JP4320320B2 - キャリッジアセンブリの組立方法および組立装置 - Google Patents
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Description
この従来方法では、各々のキャリッジアーム10の先端にサスペンション12を位置合わせして取り付けた後、スペーサ孔12bの内径寸法よりも直径が若干大径に形成された金属ボール20を、サスペンション12のスペーサ孔12bに通過させることにより、サスペンション12をキャリッジアーム10にかしめて固定している。22は金属ボール20を押圧してスペーサ孔12bを通過させるための加圧シャフトである。
録媒体の表面からの浮上量がばらつくことになる。
特許文献1記載のキャリッジアセンブリの組立方法は、超音波ホーン32を用いて、金属ボール20をスペーサ孔12bを通過させるようにしたことを特徴とする。金属ボール20は前述のキャリッジアセンブリの組立方法で使用している金属ボール20と同じものである。図6では、隣接するキャリッジアーム10の間に間隙保持板36を挿入し、キャリッジアーム10の両端面に与圧板37a、37bを当接して、キャリッジアーム10を両側から挟んで支持した状態で組み立てている状態を示す。
このため、キャリッジアームにサスペンションを取り付ける際のスペーサ部の変形を、より小さくすることのできる、キャリッジアセンブリの組立方法が希求されているという課題がある。
すなわち、磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールを、押圧部材で押圧してスペーサ孔を通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法において、前記押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ超音波振動を印加することで、押圧部材を、所定平面内の2次元的な運動軌跡で振動させて、前記ボールを、自転運動させつつスペーサ孔を通過させることを特徴とする。
これによれば、押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ超音波振動を印加することで、押圧部材に、所定平面内で所定軌跡の曲線運動をさせることができる。従って、従来方法では押圧方向(スペーサ孔の軸線方向)にのみ振動する押圧部材(超音波ホーン)によりボールを押圧していたためにボールはほとんど自転されなかったのに対し、本請求項1に係る発明においては、ボールを押圧する押圧部材は、2次元的な運動軌跡を描きつつボールに当接するから、ボールを、自転運動させつつスペーサ孔を通過させることができる。本願発明者は、これにより、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、押圧部材がボールに当接する際の運動の方向が一定となるから、ボールを、一定方向に自転運動させつつスペーサ孔を通過させることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、2軸方向から印加する各超音波振動の周波数を互いに等しく設定する単純な構成を採用できる。
これによれば、ボールに、前記押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からなくなり、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
すなわち、磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法に用いられるキャリッジアセンブリの組立装置において、押圧部材と、該押圧部材が前記ボールを押圧して前記スペーサ孔を通過させるよう、押圧部材を移動させる駆動装置と、前記スペーサ孔を通過する前記ボールを自転させるべく、前記押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ超音波振動を印加することで、押圧部材を所定平面内の2次元的な運動軌跡で振動させる超音波発振手段とを備えることを特徴とする。
これによれば、押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ超音波振動を印加することで、押圧部材に、所定平面内で所定軌跡の曲線運動をさせることができる。従って、従来方法では押圧方向(スペーサ孔の軸線方向)にのみ振動する押圧部材(超音波ホーン)によりボールを押圧していたためにボールはほとんど自転されなかったのに対し、本請求項5に係る発明においては、ボールを押圧する押圧部材は、2次元的な運動軌跡を描きつつボールに当接するから、ボールを、自転運動させつつスペーサ孔を通過させることができる。本願発明者は、これにより、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、押圧部材がボールに当接する際の運動の方向が一定となるから、ボールを、一定方向に自転運動させつつスペーサ孔を通過させることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、2軸方向から印加する各超音波振動の周波数を互いに等しく設定する単純な構成を採用できる。
これによれば、ボールに、前記押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からなくなり、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
なお、金属ボール20は、スペーサ孔12bの内径寸法よりも直径が若干大径に形成されている。
すなわち、超音波ホーン40は、第一超音波発振装置42および第二超音波発振装置44により、前記押圧方向と押圧方向に直交する方向との2軸方向から超音波振動を印加される。これにより、超音波ホーン40は、前記押圧方向に平行な面内の運動軌跡で振動する。
図2に示す例においては、第一超音波発振装置42および第二超音波発振装置44による超音波振動の変位量の範囲を−1〜1(振幅が2)で表した場合、超音波ホーンのX軸およびY軸の変位量はそれぞれ、X=sin(2πft)、Y=cos(2πft)の式で表される(fは超音波振動の周波数(単位:Hz)であり、tは経過時間(単位:秒)である)。
これによれば、超音波ホーン40は、図1の矢印および図2に示すように、前記押圧方向に平行な面内で円状の運動軌跡で振動される。
図1は、キャリッジアセンブリの組立装置Aを用いて、金属ボール20をサスペンション12のスペーサ孔12bに通してサスペンション12をキャリッジアーム10にかしめて固定する動作を示している。
なお、本願発明者は、この理由として、従来方法では金属ボール20とかしめ部13との間には静止摩擦が掛かるのに対し、本実施の形態に係る方法では、金属ボール20とかしめ部13との間に、自転運動による、静止摩擦よりも小さな動摩擦が掛かるためと推測している。
金属ボール20を一定方向に自転運動させつつスペーサ孔12bを通過させることによれば、さらに、金属ボール20がスペーサ孔12bを通過する際にスペーサ部12aに無理な力が掛からず、スペーサ部12aの変形が小さくなることを見出した。
10 キャリッジアーム
10a 嵌合孔
12 サスペンション
12a スペーサ部
12b スペーサ孔
13 かしめ部
14 磁気ヘッド
16 フレキシブル基板
20 金属ボール(ボール)
36 間隙保持板
37a,37b 与圧板
40 超音波ホーン(押圧部材)
42 第一超音波発振装置(超音波発振手段)
44 第二超音波発振装置(超音波発振手段)
46 駆動装置
Claims (8)
- 磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、
直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールを、押圧部材で押圧してスペーサ孔を通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ超音波振動を印加することで、押圧部材を、所定平面内の2次元的な運動軌跡で振動させて、前記ボールを、自転運動させつつスペーサ孔を通過させることを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。 - 前記押圧部材に対し2軸方向から、それぞれ所定周波数の整数倍の周波数の超音波振動を印加することで、前記ボールを、一定方向に自転運動させつつスペーサ孔を通過させることを特徴とする請求項1記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
- 前記超音波振動による前記押圧部材の運動軌跡が、円または楕円であることを特徴とする請求項2記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
- 前記押圧部材に、前記ボールに対する押圧方向と該押圧方向に直交する方向との2軸方向から超音波振動を印加することで、押圧部材を、該押圧方向に平行な面内の運動軌跡で振動させて、前記ボールに、該押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
- 磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、
直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法に用いられるキャリッジアセンブリの組立装置において、
押圧部材と、
該押圧部材が前記ボールを押圧して前記スペーサ孔を通過させるよう、押圧部材を移動させる駆動装置と、
前記スペーサ孔を通過する前記ボールを自転させるべく、前記押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ超音波振動を印加することで、押圧部材を所定平面内の2次元的な運動軌跡で振動させる超音波発振手段とを備えることを特徴とするキャリッジアセンブリの組立装置。 - 前記超音波発振手段は、前記押圧部材に対し2軸方向から、それぞれ所定周波数の整数倍の周波数の超音波振動を印加することで、前記ボールを、一定方向に自転運動させつつスペーサ孔を通過させることを特徴とする請求項5記載のキャリッジアセンブリの組立装置。
- 前記超音波発振手段の超音波振動による前記押圧部材の運動軌跡が、円または楕円であることを特徴とする請求項6記載のキャリッジアセンブリの組立装置。
- 前記超音波発振手段は、前記押圧部材に、前記ボールに対する押圧方向と該押圧方向に直交する方向との2軸方向から超音波振動を印加することで、押圧部材を、該押圧方向に平行な面内の運動軌跡で振動させて、前記ボールに、該押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせることを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれか一項記載のキャリッジアセンブリの組立装置。
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