JP6865457B2 - ブタ肝障害モデル - Google Patents

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本発明は、大動物の肝障害モデルの作製方法に関する。より詳細には、本発明は一定の肝障害がありながらも、肝臓再生が抑制されている、ブタの肝障害モデルの作製方法に関する。
肝臓は高い再生能力を有する器官である。肝臓の再生の様式としては、代償性再生(代償性肥大)と前駆細胞依存性再生の二種類が知られている。部分肝切除による肝障害等、残存する肝細胞が成熟し分化したままである場合、肝細胞は肥大したり分裂したりすることによって、組織全体としての大きさを回復し再生する。
一方、薬物や毒物などにより、重篤な障害や慢性的な障害をうけた場合には、正常な肝細胞には存在しない未分化性を持つ特殊な肝前駆細胞が出現し、肝臓の再生を行う。この肝前駆細胞は、障害を受けた時に門脈域において出現することが知られている。
近年、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を中心とした再生医療研究は着実に進歩しており、肝臓分野においても、iPS細胞からの肝細胞(肝実質細胞)や肝原基など肝臓組織の一部の再生が実現されつつある。今後のこれらの技術の臨床応用のためには、肝細胞の移植等により、生態内での動態・機能を評価することが必要となる。このような前臨床試験においては、ヒトとの生物学的類似性に基づいて適切な動物モデルを選択することが重要である。
現在モデル動物として広く使用されているマウスやラットの肝臓は、形態学的にヒトと大きく異なることが知られている。また、ヒトとマウスでは体重も大きく異なる。従って、形態や大きさがヒトと類似した肝臓を有する大動物の肝障害モデルのニーズが存在する。
ブタは、組織学的にも病理学的にもヒトと類似性の高い肝臓を有する動物の一種である。また、ミニブタの成獣の体重は、約50kgとヒトとほぼ変わらないサイズであり、再生医療研究においてヒトのシミュレーションとして好適であると考えられる。
これまで、大動物(ブタ)の肝障害モデルとして、肝虚血、肝切除、薬剤性など様々なモデルが提唱されてきたが、いずれも急性に重度の肝障害を呈するため、組織移植の効果を中・長期的に評価することは困難であった。また、これらのモデルでは急激な肝障害のため再生シグナルが亢進した肝臓の優位性により、移植された細胞の淘汰も危惧される。このため、肝再生技術の実現性・有用性を適切に評価することが可能な、肝障害モデルを作製する必要がある。従って、死亡には至らない程度に、安定的に重度な肝障害を生じ、かつ肝再生が抑制された大動物肝障害モデルを確立する必要がある。
マウスやラットなどの小動物については、薬剤処理と肝切除を組み合わせることにより肝障害モデルを作製する方法が知られており、細胞移植等の研究に広く使用されてきた。
この肝障害モデルの作製に広く使用される薬剤の1つがレトロルシンである。ピロリジジンアルカロイドであるレトロルシンは、肝細胞において代謝されて毒性を有するDNAアルキル化中間体となることが知られており、レトロルシンを投与すると肝細胞の細胞分裂が数か月にわたり阻害されることが知られている。
非特許文献1には、レトロルシンを用いてラットの肝障害モデルを作製し、障害した肝臓に、肝細胞を移植したことが記載されている。非特許文献1では、ラットに、30mg/kgのレトロルシンを腹腔内に注射し、その2週間後にさらに30mg/kgのレトロルシンを腹腔内に注射する。2回目のレトロルシン投与から4週間後に、三分の二の肝切除を行い、2×10個の肝細胞を門脈から注入して、一定期間経過後に、移植した細胞の貢献度を検討している。
Laconi E et al., "Long-term, near-total liver replacement by transplantation of isolated hepatocytes in rats treated with retrorsine." American Journal of Pathology. 1998年 Jul;153(1):319-29.
本発明の目的は、一定の肝障害がありながらも、肝臓再生が抑制されている、ブタの肝障害モデルの作製方法等を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ラット肝障害モデルの作製プロトコールに準じて、ブタ肝障害モデルの作製を試みた。しかしながら、ブタにレトロルシンを腹腔内投与し、肝臓の一部を切除しても、ラットモデルの様な肝障害を誘導することはできなかった。そこで、ブタにおいて肝障害を誘導することができない原因について検討したところ、ブタにおいては、レトロルシンを単に腹腔内投与するのみでは、十分な肝障害及び肝再生抑制を誘導することができないことを見出した。そしてこの新たな課題を解決すべく鋭意検討した結果、レトロルシンの投与方法を工夫し、針の先端が肝臓表面に位置するように腹腔内に留置されたカテーテルを介して、高濃度のレトロルシンが直接肝臓へ作用し得るようにレトロルシンを投与することにより、安定的に肝障害及び肝再生抑制を誘導し得ることを見出した。この知見に基づき、更なる検討を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
(1)以下の工程を含む肝障害モデルブタの作製方法:
工程1)針の先端が肝臓表面に位置するように腹腔内に留置されたカテーテルを介して、ブタにレトロルシンを投与すること、及び
工程2)レトロルシンが投与されたブタの肝臓の一部を切除すること。
(2)針の先端が肝右葉と右横隔膜の間に位置するようにカテーテルが留置される、(1)に記載の方法。
(3)肝臓の約60〜約70重量%が切除される、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)左葉、中葉左区域、および尾状葉が切除される、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)レトロルシンの投与量が約50mg/kgである、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)ブタが、ミニブタ又は超小型ミニブタである、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)ブタが、メスである、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)ブタが、16週齢以上5齢以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)工程1)においてレトロルシンを2週間の投与間隔で2回投与し、工程2)をレトロルシンの最後の投与から4週間後に行うことを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の方法により作製された肝障害モデルブタ。
本発明によれば、レトロルシンの投与及び肝臓の部分切除によって、一定の肝障害がありながらも、肝臓再生が抑制されている、肝障害モデルブタを作製することができる。本発明の作製方法によって得られる肝障害モデルブタは、特に薬剤性肝障害のモデルとして有用である。ブタは、胆管を有し四つの葉からなる構造を有するなど、組織学的にも病理学的にもヒトと類似性の高い肝臓を有する大動物であるため、本発明により、ヒトへの臨床応用の際の、前臨床モデルとして貢献し得る大動物の肝障害モデルの作製が可能となる。このブタ肝障害モデルを用いれば、肝再生技術の実現性・有用性を、大動物の生体内で適切に評価することが可能となる。さらにブタの肝臓は、ヒトの肝臓と類似した構造を有するため、ヒト肝障害、特にヒト薬剤性肝障害の模擬ベッドとしても有用である。
図1は、肝障害モデルブタの作製のための実験スケジュールを示す。 図2は、ブタの肝臓の切除部位を示す。 図3は、レトロルシンを0、30、又は50mg/kg投与した時の残肝重量を示す。 図4は、肝障害を誘導した後の肝臓のHE染色像を示す。 図5は、肝障害を誘導した後の肝臓のcyclin D1染色像を示す。 図6は、肝切除前後の血清中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ濃度(ALT)、総ビリルビン量(TB)、血清アルブミン量(ALB)を示す。 図7は、肝障害を誘導した後の肝臓のki67(緑)及びEpCAM(赤)染色像を示す。
本発明は、以下の工程を含む肝障害モデルブタの作製方法(本発明の作製方法)を提供する:
工程1)針の先端が肝臓表面に位置するように腹腔内に留置されたカテーテルを介して、ブタにレトロルシンを投与すること、及び
工程2)レトロルシンが投与されたブタの肝臓の一部を切除すること。
工程1においては、針の先端が肝臓表面に位置するように腹腔内に留置されたカテーテルを介して、ブタにレトロルシンを投与する。ラットなどの小動物における肝障害モデルでは、カテーテル留置の必要はなく、腹腔内の投与のみで十分な効果を示すが、ブタにおいては、カテーテルの先端が肝臓表面に位置するようにカテーテルを留置することにより、安定的に肝障害を誘導し得る。レトロルシンの投与が容易となるように、カテーテルは、通常、薬物等の注入口がブタの生体外に位置するように、腹腔内に留置される。
本発明の作製方法において用いられるブタとしては、特に制限されるものではないが、実験動物として取り扱いやすいという観点から、ミニブタ又は超小型ミニブタが好ましい。本発明において用いられるミニブタの例としては、クラウン系ミニブタ、ゲッチンゲン系ミニブタ(ゲッチンゲンミニブタ)、ポットベリー、オーミニ系ミニブタ、アイヅ系ミニブタ、ピットマンムーア系ミニブタ、メキシカンヘアレスピッグ等が挙げられるが、これらに限定されない。超小型ミニブタとしては、マイクロミニブタが挙げられる。
本発明の作製方法において用いられるブタは、ミニブタが好ましく、ゲッチンゲンミニブタがより好ましい。
クラウン系ミニブタはNPO法人医用ミニブタ研究所、ゲッチンゲンミニブタはオリエンタル酵母工業、マイクロミニブタは、富士マイクラ株式会社より入手することもできる。
本発明の作製方法において用いられるブタの年齢は、特に制限されず、肝障害モデルブタの使用目的に応じて適宜選択することができる。離乳など経口摂取の安定性の観点から、ブタの年齢は好ましくは16週齢以上である。臓器の老化の観点から、好ましくは5齢以下である。
本発明において使用するブタの体重は、特に制限されず、肝障害モデルブタの使用目的に応じて適宜選択することができるが、通常15kg〜30kg、好ましくは約20kgである。薬剤スクリーニングなどに用いる場合、使用する薬剤量を低減できるという観点から、100kg以下であることが好ましい。
本発明において使用するブタの性別は、特に制限されず、オスであってもよく、メスであってもよいが、手術創と生殖器との位置関係からは、メスがより望ましい。
カテーテルの留置にあたっては、ブタに全身麻酔をかけることが好ましい。
全身麻酔に用いる麻酔薬の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸メデトミジン、ベクロニウム臭化物、ハロセン、ケタミン、キシラジン、ペントバルビタール、チオペンタール、ウレタン、抱水クロラール、トリブロモエタノール、フェノチアジン類、クロールプロマジン、アセプロマジン、プロマジン、ベンゾジアゼピン類、ジアゼパム、ミダゾラム、α−2アドレナリン作動性トランキライザ類、メデトミジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
全身麻酔は、自体公知の方法によって行うことができる。全身麻酔の方法としては、例えば、ケタミン及びキシラジンにより一次麻酔を行った後に、1.5%ハロセンにより麻酔を行う方法、並びに塩酸メデトミジン及びミダゾラムにより一次麻酔を行った後に、ミダゾラム、続いてベクロニウム臭化物を静注した後にキシロカインにより喉部に局所麻酔を行い、1.5%イソフルランにより麻酔を行う方法等が挙げられるが、これに限定されない。
全身麻酔時は、ラリンジアルマスク又は気管挿管によりブタの気道を確保して、酸素を供給することが好ましい。筋弛緩剤が不要であり自発呼吸を可能とするこという観点から、全身麻酔時にはラリンジアルマスクを用いてもよい。
工程1で留置するカテーテルの種類は、所望の効果を有する限り特に制限されないが、カテーテルの種類の例としては抗血栓性中心静脈カテーテル、皮下埋め込み式中心静脈ポート、動脈注射リザーバーなどが挙げられる。好ましい実施態様として、カテーテルは、シングルルーメンの抗血栓性カテーテルである。抗血栓性カテーテルとは、血栓形成を防ぐことを目的としたカテーテルを意味し、ヘパリンを被覆させたカテーテル、ウロキナーゼ及びヘパリンを被覆させたカテーテルなどが挙げられる。
カテーテルは、生体外からブタの腹腔内にレトロルシン溶液等の所望の溶液を送達するのに十分な長さであることが好ましい。具体的には、カテーテルの長さは、通常約20センチから約80センチであり、好ましくは、約60センチから約80センチである。
カテーテルの管の直径は、溶液の送達に支障がなく周辺組織を損傷しない限り特に制限されないが、直径16〜18ゲージのカテーテルを用いることが好ましい。
腸管癒着を避けるよう、カテーテルの針の先端は、右肝臓表面に位置することが好ましく、肝右葉と右横隔膜の間に位置することがより好ましい。
レトロルシン(CAS No.480−54−6)は、12,18−ジヒドロキシセネシオナン−11,16−ジオンで表される化合物である。
レトロルシンは市販のものを使用することができる。レトロルシンは、SIGMA(型番R0382)、Santa Cruz Biotechnology(sc−215805)等から購入することができる。
レトロルシンは、適当な溶媒に溶解して投与することが好ましい。例えば、レトロルシンは、無菌の水性もしくは油性溶媒に溶解、懸濁または乳化することによって調製することができる。かかる溶媒としては、例えば、無菌の注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕などを併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよい。レトロルシン溶液の無菌化は、フィルターによる濾過滅菌、殺菌剤の配合などにより行えばよい。
カテーテル注入用レトロルシン溶液の濃度としては、肝障害の誘導や肝再生の抑制など所望の効果を達成する限り特に限定されるものではないが、腹膜への刺激を考慮し、通常1mg/mL以下、好ましくは0.5mg/mL以下となるよう適宜調製できる。
肝障害及び肝再生抑制を誘導する用量のレトロルシンが、ブタに投与される。レトロルシン投与量は、通常、約10mg/kg〜約100mg/kgであり、好ましくは約30mg/kg〜約100mg/kgであり、より好ましくは約50mg/kg〜約100mg/kgであり、更に好ましくは約50mg/kgである。用量が低すぎると、肝再生の抑制が十分とならず、早期に肝臓が正常な大きさにまで再生されてしまい、肝再生が抑制された肝障害の状態を維持できる期間が短くなってしまう。ラットにおいては、30mg/kgの用量で良好な肝障害モデルを作製することができるが、ブタにおいては、30mg/kgの用量では肝臓が早期に正常な大きさにまで再生されてしまい、肝障害を維持できる期間が短いため、肝障害モデルの作製には、約50mg/kg〜約100mg/kgの用量が好ましい。用量が高すぎると、レトロルシンの毒性によりブタが死んでしまうリスクが高くなる。
レトロルシンの投与回数は、肝障害の誘導や肝再生の抑制など所望の効果を達成する限り特に限定されず、単回であっても、複数回(例えば、2、3、又は4回)であってもよいが、肝再生抑制が抑制された肝障害を安定的に誘導する観点から、好ましくは、複数回であり、より好ましくは2回である。
レトロルシンを複数回投与する場合の投与間隔は、肝障害の誘導や肝再生の抑制など所望の効果を達成する限り特に限定されないが、通常約1週間〜約3週間、好ましくは約2週間である。
工程2)においては、レトロルシンが投与されたブタの肝臓の一部を切除する。
肝切除のタイミングは、肝障害の誘導など所望の効果を達成する限り特に限定されないが、通常、レトロルシンの最後の投与から約2週間〜約6週間後、好ましくは約3週間〜約5週間後、より好ましくは約4週間後である。
肝切除に先立ち、胆嚢を切除することが好ましい。
肝臓の切除量は、肝障害の誘導など所望の効果を達成する限り特に限定されないが、好ましくは、約60〜約70重量%、より好ましくは約2/3重量である。肝臓の切除量が55%以下である場合、再生が早く起こりすぎてモデルとして成立せず、肝臓の切除量が80%以上である場合は胆汁うっ帯や肝機能障害が強く現れる。
ヒトと同様に、ブタの肝臓は葉により機能的な違いはあるとは考えられてない。従って、肝臓の切除の部位は、肝障害の誘導など所望の効果を達成する限り、特に制限されない。
ブタの肝臓はヒトと近似しているが一部異なり、外見から右葉、中葉、左葉、尾状葉に分類することができる。また、さらに中葉は血管走行から左区域と右区域に大別される。
特定量の肝切除は、特定の区域を切除することにより、簡便に達成することができる。例えば、左葉、中葉左区域、および尾状葉を切除することにより、肝障害モデル作製に十分な量の肝臓を切除することができる。
肝臓の切除は自体公知の方法により行うことができる。肝臓の各区域の切除は、例えば、Court FG et al.,J Surg Res.2004 Jan;116(1):181−6.Subtotal hepatectomy:a porcine model for the study of liver regeneration.に記載の方法を参考にして行うことができるが、これに限定されない。
肝臓の切除後、肝障害を生じたまま、レトロルシンにより抑制された肝再生が緩やかに生じる。この過程を、特に肝再生治療に有用な肝障害モデルとして使用することができる。すなわち、抑制された肝再生に対して、治療目的に移植された肝細胞・組織の再生する様子を経時的に観察することが可能である。このような、レトロルシンにより抑制された肝再生を伴う肝障害が持続する期間は、肝切除後、通常約10〜約30日、好ましくは約10〜14日、より好ましくは約10日である。
本発明の作製方法により提供される、肝障害モデルブタは、一定の肝障害がありながらも、肝臓再生が抑制されていることを特徴とする。本発明の作製方法により得られる肝障害モデルブタは、特に薬剤性肝障害のモデルとして有用である。
本発明の作製方法により得られる、肝障害モデルブタにおける肝障害は、以下から選択される少なくとも1つ(好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、特に好ましくは5以上、最も好ましくは6)の組織学的表現型を呈する:
(1)中心静脈域の肥大した肝細胞の出現と肝細胞の脱核。
(2)門脈域におけるCyclin D1発現の亢進した細胞の増加。
(3)形態学的に小型の肝細胞の増成。
(4)門脈域における炎症性細胞浸潤。
(5)門脈域におけるEpCAM陽性細胞の減少。
(6)門脈域におけるki67陽性細胞の減少。
これらの組織学的表現型のうち、(1)および(4)は、薬剤性肝障害に特徴的である。
これらの表現型のうち、Cyclin D1発現の亢進、EpCAM陽性細胞の減少およびki67陽性細胞の減少は、抑制された肝臓再生を反映するものである。レトロルシンは、肝細胞により代謝されて毒性を有するDNAアルキル化中間体となることが知られている。レトロルシンにより細胞分裂が抑制された肝細胞は、Cyclin D1陽性を呈すことが報告されている(Kato et al.,J Gastroenterol Hepatol.2005 Aug;20(8):1198−205)。また、EpCAM(Epithelial cell adhesion molecule)は、正常な肝臓の胆管にも発現するが、肝切除後の再生中の肝臓において、発現が上昇することが知られている。本発明の作製方法により得られる肝障害モデルブタにおいては、肝切除のみを行った場合と比較して、EpCAM陽性細胞の数が減少し得る。MKI67とも呼ばれるki67は、増殖中の細胞においては、G1期、S期、G2期、M期において発現し、G0期においては存在しないことが知られている。肝切除後の再生中の肝臓において、ki67陽性細胞の数は増加することが知られている。本発明の作製方法により得られる肝障害モデルブタは、肝切除のみを行った場合と比較して、ki67陽性細胞の数が減少し得る。これらの遺伝子の発現又はタンパク質の検出は、RT−PCR法、免疫組織化学染色などの自体公知の方法により確認することができる。
一態様において、門脈域における炎症性細胞浸潤の程度は中程度である。中等度の炎症性細胞浸潤とは、炎症性細胞がほとんど(>50%)あるいは全ての門脈域に拡大する炎症細胞浸潤を指し、Hepatology.1997 Mar;25(3):658−63.Banff schema for grading liver allograft rejection:an international consensus document.に記載の評価方法に準ずる。
肝臓再生の抑制のため、本発明の作製方法により得られる肝障害モデルブタの肝臓重量は、肝切除後10日目の時点でモデル作製開始前の肝臓重量の約90%以下、好ましくは約80%以下(例えば、約60〜80%)に低減されている。また、一態様において、本発明の作製方法により得られる肝障害モデルブタの肝臓重量は、治療介入をしなければ飼育を継続することで14日〜30日でほぼ100%の重量に戻る。モデル作製開始前の肝臓重量は、例えば、左葉、中葉左区域および尾状葉の切除により2/3肝切除を行った後、切除肝重量を計測し、計測した切除肝の重量が肝臓重量の60%であるとして計算することができる。
また、本発明の作製方法により得られる、肝障害モデルブタは、血清中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Aspartate transaminase(AST)又はGlutamic Oxaloacetic Transaminase(GOT)ともいう)濃度、総ビリルビン量(TB)、血清アルブミン(ALB)量等の肝障害マーカーの変動に現れる肝障害に付随する、1以上の表現型を呈し得る。
ASTは、肝細胞、赤血球、心筋、骨格筋などに発現し、これらの細胞が破壊された場合には血液中に流出する。従って、肝障害に伴い、血清中のAST濃度は、健常ブタと比較して高くなる。
ビリルビンは、胆汁又は尿から排出される黄色のヘムの通常の分解代謝物である。肝障害に伴い、総ビリルビン量(直接ビリルビンと間接ビリルビンの合計)が、健常ブタと比較して高くなる。
血清アルブミンは肝臓で生合成されるため、肝障害に伴い、肝臓の機能に異常が起きると血中のアルブミン量が、健常ブタと比較して低下する。
好ましい態様において、本発明の作製方法は、以下の工程を含む:
工程1)針の先端が肝右葉と右横隔膜の間に位置するように腹腔内に留置されたカテーテルを介して、ブタにレトロルシン約50mg/kgを、約2週間の投与間隔で、2回投与すること、及び
工程2)レトロルシンの最後の投与から約4週間後に、レトロルシンが投与されたブタの肝臓の約60〜約70重量%を切除すること。
本発明はさらに、本発明の作製方法を用いて作製した肝障害モデルブタを用いた、肝臓再生促進物質の評価方法(本発明の評価方法1)を提供する。本発明の評価方法は、以下の工程を含む;
1)本発明の作製方法により作製した肝障害モデルブタに、被検物質を投与すること、
2)一定期間飼育後に、肝重量を測定すること、及び
3)工程2)で測定した肝重量を、被検物質を投与しないこと以外は工程1)及び2)と同様に処理した肝障害モデルブタの肝重量と比較すること。
工程3)において、比較の結果、該被検物質を投与した肝障害モデルブタの肝重量が大きい場合に、該被検物質を、肝臓再生促進効果を有する物質の候補として選択することができる。また、肝重量が大きければ大きいほど、肝臓再生促進効果が高いと評価することができる。
本発明はさらに、本発明の作製方法を用いて作製した肝障害モデルブタを用いた、肝臓再生抑制物質の評価方法(本発明の評価方法2)を提供する。本発明の試験方法は、以下の工程を含む;
1)本発明の作製方法により作製した肝障害モデルブタに、被検物質を投与すること、
2)一定期間飼育後に、肝重量を測定すること、及び
3)工程2)で測定した肝重量を、被検物質を投与しないこと以外は工程1)及び2)と同様に処理した肝障害モデルブタの肝重量と比較すること。
工程3)において、比較の結果、該被検物質を投与した肝障害モデルブタの肝重量が小さい場合に、該被検物質を、肝臓再生抑制効果を有する物質の候補として選択することができる。肝重量が小さければ小さいほど、肝臓再生抑制効果が高いと評価することができる。
本発明の評価方法1及び2において、被検物質としては、例えば、細胞、動物組織の一部分、タンパク質、ペプチド、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液及びこれらの組み合わせなどが挙げられ、これらの物質は新規なものであってもよいし、公知のものであってもよい。
本発明の評価方法1及び2において、被検物質が、レシピエントの主要組織適合性抗原と異なる細胞や組織片であるなど抗原性を有する物質の場合、本発明の肝障害モデルブタは免疫抑制されたブタであってもよい。ブタの免疫抑制を行う方法の例としては、免疫抑制剤を投与する方法などが挙げられる。ブタに用いることができる免疫抑制剤としては、FK506が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の評価方法1及び2において、約2/3肝切除を行った場合、工程2)の飼育は、肝切除後から約10日まで行うことが最も好ましい。
本発明のスクリーニング方法1及び2において、被検物質の投与は、本発明の肝障害モデルブタの作製方法の工程2)の肝切除と同時に行っても良く、切除後に行ってもよい。
本明細書中、「約」とは、±10%を許容する意味で用いる。
ここで述べられた特許および特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、ここに引用されたことによって、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
以下に本発明に用いる肝障害モデルブタの作製方法を実施例として具体的に述べることで、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1:肝障害モデルブタの作製
ゲッチンゲンミニブタを用い、レトロルシンを異なる用量で投与した後に肝切除を加えることで肝障害モデルを作成した。図1に実験のスケジュールを示す。
(1)カテーテルの留置
カテーテルの留置に先立ち、採血を行った。各ブタの血液サンプルを用いて、血清中のALT値、TB値、ALB値を測定した。
ゲッチンミニブタは、(オリエンタル酵母工業)から7〜8ヶ月齢の雌を入手した。
ブタを鎮静化させるため、塩酸メデトミジン(ドミトール)(0.02mg/kg)及びミダゾラム(ドルミカム)(0.5mg/kg)の傍脊柱筋群への筋肉内注射を行った後、ルートを確保し、ミダゾラム(ドルミカム)(0.5mg/kg)を静注した。ブタを手術台に移動させた後、キシロカインスプレーを気管内に投与して気管挿管を行い、ベクロニウム臭化物(マスキュラックス)(4mg)を静注した。手術中、酸素飽和度及び心拍数をモニターした。1.5%イソフルランを用いて、麻酔の深さに応じて酸素で用量を調節しながら、全身麻酔を維持させた。手術中、全てのブタは人工呼吸管理を行っていた。
麻酔を十分に効かせた後、カテーテル(ニプロ株式会社 抗血栓性CVカテーテルキット 16G 70cm シングルルーメン)を留置した。カテーテルは、腸間癒着を避けるため肝右葉と右横隔膜との間で、かつ針の先端が横隔膜に当たらない位置になるように留置した。
(2)カテーテルによるレトロルシン投与
レトロルシン(Santa Cruz Biotechnology inc)を、HCIによりpH2にした超純水に溶解させ、NaOHによりpHを7.4にし、0.5mg/mlレトロルシン溶液を作製した。(1)で全身麻酔をかけカテーテルを留置したブタを、3群に分け、各群にそれぞれ0mg/kg(コントロール群)、30mg/kg、50mg/kgのレトロルシンをカテーテルを介して腹腔内投与した。コントロール群には、レトロルシンではなく生理食塩水を投与した。
レトロルシン投与1日後に採血を行い、(1)と同様に、各ブタの血液サンプルを用いて、血清中ALT値、TB値、ALB値を測定した。
レトロルシン投与2週間後に同様の方法で、該ブタにレトロルシンを再度投与した。
最初のレトロルシン投与から7日後、14日後、21日後、28日後に、採血を行い、(1)と同様に、各ブタの血液サンプルを用いて、ALT値、TB値、ALB値を測定した。
(3)肝切除
最初のレトロルシン投与から6週間後に、該ブタの2/3肝切除を行った。
実施例1(1)と同様にブタに全身麻酔をかけた。
Court FG et al., J Surg Res. 2004 Jan;116(1):181-6. Subtotal hepatectomy: a porcine model for the study of liver regeneration.に記載の術式に従い、図2に記載のとおり、肝臓の、左葉、中葉左区域および尾状葉を切除することにより約2/3重量の肝臓を切除した。肝切除量を60重量%とし予測肝重量を計算した。
切除した肝組織についてヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)、Cyclin D1(LS Bio)、EpCAM(ベクトン・ディッキンソン)、ki67(abcam)による免疫染色を行い、薬剤による影響を評価した。肝切除1日後、4日後、7日後、10日後、13日後に採血を行い、(1)と同様に、各ブタの血液サンプルを用いて、ALT値、TB値、ALB値を測定した。
(4)残肝摘出
肝切除から10日後にブタを屠殺し、肝臓を摘出した。残肝重量の計測及び、採取した肝組織についてHE染色、免疫染色による評価を行った。
(結果)
各群における、肝切除後の残肝重量を図3に示す。50mg/kgレトロルシン投与後に肝切除を行った群ではコントロール群に比べ、肝再生が抑制される傾向が示された。一方、30mg/kgのレトロルシンを投与した群では、コントロール群と比較して、残肝重量に差が見出せなかった。
採取した肝組織のHE染色の結果の一部を図4に、Cyclin D1に対する免疫染色の結果を図5に示す。図4に示すように、肝障害が誘導され、これらを組織学的に評価した結果、特にレトロルシン投与群において、代償性再生を示す中心静脈域の肝細胞の肥大が認められた(J Hepatol.2005 Sep;43(3):485−90)。レトロルシンは細胞増殖を阻害する効果を有することが知られており、ラットではレトロルシンにより細胞増殖が阻害されるとCyclin D1陽性細胞の占める割合が上昇することが報告されている。門脈域にはCell Cycleの亢進を示すCyclin D1が高発現した細胞を多く認め、形態学的に小型の肝細胞の著明な増生が示された。一般に、門脈域に現れる小型肝細胞は、肝前駆細胞として機能すると考えられている。さらに図7に示すように、レトロルシン投与群では、門脈域においてEpCAM陽性細胞及びki67陽性細胞が減少しているのが観察された。
以上の結果から、レトロルシンの投与により細胞周期が停止しCyclin D1発現細胞が増加していること、EpCAM陽性細胞及びki67陽性細胞が減少していること、肝細胞の代償性肥大が観察されること、並びに肝前駆細胞と形態上似た細胞が出現することが明らかとなった。これらは、肝障害モデルとして、本発明の作製方法が機能することを意味する。
ALT、TBの上昇及びALBの低下がみられるなど採血検査上は肝機能障害が持続した(図6)が、全経過中に致死的な肝障害には至る個体はなかった。
尚、適切な肝切除量を決定するため、肝切除量を80重量%(左葉、中葉及び尾状葉の切除)、55重量%(左葉、中葉左区域の一部及び尾状葉の切除)とする条件で、肝障害モデルの作製を試みた。80%の肝切除を行った個体は、胆汁うっ滞や、肝機能障害が強く現れ、肝障害モデルとして不適であった。
また、55%肝切除以下では、肝臓再生が進んでおり、レトロルシン投与群とコントロール群とで残肝重量に差が見出せなかった。
次に、適切な残肝摘出のタイミングを決めるため、約2/3肝切除から10日後、14日後、1か月後に、残肝摘出を行った。14日後又は1か月後に残肝摘出を行った個体では、レトロルシン投与群とコントロール群とで残肝重量に差が見出せなかった。一方、10日後に残肝摘出を行った個体では、レトロルシン投与群は、コントロール群より再生が抑制されている傾向にあった。
本発明の作製方法は、薬剤処理と肝切除を組み合わせることにより、組織学的にも病理学的にもヒトと類似性の高い肝臓を有する大動物の肝障害モデルの作製を可能とする。この肝障害ブタモデルを用いれば、肝再生技術の実現性・有用性を、大動物の生体内で適切に評価することが可能となる。従って、本発明の作製方法により得られる肝障害ブタモデルは、有効な前臨床モデルとなり得、再生医療実現化のために貢献しうる。

Claims (9)

  1. 以下の工程を含む肝障害モデルブタの作製方法:
    工程1)針の先端が肝臓表面に位置するように腹腔内に留置されたカテーテルを介して、ブタに約10mg/kg〜約100mg/kgのレトロルシンを投与すること、及び
    工程2)レトロルシンが投与されたブタの肝臓の約60〜約70重量%を切除すること。
  2. 針の先端が肝右葉と右横隔膜の間に位置するようにカテーテルが留置される、請求項1に記載の方法。
  3. 左葉、中葉左区域および尾状葉が切除される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ブタが、ミニブタ又は超小型ミニブタである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ブタがゲッチンゲンミニブタのとき、レトロルシンの投与量は約50mg/kgである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ブタが、メスである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ブタが、16週齢以上5齢以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程1)においてレトロルシンを2週間の投与間隔で2回投与し、工程2)をレトロルシンの最後の投与から4週間後に行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により作製された、レトロルシンにより抑制された肝再生を伴う肝障害が持続する期間内の肝障害モデルブタ
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