JP4314896B2 - 負荷駆動装置、それを搭載した自動車および負荷駆動装置における漏電発生時の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

負荷駆動装置、それを搭載した自動車および負荷駆動装置における漏電発生時の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハイブリッド自動車および電気自動車の負荷駆動装置に関し、特に、漏電発生時の対策機能を備えた負荷駆動装置、それを搭載した自動車および負荷駆動装置における漏電発生時の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
したがって、このようなハイブリッド自動車および電気自動車は、車輪を駆動するための電気系統を搭載しており、この電気系統において漏電が発生したか否かを検出することが考えられている。たとえば、特開平7−241002号公報には、電池と電池からの直流電圧を交流電圧に変換してモータを駆動するインバータとの間に配置された漏電検出器が記載されている。この漏電検出器は、インバータの入力側においてモータの漏電を検出するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−241002号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平10−337039号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2002−218656号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−241002号公報に開示された技術は、電池からの直流電圧を交流電圧に変換してモータを駆動する電気系統において漏電を検出した場合にインバータに供給する電流を単にシャットダウンするものである。したがって、電源からの直流電圧を昇圧する昇圧コンバータを電源とインバータとの間に備える電気系統において、昇圧コンバータの昇圧動作中にモータの漏電が発生した場合、特開平7−241002号公報に開示された技術では適切な漏電対策をできないという問題がある。
【0009】
すなわち、昇圧コンバータを備える電気系統に特開平7−241002号公報に開示された技術を適用すると、昇圧コンバータとインバータとの間の電圧が高くなり、インバータの入力側に設けられたコンデンサが破損するという問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、昇圧コンバータを備える電気系統において適切な漏電対策が可能な負荷駆動装置を提供することである。
【0011】
また、この発明の別の目的は、昇圧コンバータを備える電気系統において適切な漏電対策が可能な負荷駆動装置を搭載した自動車を提供することである。
【0012】
さらに、この発明の別の目的は、昇圧コンバータを備える負荷駆動装置における漏電発生時の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、負荷駆動装置は、電圧変換器と、漏電検出装置と、制御装置とを備える。電圧変換器は、電源から供給された第1の直流電圧を第2の直流電圧に昇圧して負荷側に供給する昇圧動作と、第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧して電源側に供給する降圧動作とを行なう。漏電検出装置は、負荷の漏電を検出する。制御装置は、電圧変換器の昇圧動作中に漏電検出装置が負荷の漏電を検出すると、昇圧動作を中止するように電圧変換器を制御する。
【0014】
この発明による負荷駆動装置においては、電圧変換器の昇圧動作中に負荷における漏電が検出されると、負荷側の第2の直流電圧は上昇しない。
【0015】
したがって、この発明によれば、漏電電流を抑制できる。
また、この発明によれば、負荷駆動装置は、電圧変換器と、漏電検出装置と、制御装置とを備える。電圧変換器は、電源から供給された第1の直流電圧を第2の直流電圧に昇圧して負荷側に供給する昇圧動作と、第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧して電源側に供給する降圧動作とを行なう。漏電検出装置は、負荷の漏電を検出する。制御装置は、電圧変換器の昇圧動作中に漏電検出装置が負荷の漏電を検出すると、降圧動作を行なうように電圧変換器を制御する。
【0016】
この発明による負荷駆動装置においては、電圧変換器の昇圧動作中に負荷における漏電が検出されると、負荷側の第2の直流電圧が降圧されて電源に供給される。そして、第2の直流電圧は、低下する。
【0017】
したがって、この発明によれば、漏電電流を抑制できる。
好ましくは、負荷駆動装置は、直流/交流変換器をさらに備える。直流/交流変換器は、電圧変換器と負荷との間に配置される。そして、電源は、直流である。また、負荷は、交流である。
【0018】
直流/交流変換器は、電圧変換器と負荷との間で直流と交流との変換を行なう。
【0019】
したがって、この発明によれば、直流/交流変換器を介して流れる漏電電流を抑制できる。
【0020】
好ましくは、電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含む。そして、制御装置は、漏電検出装置が負荷の漏電を検出すると、上アームをスイッチング制御し、下アームをオフ制御する。
【0021】
上アームは、オン/オフを繰返し、オン期間中に負荷側から電源側へ直流電流を供給して第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧する。
【0022】
したがって、この発明によれば、漏電電流を容易に抑制できる。
好ましくは、制御装置は、上アームに流れる直流電流が上アームの過電流よりも小さくなる保護デューティー比で上アームをスイッチング制御する。
【0023】
上アームは、過電流よりも小さい直流電流を負荷側から電源側へ供給して第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧する。
【0024】
したがって、この発明によれば、上アームを保護しながら漏電電流を抑制できる。
【0025】
好ましくは、制御装置は、第2の直流電圧が所定の電圧に低下するまで上アームを保護デューティー比でスイッチング制御し、第2の直流電圧が所定の電圧に低下すると上アームをオン制御する。そして、所定の電圧は、上アームに流れる直流電流が過電流よりも小さくなる電圧である。
【0026】
上アームは、第2の直流電圧が所定の電圧になるまでオン/オフを繰返し、過電流よりも小さい直流電流をオン期間中に負荷側から電源側へ供給して第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧する。そして、上アームは、第2の直流電圧が所定の電圧になると、第2の直流電圧が電源電圧になるまで負荷側から電源側へ直流電流を供給する。
【0027】
したがって、この発明によれば、上アームを保護しながら漏電電流を最大限抑制できる。
【0028】
好ましくは、負荷駆動装置は、電圧センサーをさらに備える。電圧センサーは、第2の直流電圧を検出する。そして、制御装置は、第2の直流電圧と保護デューティー比との関係を示すマップを保持しており、電圧センサーにより検出された第2の直流電圧に対応する保護デューティー比をマップから抽出し、その抽出した保護デューティー比で上アームをスイッチング制御する。
【0029】
予め決められた保護デューティー比と第2の直流電圧との関係に基づいて、検出した第2の直流電圧に対応する保護デューティー比が抽出される。そして、上アームは、抽出された保護デューティー比に基づいてオン/オフを繰返し、過電流よりも小さい直流電流をオン期間中に負荷側から電源側へ供給して第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧する。
【0030】
したがって、この発明によれば、第2の直流電圧の電圧レベルが変動しても上アームを的確に保護しながら漏電電流を抑制できる。
【0031】
好ましくは、保護デューティー比は、第2の直流電圧に反比例するオンデューティーを含む。
【0032】
上アームは、第2の直流電圧が相対的に高いとき、相対的に短い期間、直流電流を負荷側から電源側へ供給し、第2の直流電圧が相対的に低くなると、相対的に長い期間、直流電流を負荷側から電源側へ供給して第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧する。すなわち、上アームは、第2の直流電圧の電圧レベルに応じた電流量を負荷側から電源側へ供給して第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧する。
【0033】
したがって、この発明によれば、第2の直流電圧の電圧レベルが変動しても上アームを的確に保護しながら漏電電流を抑制できる。
【0034】
好ましくは、電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含む。そして、制御装置は、漏電検出装置が負荷の漏電を検出すると、上アームをオン制御し、下アームをオフ制御する。
【0035】
上アームは、第2の直流電圧が電源電圧になるまで負荷側から電源側へ直流電流を供給する。
【0036】
したがって、この発明によれば、漏電電流を最大限抑制できる。
好ましくは、電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含む。制御装置は、漏電検出装置が負荷の漏電を検出すると、第2の直流電圧が所定の電圧に低下するまで上アームをスイッチング制御し、かつ、下アームをオフ制御し、第2の直流電圧が所定の電圧に低下すると上アームをオフ制御する。そして、所定の電圧は、第2の直流電圧と第1の直流電圧との電圧差が所定値になるときの電圧である。
【0037】
上アームは、オン/オフを繰返して第2の直流電圧を降圧し、第2の直流電圧が第1の直流電圧よりも高い所定の電圧になると降圧動作を停止する。
【0038】
したがって、この発明によれば、漏電電流の抑制動作期間を短縮できる。
好ましくは、漏電検出装置は、ノードと、発振回路と、判定回路とを含む。ノードは、電源のアースラインとカップリングコンデンサを介して接続される。発振回路は、複数の周波数が重畳された交流信号を発振する。判定回路は、発振回路からの交流信号をノードを介して検出し、その検出した交流信号の各周波数成分における波高値に基づいて負荷において漏電が発生しているか否かを判定する。
【0039】
したがって、この発明によれば、負荷における漏電を正確に検出できる。
好ましくは、漏電検出装置は、コンデンサと、スイッチと、電流センサーと、判定回路とを含む。コンデンサは、負荷とアースラインとの間に接続される。スイッチは、負荷とコンデンサとの間に接続される。電流センサーは、コンデンサを介してアースラインに流れる電流を検出する。判定回路は、電流センサーからの電流値に基づいて負荷において漏電が発生しているか否かを判定する。そして、制御装置は、さらに、スイッチを周期的にオン/オフする。
【0040】
負荷における漏電電流が周期的に実際に検出され、その検出された漏電電流に基づいて負荷における漏電の発生が検出される。
【0041】
したがって、この発明によれば、漏電を正確に検出できる。
好ましくは、漏電検出装置は、第1の漏電検出器と、第2の漏電検出器とを含む。第2の漏電検出器は、第1の漏電検出器よりも小さい漏電を検出する。第1の漏電検出器は、ノードと、発振回路と、第1の判定回路とからなる。ノードは、電源のアースラインとカップリングコンデンサを介して接続される。発振回路は、複数の周波数が重畳された交流信号を発振する。第1の判定回路は、発振回路からの交流信号をノードを介して検出し、その検出した交流信号の各周波数成分における波高値に基づいて負荷において漏電が発生しているか否かを判定する。
【0042】
また、第2の漏電検出器は、コンデンサと、スイッチと、電流センサーと、第2の判定回路とからなる。コンデンサは、負荷とアースラインとの間に接続される。スイッチは、負荷とコンデンサとの間に接続される。電流センサーは、コンデンサを介してアースラインに流れる電流を検出する。第2の判定回路は、電流センサーからの電流値に基づいて負荷において漏電が発生しているか否かを判定する。そして、制御装置は、さらに、スイッチを周期的にオン/オフし、第1の漏電検出器または第2の漏電検出器が負荷の漏電を検出すると、電圧変換器が降圧動作を行なうように電圧変換器を制御する。
【0043】
感度の異なる2つの漏電検出器により負荷における漏電が検出される。
したがって、この発明によれば、漏電電流の広い範囲で漏電を検出できる。
【0044】
好ましくは、電圧変換器は、電源の容量が満充電量であるとき、降圧した第1の直流電圧を補機へ供給する。
【0045】
したがって、この発明によれば、電源を保護しながら漏電電流を抑制できる。
また、この発明によれば、自動車は、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の負荷駆動装置を搭載した自動車である。
【0046】
したがって、この発明によれば、自動車における漏電電流を抑制できる。
さらに、この発明によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、負荷駆動装置における漏電発生時の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。負荷駆動装置は、電圧変換器と漏電検出装置とを含む。電圧変換器は、電源から供給された第1の直流電圧を第2の直流電圧に昇圧して負荷側に供給する昇圧動作と、第2の直流電圧を第1の直流電圧に降圧して電源側に供給する降圧動作とを行なう。漏電検出装置は、負荷の漏電を検出する。
【0047】
プログラムは、電圧変換器の昇圧動作中に漏電検出装置により負荷の漏電が検出されたか否かを判定する第1のステップと、負荷の漏電が検出されたとき、降圧動作を行なうように電圧変換器を制御する第2のステップとをコンピュータに実行させる、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0048】
プログラムは、負荷における漏電を検出すると、降圧動作を行なうように電圧変換器を制御する。
【0049】
したがって、この発明によれば、漏電電流を抑制できる。
好ましくは、電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含む。そして、プログラムの第2のステップは、下アームをオフ制御する第1のサブステップと、上アームをスイッチング制御する第2のサブステップとを含む。
【0050】
プログラムは、下アームをオフし、上アームをオン/オフさせる。そして、上アームは、オン期間中、負荷側から電源側へ直流電流を供給して第2の直流電圧を降圧する。
【0051】
したがって、この発明によれば、漏電電流を抑制する制御を容易に行なうことができる。
【0052】
好ましくは、第2のサブステップは、上アームに流れる直流電流が上アームの過電流よりも小さくなる保護デューティー比を決定するステップAと、上アームを保護デューティー比でスイッチング制御するステップBとを含む。
【0053】
プログラムは、過電流よりも小さい直流電流を上アームに流するための保護デューティー比を決定し、その決定した保護デューティー比でオン/オフさせる。そして、上アームは、過電流よりも小さい直流電流を負荷側から電源側に供給して第2の直流電圧を降圧する。
【0054】
したがって、この発明によれば、上アームを保護しながら漏電電流を抑制する制御を行なうことができる。
【0055】
好ましくは、第2のサブステップは、第2の直流電圧が所定の電圧に低下すると、上アームをオン制御するステップCをさらに含む。
【0056】
プログラムは、第2の直流電圧が所定の電圧になると上アームをオンし続ける。そして、上アームは、過電流よりも小さい直流電流を負荷側から電源側に供給して所定の電圧を電源電圧まで降圧する。
【0057】
したがって、この発明によれば、上アームを保護しながら漏電電流を最大限抑制する制御を行なうことができる。
【0058】
好ましくは、ステップAは、第2の直流電圧を検出するステップと、検出された第2の直流電圧に対応する保護デューティー比を第2の直流電圧と保護デューティー比との関係を示すマップを参照して抽出するステップとを含む。
【0059】
プログラムは、第2の直流電圧を検出すると、予め決定された第2の直流電圧と保護デューティー比との関係を示すマップから、検出した第2の直流電圧に対応する保護デューティー比を抽出する。
【0060】
したがって、この発明によれば、第2の直流電圧の電圧レベルが変動しても上アームを保護しながら漏電電流を抑制する制御を行なうことができる。
【0061】
好ましくは、保護デューティー比は、第2の直流電圧に反比例するオンデューティーを含む。
【0062】
プログラムは、第2の直流電圧が相対的に高いとき、相対的に短い期間、上アームをオンし、第2の直流電圧が相対的に低下すると、相対的に長い期間、上アームをオンする。すなわち、プログラムは、第2の直流電圧の電圧レベルに応じた電流量を負荷側から電源側へ供給するように上アームを制御する。
【0063】
したがって、この発明によれば、第2の直流電圧の電圧レベルが変動しても上アームを保護しながら漏電電流を抑制する制御を行なうことができる。
【0064】
好ましくは、電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含む。そして、プログラムの第2のステップは、下アームをオフ制御する第1のサブステップと、上アームをオン制御する第2のサブステップとを含む。
【0065】
プログラムは、負荷における漏電を検出すると、下アームをオフし、上アームをオンし続ける。
【0066】
したがって、この発明によれば、漏電電流を最大限抑制する制御を行なうことができる。
【0067】
好ましくは、電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含む。そして、プログラムの第2のステップは、下アームをオフ制御する第1のサブステップと、第2の直流電圧が所定の電圧に低下するように上アームをスイッチング制御する第2のサブステップとを含む。
【0068】
プログラムは、負荷における漏電を検出すると、下アームをオフし、上アームをオン/オフさせる。そして、上アームは、第2の直流電圧を第1の直流電圧よりも高い所定の電圧に降圧する。
【0069】
したがって、この発明によれば、漏電電流を抑制する制御期間を短縮できる。
好ましくは、漏電検出装置は、第1の漏電検出器と、第2の漏電検出器とを含む。第2の漏電検出器は、第1の漏電検出器よりも小さい漏電を検出する。
【0070】
第1の漏電検出器は、ノードと、発振回路と、第1の判定回路とからなる。ノードは、電源のアースラインとカップリングコンデンサを介して接続される。発振回路は、複数の周波数が重畳された交流信号を発振する。第1の判定回路は、発振回路からの交流信号をノードを介して検出し、その検出した交流信号の各周波数成分における波高値に基づいて負荷において漏電が発生しているか否かを判定する。
【0071】
第2の漏電検出器は、コンデンサと、スイッチと、電流センサーと、第2の判定回路とからなる。コンデンサは、負荷とアースラインとの間に接続される。スイッチは、負荷とコンデンサとの間に接続される。電流センサーは、コンデンサを介してアースラインに流れる電流を検出する。第2の判定回路は、電流センサーからの電流値に基づいて負荷において漏電が発生しているか否かを判定する。
【0072】
プログラムの第1のステップは、スイッチを周期的にオン/オフするステップと、第1の漏電検出器が負荷の漏電を検出したか否かを判定するステップと、第2の漏電検出器が負荷の漏電を検出したか否かを判定するステップとを含む。
【0073】
プログラムは、第1の漏電検出器を周期的にオンさせる。そして、プログラムは、感度が異なる2つの漏電検出器のうち、少なくとも一方が負荷における漏電を検出したか否かを判定する。
【0074】
したがって、この発明によれば、漏電電流の広い範囲で負荷における漏電を検出できる。
【0075】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0076】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1による負荷駆動装置の概略ブロック図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による負荷駆動装置100は、直流電源B1,B2と、システムリレーSR1,SR2と、電圧センサー10,16と、昇圧コンバータ11と、コンデンサ12と、DC/DCコンバータ13と、エアコン14と、電流センサー17,24と、インバータ20と、制御装置30と、漏電検出器70とを備える。
【0077】
昇圧コンバータ11は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1は、その一方端が直流電源B1の電源ラインに接続され、他方端がNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。
【0078】
NPNトランジスタQ1,Q2は、インバータ20の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。NPNトランジスタQ1は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがNPNトランジスタQ2のコレクタに接続される。NPNトランジスタQ2は、エミッタがアースラインに接続される。
【0079】
また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続されている。
【0080】
インバータ20は、U相アーム21と、V相アーム22と、W相アーム23とから成る。U相アーム21、V相アーム22、およびW相アーム23は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0081】
U相アーム21は、直列に接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム22は、直列に接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム23は、直列に接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0082】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0083】
漏電検出器70は、カップリングコンデンサ15と、発振回路40と、抵抗50と、インピーダンス判定回路60とを含む。カップリングコンデンサ15は、直流電源B1のマイナス側(すなわち、アースライン)をノードN1と接続する。抵抗50は、ノードN1と発振回路40との間に接続される。
【0084】
DC/DCコンバータ13およびエアコン14は、システムリレーSR1,SR2と昇圧コンバータ11との間のノードN2,N3に並列に接続される。直流電源B2は、DC/DCコンバータ13に接続される。
【0085】
直流電源B1は、ニッケル水素あるいはリチウムイオン等の二次電池から成る。そして、直流電源B1は、直流電圧をシステムリレーSR1,SR2を介して昇圧コンバータ11、DC/DCコンバータ13およびエアコン14へ供給する。
【0086】
システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによってオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。
【0087】
電圧センサー10は、直流電源B1から出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
【0088】
電流センサー17は、直流電源B1に入出力する直流電流BCRTを検出し、その検出した直流電流BCRTを制御装置30へ出力する。
【0089】
昇圧コンバータ11は、制御装置30からの信号PWMUに基づいて、直流電源B1からの直流電圧を昇圧してコンデンサ12に供給する。また、昇圧コンバータ11は、制御装置30からの信号PWMDまたはPWMLに基づいて、インバータ20から供給された直流電圧を降圧して直流電源B1またはDC/DCコンバータ13およびエアコン14へ供給する。
【0090】
コンデンサ12は、昇圧コンバータ11から供給された直流電圧を平滑化してインバータ20に供給する。
【0091】
DC/DCコンバータ13は、直流電源B1または昇圧コンバータ11から受けた直流電圧の電圧レベルを変換して直流電源B2に供給する。エアコン14は、直流電源B1または昇圧コンバータ11から受ける直流電圧により駆動される。
【0092】
電圧センサー16は、コンデンサ12の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0093】
インバータ20は、制御装置30からの信号PWMIに基づいて、コンデンサ12を介して昇圧コンバータ11から供給された直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。また、インバータ20は、制御装置30からの信号PWMCに基づいて、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ12を介して昇圧コンバータ11へ供給する。
【0094】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0095】
制御装置30は、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー16からの電圧Vm、負荷駆動装置100の外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からのモータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて、後述する方法によって信号PWMUまたは信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMUまたは信号PWMDを昇圧コンバータ11へ出力する。
【0096】
また、制御装置30は、負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生したことを示すDELを漏電検出器70から受けると、後述する方法によって、降圧動作を行なうように昇圧コンバータ11を制御するための信号PWMLを生成し、その生成した信号PWMLを昇圧コンバータ11へ出力する。すなわち、制御装置30は、負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生した場合、漏電電流を抑制するように昇圧コンバータ11を制御する。
【0097】
さらに、制御装置30は、電圧センサー16からの電圧Vm、電流センサー24からのモータ電流MCRTおよび外部ECUからのトルク指令値TRに基づいて、後述する方法により信号PWMIまたは信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMIまたは信号PWMCをインバータ20へ出力する。
【0098】
さらに、制御装置30は、昇圧コンバータ11が昇圧動作以外の動作を行なっているときに漏電検出器70から信号DELを受けると、交流モータM1において漏電が発生した旨を表示装置(図示せず)に表示する。
【0099】
発振回路40は、3つの周波数が重畳された交流信号E0を発振し、その発振した交流信号E0を抵抗50を介してノードN1へ出力する。発振回路40は、たとえば、0.1Hz〜10kHzの範囲の周波数から選択した3つの周波数f1,f2,f3(f1<f2<f3)が重畳された交流信号E0を出力する。そして、発振回路40は、周波数f1の交流信号を発振するリングオシレータと、周波数f2の交流信号を発振するリングオシレータと、周波数f3の交流信号を発振するリングオシレータとを1つのノードに接続した構成から成る。
【0100】
インピーダンス判定回路60は、発振回路40から出力された交流信号E0をノードN1を介して受け、その受けた交流信号Eを各周波数成分に分離し、その分離した各周波数成分の波高値を検出する。そして、インピーダンス判定回路60は、検出した3つの波高値に基づいて、後述する方法により、インバータ20および交流モータM1の交流部において漏電が発生したか否か、または直流電源B1からインバータ20までの直流部において漏電が発生したか否かを判定する。インピーダンス判定回路60は、交流部において漏電が発生したと判定したとき、交流部において漏電が発生したことを示す信号DELを生成して制御装置30へ出力する。
【0101】
図2は、図1に示す制御装置30の機能のうち、昇圧コンバータ11およびインバータ20の制御に関わる機能を示す機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、インバータ制御手段301と、コンバータ制御手段302とを含む。インバータ制御手段301は、トルク指令値TR、モータ電流MCRTおよび電圧Vm(インバータ20への「インバータ入力電圧」に相当する。以下同じ。)に基づいて、後述する方法によって信号PWMIまたは信号PWMCを生成してインバータ20のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0102】
コンバータ制御手段302は、トルク指令値TR、モータ回転数MRN,直流電圧Vbおよび電圧Vmに基づいて、後述する方法によって信号PWMUまたは信号PWMDを生成して昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。また、コンバータ制御手段302は、漏電検出器70から信号DELを受けると、信号PWMLを生成して昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0103】
図3は、図2に示すインバータ制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、インバータ制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部31と、インバータ用PWM信号変換部32とを含む。
【0104】
モータ制御用相電圧演算部31は、インバータ20へのインバータ入力電圧Vmを電圧センサー16から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部31は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部32へ出力する。
【0105】
インバータ用PWM信号変換部32は、モータ制御用相電圧演算部31から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ20の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMIまたは信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMIまたは信号PWMCを各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0106】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0107】
交流モータM1の動作モードが力行モードであるか回生モードであるかは、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとの関係によって決定される。直交座標において、横軸をモータ回転数MRNとし、縦軸をトルク指令値TRとした場合、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとの関係が第1および第2象限に存在するとき、交流モータM1の動作モードは力行モードであり、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとの関係が第3および第4象限に存在するとき、交流モータM1の動作モードは回生モードである。
【0108】
したがって、インバータ制御手段301は、正のトルク指令値TRを受ければ、交流モータM1を駆動モータとして駆動するための信号PWMIを生成してNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力し、負のトルク指令値TRを受ければ、交流モータM1を回生モードで駆動するための信号PWMCを生成してNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0109】
図4は、図2に示すコンバータ制御手段302の機能ブロック図である。図4を参照して、コンバータ制御手段302は、電圧指令演算部33と、コンバータ用デューティー比演算部34と、コンバータ用PWM信号変換部35と、判定部36とを含む。
【0110】
電圧指令演算部33は、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、昇圧コンバータ11の電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。
【0111】
また、電圧指令演算部33は、判定部36から信号CTLを受けると、電圧センサー16から受けた電圧Vmを所定の電圧Vref1に降圧するための電圧指令Vdc_com_lkを演算し、その演算した電圧指令Vdc_com_lkをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。
【0112】
コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令Vdc_comまたはVdc_com_lkと、電圧センサー10からの直流電圧Vbと、電圧センサー16からの電圧Vmとに基づいて、電圧Vmを電圧指令Vdc_comまたはVdc_com_lkに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0113】
また、コンバータ用デューティー比演算部34は、判定部36から信号STPを受けると、電圧指令演算部33からの電圧指令Vdc_comまたはVdc_com_lkに拘わらず、NPNトランジスタQ1のオンデューティーを0%に設定したデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0114】
コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMU(または信号PWMDまたは信号PWML)を生成し、その生成した信号PWMU(または信号PWMDまたは信号PWML)を昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0115】
判定部36は、漏電検出器70から信号DELを受けると、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、上述した方法によって交流モータM1の動作モータが力行モードであるか回生モードであるかを判定し、交流モータM1の動作モータが力行モードであるとき、昇圧コンバータ11が昇圧動作中であると判定し、交流モータM1の動作モータが回生モードであるとき、昇圧コンバータ11が降圧動作中であると判定する。そして、判定部36は、昇圧コンバータ11が昇圧動作中であると判定したとき信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力し、昇圧コンバータ11が降圧動作中であると判定したとき交流モータM1において漏電が発生したことを示す信号LKEを生成して表示装置(図示せず)へ出力する。
【0116】
また、判定部36は、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力した後、電圧センサー16からの電圧Vmが電圧センサー10からの直流電圧Vbに等しいか否かを判定し、電圧Vmが直流電圧Vbに等しいとき、信号STPを生成してコンバータ用デューティー比演算部34へ出力し、電圧Vmが直流電圧Vbよりも高いとき、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。
【0117】
さらに、判定部36は、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力した後、電圧センサー16からの電圧Vmが所定の電圧Vref1以下であるか否かを判定し、電圧Vmが所定の電圧Vref1以下であるとき、信号STPを生成してコンバータ用デューティー比演算部34へ出力し、電圧Vmが所定の電圧Vref1よりも高いとき、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。
【0118】
なお、昇圧コンバータ11の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源B1の出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0119】
コンバータ制御手段302は、交流モータM1の動作モードが力行モードであるとき直流電圧Vbを昇圧するための信号PWMUを生成し、交流モータM1の動作モードが回生モードであるとき電圧Vmを降圧するための信号PWMDを生成する。
【0120】
そして、これらの信号PWMUおよび信号PWMDは、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて生成される。すなわち、信号PWMUは、交流モータM1が力行モードにあり、昇圧コンバータ11が昇圧動作を行なう場合に生成され、信号PWMDは、交流モータM1が回生モードにあり、昇圧コンバータ11が降圧動作を行なう場合に生成される。
【0121】
また、コンバータ制御手段302は、漏電検出器70から信号DELを受け、かつ、昇圧コンバータ11が昇圧動作中であると判定したとき、降圧動作を行なうように昇圧コンバータ11を制御する信号PWMLを生成する。したがって、信号PWMLは、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに無関係に生成され、昇圧コンバータ11の動作を昇圧動作から降圧動作へ強制的に切換える信号である。
【0122】
昇圧コンバータ11の昇圧動作中に負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生した場合、信号PWMLによって昇圧コンバータ11の動作を昇圧動作から降圧動作へ強制的に切換えることにより、インバータ20側における直流電圧Vmを低下させ、漏電電流を抑制できる。
【0123】
図5は、図1に示すインピーダンス判定回路60の機能ブロック図である。図5を参照して、インピーダンス判定回路60は、ノイズフィルター601〜603と、バンドパスフィルター604〜606と、ピークホールド回路607〜609と、波高値抽出回路610〜612と、判定回路613とを含む。
【0124】
ノイズフィルター601〜603は、ノードN1を介して交流信号Eを受け、その受けた交流信号Eのノイズをカットして、それぞれ、ハンドパスフィルタ604〜606へ出力する。
【0125】
バンドパスフィルター604は、交流信号Eから周波数f2,f3の交流信号をカットし、周波数f1の交流信号のみをピークホールド回路607へ透過する。また、バンドパスフィルター605は、交流信号Eから周波数f1,f3の交流信号をカットし、周波数f2の交流信号のみをピークホールド回路608へ透過する。さらに、バンドパスフィルター606は、交流信号Eから周波数f1,f2の交流信号をカットし、周波数f3の交流信号のみをピークホールド回路609へ透過する。
【0126】
ピークホールド回路607は、周波数f1の交流信号のピーク値をホールドし、ホールド信号HD1を波高値抽出回路610へ出力する。また、ピークホールド回路608は、周波数f2の交流信号のピーク値をホールドし、ホールド信号HD2を波高値抽出回路611へ出力する。さらに、ピークホールド回路609は、周波数f3の交流信号のピーク値をホールドし、ホールド信号HD3を波高値抽出回路612へ出力する。
【0127】
波高値抽出回路610は、ホールド信号HD1に基づいて周波数f1の交流信号の波高値H1を抽出し、その抽出した波高値H1を判定回路613へ出力する。また、波高値抽出回路611は、ホールド信号HD2に基づいて周波数f2の交流信号の波高値H2を抽出し、その抽出した波高値H2を判定回路613へ出力する。さらに、波高値抽出回路612は、ホールド信号HD3に基づいて周波数f3の交流信号の波高値H3を抽出し、その抽出した波高値H3を判定回路613へ出力する。
【0128】
判定回路613は、波高値抽出回路610〜612から受けた波高値H1〜H3に基づいて交流モータM1等の交流部における漏電の有無、または直流電源B1からインバータ20までの直流部における漏電の有無を判定する。
【0129】
まず、交流部における漏電の有無の判定方法について説明する。この発明においては、インバータ20および交流モータM1の交流部において漏電が発生した場合、漏電インピーダンスは抵抗成分25とキャパシタンス成分26とが並列に接続されたインピーダンスに相当することとしている。そして、交流部において漏電が発生した場合、発振回路40から出力された交流信号E0は、抵抗50、カップリングコンデンサ15、抵抗成分25とキャパシタンス成分26との並列接続によるインピーダンス(「漏電インピーダンス」という。以下同じ。)、およびアースラインGNDの経路を伝達される。したがって、漏電インピーダンスをZとすると、漏電が発生した場合の等価回路は図6に示す回路になる。電源Vは、周波数f1,f2,f3のうちの1つの周波数を有する交流電圧を出力する。そして、抵抗50の抵抗値をR1、カップリングコンデンサ15の容量をC1とし、漏電インピーダンスZは、容量C2と抵抗R2とが並列接続されたものとする。
【0130】
そうすると、図6に示す等価回路の全インピーダンスZ0は、抵抗R1、容量C1および漏電インピーダンスZを直列に接続したものであるが、ノードN1における電圧Vnは、漏電が発生するか否か、つまり、漏電インピーダンスZに大きく影響されるので、抵抗R1および容量C1を漏電インピーダンスZを構成する抵抗R2および容量C2に取り込んで考えることにする。
【0131】
したがって、全インピーダンスZ0は、
【0132】
【数1】
Figure 0004314896
【0133】
となる。
そうすると、電圧Vnは、
【0134】
【数2】
Figure 0004314896
【0135】
となる。
その結果、電圧Vnは、電圧Vの周波数fが高くなれば低くなり、周波数fが低くなれば高くなる。つまり、電圧Vnは、電圧Vの周波数fの変動に伴って変化する。このことは、判定回路613が波高値抽出回路610〜612から受ける波高値H1〜H3が周波数の変動に伴って変化することに相当する。したがって、判定回路613は、波高値抽出回路610〜612から受けた波高値H1〜H3が変動していれば交流部において漏電が発生していると判定する。
【0136】
また、交流部において漏電が発生していなければ、電圧Vnは抵抗R1のみに依存する。すなわち、漏電が発生していないとき、電圧Vnは、電圧Vの周波数fが変動しても一定である。このことは、判定回路613が波高値抽出回路610〜612から受ける波高値H1〜H3が、周波数の変動に伴って変化しないことに相当する。したがって、判定回路613は、波高値抽出回路610〜612から受けた波高値H1〜H3が変動していなければ交流部において漏電が発生していないと判定する。
【0137】
次に、直流部における漏電の有無の判定方法について説明する。直流電源B1からインバータ20までの直流部において漏電が発生した場合、漏電インピーダンスZは抵抗成分27から成るインピーダンスに相当する。そして、直流部において漏電が発生した場合、発振回路40から出力された交流信号E0は、抵抗50、カップリングコンデンサ15、抵抗成分27から成る漏電インピーダンスZ、およびアースラインGNDの経路を伝達される。したがって、直流部において漏電が発生した場合の等価回路は図6に示す回路の漏電インピーダンスZを抵抗成分27の抵抗値に代えたものに相当する。
【0138】
抵抗成分27の抵抗値を抵抗R2とすると、図6に示す等価回路の全インピーダンスZ0は、抵抗R1、容量C1および抵抗抵抗R2を直列に接続したものであるが、ノードN1における電圧Vnは、漏電が発生するか否か、つまり、漏電インピーダンスZ(すなわち、抵抗R2)の変動に大きく影響されるので、全インピーダンスZの値は、抵抗R2に大きく依存する。
【0139】
このように、直流部において漏電が発生した場合、全インピーダンスZ0に大きく影響を与えるのは、抵抗成分27であるので、直流部において漏電が発生した場合、ノードN1における電圧Vnは、電圧Vの周波数が変動しても一定である。
【0140】
このことは、判定回路613が波高値抽出回路610〜612から受ける波高値H1〜H3が周波数の変動に伴って変化しないことに相当する。したがって、判定回路613は、波高値抽出回路610〜612から受けた波高値H1〜H3が変動していなければ、その受けた波高値H1〜H3が基準値よりも小さいか否かを判定する。そして、判定回路613は、波高値H1〜H3が基準値よりも大きいとき直流部において漏電が発生していると判定し、波高値H1〜H3が基準値よりも小さいとき直流部において漏電が発生していないと判定する。
【0141】
判定回路613は、上述した方法によって、交流部において漏電が発生していると判定したとき、信号DELを生成して制御装置30へ出力する。
【0142】
なお、以下においては、交流部において漏電が発生した場合の負荷駆動装置100における制御について説明する。
【0143】
図7は、図1に示す負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのフローチャートである。図7を参照して、一連の動作が開始されると、漏電検出器70は、上述した方法によって交流部における漏電の発生を検出したとき信号DELを生成して制御装置30へ出力する。コンバータ制御手段302の判定部36は、漏電検出器70から信号DELを受けたか否かを判定することにより、漏電が発生したか否かを判定する(ステップS1)。そして、ステップS1において、漏電が発生したと判定すると、判定部36は、上述した方法によって昇圧コンバータ11が昇圧動作中か否かを判定する(ステップS2)。そして、判定部36は、昇圧コンバータ11が昇圧動作中でないと判定したとき、信号LKEを生成して表示装置(図示せず)へ出力する。表示装置は、信号LKEに応じて、交流部において漏電が発生したことを示す警告灯を点灯する(ステップS3)。その後、一連の動作が終了する。
【0144】
一方、ステップS2において、判定部36は、昇圧コンバータ11が昇圧動作中であると判定したとき、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。電圧指令演算部33は、判定部36からの信号CTLに応じて、電圧センサー10からの直流電圧Vbからなる電圧指令Vdc_com_lk1(電圧指令Vdc_com_lkの一種)を演算してコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。
【0145】
コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令Vdc_com_lk1(=Vb)、電圧センサー10からの直流電圧Vb、および電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、上述した方法によって、電圧Vmを直流電圧Vbに降圧するためのデューティー比DR1を演算し、その演算したデューティー比DR1をコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0146】
そうすると、コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比DR1に基づいて、上述した方法によって信号PWML1(信号PWMLの一種)を生成し、その生成した信号PWML1を昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0147】
この信号PWML1は、NPNトランジスタQ1をオンし続け、NPNトランジスタQ2をオフし続けるための信号である。したがって、コンバータ用PWM信号変換部35が信号PWML1をNPNトランジスタQ1,Q2へ出力することによって、NPNトランジスタQ2のオフ制御およびNPNトランジスタQ1のオン制御が行なわれる(ステップS4,S5)。
【0148】
そうすると、NPNトランジスタQ2は、信号PWML1に応じてオフされ、NPNトランジスタQ1は、信号PWML1に応じてオンされる。そして、昇圧コンバータ11は、コンデンサ12側の直流電流を直流電源B1側へ供給して電圧Vmを直流電圧Vb(「電源電圧」ともいう。)に降圧する。
【0149】
そして、コンバータ制御手段302の判定部36は、電圧センサー16からの電圧Vmが電圧センサー10からの直流電圧Vbに一致するか否かを判定し(ステップS6)、電圧Vmが直流電圧Vbに一致しないとき信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。そして、ステップS4〜S6が繰返し実行される。
【0150】
一方、ステップS6において、電圧Vmが直流電圧Vbに一致すると判定されたとき、判定部36は、信号STPを生成してコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。そして、コンバータ用デューティー比演算部34は、判定部36から信号STPを受けるとNPNトランジスタQ1のオンデューティーを0%に設定したデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。そして、コンバータ用PWM信号変換部35は、NPNトランジスタQ1をオフするための信号を生成してNPNトランジスタQ1へ出力する。すなわち、コンバータ制御手段302は、NPNトランジスタQ1をオフ制御する(ステップS7)。その後、一連の動作は終了する。
【0151】
図7に示すフローチャートは、交流部において漏電が発生した場合、インバータ20側の直流電圧Vmを電源電圧Vbに降圧して直流電源B1に供給するフローチャートである。したがって、コンバータ制御手段302は、負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生した場合、インバータ20側の直流電圧Vmを電源電圧Vbまで降圧して直流電源B1に供給するようにNPNトランジスタQ1をオン制御する。これにより、インバータ20側の直流電圧Vmは、電源電圧Vbまで低下するので、漏電電流を最大限抑制できる。
【0152】
負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作は、図8に示すフローチャートに従って行なわれてもよい。図8は、図1に示す負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するための他のフローチャートである。
【0153】
図8に示すフローチャートは、図7に示すフローチャートのステップS5,S6をそれぞれステップS5A,S6Aに代えたものであり、その他は、図7に示すフローチャートと同じである。図8を参照して、ステップS2において昇圧コンバータ11が昇圧動作中であると判定されると、電圧指令演算部33は、所定の電圧Vref1からなる電圧指令Vdc_com_lk2(電圧指令Vdc_com_lkの一種)を演算してコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。この所定の電圧Vref1は、電源電圧Vbよりも高く、かつ、直流電圧Vmよりも低い電圧である。
【0154】
コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令Vdc_com_lk2(=Vref1)、電圧センサー10からの直流電圧Vb、および電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、上述した方法によって、電圧Vmを所定の電圧Vref1に降圧するためのデューティー比DR2を演算し、その演算したデューティー比DR2をコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0155】
そうすると、コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比DR2に基づいて、上述した方法によって信号PWML2(信号PWMLの一種)を生成し、その生成した信号PWML2を昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0156】
この信号PWML2は、NPNトランジスタQ1をスイッチングし、NPNトランジスタQ2をオフし続けるための信号である。したがって、コンバータ用PWM信号変換部35が信号PWML2をNPNトランジスタQ1,Q2へ出力することによって、NPNトランジスタQ2のオフ制御およびNPNトランジスタQ1のスイッチング制御が行なわれる(ステップS4,S5A)。
【0157】
そうすると、NPNトランジスタQ2は、信号PWML2に応じてオフされ、NPNトランジスタQ1は、信号PWML2に応じてスイッチングされる。そして、昇圧コンバータ11は、NPNトランジスタQ1のオン期間中、コンデンサ12側の直流電流を直流電源B1側へ供給して電圧Vmを所定の電圧Vref1に降圧する。
【0158】
そして、コンバータ制御手段302の判定部36は、電圧センサー16からの電圧Vmが所定の電圧Vref1以下か否かを判定し(ステップS6A)、電圧Vmが所定の電圧Vref1以下でないとき信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。そして、ステップS4,S5A,S6Aが繰返し実行される。
【0159】
一方、ステップS6Aにおいて、電圧Vmが所定の電圧Vref1以下であると判定されたとき、判定部36は、信号STPを生成してコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。その後、上述した動作が行なわれる。
【0160】
なお、所定の電圧Vref1は、直流電圧Vmと電源電圧Vbとの電圧差が所定値になるときの電圧である。たとえば、所定の電圧Vref1は、電源電圧Vbが210Vであるとき、250Vに設定される。このとき、所定値は40Vである。したがって、昇圧コンバータ11は、直流電圧Vmを250Vまで降圧させると、停止される。
【0161】
図8に示すフローチャートは、交流部において漏電が発生した場合、インバータ20側の直流電圧VmをNPNトランジスタQ1のスイッチング動作により所定の電圧Vref1まで降圧して直流電源B1に供給するフローチャートである。したがって、コンバータ制御手段302は、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に交流部において漏電が発生した場合、インバータ20側の直流電圧Vmを所定の電圧Vref1に降圧して直流電源B1に供給するようにNPNトランジスタQ1をスイッチング制御する。
【0162】
これにより、インバータ20側の直流電圧Vmは所定の電圧Vref1まで低下し、交流部における漏電電流を抑制できる。
【0163】
また、図8に示すフローチャートにおいては、インバータ20側の直流電圧Vmが電源電圧Vbよりも高い所定の電圧Vref1まで降圧されると、昇圧コンバータ11の降圧動作を停止するので(ステップS6A,S7参照)、漏電電流の抑制動作を行なう期間を短縮できる。
【0164】
負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作は、図9に示すフローチャートに従って行なわれてもよい。負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作が図9に示すフローチャートに従って行なわれる場合、制御装置30は、コンバータ制御手段302に代えて図10に示すコンバータ制御手段302Aを含む。
【0165】
図10は、コンバータ制御手段の他の機能ブロック図である。図10を参照して、コンバータ制御手段302Aは、コンバータ制御手段302の電圧指令演算部33を電圧指令演算部33Aに代え、コンバータ用デューティー比演算部34をコンバータ用デューティー比演算部34Aに代え、判定部36を判定部36Aに代えたものであり、その他は、コンバータ制御手段302と同じである。
【0166】
電圧指令演算部33Aは、判定部36Aから信号CTL1を受けると、直流電圧Vmを所定の電圧Vref2まで降圧するための電圧指令Vdc_com_lk31(電圧指令Vdc_com_lkの一種)を演算してコンバータ用デューティー比演算部34Aへ出力する。
【0167】
なお、所定の電圧Vref2は、NPNトランジスタQ1のオンデューティーを100%に設定しても、すなわち、NPNトランジスタQ1をオンし続けても過電流よりも小さい直流電流がNPNトランジスタQ1に流れるときの電圧である。
【0168】
また、電圧指令演算部33Aは、判定部36Aから信号CTL2を受けると、直流電圧Vmを電源電圧Vbまで降圧するための電圧指令Vdc_com_lk32(電圧指令Vdc_com_lkの一種)を演算してコンバータ用デューティー比演算部34Aへ出力する。
【0169】
電圧指令演算部33Aは、その他、電圧指令演算部33と同じ機能を果たす。
コンバータ用デューティー比演算部34Aは、電圧指令演算部33Aからの電圧指令Vdc_com_lk31に応じて、過電流よりも小さい直流電流をNPNトランジスタQ1に流すためのデューティー比DR3(「保護デューティー比」と言う。)を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0170】
また、コンバータ用デューティー比演算部34Aは、電圧指令演算部33Aからの電圧指令Vdc_com_lk32に応じて、直流電圧Vmを電源電圧Vbまで降圧するためのデューティー比DR1を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0171】
コンバータ用デューティー比演算部34Aは、その他、コンバータ用デューティー比演算部34と同じ機能を果たす。
【0172】
判定部36Aは、判定部36と同じ方法により昇圧コンバータ11が昇圧動作中か降圧動作中かを判定し、昇圧動作中であると判定したとき信号CTL1を生成して電圧指令演算部33Aへ出力する。
【0173】
また、判定部36Aは、信号CTL1を電圧指令演算部33Aへ出力した後、電圧センサー16からの電圧Vmが所定の電圧Vref2以下か否かを判定する。そして、判定部36Aは、電圧Vmが所定の電圧Vref2よりも高いとき信号CTL1を生成して電圧指令演算部33Aへ出力し、電圧Vmが所定の電圧Vref2以下であるとき信号CTL2を生成して電圧指令演算部33Aへ出力する。
【0174】
判定部36Aは、その他、判定部36と同じ機能を果たす。
図9は、図1に示す負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。そして、図9に示すフローチャートは、図7に示すフローチャートのステップS4〜S6をステップS10〜S15に代えたものであり、その他は、図7に示すフローチャートと同じである。
【0175】
図9を参照して、ステップS2において昇圧コンバータ11が昇圧動作中であると判定されると、判定部36Aは、信号CTL1を生成して電圧指令演算部33Aへ出力する。電圧指令演算部33Aは、判定部36Aからの信号CTL1に応じて、所定の電圧Vref2からなる電圧指令Vdc_com_lk31を演算してコンバータ用デューティー比演算部34Aへ出力する。
【0176】
コンバータ用デューティー比演算部34Aは、電圧指令演算部33Aからの電圧指令Vdc_com_lk31(=Vref2)、電圧センサー10からの直流電圧Vb、および電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、上述した方法によって、電圧Vmを所定の電圧Vref2に降圧するためのデューティー比DR3(保護デューティー比)を演算し、その演算したデューティー比DR3をコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。すなわち、コンバータ制御手段302Aは、保護デューティー比を決定する(ステップS10)。
【0177】
そうすると、コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34Aからのデューティー比DR3に基づいて、上述した方法によって信号PWML3(信号PWMLの一種)を生成し、その生成した信号PWML3を昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0178】
この信号PWML3は、NPNトランジスタQ1をデューティー比DR3(保護デューティー比)でスイッチングし、NPNトランジスタQ2をオフし続けるための信号である。したがって、コンバータ用PWM信号変換部35が信号PWML3をNPNトランジスタQ1,Q2へ出力することによって、NPNトランジスタQ2のオフ制御およびNPNトランジスタQ1の保護デューティー比によるスイッチング制御が行なわれる(ステップS11,S12)。
【0179】
そうすると、NPNトランジスタQ2は、信号PWML3に応じてオフされ、NPNトランジスタQ1は、信号PWML3に応じて保護デューティー比でスイッチングされる。そして、昇圧コンバータ11は、NPNトランジスタQ1のオン期間中、過電流よりも小さい直流電流をNPNトランジスタQ1に流しながらコンデンサ12側の直流電流を直流電源B1側へ供給して電圧Vmを所定の電圧Vref2に降圧する。
【0180】
そして、コンバータ制御手段302Aの判定部36Aは、電圧センサー16からの電圧Vmが所定の電圧Vref2以下か否かを判定し(ステップS13)、電圧Vmが所定の電圧Vref2以下でないとき信号CTL1を生成して電圧指令演算部33Aへ出力する。そして、ステップS10〜S13が繰返し実行される。
【0181】
一方、ステップS13において、電圧Vmが所定の電圧Vref2以下であると判定されたとき、判定部36Aは、信号CTL2を生成して電圧指令演算部33Aへ出力する。電圧指令演算部33Aは、信号CTL2に応じて、電圧指令Vdc_com_lk32を演算してコンバータ用デューティー比演算部34Aへ出力する。
【0182】
そうすると、コンバータ用デューティー比演算部34Aは、電圧指令Vdc_com_lk32に応じて、上述したディーティー比DR1を生成してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。そして、コンバータ用PWM信号変換部35は、デューティー比DR1に基づいて、信号PWML1を生成して昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0183】
信号PWML1は、上述したように、NPNトランジスタQ1をオンし続け、NPNトランジスタQ2をオフし続けるための信号である。したがって、コンバータ用PWM信号変換部35が信号PWML1をNPNトランジスタQ1,Q2へ出力することによって、NPNトランジスタQ2は、ステップS11においてオフされてから継続してオフされ、NPNトランジスタQ1のオン制御が行なわれる(ステップS14)。
【0184】
そうすると、NPNトランジスタQ2は、信号PWML1に応じて継続してオフされ、NPNトランジスタQ1は、信号PWML1に応じて、常時、オンされる。そして、昇圧コンバータ11は、コンデンサ12側の直流電流を直流電源B1側へ供給して電圧Vmを電源電圧Vbに降圧する。
【0185】
そして、コンバータ制御手段302Aの判定部36Aは、電圧センサー16からの電圧Vmが電圧センサー10からの直流電圧Vbに一致するか否かを判定し(ステップS15)、電圧Vmが直流電圧Vbに一致しないとき信号CTL2を生成して電圧指令演算部33Aへ出力する。そして、ステップS14,S15が繰返し実行される。
【0186】
一方、ステップS15において、電圧Vmが直流電圧Vbに一致すると判定されたとき、判定部36Aは、信号STPを生成してコンバータ用デューティー比演算部34Aへ出力する。その後、上述した動作が行なわれる。
【0187】
図9に示すフローチャートは、交流部において漏電が発生した場合、過電流よりも小さい直流電流をNPNトランジスタQ1に流しながらインバータ20側の直流電圧VmをNPNトランジスタQ1のスイッチング動作により所定の電圧Vref2まで降圧し、直流電圧Vmが所定の電圧Vref2まで降圧されるとNPNトランジスタQ1をオンし続けて直流電圧Vmを電源電圧Vbまで降圧するフローチャートである。そして、所定の電圧Vref2は、NPNトランジスタQ1をオンし続けても過電流よりも小さい直流電流がNPNトランジスタQ1に流れる電圧である。
【0188】
したがって、コンバータ制御手段302Aは、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に交流部において漏電が発生した場合、過電流よりも小さい直流電流をNPNトランジスタQ1に流しながら、インバータ20側の直流電圧Vmを所定の電圧Vref2および電源電圧Vbへ順次降圧するようにNPNトランジスタQ1を制御する。
【0189】
これにより、インバータ20側の直流電圧Vmは電源電圧Vbまで低下し、NPNトランジスタQ1を保護しながら交流部における漏電電流を最大限抑制できる。
【0190】
このように、コンバータ制御手段302Aは、過電流よりも小さい直流電流がNPNトランジスタQ1に流れるようにNPNトランジスタQ1を制御してNPNトランジスタQ1を保護しながら、インバータ20側の直流電圧Vmを電源電圧Vbまで低下させることにより漏電電流を最大限抑制するように昇圧コンバータ11を制御する。
【0191】
コンバータ制御手段302Aのコンバータ用デューティー比演算部34Aは、電圧指令Vdc_com_lk31に応じて、過電流よりも小さい直流電流をNPNトランジスタQ1に流すためのデューティー比DR3(保護デューティー比)を演算するが、この保護デューティー比は、漏電が発生したときの直流電圧Vmの電圧レベルによって変化する。すなわち、漏電が発生したときの直流電圧Vmの電圧レベルが相対的に高いとき、保護デューティー比のオンデューティーは、相対的に小さくなり、漏電が発生したときの直流電圧Vmの電圧レベルが相対的に低いとき、保護デューティー比のオンデューティーは、相対的に大きくなる。
【0192】
より具体的には、NPNトランジスタQ1の過電流をIlimとし、NPNトランジスタQ1のオン抵抗をRONとし、保護デューティー比のオンデューティーをDRONとしたとき、次式が成立する。
【0193】
【数3】
Figure 0004314896
【0194】
式(3)より、保護デューティー比のオンデューティーDRONは、インバータ20側の直流電圧Vmに反比例する。
【0195】
図11は、保護デューティー比のオンデューティーDRONとインバータ20側における直流電圧Vmとの関係を示す図である。曲線k1は、直流電圧Vmがコンデンサ12側から昇圧コンバータ11に印加されたときに、過電流よりも小さい直流電流をNPNトランジスタQ1に流すためのオンデューティーDRONと直流電圧Vmとの関係を示す。そして、オンデューティーDRONは、直流電圧Vmに反比例する。
【0196】
コンバータ用デューティー比演算部34Aは、図11に示すマップを保持しており、電圧指令演算部33Aから電圧指令Vdc_com_lk31を受けると、電圧センサー16からの直流電圧Vmに対応するオンデューティーDRONを図11に示すマップから抽出する。そして、コンバータ用デューティー比演算部34Aは、抽出したオンデューティーDRONを用いて保護デューティー比DR3を演算し、その演算した保護デューティー比DR3をコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0197】
したがって、図9に示すステップS10においては、図11に示すマップを参照して、電圧センサー16により検出された直流電圧Vmに対応するオンデューティーDRONを抽出して保護デューティー比を決定するようにしてもよい。また、オンデューティーDRONは、保護デューティー比DR3と等価であるので、コンバータ用デューティー比演算部34Aは、保護デューティー比DR3と直流電圧Vmとの関係を示すマップを保持しており、電圧センサー16により検出された直流電圧Vmに対応する保護デューティー比をマップを参照して抽出するようにしてもよい。この場合、保護デューティー比DR3と直流電圧Vmとの関係を示すマップは、図11に示す曲線k1と同じ曲線になる。
【0198】
このように、図11に示すマップに従って保護デューティー比DR3を決定する場合、NPNトランジスタQ1のオンデューティーは、直流電圧Vmが相対的に高いときは相対的に短くなり、直流電圧Vmが相対的に低いときは相対的に長くなる。
【0199】
したがって、NPNトランジスタQ1に流れる直流電流がNPNトランジスタQ1の過電流よりも小さくなるようにNPNトランジスタQ1のオンデューティーが直流電圧Vmの電圧レベルに応じて決定されるので、直流電圧Vmの電圧レベルが変動してもNPNトランジスタQ1を保護しながら漏電電流を抑制できる。
【0200】
負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作は、図12に示すフローチャートに従って行なわれてもよい。負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作が図12に示すフローチャートに従って行なわれる場合、制御装置30は、コンバータ制御手段302に代えて図13に示すコンバータ制御手段302Bを含む。
【0201】
図13は、コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。図13を参照して、コンバータ制御手段302Bは、コンバータ制御手段302の判定部36を判定部36Bに代え、演算部37を追加したものであり、その他は、コンバータ制御手段302と同じである。
【0202】
演算部37は、電流センサー17からの直流電流BCRTに基づいて、直流電源B1の容量SOC(Scale Of Charge)を積算し、その積算した容量SOCを判定部36Bへ出力する。
【0203】
判定部36Bは、演算部37からの容量SOCが直流電源B1の満充電量に達しているか否かを判定する。そして、判定部36Bは、容量SOCが直流電源B1の満充電量に達しているとき、信号CTLおよびLレベルの信号SEを生成し、その生成した信号CTLを電圧指令演算部33へ出力し、Lレベルの信号SEをシステムリレーSR1,SR2へ出力する。また、判定部36Bは、容量SOCが直流電源B1の満充電量に達していないとき、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。
【0204】
判定部36Bは、その他、判定部36と同じ機能を果たす。
図12は、図1に示す負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。そして、図12に示すフローチャートは、図7に示すフローチャートのステップS2とステップS4との間にステップS21,S22を挿入したものであり、その他は、図7に示すフローチャートと同じである。
【0205】
図12を参照して、ステップS2において、昇圧コンバータ11が昇圧動作中であると判定されると、判定部36Bは、演算部37からの容量SOCが直流電源B1の満充電量に達しているか否かを判定し(ステップS21)、容量SOCが直流電源B1の満充電量に達していないとき、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。そして、上述したステップS4〜S7が実行される。
【0206】
一方、ステップS21において、容量SOCが直流電源B1の満充電量に達していると判定されたとき、判定部36Bは、Lレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。そして、システムリレーSR1,SR2は、Lレベルの信号SEによりオフされる(ステップS22)。その後、上述したステップS4〜S7が実行され、昇圧コンバータ11は、直流電圧Vmを電源電圧Vbまで降圧し、DC/DCコンバータ13およびエアコン14へ供給する。そして、DC/DCコンバータ13は、昇圧コンバータ11からの直流電圧の電圧レベルを変換して直流電源B2を充電する。また、エアコン14は、昇圧コンバータ11からの直流電圧により駆動される。その他、上述したとおりである。
【0207】
図12に示すフローチャートは、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生したとき、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達しているか否かを判定し、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達しているときは、直流電圧Vmを電源電圧Vbまで降圧してDC/DCコンバータ13およびエアコン14へ供給し、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達していないときは、直流電圧Vmを電源電圧Vbまで降圧して直流電源B1へ供給するものである。
【0208】
これにより、直流電源B1を保護しながら漏電電流を最大限抑制できる。
負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作は、図14に示すフローチャートに従って行なわれてもよい。負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作が図14に示すフローチャートに従って行なわれる場合、制御装置30は、コンバータ制御手段302に代えて図13に示すコンバータ制御手段302Bを含む。
【0209】
図14は、図1に示す負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。そして、図14に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートのステップS2とステップS4との間にステップS21,S22を挿入したものであり、その他は、図8に示すフローチャートと同じである。
【0210】
ステップS21,S22については、図12において説明したとおりである。
図14に示すフローチャートは、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生したとき、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達しているか否かを判定し、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達しているときは、直流電圧Vmを所定の電圧Vref1まで降圧してDC/DCコンバータ13およびエアコン14へ供給し、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達していないときは、直流電圧Vmを所定の電圧Vref1まで降圧して直流電源B1へ供給するものである。
【0211】
これにより、直流電源B1を保護しながら漏電電流を抑制できる。また、漏電電流を抑制する動作期間を短縮できる。
【0212】
負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作は、図15に示すフローチャートに従って行なわれてもよい。負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作が図15に示すフローチャートに従って行なわれる場合、制御装置30は、コンバータ制御手段302に代えて図16に示すコンバータ制御手段302Cを含む。
【0213】
図16は、コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。図16を参照して、コンバータ制御手段302Cは、コンバータ制御手段302Aの判定部36Aを判定部36Cに代え、演算部37を追加したものであり、その他は、コンバータ制御手段302Aと同じである。
【0214】
演算部37については、上述したとおりである。判定部36Cは、演算部37からの容量SOCが直流電源B1の満充電量に達したか否かを判定し、容量SOCが直流電源B1の満充電量に達していないとき、信号CTL1を生成して電圧指令演算部33Aへ出力する。また、判定部36Cは、容量SOCが直流電源B1の満充電量に達しているとき、信号CTL1およびLレベルの信号SEを生成し、その生成した信号CTL1を電圧指令演算部33Aへ出力し、生成したLレベルの信号SEをシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0215】
判定部36Cは、その他、判定部36および36Aと同じ機能を果たす。
図15は、図1に示す負荷駆動装置100における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。そして、図15に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートのステップS2とステップS10との間にステップS21,S22を挿入したものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
【0216】
ステップS21,S22については、図12において説明したとおりである。
図15に示すフローチャートは、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生したとき、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達しているか否かを判定し、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達しているときは、NPNトランジスタQ1を保護しながら直流電圧Vmを所定の電圧Vref2および電源電圧Vbまで順次降圧してDC/DCコンバータ13およびエアコン14へ供給し、直流電源B1の容量SOCが満充電量に達していないときは、NPNトランジスタQ1を保護しながら直流電圧Vmを所定の電圧Vref2および電源電圧Vbまで順次降圧して直流電源B1へ供給するものである。
【0217】
これにより、直流電源B1およびNPNトランジスタQ1を保護しながら漏電電流を最大限抑制できる。
【0218】
上述したように、この発明においては、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に負荷駆動装置100の交流部において漏電が発生したとき、降圧動作を行なうように昇圧コンバータ11を制御することを特徴とする(図7,12のステップS4〜S6、図8,14のステップS4,S5A,S6A、および図9,15のステップS10〜S15参照)。
【0219】
この特徴により、インバータ20側の直流電圧Vmは降圧され、漏電電流を抑制することができる。
【0220】
なお、コンバータ制御手段302における漏電電流を抑制する動作は、実際には、CPU(Central Processing Unit)によって実行され、CPUは、図7〜図9、図12、図14および図15のいずれかに示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図7〜図9、図12、図14および図15のいずれかに示すフローチャートに従って負荷駆動装置100における漏電電流を抑制する制御を行なう。
【0221】
したがって、ROMは、負荷駆動装置100における漏電電流を抑制する制御を行なうプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0222】
また、交流モータM1は、「負荷」を構成する。
さらに、直流電源B2、DC/DCコンバータ13およびエアコン14は、「補機」を構成する。
【0223】
再び、図1を参照して、負荷駆動装置100における全体動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受ける。そして、制御装置30は、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー16からの電圧Vm、電流センサー24からのモータ電流MCRT、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、上述した方法によって交流モータM1がトルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように昇圧コンバータ11およびインバータ20を制御するための信号PWMUおよび信号PWMIを生成してそれぞれ昇圧コンバータ11およびインバータ20へ出力する。
【0224】
そして、直流電源B1は直流電圧を出力し、システムリレーSR1,SR2は直流電圧を昇圧コンバータ11へ供給する。
【0225】
そうすると、昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2は、制御装置30からの信号PWMUに応じてオン/オフされ、直流電圧を出力電圧Vmに変換してコンデンサ12に供給する。
【0226】
コンデンサ12は、昇圧コンバータ11から供給された直流電圧を平滑化してインバータ20へ供給する。インバータ20のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30からの信号PWMIに従ってオン/オフされ、インバータ20は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TRによって指定されたトルクを交流モータM1が発生するように交流モータM1のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0227】
負荷駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードになった場合、制御装置30は、直流電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、信号PWMCおよび信号PWMDを生成してそれぞれインバータ20および昇圧コンバータ11へ出力する。
【0228】
交流モータM1は、交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ20へ供給する。そして、インバータ20は、制御装置30からの信号PWMCに従って、交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ12を介して昇圧コンバータ11へ供給する。
【0229】
昇圧コンバータ11は、制御装置30からの信号PWMDに従って直流電圧を降圧して直流電源B1に供給し、直流電源B1を充電する。
【0230】
そして、負荷駆動装置100が交流モータM1を駆動しているとき、漏電検出器70は、上述した方法によって、交流部における漏電を検出すると、交流部において漏電が発生したことを示す信号DELを生成して制御装置30へ出力する。
【0231】
そうすると、制御装置30は、漏電が検出されたのが昇圧コンバータ11の昇圧動作中であるか否かを判定し、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に漏電が検出されたと判定したとき、上述したように、降圧動作を行なうように昇圧コンバータ11を制御する。
【0232】
また、制御装置30は、昇圧コンバータ11の降圧動作中に漏電が検出されたと判定したとき、信号LKEを生成して表示装置(図示せず)に出力する。そして、表示装置は、信号LKEに応じて警告灯を点灯する。
【0233】
これにより、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に漏電が検出されたとき、インバータ20側の直流電圧Vmは降圧されるので、漏電電流を抑制できる。
【0234】
[実施の形態2]
図17は、実施の形態2による負荷駆動装置の概略ブロック図である。図17を参照して、負荷駆動装置100Aは、負荷駆動装置100の制御装置30を制御装置30Aに代え、漏電検出器70を漏電検出器80に代えたものであり、その他は、負荷駆動装置100と同じである。
【0235】
漏電検出器80は、スイッチ81と、コンデンサ82と、電流センサー83とを含む。スイッチ81およびコンデンサ82は、交流モータM1のW相コイルの一方端とアースラインGNDとの間に直列に接続される。この場合、スイッチ81は、交流モータM1側に接続され、コンデンサ82は、アースラインGND側に接続される。そして、電流センサー83は、コンデンサ82とアースラインGNDとの間の配線に設置される。
【0236】
スイッチ81は、制御装置30Aからの信号SWにより周期的にオン/オフされる。コンデンサ82は、実施の形態1における漏電検出器70が検出可能な漏電電流よりも小さい漏電電流を検出可能な容量を有する。電流センサー83は、スイッチ81が信号SWによりオンされたとき、電流ILEを検出し、その検出した電流ILEを制御装置30Aへ出力する。
【0237】
制御装置30Aは、スイッチ81を周期的にオン/オフするための信号SWを生成してスイッチ81へ出力する。また、制御装置30Aは、電流センサー83からの電流ILEを受け、その受けた電流ILEに基づいて、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に負荷駆動装置100Aの交流部において漏電が発生しているか否かを判定し、交流部において漏電が発生しているとき、上述したように、漏電電流を抑制するように昇圧コンバータ11を制御する。
【0238】
制御装置30Aは、その他、制御装置30と同じ機能を果たす。
制御装置30Aは、コンバータ制御手段302に代えて図18に示すコンバータ制御手段302Dを含む。図18は、コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。
【0239】
図18を参照して、コンバータ制御手段302Dは、コンバータ制御手段302の判定部36を判定部36Dに代えたものであり、その他は、コンバータ制御手段302と同じである。
【0240】
判定部36Dは、電流センサー83から電流ILEを受け、その受けた電流ILEがしきい値よりも大きいか否かを判定する。そして、判定部36Dは、電流ILEがしきい値よりも大きいとき、交流部において漏電が発生したと判定し、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。また、判定部36Dは、電流ILEがしきい値以下であるとき、交流部において漏電が発生していないと判定する。
【0241】
判定部36Dは、その他は、判定部36と同じ機能を果たす。
漏電検出器80は、スイッチ81が制御装置30Aからの信号SWによりオンされると、電流センサー83により電流ILEを検出する。そして、コンバータ制御手段302Dの判定部36Dは、電流センサー83からの電流ILEがしきい値よりも大きいとき負荷駆動装置100Aの交流部において漏電が発生したと判定する。
【0242】
そして、コンデンサ82を介して流れる電流ILEは、漏電検出器70が検出可能な漏電電流よりも小さいので、漏電検出器80は、漏電検出器70が検出可能な漏電電流よりも小さい漏電電流を検出する漏電検出器である。
【0243】
漏電検出器80のスイッチ81を周期的にオン/オフさせているのは、コンデンサ82の容量が小さいので、スイッチ81を、常時、オンしておくと、大きな漏電電流がコンデンサ82を介して流れ、コンデンサ82が破損する虞がある。
【0244】
そこで、スイッチ81を周期的にオン/オフさせ、コンデンサ82の破損を防止することにしたものである。
【0245】
負荷駆動装置100Aにおける漏電発生時に漏電電流を抑制する動作は、図7〜図9、図12、図14および図15のいずれかに示すフローチャートに従って行なわれる。
【0246】
負荷駆動装置100Aにおける漏電発生時に漏電電流を抑制する動作が図8、図9、図12、図14および図15のいずれかに示すフローチャートに従って行なわれる場合、コンバータ制御手段302Aの判定部36A、コンバータ制御手段302Bの判定部36Bおよびコンバータ制御手段302Cの判定部36Cは、電流ILEをしきい値と比較し、交流部において漏電が発生したか否かを判定する機能を有する。
【0247】
負荷駆動装置100Aの全体動作は、負荷駆動装置100の全体動作のうち、漏電検出器70により交流部における漏電を検出する動作を漏電検出器80および判定部36Dにより漏電を検出する動作に代えたものであり、その他は、負荷駆動装置100の全体動作と同じである。
【0248】
なお、漏電検出器80および判定部36Dは、「漏電検出装置」を構成する。
その他は、実施の形態1と同じである。
【0249】
[実施の形態3]
図19は、実施の形態3による負荷駆動装置の概略ブロック図である。図19を参照して、負荷駆動装置100Bは、負荷駆動装置100の制御装置30を制御装置30Bに代え、漏電検出器80を追加したものであり、その他は、負荷駆動装置100と同じである。
【0250】
漏電検出器80については、上述したとおりである。
制御装置30Bは、制御装置30の機能に追加して、電流センサー83からの電流ILEをしきい値と比較し、負荷駆動装置100Bの交流部において漏電が発生したか否かを判定する機能を有する。
【0251】
制御装置30Bは、コンバータ制御手段302に代えて図20に示すコンバータ制御手段302Eを含む。図20は、コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。
【0252】
図20を参照して、コンバータ制御手段302Eは、コンバータ制御手段302の判定部36を判定部36Eに代えたものであり、その他は、コンバータ制御手段302と同じである。
【0253】
判定部36Eは、電流センサー83から電流ILEを受け、その受けた電流ILEがしきい値よりも大きいか否かを判定し、電流ILEがしきい値よりも大きいとき、交流部において漏電が発生したと判定する。そして、判定部36Eは、電流ILEに基づいて交流部において漏電が発生したと判定したとき、または漏電検出器70から信号DELを受けたとき、信号CTLを生成して電圧指令演算部33へ出力する。
【0254】
判定部36Eは、その他は、判定部36と同じ機能を果たす。
負荷駆動装置100Bは、2つの漏電検出器70,80を備える。そして、漏電検出器80は、上述したように漏電検出器70が検出可能な漏電電流よりも小さい漏電電流を検出する。つまり、漏電検出器80は、漏電検出器70よりも漏電電流を検出する感度が高い。したがって、負荷駆動装置100Bは、感度が異なる2つの漏電検出器70,80を備える。
【0255】
これにより、負荷駆動装置100Bにおいては、広い範囲の漏電電流を検出できる。
【0256】
負荷駆動装置100Bにおける漏電発生時に漏電電流を抑制する動作は、図7〜図9、図12、図14および図15のいずれかに示すフローチャートに従って行なわれる。
【0257】
負荷駆動装置100Bにおける漏電発生時に漏電電流を抑制する動作が図8、図9、図12、図14および図15のいずれかに示すフローチャートに従って行なわれる場合、コンバータ制御手段302Aの判定部36A、コンバータ制御手段302Bの判定部36Bおよびコンバータ制御手段302Cの判定部36Cは、電流ILEをしきい値と比較し、交流部において漏電が発生したか否かを判定する機能を有する。
【0258】
負荷駆動装置100Bの全体動作は、負荷駆動装置100の全体動作のうち、漏電検出器80および判定部36Dにより漏電を検出する動作およびその漏電検出に応じて降圧動作を行なうように昇圧コンバータ11を制御する動作を追加したものであり、その他は、負荷駆動装置100の全体動作と同じである。
【0259】
その他は、実施の形態1,2と同じである。
なお、上述した実施の形態1〜3においては、交流モータは1つであるとして説明したが、この発明は、これに限らず、交流モータは複数であってもよい。この場合、複数のモータに対応して複数のインバータがコンデンサ12の両端に並列に接続される。そして、複数のモータのうち、少なくとも1つのモータにおいて漏電が発生した場合、昇圧コンバータ11の降圧動作によりインバータ20側における直流電圧Vmの電圧レベルを低下させても良いし、漏電が発生していないモータを力行モードで駆動してインバータ20側における直流電圧Vmの電圧レベルを低下させても良い。
【0260】
また、上述した実施の形態1〜3においては、漏電検出器70,80が漏電を検出すると、降圧動作を行なうように昇圧コンバータ11を制御すると説明したが、この発明は、これに限らず、漏電検出器70,80が漏電を検出すると、昇圧動作を中止するように昇圧コンバータ11を制御するものであればよい。昇圧コンバータ11の昇圧動作を中止させることにより、インバータ20側における直流電圧Vmの上昇を防止して漏電電流を抑制できるからである。
【0261】
そして、この昇圧動作の中止は、漏電検出時の直流電圧Vmの電圧レベルを保持することと、直流電圧Vmを低下させることとの両方を含む概念である。直流電圧Vmの電圧レベルを保持する制御は、昇圧コンバータ11の電圧指令Vdc_comを漏電検出時の直流電圧Vmに設定してNPNトランジスタQ1をスイッチング制御し、NPNトランジスタQ2をオフ制御することにより実現される。
【0262】
さらに、インバータ20は、「直流/交流変換器」を構成する。
実施の形態1〜3において説明した負荷駆動装置100,100A,100Bは、ハイブリッド自動車または電気自動車に搭載され、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動する。
【0263】
たとえば、負荷駆動装置100,100A,100Bがハイブリッド自動車に搭載された場合、交流モータM1は、2つのモータジェネレータMG1,MG2からなる。そして、モータジェネレータMG1は、動力分割機構を介してエンジンに連結され、エンジンを始動するとともに、エンジンの回転力により発電する。また、モータジェネレータMG2は、動力分割機構を介して前輪(駆動輪)に連結され、前輪を駆動するとともに、前輪の回転力により発電する。
【0264】
負荷駆動装置100,100A,100Bが電気自動車に搭載された場合、交流モータM1は、前輪(駆動輪)に連結され、前輪を駆動するとともに前輪の回転力により発電する。
【0265】
そして、負荷駆動装置100,100A,100Bは、ハイブリッド自動車または電気自動車の走行中および停車中において、交流部における漏電を検出し、昇圧コンバータ11の昇圧動作中に漏電を検出した場合、上述した方法によってインバータ20側における直流電圧Vmを低下させる。
【0266】
したがって、負荷駆動装置100,100A,100Bを搭載したハイブリッド自動車または電気自動車においては、漏電が発生しても漏電電流を抑制できる。
【0267】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による負荷駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】 図1に示す制御装置の機能のうち、昇圧コンバータおよびインバータの制御に関わる機能を示す機能ブロック図である。
【図3】 図2に示すインバータ制御手段の機能ブロック図である。
【図4】 図2に示すコンバータ制御手段の機能ブロック図である。
【図5】 図1に示すインピーダンス判定回路の機能ブロック図である。
【図6】 漏電が発生したときの等価回路を示す回路図である。
【図7】 図1に示す負荷駆動装置における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】 図1に示す負荷駆動装置における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するための他のフローチャートである。
【図9】 図1に示す負荷駆動装置における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。
【図10】 コンバータ制御手段の他の機能ブロック図である。
【図11】 保護デューティー比のオンデューティーとインバータ側における直流電圧との関係を示す図である。
【図12】 図1に示す負荷駆動装置における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。
【図13】 コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。
【図14】 図1に示す負荷駆動装置における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。
【図15】 図1に示す負荷駆動装置における漏電発生時に漏電電流を抑制する動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。
【図16】 コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。
【図17】 実施の形態2による負荷駆動装置の概略ブロック図である。
【図18】 コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。
【図19】 実施の形態3による負荷駆動装置の概略ブロック図である。
【図20】 コンバータ制御手段のさらに他の機能ブロック図である。
【符号の説明】
10,16 電圧センサー、11 昇圧コンバータ、12,82 コンデンサ、13 DC/DCコンバータ、14 エアコン、15 カップリングコンデンサ、17,24,83 電流センサー、20 インバータ、21 U相アーム、22 V相アーム、23 W相アーム、25,27 抵抗成分、26 キャパシタンス成分、30,30A,30B 制御装置、31 モータ制御用相電圧演算部、32 インバータ用PWM信号変換部、33,33A 電圧指令演算部、34,34A コンバータ用デューティー比演算部、35 コンバータ用PWM信号変換部、36,36A,36B,36C,36D,36E 判定部、37 演算部、40 発振回路、60 インピーダンス判定回路、70,80 漏電検出器、81 スイッチ、100,100A,100B 負荷駆動装置、301 インバータ制御手段、302,302A,302B,302C,302D,302E コンバータ制御手段、601〜603,620 ノイズフィルター、604〜606,621 バンドパスフィルター、607〜609,622 ピークホールド回路、610〜612,623 波高値抽出回路、613 判定回路、N1,N2,N3 ノード、B1,B2 直流電源、L1 リアクトル、Q1〜Q8 NPNトランジスタ、D1〜D8 ダイオード、SR1,SR2 システムリレー。

Claims (14)

  1. 電源から供給された第1の直流電圧を第2の直流電圧に昇圧して負荷側に供給する昇圧動作と、前記第2の直流電圧を前記第1の直流電圧に降圧して前記電源側に供給する降圧動作とを行なう電圧変換器と、
    前記負荷の漏電を検出する漏電検出装置と、
    前記電圧変換器の前記昇圧動作中に前記漏電検出装置が前記負荷の漏電を検出すると、前記昇圧動作を中止するように前記電圧変換器を制御する制御装置とを備え
    前記電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含み
    前記制御装置は、前記漏電検出装置が前記負荷の漏電を検出すると、前記上アームに流れる直流電流が前記上アームの過電流よりも小さくなる保護デューティー比で前記上アームをスイッチング制御し、前記下アームをオフ制御するように構成され
    前記第2の直流電圧を検出する電圧センサーをさらに備え
    前記制御装置は、前記第2の直流電圧と前記保護デューティー比との関係を示すマップを保持しており、前記電圧センサーにより検出された第2の直流電圧に対応する保護デューティー比を前記マップから抽出し、その抽出した保護デューティー比で前記上アームを前記スイッチング制御する、負荷駆動装置。
  2. 電源から供給された第1の直流電圧を第2の直流電圧に昇圧して負荷側に供給する昇圧動作と、前記第2の直流電圧を前記第1の直流電圧に降圧して前記電源側に供給する降圧動作とを行なう電圧変換器と、
    前記負荷の漏電を検出する漏電検出装置と、
    前記電圧変換器の前記昇圧動作中に前記漏電検出装置が前記負荷の漏電を検出すると、前記降圧動作を行なうように前記電圧変換器を制御する制御装置とを備え
    前記電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含み
    前記制御装置は、前記漏電検出装置が前記負荷の漏電を検出すると、前記上アームに流れる直流電流が前記上アームの過電流よりも小さくなる保護デューティー比で前記上アームをスイッチング制御し、前記下アームをオフ制御するように構成され
    前記第2の直流電圧を検出する電圧センサーをさらに備え
    前記制御装置は、前記第2の直流電圧と前記保護デューティー比との関係を示すマップを保持しており、前記電圧センサーにより検出された第2の直流電圧に対応する保護デューティー比を前記マップから抽出し、その抽出した保護デューティー比で前記上アームを前記スイッチング制御する、負荷駆動装置。
  3. 前記電圧変換器と前記負荷との間に配置された直流/交流変換器をさらに備え、
    前記電源は、直流であり、
    前記負荷は、交流である、請求項1または請求項2に記載の負荷駆動装置。
  4. 前記制御装置は、前記第2の直流電圧が所定の電圧に低下するまで前記上アームを保護デューティー比でスイッチング制御し、前記第2の直流電圧が前記所定の電圧に低下すると前記上アームをオン制御し、
    前記所定の電圧は、前記上アームに流れる直流電流が前記過電流よりも小さくなる電圧である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の負荷駆動装置。
  5. 前記保護デューティー比は、前記第2の直流電圧に反比例するオンデューティーを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の負荷駆動装置。
  6. 前記漏電検出装置は、
    前記電源のアースラインとカップリングコンデンサを介して接続されたノードと、
    複数の周波数が重畳された交流信号を発振する発振回路と、
    前記発振回路からの前記交流信号を前記ノードを介して検出し、その検出した交流信号の各周波数成分における波高値に基づいて前記負荷において漏電が発生しているか否かを判定する判定回路とを含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の負荷駆動装置。
  7. 前記漏電検出装置は、
    前記負荷とアースラインとの間に接続されたコンデンサと、
    前記負荷と前記コンデンサとの間に接続されたスイッチと、
    前記コンデンサを介して前記アースラインに流れる電流を検出する電流センサーと、
    前記電流センサーからの電流値に基づいて前記負荷において漏電が発生しているか否かを判定する判定回路とを含み、
    前記制御装置は、さらに、前記スイッチを周期的にオン/オフする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の負荷駆動装置。
  8. 前記漏電検出装置は、
    第1の漏電検出器と、
    前記第1の漏電検出器よりも小さい漏電を検出する第2の漏電検出器とを含み、
    前記第1の漏電検出器は、
    前記電源のアースラインとカップリングコンデンサを介して接続されたノードと、
    複数の周波数が重畳された交流信号を発振する発振回路と、
    前記発振回路からの前記交流信号を前記ノードを介して検出し、その検出した交流信号の各周波数成分における波高値に基づいて前記負荷において漏電が発生しているか否かを判定する第1の判定回路とからなり、
    前記第2の漏電検出器は、
    前記負荷とアースラインとの間に接続されるコンデンサと、
    前記負荷と前記コンデンサとの間に接続されたスイッチと、
    前記コンデンサを介して前記アースラインに流れる電流を検出する電流センサーと、
    前記電流センサーからの電流値に基づいて前記負荷において漏電が発生しているか否かを判定する第2の判定回路とからなり、
    前記制御装置は、さらに、前記スイッチを周期的にオン/オフし、前記第1の漏電検出器または前記第2の漏電検出器が前記負荷の漏電を検出すると、降圧動作を行なうように前記電圧変換器を制御する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の負荷駆動装置。
  9. 前記電圧変換器は、前記電源の容量が満充電量であるとき、前記降圧した第1の直流電圧を補機へ供給する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の負荷駆動装置。
  10. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の負荷駆動装置を搭載した自動車。
  11. 負荷駆動装置における漏電発生時の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記負荷駆動装置は、
    電源から供給された第1の直流電圧を第2の直流電圧に昇圧して負荷側に供給する昇圧動作と、前記第2の直流電圧を前記第1の直流電圧に降圧して前記電源側に供給する降圧動作とを行なう電圧変換器と、
    前記負荷の漏電を検出する漏電検出装置とを含み、
    前記プログラムは、
    前記電圧変換器の前記昇圧動作中に前記漏電検出装置により前記負荷の漏電が検出されたか否かを判定する第1のステップと、
    前記負荷の漏電が検出されたとき、前記降圧動作を行なうように前記電圧変換器を制御する第2のステップとをコンピュータに実行させ
    前記電圧変換器は、直列に接続された上アームおよび下アームを含み
    前記プログラムの前記第2のステップは
    前記下アームをオフ制御する第1のサブステップと
    前記上アームをスイッチング制御する第2のサブステップとを含み
    前記第2のサブステップは
    前記上アームに流れる直流電流が前記上アームの過電流よりも小さくなる保護デューティー比を決定するステップAと
    前記上アームを前記保護デューティー比でスイッチング制御するステップBとを含み
    前記ステップAは
    前記第2の直流電圧を検出するステップと
    前記検出された第2の直流電圧に対応する保護デューティー比を前記第2の直流電圧と前記保護デューティー比との関係を示すマップを参照して抽出するステップとを含む、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  12. 前記第2のサブステップは、
    前記第2の直流電圧が所定の電圧に低下すると、前記上アームをオン制御するステップCをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  13. 前記保護デューティー比は、前記第2の直流電圧に反比例するオンデューティーを含む、請求項12に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  14. 前記漏電検出装置は、
    第1の漏電検出器と、
    前記第1の漏電検出器よりも小さい漏電を検出する第2の漏電検出器とを含み、
    前記第1の漏電検出器は、
    前記電源のアースラインとカップリングコンデンサを介して接続されたノードと、
    複数の周波数が重畳された交流信号を発振する発振回路と、
    前記発振回路からの前記交流信号を前記ノードを介して検出し、その検出した交流信号の各周波数成分における波高値に基づいて前記負荷において漏電が発生しているか否かを判定する第1の判定回路とからなり、
    前記第2の漏電検出器は、
    前記負荷とアースラインとの間に接続されるコンデンサと、
    前記負荷と前記コンデンサとの間に接続されたスイッチと、
    前記コンデンサを介して前記アースラインに流れる電流を検出する電流センサーと、
    前記電流センサーからの電流値に基づいて前記負荷において漏電が発生しているか否かを判定する第2の判定回路とからなり、
    前記プログラムの前記第1のステップは、
    前記スイッチを周期的にオン/オフするステップと、
    前記第1の漏電検出器が前記負荷の漏電を検出したか否かを判定するステップと、
    前記第2の漏電検出器が前記負荷の漏電を検出したか否かを判定するステップとを含む、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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