JPH058758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数本の導体をスペーサで連結する
ことなく架設し、各導体にダンパー、例えばスト
ツクブリツジダンパー、捻り防止ダンパー等を取
付け、各導体に振動や着雪による捻回が生じない
ようにした架空電線路に関するものである。

従来、この種架空電線路における各導体に取付
けたダンパーの取付位置は、各導体とも略同一位
置に取付けていた。

しかしながら、この種架空電線路においては、
通常の気象条件下では振動や捻回を有効に抑止し
得るが、気象条件が激変した場合等においては、
各導体はギヤロツピング振動等大きく振動し、こ
のため隣り合う導体相互が交差、特に下側相の導
体が上側相の導体より上に上がつてしまうことが
ある。このような場合、各導体にダンパーが取付
けられていない場合は、導体相互が絡み合うこと
は少いが、ダンパーが取付けられている場合に
は、一方の導体のダンパーと他方の導体のダンパ
ーとが係合状態となつて元に戻らなくなつてしま
い、送電等に支障を来たす。

本考案は、このような欠点を改良したもので、
各導体がギヤロツピング振動等により大きく振動
しても、一方の導体に取付けたダンパーとこれと
隣り合う導体に取付けたダンパーとが係合状態に
ならないようにした架空電線路を提供することを
目的とする。

本考案は上述の目的を達成するため、次のよう
な構成としたものである。

即ち、本考案は複数本の導体をスペーサで連結
することなく架設し、各導体には吊下げ部材の下
端に重錘を設けてなるダンパーを取付けた架空電
線路において、前記導体における隣り合う導体に
取付けたダンパーの取付位置相互を、導体の長手
方向に沿つてダンパーの導体に沿つた最長幅に相
当する長さ以上の距離だけ異らせて構成してなる
ものである。

次に、本考案を図示した一実施例に基づき詳説
する。

図において、１，２は相互に隣り合う導体で、
各導体１，２はスペーサで連結されることなく架
設されている。３は各導体１及び２を支持した鉄
塔アームを示す。

各導体１及び２には、ダンパー４及び５を取付
けてある。

ダンパー４及び５は、導体１，２に吊下げる吊
下げ部材６と、これの下端に導体１，２と略平行
に取付けた金属撚線からなるダンパーケーブル７
と、該ダンパーケーブル７の両端に設けた重錘８
とからなる。

また、上記各導体１，２に夫々取付けたダンパ
ー４と５は、その取付位置を導体１，２の長手方
向に沿つて、ダンパー４と５の導体１，２に沿つ
た最長幅ｌに相当する距離Ｌだけ異らせてある。
Ｌはｌ以上であればよく、通常は30cm〜5mの範
囲である。

尚、各導体１又は２に取付けるダンパー４又５
の個数は径間長に比例して取付けられ、またダン
パーの取付位置相互を異らせる導体としては、相
互に上下関係で隣り合う導体のみ、相互に水平関
係で隣り合う導体のみ又は上下関係と水平関係と
にある導体全部を選定してもよい。またダンパー
としては図示したダンパーに限らず任意に選定し
得、例えば図示したもののダンパーケーブルを省
略し、吊下げ部材の下端に重錘を直接設けた所謂
捻れ防止ダンパーとしてもよい。

しかして、本考案架空電線路によれば、複数本
の導体をスペーサで連結することなく架設し、各
導体には吊下げ部材の下端に重錘を設けたダンパ
ーを吊下げ取付けた架空電線路において、前記導
体における隣り合う導体に取付けたダンパーの取
付位置相互を、導体の長手方向に沿つてダンパー
の導体に沿つた最長幅に相当する長さ以上の距離
だけ異らせたので、各導体がギヤロツピング振動
等により大きく振れ、導体相互が交差してしまつ
た場合でも、各導体に取付けたダンパー相互が係
合することが殆んどなくなり、送電に支障を来た
すことがなくなる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案架空電線路の一実施例を説明する説
明図である。 １，２……導体、３……鉄塔アーム、４，５…
…ダンパー、６……吊下げ部材、７……ダンパー
ケーブル、８……重錘、ｌ……ダンパーの最長
幅、Ｌ……異らせる距離。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数本の導体をスペーサで連結することなく架
   設し、各導体には吊下げ部材の下端に重錘を設け
   てなるダンパーを吊下げ取付けた架空電線路にお
   いて、前記導体における隣り合う導体に取付けた
   ダンパーの取付け位置相互を、導体の長手方向に
   沿つてダンパーの導体に沿つた最長幅に相当する
   長さ以上の距離だけ異ならせたことを特徴とする
   架空電線路。