JP4334358B2 - 増殖性ヒト肝細胞を認識する抗体と、増殖性ヒト肝細胞および機能性ヒト肝細胞 - Google Patents

増殖性ヒト肝細胞を認識する抗体と、増殖性ヒト肝細胞および機能性ヒト肝細胞 Download PDF

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Description

技術分野
この出願の発明は、増殖性ヒト肝細胞を認識する抗体とヒト肝細胞に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、クローン性増殖能を有するヒト肝細胞を特異的に認識し、ヒト肝細胞集団から増殖性肝細胞を分離するのに有用なモノクローナル抗体と、この抗体の使用によって分離された増殖性ヒト肝細胞、この増殖性ヒト肝細胞を分化肝細胞に分化誘導する方法と、この方法により分化誘導された機能性ヒト肝細胞、並びにこの機能性ヒト肝細胞を備えた肝細胞キットおよび体外型人工肝臓に関するものである。
背景技術
肝臓は500種類以上もの多種多様な特異機能を有する。肝臓の主な機能として、血漿蛋白質の合成分泌、糖新生やグリコーゲン代謝による血糖調節、脂質合成、尿素合成、胆汁合成分泌、解毒などが挙げられる。
体内に取り込まれた物質の多くは肝臓で代謝される。医薬品開発の領域では、医薬品候補物質が肝臓でどのような代謝を受け、肝臓やその他の臓器や組織にどのような影響を与えるかは必須のデータである。さらに、これまで多くの化学物質が合成され環境へも放出されている。これらの物質が個々に、あるいは複合して人体にどのような影響をおよぼすかを解明することは、社会的にも非常に重要であり、このような化学物質の人体への影響評価にも肝機能に対する毒性試験が必要とされている。
医薬品候補物質をはじめとする化学物質の安全性試験や薬物代謝試験には、現在のところ、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サル等が使われている。特に医薬品開発ではヒトを対象とする第一相試験へ入る前に、動物を用いた毒性試験・安全性試験が義務づけられているが、これには多大な時間と労力を必要とし、投資額も莫大なものとなる。
しかしながら、これらの動物実験で得られるデータがそのままヒトに適応される保証はない。事実、動物実験では毒性の認められなかった物質がヒトに対して毒性を示す例は多く、また逆の場合もあり得る。したがって、これまで多くの医薬品候補物質がヒトを対象とする第一相試験に入ってから開発中止となったり、また、動物実験では毒性が強いために臨床試験に入る前に開発中止となった物質においても、実際にはヒトには毒性が認められないケースも多く存在しているものと予想される。
このことは、ヒトの肝臓における代謝機能とマウスやラットの肝臓における代謝機能の違いが起因していると考えられている。最近では、ヒト肝細胞を用いたin vitro代謝試験や毒性試験が行われるようになった。ところが、移植に用いられなかった脳死患者の肝臓や腫瘍摘出などによる切除肝から得られるヒト肝細胞の量は需要をはるかに下回っている。したがって、ヒト肝細胞の増殖技術の開発は医薬品開発において必要とされている。
また、大量のヒト肝細胞の必要性は、体外型人工肝臓においても同様である。人工肝臓は、人工的に肝臓機能を代行するための医療装置であり、吸着、透析、濾過等の物理化学的原理に基づく人工的な作用と、摘出肝や肝組織の灌流による生物学的作用を組み合わせたハイブリッド型の人工肝臓の開発が精力的に進められている。この人工肝臓の開発に当たっては、物理化学的機能を向上させるための膜や回路の性能向上とともに、ヒトへの適用が可能な大量の肝細胞の供給が不可欠とされている。
しかしながら、ヒトの肝細胞については、これまで成熟個体から単離した初代細胞を継代的に培養することは不可能であるとされてきた。すなわち、接着依存性の成熟肝細胞は、その継代操作のために培養基質から剥離する際に大きく損傷し、また培養基質に再接着させることも困難なためである。これに対し、この出願の発明者らは、ヒト肝臓から分離した正常肝細胞からクローン性増殖能を有する小型肝細胞を単離し、この小型肝細胞を初代培養し、さらにこの培養肝細胞を継代培養して肝細胞を増殖させる方法を発明し、特許を取得している(特開平08−112092号公報;日本特許第3266766号;米国特許第6,004,810号、特開平10−179148号公報:日本特許第3211941号、特開平7−274951公報;日本特許第3157984号、特開平9−313172号公報;日本特許第3014322号)。また、関連の論文も発表している(Chise Tateno,and Katsutoshi Yoshizato:Growth and differentiation in culture of clonogenic hepatocytes that express both phenotypes of hepatocytes and biliary epithelial cells.American Journal of Pathology 149:1593−1605,1996.Hiroshi Hino,Chise Tateno,Hajime Sato,Chihiro Yamasaki,Shigeru Katayama,Toshihiko Kohashi,Akio Aratani,Toshimasa Asahara,Kiyohiko Dohi,and Katsutoshi Yoshizato:A long−term culture of human hepatocytes which show a high growth potential and express their differentiated phenotypes.Biochemical and Biophysical Research Communications 256:184−191,1999.Chise Tateno,Kaori Takai−Kajihara,Chihiro Yamasaki,Hajime Sato,and Katsutoshi Yoshizato:Heterogeneity of growth potential of adult rat hepatocytes in vitro.Hepatology 31:65−74,2000.Shigeru Katayama,Chise Tateno,Toshimasa Asahara,and Katsutoshi Yoshizato:Size−dependent in vivo growth potential of adult rat hepatocytes.American Journal of Pathology 158:97−105,2001.)。
この先願特許発明の方法は、in vitroで肝細胞を増殖させて大量のヒト肝細胞を得るための新しい手段を提供するものであるが、この方法で得られたヒト肝細胞は、長期間の継代培養中に幾つかの肝機能が低下してしまうという問題点を有していた。またこの小型肝細胞は、アルブミン発現量や、化学物質代謝酵素シトクロムP450活性等を指標とした場合、正常肝細胞と同等の機能を有する肝細胞(機能性肝細胞)には分化することができないという問題点を有してもいる。このため、例えば特定の肝機能を維持するための薬剤のスクリーニング系として、あるいは長期間の継代培養後も保存されている特定の機能について薬剤の毒性や薬効を試験する系としては有用であるが、ヒト肝機能代替としての肝細胞として、またはハイブリット型人工肝臓の材料としては不十分な点も存在する。
また増殖能を有する小型肝細胞は、前記の先願特許発明に記載されているような遠心分離を用いた方法(低速遠心分離した上澄み中の細胞を単離する方法)の他、エルトリエーターやFACS等の細胞分画装置によっても採取することができるが、これらの手段で得られた細胞は、増殖性肝細胞だけでなく、他の細胞(例えば、低速遠心による上澄みに含まれる星細胞等の非肝実質細胞)との混合物である。従って、実質的に増殖性ヒト肝細胞のみを取得することのできる手段が求められていた。
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、増殖性ヒト肝細胞を特異的に認識するモノクローナル抗体を提供することを課題としている。
またこの出願の発明は、増殖性ヒト肝細胞の分離方法と、この方法により得られる増殖性ヒト肝細胞を提供することを課題としている。
さらにこの出願の発明は、増殖性ヒト肝細胞を機能性ヒト肝細胞に分化誘導する方法と、この方法によって得られた機能性ヒト肝細胞、および機能性ヒト肝細胞の利用を提供することを課題としている。
発明の開示
この出願は、前記の課題を解決するための第1の発明として、増殖性ヒト肝細胞を特異的に認識するモノクローナル抗体を提供する。この第1発明のモノクローナル抗体の一例は、ハイブリドーマ細胞Mouse−Mouse hybridoma K8223(FERM BP−8334)が産生するモノクローナル抗体である。
第2の発明として、第1発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞を提供する。このハイブリドーマ細胞の一例は、Mouse−Mouse hybridoma K8223(FERM BP−8334)である。
第3の発明として、ヒト肝細胞集団から、前記第1発明のモノクローナル抗体によって認識される細胞を分離することを特徴とする増殖性ヒト肝細胞の分離方法を提供する。
第4の発明として、前記第3発明の方法で分離された増殖性ヒト肝細胞を提供する。
さらにまた、第5の発明として、前記第4発明の増殖性ヒト肝細胞を分化誘導する方法であって、以下の手段:
(a)増殖性ヒト肝細胞のスフェロイド培養;および
(b)増殖性ヒト肝細胞への肝細胞核因子4(HNF4)遺伝子導入、
の少なくとも一方を行うことを特徴とする増殖性ヒト肝細胞の分化誘導方法を提供する。
第6の発明として、前記第5発明の方法で分化誘導された機能性ヒト肝細胞を提供する。
さらに第7の発明として、前記第6発明の機能性ヒト肝細胞を含む細胞キットを提供する。
さらにまた、第8の発明として、前記第6発明の機能性ヒト肝細胞を充填したハイブリッド型人工肝臓を提供する。
なおこの発明において、「増殖性ヒト肝細胞」とは、培養条件下(in vitro)において、単一細胞種の集団としてのコロニーを形成し、そのコロニーを増大させるように増殖するヒト肝細胞を意味する。また、その増殖は、コロニー構成細胞が単一種であるという点において「クローン性増殖」という場合もある。さらに、このような細胞は、継代培養によって細胞数をさらに増加することができる細胞である。
またこの発明において、「機能性ヒト肝細胞」とは、人体内(in vivo)または初代培養(in vitro)におけるヒト正常肝細胞と同程度の機能を有する細胞を意味するが、さらに具体的には、少なくとも「アルブミン発現量」および「シトクロムP450活性」がヒト正常肝細胞と実質的に同等であることを意味する。
この発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。またこの発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、この発明の遺伝子工学および分子生物学的技術はSambrook and Maniatis,in Molecular Cloning−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,1989;Ausubel,F.M.et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,N.Y,1995等に記載されている。
発明を実施するための最良の形態
第1発明のモノクローナル抗体は、コロニーを形成しながら増殖するヒト肝細胞を特異的に認識することを特徴とする。さらに詳しくは、このモノクローナル抗体は、コロニーを形成しながら増殖し、かつ、機能性ヒト肝細胞へ分化可能なヒト肝細胞を特異的に認識することを特徴とする。この場合の「特異的に認識する」とは、前記のヒト肝細胞にのみ結合し、他の細胞および/または前記の特徴を有していないヒト肝細胞には結合しないことを意味する。
この第1発明のモノクローナル抗体は、この出願の第2発明のハイブリドーマ細胞から公知の方法で得ることができる。ハイブリドーマ細胞およびモノクローナル抗体は、公知のモノクローナル抗体作製法(「単クローン抗体」、長宗香明、寺田弘共著、廣川書店、1990年;”Monoclonal Antibody”James W.Goding,third edition,Academic Press,1996)に従い、例えば以下の様な手順で作製することができる。
1:ハイブリドーマ細胞の作製
継代培養したヒト正常肝細胞を含む免疫原を用いて哺乳動物を免疫し、必要に応じて適宜に追加免疫して動物を充分に感化する。次いでこの動物から抗体産生細胞(リンパ細胞または脾臓細胞)を摘出し、これとミエローマ(骨髄腫)細胞株との融合細胞を得る。そして、これらの融合細胞株から、目的とするモノクローナル抗体を産生する細胞を選択し、培養することによって、ハイブリドーマ細胞を得ることができる。以下、各工程を詳しく説明する。
a)免疫原の調製
正常肝組織からコラゲナーゼで分離したヒト肝細胞を継代培養し、免疫原とする。ヒト肝細胞は、4回以上、好ましくは6回以上の継代が可能な、例えば15歳以下のヒト肝組織から分離したものを使用することが好ましい。
b)動物の免疫
被免疫動物としては、公知のハイブリドーマ作製法に用いられる哺乳動物を使用することができる。具体的には、たとえばマウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ等である。ただし、摘出した抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞の入手容易性等の観点からは、マウスまたはラットを被免疫動物とするのが好ましい。また、実際に使用するマウスおよびラットの系統は特に制限はなく、マウスの場合には、たとえば各系統A、AKR、BALB/c、BDP、BA、CE、C3H、57BL、C57BR、C57L、DBA、FL、HTH、HT1、LP、NZB、NZW、RF、RIII、SJL、SWR、WB、129等が、またラットの場合には、たとえば、Low、Lewis、Spraque、Daweley、ACI、BN、Fischer等を用いることができる。このうち、後述のミエローマ細胞との融合適合性を勘案すれば、マウスではBALB/c系統が、ラットではlow系統が被免疫動物として特に好ましい。なお、これらマウスまたはラットの免疫時の週齢は5〜12週齢が好ましい。
動物の免疫は、免疫原である継代ヒト肝細胞を、10〜10個程度、動物の皮内または腹腔内に投与することによって行うことができる。免疫原の投与スケジュールは被免疫動物の種類、個体差等により異なるが、一般には、抗原投与回数1〜6回、複数回の場合は投与間隔1〜2週間が好ましい。
c)細胞融合
上記の投与スケジュールの最終免疫日から1〜5日後に被免疫動物から抗体産生細胞を含む脾臓細胞またはリンパ細胞を無菌的に取り出す。これらの脾臓細胞またはリンパ細胞からの抗体産生細胞の分離は、公知の方法に従って行うことができる。
次いで、抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合する。このミエローマ細胞には特段の制限はなく、公知の細胞株から適宜に選択して用いることができる。ただし、融合細胞からハイブリドーマを選択する際の利便性を考慮して、その選択手続が確立している HGPRT(Hpoxanthine−guanine phosphoribosyl transferase)欠損株を用いるのが好ましい。すなわち、マウス由来のX63−Ag8(X63)、NS1−Ag4/1(NS−1)、P3X63−Ag8.U1(P3U1)、X63−Ag8.653(X63.653)、SP2/0−Ag14(SP2/0)、MPC11−45.6TG1.7(45.6TG)、FO、S149/5XXO,BU.1等、ラット由来の210.RSY3.Ag.1.2.3(Y3)等、ヒト由来のU266AR(SKO−007)、GM1500・GTG−A12(GM1500)、UC729−6、LICR−LOW−HMy2(HMy2)、8226AR/NIP4−1(NP41)等である。
抗体産生細胞とミエローマ細胞との融合は、公知の方法に従い、細胞の生存率を極度に低下させない程度の条件下で適宜実施することができる。そのような方法は、例えば、ポリエチレングリコール等の高濃度ポリマー溶液中で抗体産生細胞とミエローマ細胞とを混合する化学的方法、電気的刺激を利用する物理的方法等を用いることができる。
融合細胞と非融合細胞の選択は、例えば、公知のHAT(ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジン)選択法により行うのが好ましい。この方法は、アミノプテリン存在下で生存し得ないHGPRT欠損株のミエローマ細胞を用いて融合細胞を得る場合に有効である。すなわち、未融合細胞および融合細胞をHAT培地で培養することにより、アミノプテリンに対する耐性を持ち合わせた融合細胞のみを選択的に残存させ、かつ増殖させることができる。
d)ハイブリドーマのスクリーニング
目的とするモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞のスクリーニングは、公知の酵素免疫検定法(EIA:Enzyme Immunoassay)、放射線免疫測定法(RIA:Radio Immunoassay)、蛍光抗体法等により行うことができる。
このようなスクリーニングによって、高い増殖能を有するヒト肝細胞と特異的に結合するモノクローナル抗体をそれぞれに産生するハイブリドーマ細胞群が得られる。
なお、スクリーニング後のハイブリドーマ細胞は、メチルセルロース法、軟アガロース法、限界希釈法等の公知の方法によりクローニングし、抗体産生に用いる。
以上の通りの方法によって得たハイブリドーマ細胞は、液体窒素中または−80℃以下の冷凍庫中に凍結状態で保存することができる。この出願は、このようなハイブリドーマ細胞の具体例として、Mouse−Mouse hybridoma K8223(FERM BP−8334)を提供する。
2:モノクローナル抗体の取得および精製
上記1で作製したハイブリドーマ細胞を公知の方法で培養することによって、増殖性ヒト肝細胞のみと特異的に結合するモノクローナル抗体を得ることができる。
培養は、例えば、前記のクローニング法で使用した同じ組成の培地中で培養してもよく、あるいはモノクローナル抗体を大量に産生するためには、マウス腹腔内にハイブリドーマ細胞を注射し、腹水からモノクローナル抗体を採取してもよい。
このようにして得たモノクローナル抗体は、例えば硫安塩析法、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー法、アフィニティークロマトグラフィー法等により精製することができる。
この出願は、ハイブリドーマ細胞の具体例として、前記のハイブリドーマ細胞Mouse−Mouse hybridoma K8223(FERM BP−8334)を、またモノクローナル抗体の具体例として、ハイブリドーマ細胞Mouse−Mouse hybridoma K8223(FERM BP−8334)が産生するモノクローナル抗体を提供する。
第3発明は、増殖性ヒト肝細胞の分離方法であり、ヒト肝細胞集団から前記第1発明のモノクローナル抗体によって認識される細胞を分取することを特徴とする。ヒト肝細胞集団は、例えば、ヒト肝臓からコラゲナーゼ灌流法等の公知の方法で単離され、培養条件下に置かれた初代細胞、またはこの初代細胞を1〜8回継代培養した継代細胞とすることができる。あるいはまた、このヒト肝細胞集団は、この出願の発明者らによる特許発明(特開平08−112092号公報;日本特許第3266766号;米国特許第6,004,810号、特開平10−179148号公報:日本特許第3211941号、特開平7−274951公報;日本特許第3157984号、特開平9−313172号公報;日本特許第3014322号)における「小型ヒト肝細胞を含む細胞集団」であってもよい。すなわちこれらの特許発明における小型ヒト肝細胞には、星細胞等の非実質肝細胞や、小型ヒト肝細胞の培養および継代培養のために共培養されるSwiss 3T3細胞等が含まれている。第1発明のモノクローナル抗体を使用することによって、このような細胞集団から、さらに効率よく増殖性ヒト細胞を分離することができる。
増殖性ヒト肝細胞の分離は、前記のヒト肝細胞集団に、酵素、放射性同位体、磁気ビーズまたは蛍光色素等で標識したモノクローナル抗体を接触させ、標識シグナルを発する細胞を単離することによって行うことができる。この方法では、遠心分離や細胞分画装置等における細胞負荷がほとんどないため、ほぼ無傷の状態で増殖性ヒト肝細胞を取得することができる。なお、標識として使用する酵素は、turnover numberが大であること、抗体と結合させても安定であること、基質を特異的に着色させる等の条件を満たすものであれば特段の制限はなく、通常のEIAに用いられる酵素、例えば、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコース−6−リン酸化脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素等を用いることもできる。また、酵素阻害物質や補酵素等を用いることもできる。これら酵素と抗体との結合は、マレイミド化合物等の架橋剤を用いる公知の方法によって行うことができる。基質としては、使用する酵素の種類に応じて公知の物質を使用することができる。例えば酵素としてペルオキシダーゼを使用する場合には、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジシンを、また酵素としてアルカリフォスファターゼを用いる場合には、パラニトロフェノール等を用いることができる。放射性同位体としては、125IやH等の通常のRIAで用いられているものを使用することができる。蛍光色素としては、フルオレッセンスイソチオシアネート(FITC)やテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等の通常の蛍光抗体法に用いられるものを使用することができる。また、標識シグナルの検出は、酵素を用いる場合には酵素作用によって分解して発色する基質を加え、基質の分解量を光学的に測定することによって酵素活性を求め、これを結合抗体量に換算し、標準値との比較から抗体量が算出される。放射生同位体を用いる場合には、放射性同位体の発する放射線量をシンチレーションカウンター等により測定する。また、蛍光色素を用いる場合には、蛍光顕微鏡を組み合わせた測定装置によって蛍光量を測定すればよい。
以上の方法によって、この出願の第4発明の「増殖性ヒト肝細胞」が得られる。この増殖性ヒト肝細胞は、培養条件下においてコロニーを形成して活発に増殖するが、さらに、機能性ヒト肝細胞への分化能を有する細胞でもある。このような機能性ヒト肝細胞は、第5発明の方法によって増殖性ヒト肝細胞から分化誘導することができる。なお、増殖性ヒト肝細胞は、実施例1のモノクローナル抗体作製の際の免疫原として使用したヒト肝細胞の取得方法によっても得ることができるが、この実施例1の方法の場合には、非増殖性細胞も含まれている可能性がある。この発明のモノクローナル抗体を用いる方法は、実質的に増殖性ヒト肝細胞のみを分離することができる点において優れた方法である。
第5発明の方法は、以下の手段(a)または(b)、もしくは(a)および(b)を行うことを特徴としている。
(a):増殖性ヒト肝細胞のスフェロイド培養
「スフェロイド」とは、細胞が数百個集合して組織構造を形成する細胞の集合体を意味する。具体的には、細胞を以下に示す方法で3次元的な細胞集団とし、これを動物細胞培地で培養する。スフェロイドを得る公知の方法としては、マトリゲル(MATRIGELTM Matrix、ベクトン・ディッキンソン)、ポジティブチャージの培養器(プライマリア、ベクトン・ディッキンソン)、U底培養器(スフェロイド・MS?0096S、スミロン)上での培養や、ローラーボトルでの旋回培養等が挙げられる。また、培養は6〜15日間程度行えばよい。
(b):増殖性ヒト肝細胞への肝細胞核因子4(HNF4)遺伝子の導入
肝細胞核因子4(hepatocyte nuclear factor 4:HNF4)は、肝細胞において特異的な機能を発現する遺伝子の転写に関するタンパク質であり(例えば、Bell,G.I.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88(4),1484−1488,1991)、ヒトHNF4αのcDNA配列が公知である(例えば、GenBank/NM_000457)。またHNF4b(GenBank/X87871)、HNF4c(GenBank/X87872)のcDNA配列も公知である。さらに、マウスHNF4 cDNA(GenBank/NM_008261)、ラットHNF4 cDNA(GenBank/X57133)等も知られている。従って、これらの公知のHNF4 cDNAを真核細胞発現ベクターに組換え、この発現ベクターを、例えば電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法等の公知の方法を増殖性ヒト肝細胞に導入することによってHNF4遺伝子を導入することができる。あるいは例えば生体認識分子を提示した中空ナノ粒子、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス等を用いる遺伝子治療法(ex vivo法)に準じた方法によってもHNF4遺伝子を導入することができる。また、HNF4遺伝子cDNAは、それらの既知配列に基づいて作製したプローブDNAを用いて、ヒト等のcDNAライブラリーをスクリーニングすることによって取得することができる。得られたcDNAは、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、NASBN(Nucleic acid sequence based amplification)法、TMA(Transcription−mediated amplification)法およびSDA(Strand Displacement Amplification)法などの通常行われる遺伝子増幅法により増幅し、使用することができる。また、既知配列に基づいて作成したプライマーセットを用い、哺乳動物細胞から単離したmRNAを鋳型とするRT−PCR(Reverse Transcriptase−PCR)法によっても目的とする十分量のcDNAを得ることができる。
以上の分化誘導方法によって、後記の実施例に示したように、人体内または初代培養におけるヒト正常肝細胞と同程度の機能性、具体的には十分量のアルブミン発現およびシトクロムP450活性を有する第6発明の機能性肝細胞が得られる。なお、以上の分化誘導による機能性ヒト肝細胞は、例えば後記の実施例1において免疫原のヒト肝細胞を調製したのと同様の方法で得られる継代培養細胞(コロニーを形成して継代培養可能な肝細胞)を用いても実施することができる。ただし、このような継代培養細胞には、非増殖性細胞も含まれている可能性がある。
以上の方法によって得られた第6発明の機能性ヒト肝細胞を用いることによって、薬物代謝試験や安全性試験などに用いることができるヒト肝細胞キット(第7発明)や、ハイブリッド型人工肝臓(第8発明)が提供される。さらに、ハイブリッド型人工肝臓に使用するモジュール(ヒト肝細胞を充填したモジュール)を使用して、ヒト肝細胞が生産する有用物質を回収することできる。
肝細胞キットは、細胞の種類や用途に応じて各種のものが公知であり、当業者であれば、第6発明のヒト肝細胞と公知の細胞キットの構成を採用することによって、第7発明の細胞キットを容易に作製することができる。また、モジュールやハイブリッド型人工臓器の構成も公知であり、当業者であれば第8発明の人工肝臓等を容易に作製することができる。
実施例
以下、実施例を示してこの出願の発明についてさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発明は以下の例によって限定されるものではない。
実施例1
ヒト増殖性肝細胞を認識するモノクローナル抗体の作製
1.ヒト肝細胞の培養
ヒト肝臓組織よりコラゲナーゼ灌流法により、細胞分散液を得た。細胞分散液を低速遠心分離(50g、2分)し、その沈殿画分を牛胎児血清、ヒト血清、EGF、ニコチンアミド、活性持続型ビタミンCを添加したDulbecco’s modified Eagle’s medium(DMEM)を用い、マイトマイシンC処理したSwiss 3T3細胞と混合培養した。Swiss 3T3細胞は10日毎に添加した。培養7日目頃よりヒト肝細胞のコロニーが観察された。コンフルエントに増殖した肝細胞をEDTA/Trypsinを用いて継代した。継代は、子供の肝細胞では6−9回継代でき、60才以上の患者の肝細胞は3−4回しか継代できなかった(図1)。もっとも高い増殖能を示した子供(12才)の肝細胞を抗原として用いた(図2)。
2.動物の免疫
上記方法により、3−5回継代培養した子供(12才)の肝細胞を培養皿上で増やした。コンフルエントに増殖した細胞(約1×10個)を、PBS(リン酸緩衝塩類溶液)で洗浄した後、PBSを取り除き、セルスクレーパーで掻き取って回収し、PBS約1mlに懸濁した。これを6週齢のBalb/cマウスの腹腔内に投与した。さらに20日後または30日後に、同様の方法で免疫を行った。
3.細胞融合
2回の免疫後、抗体価の上昇がみられたため、3回目の免疫(boost)の72時間後、1匹の免疫動物より脾臓を摘出、脾臓細胞を採取した。この脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(細胞名NS−1)を細胞融合し、96−well plateに372well播種、培養した。
4.ハイブリドーマのスクリーニング
1次スクリーニング(ELISA、組織染色):
得られた融合細胞の培養上清の抗原に対する反応性をELISAにより測定した。測定は以下の方法により実施した。抗原として用いた継代培養肝細胞を96−well plateに播種し、培養後PBSで洗浄、乾燥させ−80℃で保存しておいたものに、培養上清を反応させた。次に酵素標識の抗マウスIgGまたは抗マウスIgM抗体を反応させ、基質を加えて発色させ、その吸光度を測定した。その結果、融合細胞372サンプルの吸光度の平均は0.149(SD:0.099)で、このうち吸光度0.20以上(81サンプル、約20%)のサンプルを陽性とした。また目視において、吸光度0.15以上でも発色が確認されたことから、0.15〜0.20のサンプル(46サンプル)については、組織染色を行い反応性を確認した。その中から、興味深い染色パターンを示した13サンプルについてのみ陽性サンプルとした。選択した陽性サンプル、94サンプルをスケールアップしてさらに培養し、培養上清を回収後、細胞を凍結保存した。
5.2次スクリーニング(ELISA、組織染色):
1次スクリーニングで選んだ94サンプルから、スケールアップ後の培養上清の抗原に対する反応性を1次スクリーニングと同様のELISAにより測定し、陽性サンプル、88サンプルを選んだ。さらに、これらのサンプルの、組織における反応性を組織染色により調べた。そのなかから、肝細胞の細胞膜や、門脈域の肝細胞に特異的に反応するハイブリドーマを含むサンプル、または、そこからクローニングによって得られたクローンの培養上清について、分離直後のヒト肝細胞への反応性を調べた。
組織において門脈域の肝細胞膜が染まるハイブリドーマ培養上清No.23について、分離直後の肝細胞表面における反応性を、FACS(Fluorescence activated cell sorting)を用いて解析した。成人男性(46才および49才)の肝臓からコラゲナーゼ灌流、低速遠心により得られた細胞を、このサンプルの培養上清で4℃、30分処理し、次にFITC標識した抗マウスIgG抗体を4℃、30分処理することにより、FACSでの検出を可能にした。その結果、肝細胞集団の一部(1〜2%)の細胞がこのサンプルに反応した(図4)。そこで、これらの細胞集団をR2、反応しなかった細胞集団をR3として分取し、培養した。また分取前の肝細胞も同様に培養した。その結果、分取前の肝細胞では、前述したように、培養7日目頃より、コロニー形成が観察された。一方、R3画分においては、コロニーを形成する細胞は観察されなかったが、No.23に反応したR2画分において、多くのコロニーが観察された(図5)。また、継代培養ヒト肝細胞への反応性をFACSにより調べたところ、約80%の細胞が陽性であった(図6)。すなわち、継代培養ヒト肝細胞のうち培養過程で分化した細胞は認識せず、増殖性肝細胞のみを認識していると考えられた。このことから、No.23には、コロニーを形成する細胞を特異的に認識するハイブリドーマが含まれている可能性が示唆された。No.23サンプルからクローニングにより得られたクローンについても分離直後の肝細胞表面における反応性をFACSを用いて解析した。その結果、同様の反応性を示すクローンが3クローン得られた。これらの中から、1クローン(Mouse−Mouse hybridoma K8223)を2002年3月6日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに特許生物として寄託し(受託番号FERM P−18752)、さらに2003年3月20日付で国際寄託した(受託番号FERMB P−8334)。
6.モノクローナル抗体の作成
前記のハイブリドーマ(K8223株)細胞を培養することによって、さらに、マウス腹腔内にハイブリドーマ細胞を注射し、腹水からモノクローナル抗体を採取することにより、増殖性ヒト肝細胞と特異的に結合するモノクローナル抗体を得た。
実施例2
増殖性ヒト肝細胞の分離
実施例1で得たモノクローナル抗体を用いて、コラゲナーゼ灌流法によりヒト肝臓組織より単離したヒト肝細胞集団から、増殖性ヒト肝細胞を分離した。具体的には、ヒト肝臓組織からコラゲナーゼ灌流、低速遠心により得られた細胞を、実施例1で得たモノクローナル抗体で4℃、30分処理し、次にFITC標識した抗マウスIgG抗体を4℃、30分処理し、反応をFACSで検出した。この抗体に反応した細胞集団をR2、反応しなかった細胞集団をR3として分取し、実施例1.1と同様の方法で培養した。また分取前の肝細胞も同様に培養した。その結果、分取前の肝細胞では、培養7日目頃より、コロニー形成が観察されたがコロニーを形成しない肝細胞も観察された。一方、R3画分においては、コロニーを形成する細胞は観察されなかったが、このモノクローナル抗体に反応したR2画分において、多くのコロニーが観察された。以上の結果から、この発明の方法を用いることにより、分離肝細胞集団から増殖性肝細胞を効率よく単離することが可能であることが確認された。
実施例3
スフェロイド形成による増殖性ヒト肝細胞の分化誘導
1.肝細胞のスフェロイド形成
実施例2で得た増殖性ヒト肝細胞を、マトリゲル(MATRIGELTM Matrix、ベクトン・ディッキンソン)上に1cm当たり1×10個播種し、牛胎児血清、EGF、活性持続型ビタミンCを添加したDMEM培地で培養した。肝細胞は、培養1日目にはマトリゲル上でスフェロイドを形成した(図7上段)。
2.ヒト型P450遺伝子発現の解析
培養ヒト肝細胞をマトリゲル上に播種後、7日目(図7下段)にスフェロイドを回収した。このスフェロイドの肝細胞からtotal RNAを抽出し、逆転写反応によりcDNAを合成した。6種類のヒト型P450分子種(CYP1A1、1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)のそれぞれの遺伝子cDNAに対するプライマーを合成し、PRISM 7700 Sequence Detector(ABI PRISMTM社)を用いて、それぞれのmRNA発現量を定量した。また、ヒト肝臓から分離した直後の肝細胞および単層培養した増殖性ヒト肝細胞も同様にしてP450遺伝子発現を定量した。
その結果、スフェロイド培養した肝細胞は、単層培養した肝細胞に比較して、各種ヒト型P450の遺伝子発現が高いことが確認された。また一部のヒト型P450遺伝子は、分離直後の正常ヒト肝細胞と同程度のP450遺伝子発現を示した(図8)。
3.アルブミン分泌量の解析
スフェロイド培養した肝細胞および単層培養した肝細胞のそれぞれの培養上清を3日毎に回収し、培地中のヒトアルブミン濃度を Quantitative ELISA immunoassay(Bethyl Laboratories Inc.)を用いて測定した。
その結果、単層培養した肝細胞に比較して、スフェロイド培養した肝細胞は、培養6日目以降に高いアルブミン分泌量を示した(図9)。
4.P450酵素活性の解析
スフェロイド培養から22日目にリドカイン塩酸(500μg/ml)を培地に添加し、24時間インキュベートした。培地を回収し、培地中のリドカイン代謝産物であるMEGX量をHPLCにより測定した。単層培養した肝細胞についても同様の測定を行った。
その結果、単層培養した肝細胞では培地中にはMEGXは検出されなかったが、スフェロイド培養した肝細胞の培地中にはMEGXが検出された(8.3μg/ml/24時間、1.7μg/10cell/24時間)。この結果から、スフェロイド培養した肝細胞は、P450酵素活性(化学物質代謝酵素活性)を有していることが確認された。
実施例4
HNF4遺伝子導入による増殖性ヒト肝細胞の分化誘導
1.遺伝子導入
実施例2で得た増殖性ヒト肝細胞に、ヒトHNF4 α cDNA(GenBank/X87870)をアデノウイルスベクター(Q・BIO gene社)を介して培養1日目にMultiplicity of infection(MOI)0、1、5、10、20、50、100の割合で感染させた。
2.ヒト型P450遺伝子発現の解析
アデノウイルスベクター感染後7日目の細胞を回収し、実施例3−2と同様にして各種ヒト型P450遺伝子の発現量を定量した。
その結果、感染量依存的にヒト型P450遺伝子の発現量増加が認められた(図10)。
産業上の利用可能性
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、増殖性を有するヒト肝細胞を特異的に認識するモノクローナル抗体と、この抗体の使用によって分離される増殖性ヒト肝細胞、この細胞を分化誘導することによって得られる機能性ヒト肝細胞が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、様々な年令の患者から採取した肝細胞を培養した時の増殖曲線である。
図2は、モノクローナル抗体を作るために抗原として用いた培養ヒト肝細胞の位相差顕微鏡像である。
図3は、ハイブリドーマK8223培養上清の、ヒト肝組織における反応性を蛍光抗体染色により観察した像である。
図4は、ハイブリドーマNo.23培養上清の、分離直後のヒト肝細胞表面における反応性をFACSにより解析した結果である。
図5は、ハイブリドーマNo.23培養上清に反応した細胞集団(R2)と未反応の細胞集団(R3)を分取し、培養した時の位相差顕微鏡像である。
図6は、ハイブリドーマNo.23培養上清の、継代培養ヒト肝細胞表面における反応性をFACSにより解析した結果である。
図7は、単層培養およびスフェロイド培養した肝細胞それぞれの培養1日目(上段)および7日目(下段)の位相差顕微鏡像である。
図8は、ヒト肝臓から分離直後の肝細胞、単層培養した継代培養肝細胞、およびスフェロイド培養した肝細胞のそれぞれにおけるヒト型P450遺伝子またはGAPDH遺伝子発現量を示したグラフである。
図9は、単層培養およびスフェロイド培養した肝細胞それぞれのアルブミン分泌量の経時的変化を示したグラフである。
図10は、ヒトHNF4遺伝子を導入した培養ヒト細胞におけるヒト型P450遺伝子の発現量を示したグラフである。

Claims (3)

  1. 成人肝臓から単離した肝細胞集団に存在し、クローン性増殖能と機能性肝細胞への分化能とを有する増殖性ヒト肝細胞を特異的に認識する抗体であって、ハイブリドーマ細胞Mouse-Mouse hybridoma K8223(FERM BP-8334)が産生すモノクローナル抗体。
  2. 請求項1のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞Mouse-Mouse hybridoma K8223(FERM BP-8334)。
  3. ヒト肝細胞集団から、請求項1のモノクローナル抗体によって認識される細胞を分離することを特徴とする増殖性ヒト肝細胞の分離方法。
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