本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、収納設備の可動間仕切り体収納部から可動間仕切り体を引き出すだけで、収納設備を設置した部屋内を2つの部屋空間に簡単に間仕切りすることができると共に収納設備を設置する部屋の間仕切りしたい箇所の巾寸法に応じて可動間仕切り体の引き出し量を調整することで確実に間仕切りすることができ、また、間仕切りを収納設備に設けた可動間仕切り体収納部内に収納することで、収納設備を設置した部屋を仕切りの無い広い一連の部屋空間として使用することができる可動間仕切り体付き収納設備を提供することを主たる課題とし、更に、広い洗面用空間として利用したり、あるいは、脱衣したり、入浴している時に、脱衣用空間と洗面用空間とに簡単に仕切ることで脱衣を気にすることなく、洗面ができる可動間仕切り体付き収納設備を設置した脱衣・洗面室の構造を提供することを別の課題とし、更にまた、脱衣したり、入浴している時に、脱衣用空間と洗濯用空間とに簡単に仕切ることで脱衣を気にすることなく、洗濯ができる可動間仕切り体付き収納設備を設置した脱衣・洗濯室の構造を提供することを別の課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る可動間仕切り体付き収納設備は、収納部1を有する収納設備2に該収納設備2が設置される部屋3の間仕切りを可能とするための可動間仕切り体4を収納した可動間仕切り体収納部5を設け、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5から引き出し自在とすると共に該可動間仕切り体4の引出し量を調整自在とし、可動間仕切り体収納部5に前後方向に固定した固定レール23と、固定レール23に対してスライド自在で且つ間仕切り体4の上端部の前後方向に固定された可動レール24とでスライドレール22を構成し、可動間仕切り体4の下端部に床上を転動するころ34を設け、上記スライドレール22ところ34とで、上記可動間仕切り体収納部5から引き出した可動間仕切り体4の引出し姿勢を保持するための姿勢保持手段6を構成し、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5に収納した状態で上記スライドレール22ところ34を可動間仕切り体収納部5内に収納して成ることを特徴とするものである。
本発明の収納設備2を部屋3の一壁面に沿って設置することで、部屋3内を2つの部屋空間に仕切りたい場合には、収納設備2に設けた可動間仕切り体収納部5から可動間仕切り体4を引き出して可動間仕切り体4の前端部を対向する壁面に当接させることにより、該部屋3内を2つの部屋空間に簡単に間仕切ることができるものであり、この場合、収納設備2を設置した部屋3内の巾寸法が収納設備2を設置する部屋3毎に異なるが、可動間仕切り体4の引き出し量を調整することで、可動間仕切り体4の前端部を対向する壁面に当接させて確実に間仕切りすることができる。また、収納設備2を設置した部屋3を一つの広い部屋空間として使用する場合には、可動間仕切り体4を収納設備2に設けた可動間仕切り体収納部5内に収納することで、可動間仕切り体4が外部に露出せず、間仕切り要素が外部に露出しない連続した一つの広い一連の部屋空間を現出することができる。しかも、収納設備2に収納設備2が設置される部屋3の間仕切りを可能とするための可動間仕切り体4を収納した可動間仕切り体収納部5を設けてあるので、従来のように固定間仕切り壁や、扉付き間仕切り壁を形成する必要がなく、現場施工も簡略化でき、更に、収納設備2を部屋3の壁面に沿った任意の位置に設置するのみで、部屋3内を任意の位置で自由に2つの部屋空間に仕切ることが可能となるものである。また、可動間仕切り体収納部5に前後方向に固定した固定レール23と、固定レール23に対してスライド自在で且つ間仕切り体4の上端部の前後方向に固定された可動レール24とでスライドレール22を構成し、可動間仕切り体4の下端部に床上を転動するころ34を設け、上記スライドレール22ところ34とで、上記可動間仕切り体収納部5から引き出した可動間仕切り体4の引出し姿勢を保持するための姿勢保持手段6を構成し、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5に収納した状態で上記スライドレール22ところ34を可動間仕切り体収納部5内に収納するので、可動間仕切り体4を引き出して部屋3内を2つの部屋空間に間仕切りした状態における引出し姿勢(間仕切り姿勢)をスライドレール22ところ34よりなる姿勢保持手段6で保持して安定して間仕切りすることができ、更に、この可動間仕切り体4を収納した状態でスライドレール22ところ34よりなる姿勢保持手段6も可動間仕切り体収納部5内に収納されるので、収納設備2を設置した部屋3を一つの広い部屋空間として使用する場合に、スライドレール22ところ34よりなる姿勢保持手段6が外部に露出せず、外観が良くなって、よりいっそう間仕切り要素が外部に露出しない連続した一つの広い一連の部屋空間を現出することができる。
また、可動間仕切り体4が複数の間仕切りパネル7よりなり、可動間仕切り体収納部5から引き出した際に複数の間仕切りパネル7が一列に展延状態となり且つ可動間仕切り体収納部5に収納した際に複数の間仕切りパネル7同士が重複するように構成してあることが好ましい。
このような構成とすることで、部屋3の一壁面に沿って設置される収納設備2の前後巾に比べて収納設備2の前面から収納設備2と対向する壁面までの長さが長い場合であっても、複数枚の間仕切りパネル7を引き出して一列に展延状態とするすることで、確実に部屋3内を2つの部屋空間に仕切ることができる。
また、可動間仕切り体4の前端部に前板8を設け、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5内に収納した状態で前板8で可動間仕切り体収納部5の開口9を閉じることが好ましい。
このような構成とすることで、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5内に収納した状態で可動間仕切り体収納部5の開口9が前板8で閉じられて外観が良くなるものである。
また、収納設備2の主体を構成する収納本体部10の上部から一側方に天袋部11を突設して収納本体部10の一側方で且つ天袋部11の下方に収納設備2とは別の設備を配置するための空所12を形成し、収納本体部10の天袋部11を突設した方と反対側の側部に可動間仕切り体収納部5を設けることが好ましい。
このような構成とすることで、収納設備2を部屋3の一壁面に沿って設置した際に、該収納設備2の天袋部11の下方の空所12に、例えば洗濯設備等の別の設備を配置することができ、しかも、この場合、可動間仕切り体4を引き出して部屋3を間仕切りした際、収納本体部10や天袋部11に設けられる収納部1を、上記空所12に設置される洗濯設備等の別の設備に関連した収納物、例えば、洗剤や、洗濯すべき衣類を収納したりすることで、間仕切りした場合でも空所12に設置される洗濯設備等の別の設備の使用に支障がないようにできるものである。
また、可動間仕切り体付き収納設備を設置した脱衣・洗面室の構造は、上記構成の可動間仕切り体4付き収納設備2を、浴室13に隣接し且つ洗面設備14を設置した部屋3内の一壁面に沿って配設し、該部屋3に浴室13に出入する浴室出入用開口部15と、浴室13以外の他の屋内空間16に出入する外部出入用開口部17とを設け、収納設備2に備えた可動間仕切り体4を引き出して当該部屋3を洗面設備14が設置され且つ外部出入用開口部17のある洗面用空間18と、浴室出入用開口部15のある脱衣用空間19とに仕切り自在として成ることを特徴とするものである。
このような構成とすることで、部屋3内に設置した収納設備2の可動間仕切り体収納部5から可動間仕切り体4を引き出して当該部屋3を洗面設備14が設置され且つ外部出入用開口部17のある洗面用空間18と、浴室出入用開口部15のある脱衣用空間19とに間仕切りすることで、脱衣用空間19をプライベート空間とすると共に、洗面用空間18をパブリック空間とするように仕切ることができて、プライベート空間である脱衣用空間19がパブリック空間である洗面用空間18から覗き見ることができないようにでき、これにより例えば、誰かが脱衣して入浴する時に、入浴する人とは別の人が洗面用空間18に洗面や化粧のためにパブリック空間である洗面用空間18に入って来ても、プライベート空間である脱衣用空間19で脱衣している姿や、着衣している姿や、あるいは脱衣用空間19に置かれた脱衣した衣類や着替え用の衣類等が洗面用空間に入って来た別の人から覗き見られないものであり、また、脱衣用空間19内に洗濯物を干している時も、これらが覗き見られることがないものである。また、部屋3を一つの広い部屋空間として使用する場合には、可動間仕切り体4を収納設備2に設けた可動間仕切り体収納部5内に収納することで、可動間仕切り体4が外部に露出せず、間仕切り要素が外部に露出しない連続した一つの広い一連の脱衣室兼用洗面室を現出することができて外観が良くなると共に圧迫感のない状態で洗面や化粧ができるものである。
また、可動間仕切り体付き収納設備を設置した脱衣・洗濯室の構造は、上記構成の可動間仕切り体4付き収納設備2を、浴室13に隣接し且つ洗濯設備21を設置した部屋3内一壁面に沿って配設し、該部屋3に浴室13に出入する浴室出入用開口部15と、浴室13以外の他の屋内空間16に出入する外部出入用開口部17とを設け、収納設備2に備えた可動間仕切り体4を引き出して当該部屋3を洗濯設備21が設置され且つ外部出入用開口部17のある洗濯用空間20と、浴室出入用開口部15のある脱衣用空間19とに仕切り自在として成ることを特徴とするものである。
このような構成とすることで、部屋3内に設置した収納設備2の可動間仕切り体収納部5から可動間仕切り体4を引き出して当該部屋3を洗濯設備21が設置され且つ外部出入用開口部17のある洗濯用空間20と、浴室出入用開口部15のある脱衣用空間19とに間仕切りすることで、脱衣用空間19をプライベート空間とすると共に、洗濯用空間20をパブリック空間とするように仕切ることができて、プライベート空間である脱衣用空間19がパブリック空間である洗濯用空間20から覗き見ることができないようにでき、これにより、洗濯用空間20から脱衣用空間19が覗き見ることができない状態にでき、例えば、誰かが脱衣して入浴する時に、入浴する人とは別の人がパブリック空間である洗濯用空間20に洗濯のために入ってきても、プライベート空間である脱衣用空間19で脱衣している姿や、着衣している姿や、あるいは脱衣用空間19に置かれた脱衣した衣類や着替え用の衣類等が覗き見られないものであり、また、脱衣用空間19内に洗濯物を干している時も、これらが覗き見られることがないものである。また、部屋3を一つの広い部屋空間として使用する場合には、可動間仕切り体4を収納設備2に設けた可動間仕切り体収納部5内に収納することで、可動間仕切り体4が外部に露出せず、間仕切り要素が外部に露出しない連続した一つの広い一連の脱衣室兼用洗濯室を現出することができて外観が良くなると共に圧迫感なく洗濯等ができるものである。
本発明の収納設備を部屋に設置するのみで、部屋を2つの部屋空間に仕切ったり、一つの広い一連の部屋空間としたりするに当たって、従来のように固定間仕切り壁を形成することなく、収納設備から可動間仕切り体を引き出すだけで簡単に間仕切りができると共に可動間仕切り体を引き出して部屋内を2つの部屋空間に間仕切りした状態における引出し姿勢(間仕切り姿勢)をスライドレールところよりなる姿勢保持手段で保持して安定して間仕切りすることができ、また、間仕切りしない場合には可動間仕切り体及びスライドレールところよりなる姿勢保持手段を収納設備に設けた可動間仕切り体収納部内に収納することで、可動間仕切り体及びスライドレールところよりなる姿勢保持手段が外部に露出せず、収納設備を設置した部屋を仕切りの無い広い一連の部屋空間として使用することができ、また、収納設備を設置した部屋内の巾寸法が収納設備を設置する部屋毎に異なるが、可動間仕切り体の引き出し量を調整することで、可動間仕切り体の前端部を対向する壁面に当接させて確実に間仕切りすることができる。
収納設備を脱衣室と洗面室とを兼用した部屋に設置するものにおいては、可動間仕切り体を引き出して、引出し姿勢(間仕切り姿勢)をスライドレールところよりなる姿勢保持手段で保持して安定して間仕切りして脱衣用空間と洗面用空間とに間仕切りすることができ、この場合には洗面用空間から脱衣用空間が覗き見ることができず、脱衣用空間が見えないようにして洗面用空間で洗面や化粧ができ、また、可動間仕切り体及びスライドレールところよりなる姿勢保持手段を収納設備に設けた可動間仕切り体収納部内に収納することで、可動間仕切り体及びスライドレールところよりなる姿勢保持手段が外部に露出せず、収納設備を設置した部屋を仕切りの無い広い一連の脱衣・洗面室として使用することができるものである。
また、収納設備を脱衣室と洗濯室とを兼用した部屋に設置するものにおいては、可動間仕切り体を引き出して、引出し姿勢(間仕切り姿勢)をスライドレールところよりなる姿勢保持手段で保持して安定して間仕切りして脱衣用空間と洗濯用空間とに間仕切りすることができ、この場合には洗濯用空間から脱衣用空間が覗き見ることができず、脱衣用空間が見えないようにして洗濯用空間で洗濯ができ、また、可動間仕切り体及びスライドレールところよりなる姿勢保持手段を収納設備に設けた可動間仕切り体収納部内に収納することで、可動間仕切り体及びスライドレールところよりなる姿勢保持手段が外部に露出せず、収納設備を設置した部屋を仕切りの無い広い一連の脱衣・洗濯室として使用することができるものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
本発明の収納設備2は内部に収納部1を有するキャビネットにより構成してあり、収納設備2には更に、該収納設備2が設置される部屋3の間仕切りを可能とするための可動間仕切り体4を収納した可動間仕切り体収納部5が設けてある。可動間仕切り体収納部5は収納設備2の一側部又は左右巾方向の略中間部分に上下方向の略全長にわたって形成してあり、収納設備2の前面に可動間仕切り収納部5の開口9が設けてある。
図1乃至図5には収納設備2の一例が示してあり、収納設備2の主体を構成する収納本体部10の上部から一側方に天袋部11を突設した正面視逆L字状をしていて、収納本体部10の一側方で且つ天袋部11の下方に収納設備2とは別の設備を配置するための空所12を形成してあり、可動間仕切り体収納部5は上記収納本体部10の天袋部11を突設した方と反対側の側部に上下方向にわたって設けてある。もちろん、収納設備2の構成、収納設備2における可動間仕切り体収納部5を設ける位置等は図1、図2の実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば、正面視長方形状や正方形状をしたキャビネットにより収納設備2を構成し、該正面視長方形状や正方形状をしたキャビネットの1側部又は左右方向の略中間部部分の上下方向の略全長にわたって可動間仕切り収納部5を形成してもよい。
収納設備2に設けた可動間仕切り体収納部5内には可動間仕切り体4が出し入れ自在に収納してある。可動間仕切り体4は1枚又は複数の間仕切りパネル7により構成してある。この間仕切りパネル7はスライドレール22を介して可動間仕切り体収納部5から出し入れ自在となっており、また、間仕切りパネル7の下端部には収納設備2を設置する部屋3の床上を転動しながら走行するころ34を設けてある。間仕切りパネル7は不透明であってもよく、あるいは反対側が明瞭には見えないが反対側に人が居るかどうかがぼんやりと確認できるような透過度を有する半透明であってもよく、この場合にはパネル枠に囲まれた部分に半透明の面板を嵌め込んで構成してある。
可動間仕切り体4を複数の間仕切りパネル7により構成する場合、可動間仕切り体収納部5から引き出した際に複数の間仕切りパネル7が一列に展延状態となり且つ可動間仕切り体収納部5に収納した際に複数の間仕切りパネル7同士が重複するように構成してある。
スライドレール22は収納設備2に設けた可動間仕切り体収納部5の側板25又は上板26に可動間仕切り体収納部5の前後方向(奥行き方向)にわたって配置して固定される固定レール23と、該固定レール23に対してスライド自在になり且つ間仕切りパネル7の上端部の前後方向に固定された可動レール24とで構成してある。ここで、可動間仕切り体4が1枚の間仕切りパネル7により構成してある場合には、1本の固定レール23と、1本又は2本の可動レール24とで構成してある。また、可動間仕切り体4が複数枚の間仕切りパネル7により構成してある場合には、1本の固定レール23と、複数本の可動レール24とで構成してあり、複数の可動レール24はそれぞれスライド自在となっており、スライドして引き出した時に後端側となる可動レール24が固定レール23に対してスライド自在となっており、固定レール23が可動間仕切り体収納部5の側板25又は上板26に前後方向にわたって固定してあると共に、各可動レール24が各間仕切りパネル7の上端部の前後方向に固定してある。
図1、図3乃至図5には複数枚(具体的には2枚)の間仕切りパネル7により可動間仕切り体4を構成した例が示してある。本例では可動間仕切り体4が間仕切りパネル7として先に引き出される前側の間仕切りパネル7aと、後から引き出される後側の間仕切りパネル7bとで構成してあり、両者は可動間仕切り体収納部5内における収納状態で左右方向に重複した状態で収納されるようになっている。可動間仕切り体収納部5の側板25の上部に固定した固定レール23内にスライド自在に嵌め込んである後側の可動レール24bが後側の間仕切りパネル7bの上端部に固定してあり、後側の可動レール24b内にスライド自在に嵌め込んである前側の可動レール24aが前側の間仕切りパネル7bの上端部に固定してある。
固定レール23の内面の前端部にはガイドローラ27aが設けてあって、後側の可動レール24bの走行片24cに転動自在となっており、後側の可動レール24bの外面の後端部に設けたガイドローラ27bが固定レール23の走行片23aに転動自在となっており、後側の可動レール24bの内面の前端部に設けたガイドローラ27cが前側の可動レール24aの走行片24dに転動自在となっており、前側の可動レール24aの外面の後端部に設けたガイドローラ27dが後側の可動レール24bの走行片24eに転動自在となっている。そして、これらのガイドローラ27a、27b、27c、27dにより固定レール23に対する後側の可動レール24bのスライド、後側の可動レール24bに対する前側の可動レール24aのスライドがスムーズに行えるようになっている。
図中28aは前側の可動レール24aに設けたストッパで、前側の可動レール24aを後側の可動レール24bに対してスライドして引き出した際に上記ストッパ28aが後側の可動レール24bに設けたガイドローラ27cに当たってそれ以上引き出せないようになっており、また、図中28bは後側の可動レール24bに設けたストッパで、後側の可動レール24bを固定レール23に対してスライドして引き出した際に上記ストッパ28bが固定レール23に設けたガイドローラ27aに当たってそれ以上引き出せないようになっている。ここで、ストッパ28a、28bに当たるのは上記のようにガイドローラ27cや、ガイドローラ27aである必要はなく、別の当たり部を後側の可動レール24b、固定レール23に設けてもよい。
可動間仕切り体4の前端部に前板8が設けてあって、可動間仕切り体4を可動間仕切り収納部5内に収納した状態で前板8により可動間仕切り体収納部5の開口9を閉じるようになっている。可動間仕切り体4を複数の間仕切りパネル7で構成したものにおいては、前側の間仕切りパネル7aの前端に前板8が設けてある。この前板8は間仕切りパネル7よりも横巾が広く左右方向の両端部が間仕切りパネル7の左右両側面よりも外側に突出していて、この突出部分を手で掴んで間仕切りパネル7を引き出したり、可動間仕切り体収納部5内に押し込んで収納したりすることができるが、前板8の前面部に別途把手部29を設けてもよく、前板8の前面部に把手部29を設けた場合には前板8で開口9を閉じた状態の時に、把手部29を掴んで容易に引き出すことができる。
上記のような構成の可動間仕切り体4付き収納設備2は、部屋3内において一壁面に沿って設置されるものであり、該収納設備2を設置した部屋3を2つの部屋空間に仕切りたい場合には図4に示すように収納設備2に設けた可動間仕切り体収納部5から可動間仕切り体4を引き出して可動間仕切り体4の前端部を対向する壁面(又はこれに類する収納ユニット等)に当接させることにより、該部屋3内を2つの部屋空間に簡単に間仕切ることができる。
ここで、可動間仕切り体4が引き出し自在で引出し量を自由に設定できるので、つまり、可動間仕切り体4の引き出し量を調整できるので、収納設備2を設置した部屋3内の巾寸法が収納設備2を設置する部屋3毎に異っても、可動間仕切り体4の前端部を対向する壁面に当接するまで引き出すことで、確実に間仕切りすることができる。
この場合、可動間仕切り体4が複数の間仕切りパネル7により構成してある場合、前側の間仕切りパネル7aをある長さ以上引き出すと、ストッパ28aが後側の可動レール24bに設けたガイドローラ27cに当たって後側の間仕切りパネル7bを連動して引き出すようになっている。また、複数の間仕切りパネル7を収納する場合には、前側の間仕切りパネル7aを押し込むことで、前板8が後側の間仕切りパネル7bに当たり、前側の間仕切りパネル7a、後側の間仕切りパネル7bが左右方向に重なった状態で連動して可動間仕切り体収納部5内に押し込まれて図3のように収納される。このようにして間仕切りパネル7を可動間仕切り体収納部5内に収納した状態でスライドレール22も同時に可動間仕切り体収納部5内に収納されて収納設備2の外、つまり部屋3空間内に露出しないようにしている。
上記のようにスライドレール22を介して可動間仕切り体4が可動間仕切り体収納部5から引き出されて部屋3内を2つの部屋空間に間仕切りしたり、あるいはスライドレール22を介して可動間仕切り体4が可動間仕切り体収納部5内に収納されるのであるが、可動間仕切り体4を引き出して部屋3内を2つの部屋空間に間仕切りしている状態で、ころ34を介して床上に起立すると共に、上記スライドレール22により可動間仕切り体4の引出して起立している姿勢が保持されて倒れることなく、確実に間仕切りできるようになっており、このため、本実施形態では、上記ころ34とスライドレール22が可動間仕切り体4の引き出し状態を保持するための姿勢保持手段6となっており、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5に収納した状態で上記姿勢保持手段6を可動間仕切り体収納部5内に収納されるのである。したがって、本発明においては、収納設備2自体に可動間仕切り体4の引き出し状態を保持するための姿勢保持手段6を備え、この姿勢保持手段6を可動間仕切り体4の収納時に同時に収納して外部に露出しないようにしているので、可動間仕切り体4を収納した状態では、間仕切りをするための構成要素である可動間仕切り体4及び引き出し時に起立姿勢を保持するための姿勢保持手段6といった間仕切り要素が部屋3内に露出せず、間仕切りしていない時でも固定間仕切り壁や、開口枠等の間仕切り要素が室内に露出する場合に比べ、部屋3内の空間が間仕切り要素が見えない一つの連続した部屋空間となり、外観が良くなるものである。
収納設備2は部屋3の一壁面に沿った任意の位置に設置することができ、これにより現場毎に、部屋3を間仕切りする場合における間仕切り位置を自由に設定することができることになる。
また、可動間仕切り体4を引き出して間仕切りした状態で、部屋3の床30から可動間仕切り体4の上端までの高さは1900mm乃至2200mm程度として間仕切りした一方側の部屋空間から他方側の部屋空間を覗き見ることができないようになっているが、部屋3の床30と可動間仕切り体4の下端との間、天井31と可動間仕切り体4の上端との間にはそれぞれ隙間32が形成されるようになっており、仕切られた場合における両部屋空間間で換気が促進されるようになっている。
なお、必要に応じて可動間仕切り体4の前端と対向する壁面に係合部を設け、可動間仕切り体4を引き出して前端部を壁面に当接した際に、可動間仕切り体4の前端部を係合部に係合するようにしてもよい。これにより間仕切りした際における可動間仕切り体4の剛性を向上することができるものである。また、係合部を設けた場合には可動間仕切り体4として剛性が低いものを使用することも可能である。
また、上記例では可動間仕切り体4の前端部に可動間仕切り体収納部5の開口9を閉じるための前板8を設けた例を示したが、可動間仕切り体収納部5の開口9の一側縁に開閉自在な蓋を設け、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5内に収納した後に、蓋により開口9を閉じ、また、該蓋を開いた後に、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5内から引き出すようにしてもよい。
図6、図7、図8には本発明の可動間仕切り体4付き収納設備2を設置する部屋3が洗面設備14を設置した脱衣・洗面室の場合を示している。この脱衣・洗面室を構成する部屋3は、浴室13及び浴室13以外の他の屋内空間16(例えば廊下、他の部屋等)に隣接しており、該脱衣・洗面室を構成する部屋3に開閉自在な扉17aを備えた外部出入用開口部17を介して浴室13以外の他の屋内空間16から出入自在となっており、また、該脱衣・洗面室を構成する部屋3から開閉自在な扉15aを備えた浴室出入用開口部15を介して浴室13に出入できるようになっている。
可動間仕切り体4付き収納設備2は上記の脱衣・洗面室を構成する部屋3の一壁面に沿って設置され、この場合、収納設備2に備えた可動間仕切り体4を引き出した際に当該脱衣・洗面室を構成する部屋3を脱衣用空間19と洗面用空間18とにほぼ2分する位置となるように収納設備2を設置するのであるが、収納設備2の設置位置を現場で選択することで、可動間仕切り体4を引き出して当該当該脱衣・洗面室を構成する部屋3を脱衣用空間19と洗面用空間18とに間仕切りする際の2つの部屋空間の平面視における面積の割合を任意に設定できる。
脱衣・洗面室を構成する部屋3内の可動間仕切り体4を引き出して間仕切りした際に洗面用空間となる方に、つまり、脱衣・洗面室を構成する部屋3の外部出入用開口部17に近い方に洗面設備14が設置してあり、また、脱衣・洗面室を構成する部屋3内の可動間仕切り体4を引き出して間仕切りした際に脱衣用空間19となる方に、つまり、脱衣・洗面室を構成する部屋3の浴室出入用開口部15に近い方に洗濯機等の洗濯設備21が設置してあり、図7、図8に示す実施形態では、可動間仕切り体4が正面視逆L字状をしていて収納本体部10の可動間仕切り体収納部5を設けた方の一側が洗面設備14側に位置し、収納本体部10の上部から一側方に突出した天袋部11が浴室13側に向けて突出していて、収納本体部10の一側方で且つ天袋部11の下方の空所12に洗濯設備21が配置してある。
しかして通常は、図6、図7に示すように、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5内に収納した状態にして上記脱衣・洗面室を構成する部屋3を使用するものであり、この場合、脱衣・洗面室を構成する部屋3内には可動間仕切り体4、ころ34、スライドレール22が可動間仕切り体収納部5内に収納されて露出せず、洗面設備14、収納設備2、洗濯設備21が設置された一つの連続した一連のパブリック空間としての部屋空間が現出するものであり、洗面設備14を使用して洗面や化粧を行ったり、あるいは、洗濯設備21を使用して洗濯をおこなったりといった多用途の広いパブリック空間として利用する。
一方、入浴のために脱衣したり、入浴後の着衣したりする際は可動間仕切り体収納部5から可動間仕切り体4を引き出して可動間仕切り体4を対向する壁面に当接させることで、図8に示すように脱衣・洗面室を構成する部屋3内をプライベート空間としての脱衣用空間19と、パブリック空間としての洗面用空間18とに仕切る。これにより、パブリック空間としての洗面用空間18からプライベート空間としての脱衣用空間19を覗き見ることができず、これにより、誰かが脱衣して入浴する時に、入浴する人とは別の人が洗面用空間18に洗面や化粧のためにパブリック空間である洗面用空間18に入って来ても、プライベート空間である脱衣用空間19で脱衣している姿や、着衣している姿や、あるいは脱衣用空間19に置かれた脱衣した衣類や着替え用の衣類等が洗面用空間に入って来た別の人から覗き見られないものであり、また、脱衣用空間19内に洗濯物を干している時も、これらが覗き見られることがないものである。
ここで、脱衣・洗面室を構成する部屋3を可動間仕切り体4で脱衣用空間19と洗面用空間18とに仕切った場合、収納設備2の収納部1が少なくとも脱衣用空間19側に位置するようにするものであり(実施形態では収納本体部10、天袋部11がいずれも脱衣用空間19側に位置している)、収納部1に、脱衣用空間19で脱衣した衣類を収納したり、あるいは、着替え用の下着や、入浴のために使用するタオル、バスタオル、石鹸、シャンプー等の入浴用品を収納したり、あるいは、洗濯の際に使用する洗剤等を収納することことができるようにしており、これにより、可動間仕切り体4を閉じて間仕切りした状態で、脱衣や着替え、あるいは入浴、洗濯を行うのに支障がないようになっている。
例えば、収納設備2には図2に示すように、収納部1として引出し自在となった脱衣カゴ35、引出し36、出し入れ自在なスライドカウンター37、扉付き収納棚38、天袋部11を設けてあり、脱衣カゴ35に脱衣した衣類を収納し、引出し36や扉付き収納棚38や天袋部11に着替え用の下着や、入浴のために使用するタオル、バスタオル、石鹸、シャンプー等の入浴用品を収納したり、あるいは、洗濯の際に使用する洗剤等を収納し、また、脱衣するときや着衣する時やあるいは洗濯する時に必要に応じてスライドカウンター37を引き出して一時的に脱衣する(あるいは着衣する)衣類を置いたり、一時的に洗濯物を置いたりできるようになっている。
図9には本発明の可動間仕切り体4付き収納設備2を設置する部屋3が洗濯設備21を設置した脱衣・洗濯室の場合を示している。この脱衣・洗濯室を構成する部屋3は、浴室13及び浴室13以外の他の屋内空間16(例えば廊下、他の部屋等)に隣接しており、該脱衣・洗濯室を構成する部屋3に開閉自在な扉17aを備えた外部出入用開口部17を介して浴室13以外の他の屋内空間16から出入自在となっており、また、該脱衣・洗濯室を構成する部屋3から開閉自在な扉15aを備えた浴室出入用開口部15を介して浴室13に出入できるようになっている。
可動間仕切り体4付き収納設備2は上記の脱衣・洗濯室を構成する部屋3の一壁面に沿って設置され、この場合、収納設備2に備えた可動間仕切り体4を引き出した際に当該脱衣・洗濯室を構成する部屋3を脱衣用空間19と洗濯用空間20とにほぼ2分する位置となるように収納設備2を設置するのであるが、収納設備2の設置位置を現場で選択することで、可動間仕切り体4を引き出して当該当該脱衣・洗濯室を構成する部屋3を脱衣用空間19と洗濯用空間20とに間仕切りする際の2つの部屋空間の平面視における面積の割合を任意に設定してある。
脱衣・洗濯室を構成する部屋3内の可動間仕切り体4を引き出して間仕切りした際に洗濯用空間となる方に、つまり、脱衣・洗濯室を構成する部屋3の外部出入用開口部17に近い方に洗濯設備21が設置してある。
図9に示す実施形態においては、収納設備2は、可動間仕切り体収納部5の両側部にそれぞれ収納部1が位置するように構成してあり、可動間仕切り体収納部5から可動間仕切り体4を引き出して脱衣・洗濯室を構成する部屋3内を脱衣用空間19と洗濯用空間20とに仕切った際に、脱衣用空間19、洗濯用空間20のいずれの部屋空間にも収納設備2の収納部1が存在するようになっている。
しかして、通常は、可動間仕切り体4を可動間仕切り体収納部5内に収納した状態にして上記脱衣・洗濯室を構成する部屋3を使用するものであり、この場合、脱衣・洗濯室を構成する部屋3内には可動間仕切り体4、ころ34、スライドレール22が可動間仕切り体収納部5内に収納されて露出せず、収納設備2、洗濯設備21が設置された一つの連続した一連のパブリック空間としての部屋空間が現出するものであり、洗濯設備21を使用して洗濯をおこなったりするための広いパブリック空間として利用する。
一方、入浴のために脱衣したり、入浴後に着衣したりする際は可動間仕切り体収納部5から可動間仕切り体4を引き出して可動間仕切り体4を対向する壁面に当接させることで、脱衣・洗濯室を構成する部屋3内をプライベート空間としての脱衣用空間19と、パブリック空間としての洗濯用空間20とに仕切る。これにより、パブリック空間としての洗濯用空間20からプライベート空間としての脱衣用空間19を覗き見ることができず、これにより、誰かが脱衣して入浴する時に、入浴する人とは別の人が洗濯のためにパブリック空間である洗濯用空間20に入って来ても、プライベート空間である脱衣用空間19で脱衣している姿や、着衣している姿や、あるいは脱衣用空間19に置かれた脱衣した衣類や着替え用の衣類等が洗濯用空間に入って来た別の人から覗き見られないものである。
ここで、本実施形態においても脱衣・洗濯室を構成する部屋3を可動間仕切り体4で脱衣用空間19と洗濯用空間20とに仕切った場合、収納設備2の収納部1が少なくとも脱衣用空間19側に位置するようにするものであり(図9に示す実施形態では脱衣用空間19と洗濯用空間20の両方にそれぞれ収納部1が位置するように構成した例が示してあり)、脱衣用空間19側に位置する収納部1に、脱衣用空間19で脱衣した衣類を収納したり、あるいは、着替え用の下着や、入浴のために使用するタオル、バスタオル、石鹸、シャンプー等の入浴用品を収納したすることことができるようにしており、これにより、可動間仕切り体4を閉じて間仕切りした状態で、脱衣や着替え、あるいは入浴に支障がないようになっており、また、洗濯用空間20側に位置する収納部1に、洗濯用空間20で洗濯設備21を用いて洗濯する際に使用する洗剤等を収納できるようにしており、これにより、可動間仕切り体4を閉じて間仕切りした状態で、洗濯用空間20で洗濯をするのに支障がないようになっている。
なお、本発明の収納設備2を設置する脱衣・洗面室や脱衣洗濯室である部屋3、あるいはその他の部屋3は、平面視で正方形、長方形をした部屋にのみ限定されず、図10に示すように平面視L字型のようなものであってもよいが、可動間仕切り体4を引き出して間仕切りできるように可動間仕切り体収納部5に収納した可動間仕切り体4と対面する位置に壁面、又はこれに類するもの(例えば、別の収納体)がくるように収納設備2を設置する。