JP4295549B2 - 電気接続箱の取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体パネル等に取り付けられ、ワイヤハーネスが接続された電気接続箱等の回収に有効である電気接続箱の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車には長尺部材例えばワイヤハーネス(電線)が多数配索されており、これらワイヤハーネスは、車体パネル等に固着される電気接続箱としてのジャンクションブロック、リレーブロック、コネクタブロック、ECU BOX、プロテクタ等に接続されている。例えば、図9に示されるように、車体パネル20の一方のパネル側部20aに図示しない締結ねじにより締結固定されたジャンクションブロック10と、他方のパネル側部20bに締結固定されたジャンクションブロック10とをワイヤハーネス25を介して接続し、このワイヤハーネス25をリインフォース21に沿って配索している。
【0003】
この車両を一次解体(リサイクルできるものはリサイクルに供すべく行われる解体)するときには、配索されているワイヤハーネス25にJフック26を引っかけ、車体パネル20の上方にJフック26を引っ張ってジャンクションブロック10の回収を行っている。
【0004】
しかしながら、ジャンクションブロック10は、車両走行中の振動などにより外れないように締結ねじにより強固に固定されているため、Jフック26を引っ張った際に、ワイヤハーネス25が断線したり、ジャンクションブロック10に接続されているコネクタが抜けたりして、ジャンクションブロック10だけが車体パネル20に取り残されることがある。
【0005】
ジャンクションブロック10が取り残されると、ジャンクションブロック10の取付ブラケット15,17に挿通された締結ねじをインパクトレンチ等で緩め、身体を屈めた状態でジャンクションブロック10の取り外しを行わなければならず、別途に取り外す工数が増えて、回収作業性が悪くなるという問題がある。
【0006】
そこで、係る問題を解決すべく、車体パネルに固定されるジャンクションブロックを容易に回収することができる電気接続箱の取付構造が、本出願人により提案されている(特許文献1)。
【0007】
このジャンクションブロックは、ヒューズやリレーなどが内部に収容される本体54と、本体54に設けられて車体パネルに固定される取付ブラケット50(図10)とからなっている。取付ブラケット50は、舌片形状をなし、本体54の側面に突出形成されていて、締結ねじにより車体パネルに締結固定されるようになっている。
【0008】
取付ブラケット50に形成された破断容易部53は、切欠部51とこの切欠部51と同一線L上に位置する破断用孔52とが形成された部分であり、破断容易部53の横断面積を他の部分よりも小さくすることで、この部分に応力の集中を生じせしめて、小さい外力で本体54と取付ブラケット50とを破断分離するようにしたものである。
【0009】
このような構成によれば、ジャンクションブロックに外力が作用すると、取付ブラケット50の破断容易部53に亀裂が生成し、切欠部51と破断用孔52とを結ぶ線L上を亀裂が進展し、本体54を破損させることなく、本体54を回収することができる効果がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−350331号公報(第2−3頁、第3図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電気接続箱の取付構造では、解決すべき以下の問題点がある。
【0012】
車両走行中の振動や衝撃等により破断容易部53に不測な外力が作用すると、破断容易部53が不用意に破断するおそれがある。破断容易部53が破断すると、ジャンクションブロックが車体パネルから外れて宙ぶらりんとなり、ジャンクションブロックからコネクタが抜けて非通電状態となったり、ワイヤハーネスが断線したり、ジャンクションブロックそのもの自体が車体パネルに衝突して破損したりすることとなる。
【0013】
本発明は、上記した点に鑑み、車両走行中の振動や衝撃により破断分離することなく、接続箱本体の回収時にのみ破断分離し、回収作業性及びリサイクル性を向上することができる電気接続箱の取付構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載された本発明の電気接続箱の取付構造は、接続箱本体には車体側に固定される取付部が形成され、電気接続箱の回収時に、該接続箱本体が該取付部から分離されるものである電気接続箱の取付構造において、前記取付部の内部に空洞が形成されると共に、該空洞に抜き差し自在に差し込まれ、かつ、該空洞の内壁に挟持された、補強部材が設けられていることを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、空洞に補強部材が差し込まれているときは、取付部の剛性が向上し、車両走行中の振動や衝撃等の外力が接続箱本体に作用しても、取付部から破断することが防止される。空洞から補強部材が抜かれたときは、取付部の剛性が低下し、車幅方向の引っ張りやねじりにより取付部から破断する。
【0016】
また、請求項2に記載された発明は、請求項1記載の電気接続箱の取付構造において、前記取付部には、引っ張りによって破断を誘発させる破断誘発部が設けられていることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、取付部の好ましくは根本側に、破断誘発部を設けることで、車両走行中の振動や衝撃(垂直荷重)等に対しては十分な強度を有し、電気接続箱の回収時の車幅方向の外力(水平荷重)に対しては容易に破断分離する。すなわち、車両走行中の振動や衝撃等の不測な外力が接続箱本体に作用しても、接続箱本体が車体側から外れることがなく、接続箱本体の回収時において、ワイヤハーネスを車幅方向に引っ張った時に、破断誘発部に応力が局部的に集中し、その応力値が取付部の引張強さを越えた時に、破断誘発部に亀裂が生成し、接続箱本体が取付部から破断分離される。
【0018】
また、請求項3記載の発明は、請求項記載の電気接続箱の取付構造において、前記破断誘発部が、切欠部として設けられていることを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、破断誘発部が切欠部であるから、取付部の横断面積が減少し、車幅方向の引張力やねじりにより生ずる応力値が増大する。切欠部を取付部の両側に設けた場合は、より一層応力値が増大し、取付部の破断が誘発され易くなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜4は、本発明に係る電気接続箱の取付構造の第1の実施形態を示す図である。なお、従来例と同一構成部分については同一符号を付して説明することとする。
【0021】
電気接続箱としてのジャンクションブロック10は、バスバーや導線等からなる分岐回路ユニットを内蔵し、自動車等の各種車両のエンジン室や車室の車体パネル(車体側)20にねじ等の締結部材を用いて固着される自動車部品である。
【0022】
本実施形態のジャンクションブロック10は、ブロック本体(接続箱本体)12の上壁(壁部)13a及び下壁(壁部)13bにそれぞれ突出形成された取付ブラケット(取付部)15,17を有し、ブロック本体12が取付ブラケット15,17を介して車体パネル20に固着されるものであるジャンクションブロック10であって、取付ブラケット15,17の根元側に、破断を誘発する切欠部(破断誘発部)15b、17bが設けられ、ブロック本体12の回収時に、ワイヤハーネス25が車幅方向x(図4)に引っ張られることで、切欠部15b、17bが破断の起源となってブロック本体12と取付ブラケット15,17とが分離されるものであることを第1の特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、取付ブラケット15,17の根元側には、破断を誘発する切欠部15b,17bが設けられているから、ブロック本体12の回収時に、ワイヤハーネス25を車幅方向xに引っ張ると、切欠部15b,17bに応力が集中し、亀裂が生成し、ブロック本体12が取付ブラケット15,17の切欠部15b,17b,17cから破断分離されて、ワイヤハーネス25とともにブロック本体12が同時に回収される(図4)。なお、ブロック本体12は、ワイヤハーネス25を車幅方向xに引っ張ったときにのみ取付ブラケット15,17から破断し、それ以外の場合、例えば車両走行中の振動や衝撃等の不測の外力、車体の前後方向y又は上下方向z(図4)の外力によっては破断せず、車両走行中の電気的接続の信頼性は維持されるようになっている。
【0024】
以下に、本実施形態のジャンクションブロック10の主要構成部分及びその作用について詳細に説明することとする。
図1において、ジャンクションブロック10は、矩形箱状のブロック本体12と、ブロック本体12を車体パネル20に取り付けるための取付ブラケット15,17とからなっている。なお、電気接続箱としては、ジャンクションブロック10に制約されるものではなく、リレーブロック、コネクタブロック、ECU BOX、プロテクタ等であってもよい。
【0025】
ブロック本体12は、ケース13と、ケース13内に内蔵される図示しない回路ユニットと、ケース13外へ導出(又は導入)されるワイヤハーネス25とからなっている。ケース13は、合成樹脂材を構成材料とし、射出成形により成形されている。ケース13の後壁13dには、いわゆる雌型のコネクタ嵌合部14が設けられていて、ワイヤハーネス25の端部に設けられたコネクタ25aが嵌合されている。コネクタ25aは、コネクタ嵌合部14にロック手段によりロックされて、ワイヤハーネス25を引っ張ってもコネクタ25aが抜け出さないようになっている。
【0026】
ワイヤハーネス25は、ブロック本体12の回収時等に引っ張られても、切れない強さを有している。逆に言うと、取付ブラケット15,17の破断強さが、ワイヤハーネス25の断線強さより小さくなっている。このため、ワイヤハーネス25が引っ張られても、ブロック本体12が取付ブラケット15,17から破断分離する前に、ワイヤハーネス25が断線しないようになっている。
【0027】
一方、取付ブラケット15,17は、車体パネル20に堅固に固定されており、ワイヤハーネス25が断線するほどの強い力で引っ張っても外れないようになっている。例えば、取付ブラケット15,17は、ねじ、ボルト又はクランプ等の締結手段により締結固定されている。
【0028】
取付ブラケット15,17は、ブロック本体12の上壁13a及び下壁13bの2箇所に、各一つずつ突設されている。各取付ブラケット15,17は、車体パネル20の取付箇所の形状に適合するような形状に形成されていると共に、締結ねじが挿通される挿通孔15a,17aをそれぞれ有している。
【0029】
図2に示されるように、第1の取付ブラケット15は、ブロック本体12の下壁13bの一端部に突出形成され、矩形状の側壁13c面の対角線上にほぼ沿って延出する舌片形状を成している。この第1の取付ブラケット15は、ブロック本体12の両側壁13c,13c間の幅寸法とほぼ同等の寸法に形成され、締結ねじを挿通させる2つの挿通孔15a,15aを並列に有している。
【0030】
図3に示されるように、第2の取付ブラケット17は、ブロック本体12の上壁13aの他端部(第1の取付ブラケット15が設けられている端部に対して対角線上に位置する反対側の端部)に突出形成され、鉛直方向の斜め上方に向かって延出するU字形状を成している。この第2の取付ブラケット17も、第1の取付ブラケット15と同様に、ブロック本体12の両側壁13c,13c間の幅寸法とほぼ同等の寸法に形成され、その中央部には締結ねじを挿通させる挿通孔17aを有している。
【0031】
第1、第2の取付ブラケット15,17には、ブロック本体12の回収時にブロック本体12を取付ブラケット15,17から破断させるための切欠部15b,17bがそれぞれ設けられている。なお、本発明は、切欠部15b,17bを第1、第2の取付ブラケット15,17の片側に設けることに制約するものではなく、両側に設けることもできる。切欠部15b,17bを両側に設けた場合は、横断面積が小さくなり、集中する応力値が大きくなって、破断し易くなる。
【0032】
また、切欠部15b,17bをいずれか一方の取付ブラケット15,17に設けることもできる。この場合は、引張力を受ける側の取付ブラケットに切欠部を設けることが好ましい。これは、材料固有の性質より明らかなように、引張力を受ける箇所から材料の破断が誘発されるからである。本実施形態では、両方の取付ブラケット15,17に、切欠部15b,17bが設けられていて、一方(片側)から順に外力を受けて破断されるようになっている。
【0033】
切欠部15b、17bはV字状に形成されているが、本発明は、このような形状に制約されるものではなく、U字状、矩形状又は半円状の切欠部とすることや、溝や刻み目とすることも可能である。また、取付ブラケット15,17の表面に、一方の側から他方の側に亘って溝を設けるようにしてもよい。
【0034】
次に、車体パネル20に対するブロック本体12の取り付けについて説明する。ブロック本体12は、図4(a)に示されるように、第1、第2の取付ブラケット15,17を介して車体パネル20のパネル側部20a,20bにそれぞれ締結固定される。すなわち、ブロック本体12は、第1、第2の取付ブラケット15,17の挿通孔15a,17aに締結ねじが挿通され、締結ねじが車体パネル20のねじ孔に螺合されることで、車体パネル20に固定される。そして、ブロック本体12にコネクタ25aを介して接続されているワイヤハーネス25が車体パネル20の上方に引き出されて、リインフォース21に沿って配索される。
【0035】
図4(b)に示されるように、ブロック本体12の回収の際は、配索されているワイヤハーネス25にJフック26を引っかけ、このJフック26を上方に引き上げると、ブロック本体12が車幅方向に引っ張られ、一方の取付ブラケット15が破断し、続いて他方の取付ブラケット17が破断し、ワイヤハーネス25とともにブロック本体12が上方に引き上げられることとなる。
【0036】
このように本実施形態によれば、固定されたブロック本体12は、車両走行中の振動や衝撃等の不測の外力、車体の前後方向y又は上下方向zの外力により破断して脱落することはなく、車幅方向xの引っ張りによってのみ破断するようになっている。
【0037】
次に、図5及び図6に基づいて、本発明に係る電気接続箱の取付構造の第2の実施形態について説明する。なお、この実施形態と第1の実施形態と共通する構成部分については同一符号を付して説明する。
【0038】
この実施形態は、取付ブラケット33の空洞35aに補強部材38が差し込まれる点において、第1の実施形態の取付ブラケット15,17と相違する。空洞35aに補強部材38が差し込まれているときは、断面2次モーメントの性質より明らかなように、取付ブラケット33の剛性が向上し、車両走行中の振動や衝撃等の外力がブロック本体32に作用しても、取付ブラケット33が破断することが防止されるようになっている。逆に、空洞35aから補強部材38が抜かれたときは、取付ブラケット33の剛性が低下し、車幅方向xの引っ張りにより取付ブラケット33が破断し易くなっている。
【0039】
取付ブラケット33は、ブロック本体32の上壁32aのほぼ中央部に、重力方向上方に沿って延出する舌片形状に一体形成され、その中央部にはボルト等を挿通させるための挿通孔34aが設けられている。
【0040】
取付ブラケット33は、車体パネル20(図4)に固着される固着部34と、ブロック本体32に連なる連結部36と、その固着部34と連結部36との間に設けられる中間部35とからなっている。固着部34と中間部35とは、ほぼ半円状に形成され、その半円状の近傍であって幅方向ほぼ中央部に挿通孔34aが設けられている。中間部35の内側には、先端部から他端部(先端部とは反対側の端部)に沿って延在する空洞35aが設けられ、空洞35aの他端部側には開口部35bが設けられている(図6)。
【0041】
図6に示されるように、中間部35の背面側には、連結部36の先端部が一体的に連設されている。連結部36は断面ほぼ直角三角形状に形成され、底面がブロック本体32の上壁32aに連設されていると共に、垂直面のほぼ中央部より先端部に掛けて中間部35が連設されている。中間部35の下面とブロック本体32の上壁32aとの間には、補強部材38を抜き差しするための空間37が形成されている。この空間37の高さは、補強部材38の長さと同程度の長さに形成されている。
【0042】
中間部35には、取付ブラケット33の破断を誘発させる凹部(破断誘発部)35cが設けられている。この凹部35cは、ブロック本体32の回収時に、ブロック本体32に車幅方向x(図4)の引張力を作用させたときに破断を誘発する部分であり、車両走行中やワイヤハーネス25配索時やその他の場合には、外力を受けても破断しないようになっている。
【0043】
凹部35cは取付ブラケット33の破断を誘発させることができるならば如何様にも形成することができ、例えば断面V字状、断面U字状、断面矩形状、断面半円状等に凹ませて形成してもよいし、図6に示されるように、断面V字状の溝に形成してもよい。
【0044】
補強部材38は、鋼等の金属材料を構成材料とし、取付ブラケット33の空洞35a内に抜き差し自在に差し込まれ、空洞35a内の内壁に挟持されている。補強部材38は、L字状を成しているが、取付ブラケット33の破断を阻止することができるならば如何様にも形成してもよく、例えば、真直状等に形成してもよい。
【0045】
補強部材38は、長手部分が空洞35a内に保持される補強部38aとして形成され、長手部分に続く短手部分が開口部35bから露出して補強部材38を移動させる操作部38bとして形成されている。補強部38a表面には、空洞35aからの落下を確実に防止するために、例えば図6(b)に点線で示したような突部38cを設けて、凹部35cの出っ張りと係合させるようにしてもよい。
【0046】
なお、ブロック本体32の回収時は、補強部材38の操作部38bを指等で掴み、下方に引っ張って抜き出し、図4に示される第1の実施形態と同様にして、ワイヤハーネス25にJフック26を引っかけ、このJフック26を上方に引っ張ることで、ブロック本体32が車幅方向xに引っ張られて車体パネル20から分離されるようになっている。
【0047】
このように本実施形態によれば、取付ブラケット33には、破断を誘発する凹部35cと、空洞35aとが形成され、空洞35aには抜き差し自在に補強部材38が設けられるから、車両走行中の振動や衝撃等の外力によっては、取付ブラケット33が破断することが確実に防止される。ブロック本体32の回収時は、補強部材38が抜き出されるから、取付ブラケット33の剛性が低下し、車幅方向xの引っ張りにより取付ブラケット33が容易に破断分離される。
【0048】
次に、図7及び図8に基づいて、本発明に係る電気接続箱の取付構造の第3の実施形態について説明する。なお、この実施形態と第1の実施形態と共通する構成部分については同一符号を付して説明する。
【0049】
この実施形態は、ブロック本体42が取付ブラケットを介さず直に車体パネル20に固定されるものである点において、第1の実施形態と相違する。すなわち、車体パネル20には、上下各一対のばね片(ばね部材)45が突設され、ブロック本体42が上下各一対のばね片45に挟まれ、ばね力で車体パネル20に押さえ付けられて固定されるものである。このばね片45は、矩形状の金属板を長手方向に沿ってU字状に湾曲させて形成されている。
【0050】
ブロック本体42は、ばね片45のばね力で挟まれて固定される為、車両走行中の振動や衝撃等による外力がばね片45により弾性吸収され、ブロック本体42が車体パネル20から脱落して破損することが防止され、しかも、ブロック本体42を車体パネル20から回収する際は、ばね片45を開くように撓ませ、ブロック本体42から外すことにより、ブロック本体42を容易に回収することができるようになっている。
【0051】
ばね片45は、この実施の形態のようにU字形状に制約されるものではなく、ブロック本体42を挟持することができるものであれば、例えばL字状等であってもよく、どのように形成してもよい。また、各一対のばね片45は対向していなくてもよく、互い違いになっていてもよく、ブロック本体42を四方から囲むように設けてもよい。
【0052】
ブロック本体42の周壁42aには、ばね片45と対向する位置に、凹部43が設けられている。各ばね片45に対向する凹部43は、互いに直交する周壁42aに跨り、L字状に形成されている。この凹部43に、ばね片45が係合することで、ブロック本体42の位置決めが行われ、車両走行中の位置ずれ等が防止されて、ブロック本体42が確実に固定されるようになっている。
【0053】
ブロック本体42の回収時は、第1の実施形態の図4に示されるように、ワイヤハーネス25にJフック26を引っかけ、このJフック26を上方に引っ張ることで、ブロック本体42が車幅方向xに引っ張られ、車体パネル20から分離されるようになっている。
【0054】
このように本実施形態によれば、ブロック本体42を回収する際は、ばね片45を外側に開き、ブロック本体42から離れるように撓ませることにより、ブロック本体42をばね片45のばね力から解放し、車体パネル20から分離することができるようになっているので、接続箱本体の回収作業性が向上する。また、不用意に接続箱本体が車体側から外れても、再びセットし直せば接続箱本体を車体側に簡単に固定することができる。したがって、ワンタッチで取り付け/取り外しを行うことができ、取付作業性及び回収作業性が向上する。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0056】
【発明の効果】
請求項に記載の発明によれば、空洞に補強部材が差し込まれているときは、取付部の剛性が向上し、車両走行中の振動や衝撃等の外力が接続箱本体に作用しても、取付部から破断することが防止され、空洞から補強部材が抜かれたときは、取付部の剛性が低下し、車幅方向の引っ張りにより取付部から破断する。したがって、電気接続箱の回収時の際は、取付部が破断し易くなり、回収作業性が向上する。
【0057】
請求項に記載の発明によれば、車両走行中の振動や衝撃(垂直荷重)等に対しては、十分な剛性を有して取付部から破断を生じないが、接続箱本体の回収時の車幅方向の引っ張り(水平荷重)に対しては、剛性が低下し取付部から容易に破断分離する。したがって、電気接続箱の回収時に、ワイヤハーネスを車幅方向に引っ張ると、破断誘発部から破断し、接続箱本体が取付部から容易に分離されて、電気接続箱を容易かつ確実に回収することができ、リサイクル性が向上する。
【0058】
請求項に記載の発明によれば、破断容易部が切欠部であるから、取付部の横断面積が減少し、車幅方向の引張力やねじりにより生ずる応力値が増大する。したがって、取付部の破断がより一層誘発され易くなり、電気接続箱の回収作業性がより一層向上する。
付部から容易に分離される。したがって、電気接続箱の回収作業性がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るジャンクションブロック(電気接続箱の取付構造)の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】 図1に示されるジャンクションブロックの下側の取付ブラケット(取付部)を拡大した斜視図である。
【図3】 同じくジャンクションブロックの上側の取付ブラケット(取付部)を拡大した斜視図である。
【図4】 ワイヤハーネス及びジャンクションブロックを回収している状態を示す斜視図であり、(a)はJフックをかけた状態を示す図、(b)はワイヤハーネスを引っ張った状態を示す図である。
【図5】 本発明に係るジャンクションブロックの第2の実施形態を示す斜視図である。
【図6】 図5に示されるジャンクションブロックの要部を拡大した断面図であり、(a)は補強部材が差し込まれている状態、(b)は補強部材が抜き出されている状態をぞれぞれ示す図である。
【図7】 本発明に係るジャンクションブロックの第3の実施形態を示す斜視図である。
【図8】 図7に示されるジャンクションブロックが車体パネルに固定された状態を示す斜視図である。
【図9】 車体パネルに固定されたジャンクションブロックの従来の一例であり、Jフックにかけた引張力により、ワイヤハーネスが断線した状態を示す斜視図である。
【図10】 ジャンクションブロックに形成された取付ブラケットの従来の他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
10,30,40 ジャンクションブロック(電気接続箱)
12,32,42 ブロック本体(接続箱本体)
15 第1の取付ブラケット(取付部)
15b,17b 切欠部(破断誘発部)
17 第2の取付ブラケット(取付部)
20 車体パネル(車体側)
25 ワイヤハーネス
33 取付ブラケット(取付部)
35a 空洞
35c 凹部(破断誘発部)
43 凹部
46 ばね片(ばね部材)

Claims (3)

  1. 接続箱本体には車体側に固定される取付部が形成され、電気接続箱の回収時に、該接続箱本体が該取付部から分離されるものである電気接続箱の取付構造において、
    前記取付部の内部に空洞が形成されると共に、該空洞に抜き差し自在に差し込まれ、かつ、該空洞の内壁に挟持された、補強部材が設けられていることを特徴とする電気接続箱の取付構造。
  2. 前記取付部には、引っ張りによって破断を誘発させる破断誘発部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱の取付構造。
  3. 前記破断誘発部が、切欠部として設けられていることを特徴とする請求項2記載の電気接続箱の取付構造。
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