JP4300276B2 - 官能基のついた基により変性された表面をもつ炭素性材料を電気化学的に製造する方法、表面が変性された新規炭素性材料、および該材料の使用 - Google Patents
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Description
また本発明は有機基、特に官能基のついた有機基で変性された表面をもつ新規炭素性材料、および該炭素性材料の種々の使用に関する。
炭素繊維の表面を変性する方法は、複合材料の機械的性質を改善するための良く知られた解決法の一つである。或る種の複合材料は炭素繊維によって補強された有機性樹脂のマトリックスからつくられる。これらの材料の機械的性質は、少なくとも部分的には剪断応力に依存することが知られている。剪断応力は、層状の凝集力が増加するにつれて、即ち繊維/マトリックスの接着性が増加するにつれて増加する。炭素繊維の表面を変性すると、マトリックスに対する繊維の親和力(即ち接着性)を改善する基が表面につくられる。
これらの方法の大部分においては、繊維/マトリックスの接着性は、炭素繊維の表面を化学的または電気化学的に処理することによって改善される。
炭素性材料の表面を変性する通常の方法には、後で基質、特に有機性のマトリックスと結合(カップリング)させ得るカルボキシル、キノン、ケトンまたはヒドロキシル基を生じる強力酸化法が含まれている。
電気化学的経路を介する他の方法を用いると、アミノ化合物を繊維に付着させることができる。
フランス特許−A−2,477,593号には、硫酸または重硫酸のアンモニウム塩の溶液中で繊維を電気化学的に処理し、それによって繊維の表面に−NH2および=NHのような基を生成させ、それによって繊維/マトリックスの接着性が改善される方法が記載されている。
フランス特許−A−2,564,489号および同−A−2,607,528号においては、例えばアミノ化合物の水溶液を酸化することにより含窒素基を炭素繊維にグラフト結合させる電気化学的方法が記載されている。
日本特許−A−59 82467号には、水性媒質中においてアミノ化合物を陰極還元することにより炭素繊維を電気化学的に処理する方法が記載されている。
ヨーロッパ特許−B−569,503号記載の方法によれば、炭素性材料を非プロトン性溶媒中において式ArN2Xのジアゾニウム塩を含む溶液と接触させ、やはりこのジアゾニウム塩の溶液と接触している陽極に関し該炭素性材料を電位的に負に分極させることにより、該ジアゾニウム塩を電気化学的に還元して該炭素性材料の表面に芳香族の基を付着させることができる。その結果芳香族の基は炭素(該炭素性材料の炭素)−芳香族炭素(Ar基の炭素)結合を介して付着する。
このような変性された炭素性材料は、繊維/マトリックス複合材料の製造に用いられる他に、錯体形成化合物、生物学的分子または他の有機基をグラフト結合させるのに使用することができる。
それにも拘わらず、非常に多様なグラフト結合した分子を用い、既存の材料に関し性質が変化した或いは改善された新規変性炭素性材料を得ることができる炭素性材料の他の表面処理法を提供することはやはり望ましいことである。
本発明の目的はこれらの問題に対する解決を提供することである。
本発明は第1に、基、特に官能基のついた基で変性された表面を有する炭素性材料を電気化学的に製造する方法において、該方法は該炭素性材料をプロトン性または非プロトン性溶媒の中に有機残基、特にKolbe反応をなし得る官能基のついた残基(R)のカルボキシレートの塩および随時電解質を含む溶液と接触させ、該炭素性材料をやはり該塩の溶液と接触させた陰極に関し電位的に正に分極させ、変性された材料を回収する工程から成ることを特徴とする方法に関する。
本発明方法は、炭素性の電極上において式RCO2 -のカルボキシレートを陽極酸化すると、炭素性材料の表面にR残基が付着することが見出されたたことによっている。有機基の付着は共有結合的に起こる。
便宜的にカルボキシレートに付着した場合、Rは「残基」として知られており、それに対しRは炭素性材料に付着した場合、「基」という言葉を使用する。「基」という言葉は、後で随時変化させることができるために、もっと広い意味をもっていると考える。
カルボキシレートの電気化学的酸化は、またKolbe反応として知られているが、最も古い電気化学的有機反応の一つである。この反応ではカルボキシレートを酸化して電子を正の電極に運び、それによって1個の二酸化炭素分子と1個のR・基が生じる。R−R二量体をつくるには一般にKolbe反応が使用される。
本発明においては予想外にも、第2の電子の移送によってそれから生じ得るR・基または炭素陽イオンは、炭素性材料の表面の炭素原子に付着し得ることが見出された。この炭素性材料−有機基の結合は、一般に炭素性材料の炭素とアリールメチル基、特に官能基のついたアリールメチル基のメチルの炭素との間の炭素−炭素結合である。この結合はヨーロッパ特許−569,503号記載の方法によって得られる結合とは根本的に異なっている。
特に本発明は、Kolbe反応をなし得る有機残基、特に官能化された有機残基(R)のカルボキシレートの塩が式(I)
R1R2R3CCO2 -M+ (I)
但し式中
R1、R2およびR3は、同一または相異なり、
−水素原子、
−1個またはそれ以上の二重結合、1個またはそれ以上の三重結合、1個またはそれ以上のヘテロ原子、または1個またはそれ以上の随時官能基のついた芳香族の基を随時含む直鎖または分岐した脂肪族炭化水素基、
−随時官能基のついた芳香族または複素芳香族の基から選ばれ、
R1、R2およびR3の少なくとも1個は随時官能基のついた芳香族又は複素芳香族の基であり、
M+は陽イオン、特に第4級アンモニウム型の陽イオンである、に相当することを特徴とする上記方法に関する。
陽イオンの型は特に使用する溶媒に依存し、水またはプロトン性の溶媒の場合には陽イオンは例えばアルカリの陽イオンであることができる。
式Iの塩は少なくとも1個の官能基のついた芳香族または複素芳香族の基であることが好ましい。
R1およびR2は好ましくは水素原子に対応している。
「官能基のついた」という言葉は、芳香族または複素芳香族の基、或いは随時脂肪族の基が基質と反応し得る1個またはそれ以上の置換基、或いは基質と反応し得る置換基に変わり得る1個またはそれ以上の置換基を含んでいることを意味する。
従ってこれらの置換基は、炭素性材料に対して考えられている応用に従って、極めて多様である。樹脂、特に有機性の樹脂と直接反応し得る置換基の中では、例えば−NH2、−CH=CH2またはCF=CF2を挙げることができる。
変化した後、樹脂、特に有機性の樹脂と反応し得る前駆体置換基の中では、例えばNO2、COHal、COOHまたはCN基を挙げることができる。ここでHalはハロゲン原子を表す。
生物学的分子と直接反応し得る置換基の中では、例えばCOOHまたはNH2基を挙げることができる。
変化した後、生物学的分子と反応し得る前駆体置換基の中では、例えばNO2、COHal、CONH2、COOH、COOCH3、CN、CHOまたはCH2OH基を挙げることができる。ここでHalはハロゲン原子を表す。
官能基のついた有機分子と直接反応し得る置換基の中では、例えばNO2、COHal、CONH2、COOH、COOCH3、CN、CHOまたはCH2OH基を挙げることができる。ここでHalはハロゲン原子を表す。
変化した後、官能基のついた有機分子と反応し得る前駆体置換基の中では、例えばNO2、COHal、CONH2、COOH、COOCH3、CN、CHOまたはCH2OH基を挙げることができる。ここでHalはハロゲン原子を表す。
官能基のついた置換基の他に、芳香族または複素芳香族の基は1個またはそれ以上の非反応性の基、例えば炭素数1〜20のアルキル基を含んでいることができる。
「脂肪族の基」という言葉は、特に炭素数が1〜20で、随時1個またはそれ以上のヘテロ原子を含み、また随時1個またはそれ以上の二重または三重結合を含んでいる直鎖または分岐した基を意味するものとする。これらの脂肪族の基はまた1個またはそれ以上のハロゲン原子を含んでいることができる。これを拡張すれば、脂肪族の基はまた脂環式の基を含んでいる。
ハロゲン原子は例えば塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素から選ぶことができる。
「芳香族の基」という言葉は1個またはそれ以上の融合したまたは独立のベンゼン核を含むすべての公知の基を意味するものとする。制限を課すことなくフェニルまたはナフチル核、三重に融合した核またはビフェニル核を挙げることができる。
複素芳香族の基の中では、1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えばN、O、SまたはPを含むすべての芳香族複素環式の基を挙げることができる。
事実、Kolbe反応の条件と合致しない条件でない限り、本発明は特定の化合物に限定されるものではない。反応が満足に進行していることを保証する必要な他の条件は、R残基の立体障害のためにそれが炭素性材料の炭素原子に付着するには困難であり、むしろ不可能であるような条件ではないことである。この理由のために、芳香族または複素芳香族の基に対しα位にある炭素が比較的拘束されていないことが好ましい。換言すれば、芳香族または複素芳香族の基に対してα位にある炭素が第2級または第1級炭素であることが好ましく、第1級であること、即ちR1およびR2が水素原子に対応していることが極めて有利である。
例えば下記の残基を挙げることができる:ベンジル(化合物1)、4−メチルベンジル(化合物2)、4−メトキシベンジル(化合物3)、N,N’−ジメチル−4−アミノベンジル(化合物4)、3,4,5−トリメトキシベンジル(化合物5)、4−ニトロベンジル(化合物6)、ナフチルメチル(化合物7)、(9−メチルアントリル)メチル(化合物8)、ジフェニルメチル(化合物9)、トリフェニルメチル(化合物10)、または4−(ブロモメチル)ベンジル(化合物11)を挙げることができ、これらの化学式は下記のとおりである。
炭素性材料を構成する正の電極は、陽極電位の値がカルボキシレートから1個の電子を引き出し得るような値でなければならない。
この値は参照電極に対して測定することができ、従ってこの電位差の値はカルボキシレートに従って変わることができる。
飽和カロメル基準電極(SCE)に対する酸化電位は上記の化合物に対して下記のように与えられる。
有利な方法に従えば、実際問題としてカルボキシレート・イオンの陽極酸化は、該カルボキシレート・イオンが酸化される電位領域における反復サイクリックボルタンメトリー、電位を制御された電解(該イオンが酸化される電位における)、或いは当業界の専門家に公知の通常の方法に従って選ばれた電流を用いる電流を制御された電解によって行われる。
非プロトン性溶媒の中では、例えばアセトニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、スルフォランまたはこれらの混合物を挙げることができる。
プロトン性溶媒の中では、例えば水、メタノール、エタノールまたはこれらの混合物を挙げることができる。
好適具体化例に従えば、この溶液はまた電解質、例えば第4級アンモニウム塩またはアルカリ金属塩を含んでいる。
これらの中では、アルカリ金属または第4級アンモニウムの四フッ化硼酸塩、過塩素酸塩、および六フッ化燐酸塩、特に四フッ化硼酸リチウム、四フッ化硼酸テトラアルキルアンモニウム、例えば四フッ化硼酸テトラブチルアンモニウム、または六フッ化燐酸テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。
カルボキシレートおよび電解質の濃度は一般にカルボキシレートに対しては10-3〜10-1モル/リットル、電解質に対しては10-2〜1モル/リットルである。
非常に緻密なフィルムが望ましい場合に有利な他の方法では工程を二段階で実施する。
第1段階ではカルボキシレートをその酸化電位で酸化する。しかしこの酸化によって炭素性の電極が不動態化し、R残基の付着が完了したことが示された後、カルボキシレート溶液の中で原料のカルボキシレートの酸化電位とR残基の酸化電位との間に酸化電位が存在することが記録される。これは変性された炭素性の電極を純粋な電解質の溶液に移した時に観測される。
この変性された電極と接触させ、電解質およびカルボキシレート・イオンの溶液中でカルボキシレート・イオンをこの新しい酸化電位において陽極酸化すると、さらに余分のR残基が炭素性材料に付着する。
この理由のために、この好適な別の形に従えば、第1段階により変性された炭素性の電極を再び適当な酸化電位において陽極で分極させる。これによってさらに余分にR残基が付着することにより炭素性電極の不動態化が起こる。この方法でR残基の遥かに緻密な表面フィルムを得ることができる。
この第2段階もまた、好ましくは必要な電位の領域における反復サイクリックボルタンメトリー、或いは電圧を制御した電解(酸化される電位において)、または当業界の専門家にとって通常の方法に従って選ばれた電流を用いる電流を制御した電解により行われる。
本発明を特定の説明に結び付けるものではないが、第1段階後炭素性材料の表面はなお電子の移動が起こり得る部位をまだ含んでいると考えられる。これらの部位はカルボキシレート・イオンによって遮蔽されている。すでに付着しているR残基は局所的な誘電定数を著しく減少させ、カルボキシレート・イオンと電極の帯電された表面との間に強い静電的引力を生じる。
これが、第2の大きな正の値をもった電位によりR残基がさらに付着する理由であろう。
変性された炭素性材料を回収し、いくつかの方法でキャラクタリゼーションを行うことができる。
これに対してはサイクリックボルタンメトリー、X線光電子分光法およびトンネル電子顕微鏡法を挙げることができる。
これらの測定を実施することによりR残基が炭素性の表面に付着していることが確かめられる。R残基の表面密度はR残基の立体障害に依存し、従って今考えているR残基によって変化するであろう。下記実施例には、番号6、7および8のカルボキシレートを用い、本発明方法を使用して変性された炭素性材料に対するR残基の表面密度が示されている。
他の方法に従えば、本発明方法により表面を変性した炭素性の伝導性材料の表面に対し、後で官能基のついた置換基を変化させる処理を行う。例えば、樹脂、生物学的分子または官能基のついた有機分子と反応させるために置換基を変化させることができる。
従って本発明は本発明方法によって変化させた炭素性材料に適用される。
本発明はまた本発明方法によって得ることができる炭素性材料に関する。
他の形の実施態様に従えば、
変性された炭素性材料、特にカーボンブラック、高度に配向した熱分解グラファイト(HOPG)またはガラス状炭素から成る炭素性材料は、繊維、粉末、フェルト、繊維布、ビーズまたは炭素−炭素複合体の形で提供される。
本発明方法は、ヨーロッパ特許−B−569,503号の図1、および8頁の12〜35行に記載されたような公知の電解槽を用いて使用することができる。該特許は参考のために添付されている。
本発明はまた式(II)
R1R2R3 (II)
但し式中
R1、R2およびR3は、同一または相異なり、
−水素原子、
−1個またはそれ以上の二重結合、1個またはそれ以上の三重結合、1個またはそれ以上のヘテロ原子、または1個またはそれ以上の随時官能基のついた芳香族の基を随時含む直鎖または分岐した脂肪族炭化水素基、
−随時官能基のついた芳香族または複素芳香族の基から選ばれ、
R1、R2およびR3の少なくとも1個は随時官能基のついた芳香族又は複素芳香族の基である、
のR基により表面が変性されている炭素性材料に関する。
本発明方法の説明に示されたR残基の記述は、炭素性材料に付着した基Rの記述に適用される。
芳香族または複素芳香族の基に対してα位の炭素は好ましくは第2級炭素または第1級炭素であり、第1級炭素であること、即ちR1およびR2が水素原子に対応することが極めて有利である。
例えば次の基を挙げることができる:
ベンジル、4−メチルベンジル、4−メトキシベンジル、N,N’−ジメチル−4−アミノベンジル、3,4,5−トリメトキシベンジル、4−ニトロベンジル、ナフチルメチル、(9−メチルアントラシル)メチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、または4−(ブロモメチル)ベンジル。
本発明はまた本発明の炭素性材料をベースにした変性された炭素繊維および変性された炭素粉末に関する。
これらの変性された繊維は、複合体材料の形で該繊維と組み合わせて使用されることを意図された、有機性の樹脂上に存在する基と共有結合的に反応し得る置換基を含んでいることが好ましい。樹脂、特に有機性の樹脂と直接反応し得る置換基の中では、例えばNH2、−CH=CH2または−CF=CF2基を挙げることができる。
変化させた後、樹脂、特に有機性の樹脂と反応し得る前駆体置換基の中では、例えばNO2、COHal、COOHまたはCNを挙げることができる。ここでHalはハロゲン原子である。
もちろんこれらの置換基の種類は一般に広く変化させることができ、今考えている有機性樹脂に依存する。従って上記に挙げた置換基のリストは本発明を限定するものではない。
本発明はまた本発明の変性された炭素繊維で補強されている有機性樹脂のマトリックスを含む複合材料に関する。
複合材料のマトリックスは熱固定性重合体、例えばエポキシ樹脂、或いは熱可塑性樹脂、例えばポリアミド、ポリエチレンまたはポリテトラフルオロエチレン樹脂であることができる。
本発明はまた、置換基が化学的な化合物、例えば錯化剤、または生物学的分子、例えば蛋白質および特に酵素と共有結合的に結合し得る基Rで変性された炭素性材料に関する。
生物学的分子と直接反応し得る置換基の中では、例えばNH2、−CH=CH2または−CF=CF2基を挙げることができる。
変化させた後、生物学的なと反応し得る前駆体置換基の中では、例えばNO2、COHal、CONH2、COOH、COOCH3、CN、CHOまたはCH2OH基を挙げることができる。ここでHalはハロゲン原子である。
下記実施例により本発明を例示する。
すべての実施例は、電解質およびカルボキシレートの溶液を導入する電解槽の中で行われる。この溶液は下記の性質をもっている。
溶媒:アセトニトリル。
カルボキシレート:ベンジル(化合物1)、4−メチルベンジル(化合物2)、4−メトキシベンジル(化合物3)、N,N’−ジメチル−4−アミノベンジル(化合物4)、3,4,5−トリメトキシベンジル(化合物5)、4−ニトロベンジル(化合物6)、ナフチルメチル(化合物7)、(9−メチルアントリル)メチル(化合物8)、ジフェニルメチル(化合物9)、トリフェニルメチル(化合物10)、または4−(ブロモメチル)ベンジル(化合物11)。
カルボキシレートは化学量論的な量のn−Bu4NOHを加えることにより製造した。
電解質:0.1モルのn−Bu4NPF6。
実験はガラス状炭素(GC)電極を用いて行ったが、トンネル電子顕微鏡(TEM)でキャラクタリゼーションを行う場合は高度に配向したグラファイト(HOPG)を使用した。
実施例
実施例 1
濃度2mM(ミリモル)または4mMのカルボキシレート1の溶液に対し、カルボキシレート・イオンが酸化される電位領域において反復サイクリックボルタンメトリーを行った。
各サイクル中アルゴンを通して溶液を撹拌した。
図1は掃引速度0.2V/秒の反復サイクルに対するこのカルボキシレート1のボルタンモグラムを示す。
カルボキシレートの初期濃度が増加するにつれて、観測される不動態化は速くなった(図1a、2mM、図1b、4mM)。
濃度2mMにおいては、13サイクルの後に陽極のピークは消失した。
濃度4mMにおいては、9サイクル後に陽極のピークは消失した。
この抑制現象は陽極ピークの消失によって示され、このことはベンジル基が炭素性材料に付着し、炭素性材料が不導態化したことを示している。
実施例 2
上記式を有する化合物2、3、4、5、6、7および8を同じ条件で試験した結果、抑制現象が見られたが、必要とされるサイクルの回数は場合によって異なっていた。
化合物2、3、4、5、6および7に対しては、サイクルの数は同様な濃度において化合物1と同程度であった。
化合物4および8に対しては、この現象は遅かった(約50回のサイクルが必要であった)。
種々のカルボキシレートで観察された電位ピークは0.1V/秒において下記のとおりであった。
カルボキシレート6で得られた材料のキャラクタリゼーション
1)サイクリックボルタンメトリーによる方法
図2は、6を酸化することによって不動化し、純粋な電解質溶液(アセトニトリル+0.1Mのn−Bu4NPF6)に移された電極の掃引速度0.2V/秒でのサイクリックボルタンメトリーにおける応答を示す。
ニトロベンゼン溶液と同じ電位領域に表面波が観測された。
2)X線光電子分光法による方法
ガラス状炭素(図3a)または高度に配向したグラファイト(図3b)のいずれの電極に対しても、406eVにおけるニトロ基の窒素のシグナルによって含窒素基の存在が示される。
ガラス状炭素(GC),高度に配向したグラファイト(HOPG)または炭素繊維の電極の全スペクトルの特徴もX線光電子分光法によって決定された。
これらの特徴を下記表にまとめた。
表面密度は約2.5×10-10モル/cm2と推定した。
括弧の中の数値は裸の表面に対応している。
カルボキシレート8で得られた材料のキャラクタリゼーション
カルボキシレート8によって不動態化された電極は還元的サイクリックボルタンメトリーにおいて同じ挙動を示す。即ち9−メチルアントラセンの可逆還元に対するシグナルの存在により、また9−メチルアントラセンの酸化に対するシグナルと同じ電位領域にある僅かに可逆的な酸化に対するシグナルによって、9−メチルアントリル基の存在が立証される。
純粋な電解質溶液へ移された不動態化された電極のサイクリングの際にボルタンモグラムに僅かな可逆性が観測される。この波は9−メチルアントラセン溶液の酸化に対する波と同じ電位領域にある。
炭素性材料の上における(9−メチルアントリル)メチル残基の下記に示す分布は、トンネル電子顕微鏡によりドライディング・モデルと比較し、R残基の回転半径に基づいて計算を行うことにより得られる。
表面密度は約1.4×10-10モル/cm2と推定することができる。
カルボキシレート7で得られた材料のキャラクタリゼーション
カルボキシレート7によって不動態化された電極は、還元的サイクリックボルタンメトリーにおいて前記実施例の電極と同じ挙動を示す。しかし酸化サイクルのボルタンモグラムは可逆性を示さない。
還元条件下におけるサイクリックボルタンモグラムは0.2V/秒においては8の場合よりも可逆性が少ないが、掃引速度を20V/秒まで増加させると可逆性を回復させることができる。
炭素性表面上におけるナフチルメチル残基の下記に示す分布は、トンネル電子顕微鏡によりドライディング・モデルと比較し、R残基の回転半径に基づいて計算を行うことにより得られる。
表面密度は約1.5×10-10モル/cm2と推定することができる。
カルボキシレート1、2、3および5で得られる材料のキャラクタリゼーション
材料表面における対応する基の存在は、対応する炭化水素の溶液と同じ電位領域にある酸化に対する不可逆波によりサイクリックボルタンメトリーによって立証される。
カルボキシレート4で得られる材料のキャラクタリゼーション
純粋な電解質溶液中においてカルボキシレート4により不動態化された電極のサイクリックボルタンメトリーにおいては、N,N’−ジメチルアニリン溶液の酸化波と同じ電位領域に酸化波が示される。遅い掃引速度(0.2V/秒)では波は不可逆的であるが、掃引速度が速い(20V/秒)と、波は可逆的になる。
実施例 3
付加的な酸化工程
実施例1のカルボキシレート1を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、アセトニトリル+0.1M n−Bu4NPF6中にカルボキシレート1を含む2mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4aに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着したベンジル残基の数が増加する。
実施例 4
付加的な酸化工程
カルボキシレート2を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、カルボキシレート2の2mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4bに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着した4−メチルベンジル残基の数が増加する。
実施例 5
付加的な酸化工程
カルボキシレート3を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、カルボキシレート3の2mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4cに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着した4−メトキシベンジル残基の数が増加する。
実施例 6
付加的な酸化工程
カルボキシレート4を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、カルボキシレート4の2mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4dに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着したN,N’−ジメチルアミノベンジル残基の数が増加する。
実施例 7
付加的な酸化工程
カルボキシレート5を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、カルボキシレート5の2mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4eに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着した3,4,5−トリメトキシベンジル残基の数が増加する。
実施例 8
付加的な酸化工程
カルボキシレート3を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、カルボキシレート6の5mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4fに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着した4−ニトロベンジル残基の数が増加する。
実施例 9
付加的な酸化工程
カルボキシレート7を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、カルボキシレート7の2mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4gに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着したナフチルメチル残基の数が増加する。
実施例10
付加的な酸化工程
カルボキシレート8を用いて得られたガラス状炭素電極に対し、カルボキシレート8の1mMの溶液中において0.2V/秒の速度でサイクリックボルタンメトリーを行い、このカルボキシレートの酸化に対する波(図4hに示されるように、カルボキシレートの初期酸化を示す点線)よりも正の電位にある酸化波を得た。この実験に従えば、炭素性電極に付着した(9−メチルアントリル)メチル残基の数が増加する。
実施例9および10に従いカルボキシレート7および8で得られた材料のキャラクタリゼーション
純粋な電解質溶液中の掃引速度20V/秒でカルボキシレート7によって不動態化された電極は、サイクリックボルタンメトリーにおいて対応する炭化水素の溶液と同じ電位領域において可逆的な曲線を示す(図5aおよび5bの点線)を示す。
実施例9および10によって変性した炭素性材料のトンネル電子顕微鏡によるキャラクタリゼーション
測定結果を下記表に示す。
残基7で変性した炭素性材料に対しては
残基8で変性した炭素性材料に対しては
表面密度は第1の酸化で得られた密度の少なくとも5倍であった。
従って、本発明方法によれば極めて多様に変性された炭素性材料を得ることができ、これらの材料は、グラフト結合した基に多様性があり、炭素性の支持体が伝導性をもっているために、多くの応用を行い得る事が見出された。
実施例11
図6は、アセトニトリルと0.1MのNBu4PF6との溶液中における濃度2.29mMのカルボキシレート11のボルタンモグラムであり、この際電極にはガラス状炭素を用い、掃引速度は0.2V/秒であった。カルボキシレート11は約1.1〜1.3V/SECおよび2.4V/SECの所に二つの不可逆波を示す。
第1の波の上を相次いで掃引すると、陽極ピークは正の電位の方へ移動することが観測される。例えば8回掃引すると120mV移動する。カルボキシレート11の電解はガラス状炭素の電極を用い1.2V/SCEで15分間行う。この電解終了後、超音波容器の中でアセトンを用いて、次いでアルコールを用いて5分間(各溶媒に対してそれぞれ)電極を注意して洗浄し、最後に溶媒と支持電解質だけを含む溶液の中に移す。図7(ガラス状炭素からつくられた電極をアセトニトリルおよび0.1MのNBu4BF4中でカルボキシレート11を使用してグラフト結合させたもののボルタンモグラムを示す)においては、約−2.0V/SECの所にある非常に幅広い不可逆的な陰極波が観測された。この波の電位は同じ条件下における臭化ベンジルの波の電位(−1.94V/SEC)と同様である。2回目の掃引中この波は消滅した。
結論として、ガラス状炭素に対するカルボキシレート11のグラフト結合の生成が明瞭に観測される。ガラス状炭素に対するグラフト化の程度は、グラフト化された表面のC−Br結合の開裂に対応する二電子還元波の面積から測定した。その値は約6×10-10モル/cm2であった。
Claims (16)
- 表面の変性された炭素性材料の電気化学的な製造方法であって、炭素性材料をプロトン性または非プロトン性溶媒の中に有機残基を有するカルボキシレートの塩を含む溶液と接触させ、該炭素性材料を該塩の溶液とも接触させた陰極に関し正の電位に分極させ、表面の変性された炭素材料を回収する工程を含んでなり、かつ、
有機残基を有するカルボキシレートの塩が、式(I)
R1R2R3CCO2 -M+ (I)
〔式中、
R1、R2およびR3は、同一または相異なり、水素原子;直鎖または分岐した脂肪族炭化水素基;および芳香族または複素芳香族の基、から選ばれ、そして
M+は陽イオンであるが、但し、
R1、R2およびR3の少なくとも1個は芳香族又は複素芳香族の基であり、かつ、該芳香族または複素芳香族の基が、基質と直接反応し得る1個またはそれ以上の置換基、或いは前駆体置換基であって、置換基に変化した後には基質と反応し得る1個またはそれ以上の前駆体置換基によって官能基がつけられている。〕
で表されることを特徴とする上記製造方法。 - 置換基が、樹脂と直接反応し得るものであり、そして−NH2、−CH=CH2および−CF=CF2から成る群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前駆体置換基が、置換基に変化した後には樹脂と反応し得るものであり、そしてNO2、COHal,COOHおよびCNから成る群から選ばれ、ここでHalはハロゲン原子であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 置換基が、生物学的分子と直接反応し得るものであり、そしてCOOHおよび−NH2から成る群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 置換基が、官能基のついた有機分子と直接反応し得るものであり、そしてNO2、COHal、CONH2、COOH、COOCH3,CN、CHOおよびCH2OHから成る群から選ばれ、ここでHalはハロゲン原子であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前駆体置換基が、置換基に変化した後には、生物学的分子または官能基のついた有機分子と反応し得るものであり、そしてNO2、COHal、CONH2、COOH、COOCH3,CN、CHOおよびCH2OHから成る群から選ばれ、ここでHalはハロゲン原子であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- R1およびR2が、水素原子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、スルフォランおよびそれらの混合物から成る群から選ばれる請求項1記載の方法。
- プロトン性溶媒が、水、メタノール、エタノールおよびそれらの混合物から成る群から選ばれる請求項1記載の方法。
- 陽極においてカルボキシレート・イオンの陽極酸化が起こり、該酸化はカルボキシレートが酸化されるかまたは電解される電位領域における反復サイクリックボルタンメトリーによって行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- カルボキシレートの塩の濃度が、10 -3 〜10 -1 モル/リットルであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 有機残基を有するカルボキシレートの塩を含む溶液が、電解質を含み、その濃度は10 -2 〜1モル/リットルであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の方法により変性された炭素性電極を、非プロトン性またはプロトン性の溶媒中に電解質および有機残基を有するカルボキシレートの塩を含む溶液と接触させ、該塩の溶液とも接触している陰極に関し該炭素性電極を適当な酸化電位において正に分極させることを特徴とする方法。
- 表面の変性された炭素性材料を、続いて、官能基のついた置換基を変化させる処理に供することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 繊維で補強された有機性の樹脂からつくられている複合材料であって、炭素性材料が表面において下記式(II)
R1R2R3C (II)
〔式中、
R1、R2およびR3は、同一または相異なり、水素原子;直鎖または分岐した脂肪族炭化水素基;および芳香族または複素芳香族の基、から選ばれるが、但し、
R1、R2およびR3の少なくとも1個は芳香族又は複素芳香族の基であり、かつ、該芳香族または複素芳香族の基が、基質と直接反応し得る1個またはそれ以上の置換基、或いは前駆体置換基であって、置換基に変化した後には基質と反応し得る1個またはそれ以上の前駆体置換基によって官能基がつけられている。〕
で表されるメチル芳香族の基により変性されていることを特徴とする、上記複合材料。 - 生物学的な分子と反応し得る官能基のついた有機基が付着した表面に生物学的な反応を行わせるための式(II)
R1R2R3C (II)
〔式中、
R1、R2およびR3は、同一または相異なり、
水素原子;直鎖または分岐した脂肪族炭化水素基;および芳香族または複素芳香族の基から選ばれるが、但し、
R1、R2およびR3の少なくとも1個は芳香族又は複素芳香族の基であり、かつ、該芳香族または複素芳香族の基が、基質と直接反応し得る1個またはそれ以上の置換基、或いは前駆体置換基であって、置換基に変化した後には基質と反応し得る1個またはそれ以上の前駆体置換基によって官能基がつけられている。〕
で表されるメチル芳香族の基により表面の変性されている炭素性材料の使用。
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