JP4382033B2 - キャリッジアセンブリの組立方法および組立装置 - Google Patents
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Description
この従来方法では、各々のキャリッジアーム10の先端にサスペンション12を位置合わせして取り付けた後、スペーサ孔12bの内径寸法よりも直径が若干大径に形成された金属ボール20を、サスペンション12のスペーサ孔12bに通過させることにより、サスペンション12をキャリッジアーム10にかしめて固定している。22は金属ボール20を押圧してスペーサ孔12bを通過させるための加圧シャフトである。
録媒体の表面からの浮上量がばらつくことになる。
特許文献1記載のキャリッジアセンブリの組立方法は、超音波ホーン32を用いて、金属ボール20をスペーサ孔12bを通過させるようにしたことを特徴とする。金属ボール20は前述のキャリッジアセンブリの組立方法で使用している金属ボール20と同じものである。図8では、隣接するキャリッジアーム10の間に間隙保持板36を挿入し、キャリッジアーム10の両端面に与圧板37a、37bを当接して、キャリッジアーム10を両側から挟んで支持した状態で組み立てている状態を示す。
しかしながら、前記超音波振動を用いた従来のキャリッジアセンブリの組立方法においては、スペーサ部のかしめ(変形)状態のばらつきが大きい、すなわちスペーサ部のかしめ(変形)状態が過大となったり過小となったりするという課題がある。
これにより、かしめが強い、すなわちスペーサ部の変形が大きいときには、スペーサ部の平坦度が劣化してサスペンションが基準角度から傾く問題が生じ、逆にかしめが弱すぎるときには、キャリッジアームに対してサスペンションが安定的に固定されずにがたつくなどの問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、従来方法に比較して、キャリッジアームにサスペンションを取り付ける際のスペーサ部のかしめ(変形)状態のばらつきを小さく抑えることが可能なキャリッジアセンブリの組立方法、およびそれに用いられる組立装置を提供することにある。
すなわち、磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法において、前記ボールを二つの押圧部材により前記スペーサ孔の両側から押圧して挟持し、二つの押圧部材に超音波振動を印加しつつ、ボールをスペーサ孔に通過させるように二つの押圧部材を移動させる際に、前記二つの押圧部材を、前記スペーサ孔の中心軸線に対して対称に偏位させて、スペーサ孔を通過する前記ボールに当接させることで、該ボールを自転させることを特徴とする。
これによれば、二つの押圧部材が、スペーサ孔の中心軸線に対して対称に偏位されてボールに当接してボールを押圧するから、ボールに対して押圧部材の押圧力による偶力が作用して、ボールが自転する。本願発明者は、これにより、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ所定周波数の整数倍の超音波振動を印加することで、押圧部材に、所定平面内で所定軌跡の曲線運動をさせることができる。また、押圧部材は、所定周期で同じ軌道上を繰り返し運動するから、押圧部材がボールに当接する際の運動の方向が一定となる。従って、ボールを、一定方向に自転運動させつつスペーサ孔を通過させることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、2軸方向から印加する各超音波振動の周波数を互いに等しく設定する単純な構成を採用できる。
これによれば、ボールに、前記押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からなくなり、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
すなわち、磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法に用いられるキャリッジアセンブリの組立装置において、前記ボールを前記スペーサ孔の両側から押圧して挟持可能であるとともに、挟持したボールをスペーサ孔に通過させるように、移動可能に設けられた二つの押圧部材と、該二つの押圧部材に超音波振動を印加可能な超音波発振手段とを備え、前記二つの押圧部材は、前記スペーサ孔を通過する前記ボールを自転させるべく、スペーサ孔の中心軸線に対して対称に偏位して該ボールに当接するよう設けられていることを特徴とする。
これによれば、二つの押圧部材が、スペーサ孔の中心軸線に対して対称に偏位されてボールに当接してボールを押圧するから、ボールに対して押圧部材の押圧力による偶力が作用して、ボールが自転する。本願発明者は、これにより、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、押圧部材に対し2軸方向からそれぞれ所定周波数の整数倍の超音波振動を印加することで、押圧部材に、所定平面内で所定軌跡の曲線運動をさせることができる。また、押圧部材は、所定周期で同じ軌道上を繰り返し運動するから、押圧部材がボールに当接する際の運動の方向が一定となる。従って、ボールを、一定方向に自転運動させつつスペーサ孔を通過させることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からず、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
これによれば、2軸方向から印加する各超音波振動の周波数を互いに等しく設定する単純な構成を採用できる。
これによれば、ボールに、前記押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせることができる。本願発明者は、これによりさらに、ボールがスペーサ孔を通過する際にスペーサ部に無理な力が掛からなくなり、スペーサ部の変形が小さくなることを見出した。
なお、金属ボール20は、スペーサ孔12bの内径寸法よりも直径が若干大径に形成されている。
駆動装置44a,44bは、共通の制御部に制御されて互いに協働して、超音波ホーン40a,40bを駆動可能に設けられる。具体的には、駆動装置44a,44bは、超音波ホーン40a,40bを、スペーサ孔12bにその両側から挿入するよう移動させて、超音波ホーン40a,40bにより、金属ボール20をスペーサ孔12bの両側から押圧して挟持させる移動制御を行うことができる。さらに、超音波ホーン40a,40b間に金属ボール20を挟持させたまま、金属ボール20をスペーサ孔12bに通過させるよう、超音波ホーン40a,40bを移動制御することができる。
図1は、キャリッジアセンブリの組立装置を用いて、金属ボール20をサスペンション12のスペーサ孔12bに通してサスペンション12をキャリッジアーム10にかしめて固定する動作を示している。
すなわち、まず、金属ボール20を、スペーサ孔12bに位置あわせして、スペーサ孔12bの片側に配する。続いて、駆動装置44a,44bにより、超音波ホーン40a,40bを、スペーサ孔12bにその両側から挿入するよう移動させ、超音波ホーン40a,40bにより、スペーサ孔12bの片側に配された金属ボール20をスペーサ孔12bの両側から押圧して挟持させる。さらに、超音波ホーン40a,40b間に金属ボール20を挟持させたまま、金属ボール20をスペーサ孔12bに通過させるよう、駆動装置44a,44bにより超音波ホーン40a,40bを移動制御する。この際、超音波発振装置42a,42bを駆動して、超音波ホーン40a,40bに対し超音波振動を印加しつつ、金属ボール20をスペーサ孔12bに通過させる。
これに対し、本実施例1に係るキャリッジアセンブリの組立方法においては、金属ボール20を、二つの押圧部材(超音波ホーン40a,40b)によりスペーサ孔12bの両側から押圧して挟持しているから、金属ボール20のスペーサ孔12bへの入り込みが浅いときでも金属ボール20が暴れることがなく挙動が安定し、したがって、スペーサ部12aのかしめ(変形)状態のばらつきを小さく抑えることができる。
なお、本実施例2において、実施例1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
本願発明者は、金属ボール20が自転運動することにより、金属ボール20がスペーサ孔12bを通過する際にスペーサ部12aに無理な力が掛からず、スペーサ部12aの変形が小さくなることを見出した。スペーサ部12aの変形が小さくなることにより、磁気ヘッドの浮上量のばらつきを抑えることができる。なお、本願発明者は、この理由として、従来方法では金属ボール20とかしめ部13との間には静止摩擦が掛かるのに対し、本実施例2に係る方法では、金属ボール20とかしめ部13との間に、自転運動による、静止摩擦よりも小さな動摩擦が掛かるためと推測している。
なお、本実施例3において、実施例1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
すなわち、超音波ホーン40aは、二つの超音波発振装置42aおよび43aにより、前記押圧方向と押圧方向に直交する方向との2軸方向から超音波振動を印加される。これにより、超音波ホーン40aは、前記押圧方向に平行な面内の運動軌跡で振動する。
なお、もう一つの超音波ホーン40bに対しても、同様の構成により、超音波発振装置42b,43bが、押圧方向と押圧方向に直交する方向との2軸方向から超音波振動を印加するよう設けられる。
図4に示す例においては、超音波発振装置42a,42bおよび超音波発振装置43a,43bによる超音波振動の変位量の範囲を−1〜1(振幅が2)で表した場合、超音波ホーン40a,40bのX軸およびY軸の変位量はそれぞれ、X=sin(2πft)、Y=cos(2πft)の式で表される(fは超音波振動の周波数(単位:Hz)であり、tは経過時間(単位:秒)である)。
これによれば、超音波ホーン40a,40bは、図1の矢印および図4に示すように、前記押圧方向に平行な面内で円状の運動軌跡で振動される。
本願発明者は、前述の実施例2と同様、金属ボール20が自転運動することにより、金属ボール20がスペーサ孔12bを通過する際にスペーサ部12aに無理な力が掛からず、スペーサ部12aの変形が小さくなることを見出した。スペーサ部12aの変形が小さくなることにより、磁気ヘッドの浮上量のばらつきを抑えることができる。
10a 嵌合孔
12 サスペンション
12a スペーサ部
12b スペーサ孔
13 かしめ部
14 磁気ヘッド
16 フレキシブル基板
20 金属ボール(ボール)
36 間隙保持板
37a,37b 与圧板
40a,40b,41a,41b 超音波ホーン(押圧部材)
42a,42b,43a,43b 超音波発振装置(超音波発振手段)
44a,44b 駆動装置
Claims (8)
- 磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、
直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールを二つの押圧部材により前記スペーサ孔の両側から押圧して挟持し、二つの押圧部材に超音波振動を印加しつつ、ボールをスペーサ孔に通過させるように二つの押圧部材を移動させる際に、前記二つの押圧部材を、前記スペーサ孔の中心軸線に対して対称に偏位させて、スペーサ孔を通過する前記ボールに当接させることで、該ボールを自転させることを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。 - 磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、
直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールを二つの押圧部材により前記スペーサ孔の両側から押圧して挟持し、二つの押圧部材に超音波振動を印加しつつ、ボールをスペーサ孔に通過させるように二つの押圧部材を移動させる際に、前記押圧部材に対し2軸方向から、それぞれ所定周波数の整数倍の超音波振動を印加することで、押圧部材を所定平面内の2次元的な運動軌跡で振動させて、前記スペーサ孔を通過する前記ボールを自転させることを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。 - 前記超音波振動による前記押圧部材の運動軌跡が、円または楕円であることを特徴とする請求項2記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
- 前記押圧部材に、前記ボールに対する押圧方向と該押圧方向に直交する方向との2軸方向から超音波振動を印加することで、押圧部材を、該押圧方向に平行な面内の運動軌跡で振動させて、前記ボールに、該押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせることを特徴とする請求項2または3記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
- 磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、
直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法に用いられるキャリッジアセンブリの組立装置において、
前記ボールを前記スペーサ孔の両側から押圧して挟持可能であるとともに、挟持したボールをスペーサ孔に通過させるように、移動可能に設けられた二つの押圧部材と、
該二つの押圧部材に超音波振動を印加可能な超音波発振手段とを備え、
前記二つの押圧部材は、前記スペーサ孔を通過する前記ボールを自転させるべく、スペーサ孔の中心軸線に対して対称に偏位して該ボールに当接するよう設けられていることを特徴とするキャリッジアセンブリの組立装置。 - 磁気ディスク装置に用いられるキャリッジアームの先端部に設けられた嵌合穴と、サスペンションのスペーサ部に設けられたスペーサ孔とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションを組み付け、
直径寸法が前記スペーサ孔の内径寸法以上のボールをスペーサ孔に通過させることで、前記スペーサ部のスペーサ孔周縁部をかしめて、サスペンションをキャリッジアームの先端部に取り付けるキャリッジアセンブリの組立方法に用いられるキャリッジアセンブリの組立装置において、
前記ボールを前記スペーサ孔の両側から押圧して挟持可能であるとともに、挟持したボールをスペーサ孔に通過させるように、移動可能に設けられた二つの押圧部材と、
該二つの押圧部材に超音波振動を印加可能な超音波発振手段とを備え、
前記超音波発振手段は、前記スペーサ孔を通過する前記ボールを自転させるべく、前記押圧部材に対し2軸方向から、それぞれ所定周波数の整数倍の超音波振動を印加することで、押圧部材を所定平面内の2次元的な運動軌跡で振動させることを特徴とするキャリッジアセンブリの組立装置。 - 前記超音波発振手段の超音波振動による前記押圧部材の運動軌跡が、円または楕円であることを特徴とする請求項6記載のキャリッジアセンブリの組立装置。
- 前記超音波発振手段は、前記ボールに、前記押圧部材のボールに対する押圧方向にほぼ直交する自転軸での自転運動をさせるべく、押圧部材に、該押圧方向と該押圧方向に直交する方向との2軸方向から超音波振動を印加することで、押圧部材を、該押圧方向に平行な面内の運動軌跡で振動させることを特徴とする請求項6または7記載のキャリッジアセンブリの組立装置。
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