JP4320834B2 - 部品整列移送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランダムな部品を一個づつ整列して搬送する部品整列移送装置に関する。
【0002】
図6に示すように従来の部品整列移送装置は、整列部Aから整列された部品が搬送部Bに送られてきても、搬送部Bのシュートが下ガイド(搬送面)と上ガイド及び両側ガイドから構成されていて、シュートは水平の状態にされ、シュートが振動することによりシュート上の部品が搬送されるものであるので、部品が柔らかい弾性でできており、形状的にも細い、例えばOリングで、線径r/内径Rが0.1以下のものにおいては、シュート上にOリングが引っかかり送れなくなって後から送られてくるOリングが前のOリングと接触し、後のOリングが前のOリングを押すとOリングの形状が変形し、両側ガイドに接触したり、上下ガイドに挟まれたりしてOリングがシュート上に詰まってしまい、送れなくなってしまうという問題があった。
【0003】
また従来は、シュートのみ振動しエスケープCは固定であり、エスケープCに部品を送り込む時に後の部品で前の部品を押すことができず、途中で部品が止まってしまいエスケープC上の所定の位置に送られず機械が停止するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記の課題に鑑みて、柔らかい弾性体でできた部品で、線径/内径が0.1以下のOリングのような部品でも搬送部で引っかからず、確実に部品をエスケープに供給することのできる部品整列移送装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された部品整列移送装置を提供する。
請求項1に記載された部品整列移送装置においては、シュートの搬送面(従来の下ガイド)を、物品を整列部に戻す戻し部側が下方になるように、かつ物品の搬送方向に直交する方向に水平から傾斜し、傾斜した搬送面の上側面に位置する上ガイドを取り除くことにより、後から送られ追いついた部品が前の部品の上に乗ると、シュートの搬送面が傾斜しているため、上に乗った部品は傾斜に沿って落下することにより、シュート上に部品が引っかかることが無くなり、かつシュート上から落下した部品を自動的に整列部に戻すことができるようになる。
また物品の搬送方向に沿ってシュートに隣接して配置されたエスケープが、シュートと同じ傾斜状態から部品を排出する水平状態に回動できるように、ヒンジピンによってシュートと一体化されていて、シュートの振動がエスケープに伝達されることにより、シュート上の部品がエスケープ上で所定の位置まで確実に移動するようになる。更に、エスケープからの部品の取り出しが容易になる。
【0006】
請求項2に記載の部品整列移送装置では、前記請求項1の装置による効果に加えて、エスケープに吸引部を設けることにより、エスケープ上に来た部品を吸引部の吸引力で所定の位置に素早く確実に位置決めすることができる。
【0007】
更にまた請求項3に記載の部品整列移送装置では、シュートとエスケープを共に振動させたときには、シュートとエスケープとの衝突を防止するため大きな隙間が必要であり、部品が隙間に嵌まり込むという問題があったが、シュートとエスケープの間でシュートもしくはエスケープの端部にスペーサを取付けることにより、シュートとエスケープ間の隙間を小さくし、しかもシュートとエスケープを振動させることができるようになる。
更に請求項4に記載の部品整列移送装置においては、傾斜したシュートの搬送面の下方端部に沿って設けたガイドの高さを、ほぼ部品の厚さとすることにより、重なって搬送される部品のうち上に乗った部品を確実に戻し部に落下させることができ、整列部に回収される。
また請求項5に記載の部品整列移送装置は、移送される部品が、柔らかい弾性を有する素材でできた、線径r/内径Rが0.1以下のOリングであることを規定したものであり、本発明は、このような部品であっても搬送部で引っかかることもなく確実に部品をエスケープに供給することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態である部品整列移送装置を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の部品整列移送装置の全体の概要図である。部品整列移送装置1は、整列部3、搬送部4、エスケープ5及び戻し部10とから構成され、これらはベース2上に載置されている。
【0009】
整列部3は、例えば振動式部品供給装置であるボールフィーダであり、これは、すり鉢状の形をした容器の内周面に螺旋状で内側に傾斜した整列送路が設けられており、容器下部に設置した振動発生部の振動により、容器内の部品は、下方からこの整列送路上を部品の重なりを排除して一列に整列しながら、上方へと振動搬送されるものである。
【0010】
搬送部4は、同じく振動式部品供給装置であるリニアフィーダを使用しており、整列部3で整列した部品を所定位置まで搬送する。搬送部4は、部品を乗せて搬送するシュート6と、該シュート6を振動させる振動発生部7aとより構成されている。本発明においては、図2のようにシュート6はその搬送面61(下ガイド)が水平から、例えば45°に傾斜して振動発生部7aに取り付けられている。また従来のシュート6は、搬送面61(下ガイド)と上ガイド及び両側ガイドから構成されていたが、本発明では、上ガイドが取り除かれたシュート6を使用している。更に必要に応じて、傾斜したシュート6の上方端部に沿う側ガイドを取り除いてもよく、また下方端部に沿う側ガイド62もその高さを、部品の厚さとほぼ等しい高さとすることにより、重なった部品のうち上に乗った部品を確実に排除できる。
【0011】
エスケープ5は、搬送部4で搬送された部品を一個づつ分離している。このエスケープ5には、吸引部8が設けられており、エスケープ5上の部品を所定の位置に確実に保持するようにしている。更にこのエスケープ5には、図3に示すようにシリンダ機構11が設けられており、エスケープ5をシュート6と同じ傾斜状態から部品を排出する水平状態に回動して変えることができる。
図4に示すように、搬送部4とエスケープ5とは、例えばテフロン(商品名、ポリテトラフルオロエチレン)製の平ワッシャ形状をしたスペーサ9を介してヒンジピン12により一体化している。これにより搬送部4の振動がエスケープ5に伝達される。なお、このヒンジピン12は、エスケープ5の回動軸にもなっている。
【0012】
戻し部10は、搬送部4に沿って設けられており、シュート6から落下した部品を整列部3に搬送する。戻し部10は、搬送部4と同様の振動式部品供給装置であるリニアフィーダを利用しており、振動発生部7bからの振動により部品を振動搬送している。この搬送部4と戻し部10は、部品の進み方向が逆になるように振動発生部7a,7bのそれぞれの振動機の方向を逆に配置している。
【0013】
次に本発明の部品整列移送装置の作動を説明する。
まず、整列部3に供給された部品は、整列部3で整列され一列になって搬送部4に供給される。搬送部4に供給された部品は、部品を一個づつ分離して、図示されていない部品組付け手段(例えばロボットハンド等)でチャックし易くするためのエスケープ5まで搬送される。この搬送では部品はシュート6が振動発生部7aの振動により振動することで、部品はシュート6の搬送面61上を送られて行く。
【0014】
このシュート6の搬送面61が水平面から、例えば45°、傾斜しており、搬送面の下側には、部品の厚みと同じ高さのガイド62が設けられていることにより、搬送面上に直接乗っている部品はシュート6上を確実に送られるが、部品の上に乗った部品はこのガイドを乗り越えてシュート6の下の戻し部10に落下し、シュート6上で部品が重なるという問題が無く確実に一個づつ送られるようになる。従来の搬送部4で引っかかっていた上ガイドと下ガイド(搬送面)のうち上ガイドを取り除き、更に両サイドに設けられていた両側ガイドのうち傾斜した上側の側ガイドを取り除くことにより、部品がガイドに挟まれて詰まってしまうことがなくなり、一層改善される。
【0015】
シュート6の端まで送られた部品は、エスケープ5の部品受け部がシュート6の傾斜角度と同じ角度に位置決めされた時に、シュート6及びエスケープ5の振動により、エスケープ5の部品受け部の所定位置まで送られるようになる。この時、エスケープ5が振動すること及び吸引部8で部品を吸引することにより、部品は素速くしかも確実にエスケープ5上の所定の取出位置に送られる。エスケープ5上の部品が所定位置に入ったことをセンサで確認して振動による送りを停止すると同時に、シリンダ機構11のシリンダロッドの後退によりエスケープ5がヒンジピン12を回動軸にして回動し、傾斜状態から水平状態に変えられて停止する。エスケープ5上の水平状態の部品は、部品組付け手段(例えばロボットハンド等)でチャックされ取り出される。部品がエスケープ5から取り出されると、シリンダロッドが前進し、エスケープ5が反転(逆回動)し搬送面と同じ傾斜状態になったときに停止し、振動発生部7aがオンされて部品を送り込み、以下この動作が繰り返えされる。なお、エスケープ5を傾斜状態から水平状態に変えるのは、部品の取り出しを容易にするためである。
【0016】
シュート6から上ガイドや一方の側ガイドを取り除き搬送面61を傾斜させたことにより、シュート6上で重なった部品はシュート6の下に落下し、シュート6の下に設けた戻し部10で受けて、戻し部の振動により戻し部10内の部品は整列部3に戻される。整列部3に戻された部品は他の部品と一緒に整列されて搬送部4、エスケープ5へと送られるようになり、部品はすべて整列され組付けられるようになる。
なお、シュート6とエスケープ5の間にスペーサ9を介在させて一体化することにより、シュートとエスケープとの隙間を小さくでき、しかも振動発生部7aでエスケープ5をも振動させることができ、部品の搬送を迅速にスムーズにかつ異音の発生もなく行うことができる。
【0017】
図5は、本発明の部品整列移送装置に好適な部品の一例であるOリングを示したものである。本発明の部品整列移送装置によれば、柔らかい弾性体でできた部品で、線径r/内径Rが0.1以下のOリングのような部品でも、搬送部で引っかかることもなく確実に部品をエスケープに供給することができる。ここでr/Rとは、Oリングの腰の強さを表わす1つの目安であり、従来の整列で行えるものと不具合が多発する物の境界としての判断基準として使用しているものである。
しかしながら、本発明では、Oリング以外軟弱部品として、ゴム材質のシール部品(パッキン、インシュレータ等)にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である部品整列移送装置の全体の概要図である。
【図2】本発明の部品整列移送装置の搬送部の側面図である。
【図3】本発明の部品整列移送装置のエスケープの側面図である。
【図4】本発明の部品整列移送装置の搬送部とエスケープとの接続構造を示す部分拡大図である。
【図5】搬送される部品の一例であるOリングの平面図である。
【図6】従来の部品整列移送装置の全体の概要図である。
【符号の説明】
1…部品整列移送装置
2…ベース
3…整列部
4…搬送部
5…エスケープ
6…シュート
7a,7b…振動発生部
8…吸引部
9…スペーサ
10…戻し部
11…シリンダ機構
12…ヒンジピン
Claims (5)
- 少なくともベースと、部品を整列する整列部と、該整列部で整列した部品を所定位置まで搬送する搬送部と、該搬送部で搬送された部品を一個づつ分離するエスケープとからなる部品整列移送装置において、
前記搬送部がその上に部品を乗せて搬送するシュートと、該シュートを振動させる振動発生部とからなり、
前記シュートの搬送面が、物品を前記整列部に戻す戻し部側が下方になるように、かつ物品の搬送方向に直交する方向に水平から傾斜して前記振動発生部に取り付けられると共に、傾斜した前記搬送面の上側面に位置する上ガイドが取り除かれ、
更に、物品の搬送方向に沿って前記シュートに隣接して配置された前記エスケープが、前記シュートと同じ傾斜状態から部品を排出する水平状態に回動できるように、ヒンジピンによって前記シュートの端面と一体化されていて、前記シュートの振動が前記エスケープに伝達されることを特徴とする部品整列移送装置。 - 前記エスケープに吸引部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の部品整列移送装置。
- 前記エスケープまたは前記シュートの端部にスペーサを取り付け、前記エスケープと前記シュートとが前記スペーサを介して前記ヒンジピンにより一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品整列移送装置。
- 傾斜した前記シュートの搬送面の下方端部に沿って部品の厚さとほぼ等しい高さのガイドを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の部品整列移送装置。
- 前記部品が、柔らかい弾性を有する素材でできた、線径r/内径Rが0.1以下のOリングであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品整列移送装置。
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