JP3266766B2 - ローン性増殖能を有する肝実質細胞とその取得方法、並びにその継代培養方法 - Google Patents

ローン性増殖能を有する肝実質細胞とその取得方法、並びにその継代培養方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クローン性増殖
能を有する肝実質細胞とその取得方法、並びにその肝実
質細胞の継代培養方法に関するものである。さらに詳し
くは、この発明は、肝細胞の発生・分化や分裂増殖過
程、あるいはその癌化メカニズム等に関する細胞生物学
的、分子生物学的研究の材料として、あるいは様々な肝
疾患の治療技術開発のための医療材料として有用な肝実
質細胞の前駆細胞培養系と、その肝実質細胞を取得する
方法、並びにその肝実質細胞を継代培養する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】動物個体は、一つの受精卵が
分裂を繰り返し、異なる機能を分担する各種の組織(細
胞集合体)へと分化した多細胞生物である。そして、身
体を構成する各組織の場合には、それぞれの細胞が常に
分裂増殖し、活発は分化機能発現能を有する細胞を次々
と産生することによって個体が維持されている。従っ
て、ヒトをはじめとする動物個体の生物学的実体を理解
し、あるいは発癌のメカニズム等を解明してその治療法
を開発するためには、各組織を構成する細胞を細胞生物
学的、分子生物学的に詳細に分析し、その発生・分化過
程や分裂増殖の機構を明らかにすることが重要であると
考えられる。
【0003】従来より、生体組織の細胞を詳細に分析す
るための手段として、生体外へ取り出した細胞を培養
し、さらには培養細胞を分裂増殖させて継代的に生存さ
せる方法が確立している。ところが、ラットやヒトの肝
細胞については、これまで成熟個体から単離した初代細
胞を継代的に培養することは不可能であるとされてき
た。すなわち、接着依存性の成熟肝細胞は、その継代操
作のために培養基質から剥離する際に大きく損傷し、ま
た培養基質に再接着させることも困難であるなどの理由
から、継代培養系において肝細胞の発生過程や分裂増殖
状態を研究することは不可能であった。この発明の発明
者等は、培養培地の成分等を工夫することによって上記
の困難性を克服し、成熟ラットの肝臓から採取した初代
細胞を継代培養することに成功し、その培養方法を既に
特許出願している(特願平6−89056号)。
【0004】しかしながら、肝細胞の複雑かつ多様な機
能を理解し、あるいはその癌化メカニズムを解明するた
めには、分化の方向性が未指定の純粋な肝前駆細胞(pr
ogenitor cells )を特定することが不可欠であると考え
られるが、これまでその存在は確認されておらず、選択
的な培養方法も確立していない。なお、このような肝前
駆細胞については、これまでに以下の事実が知られ、ま
たそれを特定するために以下の試みが報告されている。
すなわち、肝臓の発生過程では、肝臓原基から幹細胞が
生じ、この幹細胞が肝細胞と胆管上皮細胞とに分化する
ことが報告されている(塩尻ら:Cancer Research, vo
l.51, pp2611-2620, 1991)。成熟個体(ラット等)の
肝臓においてこの幹細胞が確認された例はないが、ラッ
トの肝発癌過程の前癌状態において出現する楕円形細胞
( oval cell)は肝癌にも胆管癌にもなり得ることなど
から、この楕円形細胞は、成熟ラットの肝臓に存在する
幹細胞が異常な分化をすることによって生じたものであ
ると考えられている。さらに、Hixsonら( Pathobiolog
y, vol.58, pp65-77, 1990)は肝化学発癌実験により得
られたラットの楕円形細胞の表面抗原に対する抗体を幾
つか作成したが、 Brillら(Proc. Soc. Exp. Bio. ME
d.,vol.204, pp261−269,1993)は、成熟ラットの肝細胞
から、これらの抗体に結合する細胞をセルソーターによ
り選択し、その性質を調べている。その結果、これらの
細胞は、添加因子を加えた培養基質上で培養すると、ま
たは胎児の間葉系細胞のフィーダーレイヤー上で培養す
ると、増殖、または成熟した肝細胞へ分化する細胞が観
察されたことから、楕円細胞の表面抗原に対する抗体に
結合する細胞の中には肝細胞の前駆細胞が含まれている
ことが示唆された。
【0005】以上の通り、肝前駆細胞は、幾つかの証拠
によってその存在が推定されているが、従来その存在は
確認されておらず、また、前駆細胞を特定するうえで不
可欠な肝実質細胞のクローン性増殖も報告されていな
い。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたも
のであり、肝前駆細胞を含むと考えられるクローン性増
殖能を有する肝実質細胞を提供することを目的としてい
る。またこの発明は、それらの細胞を取得するための方
法と、それらの細胞を継代的に培養するための方法を提
供することを目的としてもいる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、上記
の課題を解決するものとして、以下の細胞生物学的特
徴、(1)ペルオキシゾームを有すること、(2)肝細
胞マーカーに陽性であること、(3)コロニーの一部が
癌化肝細胞マーカーまたは未分化肝細胞マーカーに陽性
であること、(4)オーバルセルの表面抗原に対する抗
体に陽性であること、の少なくとも1つを有することを
特徴とするクローン性増殖能を有する肝実質細胞を提供
する。
【0007】また、この発明は、成熟哺乳動物の肝臓か
ら肝細胞を分取し、この肝細胞を低速遠心して重量画分
と軽量画分とに分離し、軽量画分中の小型肝細胞を牛胎
児血清およびアスコルビン酸類を必須として含有する培
地で培養して小型細胞に属する肝実質細胞にコロニーを
形成させるか、またはこのコロニーをペルオキシゾーム
の有無、肝細胞マーカーへの反応性、癌化肝細胞マーカ
ーへの反応性、未分化肝細胞マーカーへの反応性、およ
びオーバルセルの表面抗原に対する抗体への反応性の少
なくとも一つを指標としてスクリーニングすることを特
徴とするクローン性増殖能を有する肝実質細胞の取得方
法を提供する。
【0008】さらに、この発明は、成熟哺乳動物の肝臓
から肝細胞を分取し、この肝細胞を低速遠心して重量画
分と軽量画分とに分離し、軽量画分中の小型肝細胞を牛
胎児血清およびアスコルビン酸類を必須として含有する
培地で初代培養して小型細胞に属する肝実質細胞にコロ
ニーを形成させ、EDTA溶液によってコロニーの細胞
を培地から剥がし、この剥がした細胞を上記初代培養培
地と同様の組成からなる培地で再培養するか、または、
上記の初代培養によって形成したコロニーの細胞をED
TA溶液およびトリプシン溶液によって培地から剥が
し、この剥がした細胞を個々の細胞に分散させたのち、
上記初代培養の初期に用いた培地それ自体で再培養する
ことのいずれかを特徴とするクローン性増殖能を有する
肝実質細胞の継代培養方法を提供する。
【0009】なお、上記の肝実質細胞の取得方法および
その継代培養法においては、低速遠心分離によって得た
軽量画分中の小型肝細胞を、牛胎児血清、アスコルビン
酸類、上皮細胞成長因子、ニコチンアミド類およびDM
SOを含有するDMEM培地で培養することを好ましい
態様としてもいる。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、この発明のクローン性増殖
能を有する肝実質細胞の取得方法についてさらに詳しく
説明する。通常、肝細胞を採取するためには、低速遠心
法(50G)によって重い画分を得るが、この発明の方
法では、低速遠心による軽い画分を分離し、この画分に
含まれる細胞を培養する。培養培地には、牛胎児血清
(FBS)およびアスコルビン酸類(例えば、L−アス
コルビン酸リン酸塩)を含有させる。後述する実施例の
試験結果から明らかなように、これらの成分によって非
実質細胞画分中の小型肝細胞のコロニー形成が生じる。
また、上皮細胞成長因子(EGF)およびDMSOは、
コロニーの形成に必須ではないが、コロニーの形成促進
作用を有し、ニコチンアミド類は肝細胞の分化を抑える
と考えられるため、培養培地に添加する成分として好ま
しい。さらに、非実質細胞画分には、小型の肝細胞以外
にも、内皮細胞、クッパー細胞、星細胞、胆管上皮細胞
等が含まれ、小型肝細胞に特殊な環境を提供していると
考えられるが、上記のニコチンアミド類、アスコルビン
酸類およびDMSOはこれらの非実質細胞の増殖を抑制
し、小型の肝実質細胞を選択的に培養増殖させることを
可能にする。
【0011】これらの成分の培地中への添加量は、例え
ば、FBSは5〜30%、アスコルビン酸類は0.1 〜1.
0 mM、EGFは1〜100ng/ml、ニコチンアミ
ド類は1〜20mM、そしてDMSOは0.1 〜2%程度
とすることが出来る。培養は、5%CO2 条件下で、3
7℃前後の温度で行う。以上の通りの培養によって、ク
ローン性増殖する小型肝細胞のコロニーが得られる。さ
らに、これらのコロニーを形成する細胞に対しては、例
えば、ペルオキシゾームの有無、肝細胞マーカーへの反
応性、癌化肝細胞マーカーへの反応性、未分化肝細胞マ
ーカーへの反応性、およびオーバルセルの表面抗原に対
する抗体への反応性の少なくとも一つを指標としてスク
リーニングすることによって、肝細胞としての分化機能
発現を確認することができる。このうち、ペルオキシゾ
ームの有無は、透過型電子顕微鏡観察により確認するこ
とができる。肝細胞マーカーとしてはアルブミン、α1
−アンチトリプシン、トランスフェリン等の抗体を、癌
化または未分化な肝細胞のマーカーとしてはGST−
P、α−フェトプロテインの抗体、γ−GTP染色等
を、またオーバルセルの表面抗原に対する抗体としては
前記Hixsonらが作成した抗体(OC2、OC3)を用い
ることができる。さらに、胆管上皮細胞のマーカーや星
細胞のマーカー等を用いることによって、培養中の非実
質細胞を同定することもできる。
【0012】次に、この発明のクローン性増殖能を有す
る肝実質細胞の継代培養方法について説明する。すなわ
ち、この方法は、上記の取得方法によって得た肝実質細
胞のコロニー(初代培養細胞)をシャーレから剥がし、
別のシャーレにおいて再培養し、増殖させる方法であ
る。コロニーを剥がす際には、シャーレから培地を取り
除いた後、0.002〜0.2%程度のEDTA溶液を添
加し、約37℃で10分間程度処理することによって、
コロニー周囲の非実質細胞と小型肝細胞とをコロニー毎
剥がすことができる。これをシャーレに蒔き、初代培養
に用いたのと同様の培地(すなわち牛胎児血清とアスコ
ルビン酸類を必須として含有する培地)で培養すること
によって、コロニーと非実質細胞をシャーレに接着さ
せ、再度増殖させることができる。
【0013】あるいはまた、シャーレから培地を取り除
いた後、コロニーにEDTA(0.002〜0.2%)お
よびトリプシン(0.005〜0.5%)の溶液を添加し
て約10分間処理することによって、コロニーを小型肝
細胞と非実質細胞とに分離することができる。そしてこ
れらの細胞分離液をフィルター(孔径約20μm)で濾
過し、小さなアグリゲーションを除くことによって、細
胞を個々に分散することができる。そして、このように
して分散させた小型細胞は、特に、その初代培養の初期
(例えば培養1〜4日)に用いた培地そのもの(condit
ioned medium)によって再培養することによって、良好
な状態で分裂、増殖させることができる。
【0014】以上の通りのこの発明の方法は、ヒトをは
じめとする全ての哺乳動物の肝細胞に適用することがで
き、様々な動物種からクローン性増殖能を有する肝実質
細胞を取得すること、およびそれらの肝実質細胞を継代
的に培養することができる。そして、例えばヒトの肝臓
から採取したクローン増殖能を有する肝実質細胞、また
はその継代培養細胞は、ハイブリッド肝臓等の作成に利
用することができ、肝疾患の治療技術の開発にも新たな
展開をもたらすものと期待される。
【0015】以下、実施例を示して、この発明の細胞取
得方法をさらに詳細かつ具体的に説明するとともに、こ
の方法によって得られたクローン性増殖能を有する肝細
胞についても試験結果を示して詳しくその特性等を説明
する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるもの
ではない。
【0016】
【実施例】
実施例1 この発明の肝実質細胞を以下の方法により取得し、その
細胞生物学的特性を試験した。 (1)肝細胞の培養 4週令〜22週令のF344雄ラットからコラゲナーゼ
灌流法により肝臓の細胞を採取し、低速遠心(50g、
1分×3回)して得た上澄みをさらに低速遠心(150
g、5分×3回)して、その沈殿として非実質細胞画分
を得た。この細胞を、3.5cm径の培養皿に9×10
5 個ずつ播き、DMEM培地(10% FBS,44mM NaHCO3, 2
0mM HEPES, 0.5mg/lインシュリン,10-7M デキサメタゾ
ン,30mg/lL−プロリン,ペニシリンおよびストレプト
マイシン含有)中で、37℃、5%CO2 条件下で2〜
3時間培養した。次いで、培養培地を、上記培地に 10m
Mニコチンアミド、10ng/ml EGFおよび0.2mM L−ア
スコルビン酸リン酸塩を加えたDMEM培地に交換し、
さらに4日目からは1%DMSOを培地に加え、培養を
続けた。 (2)試験方法 肝細胞の増殖の指標として、BrdUの取り込み、およ
び位相差顕微鏡下で同一部位の写真を経時的に撮影し、
肝細胞領域の面積を測定した。
【0017】肝細胞の機能発現および非実質肝細胞の同
定は、前記 Hixson より譲受したオーバルセルの抗体
(OC2、OC3)、胆管上皮細胞のマーカー(BD
1:前記のHixsonより譲受、サトケラチン7)、肝細胞
のマーカー(アルブミン、α1 −アンチトリプシン、ト
ランスフェリンの抗体)、癌化または未分化の肝細胞の
マーカー(GST−P、α−フェトプロテインの抗体、
γ−GTP染色)、および星細胞のマーカー(デスミン
の抗体)を用いた免疫細胞化学的手法または酵素化学的
手法により行った。また、透過型電子顕微鏡により細胞
小器官を詳細に観察した。
【0018】肝細胞を採取したラットの週令による培養
結果の差を比較するため、培養10日目におけるサンプ
ルをHE染色し、肝細胞コロニーの形成率を光学顕微鏡
下で計測した。なお、細胞8個以上の集団をコロニーと
して計測した。培地への添加因子であるFBS、ニコチ
ンアミド、EGF、L−アスコルビン酸リン酸塩および
DMSOをそれぞれ1種ずつ除いた系で同様の培養を行
い、各添加因子の肝細胞コロニーおよび非実質細胞への
作用を調べた。 (3)試験結果 上記(1)の条件で培養の結果、図1〜3の位相差顕微
鏡写真に示したように、小型の肝細胞がコロニーを形成
してクローン増殖するのが観察された。これらの図1〜
3は、8週令のラットから採取した細胞培養の同一視野
の位相差像(倍率147)であり、培養3日目(図1)
では1個の小型肝細胞が、5日目(図2)には4個の集
団になり、15日目(図3)には約300個のコロニー
を形成した。
【0019】コロニーの出現率は、図4に示したよう
に、肝細胞を採取したラットの週令が高くなるに従って
減少した。また、図5に示したように、ラットの週令に
係わらず、肝細胞の増殖曲線はほぼ同じであった。これ
らの結果から、コロニーを形成した肝細胞が未熟な前駆
細胞でることが示唆された。さらに、HE染色の結果か
ら、培養10日目頃のコロニーは均一な小型肝細胞から
なっていたが(図6)、培養20日目頃にはコロニーの
一部に2核の大型細胞や周辺部に重層構造が観察された
(図7)。また、肝細胞コロニーの一部に胆管上皮細胞
マーカーBD1に対する陽性部位(図8)およびサイト
ケラチン7に対する陽性部位(図9)が観察された。こ
の結果から、培養細胞のコロニーは、肝細胞にも胆管上
皮細胞にも分化する幹細胞を含む集団であると考えられ
る。
【0020】次に、この細胞コロニーは、肝細胞マーカ
ーに対して陽性であり、正常な機能を発現する細胞であ
ることが確認された。すなわち、図10はアルブミン染
色したコロニーの顕微鏡写真であり、図11はα1 −ア
ンチトリプシン染色したコロニーの顕微鏡写真である。
また、トランスフェリンとBrdUの二重染色の結果か
らは、図12に示したように、トランスフェリン陽性細
胞にBrdUの取り込みが観察された。さらに、このコ
ロニーの細胞は、癌化または未分化肝細胞マーカーに対
しては一部陽性であり(図13:α−フェトプロテイン
染色、図14:GST−P染色、図15:γ−GTP染
色)、オーバルセルの抗体に対しては陽性であった(図
16:OC2染色、図17:OC3染色)。
【0021】一方、コロニー周囲の非実質細胞の多くは
星細胞マーカーであるデスミン抗体に対して陽性であっ
たが、陰性の細胞も認められた(図18)ことから、コ
ロニー周辺には星細胞以外の非実質細胞も多く存在する
ことが確認された。表1は、培地への添加因子を一種ず
つ除いた試験の結果を示す。この試験では、培養31日
目の培養皿をアルブミン染色し、アルブミン陽性細胞8
個以上の集団を1つのコロニーとして、1cm2 あたり
の肝細胞コロニー数の平均値(n=3)を表1に示し
た。また、全ての添加因子を加えた系(対照)および各
因子を除いた系それぞれのコロニーの位相差顕微鏡写真
を図19〜24に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、EGFを除いた
系では、対照に比べて非実質細胞の増殖に差はなかった
が、肝細胞コロニーの形成は明らかに抑制された(図1
9および図20参照)。一方、ニコチンアミド(−)の
系では、非実質細胞の増殖が促進されたが、肝細胞コロ
ニーの形成率は影響を受けなかった。ただし、このニコ
チンアミド(−)の系では、肝細胞は大型で索状構造を
示し、対照に比べて肝細胞の分化形質をより発現してい
るような形態を示した(図21)。L−アスコルビン酸
リン酸塩(−)の系では非実質細胞の増殖は促進された
が、肝細胞コロニーは殆ど形成されず(図22)、DM
SO(−)の系では非実質細胞の増殖は促進されたが、
肝細胞コロニーの形成率は対照に比べて低かった(図2
3)。また、FBS(−)の系の場合には、非実質細胞
および肝細胞ともに生存維持できなかった(図24)。
これらの結果から、この発明の肝実質細胞を取得するた
めの培養培地には、FBSおよびアスコルビン酸類の添
加が必須であることが確認された。また、EGFおよび
DMSOは、肝細胞コロニーの形成には必須ではないも
のの、肝細胞コロニーの形成促進作用を有し、ニコチン
アミドは肝細胞の分化に関わる因子であると考えられ
た。さらに、ニコチンアミド、アスコルビン酸およびD
MSOは非実質細胞に対して増殖抑制作用を有すること
も明らかになった。
【0024】最後に、透過型電子顕微鏡による観察から
は、コロニーを構成する細胞の細胞質に肝細胞の特徴で
あるペルオキシゾームが観察された(図25−a、
b)。 実施例2 実施例1で得た肝実質細胞を、以下の方法により継代培
養した。小型肝細胞のコロニーが形成されたシャーレか
ら培地を取り除き、0.02%EDTAを用い、約10
分間処理することによって、コロニーをシャーレから剥
がした。次いで、コロニー形成のための初代培養に用い
たのと同様の組成からなる培地をシャーレに満たし、剥
がしたコロニーをシャーレに接着させた。コロニー周囲
の非実質細胞と小型肝細胞は、共にシャーレに接着し、
良好に分裂、増殖することを確認した(図26)。
【0025】また、実施例1で得た肝実質細胞を、別の
方法により継代培養した。すなわち、シャーレから培地
を取り除いた後、コロニーを0.02%EDTAおよび
0.05%トリプシンで処理し、コロニーの小型肝細胞
と非実質細胞とを溶液中に分散させた。こ細胞分散液を
ピペッティングし、コロニー周囲の非実質細胞と、小型
肝細胞の各々の分散液を得た(図27)。ついで、これ
らの分散液を、孔径20μmのフィルターで濾過し、小
さな細胞のアグリゲーションを除去し、個々の細胞をほ
ぼ分散させた(図28)。この細胞をシャーレにうすく
蒔き、初代培養に用いたのと同様の組成からなる培地で
培養したところ、小型肝細胞と非実質細胞は共にシャー
レに接着した。また、非実質細胞の分裂、増殖も観察さ
れた。しかしながら、小型肝細胞の増殖およびコロニー
形成は観察されなかった(図29)。
【0026】そこで、実施例1においてコロニー形成の
ための初代培養(1〜4日目)に用いた培地(conditio
ned medium)を用いて培養したところ、小型肝細胞の良
好な増殖およびコロニー形成が観察された(図30)。
また、このことから、肝細胞の初代培養に用いた培地に
は、小型肝細胞の分裂、増殖を活性化させる因子を含む
ことが示唆される。
【0027】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、肝前駆細胞を含むと考えられるクローン性増殖能
を有する肝実質細胞と、この細胞を取得するための方
法、並びにこの肝実質細胞を継代的に培養する方法が提
供される。これにより、肝細胞の発生・分化過程や、そ
の増殖および機能発現機構を詳細に研究することが可能
となり、また肝癌をはじめとする様々なヒト肝疾患のメ
カニズム解明と、その治療法の開発に新たな途が拓け
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】8週令のラットから採取した細胞の培養3日目
における状態を示す図面に代わる位相差顕微鏡写真(倍
率147)である。
【図2】図1と同一の細胞の培養5日目における状態を
示した同一視野の位相差顕微鏡写真である。
【図3】図1と同一の細胞の培養15日目における状態
を示した同一視野の位相差顕微鏡写真である。
【図4】細胞を採取したラットの週令と、培養10日目
の肝細胞コロニー数/cm2 の関係を示す。
【図5】培養日数と肝細胞コロニー面積の関係をラット
の週令毎に示す。
【図6】8週令のラットから採取した細胞の培養10日
目における肝細胞コロニーのHE染色像を示す図面に代
わる顕微鏡写真(倍率75.8)である。
【図7】図6と同一のラットから採取した細胞の培養2
0日目における肝細胞コロニーのHE染色像を示した顕
微鏡写真(倍率75.8)である。
【図8】7週令のラットから採取した細胞の培養30日
目における肝細胞コロニーのBD1染色像を示す図面に
代わる顕微鏡写真(倍率200)である。
【図9】8週令のラットから採取した細胞の培養25日
目における肝細胞コロニーのサイトケラチン7染色像を
示す図面に代わる顕微鏡写真(倍率152)である。
【図10】8週令のラットから採取した細胞の培養25
日目における肝細胞コロニーのアルブミン染色像を示す
図面に代わる顕微鏡写真(倍率606)である。
【図11】8週令のラットから採取した細胞の培養25
日目における肝細胞コロニーのα1 −アンチトリプシン
染色像を示す図面に代わる顕微鏡写真(倍率242)で
ある。
【図12】7週令のラットから採取した細胞の培養30
日目における肝細胞コロニーのトランスフェリン−Br
dU二重染色像を示す図面に代わる顕微鏡写真(倍率6
06)である。
【図13】7週令のラットから採取した細胞の培養30
日目における肝細胞コロニーのα−フェトプロテイン染
色像を示す図面に代わる顕微鏡写真(倍率152)であ
る。
【図14】7週令のラットから採取した細胞の培養30
日目における肝細胞コロニーのGST−P染色像を示す
図面に代わる顕微鏡写真(倍率152)である。
【図15】7週令のラットから採取した細胞の培養30
日目における肝細胞コロニーのγ−GTP染色像を示す
図面に代わる顕微鏡写真(倍率152)である。
【図16】10週令のラットから採取した細胞の培養2
2日目における肝細胞コロニーのOC2染色像を示す図
面に代わる顕微鏡写真(倍率152)である。
【図17】10週令のラットから採取した細胞の培養2
2日目における肝細胞コロニーのOC3染色像を示す図
面に代わる顕微鏡写真(倍率152)である。
【図18】8週令のラットから採取した細胞の培養25
日目における肝細胞コロニーのデスミン染色像を示す図
面に代わる顕微鏡写真(倍率242)である。
【図19】8週令のラットから採取した細胞を、培地に
全ての添加因子を加えた系(対照)で培養した時の培養
31日目における肝細胞コロニーの位相差像を示す図面
に代わる顕微鏡写真(倍率29.4)である。
【図20】図19と同一の細胞を、EGF(−)の系で
培養した時の同一視野の位相差顕微鏡写真である。
【図21】図19と同一の細胞を、ニコチンアミド
(−)の系で培養した時の同一視野の位相差顕微鏡写真
である。
【図22】図19と同一の細胞を、L−アスコルビン酸
リン酸塩(−)の系で培養した時の同一視野の位相差顕
微鏡写真である。
【図23】図19と同一の細胞を、DMSO(−)の系
で培養した時の同一視野の位相差顕微鏡写真である。
【図24】図19と同一の細胞を、FBS(−)の系で
培養した時の同一視野の位相差顕微鏡写真である。
【図25】8週令のラットから採取した細胞コロニーの
培養10日目における肝細胞コロニーの透過型電子顕微
鏡写真(a:4250倍、b:21300倍)である。
【図26】この発明の方法により継代培養した肝実質細
胞の培養47日目の位相差顕微鏡写真(76倍)であ
る。
【図27】この発明の方法により分散させた肝実質細胞
とコロニー周囲の非実質細胞の位相差顕微鏡写真(76
倍)である。
【図28】図27の細胞をフィルター濾過した後の細胞
の位相差顕微鏡写真(76倍)である。
【図29】図28の細胞を初代培養培地と同一の組成で
継代培養した小型肝細胞の位相差顕微鏡写真(30倍)
である。
【図30】図28の細胞を初代培養に用いた培地そのも
ので継代培養した小型肝細胞の位相差顕微鏡写真(30
倍)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−157377(JP,A) 特表 平8−502175(JP,A) Cell Structure an d Function,1989,Vol. 14,No.1,p.75− Pathobiology,1990,V ol.58,No.2,p.65−77 Biochimi.Biophys. Acta.,1991,Vol.1095,N o.2,p.169−17 Experimental Cell Research,1993,Vol. 204,No.2,p.198 Virchows Archiv B cell Pathol,Vol. 62,No.5(1992),p.329−335 Proceedings of th e Society for Expe rimental Biology a nd Medicine,Vol.204, No.3(1993),p.261−269 journal of Cellul ar Physiology,Vol. 151(1992),p.497−505 Tohoku J.Exp.Me d.,Vol.132(1980),p.277− 287 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 5/00 - 5/28 C12Q 1/04 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成熟哺乳動物の肝臓から肝細胞を分取
    し、この肝細胞を低速遠心して重量画分と軽量画分とに
    分離し、軽量画分中の小型肝細胞を牛胎児血清およびア
    スコルビン酸類を必須として含有する培地で培養して小
    型細胞に属する肝実質細胞にコロニーを形成させること
    を特徴とするクローン性増殖能を有する肝実質細胞の取
    得方法。
  2. 【請求項2】 成熟哺乳動物の肝臓から肝細胞を分取
    し、この肝細胞を低速遠心して重量画分と軽量画分とに
    分離し、軽量画分中の小型肝細胞を牛胎児血清およびア
    スコルビン酸類を必須として含有する培地で培養して小
    型細胞に属する肝実質細胞にコロニーを形成させ、この
    コロニーをペルオキシゾームの有無、肝細胞マーカーへ
    の反応性、癌化肝細胞マーカーへの反応性、および未分
    化肝細胞マーカーへの反応性の少なくとも一つを指標と
    してスクリーニングすることを特徴とするクローン性増
    殖能を有する肝実質細胞の取得方法。
  3. 【請求項3】 軽量画分中の小型肝細胞を、牛胎児血
    清、アスコルビン酸類、上皮細胞成長因子、ニコチンア
    ミド類およびDMSOを含有するDMEM培地で培養す
    る請求項2または3のクローン性増殖能を有する肝実質
    細胞の取得方法。
  4. 【請求項4】 哺乳動物がラットである請求項2から4
    のいずれかのクローン性増殖能を有する肝実質細胞の取
    得方法。
  5. 【請求項5】 成熟哺乳動物の肝臓から肝細胞を分取
    し、この肝細胞を低速遠心して重量画分と軽量画分とに
    分離し、軽量画分中の小型肝細胞を牛胎児血清およびア
    スコルビン酸類を必須として含有する培地で初代培養し
    て小型細胞に属する肝実質細胞にコロニーを形成させ、
    EDTA溶液によってコロニーの細胞を培地から剥が
    し、この剥がした細胞を上記初代培養培地と同様の組成
    からなる培地で再培養することを特徴とするクローン性
    増殖能を有する肝実質細胞の継代培養方法。
  6. 【請求項6】 成熟哺乳動物の肝臓から肝細胞を分取
    し、この肝細胞を低速遠心して重量画分と軽量画分とに
    分離し、軽量画分中の小型肝細胞を牛胎児血清およびア
    スコルビン酸類を必須として含有する培地で初代培養し
    て小型細胞に属する肝実質細胞にコロニーを形成させ、
    EDTA溶液およびトリプシン溶液によってコロニーの
    細胞を培地から剥がし、この剥がした細胞を個々の細胞
    に分散させたのち、上記初代培養の初期に用いた培地そ
    れ自体で再培養することを特徴とするクローン性増殖能
    を有する肝実質細胞の継代培養方法。
  7. 【請求項7】 軽量画分中の小型肝細胞を、牛胎児血
    清、アスコルビン酸類、上皮細胞成長因子、ニコチンア
    ミド類およびDMSOを含有するDMEM培地で初代培
    養する請求項6または7のクローン性増殖能を有する肝
    実質細胞の継代培養方法。
  8. 【請求項8】 哺乳動物がラットである請求項6から8
    のいずれかのクローン性増殖能を有する肝実質細胞の継
    代培養方法。
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