JP4326565B2 - 無線icタグ付きのファスニング製品 - Google Patents

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Description

本発明は、無線ICタグが装着された各種の物品に関し、例えばスライドファスナー、面ファスナー、テープ付きスナップファスナー、係合条片を有するレール状ファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタンなどの金属を含むファスニング製品そのものや、それらのファスニング製品が被着された被服、袋物などの日用雑貨品類、或いは腕時計や鞄などの各種高級ブランド品に関する。
近年、電池切れの心配がなく、小型で低価格の、いわゆるパッシブ型の無線ICタグを生産段階で商品に付設して、商品の生産から物流、販売等にいたるトータル的な商品管理を行うことや、商品の紛失防止、盗難防止、偽造防止などに使われている。
パッシブ型の無線ICタグ(以下、単にRFIDという。)は、ICチップ及びコイル状又はゼンマイ状のアンテナと、両者をつなぐコイルジャンパなどから構成される。ICチップは、必要とする各種のデータが格納されており、新たなデータを書き込むことも、またそれらのデータを消去し、新たなデータを外部から読み込むことが可能であるものが多い。このパッシブ型RFIDの起動用電源は、独自の電源をもたず外部のリーダー/ライター(又はスキャナ)から受信した電磁波(又はマイクロ波)により発生する起電力を電源として使う、いわゆる電磁誘導方式式(又はマイクロ波方式)のRFIDである。
従って、リーダー/ライター(又はスキャナ)から発信される電磁波は、データを電送するための搬送波であるばかりでなく、パッシブ型RFIDの起電力用としても使われる。前記搬送波はリーダー/ライター(又はスキャナ)内でパッシブ型RFIDに見合った波長に変調され、同RFIDの受信アンテナにて受信して、ICチップのメモリに格納された必要なデータを取り出し、同データを応答データとして内蔵するアンテナからリーダー/ライター(又はスキャナ)に対応する波長に変調して応答送信される。或いは、リーダー/ライター(又はスキャナ)からの指令により、ICチップのメモリに格納されたデータのうち不要なデータを消去することも可能である。
応答送信された信号はリーダー/ライター(又はスキャナ)の受信アンテナで受信され、リーダー/ライター(又はスキャナ)の制御部において応答データの解析が行われる。この応答データは、前記パッシブ型RFID内に格納されていたデータとしてリーダー/ライター(又はスキャナ)内に一時格納されたのち、パソコンなどの制御機器へと送信される。また、前記パッシブ型RFID内のメモリからのデータの読み出し、データの書き込みにあたっては、各種のセキュリティ手段が講じられている。
この種のパッシブ型RFIDをファスニング製品に内蔵した具体例としては、例えば、特開2002−125721号公報(特許文献1)に記載された「スライドファスナーの引手」や特開2002−42100号公報(特許文献2)に記載された「縫止脚付衣服用ボタン」がある。
前記特許文献1に記載されたスライドファスナーの金属製引手によれば、細いガラス管に封入されたパッシブ型RFIDのICチップとコイルアンテナとが、金属製の引手本体内に埋め込まれている。この埋込みのため、引手本体にガラス管の埋込孔が形成されるとともに、同埋込孔の壁面に内外に連通しガラス管の長さ方向に延びる送受信用のスリットが形成され、同送受信用スリットの部位にコイルアンテナを露呈させて外部に配したリーダー/ライター(又はスキャナ)との間で信号の送受信が行えるようにしている。パッシブ型RFIDを封入したガラス管が前記埋込孔内に挿入されたのち、同埋込孔の開口端をエポキシ樹脂によって密閉し、パッシブ型RFIDの脱落を防いでいる。
一方、上記特許文献2に記載された縫止脚付衣服用ボタンは、電磁透過性を有するボタン本体とパッシブ型RFIDの実装体とから構成されている。ボタン本体の表面には円形の凹陥部が形成され、その裏面にはボタンを衣服等に縫い止める縫止脚が一体に突設されている。
前記凹陥部の中心部にはパッシブ型RFIDが低透磁率材料であるエポキシ樹脂により被包一体化されて固着されている。同パッシブ型RFIDは、ICチップとそれを囲むようにして螺旋状に巻き回されたコイルアンテナが前記凹陥部に配される。このパッシブ型RFIDが前記凹陥部内に配されたのち、同凹陥部内にエポキシ樹脂が流し込まれて固化し密封防水処理がなされる。
特開2002−125721号公報 特開2002−42100号公報
ところで、既述したとおりパッシブ型RFIDは、リーダー/ライターから放射された電磁波に伴う磁束がRFID内のコイルアンテナを通過すると、コイルアンテナには電磁誘導により誘導起電力が生じ、その電力がRFIDの電源となる。このときRFIDの周辺に金属などの高透磁率材料が配され、この高透磁率材料に前記磁束が通過すると、高透磁率材料に前記磁束を打ち消そうとする渦電流が生じる。これにより前記磁束が減衰し、その結果、前記誘導起電力を低下させる。
これは、金属製品に埋め込まれるパッシブ型RFIDにとって致命的である。例えば、上記特許文献1に記載されたスライドファスナーの引手では、細長いガラス管に封入されたパッシブ型RFIDを、金属製引手の埋込孔に埋め込み、エポキシ樹脂によって封止しているが、この例にあっても前述のようにガラス管の周辺にの金属に、リーダー/ライターから放射される電磁波に伴う磁束を打ち消そうとする渦電流が生じ、コイルアンテナに生じる誘導起電力が大幅に低下してしまう。この特許文献1にあって、埋込孔は底面を有する盲孔であり、その内壁面に内外に連通するスリットが形成されているものの、そのスリットは、同文献1にも記載されているとおり、送受信用スリットに過ぎない。このことは、皮革製等の引手にあっては、前記ガラス管の周面に金属管を配し、その金属管に送受信用の長孔を形成していることからも理解できる。その結果、金属製引手にあっては上記埋込孔の周辺、特にその底部の金属部分には、リーダー/ライターから放射される電磁波に伴う磁束を打ち消そうとする渦電流が生じ、RFIDの電源となる誘導起電力を大幅に低下させる。
一方の上記特許文献2では、中心部にICチップを配し、その周辺に渦巻き状のアンテナを配してパッシブ型RFIDを構成し、これをエポキシ樹脂の固化によって封止すると同時に釦本体の円形凹陥部に固着一体化した釦が開示されている。この釦と外部のリーダー/ライター(又はスキャナ)と交信するには、リーダー/ライターから放射される電磁波の向きをボタン本体の中心部に向けて電磁波が放射される。このとき、同文献2の実施例ではボタン本体も低透磁率材料である合成樹脂材料から成形されているため、特に問題は生じないが、仮に前記ボタン本体が金属製である場合には、上述のように金属部分にはリーダー/ライターから放射される電磁波に伴う磁束を打ち消す方向に渦電流が発生して、パッシブ型RFIDを活性化することができなくなる。
このように、従来では金属製品にパッシブ型RFIDを装着する場合には、パッシブ型RFIDのコイル状アンテナに金属製品による上述のような影響を与えないようにすることに腐心しているのが現状である。仮に、その影響を与えないようにするには金属製品とパッシブ型RFIDとの間の距離を大きくしなければならず、或いは金属製品とパッシブ型RFIDとの間にシールド材料を配するなど様々な対応が必要である。しかしながら、このような対応では、小型で且つ安価なパッシブ型RFIDを採用する意味がなくなるばかりでなく、製品自体が小型である場合などには実用化が不可能となる。
なお、前記渦電流は前述のようなパッシブ型RFIDに限らず起動用電池をもつアクティブ型のRFIDにも発生する場合が考えられる。リーダー/ライターから放射される電磁波に伴う磁束を打ち消そうとする渦電流が生じ、前記電磁波を減衰させることにより交信が不可能となる場合があり得る。従って、本明細書においてRFIDとはパッシプ型及びアクティブ型の双方を含むものである。
本発明は、上述のような従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は簡単な対策にてRFIDが装着される高透磁率材料、特に金属材料によるRFIDの起電力低下の影響を排除したRFID付きの物品を提供する。
かかる目的は、本発明の基本構成である第1及び第2の表裏面を有する高透磁率材料からなる保持部を備え、低透磁率材料にて実装された無線ICタグを前記保持部に装着したファスニング製品であって、前記保持部が第1及び第2の表裏面間を貫通する貫通部を有し、前記第1及び第2の表裏面間にまたがる切欠きによって、前記貫通部が外部に開放され、この切欠きにより前記貫通部周辺の前記保持部に不連続領域が形成され、少なくとも前記貫通部に、前記無線ICタグが前記低透磁率材料とともに密接保持されてなることを特徴とする無線ICタグ付きのファスニング製品により達成される。
本発明にあっては、特にリーダー/ライターから放射される電磁波に伴う磁束を打ち消そうとする渦電流が前記貫通部と前記切欠きとの周辺を流れ、同渦電流の中心を貫通部に保持された無線ICタグから離間する位置に偏位させている。また、前記無線ICタグは低透磁率材料から成形された収容部材の内部に収容され、同収容部材は第1収容部材と第2収容部材とからなり、第1収容部材と第2収容部材とが無線ICタグを挟み込んで実装している。
典型的には、前記低透磁率材料にて封止成形されたRFIDがファスニングに装着されており、同ファスニング製品がスライドファスナーであり、前記RFIDの上記保持部が前記スライドファスナーのスライダーや引手である。具体的には、前記スライダーは、上板と、下板と、上板と下板とを連結する連結柱とを有し、下板の端縁に前記貫通部と前記切欠きとを設けるとよい。また、前記スライダーは、引手と、引手を取り付けるための引手取付柱とを有し、同引手取付柱は前記スライダーの前後に分割された前柱と後柱とからなり、前柱と後柱との対向端面間に前記貫通部と前記切欠きとを設けるようにしてもよい。
更に、前記ファスニング製品がスライドファスナーであり、前記RFIDの上記保持部が前記スライドファスナーの引手であり、或いは前記ファスニング製品がボタンであり、前記RFIDの上記保持部が前記ボタンの本体や前記ボタンのアイレットである。具体的には、ボタンは円盤状の基部と、基部の周縁部に一体に固着された被覆部材とを有し、前記基部の周縁部に前記貫通部と前記切欠きとを設けることが好ましい。前記RFIDのICチップが真贋判定用のデータ及び/又は物流管理用のデータを有しているとが好ましい。
更に上記構成に加えて、高透磁率材料からなる上記保持部にあって、外部のリーダー/ライター又はスキャナとの送受信面に上記貫通部を遮蔽する高透磁率材料からなる遮蔽部材が脱着可能に取り付られる遮蔽部材取付部を有していることが好ましい
第1及び第2の表面を有する高透磁率材料、例えば金属プレートからなる保持部に、低透磁率材料、例えばエポキシ樹脂により封止成形されたパッシブ型RFIDを埋め込み固定すると、通常は既述したとおりリーダー/ライターから放射された電磁波に伴う磁束がRFID内のコイルアンテナを通過して、コイルアンテナには電磁誘導により誘導起電力が生じ、その電力がRFIDの電源となっている。このときRFIDの周辺に金属などの高透磁率材料が配され、この高透磁率材料に前記磁束が通過すると、高透磁率材料に前記磁束を打ち消そうとする渦電流が生じる。その結果、前記磁束が減衰して前記誘導起電力を低下させる。
そこで、本発明者等は上記渦電流の発生を阻止すべく様々な実験を行った結果、RFIDを装着保持する第1及び第2の表裏面を有する上記高透磁率材料の保持部に貫通部を形成するとともに、第1及び第2の表裏面間にまたがる切欠きを形成して、形成した切欠きによって前記貫通部が外部に開放される構成とした。即ち、少なくとも前記貫通部に装着されるRFIDのアンテナ中心を中心軸として周辺に連続して存在する高透磁率材料の一部に内外に連通しかつ第1及び第2表面を貫通する切欠きを形成することにより、前記貫通部の周辺に高透磁率材料の不連続領域を形成した。
高透磁率材料に切欠きによる不連続領域を形成して、前記貫通部の内部に低透磁率材料にて封止されたRFIDを装着固定し、リーダー/ライターから電磁波を送信したところ、偶然にもRFIDの周辺には一部を除いて高透磁率材料が存在するにも関わらず、リーダー/ライターとの間において円滑に且つ十分な送受信が可能となることを知った。ここで、RFIDの実装は低透磁率材料にて成形した収容部材に収容して封止する。この収容部材は、それぞれに収容凹部を有する第1及び第2主要部材から構成され、前記収容凹部にRFIDを嵌合して一体に封止する。これはRFIDに水分が付着することを防いだり、RFIDを埋設状態で低透磁率材料にて成形一体化するときに、RFIDが高温下に晒されることを防ぐためである。前記切欠きを形成しない場合には、当然に送受信は全く不可能であった。
そこで、切欠きを形成したときとしないときの磁界変化や高透磁率材料の表面に流れる電流の向きや部位等を解析により確認したところ、切欠きを形成しない場合には高透磁率材料の表面に貫通部の中心を軸として一回転方向に流れる渦電流が発生していたが、切欠きを形成することにより、渦電流は貫通部の周りに発生せずに、前記貫通部及び切欠きを含むU型の高透磁率材料の周縁部に沿って貫通部及び切欠きを迂回しながら一方向に流れていることが確認された。すなわち、前記切欠きを形成することにより、渦電流の中心は貫通部の中心から高透磁率材料の表面へと移行していることが確認された。その結果、渦電流による磁束も貫通部から高透磁率材料へと移り、リーダー/ライターから貫通部に放射された電磁波に伴う磁束が有効に機能することが分かった。
上述の構成をもって、例えばファスニング製品の好適な態様であるスライドファスナーのスライダーや引手に、或いは金属製ボタンの本体やアイレットにRFIDを装着すると、リーダー/ライター又はスキャナーとの間にて円滑にデータの交信が可能となり、直接に又はコンピュータを介して、例えば真贋判定や製品管理が可能となった。この真贋判定や製品管理を実現するには、前記RFIDのICチップに真贋判定用のデータ及び/又は物流管理用のデータを格納しておく必要がある。
しかし、例えば真贋判定用のデータ及び/又は物流管理用のデータなどが格納されていると、それらのデータが流通の段階を経て最終の購買者などと関連付けて分析される可能性がありプライバシーの問題も含むため、更に上記構成に加えて、高透磁率材料からなる上記保持部に、外部のリーダー/ライター又はスキャナーとの送受信面に上記貫通部を遮蔽する高透磁率材料からなる遮蔽部材を脱着可能に取り付るための遮蔽部材取付部を設けておくことが好ましい。この場合、製品が最終購買者に渡る段階で、購買者の意向に応じて、前記遮蔽部材取付部に前記遮蔽部材を離脱不能に取り付けるようにするとよい。
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。なお、以下の説明では電磁誘導方式のパッシブ型RFIDを例に挙げて説明するが、本発明のRFIDは電磁誘導式だけでなくマイクロ波にて応答するRFID、或いはアクティブ型のRFIDをも含むものである。この発明における物品としては、ファスニング製品と同製品を装着した製品を主に挙げることができるが、例えばファスニング製品に限らず時計やベルトなどの各種ブランド品も対象としている。
ファスニング製品としては、例えば、スライドファスナー、面ファスナー、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンなどの各種ファスニング製品が含まれるものである。物品としては、上記ファスニング製品を被着することのできる物品としては、例えばカバン、スポーツウェアその他の各種の衣類、鞄、靴等を挙げることができる。
本発明に適用されるパッシブ型RFIDの典型的な態様としは、識別対象物の識別情報などのデータを格納するメモリを備えたICチップと同ICチップを偏心位置に配して、その周りを渦巻き状に巻き回されたアンテナとが互いに電気的に接続されて応答回路を構成している。その応答回路として、例えば検出回路、電源回路、制御回路、メモリ回路、変調回路、発振回路等が組み込まれている。RFIDの交信距離は0〜10cm未満、好適には10mm未満である。本発明は、ICチップとリーダー/ライターとが接触したときに交信が可能となる接触式ICチップであってもよい。
次に、本発明の代表的な実施例につき更に具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施例及び比較例による試験片100,200の半部を示している。これらの図からも理解できるように、両試験片100,200は、双方ともに肉厚の直方体からなる金属片の一端面中央部に、同じく直方体形状の盲孔101,201が形成され、それらの図において上下に向かい合う上下壁部102,103;202,203のうち下壁部103;203をパッシブ型RFIDの保持部とし、その中央部に円形に巻き回されたゼンマイ状アンテナとICチップとを有し円盤状に封止一体化した図示せぬパッシブ型RFIDを保持する貫通孔104,204が形成されている。
図1に示す本発明の第1実施例に使われた試験片100は、前記直方体形状の盲孔101の開口側の下壁部103の一部に内外に連通する切欠部105を形成して、前記貫通孔104の周辺金属部分が前記切欠部105によって分断され、金属部分に不連続領域Rを形成している。一方、図2に示す比較例では、前述のような切欠部を形成することなく、前記貫通孔204の周辺は金属部分が連続して存在し、本実施例のように不連続領域Rは存在しない。なお、図1及び図2に示す符号Aは上記円盤状の図示せぬパッシブ型RFIDが前記貫通孔104,204に保持されたときの同RFIDの中心位置を示している。
また、本実施例及び比較例では電磁誘導方式(13.56MHz)のパッシブ型RFID日立マクセル製)を用いた。更に、本実施例では上記切欠部105の左右幅を0.3mm、0.5mm、0.8mm及び2.0mmの試験片を用意した。これらの試験片と切欠部を設けない上記比較例による試験片についてペン型のリーダー/ライターによる読み取り試験を行った。その結果、比較例による試験片では全く読み取りが出来なかったのに対して、実施例による試験片では切欠部105の左右幅の大きさに関わらず、全ての試験片について読み取りが可能であった。
そこで、本発明者等は更に本実施例と比較例について、各下壁部103,203の貫通孔104,204の周辺における渦電流I(ベクトル)のシュミレーションテストを行った。図3が本実施例による試験片の下壁部103の貫通孔104及び切欠部105の周辺金属部分に実質的に流れる電流の部位と方向とを示している。図4は比較例による試験片の下壁部203の貫通孔104の周辺金属部分に発生する電流のX−Y軸の2軸平面(壁面)における電流が実質的に流れる部位と方向を示している。なお、電流の測定中心は図1及び図2におけるA点となるパッシブ型RFIDの中心である。
これらの図から理解できるように、本実施例では切欠部105を形成することにより電流の流れは貫通孔104の周辺と切欠部105及び下壁部103の外周縁に近い部位を一方向に流れる。その結果、リーダー/ライターから放射された電磁波に伴う磁束の軸に対し、渦電流Iによって生じる逆向きの磁束の軸が下壁部13の表面において位置がずれ、貫通孔104に保持されたパッシブ型RFIDから離間した下壁部103の内部領域に位置し、リーダー/ライターから放射される電磁波による誘導磁束の密度は低下することがなくなり、アンテナに誘起される誘導起電力も低下しなかった。一方、比較例では下壁部203の貫通孔204の周縁部を、パッシブ型RFIDの中心軸線の周りを一方向に向けて大きな電流が流れており、いわゆる渦電流Iが発生している。この渦電流Iの発生により、リーダー/ライターから放射される電磁波による磁束の電極の方向とは逆向きの磁束が発生し、前記磁束密度を低下させ、パッシブ型RFIDのアンテナに発生する誘導起電力をも低下させる。
図5は、図3及び図4に示す前述の実施例及び比較例によるA点におけるZ軸方向に生成される磁束密度の変化を示している。同図において、「●」点は本実施例による磁束密度を示し、「×」点は比較例による磁束変化を示している。13.56MHzの周波数をもつ電磁波がパッシブ型RFIDの渦巻き状アンテナに導入されることから、1周期の時間、すなわち1/13.56(秒)を横軸にとり、これを16分割して16ステップとし、各ステップごとの磁束密度をプロットした。この図から、各ステップにおいて本実施例による磁束密度は比較例の磁束密度の略9倍の大きさをもっていることが理解できる。これはまさに、本発明が如何に上記渦電流Iの発生を防止し得たかを如実に示しており、従来と比較してパッシブ型RFIDに発生する誘導起電力の低下が如何に解消されたかを示している。
このように、本発明では電磁誘導方式のパッシブ型RFIDを装着保持する高透磁率材に内外に通じる切欠部を第1表面から第2表面を貫通して、高透磁率材による不連続領域を形成するだけの簡単な加工により、従来のリーダー/ライターとの間における応答性能には予測し得ない程の応答性が得られるものである。なお、以下の第2〜第6実施例にあっても、上記第1実施例と同様に、リーダー/ライターとの間における応答性能には予測し得ない程の円滑な応答性を得ている。従って、第2〜第6実施例について、その応答性に関する説明は結果を説明するに止める。また、本発明に適用される電磁誘導方式のパッシブ型RFIDに向けて放射されるリーダー/ライターからの電磁波の周波数は、上述のような13.56MHzに限らず、例えば2.45GHz帯の周波数であってもよく、或いはその他の周波数であってもよい。更に、上記切欠部105の幅寸法についても多様な変更が可能であり、できる限り大きな値であることが望ましいが、その値は一律でなく実験などにより適正値を選定することが好ましい。
図6〜図10は、本発明の第2の実施例によるパッシブ型RFIDを装着するスライドファスナー用のスライダーの一例を示している。
これらの図において、スライダー10は亜鉛合金からなり、従来と同様に、上板12、下板13及び上下板12,13の肩口側端部を連結する連結柱14からなるスライダー胴体11と、上板12の上面前後端部に架設される門型の引手取付柱15と、同引手取付柱15に取り付けられ同取付柱15に沿って回動自在な図示せぬ引手とを有している。前記上下板12,13の左右端縁に沿って上下に接近する左右一対のフランジ12a,13aが形成されている。また、前記下板13の上面には前記連結柱14から後口に向けて図示せぬ左右のエレメント列を案内するための第1のリブ状突起13bが突設されている。ここで、本明細書では前記連結柱14が設けられている肩口側を前部と言い、連結柱14の設けられていない後口側を後部と言う。また、連結柱14から前方に向かって左右の方向を左右と言う。
本実施例にあっては、前記下板13をパッシブ型RFIDの保持部としている。この下板13の後口側端縁から前記連結柱14に向かって略1/2の位置まで、上面(第1表面)から下面(第2表面)に貫通し全体が矩形状の切欠部13cを形成している。この切欠部13cが本発明における貫通部及び切欠きを構成する。本実施例にあっては、前記切欠部13cの左右内壁面には矩形断面の嵌着溝13dが更に形成されている。
一方、前記切欠部13cに保持されるパッシブ型RFID20は、中心部に一端を有し、その一端から方形でかつ渦巻き状に数回巻き回されたアンテナと、同アンテナの前記一端に接続されたICチップとから構成される。このパッシブ型RFID20はエポキシ樹脂の固化により全体が封止され、図1に示すように方形板片に成形されている。本実施例にあっては、同方形板片状とされたパッシブ型RFID20は、更に低透磁率材料で成形された収容部材23に収容保持される。この収容部材23もまたエポキシ樹脂からなり、前記方形板片状のパッシブ型RFID20を上下から挟み込むようにして収容する第1及び第2の収容部23c,23dを有する上下に分割された第1及び第2の収容部材23a,23bからなる。
第1及び第2収容部材23a,23bを重ね合わせたときの外郭形状は、図2に示すとおり、横十文字断面を基調とし上記下板13の嵌着溝13dに嵌着する方形箱状を呈しており、その上面にはスライダー10の上面中央には前後に延びる上記第1リブ状突起13bと同一の断面形状をもつ第2のリブ状突起23eが突設されている。パッシブ型RFID20を収容保持した収容部材23が前記嵌着溝13cに嵌着されたとき、前記第2リブ状突起13の前端面(図2の奥行側)はスライダー胴体11の上記連結柱14から後口側に延びる前記第1リブ状突起13bの後端面(後口側端面)に密接する。第1及び第2収容部材23a,23bの合せ面に形成されるパッシブ型RFID20の第1及び第2の収容凹部23c,23dは、それぞれ前記パッシブ型RFID20を密嵌収容する方形板片状の凹陥部からなる。また、前記第1及び第2収容部材23a,23bの横十文字断面の短片部分23a−1,23b−1の突出肉厚は、図9に示すとおり前記下板13の嵌着溝13dの上下各内壁面と同下板13の上下面(第1,第2表面)との間の各肉厚に等しい。
第1及び第2の収容部材23a,23bは、その一方の収容部23c,23dにパッシブ型RFID20を密嵌したのち、他方の収容部材23b,23aの収容凹部23d,23cに密嵌させるようにして被せて重ね合わせ、接着剤又は溶着により固着一体化される。この一体化されて得られる収容部材23は、図8に示すようにしてスライダー10の下板13の嵌着溝13dに嵌着保持される。
なお、パッシブ型RFID20の封止材料及び収容部材23の材質は、上述のエポキシ樹脂に限らず、例えばポリエステル、ナイロン、ポリブチレンテレフタレートなどの他の樹脂材料を使ってもよいが、いずれにしても低透磁率の材質であることが必要である。
上記切欠部13aを形成して、パッシブ型RFID20の収容部材23の周面に密嵌して同収容部材23を保持する高透磁率性材料である亜鉛合金からなる下板13の一部に亜鉛合金が排除された不連続領域Rを形成したことにより、前記パッシブ型RFID20に向けてリーダー/ライターから電磁波を放射したとき、従来の切欠部をもたない下板と比較してパッシブ型RFID20に発生する誘導起電力の低下が大幅に抑止され、リーダー/ライターによる応答が円滑になされた。
図11は上記第2実施例におけるパッシブ型RFID20の収容部材の変形例を示している。この変形例では、上記第1及び第2収容部材23a,23bの凹陥部からなる第1及び第2の収容凹部23c,23dの周辺の密接面に、互いが密嵌できる枠状の突条部23fと密嵌溝23gが形成されている。突条部23f及び密嵌溝23gは、第1及び第2収容部材23a,23bの相手方に相対して形成すればよく、必ずしも図示例に限定されない。このように突条部23f及び密嵌溝23gを形成することにより、第1及び第2収容部材23a,23bを重ね合わせるとき、位置決めがしやすく、且つ両者を重ね合わせたあとで溶着固定すれば、防水性能も向上する。上記パッシブ型RFID20とリーダー/ライターとの間の応答性についても、上記第2実施例と同様に、パッシブ型RFID20との間でリーダー/ライターによる読取り及び書込みが何らの支障もなく円滑になされる。
図12及び図13は、上記第2実施例におけるパッシブ型RFID20の収容部材の更なる変形例を示している。この変形例によれば、第1及び第2収容部材23a,23bの凹陥部からなる第1及び第2の収容部23c,23dの周辺の密接面の間に枠状のシール材24を介装したものである。このようにシール材24を介装することにより防水が確実になされるようになり、パッシブ型RFID20が収容された第1及び第2の収容凹部23c,23dには水分の浸入が確実に防止される。この変形例にあっても、パッシブ型RFID20との間でリーダー/ライターによる読取り及び書込みが何らの支障もなく円滑になされる。
図14は、上記第2実施例におけるパッシブ型RFID20の収容部材の更なる変形例を示している。この変形例によれば、上記パッシブ型RFID20の収容部材23を左右対象に2分割している点で異なるものであり、その外郭形状及び収容凹部の形状に変更はない。この変形例にあっても、パッシブ型RFID20との間でリーダー/ライターによる読取り及び書込みが何らの支障もなく円滑になされる。
図15は上記第2実施例におけるパッシブ型RFID20の収容部材の更なる変形例を示している。この変形例では、パッシブ型RFID20を収容する収容部材23を射出成形によってパッシブ型RFID20に一体化させている。勿論、収容部材23は低透磁率材料である合成樹脂材料から構成される。この変形例にあっては、完全な防水性が確保されるとともに、パッシブ型RFID20との間でリーダー/ライターによる読取り及び書込みも何ら支障なく円滑に行うことができる。
図16及び図17は、本発明の第3実施例を示しており、パッシブ型RFID20を、上記第2実施例と同様にスライドファスナー用のスライダー10の下板13に装着保持している。この実施例にあっては、パッシブ型RFID20の収容部材23を円盤状に形成している。この実施例にあっても、パッシブ型RFID20を収容する収容部材23を射出成形によってパッシブ型RFID20を一体的に内蔵させている。一方、パッシブ型RFID20の保持部である前記下板13には、パッシブ型RFID20を装着保持するための円形の貫通孔13eと、同貫通孔13bに連通し下板13の上面(第1表面)から下面(第2表面)に貫通する切欠き13fとが形成されている。前記貫通孔13eが本発明の貫通部に相当する。
前記パッシブ型RFID20の円盤状収容部材23の肉厚(上下寸法)は、図17に示すように前記下板13の肉厚(上下寸法)に等しい。図示例では、前記収容部材23を円盤状であって、前記切欠き13fは空間の状態にあるが、前記パッシブ型RFID20を収容下状態で収容部材23を前記貫通孔13eに接着剤などを使って密嵌固定したあとで、下板13の上下表面と面一となるように前記切欠き13fに低透磁率材料である合成樹脂を埋め込んで固化させてもよい。この実施例にあっても、上記実施例1及び2と同様に、パッシブ型RFID20との間でリーダー/ライターによる読取り及び書込みも何ら支障なく円滑に行うことができる。
図18及び図19は、本発明の第4実施例を示しており、パッシブ型RFID20の保持部をスライドファスナー用スライダー10の引手取付柱15としている。この実施例にあっても、スライダー10は亜鉛合金からなり、上記第2及び第3実施例と同様に、上板12、下板13及び上下板12,13の肩口側端部を連結する連結柱14からなるスライダー胴体11と、上板12の上面前後端部に架設される門型の引手取付柱15と、同引手取付柱15に取り付けられ同取付柱15に沿って前後に回動する引手16とを有している。前記上下板12,13の左右端縁に沿って左右一対の上下フランジ12a,13aを有している。また、前記下板13の上面には前記連結柱15から後口に向けて図示せぬ左右のエレメント列を案内するための第1のリブ状突起13bが突設されている。
本実施例では、門型の前記引手取付柱15が中央部で前後に分割され、スライダー10の上板12の肩口側端部から立ち上がり屈曲して後口側に延びる前柱15aと、上板12の後口側端部から立ち上がり屈曲して肩口側に延びる後柱15bとからなる。前記前後柱15a,15bは、その対向端面間に所定の間隔がおかれており、前後柱15a,15bには前記上板12の上面に平行でかつ前後柱15a,15bに直交し左右に開口する第1及び第2の嵌着溝15c,15dが形成されている。また前後柱15a,15bの対向端部は、図19に示すように下方に膨出して上下肉厚を他の部分の肉厚よりも大きくしている。この実施例における前記前後柱15a,15bの対向端面間の空間が本発明の貫通部と切欠きに相当する。
一方、エポキシ樹脂により封入されているパッシブ型RFID20の収容部材23は、図19に示すとおり上記第2実施例と同様に上下に2分割された第1及び第2収容部材23a,23bから構成されている。この第1及び第2収容部材23a,23bの突き合せ面には、それぞれ前記パッシブ型RFID20の半部が密嵌する方形板状の第1及び第2の収容凹部23c,23dが形成されている。また、収容部材23の側面から見た断面形状は、図19に示すように横十文字状であり、前記第1及び第2収容部材23a,23bの短片部分23a−1,23b−1のうち下方の第2収容部材23bの短片部分23b−1の下端は、上記前後柱15a,15bの対向端部の下面膨出部分に連続する下方に膨らむ山形に形成されている。本実施例においても、図18に示すように、前記第1及び第2収容部材23a,23bの長片部分23a−2,23b−2が上記第1及び第2の嵌着溝15c,15dに接着剤や溶着により嵌挿固着される。
本実施例によっても、第1実施例にて述べた理由と同様の理由によって、パッシブ型RFID20としての機能が十分に発揮されることは当然である。また、それと同時にパッシブ型RFID20の収容部材23の下面と上記前後柱15a,15bの対向端部の下面とが下方に膨出する湾曲面を形成しているため、上記引手16を引っ張ったとき円滑に前後柱15a,15bの屈曲部へと導かれる。その結果、パッシブ型RFID20の収容部材23には引手16を引っ張ったときにも負荷がかからず、収容部材23の破損が防止される。
図20〜図25は、引手取付柱15をパッシブ型RFID20の保持部とする上記第3実施例の第1〜第6変形例を示している。これらの変形例にあっても、第3実施例と同様に、パッシブ型RFID20の機能が十分発揮され、リーダー/ライターとの交信が円滑になされる。
図20に示す第1変形例によれば、前述の第3実施例のように引手取付柱15を前後に分割せず、引手取付柱15の中央部に左右の第1及び第2表面を貫通する矩形状断面の貫通部15eを形成するとともに、その貫通部15eの下面に外部と連通しかつ第1及び第2表面を貫通する切欠き15fを形成している。一方、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、同図に示すように全体がT字型に形成され、その水平部分23eが引手取付柱15の前記貫通部15eに嵌挿されるとともに、その垂直部分23fが前記切欠き15fに嵌挿され、接着剤や溶着により固着一体化される。なお、本変形例では、前記収容部材23が左右の第1及び第2収容部材23a,23bに2分割されている。また、その突き合わせ面には、それぞれパッシブ型RFID20の半部を収容する第1及び第2収容凹部23c,23dが形成されている。
図21に示す第2変形例は、前記第1変形例と同様に引手取付柱15を前後に分割することなく、同引手取付柱15の中央部に下面膨出部分を残して左右に貫通すると同時に上面が開口する貫通溝15gを形成するとともに、同貫通溝15gの前後内壁面にも上面を開口させた一対の嵌着溝15hを形成している。貫通溝15gが本発明の貫通部と切欠きとに相当する。一方、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、同図に示すように、全体的には平面視で十文字状断面を呈して、前記第1及び第2収容部材23a,23bに前後に2分割され、その長片部分23a−2,23b−2が前記嵌着溝15hに嵌挿され、その短片部分23a−1,23b−1が前記貫通溝15gに嵌挿されて、接着剤や溶着により固着一体化される。
図22に示す第3変形例では、引手取付柱15の肩口側の立上り端部に、上記パッシブ型RFID20を収容した収容部材23の保持部が形成されている。この変形例による本発明の貫通部は、前記立上り端部の前後に貫通する矩形断面をもつ貫通孔15iであり、本発明の切欠きは同貫通孔15iの中央部を水平に貫通して横切る水平嵌着溝15jである。一方、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、左右に2分割された第1及び第2の収容部材23a,23bからなり、その突合せ面には前記パッシブ型RFID20の半部を収容する第1及び第2収容凹部23c,23dを有し全体が横十文字形状に形成されている。かかる形状の収容部材23が、パッシブ型RFID20の中心線が前記水平嵌着溝15jに沿って貫通するように、前述の形状をもつ収容部材23が貫通孔15iと水平嵌着溝15jに嵌挿されて、接着剤や溶着により固着一体化される。
図23は、上記第4の変形例を示し、この変形例にあっても、第3変形例と同様に、引手取付柱15の肩口側の立上り端部に、上記パッシブ型RFID20が収容された収容部材23の保持部を形成している。この変形例では、本発明の貫通部が前記引手取付柱15の立上り端部の左右に連通する円形断面をもつ貫通孔15iであり、本発明の切欠きが、前記貫通孔15iの全体にわたり連通するとともに、前記引手取付柱15の立上り端部の後面(図の手前側)に開口する水平嵌着溝15jである。一方、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、全体の外郭形状が円柱部分の周面の一部に軸線方向に平行な突条を有した形状を呈し、
その長さ方向に2分割されており、その第1及び第2収容部材23a,23bの突合せ面にはパッシブ型RFID20の半部を収容する第1及び第2の収容凹部23c,23dが形成されている。パッシブ型RFID20を収容した収容部材23が、引手取付柱15の前記貫通孔15iと水平嵌着溝15jに嵌挿されて、接着剤や溶着により固着一体化される。
図24に示す第5変形例は、前述の第4変形例と同様に、引手取付柱15の肩口側の立上り端部に、上記パッシブ型RFID20が収容された収容部材23の保持部を形成している。ただし、本変形例では引手取付柱15の前記立上り端部の前面にリング状の突片15kを前方に向けて突設している。この突片15kの一部に内外に連通する切欠き15lが形成され、前記リング状の突片15kの中央貫通孔15iが本発明の貫通部に相当する。一方、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20は、射出成形によって同じくエポキシ樹脂などからなる収容部材23に収容一体化される。この収容部材23は前記中央貫通孔15iに密嵌する円盤状に成形されている。また、その円盤状収容部材23の表裏面には鳥類などの適当な絵柄が凹設される。
図25に示す第6変形例は、引手取付柱15の肩口側の上記立上り端部とは反対側の後口側の端部に、上記パッシブ型RFID20が収容された収容部材23の保持部を形成している。すなわち、引手取付柱15は肩口側の立上り端部を基端とした片持ち状を呈し、後口側の端部に上板12の上面に沿って矩形断面をもつ盲孔15mを形成するとともに、引手取付柱15の前記盲孔15mを水平に横切って左右に貫通する密嵌溝15nを形成している。この密嵌溝15nが本発明の貫通部に相当し、この密嵌溝15n及び前記盲孔15mの前面(図25の手前側)に形成された開口部分が本発明の切欠きに相当する。一方、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23の全体の外郭形状は、図21に示した上記第3変形例と同様の形状と構造を有し、横十文字状に形成された前記密嵌溝15n及び前記盲孔15mの内部に密嵌されて、接着剤などにより固着一体化される。
図26及び図27は、本発明の第5実施例を示している。この実施例にあっても、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20がスライドファスナー用スライダー10に装着保持される。ただし、その保持部は同スライダー10の上下板12,13を連結する連結柱14である。この連結柱14は多角柱からなり、スライダー10の肩口側端部(前端部)において上下板12,13を連結する。この連結柱14の前端面に十文字状の嵌着溝14aが形成されている。ここで、前記嵌着溝14aの水平溝部14a−1は連結柱14の左右に貫通しており、垂直溝部14a−2は上下に端部を有している。
一方、上記パッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、左右に2分割された第1及び第2収容部材23a,23bからなり、その突合せ面に前記パッシブ型RFID20の半部を密嵌する第1及び第2収容凹部23a,23bが形成された全体が十文字形状を呈している。本実施例では、上記連結柱14の前端面に形成された連結柱14の水平溝部14a−1が本発明の貫通部に相当し、同水平溝部14a−1及び上記垂直溝部14a−2の前端側(図26の手前側)の開口部が本発明の切欠きに相当する。パッシブ型RFID20を収容した前記収容部材23は、連結柱14に形成された前記嵌着溝14aに密嵌されて接着剤などにより固着一体化される。
図28及び図29は、本発明の第6実施例を示している。この実施例にあっても、エポキシ樹脂にて封止成形されたパッシブ型RFID20がスライドファスナー用スライダー10に装着保持される。ただし、その保持部はスライダー10の上板12とその左右いずれかのフランジ12aである。図示例によれば、エポキシ樹脂にて方形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23は左右に2分割された第1及び第2収容部材23a,23bからなり、その突合せ面には前記パッシブ型RFID20の半部を収容する第1及び第2収容凹部23c,23dが形成されている。この収容部材23の全体形状は上面視で横十文字断面を有する密閉箱状を呈している。
一方、前記収容部材23を密嵌保持するスライダー10の上板12とその左右端部いずれかと、そのいずれかのフランジ12aの一部とにかけて、図28及び図29に示すように、上面視で横十文字の断面形状であり、フランジ12aの側面視で矩形をした切欠部12bが形成されている。ここで、前記切欠部12bのうちフランジ12aに形成された切欠部分12b−1が本発明の貫通部に相当し、同切欠部分12b−1及び上板12に形成されるT字状の貫通部分12b−2の上板上面に開口する開口部分が本発明の切欠きに相当する。
本実施例による上記構成により、エポキシ樹脂にて方形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する上記収容部材23が、図29に示すように、スライダー10の上板12に形成された上記切欠部12bに嵌着固定される。すなわち、収容部材23に収容されたパッシブ型RFID20は、その渦巻き状のアンテナの中央部は低透磁率材料であるエポキシ樹脂などの合成樹脂材料を介してのみ外部と連通して、高透磁率材料である金属が介在せず、同時にその周辺の金属の一部が上板12の上面に不連続領域Rを形成するため、上記第1実施例と同様、渦巻き状のアンテナの中央部を軸とする渦電流が発生せず、リーダー/ライターとの交信が円滑に行える。
図30は前述の第6実施例におけるパッシブ型RFID20に対する保持部の変形例を示している。この変形例によるパッシブ型RFID20に対する保持部は上記第5実施例のように上板12とそのフランジ12aの一部ではなく、その形成部位を上板12の左右いずれか一方のフランジ12aの連結柱14とは反対側の後口側の端部である。すなわち、上板12とその左右フランジ12aのうち一方の後口側の端部には後方(図面の手前側)に開口するとともに左右に開口する横十文字状の断面を有する収容部材嵌着溝12cが形成されている。この変形例にあって、前記収容部材嵌着溝12cの水平部分12c−1は左右と前面に開口しており、その後方の開口部分が本発明の切欠きに相当し、水平部分12c−1の左右に貫通する部分が本発明の貫通部に相当する。
一方、エポキシ樹脂にて方形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、上記第5実施例と同様に、左右に2分割された第1及び第2収容部材23a,23bからなり、その突合せ面には前記パッシブ型RFID20の半部を収容する第1及び第2収容凹部23c,23dが形成され、上記上板12とその左右フランジ12aのうち一方の後口側の端部に形成された収容部材嵌着溝12cに密嵌固定される。
図31は、本発明の第7実施例を示しており、上記パッシブ型RFID20の装着保持部をスライドファスナー用スライダーの引手16に形成している。この種の引手16の基端部側には、既述したとおりスライダー胴体11の上面に設けられた引手取付柱15が挿入され、前後に回動可能となる環部16aが形成されており、その環部16aの基端側は両端が前記引手取付柱15によって枢支される回動軸部16bを有している。
本実施例にあっては、前記環部16aの自由端部側の壁部に上記パッシブ型RFID20の装着保持部が形成されている。この保持部には、前記環部16aの内壁面と前記自由端部側の上下表面とにおいてそれぞれ開口し、前記内壁面から見た横断面が横十文字形状で自由端部側に延びる切欠部16cが形成されている。一方、エポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23の基本形状及び構造は、上記第2実施例と同じく前記切欠部16cに密嵌する十文字形状の箱体からなる。本実施例では、リーダー/ライターから引手16の上下方向に、前記切欠部16cに密嵌されたパッシブ型RFID20に向けて電磁波が放射される。この場合、前記切欠部16cの上下表面が開口する貫通領域が本発明の貫通部に相当し、同切欠部16cの内壁面の開口領域が本発明の切欠きに相当する。
図32は前述の第7実施例の変形例を示しており、この変形例ではエポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20の保持部が引手16の幅方向左右いずれかの側縁部に形成されている。すなわち、前記側縁部には、その側端面に開口するとともに上下表面に開口して反対側の側縁に向けて延び、上記第7実施例と同様の形状をもつ切欠部16cが形成されている。従って、一方のパッシブ型RFID20を収容する収容部材23もまた上記第7実施例と実質的に同一の形状と構造を有している。
図33は上記第7実施例の更なる変形例を示している。この変形例では、引手16の上記環部16aとは反対側の自由端部に円形の孔部16dが形成されるとともに、同円形孔部16aの内外に連通する切欠き16eが形成されている。この変形例における前記孔部16dが本発明の貫通部に相当する。エポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、射出成形によって前記パッシブ型RFID20を内蔵させて円盤状に一体に成形されている。この円盤状の収容部材23が引手16の前記孔部16dに密嵌され接着剤や溶着によって固着一体化される。
図34は、本発明の第8実施例を示している。この実施例では、エポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を金属製ボタン30に装着保持させている。このボタン30は、円盤状の本体31と同本体31の裏面である第2表面の中央に一体的に突出させたループ状の取付部32とから構成される。前記本体31をパッシブ型RFID20の保持部としている。この本体31の周縁部の一部に中心に向けて延びる切欠部31aが形成されている。この切欠部31aは、図32に示した切欠部16cと実質的に同一の形状を有しており、ボタン本体31の表裏面である第1及び第2表面に矩形状に開口するとともに、周面に横十文字状に開口している。従って、一方のパッシブ型RFID20を収容する収容部材23もまた、図32に示した引手16の変形例の収容部材23と全体の外郭形状と実質的に同じ外郭形状と構造を有している。なお、この実施例における収容部材23は、合成樹脂材料の射出により前記パッシブ型RFID20を内蔵して一体成形している。
図35は、本発明の第9実施例を示している。この実施例もエポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20をボタン33に装着保持させている。この実施例によるボタン33は、金属製の円筒状取付部34と、その円筒状取付部34の一端から放射状に直角に延在する円板状基部35と、同円板状基部35の全体を一体的に被覆する合成樹脂材料からなる被覆部材36とにより構成されている。パッシブ型RFID20の保持部は、前記円板状基部35の一部であり、同円板状基部35の表裏面である第1及び第2表面に貫通するとともに、周面に開口する矩形状の切欠部35aである。この切欠部35aに、前記パッシブ型RFID20を収容する収容部材23が嵌着固定される。この実施例では、前述のように収容部材23を切欠部35aに嵌着固定したのちに、上記被覆部材36を成形すると同時に同被覆部材36によって円板状基部35の全体を被覆するようにしている。
図36及び図37は、本発明の第10実施例を示している。この実施例では、金属製のスナップボタンの雌部材を構成する部材の一つであるアイレットに、エポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を保持させている。この種のスナップボタン40は、図37に示すように雄部材41と雌部材42とからなり、雄部材41は円板状のフランジ部41aと同フランジ部41aの中心から突出し先端に膨出頭部をもつ突部41bとを備えている。雌部材42は、中央に前記雄部材41の前記突部41bの膨出頭部が係脱する係脱孔部43aを有する縦断面がT字状のボタン本体43と、一部が同係脱孔部43aの内壁面から孔内に突出しているスプリング44と、一部が前記ボタン本体43のボス部43aに加締められてボタン本体43に取り付けられるアイレット45とを備えている。
本実施例における前記アイレット45は円板状の金属製の基部45aと同基部45aの中心から垂直に突出する金属製の円筒状取付部45bと、前記基部45aの周縁部に連続して一体に成形固着された低透磁率材料である合成樹脂製の被覆部材45cとを備えている。本実施例にあっては、前記基部45aの周縁部の一部を、上記RFID20を収容する収容部材23を密嵌保持する保持部としている。
この保持部は前記基部45aの周縁部の一部を周縁から中心部に向けて方形状に切除された切欠部46からなる。この切欠部45が本発明の貫通部と切欠きに相当する。一方の前記収容部材23は、図36に示すような方形箱型の第1及び第2収容部材23a,23bからなり、その各収容凹部23c,23dには上記RFID20の半部を収納して密閉される。こうして各収容凹部23c,23dにパッシブ型RFID20を収納した収容部材23がアイレット45の前記切欠部46に嵌着保持させる。この嵌着保持した状態で、上記合成樹脂製の被覆部材47が前記基部44aの周縁部と切欠部46に保持された収容部材23を被覆するように成形一体化される。
図38は、上記第10実施例における前記収容部材23の変形例を示している。この変形例によれば、収容部材23の第1及び第2収容部材23a,23bを単なる一面を開口させた箱体に形成せず、方形状の平板材の位置表面に上記パッシブ型RFID20の半部を収納方形状の枠部23c−1,23d−1を突設して形成し、これらの枠部23c−1,23d−1内に前記RFID20を収容したのち、枠部23c−1,23d−1同士を突き合わせて接着剤などにより固着する。このとき枠部23c−1,23d−1の周辺には第1及び第2収容部材23a,23bの平板部分との間に枠状の嵌合溝23−1が形成される。一方、上記切欠部46の横幅は前記枠部23c−1,23d−1の一辺の長さに等しく設定されており、同切欠部46が前記嵌合溝23−1が嵌合して保持される。すなわち、本変形例によれば、前記切欠部46に対するパッシブ型RFID20が確実に保持されることになる。
図39及び図40は、本発明の第11実施例を示している。この実施例では、エポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を収容する収容部材23の第1収容部材23aは円板からなり、その中央に貫通孔23a−3が形成されるとともに、同貫通孔23a−3と内外に連通するスリット23a−4が形成されている。前記貫通孔23a−3には、図40に示すように、上述の第10実施例と同様の構造を有するアイレット45の円筒状取付部45bが前記スリット23a−4を介して前記貫通孔23a−3に嵌着するとともに、アイレット45の基部45aの上面に密接する。この円筒状取付部45bの嵌着時には前記スリット23a−4を弾性変形させて、同スリット23a−4の開口幅を拡げて円筒状取付部45bを前記貫通孔23a−3に嵌着固定させる。また、前記第1収容部材23aの前記スリット23a−4とは前記貫通孔23a−3を挟んで反対側の第1収容部材23aの周縁部には樹脂により封止されたパッシブ型RFID20の半部を収容する方形状の枠部23a−5が形成されている。
一方の第2収容部材23bは、上記第10実施例の上記変形例と同様の構造を有しており、その枠部23d−1に前記パッシブ型RFID20の半部を収容し、前記第1収容部材23aの前記枠部23a−5と突き合わせて接着剤などにより固着一体化する。その結果、この収容部材23にも上記第10実施例と同様に、アイレット45の周縁部に形成されている上記切欠部46が嵌入する嵌合溝23−1が形成され、アイレット45の上記円筒状取付部45bを前記貫通孔23a−3に嵌着固定させると同時に、前記収容部材23がアイレット45の基部45aに保持されることになる。
図41及び図42は、本発明の第12実施例を示している。この実施例では、エポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を、金属製のベルトアジャスター50に装着保持させている例である。ベルトアジャスター50は一対の縦杆51aと一対の横杆51bとからなる矩形枠体51と、一対の前記縦杆51aの中央部の間を連結するベルト取付杆51cとから構成される。前記ベルトアジャスター51のベルト取付杆51cにはベルト52の一端が巻き付け固定され、ベルト52の長さを調節するには、図41に示すようにベルト52の他端部を一方の横杆51bとベルト取付杆51cとの間の空隙を通してベルト取付杆51cを跨ぎ、同ベルト取付杆51cと他方の横杆51bとの間の間隙をを潜らせて引き出し、そのベルト引出し量を調節することによりベルト52の締め具合を調節する。
本実施例にあっては、一対の前記横杆51bの一方に上記パッシブ型RFID20を装着して保持する。そのため、パッシブ型RFID20を装着保持する横杆51bの一部に切欠部53を形成している。この切欠部53は前記横杆51bの一部を所要の幅で切除し、その対向する各切除面53aに収容部材嵌着溝53bをそれぞれ形成している。一方、前記パッシブ型RFID20を収容する収容部材23は、前記横杆51bの切欠部53に密嵌される図31に示した収容部材23と実質的に同じ形状と構造とを有している。この実施例において、前記切欠部53が本発明の貫通部及び切欠きを構成する。
図43は、本発明の第13実施例を示している。この実施例では、矩形枠体からなるベルト取付環55の短辺部である縦杆55aの一部に、前述の第11実施例と同様の形状をもつ切欠部56が形成され、同切欠部56に同じく第11実施例と実質的に同一の形状と構造を有するパッシブ型RFID20を収容した収容部材23が密嵌固定される。
図44は、本発明の第14実施例を示している。この実施例では、金属製のナス環60の矩形状のベルト取付環部61にパッシブ型RFID20を装着して保持させている。なす環60は、前記取付環部61と、その取付環部61の長辺部である一対の第1及び第2横杆61a,61bの第1横杆61aを垂直軸周りを相対的に回転可能に連結されたフック部62とを有している。このフック部62の基端部には図示せぬ吊下げ物品が抜け落ちるのを防止するための抜止片63を枢支する支軸63aが取り付けられている。
前記フック部62を連結する上記第1横杆61aに相対して配された第2横杆61bに上記パッシブ型RFID20が装着保持される。このパッシブ型RFID20の保持部は図37と同様の切欠部64であり、同切欠部64は第2横杆61bの一部を所要の幅で切除し、その対向する各切除面64aにはベルト取付環部61の矩形状の中心線にて囲まれる平面に垂直な方向に見て同方向に延びる収容部材嵌着溝64bがそれぞれに形成されている。従って、一方のパッシブ型RFID20の収容部材23も、図37に示した収容部材23と実質的に同じ構造と形状を有し、前記切欠部64に嵌挿されて、接着剤などによって密嵌固着される。
図45は、本発明の第15実施例を示している。この実施例にあっては、パッシブ型RFID20に書き込まれた個人を含む各種の特定データが妄りに読み取られることのないような対策がなされている。上記第2実施例におけるスライドファスナー用スライダー10にあって、その下板13の下面に、同下板13に形成された切欠部13cを囲むようにしてU字状の遮蔽部材用嵌着溝17が形成されている。一方、この遮蔽部材用嵌着溝17に嵌着される遮蔽部材18は、高透磁率材料、例えば金属からなる図45に示す形態の小片からなる。すなわち、矩形板片18aの長手方向の一端が直角に屈曲されて屈曲片18bが形成され、その短辺方向の両縁部が前記屈曲片18aを含んで両縁に沿って切除して段部を介して薄肉縁部18cが形成されている。
前記薄肉縁部18cを前記遮蔽部材用嵌着溝17に嵌着することにより、遮蔽部材18が前記下板13の下面に取り付けられる。この遮蔽部材18の取付けにより、上記切欠部13cに嵌着固定されたパッシブ型RFID20を収容した収容部材23の下面が遮蔽部材により遮蔽されるとともに、下板13の切欠部13cが遮蔽部材18と連結されて連続する金属領域が形成されることになり、リーダー/ライターから送られる電磁波により前記遮蔽部材18中心を軸部としてその周りに渦電流が発生し、前記電磁波の磁束を打ち消すような反磁界の発生によって、パッシブ型RFID20の渦巻き状アンテナに発生する誘導起電力が大きく低下して、リーダー/ライターとの応答が不可能となる。
屈曲片18bは遮蔽部材18を嵌着溝17から抜き取るときの摘み部として用いる。
図46は上記第15実施例の変形例を示している。この変形例では、上記遮蔽部材用嵌着溝17を排除して、上述の遮蔽領域に粘着剤層19を介して遮蔽部材18を粘着させるものである。従って、この変形例による遮蔽部材18は単なる矩形板片でよく、その一表面には粘着剤層19が予め形成され、使用時まではその粘着剤層19の露呈面に剥離紙などが貼着される。この変形例は、任意の時点で意図的に個人データやその他の各種データの読み取りを不可能にすることができる点で有効である。
図47〜図50は、上述の第1〜第15実施例と原理的に異なる本発明の電磁誘導方式のパッシブ型RFID20を装着した各種物品の第16〜第18実施例を示している。
これらの図に示す物品によるパッシブ型RFID20と図示せぬリーダー/ライターとの間における応答性能を向上させる手段は、パッシブ型RFID20を保持する高透磁率材料、例えば金属に貫通部や切欠きを形成することをせずに、前記金属保持部とパッシブ型RFID20との間に電磁シールド部材、例えばファライト板片を介装して、パッシブ型RFID20の渦巻き状アンテナの中心部を通過した磁束を電磁シールド部材に吸収させて、パッシブ型RFID20の周囲に渦電流が発生しないようにするものである。
図47及び図48に示す第16実施例によれば、スライドファスナー用スライダー70の上板72に、エポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を一体に埋設した収容部材123に装着して保持させている。この収容部材123は、図47及び図48に示すように、方形状の薄板部123aと、同薄板部123aの一辺部に配され、その薄板部123aの両端部を残すとともに下面を前記薄板部123aの下面と面一として同薄板部123aから一部が延設する階段状ブロック片123bとを備えている。前記階段状ブロック片123bの上段部123b−1は前記薄板部123aの前記一辺部に臨んで存在し、その下段部123b−2は前記薄板部123aの前記一辺部から前方に延在している。これらの薄板部123a及び階段状ブロック片123bは、階段状ブロック片123bの内部に上記パッシブ型RFID20を内蔵させるようにして、射出成形によって一体に成形する。
一方、前記収容部材123を装着するスライダー70は、上板72、下板73及び上下板72,73の肩口側端部を連結する連結柱74からなるスライダー胴体71と、上板72の肩口側端部から垂直に立ち上がり、途中で水平に後方に延びたのち屈曲して、後口側端部の上板72の上面に向けて接近する引手取付柱75と、同引手取付柱75に取り付けられ同取付柱75に沿って回動自在な図示せぬ引手とを有している。前記上下板72,73の左右端縁に沿って上下に接近する左右一対のフランジ72a,73aが形成されている。また、前記下板73の上面には前記連結柱74から後口に向けて図示せぬ左右のエレメント列を案内するためのリブ状突起73bが突設されている。ここで、本明細書では前記連結柱74が設けられている肩口側を前部と言い、連結柱74の設けられていない後口側を後部と言う。また、連結柱74から前方に向かって左右の方向を左右と言う。
この実施例によれば、上記引手取付柱75は上述のように上板72の上面前端部から上方に起立し、途中で水平に屈曲して上板72の後端部上面に向けて屈曲して、その屈曲端面と上板72の後端部上面との間には所要の間隔をおいた片持ち式の取付柱である。また、前記上板72の後半部上面は板厚の1/2が逆T字状に切除されている。この逆T字状の切除部分の前端と前記引手取付柱75の立ち上がり端部の後端面との間にトンネル状のリブ状突起72bが突設されている。このリブ状突起72bの空洞部に圧縮スプリング76が挿入されている。前記逆T字状の切除部分にあって、その脚部部分72cの左右対向壁面には、上記収容部材123の薄板部123aの左右側縁を嵌挿案内する嵌挿溝72a−1,72a−1が形成されている。また、前記逆T字状の切除部分にあって、その左右腕部部分72dと前記嵌挿溝72a−1の嵌挿口との左右交差部には、前記収容部材123の階段状ブロック片123bの上段部123b−1と同一高さをもつ抜止め突起72e,72eが突設されている。
なお、同図中の符号81は本実施例における特徴部材である電磁シールド部材を示しており、フェライト等からなる矩形板片であって、本実施例にあっては上記収容部材123の下面の形状に略等しい矩形状を呈している。この電磁シールド部材81の上面に前記収容部材123を重ねた状態で、上記嵌挿溝72a−1,72a−1に嵌挿し、上記圧縮スプリング76の付勢に抗して上記リブ状突起72bの端面まで押し込む。このとき、同電磁シールド部材81と収容部材123の薄板部123aの各左右後端面が圧縮スプリング76の付勢によって上記抜止め突起72e,72eに衝接して容易には抜け出さないようになる。
こうして、電磁シールド部材81と収容部材123とが上板73の上面にセットされると、収容部材123の上記上段部123b−1の上面が、上記引手取付柱75の屈曲端面に対向する位置に位置決めされる。すなわち、図示せぬ引手を引手取付柱75に通すときは、電磁シールド部材81と収容部材123とを前記上板72から取り外しておき、引手を引手取付柱75に通したのちに、上述のようにして電磁シールド部材81と収容部材123とを上板73の上記逆T字状の脚部部分72cにセットする。このセット後は、引手の抜け出しが前記上段部123b−1により阻止されることになる。
この実施例にあっては、パッシブ型RFID20の渦巻き状アンテナの中心部を通過した磁束は電磁シールド部材81に吸収されて、パッシブ型RFID20の周囲に渦電流が発生しないようになり、リーダー/ライターとの交信に支障を来すことがない。
図49に示す第17実施例によれば、ボタン85にエポキシ樹脂などにより矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を埋設した収容部材223に装着して保持させている。この実施例におけるボタン85も、図35に示したボタンと基本構造は同じであり、円形フランジ部86aと同円形フランジ部86aの下面中央から下方にと突出する円筒状取付部86bからなるT字状断面を有する金属製のボタン本体86と、前記円形フランジ部86aの上面と下面周縁部とを囲むようにして同フランジ部86aを被覆して一体に成形された合成樹脂製の被覆部材87とを有している。本実施例にあっては、前記収容部材223と前記円形フランジ部86aとの間に、本発明の特徴部材である電磁シールト部材81が介装されている。前記収容部材223と電磁シールト部材81とは、前記被覆部材87の成形時に同被覆部材87の成形と同時に一体化される。この実施例にあっても、上記第15実施例と同様に、電磁シールト部材81により磁束を吸収させて円形フランジ部86aに渦電流が発生しないようにしている。
図50に示す第18実施例では、同じくボタン本体90を被服などの生地91に取り付けら前記タック89に、エポキシ樹脂などによって矩形板状に封止成形されたパッシブ型RFID20を埋設した収容部材223に装着して保持させている。この実施例にあっても、前記パッシブ型RFID20は収容部材223の成形と同時に、その内部に埋設一体化されている。
前記タック89は金属材料からなり、円形フランジ部89aと同円形フランジ部89aの中心部から起立する突刺し頭部を有する柱部89bとを有している。本実施例では前記円形フランジ部89aの柱部89bが起立していない側の表面中央部に円形の凹陥部89a−1を形成し、そこに円形皿状の電磁シールト部材92を嵌着させるととも、その底面中央部に上記パッシブ型RFID20を埋設した収容部材223を接着剤などにより固着保持させている。このボタン88にあっても、金属製の円形フランジ部89aとパッシブ型RFID20との間に電磁シールド部材81を介装しているため、パッシブ型RFID20の渦巻き状アンテナの中心部を通過した磁束を電磁シールド部材81が吸収して、パッシブ型RFID20の周囲に渦電流を発生させないようにしている。その結果、パッシブ型RFID20のアンテナに生じる誘導起電力を低下させることがなくなり、リーダーライターとの交信が円滑になされる。
[図1]本発明の第1実施例による金属製試験片の半部を模式的に示す斜視図である。
[図2]一般的な形状の金属製試験片の半部を模式的に示す斜視図である。
[図3]図1に示す試験片の表面を流れる誘起電流の向きと部位を示す平面図である。
[図4]図2に示す試験片の表面を流れる誘起電流の向きと部位を示す平面図である。
[図5]一周期の電磁波による図1及び図2に示すA点における上下方向(Z軸方向)の磁束密度の変化を示す説明図である。
[図6]本発明の第2実施例を示すパッシブ型RFIDを装着保持するスライドファスナー用スライダーの分解斜視図である。
[図7]同実施例によるパッシブ型RFIDの収容部材を示す斜視図である。
[図8]同収容部材の装着保持形態を示すスライダーの下板後端部の部分斜視図である。
[図9]図10のIX−IX線に沿った矢視断面図である。
[図10]図9のX−X線に沿った矢視断面図である。
[図11]上記パッシブ型RFIDを内蔵する収容部材の変形例を示す横断面図である。
[図12]前記パッシブ型RFIDを内蔵する収容部材の他の変形例を示す分解斜視図である。
[図13]前記パッシブ型RFIDを内蔵する収容部材の更なる変形例を示す横断面図である。
[図14]前記パッシブ型RFIDを内蔵する収容部材の更なる変形例を示す横断面図である。
[図15]前記パッシブ型RFIDを内蔵する収容部材の更なる変形例を示す一部破断した斜視図である。
[図16]本発明の第3実施例を示すパッシブ型RFIDを装着保持するスライドファスナー用スライダーを斜め下方から見たの分解斜視図である。
[図17]同スライダーの縦断面図である。
[図18]本発明の第4実施例を示すパッシブ型RFIDを装着保持するスライドファスナー用スライダーの分解斜視図である。
[図19]同スライダーの縦断面図である。
[図20]同スライダーの引手取付柱の変形例を示す部分分解図である。
[図21]同引手取付柱の他の変形例を示す部分分解図である。
[図22]同引手取付柱の更なる変形例を示すスライダーの分解斜視図である。
[図23]同引手取付柱の更なる変形例を示す部分分解斜視図である。
[図24]同引手取付柱の更なる変形例を示す部分分解斜視図である。
[図25]同引手取付柱の更なる変形例を示す部分分解斜視図である。
[図26]本発明の第5実施例を示すパッシブ型RFIDを装着保持するスライドファスナー用スライダーを斜め前方から見た分解斜視図である。
[図27]前記パッシブ型RFIDの装着部を含む横断面図である。
[図28]本発明の第6実施例を示すパッシブ型RFIDを装着保持するスライドファスナー用スライダーを斜め上方から見た分解斜視図である。
[図29]同パッシブ型RFIDの装着部を含む横断面図である。
[図30]同実施例の変形例を示すスライダー胴体の後口側から見た部分分解斜視図である。
[図31]本発明の第7実施例を示すパッシブ型RFIDを装着保持するスライドファスナー用スライダーの引手の分解斜視図である。
[図32]同引手の変形例を示す分解斜視図である。
[図33]上記収容部の一部を切開して示す引手の他の変形例の分解斜視図である。
[図34]本発明の第8実施例を示すパッシブ型RFIDを装着保持するボタンを斜め下から見た分解斜視図である。
[図35]本発明の第9実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するボタンの一部を切開して示す斜め上方から見た分解斜視図である。
[図36]本発明の第10実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するボタンのアイレットの一部を切開して示す斜め上方から見た分解斜視図である。
[図37]同アイレットを用いたスナップボタンの雄雌部材の断面図である。
[図38]同第10実施例の変形例の要部を部分的に示す分解斜視図である。
[図39]本発明の第11実施例を示すボタンに装着保持されるパッシブ型RFIDの収容部材を示す斜め下方から見た分解斜視図である。
[図40]同収容部材が装着されたアイレットの一部を破断して示す上面図である。
[図41]本発明の第12実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するベルトアジャスターの分解斜視図である。
[図42]同アジャスターの使用状態を示す断面図である。
[図43]本発明の第13実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するベルト取付環の分解斜視図である。
[図44]本発明の第14実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するナス環の一部を切開した正面図である。
[図45]本発明の第15実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するスライダーの下板の後口側の下方から見た部分分解斜視図である。
[図46]同実施例の変形例を示すパッシブ型RFIDの装着部を含む横断面図である。
[図47]本発明の第16実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するスライダーの分解斜視図である。
[図48]同スライダーの縦断面図である。
[図49]本発明の第17実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するボタンの縦断面図である。
[図50]本発明の第18実施例であるパッシブ型RFIDを装着保持するボタンの縦断面図である。
符号の説明
10 スライダー
11 スライダー胴体
12 上板
12a 上フランジ
12b 切欠部
12b−1 切欠部分
12b−2 (T字状の)貫通部分
12c 収容部材嵌着溝
12c−1 水平部分
13 下板
13a 下フランジ
13b リブ状突起
13c 切欠部
13d 嵌着溝
13e 貫通孔
13f 切欠き
14 連結柱
14a 嵌着溝
14a−1 水平溝部
14a−2 垂直溝部
15 引手取付柱
15a,15b 前後柱
15c,15d 第1及び第2の嵌着溝
15e 貫通部
15f 切欠き
15g 貫通溝
15h 嵌着溝
15i 貫通孔
15j 水平嵌着溝
15k リング状の突片
15l 切欠き
15m 盲孔
15n 密嵌溝
16 引手
16a 環部
16b 回動軸部
16c 切欠部
16d 円形孔部
16e 切欠き
17 遮蔽部材用嵌着溝
18 遮蔽部材
18a 矩形板材
18b 屈曲片
18c 薄肉縁部
19 粘着剤層
20 パッシブ型RFID
23 収容部材
23a,23b 第1及び第2収容部材
23a−1,23b−1 短片部分
23a−2,23b−2 長片部分
23a−3 貫通孔
23a−4 スリット
23a−5 枠部
23c,23d (第1及び第2の)収容凹部
23d−1 枠部
23e リブ状突条
23f 突条部
23g 密嵌溝
23h 水平部分
23i 垂直部分
24 シール部材
30,33 ボタン
31 ボタン本体
31a 切欠部
32,34 取付部
35 円板状基部
35a 切欠部
36 被覆部
40 スナップボタン
41 雄部材
41a 円板状フランジ部
41b 突部
42 雌部材
43 ボタン本体
43a 係脱孔部
43b ボス部
44 スプリング
45 アイレット
45a 基部
45b 円筒状取付部
46 切欠部
47 被覆部材
50 ベルトアジャスター
51 矩形枠体
51a 縦杆
51b 横杆
51c ベルト取付杆
52 ベルト
53 切欠部
53a 切除面
53b 収容部材嵌着溝
55 ベルト取付環
56 切欠部
60 ナス環
61 ベルト取付環部
61a,61b 第1及び第2横杆
62 フック部
63 抜止め杆
63a 支軸
64 切欠部
64a 切除面
64b 収容部材嵌着溝
70 スライダー
72 上板
72a,73a フランジ
72a−1 嵌挿溝
72b,73b リブ状突起
72c 脚部部分
72d 腕部部分
72e 抜止め突起
73 下板
74 連結柱
75 引手取付柱
76 圧縮スプリング
81,92 電磁シールド部材
85 ボタン
86 ボタン本体
86a 円形フランジ部
86b 円筒状取付部
87 被覆部材
89 タック
89a 円形フランジ部
89a−1 凹陥部
89b 柱部
90 ボタン本体
91 生地
100,200 試験片
101,201 盲孔
102,103;202,203 上下壁部
104,204 貫通孔
105 切欠部(切欠き)
123,223 収容部材
123a 薄板部
123b 階段状ブロック片
123b−1 上段部

Claims (13)

  1. 第1及び第2の表裏面を有する高透磁率材料からなる保持部を備え、低透磁率材料にて実装された無線ICタグ(20)を前記保持部に装着したファスニング製品であって、
    前記保持部が第1及び第2の表裏面間を貫通する貫通部を有し、
    前記第1及び第2の表裏面間にまたがる切欠きによって、前記貫通部が外部に開放され、
    この切欠きにより前記貫通部周辺の前記保持部に不連続領域(R) が形成され、
    少なくとも前記貫通部に、前記無線ICタグ(20)が前記低透磁率材料とともに密接保持され、
    てなることを特徴とする無線ICタグ付きのファスニング製品
  2. 前記無線ICタグ(20)へ向けて放射した搬送波に伴う磁束の軸と、同磁束とは逆向きの磁束であって、前記貫通部と前記切欠きの周辺を流れる渦電流により生じる磁束の軸とが前記第1表面及び第2表面に対して位置がずれてなる請求の範囲第1項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  3. 前記無線ICタグ(20)は低透磁率材料から成形された収容部材(23)の内部に収容され、同収容部材は第1収容部材(23a) と第2収容部材(23b) とからなり、第1収容部材(23a) と第2収容部材(23b) とが無線ICタグ(20)を挟み込んで実装してなる請求の範囲第1項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  4. 前記ファスニング製品がスライドファスナーであり、
    前記無線ICタグ(20)の上記保持部が前記スライドファスナーのスライダー(10)である請求の範囲第3項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  5. 前記スライダー(10)は、上板(12)と、下板(13)と、上板(12)と下板(13)とを連結する連結柱(14)とを有し、前記下板(13)の端縁に前記貫通部と前記切欠きとが設けられてなる請求の範囲第4項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  6. 前記スライダー(10)は、引手(16)と、引手(16)を取り付けるための引手取付柱(15)とを有し、同引手取付柱(15)は前記スライダーの前後に分割された前柱(15a) と後柱(15b) とからなり、前柱(15a) と後柱(15b) との対向端面間に前記貫通部と前記切欠きとが設けられてなる請求の範囲第4項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  7. 前記ファスニング製品がスライドファスナーであり、
    前記無線ICタグ(20)の上記保持部が前記スライドファスナーの引手(16)である請求の範囲第3項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  8. 前記ファスニング製品がボタン(30)であり、
    前記無線ICタグ(20)の上記保持部が前記ボタン(30)の本体(31)である請求の範囲第3項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  9. 前記ファスニング製品がボタン(33,40) であり、ボタンは円盤状の基部(35,45a)と、基部の周縁部に一体に固着された被覆部材(47)とを有し、前記基部(35,45a)の周縁部に前記貫通部と前記切欠きとが設けられてなる請求の範囲第3項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  10. 前記ファスニング製品がボタン(40)であり、
    前記無線ICタグ(20)の上記保持部が前記ボタンのアイレット(45)である請求の範囲第3項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  11. 前記無線ICタグ(20)が真贋判定用のデータを有してなる請求の範囲第1項又は第2項に記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  12. 前記無線ICタグ(20)が物流管理用のデータを有してなる請求の範囲第1項又は第2項に記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
  13. 高透磁率材料からなる上記保持部にあって、外部のリーダー/ライターとの送受信面に上記貫通部を遮蔽して交信を遮断する高透磁率材料からなる遮蔽部材(18)が取り付けられてなる請求の範囲第1項記載の無線ICタグ付きのファスニング製品
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