JP4822749B2 - ルーズ式電線把持部 - Google Patents

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本発明は、ルーズ式の電線把持部にかかるもので、所謂ルーズスペーサを多導体に取付けて、ギャロッピング防止型の多導体送電線などとして構成することができる、ルーズ式電線把持部の構造に関するものである。
単導体送電線の導体上の着氷雪は、より線導体の周面をより溝に沿って長手方向に滑り回転しながら筒雪に発達し、この筒雪の回転によって導体も捻(ねじ)れて回転すると、筒雪の回転が助長されてさらに大きな筒雪に発達する。
ところが、多導体送電線の各導体(素導体)は、所定間隔(20〜60m)ごとに取付けられたスペーサにより相互に連結されているので、各素導体自身の捻れ剛性が大きくなり、その結果、着氷雪が風上側に発達して通常海老のしっぽと言われる形状になりやすい。このような断面が非対称な形状になると、横風をうけたときに生ずる揚力が各導体とも均等になり、各導体の振動が同期して相互に増幅し合い、その結果、ギャロッピングが発生しやすくなり、相間短絡や支持物損壊などの事故を起こす。このため、スペーサで連結された各素導体の着氷雪の形状を不均一化して、風による揚力を不均一にすることにより、ギャロッピングを防止する種々の手段が考えられている。
たとえば、一端に多導体の一方の素導体をルーズに把持するルーズ把持部を有し、他端に多導体の他方の素導体を固定して把持する固定把持部を有するルーズスペーサを、各ルーズ把持部が同一素導体を把持するように多導体に斉一的に取付け、前記ルーズ把持部で把持した側の導体に難着雪リングまたはスパイラルロッドを取付けた多導体のギャロッピング防止方法が知られている(例えば特許文献1)。
また、架設された偶数本の送電線からなる架空送電線路にスペーサを設け、線路方向を見て、前記スペーサの間隔体の左または右の片側半分に設けた導体把持部で片側半分の送電線を固定把持し、他方の片側半分に設けたルーズ導体把持部で、他方の片側半分の送電線をルーズ用クランプ本体で把持し、このルーズ用クランプ本体を、把持した前記送電線の軸回りに予め設定された角度範囲で揺動自在に連結部材に配設し、この連結部材を前記間隔体に連結し、前記架空送電線路の一方の片側半分の送電線と他方の片側半分の送電線の捩じれ剛性が相違するように構成したことを特徴とするギャロッピング振動を防止した架空送電線路が知られている(例えば特許文献2)。
特開平05−284628号公報 特開平08−009544号公報
前記の特許文献1のルーズスペーサは、ルーズ把持部は導体をねじれ回転自由に把持し、固定把持部は導体を固定把持して、ルーズ把持部側の導体と固定把持部側の導体のねじれ剛性を変えて各導体にそれぞれ形成される着氷雪の形状を異ならせ、これにより各導体の着氷雪が風を受けたときに生ずる揚力を不均一にしてギャロッピング発生の要因となる均等な揚力が生じないようにしたものである。
ところが、導体上の着雪片が素導体のより溝に沿って回転するときに、ルーズ把持部は素導体をねじれ回転自由に把持しているため、素導体は容易にねじれて回転するので大きな筒雪に発達する、という欠点があった。そこで、ルーズスペーサを取付けた多導体送電線においては、ルーズ把持側の素導体に難着雪装置を取付ける必要があり、その取付けならびに保守管理に多大な費用を必要とするなどの問題があった。
さらに、ルーズ把持側の素導体が難着雪装置などの取付けにより、重量が増加して固定把持部側の素導体に比して弛度が大になるので、常に傾斜した状態で取付けられることになる。この結果、多導体送電線の各素導体に弛度の不揃いが生じて、外観上不安感を与えたり、多導体送電線の投影受風面積が増加するため、風圧荷重が増加したりする等の問題点があった。
特許文献2のルーズスペーサは、例えば4導体送電線においては、線路方向を見て左右いずれか一方側の上下の素導体をルーズ把持部として斉一的に取付けるので、ルーズ側把持部が固定側把持部よりも重い場合には、その質量差が影響して素導体が水平とならずいずれか一方側に傾斜しやすく、このため、強風などで多導体が捻回し易くなる共に水平方向からの投影断面積が増加して風圧荷重が増大するというという欠点があった。また、上記のように多導体が捩れて傾斜するとコロナ特性の悪化等を起こすという問題点がある。
このため、いずれか一方側の把持部側に、ルーズ把持部と固定把持部のモーメントをバランスさせるためのバランスカラーなどを介在させて取付ける必要があり、遊離部品が増えて、施工の落下などの安全対策面での問題があると共に、手間が掛かり不経済であった。さらに、ルーズ把持部側が大形となり、その構造が複雑で、組み付け部品が多くなって、コストも高くなるなどの問題があった。
本発明によるルーズ式電線把持部は、上述の従来の課題を解決し、組み付け部品数を少なくして、ルーズ把持部をシンプル且つコンパクトな構造として、安価に提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するために、本発明によるルーズ式電線把持部は、以下のような手段を講じたものである。
(1)電線を把持するルーズ式把持部であって、前記ルーズ式把持部は、電線に固着される固定カラークランプは一端がピンで開閉自在にヒンジ結合され、前記固定カラークランプの一方の電線把持面側には半円筒状のゴム状弾性体カラーが装着され、前記ゴム状弾性体カラーに圧縮変形を与えて締付けるために、他端側に設けた鼓状のテーパー溝に相似形なテーパー楔を挿入して電線に締付け固着すると共に、前記固定カラークランプにルーズ把持部を嵌着する断面輪郭は、略楕円形または長軸と短軸とを有する多角形状であって、その長軸部側はルーズ把持部の円形把持孔に内接して摺動可能とすると共に、前記ルーズ把持部の円形把持孔の内面の対称な位置の壁面には、固定カラークランプが電線軸周りに揺動する範囲を規制するストッパーを設けて構成されるルーズ式電線把持部である。
このルーズ式電線把持部は、ルーズスペーサやその他の電線付属品の電線把持部として適用され、特に、ギャロッピング防止型送電線や難着雪形送電線装置などの架線構造を形成する構成部材として活用できる。
(2)(1)のルーズ式電線把持部において、
ゴム状弾性カラーは電線把持部の固定カラークランプの一方側にのみ装着され、電線把持部の固定カラークランプの他方側は金属面で電線を把持しているので、前記ルーズ式把持部で電線を把持したときは電線とルーズ式把持部とは電気的に導通状態となるので同電位であるから、後記するようなアークなどによる電線の溶損事故なども確実になくすことができる。
(3)(1)または(2)のルーズ式電線把持部において、
反撥弾性に富むゴム状弾性体カラーの材料は、ゴム状の弾性体例えばウレタンゴムやEPDM(エチレンプロピレンゴム)、または各種ゴムと熱可塑性のプラスチックとをゴム弾性を有するように所定の割合でブレンドした複合材料、あるいは前記の各種ゴム材料にガラス繊維、ケブラー繊維、炭素繊維、その他の繊維などで強化した所謂繊維強化ゴム等で構成することにより、引張り強度.伸び特性.硬度調整などの他に、圧縮永久歪み特性、耐熱性、耐侯性などの劣化特性を所望の特性に改善することが出来、スペーサの把持部機能として最適な状態に維持形成することが出来る。
(4)(1)〜(3)いずれかのルーズ式電線把持部において、
ゴム状弾性体カラーの電線径方向の厚さは15mm以下であり、前記ゴム状弾性体カラーの厚さ方向の圧縮率(ε)は6%≦ε≦20%と安全な使用範囲に抑えたので、長期間電線を把持しても永久歪が増大して把持力が低下しないようにした。
本発明のルーズスペーサの電線把持部によれば、次のような顕著な効果を奏する。
1.(1)のスペーサの電線把持部では、固定クランプにルーズ把持部を嵌着する範囲の断面輪郭は楕円形状または長軸と短軸を有する多角形であって、その長軸部はルーズ把持部の円形把持孔に内接して摺動可能とすると共に、前記ルーズ把持部の円形把持孔内面の対称な位置の壁面には、固定クランプが電線軸周りに揺動する範囲を規制するストッパーを設けており、電線に着雪した雪片の偏芯捻りモーメントによって電線が捻られても、所定の捻れ範囲でストッパーにより阻止され、ルーズ把持部で把持した電線に過大な筒雪が形成されるのを確実に防止できるので、ルーズ把持部で把持した電線に対しては特許文献1のような特別の難着雪装置を取付ける必要がなく、極めて経済的である。また、前記ストッパーは、楕円断面の固定クランプ外表面の対称な上下面で面接触する形状に設けられているので、前記ストッパーに固定クランプ外表面が当たっても電線に与える衝撃や騒音を緩和できると共に、局部的な摩耗を防止できる利点を有する。
2.さらに、固定カラークランプの一方の電線把持部に反撥弾性に富むゴム状の弾性体カラーを用いたので、その反撥弾性を利用して極めてシンプルな構造のボルトレス化した固定クランプの電線把持構造を構成できる。
なお、電線把持部にゴム状の弾性体カラーを一方側にのみ用いた理由は、稀なケースではあるが、相間短絡などで他相同士のルーズスペーサが接触した場合、短絡電流によって電線と固定クランプ間に介在するゴム状の弾性体カラーの絶縁破壊が生じ、その際のアークにより電線が溶損するなどの懸念を除去するためである。本発明のように、いずれか一方の金属製のクランプが電線に接触していれば、電線と固定クランプは同電位であるから、アークなどの発生をなくすことができるので、溶損事故なども生じなくすることが出来る。
3.また、前記ゴム状弾性体カラーを単一なゴム材料(例えばウレタンゴムのみ)で構成するばかりでなく、各種ゴムと熱可塑性のプラスチックとを所望のゴム弾性を有するように所定の割合でブレンドした複合弾性ゴム材料、あるいは前記の各種ゴム材料に炭素繊維、ケブラー繊維、ガラス繊維、その他の繊維などで強化した所謂繊維強化ゴム等で構成することにより、引張り強度・伸び特性・硬度調整などの他に、圧縮永久歪み特性や耐熱性や耐侯性などの劣化特性を所望の特性に改善することが出来、スペーサの把持部機能として最適な状態に維持形成することが出来る。
また、圧縮永久歪が過大に生じない使用範囲に抑えると共に、ゴム状弾性体カラーの温度上昇による体積膨張分を吸収する空隙部を、ゴム状弾性体カラー受け溝の側壁部に設けたので、温度上昇によるゴム状弾性体カラーの膨張力で固定カラークランプが破壊されるのを防止できる。
本発明によるルーズ式電線把持部の一実施形態について、以下、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明によるルーズ把持部の構成部材である固定カラークランプの正面図(イ)と側面図(ロ)である。図1において、固定カラークランプ(1,2)の一端部にはヒンジ機構3が設けられて、ピン4を軸心として開閉自在とされている。固定カラークランプの一方2には、反撥弾性に富むゴム状の弾性体カラー6を装着する受け溝5が形成されている。そして、前記の受け溝5の長手方向の両側面には、ゴム状の弾性体カラー6の長さよりも若干長くした空隙部(G)が設けられている。この理由は、ゴムなどの体積膨張率はアルミなどのそれに比べて1桁大きく、電線の温度が高くなってゴム状の弾性体カラー6が膨張したとき、その膨張分の体積を吸収する空隙部(G)を設けておかないと、固定カラークランプ(1.2)の例えばヒンジ機構部などが破壊されるおそれがあるためである。
また、前記のゴム状弾性体カラー6は、例えばウレタンゴム、または各種ゴムと熱可塑性のプラスチックとをゴム弾性を有するように所定の割合でブレンドした複合材料、あるいは前記の各種ゴム材料にガラス繊維、ケブラー繊維、炭素繊維、その他の繊維などで強化した所謂繊維強化ゴム等で構成することにより、引張り強度・伸び特性・硬度調整などの他に、圧縮永久歪み特性や耐熱性や耐侯性などの劣化特性を所望の特性に改善することが出来、スペーサの把持部機能として最適な状態に維持形成することが出来る。
また、固定カラークランプ1の一方側には、電線Cを把持する円形の溝が設けられている。
これらの固定カラークランプ(1,2)の他端側には鼓状のテーパー溝7が設けられ、前記テーパー溝7に嵌合する楔8を打ち込んで電線Cを把持する構成となっている。
ここで、楔の打ち込み側端部は、所定の把持力を得るようにしたとき、この楔の端面が、固定カラークランプ(1,2)の側面から若干内側に位置するように設定されている。
また、楔の勾配は1/8〜1/10程度に設定されている。なお、Δhは楕円の中心ゴム状弾性体カラー長軸方向への電線把持溝の偏芯距離であり、0〜30mm程度の範囲で設定される。この偏芯の有無を設定することにより、ルーズ把持部30とのガタ17を吸収して、振動などによる騒音を防止することが出来る。
図2および図3は、ルーズ把持部30において、楔8による電線Cへの固定カラークランプ(1,2)の着脱方法を説明する略図である。図2の(イ)は楔8の正面図、(ロ)はその左側面図、(ハ)はその右側面図であり、9および10は楔8の側面に形成されたねじ穴である。図3は、固定カラークランプ(1,2)をルーズ把持部30で抱持した場合に、固定カラークランプに打ち込んだ楔8を引き抜いて、固定カラークランプを電線Cから取り外す手順を示す略図である。
即ち、図3において、座金12を介してボルト11を楔8のねじ穴9に挿入して締付けると、楔8はボルト挿入側に引き出されて、固定カラークランプ(1,2)の電線締付け力が解除されて、取り外すことが出来る。また、以上とは逆に、楔8を固定カラークランプ(1,2)に挿入して締付ける場合には、図示の反対側、即ち、図3の右側に座金12を介して、ボルト11を楔8のねじ穴10に挿入して締付けると、楔8は右側に引き寄せられて、固定カラークランプに電線Cへの把持力を付与することが出来る。なお、ねじ穴9および10の深さよりもボルト11の螺合長さを短く形成しておくと、作業性を向上し得る。
図4はルーズ把持部30の正面図、図5は図4の矢印方向の側面図である。
図4および図5により、ルーズ把持部30で固定カラークランプ(1,2)を抱持してルーズに取付ける構造について説明する。
図4において、31,32はルーズ把持部本体とキャップで、その一端にはヒンジ部33が形成されてピン34により回動自在に連結され、ピン34を軸心として開閉自在に構成されている。他端部のルーズ把持部キャップ32側には、締付けアイボルト35を取付けるためのクレビス部36が設けられ、ピン37により回動自在に連結されている。
一方、ルーズ把持部本体31の本体クレビス部38には、コの字状の溝開口部40が形成されていて、前記コの字状の溝開口部側40からアイボルト35を90度回動させて前記コの字状溝開口部40の係止部に係止後、SPナット39で締付ける構成となっている。なお、SPナットは締付けトルクを自動的に調節できる締付け装置で、例えば、特開昭63-023013号の様な締付け装置であるが、この装置に代わり他の適当な緩み防止機能を付与した締付け装置により締付けるようにしてもよい。
ルーズ把持部本体31の背面側には、ターミナル14と連結するためのクレビス部13が一体的に設けられ、連結ボルト装置15によりターミナル14に対して回動自在に連結される。なお、ターミナル14とクレビス部13とのガタ17を吸収するために、クレビス部の一方側に緩衝ばね16を装着して、前記緩衝ばね16によりターミナル14を一方のクレビス側に押付けるように構成して、ガタ17部で発生する騒音を吸収するように構成する場合もある。
次に、固定カラークランプ(1,2)をルーズ把持部30で抱持する機構について説明する。
図4において、41はルーズ把持部30の内側に形成された回動溝で、固定カラークランプ(1,2)の長軸端部が前記回動溝に内接して摺動出来るように形成されており、その摺動範囲は中立位置から2θ(=±θ)とされる。所定の角度θに達すると、摺動壁面の対向する対称な位置にストッパー42が設けられており、固定カラークランプ(1,2)の長軸側上下端部の左右面で、前記ストッパー42と面で接触して、所定の角度θに電線Cのねじれが規制される構造である。
図示の実施形態では角度θは±45度としてあるが、±30〜±60度の範囲で適宜設定できる。また、図示しなかったが、ルーズ把持部30のルーズ把持部の大地側方向に位置する所定の箇所に、雨水排水溝または穴を適宜設けるようにすると、冬季の凍結などで固定カラークランプとルーズ把持部が結合して摺動出来なくなり、本来の機能を喪失するのを防止できる。
43は、ルーズ把持部本体31およびルーズ把持部キャップ32の開口側面に設けられたリブで、図5に示すようにルーズ把持部30で固定カラークランプ(1,2)を抱持した状態では、前記リブ43が固定カラークランプ(1,2)の外表面を包囲する構成とされているので、ルーズ把持部30は固定カラークランプ(1,2)により線路長手方向への移動が抑制される。
また、前記リブ43は、楔8を嵌着したテーパー溝7の側面の大半を覆い隠している構成とされているので、万一、楔8が緩んで外側に抜け出そうとしても、リブ43により抜け出しが出来ない構成とされており、固定カラークランプ(1,2)が緩むといった不都合が起きない構造とされている。
また、リブ43が閉じてルーズ把持部30の両側面に円形の空孔を形成するが、前記空孔の径は、素導体の外形よりも3〜5mm程度大きい径とするように形成する。前記のように空孔を形成することにより、回動溝の空隙部に雪等が入り込んで凍結するのを防止することが出来る。
次に、ターミナル14にルーズ把持部本体31を、ターミナル14が揺動可能に連結する機構について説明する。
図4を参照するに、ターミナル14をルーズ把持部本体31のクレビス部13に挿入し、平座金18を介して連結ボルト装置15を装着し、ナット19で締付ける構造である。18は緩衝ばねであり、クレビス部とターミナル間のガタ17による騒音の発生を防止するために装着するもので、クレビス部の一方側の壁面にターミナルを押付けるように構成されている。
なお、緩衝ばね16は図示の実施形態では金属製のコイルばねとしているが、腐食雰囲気の激しい地域などでは、円筒状のゴムブッシュを代用する場合がある。
図6は、本発明によるルーズ把持部の他の実施形態を示す、ルーズ把持部の一部切開正面略図である。図4と同一部品は同一符号で示し、類似な部分に付いては符号に(’)を付して示した。
図4の実施形態では、固定カラークランプ(1,2)の外形断面輪郭は、略楕円状の断面形状となるように形成し、前記固定カラークランプをルーズ把持部30の内側に形成された回動溝41で、固定カラークランプ(1,2)の長軸端部が前記回動溝に内接して摺動出来るように形成し、その摺動範囲は中立位置から2θ(=±θ)となるように、所定の角度θに達すると摺動壁面の対向する対称な位置にストッパー42を設けて、固定カラークランプ(1.2)の長軸側上下端部の左右面で、前記ストッパー42と面で接触して所定の角度θに電線Cのねじれが規制される構造としたが、図6の実施形態では、固定カラークランプの断面輪郭は楕円状の断面形状でなくてもよく、固定カラークランプ(1',2')の外形断面輪郭は多角形、例えば図6に示す様に6角形の外形断面輪郭としてもよい。
また、固定カラークランプ(1',2')の外形断面輪郭に合わせてルーズクランプ(30’)が形成する回動溝(41’)は、その外形断面輪郭の長軸両端部が摺動可能に設けると共に、’ストッパー(42’)は前記6角形外形断面輪郭の固定カラークランプの長軸側上下端部の左右面で、前記ストッパー(42’)と面で接触して所定の角度θに電線Cのねじれを規制する構造としてもよい。
図7は、以上説明したルーズ式電線把持部の構造を、4導体のルーズスペーサに適用した1例を示したものである。即ち、上部の水平2導体を把持する把持構造は従来のボルトレス式の固定把持部であり、下方の水平2導体を把持する把持構造に本発明の把持構造を適用したものである。この実施例では、下方の水平2導体を把持する把持部にのみ本発明把持部を適用したが、その適用箇所には何ら制限を受けず、全てが本発明の把持部であっても良いし、上下方向の片側導体にも、あるいは対角方向の上下導体の把持部の把持用にも適用できる。
図8は、本発明のルーズ式電線把持部の構造を難着雪装置として広く用いられている捻れ防止ダンパの把持部に適用した、第2の実施例を示している。従来の捻れ防止ダンパの把持部の構造は、例えば、実開昭62−202132に示すように、取り付け箇所にアーマロッドを巻付けその上に取付けるものであって、架空線の線路と直角方向にはルーズに回動出来ない構造である。
このような把持構造の捻れ防止ダンパの取り付け方法での問題点は、着氷などが風上方向に発達しやすく、電線の軸心より下方に重心を有する錘を取付けたのと同様となる結果、電線自身の捻れ周期が長くなってギャロッピングなどの低周波数の上下周期と同期しやすくなり、一層ギャロッピング振動の振幅の増大を助長しやすくなることであった。
本発明の図8のような構造の捻れ防止ダンパとすれば、線路と直角方向に所定の角度範囲で自由に捻回することが出来るから、捻れ防止ダンパ取り付け時の捻回周期は回動自在な角度範囲内(±θ)では変化しないので、ギャロッピング振動の振幅が増大しにくくなる。
また、特定の方向にのみ着氷雪が発達することがなくなり、線路方向に沿ってランダムな形状とすることが出来るから、ギャロッピング振動のトリガとなる揚力をランダムなものとすることが出来、これにより、ギャロッピング振動の発生確率を大幅に低減させることが出来る。
以上、本発明のルーズ式電線把持部をルーズスペーサの把持部あるいは捻れ防止ダンパの把持部に適用した場合について説明したが、本発明のルーズ式電線把持部は、以上例示した適用例の他に、種々の送配電線の付属品の把持部に適用して顕著な効果を期待することが出来、極めて有用で応用範囲の広い把持部である。
本発明によるルーズ式電線把持部の一実施形態にかかる、ルーズ把持部の構成部材である固定カラークランプの正面図(イ)と側面図(ロ)である。 本発明によるルーズ把持部の構成部材である固定カラークランプ締付け用楔の正面図(イ)、左側面図(ロ)、右側面図(ハ)である。 本発明による固定カラークランプの着脱手順を説明する略図である。 本発明によるルーズ把持部の一部切開正面略図である。 本発明によるルーズ把持部の図4矢視方向の側面図である。 本発明によるルーズ式電線把持部の他の実施形態を示す、ルーズ把持部の一部切開正面略図である。 本発明のルーズ式電線把持部を、4導体用のルーズスペーサに適用した実施例を示す正面図である。 本発明のルーズ式電線把持部を架空線用の捻れ防止ダンパに適用した実施例を示す1部切開正面図である。
符号の説明
1 4導体ルーズスペーサ
1,2 固定カラークランプ
3 ヒンジ機構
4 ピン
5 ゴム状弾性体カラー受け溝
6 ゴム状弾性体カラー
7 テーパー溝
8 楔
9,10 ねじ穴
11 ボルト
12 座金
13 クレビス部
14 ターミナル
15 連結ボルト装置
16 緩衝ばね
17 ガタ
18 平座金
19 ナット
20 固定把持部
30,30' ルーズ把持部
31,31' ルーズ把持部本体
32,32' ルーズ把持部キャップ
33 ヒンジ部
34 ピン
35 締付けアイボルト
36 クレビス部
37 ピン
38 本体クレビス部
39 SPナット
40 コの字状溝開口部
41,41' 回動溝
42,42' ストッパー
43,43' リブ
44 間隔体
45 捻れ防止ダンパ
46 ウエイト
46−1 割型ウエイト
46−2 割型ウエイト
47 半球棒
48 半球部
49 空洞部
50 コイルばね
51 締付けボルト装置
θ 摺動角度(度)
Δh 楕円の長軸方向への偏芯距離(mm)
G 空隙部

Claims (2)

  1. 電線を把持するルーズ式把持部であって、
    前記ルーズ式把持部は、
    電線に固着される固定カラークランプは一端がピンで開閉自在にヒンジ結合され、
    前記固定カラークランプの一方の電線把持側には半円筒状のゴム状弾性体カラーが装着され、
    前記電線把持部の他方側は金属面で電線を把持し、
    前記ゴム状弾性体カラーに圧縮変形を与えて締付けるために、他端側に設けた鼓状のテーパー溝に相似形なテーパー楔を挿入して電線に締付け固着すると共に、
    前記固定カラークランプにルーズ把持部を嵌着する断面輪郭は、略楕円形または長軸と短軸とを有する多角形状であって、
    その長軸部側はルーズ把持部の円形把持孔に内接して摺動可能とすると共に、
    前記ルーズ把持部の円形把持孔の内面の対称な位置の壁面には、前記固定カラークランプが電線軸周りに揺動する範囲を規制するストッパーを設け、且つ、前記ルーズ把持部の大地側方向に位置する所定の箇所には、排水溝を設けて構成した、ことを特徴とするルーズ式電線把持部。
  2. 請求項1記載のルーズ式電線把持部において、
    前記ゴム状弾性体カラーの材料は、ウレタンゴム、または、ゴム材料と熱可塑性のプラスチックとをゴム弾性を有するように所定の割合でブレンドした複合材料、あるいは、前記ゴム材料にガラス繊維、ケブラー繊維、炭素繊維、のいずれかで強化した繊維強化ゴムからなる、ことを特徴とするルーズ式電線把持部。
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