JP4321894B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性、耐破壊性を低下させることなく、低発熱性となるゴム組成物をタイヤトレッド部に使用することにより低燃費となる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りタイヤ、特に、トラック・バス用等の重荷重用空気入りタイヤは、走行することにより、特にトレッド部へ配置されたゴム組成物に大きな歪振幅が繰り返し加えられ、タイヤ温度が上昇すると共に、路面からの入力が大きく、タイヤ寿命を著しく低下させていた。すなわち、走行することによる発熱、摩耗、破壊特性(ティアー性)がシビアであるといった特徴がある。
これに対して、▲1▼低発熱性と耐摩耗性の両立、▲2▼低発熱性と耐ティアー性の両立といったことが検討されており、例えば、トレッド部へ配置するゴム組成物に配合するカーボンブラック等の量、種類を変更したりしていたが、実際には全体の要求特性のバランスを考えて性能の妥協点でゴム組成物の配合を設定せざるを得なかった。
【0003】
例えば、特開昭60−23409号公報では、特に乗用車用タイヤを目的として、分子末端を特殊な化合物で変性したスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を使用して、低発熱性とする方法が開示されている。
しかしながら、この方法は、溶液重合SBRには適用できるが、これ以外のゴム、特に重車両用タイヤに最も広く使用されている天然ゴムや、一般的に溶液重合SBRよりも高温破壊特性に優れている乳化重合SBRには全く応用できなかった。
【0004】
本願出願人は、天然ゴムに対して、特定のヒドラジド化合物を配合して低発熱性を維持しながらムーニー粘度増加を抑制して作業性を向上することができるゴム組成物及びこれをタイヤトレッド部に用いた空気入りタイヤを出願している(WO98/44040公報)。
【0005】
しかしながら、この公報に開示されるゴム組成物は、老化防止特性に優れると共に、低発熱性を維持しながらムーニー粘度増加を抑制して作業性を向上するものあるが、更なる低発熱性と耐摩耗性、耐ティア性とを両立したゴム組成物をタイヤトレッド部に使用してなる空気入りタイヤが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の課題等を解消しようとするものであり、耐摩耗性、耐破壊性と、低発熱性とを両立したゴム組成物をタイヤトレッド部に使用することにより低燃費となる空気入りタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記ゴム発熱改良剤等として優れる特定のヒドラジド化合物群について種々検討すると共に、更に重荷重用に必要な各種要件を解明することにより、上記目的のゴム組成物をタイヤトレッド部に使用した空気入りタイヤを得ることに成功し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 天然ゴム及びポリブタジエンの割合が重量比で65/35〜40/60となるゴム成分100重量部に対し、下記一般式(I)で表わされる化合物質から選択される少なくとも1種を0.05〜5重量部配合すると共に、前記ゴム成分100重量部中には、末端変性ポリブタジエンが1〜60重量部配合してなるゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
【化3】
Figure 0004321894
(2) 天然ゴム及びポリブタジエンの割合が重量比で65/35〜40/60となるゴム成分100重量部に対し、下記一般式(II)で表わされる化合物質から選択される少なくとも1種を0.05〜5重量部配合すると共に、前記ゴム成分100重量部中には、末端変性ポリブタジエンが1〜60重量部配合してなるゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
【化4】
Figure 0004321894
(3) 前記ゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜150m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80〜140ml/100gであるカーボンブラックが30〜60重量部配合される上記(1)又は(2)記載の空気入りタイヤ。
(4) 前記ゴム成分100重量部に対し、シランカップリング剤が0.05〜5重量部配合される上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
(5) 前記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物質が3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド及び3−ヒドロキシ−N´−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジドから選択される少なくとも1種である上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の空気入りタイヤは、天然ゴム及びポリブタジエンの割合が重量比で65/35〜40/60となるゴム成分100重量部に対し、下記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物質から選択される少なくとも1種を0.05〜5重量部配合すると共に、前記ゴム成分100重量部中には、末端変性ポリブタジエンが1〜60重量部配合してなるゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とするものである。
【化5】
Figure 0004321894
【化6】
Figure 0004321894
【0009】
本発明で用いる上記一般式(I)又は(II)で表わされる化学物質は、ゴム組成物の低発熱性化を維持しながら耐摩耗性、耐ティア性を有するものであり、その作用機構は化学物質の配合によりゴムポリマーとの反応性を低下させ、かつ、カーボンブラックとの反応性を維持向上させる機能を有するものである。
前記一般式(I)で表わされる化学物質の内で、好ましくは、一般式(I)中のAが芳香族環、Xが下記式
【化7】
Figure 0004321894
ヒドロキシ基、アミノ基より選んだ少なくとも1種であり、R1〜R4は、水素及び炭素数1〜18からなる直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族環(それぞれ同じでも、異なっていてもよい)より選択された化学物質の少なくとも1種であることが望ましい。
【0010】
上記一般式(I)で表わされる具体的な化学物質としては、例えば、N2,N4−ジ(1−メチルエチリデン)イソフタル酸ジヒドラジド、N2,N4−ジ(1−メチルプロピリデン)イソフタル酸ジヒドラジド、N2,N4−ジ(1,3−ジメチルブチリデン)イソフタル酸ジヒドラジド、N′−(1−メチルエチリデン)サリチル酸ヒドラジド、N′−(1−メチルプロピリデン)サリチル酸ヒドラジド、N′−(1−メチルブチリデン)サリチル酸ヒドラジド、N′−(1,3−ジメチルブチリデン)サリチル酸ヒドラジド、N′−(2−フリルメチレン)サリチル酸ヒドラジド等が挙げられ、
また、一般式(II)で表わされる具体的な化学物質としては、例えば、1−ヒドロキシ−N′−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N′−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N′−(1−メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N′−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N′−(2−フリルメチレン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N′−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N′−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N′−(1−メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N′−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N′−(2−フリルメチレン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N′−(1,2−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド等が挙げられる。
これらの一般式(I)又は(II)で表される化学物質は、原料となる3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド等と、アセトン、メチルイソブチルケトン等とを加温して反応させることにより容易に合成することができる。
【0011】
好ましい前記一般式(I)及び(II)で表される化学物質は、合成の容易性及びコスト面と得られる低発熱化効果から、3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド及び3−ヒドロキシ−N´−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジドヒドラジドであり、更に好ましくは、3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジドが望ましい。
【0012】
上記一般式(I)又は(II)で表わされる化学物質は、単独又は2種以上を併用することができ、これらはゴム成分100重量部に対し、0.05〜5重量部の範囲で用いられ、好ましくは、0.1〜3.0重量部である。
上記0.05〜5重量部の配合量範囲とすることにより、発熱特性(tanδ)、耐摩耗性を変えずに初期の伸び(Original Eb)及び老化後の伸び(Aged Eb)を改良することができ、例えば、Eb、耐摩耗性を同等にし、発熱性(tanδ)を大幅に改良することや、Eb、tanδを同等で耐摩耗性を大幅に改良するといったことが可能とすることができる。
上記化合物質が0.05重量部未満では、ほとんど伸び改良が見られず、5重量部を越えると、未加硫ゴムの粘度上昇を生じ、加工性が悪化し、好ましくない。
【0013】
本発明で用いるゴム成分は、天然ゴム(NR)及びポリブタジエン(BR)の割合が重量比で65/35〜40/60からなるものであり、好ましくは、60/40〜50/50となるものが望ましい。
上記配合範囲のゴム成分を使用することにより、例えば、Eb、耐摩耗性を同等にしてtanδを大幅に改良することができる。
上記NR/BRの割合が重量比で65/35未満であると、耐摩耗性が低下となり、また、40/60を越えると、加工性悪化、Aged Ebの劣化となり、好ましくない。
【0014】
本発明で用いるポリブタジエン(BR)は、特に限定されるものでないが、例えば、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエンなどが挙げられるが、好ましくは、末端変性ポリブタジエンが望ましい。
使用できる末端変性ポリブタジエンは、例えば、tributyl-tin Li initiator使用のtin compound terminatorの両末端変性されたものや、HMI−Snを開始剤として調製される両末端変性されたものが挙げられる。
この末端変性ポリブタジエンをゴム成分に用いることにより、より低ロス(低発熱性)効果を発揮せしめることができる。
この末端変性ポリブタジエンは、ゴム成分100重量部中には、1〜60重量部、好ましくは、35〜50重量部配合されることが望ましい。
末端変性ポリブタジエンの配合量が1重量部未満であると、効果が少なく、更に耐摩耗性を向上させることができず、また、60重量部を越えると、加工性悪化、並びにAged Ebが低下しすぎることとなり、好ましくない。
【0015】
また、本発明で用いるカーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜150m2 /gで、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80〜150ml/100gの特性を有するものが使用でき、好ましくは、窒素吸着比表面積が90〜130m2 /gで、かつDBPが90〜140ml/100gであるものが望ましい。
カーボンブラックのN2 SAが80未満、DBPが80未満では発熱性の改良効果が少ない。また、N2 SA>150、DBP>140では未加硫ゴム粘度が上昇し作業性が悪くなる。
上記特性のカーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して、30〜60重量部であり、好ましくは、40〜55重量部である。カーボンブラックの配合量が30重量部未満であると、耐摩耗、カット等の要求性能を満足せず、また、60重量部超過では、発熱性が悪化し、前記化学物質による改良効果も小さくなり、好ましくない。
【0016】
本発明には、上記補強充填材となるカーボンブラックの他、シリカ、タルクなどの充填材を更に配合することができる。
上記シリカなどの充填材の配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して、1〜30重量部であり、好ましくは、3〜10重量部である。
配合量が1重量部未満であると、更に抗破壊性を向上することができず、また、30重量部超過では、耐摩耗性低下となり、好ましくない。
【0017】
上記シリカを使用した場合は、シランカップリング剤の併用が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して、0.05〜5重量部であり、好ましくは、0.5〜3重量部である。
配合量が0.05重量部未満であると、低ロス効果があまりなく、また、5重量部超過では、コストが大幅にアップ及び抗破壊性低下となり、好ましくない。
【0018】
本発明では、これら以外にもゴム工業で通常使用されている加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、ワックス類、酸化防止剤等の添加剤を配合することもできる。
【0019】
本発明では、上記配合割合となるゴム成分、カーボンブラック、上記式(I)又は(II)で表わされる化学物質等をロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって空気入りタイヤのレッドゴム組成物として好適に使用され、常法により該ゴム組成物をトレッド部、好ましくは、図1に示す分割された表層部のトレッド部に用いることにより空気入りタイヤを作製することができる。
【0020】
このように構成される本発明では、天然ゴム及びポリブタジエン、好ましくは末端変性ポリブタジエンの割合が上記重量比の範囲となるゴム成分に対し、上記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物質から選択される少なくとも1種を特定量配合することにより、耐摩耗性、耐破壊性と、低発熱性とを両立したゴム組成物となるので、該ゴム組成物をタイヤトレッド部に使用することにより低燃費となる空気入りタイヤが提供されることとなる。
特に、末端変性ポリブタジエンを用いる場合は、低ロス効果が大きいが、老化後の伸び(Aged Eb)が悪化するものである。本発明では、この欠点を初期の伸び(Original Eb)をやや改良し、かつ、老化後の伸び(Aged Eb)を大幅に改良する上記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物質を配合(併用)することにより、老化後の伸び(Aged Eb)等を同等にして低燃費となる空気入りタイヤが提供されることとなる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例、比較例に基づいて更に詳しく説明するが、下記実施例のみに限定されるものではない。
【0022】
〔実施例1〜5、比較例1〜6〕
下記表1に示す配合処方(重量部)にてゴム組成物を調製した。タイヤサイズ11R225のタイヤを作製し、表1の各々のゴム組成物を図1に示す分割された表層部のトレッド部(トレッド部材)に適用した。なお、下層のトレッド部(トレッド部材)は、実施例1〜5及び比較例1〜6とも同一のゴム組成物を使用した。
得られた夫々のゴム組成物について、Original Eb、Aged Eb、耐摩耗性、tanδ、作業性(ML1+4)を、タイヤについては耐摩耗性について下記評価方法にて評価した。これらの結果を下記表1に示す。
【0023】
〔Original Eb(初期の伸び)の評価〕
JIS K 6301に従って、3号の試験片にて引張試験を行い、伸びを測定し、コントロール(比較例1 化学物質無添加)の値を100とし、指数で表示した。指数の値が大きいほど、耐破壊特性の効果が大きいことになる。
〔Aged Eb(老化後の伸び)の評価〕
ギアーオーブンで100℃、24Hhrsの条件で老化させた後の伸びを上記Original Ebと同様にして測定し、コントロール(比較例1 化学物質無添加)の値を100とし、指数で表示した。指数の値が大きいほど、老化後の耐破壊特性の効果が大きいことになる。
【0024】
(耐摩耗性の評価)
耐摩耗性は、2000時間走行後のタイヤにおけるトレッドゴムを下記式
走行距離/(走行前溝深さ−走行前溝深さ)
により算出し、コントロール(比較例1 化学物質無添加)の値を100とし、指数で表示した。指数の値が大きいほど、耐摩耗性の改良効果が大きいことになる。
【0025】
(tanδの評価)
周波数50Hz、25℃の条件により、2%歪み振幅のtanδを求め、コントロール(比較例1 化学物質無添加)の値を100とし、指数で表示した。指数の値が低いほど、低発熱性の改良効果が大きいことになる。
【0026】
(作業性の評価、ムーニー粘度ML1 + 4
JIS K 6300−1974に準拠して、ムーニー粘度ML1 + 4 (130℃)を測定し、コントロール(比較例1 化学物質無添加)の値を100とし、指数で表示した。指数の値が小さいほど、作業性の改良効果が大きいことになる。
【0027】
【表1】
Figure 0004321894
【0028】
上記表1中の使用した*1〜*8のBR、末端変性BR、カーボンブラックの特性などは下記のとおりである。
*1:ハイ−シス1,4−ポリブタジエン(JSR BR01)
*2:両末端変性ポリブタジエン(Tributyl-tin Li initiator開始剤使用)
*3:カーボンブラック,N121(N2SA=125,DBP=132)
*4:カーボンブラック,HS−HAF(N2SA=90,DBP=140)
*5:KBE−846(信越化学)
*6:日石エオレジン B−100(日石化学)
*7:3−ヒドロキシーN´−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド
*8:N-Cyclonexyl-2-Bennzothiazyl-l-sulfe-Namide Accel CZ−R(川口化学工業)
【0029】
(表1の考察)
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5は、本発明範囲外となる比較例1〜6に較べ、摩耗特性及びEbが同等で大幅な低発熱を有する配合が設定できるようになり、また、Eb、発熱性が同等で耐摩耗を向上する配合設定も同様に可能となった。更に、タイヤの発熱低減により大幅に燃費向上できることが判明した。
個別的にみると、比較例1(コントロール)は、発熱改良剤を何等添加しないものである。比較例2及び3は本発明の化学物質〔3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド〕を使用したものであるが、比較例2では配合量が少ないため、Eb、tanδが悪化することが判り、比較例3では、配合量が多いため、tanδが大幅に悪化することが判る。比較例4〜6は、本発明の化学物質〔3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド〕を使用しないものであり、他の成分である末端変性BR、カ−ボンブラックを変えても、目的の空気入りタイヤが得られないことが判る。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、耐摩耗性及び破壊特性が同等で大幅な低発熱性を有する配合が設定でき、また、破壊特性、低発熱性が同等で耐摩耗性を向上する配合設定も同様に可能となる空気入りタイヤとすることができるので、タイヤの発熱低減により大幅に燃費向上した空気入りタイヤが提供される。
また今までの低燃費タイヤは、トレッドゴムの耐ティアー性が悪かったため、サイプなどの量、形状に制限があったが、本発明により構造設計の自由度が更に向上できる空気入りタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気入りタイヤの一例を示す部分縦断面図を示し、(A)は本発明の特徴である分割された表層部を有するトレッド部を示す。

Claims (5)

  1. 天然ゴム及びポリブタジエンの割合が重量比で65/35〜40/60となるゴム成分100重量部に対し、下記一般式(I)で表わされる化合物質から選択される少なくとも1種を0.05〜5重量部配合すると共に、前記ゴム成分100重量部中には、末端変性ポリブタジエンが1〜60重量部配合してなるゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
    Figure 0004321894
  2. 天然ゴム及びポリブタジエンの割合が重量比で65/35〜40/60となるゴム成分100重量部に対し、下記一般式(II)で表わされる化合物質から選択される少なくとも1種を0.05〜5重量部配合すると共に、前記ゴム成分100重量部中には、末端変性ポリブタジエンが1〜60重量部配合してなるゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
    Figure 0004321894
  3. 前記ゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜150m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80〜140ml/100gであるカーボンブラックが30〜60重量部配合される請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴム成分100重量部に対し、シランカップリング剤が0.05〜5重量部配合される請求項1〜3の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物質が3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N´−(1,3−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド及び3−ヒドロキシ−N´−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジドから選択される少なくとも1種である請求項1〜4の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
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