同様にして他の素導体
と相違させればよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、複数本の素導体
のうち少なくとも1本の捻じれ剛性を他の素導体と相違
させてあるので、捻じれ剛性の異なる素導体間では着氷
雪の形状が異なり、一様な揚力が生じなくなるため、多
導体送電線のギャロッピングを防止することができる。
また従来のように偏心ウェイトを使用する必要がないの
で、弛度増加やウェイト脱落の問題もなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は本発明のギャロッピング防止方法
を適用した2導体送電線の要部を示す平面図および断面
図、第2図は同2導体送電線に着氷雪が生じた場合の説
明図、第3図は従来のギャロッピング防止方法を示す平
面図である。 11A・11B〜素導体、21〜スペーサ、22〜スペーサバー、
23〜ルーズ把持部、24〜固定把持部、35・36〜着氷雪。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架設された複数本の素導体よりなる多導体
    送電線のギャロッピング防止方法において、素導体の間
    隔を保持するスペーサにルーズ把持部と固定把持部を設
    け、上記複数本の素導体のうち少なくとも1本を上記ス
    ペーサのルーズ把持部で把持して、その素導体の捻じれ
    剛性を他の素導体と相違させたことを特徴とする多導体
    送電線のギャロッピング防止方法。
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