JP2535312Y2 - オフセット送電線用相間スペーサ - Google Patents

オフセット送電線用相間スペーサ

Info

Publication number
JP2535312Y2
JP2535312Y2 JP8317692U JP8317692U JP2535312Y2 JP 2535312 Y2 JP2535312 Y2 JP 2535312Y2 JP 8317692 U JP8317692 U JP 8317692U JP 8317692 U JP8317692 U JP 8317692U JP 2535312 Y2 JP2535312 Y2 JP 2535312Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spacer
conductor
phase
conductors
transmission line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8317692U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0644331U (ja
Inventor
武男 宗像
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP8317692U priority Critical patent/JP2535312Y2/ja
Publication of JPH0644331U publication Critical patent/JPH0644331U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2535312Y2 publication Critical patent/JP2535312Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulating Bodies (AREA)
  • Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、水平オフセット角を有
する多導体送電線に取り付ける相間スペーサに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】架空送電線の風上側の側面に着氷雪が偏
心して付着すると、これに風が吹きつけた時に揚力が生
じて電線が振動を起こし、強風時には0.1〜0.5秒
程度の低周波で1〜10m程度の大振幅の振動をするギ
ャロッピング振動が発生することがある。このギャロッ
ピング振動により架空電線が大きく振動すると他相の架
空電線と接触して相間短絡を生じ、電線の溶断や支持物
の倒壊が起こって長時間の停電事故になる。このような
ギャロッピング振動は単導体よりも2〜4導体等の複導
体送電線に発生し易いので、その基本的な防護手段とし
ては従来はつぎのような対策が採られていた。
【0003】(1)架空送電線が2導体方式であれば、
これを単導体化する。 (2)径間長が長く振動振幅が大きくなるような場合
は、径間長を短縮するための割鉄塔を設置する。 (3)ギャロッピングの発生原理は径間内電線の上下振
動周期と導体系の捻回周期とがほぼ一致して生ずる一種
の自励振動であることから、人為的に制御の容易な捻回
振動周期を乱して上下振動周期と大幅にずれるように作
用するダンパを径間内に取り付ける。 (4)長尺絶縁碍子を用いた相間スペーサにより送電線
の上相と下相の電線を連結することによりギャロッピン
グ振動の振幅を強制的に抑制する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記(1)の送電線路
を単導体化する方法、および前記(2)の割鉄塔を設置
する方法は、いずれも送電線路の大幅な改造であり、所
要時間、費用ともに増大するので採用できない。
【0005】前記(3)のダンパを架空電線に取り付け
る方法は、一部の線路では採用されているが、径間長が
長い場合や懸垂鉄塔が連続する場合などはギャロッピン
グ振動の周期が著しく長くなる傾向にあり、これに対し
て有効なダンパは製作困難であり、特に2導体送電線等
ではあまり効果のないことが実証されている。これは単
導体の場合も同様である。
【0006】前記の(4)の相間スペーサを上相の電線
と下相の電線の間に取り付ける方法は、送電線の鉄塔ア
ームに支持されている径間内の上、中、下各相の電線が
ギャロッピング振動により上下に大きく振動した時に、
上、中、下各相の電線が同一鉛直線上にあって直接当た
って接触することがないようにするために、送電線の鉄
塔アームに水平オフセットが形成してある場合、たとえ
ば鉄塔の上、中、下各相のアームのうち、中相のアーム
を上相、下相の各アームの長さよりも側方に長く張り出
してあらかじめ各相電線の水平距離に差を設けておく所
謂オフセットがある場合は、この上、中、下各相の電線
間に相間スペーサを取り付けると相間スペーサは傾斜し
て取り付けられる状態となるために、送電線がギャロッ
ピング振動により線路方向または線路に直角方向に振動
すると、相間スペーサと碍子の連結部に無理な応力が作
用して連結部や碍子を破壊させるという問題点がある。
【0007】本考案は、前記のような問題点を解決し、
水平オフセット角度を有する多導体送電線に取り付ける
相間スペーサを過大な応力がかからないように構成した
オフセット送電線用の相間スペーサを提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本考案のオフセット送電線用相間スペーサは、水平オ
フセット角度を有する多導体送電線に取り付けられる相
間スペーサにおいて、複数の取付け角度調整孔9Aを有
し導体の線路方向に直角な上方連結板7Aを、径間内で
上方の位置にある相の上方多導体スペーサ部1A(31
A、41A)に設け、また、複数の取付け角度調整孔9
Bを有し導体の線路方向に直角な下方連結板7Bを、径
間の下方の位置にある相の下方多導体スペーサ部1B
(31B、41B)に設け、この上方連結板7Aと下方
連結板7Bに、長幹碍子部10を有する相間絶縁スペー
サ部Sの上下の各端部を連結し、この連結は上方連結板
7Aと下方連結板7Bの各取付け角度調整孔9A、9B
のうち前記オフセット角θに対応する孔を選択して、こ
れに相間絶縁スペーサ部Sの上下の各端部を連結したこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【作用】前記オフセット送電線用相間スペーサの上方多
導体スペーサ部1A(31A、41A)は、径間におい
て上方の位置にある相の多導体に取り付けられてその多
導体の各素導体間隔所を定間隔に保持し、下方多導体ス
ペーサ部1B(31B、41B)は、下方の位置にある
相の多導体に取り付けられてその素導体間隔所を定間隔
に保持する。上方位置にある相の多導体と下方位置にあ
る相の多導体がギャロッピング振動を起こしても、上方
の多導体と下方の多導体の間には相間絶縁スペーサ部S
が取り付けられているので、上方多導体と下方多導体の
間の間隔は相間絶縁スペーサ部Sにより所定間隔が保持
されて接触事故が防止される。この相間絶縁スペーサ部
Sの長幹碍子部10は上方位置の相の導体と下方位置の
相の導体間を絶縁して所定間隔に保持する。
【0010】水平オフセットされた送電線の上方位置に
ある多導体と下方位置にある多導体は、鉛直線上に整列
せずオフセットにより相互に側方にずれているために、
この上方導体と下方導体との間に取り付けられた相間絶
縁スペーサ部Sは、上方と下方の両多導体の間に傾斜し
て装着された状態となるが、相間絶縁スペーサ部Sの上
下の両端部は、上方多導体スペーサ部1A(31A、4
1A)の連結板7Aと下方多導体スペーサ部1B(31
B、41B)の連結板7Bにそれぞれ設けた複数の取付
け角度調整孔9A、9Bのうち、オフセット角θに対応
する孔に連結されており、相間絶縁スペーサ部Sの長幹
碍子部10はオフセット角θに対応する角度で傾斜して
取り付けられているので、長幹碍子部10に過大な曲げ
応力がかからず、破損しない。
【0011】
【実施例】以下本考案の実施例を図面により説明する。
図1は本考案のオフセット送電線用相間スペーサを水平
オフセットがある2導体送電線に適用した第1の実施例
を示し、図では上方位置にある相の2導体A1、A2と
下方位置にある相の2導体B1、B2は断面で図示して
ある。1Aは、上、中、下各相のうちの上方位置にある
相の2導体の各素導体A1−A2間に取り付ける上方多
導体スペーサ部であり、これは、帯板状のスペーサ杆2
Aの両端部に、上方位置の相の2導体A1、A2を把持
する導体把持クランプ3A、4Aを、軸5A、6Aで導
体方向に回動自在に取り付け、このスペーサ杆2Aの下
側面に、板の方向をスペーサ杆の長さ方向にして、すな
わち板面を電線方向に対して直角にして、半円板状の扇
形の上方連結板7Aを溶接等により一体に固着して設け
たものである。この上方連結板7Aには、前記のスペー
サ杆2Aの中間線上の点Pを円弧の中心点とする円弧線
8A上に角度θの等角度間隔に複数の取付け角度調整孔
9Aを設ける。この角度θは複数の孔9Aが送電線の種
々の水平オフセット角θに対応することができるような
角度にして設ける。
【0012】図1の下方に図示されている1Bは、上、
中、下各相のうち下方の位置にある相の2導体の各素導
体B1−B2間に取り付ける下方多導体スペーサ部であ
り、これは、前記の上方位置の2導体の下方に位置して
いる相の2導体B1、B2を把持する導体把持クランプ
3B、4Bを、帯板状のスペーサ杆2Bの両端部に軸5
B、6Bで導体方向に回動自在に取り付け、このスペー
サ杆2Bの上側面に、板の方向をスペーサ杆の長さ方向
にして、すなわち板面を電線方向に対して直角にして、
半円板状の扇形の下方連結板7Bを溶接等により一体に
固着して設けたものである。この下方連結板7Bには前
記スペーサ杆2Bの中間線上の点Pを円弧の中心点とす
る円弧線8B上にオフセット角θに対応する角度θで等
角度間隔に複数の取付け角度調整孔9Bを設ける。
【0013】Sは相間絶縁スペーサ部であり、10はそ
の絶縁杆体の長幹碍子部、11はその傘状部であり、こ
の碍子部は磁器碍子、またはシリコンゴムやエチレンプ
ロピレンゴム(EPDM)等の高分子ポリマーのコンポ
ジット碍子を用いる。12Aはこの長幹碍子部10の上
端に設けたフランジ金具、12Bは長幹碍子部10の下
端に設けたフランジ金具である。
【0014】前記の長幹碍子部10の上端のフランジ金
具12Aには、アイフランジ13のフランジ部131を
ボルト14で固着し、このアイフランジ13の孔132
にアイボルト15のボルト部151を嵌挿してナット1
6により抜け出ないように掛止し、アイフランジ13に
対してアイボルト15をその軸心の回りに回転自在に取
り付ける。152はアイボルト15の鍔部、153はア
イボルト15の先端の環状部である。このアイボルト1
5の先端環状部153は、軸17で直角クレビス18の
下半部クレビス部181に回転自在に連結する。182
はこの下半部クレビス部181に直角の上半部のクレビ
ス部である。
【0015】前記の直角クレビス18の上半部のクレビ
ス部182は、前記上方多導体スペーサ部1Aの上方連
結板7Aの下縁部に嵌挿し、この上方連結板7Aの複数
の取付け角度調整孔9Aのうち、送電線のオフセット角
θに対応する角度θの位置の孔を選択してこの孔にボル
ト19で連結する。
【0016】前記の長幹碍子部10の下端のフランジ金
具12Bには、アイボルト20のフランジ部201をボ
ルト21で固着し、このアイボルト20の先端部に形成
されている環状部202を直角クレビス23の上半部ク
レビス部231に軸22で回転自在に連結する。
【0017】直角クレビス23の下半部クレビス部23
2は、前記の下方多導体スペーサ部1Bの下方連結板7
Bの縁部に嵌挿し、この下方連結板7Bの複数の取付け
角度調整孔9Bのうち、前記送電線のオフセット角θに
対応する角度θの位置の孔を選択してこの孔にボルト2
4で連結する。
【0018】前記のように構成した本考案のオフセット
送電線用相間スペーサは、相間絶縁スペーサ部Sの上端
の直角クレビス18を、上方多導体スペーサ部1Aに取
り付けた上方連結板7Aの複数の取付け角度調整孔9A
のうちの所望位置の孔を選択してこの孔に連結すること
により、上方多導体スペーサ部1Aに対する長幹碍子部
10の角度を調整することができる。また相間絶縁スペ
ーサ部Sの下端の直角クレビス23も、下方多導体スペ
ーサ部1Bに設けた下方連結板7Bの複数の取付け角度
調整孔9Bの所望位置の孔を選択して連結することによ
り、下方多導体スペーサ部1Bに対する長幹碍子部10
の角度を調整することができる。したがって上方位置の
2導体A1、A2と下方位置の2導体B1、B2の間に
縦方向に取り付ける相間絶縁スペーサ部Sの取付け角度
を調整できるので、オフセット角θに対応させて取付け
角度を定めることができる。
【0019】また、長幹碍子部10の上部に設けられた
アイボルト15はアイフランジ13に対してボルト部1
51を回転の軸心として回転自在なので、上方位置にあ
る2導体A1、A2に取り付けた上方多導体スペーサ部
1Aに対して長幹碍子部10はその軸心の回りに回動可
能であり、このため導体A1とA2が相互に導体方向に
移動してアイボルト15の部分にねじれ回転がかかって
も、長幹碍子部10にはこのねじれの応力はかからな
い。
【0020】前記のように構成した本考案のオフセット
送電線用相間スペーサは、図3に示したように送電線の
上、中、下各相の多導体間に取り付けて各相の多導体間
の間隔を所定間隔に保持する。同図のTは鉄塔、T1、
T2、T3は上相、中相、下相の各アームであり、中相
のアームT2の先端は上相のアームT1および下相のア
ームT3の先端よりも水平方向に外方に張出し水平オフ
セットになっている。θはオフセット角である。Gは懸
垂碍子連、A1、A2は上相のアームT1に支持された
上相の2導体であり、B1、B2は中相のアームT2に
支持されてオフセット角θでオフセットされている中相
の2導体、C1、C2は下相アームT3に支持された下
相の2導体である。なお、耐張鉄塔の場合も同様であ
る。
【0021】前記の上方位置にある上相の2導体A1、
A2を相間絶縁スペーサ部Sの上端の上方多導体スペー
サ部1Aの両端の導体把持クランプ3A、4Aで把持
し、その下方位置にある中相の2導体B1、B2を相間
スペーサSの下端の下方多導体スペーサ部1Bの両端の
導体把持クランプ3B、4Bで把持して、上方位置にあ
る上相の2導体A1、A2とその下方位置にある中相の
2導体B1、B2の間の相間に相間絶縁スペーサ部Sを
取り付ける。この取り付けに当たっては、前記のオフセ
ット角θに対応させて、上方多導体スペーサ部1Aの上
方連結板7Aの取付け角度調整孔9A、および下方多導
体スペーサ部1Bの下方連結板7Bの取付け角度調整孔
9Bの各孔を選択し、これに上方の直角クレビス18と
下方の直角クレビス23を連結することにより、上相の
2導体A1、A2とオフセットされた中相の2導体B
1、B2の間にオフセット角θに適合させて無理なく相
間絶縁スペーサ部Sを取り付けることができる。
【0022】中相の2導体B1、B2とその下方位置に
ある下相の2導体C1、C2の間にも前記の上相と中相
の相間に取り付ける相間スペーサと同様に相間スペーサ
を取り付けるが、この場合、中相、下相間に取り付ける
相間絶縁スペーサ部Sは前記の上相、中相に取り付ける
相間絶縁スペーサ部Sとはその上下を逆さに反転させて
取り付ければよいので、上相、中相間、および中相、下
相間に取り付ける各々の相間絶縁スペーサ部Sのそれぞ
れの取付け角度調整孔9A、9Bの選択調整はいずれも
同一にセットしておくことができるので、取り付け作業
が容易となる。
【0023】前記のように取り付けられた相間絶縁スペ
ーサ部Sは、上方位置にある2導体と下方位置にある2
導体の間にオフセット角θの角度で傾斜して装着された
状態となるが、このように傾斜状態で取り付けられて
も、前記のようにオフセット角θに対応する取付け角度
調整孔9A、9Bの孔を選択して取り付けるので、長幹
碍子部10に無理な応力はかからない。また上方多導体
スペーサ部1Aと下方多導体スペーサ部1Bのそれぞれ
両端に把持されている2導体A1とA2、および2導体
B1とB2が、相互に導体方向に相対的に移動変移する
ことにより相間絶縁スペーサ部Sにねじれがかかって
も、アイボルト15がそのボルト部151を回転軸心と
してアイフランジ13に対して回転自在なので長幹碍子
部10に無理なねじれ応力はかからない。したがって長
幹碍子部10が破壊するようなことはない。
【0024】図4に示した実施例は、前記のように構成
する本考案のオフセット送電線用相間スペーサを4導体
送電線に適用した第2の実施例である。31Aは上方位
置にある相の4導体A1、A2、A3、A4に取り付け
る上方多導体スペーサ部であり、31Bは下方位置にあ
る相の4導体B1、B2、・・・に取り付ける下方多導
体スペーサ部である。この下方位置にある相の4導体は
図では4導体の下半部を省略して上半部の2つの素導体
B1、B2のみを図示している。Sはこの上方位置にあ
る4導体の上方多導体スペーサ部31Aと下方位置にあ
る4導体の下方多導体スペーサ部31Bの間に取り付け
た相間絶縁スペーサ部である。
【0025】前記の上方位置の相の4導体の上方多導体
スペーサ部31Aにおいて、32Aは4つの素導体A
1、A2、A3、A4のうち下半部の2つの素導体A1
−A2間のスペーサ杆であり、33A、34Aはこの素
導体A1、A2の各導体把持クランプ、35A、36A
はスペーサ杆32Aに対して導体把持クランプ33A、
34Aを回動自在に取り付ける軸である。
【0026】7Aは、前記の図1に示した第1の実施例
における上方連結板7Aと同じ構成の上方連結板であ
り、前記のスペーサ杆32Aの下側面に、前記第1の実
施例と同様に板面を電線方向に対して直角にして溶接等
により一体に固着する。9Aはこの上方連結板7Aに設
けた角度調整孔であり、点Pを中心点とする円弧線上に
送電線の水平オフセット角に対応する角度θで等角度間
隔に複数個設ける。
【0027】また、下方位置の相の4導体の下方多導体
スペーサ部31Bにおいて、32Bは下方位置の相の各
素導体のうちの上半部の2つの素導体B1−B2間のス
ペーサ杆、33B、34Bはこの素導体B1、B2の各
導体把持クランプ、35B、36Bはスペーサ杆32B
に対して導体把持クランプ33B、34Bを回動自在に
取り付ける軸である。なお前記の導体把持クランプ33
A、34A、33B、34Bは多導体送電線スペーサに
用いられている通常の導体把持クランプと同じ構成のも
のである。
【0028】7Bは、図1に示した第1の実施例におけ
る下方連結板7Bと同じ構成の下方連結板であり、前記
のスペーサ杆32Bの上側面に、前記第1の実施例と同
様に板面を電線方向に対して直角にして溶接等により一
体に固着する。9Bはこの下方連結板7Bに設けた角度
調整孔であり、点Pを中心点とする円弧線上に送電線の
水平オフセット角に対応する角度θで等角度間隔に複数
個設ける。
【0029】相間絶縁スペーサ部Sは前記の図1に示し
た第1の実施例の相間絶縁スペーサ部Sと同じ構成であ
り、図1と同一符号は同一部分を示している。図1に示
した実施例と同じく、相間絶縁スペーサ部Sの長幹碍子
部10の上端には、フランジ金具12A、アイフランジ
13、アイボルト15、直角クレビス18を設け、この
直角クレビス18の上端部を、前記の上方多導体スペー
サ部31Aの上方連結板7Aに設けた取付け角度調整孔
9Aのうち、送電線のオフセット角θに対応する角度θ
の位置の孔にボルト19で連結する。長幹碍子部10の
下端には、フランジ金具12B、アイボルト20、直角
クレビス23を設け、この直角クレビス23の下端部
を、前記の下方多導体スペーサ部31Bの下方連結板7
Bに設けた取付け角度調整孔9Bのうち、送電線のオフ
セット角θに対応する角度θの位置の孔にボルト19で
連結する。
【0030】前記のように構成した本考案の第2の実施
例の4導体用のオフセット送電線用相間スペーサは、第
1の実施例について図3により説明した取り付け方法と
同様にして水平オフセットがある4導体送電線に取り付
けるものであり、径間における上方の位置にある相の4
導体に上方多導体スペーサ部31Aを取り付け、下方の
位置にある相の4導体に下方多導体スペーサ部31Bを
取り付け、この上方多導体スペーサ部31Aの上方連結
板7Aと下方多導体スペーサ部31Bの下方連結板7B
に相間絶縁スペーサ部Sの上下の各端部を連結する。こ
れにより、上方の位置にある相の4導体と下方の位置に
ある相の4導体の間は相間絶縁スペーサ部Sで絶縁され
て所定間隔に保持される。この相間絶縁スペーサ部Sは
オフセット角θに対応する角度で傾斜して取り付けられ
ので、相間絶縁スペーサ部Sの長幹碍子部10に過大な
曲げ応力がかからず、破損しない。
【0031】図5に示した第3の実施例は、4導体のス
ペーサのフレームの形状が、前記の図5に示した正方形
のフレームではなく、円形のフレーム40の場合の実施
例である。この図6は上方位置の相の4導体A1、A
2、A3、A4の上方多導体スペーサ部41Aのみを図
示してある。各素導体A1、A2、A3、A4の導体把
持クランプの構成は、図示を省略してあるが、図5に示
した導体把持クランプと同じ構成であり、各素導体A
1、A2、A3、A4を把持するように円形フレーム4
0に等間隔に取り付けられる。上方多導体スペーサ部4
1Aの円形フレーム40は、その素導体A1−A2間の
フレーム部分42Aに、前記第1、第2の実施例の上方
連結板と同様の上方連結板7Aを溶接等により固着し、
この上方連結板7Aには、点Pを中心点とする円弧線上
に、送電線の水平オフセット角に対応する角度θで等間
隔に複数個の角度調整孔9Aを設ける。下方位置の相の
4導体の下方多導体スペーサ部41Bについても、前記
の多導体スペーサ部41Aと同一構成であり、その円形
フレーム40に取り付けた連結板7Aを上向きにして用
いる。
【0032】前記の円形フレーム40の上方多導体スペ
ーサ部41Aと下方多導体スペーサ部41Bに設けた各
連結板7Aの複数個の角度調整孔9Aのうち、送電線の
オフセット角θに対応する角度θの位置の孔を選択し
て、これに前記の第1、第2の実施例の同じ構成の長幹
碍子部10を有する相間スペーサ部Sの上下の各端部を
前記の各実施例と同様に連結して本考案の第3の実施例
のオフセット送電線用相間スーサを構成する。
【0033】前記の各実施例は送電線が2導体および4
導体の場合についての実施例であるが、それ以上の素導
体数の多導体に対しても、その上方多導体スペーサ部と
下方多導体スペーサ部に前記のような取付け角度調整孔
を有する上方連結板と下方連結板を設けることにより種
々の多導体にも適用することができる。
【0034】
【考案の効果】前記のように本考案のオフセット送電線
用相間スペーサは、上方多導体スペーサ部と下方多導体
スペーサ部に、それぞれ、取付け角度調整孔を有し板面
が線路方向に直角な連結板を設け、この各連結板の取付
け角度調整孔を、送電線のオフセット角に対応して選択
して相間スペーサ部Sの上下の各端部を連結するように
構成したので、相間スーサは上方と下方の導体間に傾斜
した状態で取り付けられても、長幹碍子部は過大な曲げ
応力がかからず破損しない。
【0035】また、オフセットのある送電線に取り付け
られる従来の相間スペーサは常時潜在的な曲げ応力がか
かっていたために、ギャロッピングやスリートジャンプ
が生じて相間スペーサに圧縮力が作用すると、偏心座屈
を受けて折損を生ずる欠点があったが、本考案によれば
充分安全な範囲に抑えることができる。
【0036】また、本考案のように構成した相間スペー
サによれば、上側にある相間に取り付ける相間スペーサ
とその下側にある相間に取り付ける相間スペーサは、そ
の上下を反転して取り付けることができるので、取り付
け作業が容易となり経済的である。
【0037】また、本考案の相間スペーサは送電線に著
しい弛度差を与えず、したがって風圧の増加やコロナ障
害の増加を無くすことができる。
【0038】また、連結板に設けた複数の取付け角度調
整孔を使用することにより種々の水平オフセット角を有
する鉄塔に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す図
【図2】図1のX−X線断面図
【図3】本考案の実施例の取り付け状態を示す図
【図4】本考案の第2の実施例を示す図
【図5】本考案の第3の実施例を示す図
【符号の説明】
1A、31A、41A:上方多導体スペーサ部 1B、31B、41B:下方多導体スペーサ部 7A、7B:連結板 9A、9B:取付け角度調整孔 10:長幹碍子部 S:相間絶縁スペーサ部 θ:オフセット角 A1、A2、A3、A4:上方位置の相の多導体 B1、B2:A1〜A4に対し下方位置の相の多導体 C1、C2:B1、B2に対し下方位置の相の多導体

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平オフセット角を有する多導体送電線に
    取り付ける相間スペーサにおいて、複数の取付け角度調
    整孔(9A、9B)を有し導体の線路方向に直角な連結板
    (7A、7B)を上方多導体スペーサ部(1A、31A 、41A)と
    下方多導体スペーサ部(1B、31B 、41B)にそれぞれ設
    け、前記取付け角度調整孔(9A、9B)のうち前記オフセ
    ット角(θ)に対応する孔に、長幹碍子部(10)を有す
    る相間絶縁スペーサ部(S) の両端部を連結したことを特
    徴とするオフセット送電線用相間スペーサ。
JP8317692U 1992-11-07 1992-11-07 オフセット送電線用相間スペーサ Expired - Lifetime JP2535312Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8317692U JP2535312Y2 (ja) 1992-11-07 1992-11-07 オフセット送電線用相間スペーサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8317692U JP2535312Y2 (ja) 1992-11-07 1992-11-07 オフセット送電線用相間スペーサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0644331U JPH0644331U (ja) 1994-06-10
JP2535312Y2 true JP2535312Y2 (ja) 1997-05-14

Family

ID=13794985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8317692U Expired - Lifetime JP2535312Y2 (ja) 1992-11-07 1992-11-07 オフセット送電線用相間スペーサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2535312Y2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2891866B2 (ja) * 1994-03-28 1999-05-17 日本碍子株式会社 相間スペーサ
JP2988568B2 (ja) * 1994-10-22 1999-12-13 東京電力株式会社 多導体送電線の相間スペーサ取付装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0644331U (ja) 1994-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3885086A (en) Spacer-damper assembly
JP2535312Y2 (ja) オフセット送電線用相間スペーサ
JP3700862B2 (ja) 多導体送電線のギャロッピング抑止装置
JP2635718B2 (ja) 架空送電線路
JP2988568B2 (ja) 多導体送電線の相間スペーサ取付装置
JP3237995B2 (ja) 多導体用相間スペーサ
US3609209A (en) Spacer damper
JP2801387B2 (ja) 3相送電線路
JP3115111B2 (ja) ジャンパ装置及びその装置が取付けられるヨ−ク金具
JP4352216B2 (ja) ジャンパ装置
JP2003164048A (ja) ジャンパー線支持用把持具
JP2000224743A (ja) 相間スペーサ
JP3973931B2 (ja) ジャンパ装置
JPH0312169Y2 (ja)
JP2000004527A (ja) ギャロッピング抑止多相送電線構造
JP2891866B2 (ja) 相間スペーサ
JPH038022Y2 (ja)
JP3999488B2 (ja) ウエイト付懸垂クランプ
JP3337902B2 (ja) 多導体架空送電線路
JP2607611B2 (ja) 耐雷ホーン碍子装置用の碍子取付アダプタ
JP3764021B2 (ja) 多導体送電線のギャロッピング防止装置
JP2989861B2 (ja) 架空送電線路
JPH06276654A (ja) ジャンパ装置
JPH0623148Y2 (ja) ジャンパ内ホ−ン
JPH0717221Y2 (ja) 相間スペーサ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term