JP4287116B2 - 電力増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話等の高周波帯で使用される低歪みで発熱に対する動作安定度の高い電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
バイポーラトランジスタは、GaAs ヘテロ接合バイポーラトランジスタを代表として、携帯電話等の電力増幅器に用いられている。
【0003】
また、バイポーラトランジスタは、熱的な正帰還特性を有するデバイスであり、発熱によってベースおよびコレクタ電流が増大するので、熱的な安定動作のために、温度上昇によるコレクタ電流増大を抑制する回路が付加されるのが一般的である。
【0004】
また、送信用電力増幅器にバイポーラトランジスタを使用する場合は、出力電力を大きくするために、複数のバイポーラトランジスタを並列に接続して所定の出力電力を得ることが一般的である。この場合、個別のトランジスタ間の温度の不均一性によって、特定のトランジスタに電流が集中してしまい、理想的な並列動作が得られなかったり、最悪の場合、素子破壊を招いたりする。このため、温度上昇によるコレクタ電流増大を抑制する回路の付加は必須である。
【0005】
この温度上昇によるコレクタ電流増大を抑制する回路として、ベース端子とベースバイアス電源の間に抵抗を挿入した回路がある。この回路では、温度上昇によるベース電流増大が、上記抵抗での電圧降下によって抑制されるので、結果的にコレクタ電流の増大が抑制される。
【0006】
この回路構成を複数のバイポーラトランジスタの並列動作に適用した従来例(米国特許(US 5608353))を、図11に示す。
【0007】
この従来例は、n個のバイポーラトランジスタQ101〜Q10nの並列動作を行う回路であり、Q101〜Q10nはエミッタ接地バイポーラトランジスタ、RB101〜RB10nは、各トランジスタQ101〜Q10nのベース端子とベース電源VBの間に接続された抵抗である。また、C101〜C10nは、各トランジスタQ101〜Q10nのベース端子と信号入力端子RFINの間に接続されたキャパシタである。このキャパシタC101〜C10nは、信号入力端子RFINとベース電源端子VBを直流に対して分離しつつ、信号入力端子RFINから入力された高周波信号を各バイポーラトランジスタQ101〜Q10nのベース端子に導く機能を有する。
【0008】
また、この回路では、個別のバイポーラトランジスタQ101〜Q10nの温度が不均一になり、各バイポーラトランジスタQ101〜Q10nのベース電流の不均一な分布が生じた場合でも、抵抗RB101〜R10nでの電圧降下が、ベース電流が低いトランジスタQ10k(k=1〜n)では小さく、ベース電流が高いトランジスタQ10k(k=1〜n)では大きくなる。この結果として、各バイポーラトランジスタQ10k(k=1〜n)のコレクタ電流が均一化され、熱的な安定動作が得られる。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第5608353号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のデジタル変復調方式を用いる通信装置用の電力増幅器に、上記従来例におけるバイポーラトランジスタ回路を使用する場合には、以下の課題がある。
【0011】
すなわち、デジタル変調方式としては、QPSK(4元位相偏移変調)やQAM(4元振幅変調)等、信号の振幅と位相の両方に情報を乗せる方式が一般に用いられるため、信号波形の忠実な増幅が必要であり、電力増幅器には低歪み動作が要求される。したがって、このような電力増幅器では、入力信号の電流振幅(ベース電流振幅)の増大に比例した出力電流振幅(コレクタ電流振幅)を出力する必要がある。
【0012】
ところが、上記従来例では、コレクタ電流振幅が大きくなるに従い、ベース電流の増大によって、抵抗RB101〜RB10nでの電圧降下が大きくなるので、ベース電流振幅の増大とコレクタ電流振幅の増大が比例関係を維持できなくなる。これは、いわゆるゲインコンプレッションであり、増幅器に振幅歪みが生じてしまう。
【0013】
そこで、この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、熱的に安定動作しかつ低歪の電力増幅器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の電力増幅器は、コレクタ端子が信号出力端子に接続され、信号入力端子と信号出力端子との間に並列接続された複数のエミッタ接地バイポーラトランジスタと、
上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子とベースバイアス電圧供給端子との間に接続された抵抗と、
上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子と上記ベースバイアス電圧供給端子との間に上記抵抗に対して並列に接続され、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるインピーダンス回路部と、を備え、
さらに、ベース電圧供給手段を備え、
上記ベースバイアス電圧供給端子と上記ベース電圧供給手段との間に、可変インピーダンス回路が接続され、
上記インピーダンス回路部は、
一方の端子が上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子に接続され、他方の端子が信号入力端子に接続された第1のインピーダンス回路と、
一方の端子が上記信号入力端子に接続され、他方の端子が上記ベースバイアス電圧供給端子に接続された第2のインピーダンス回路とを有し、
上記第1のインピーダンス回路または上記第2のインピーダンス回路の少なくとも一方が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であることを特徴としている。
【0015】
この発明の電力増幅器では、上記抵抗に対して並列に接続され、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるインピーダンス回路部が、交流信号に関して上記抵抗をバイパスするバイパス経路を構成する。これにより、上記ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0016】
また、上記インピーダンス回路部は、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるので、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0017】
また、この発明では、上記電力増幅器において、上記インピーダンス回路部は、一方の端子が上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子に接続され、他方の端子が信号入力端子に接続された第1のインピーダンス回路と、
一方の端子が上記信号入力端子に接続され、他方の端子が上記ベースバイアス電圧供給端子に接続された第2のインピーダンス回路とを有し、
上記第1のインピーダンス回路または上記第2のインピーダンス回路の少なくとも一方が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0018】
この発明では、バイポーラトランジスタのベース端子とベースバイアス電圧供給端子の間に接続された抵抗の両端には、第1および第2のインピーダンス回路を経由した高周波成分についてのバイパス経路ができる。したがって、上記ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0019】
また、上記第1および第2のインピーダンス回路の少なくとも一方は、その両端インピーダンスが直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるため、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0020】
また、一実施形態は、上記エミッタ接地バイポーラトランジスタと上記抵抗と上記第1のインピーダンス回路とが構成する増幅部を複数個だけ備え、
上記複数個の増幅部の第1のインピーダンス回路または上記第2のインピーダンス回路の少なくとも一方が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0021】
この一実施形態では、上記増幅部を複数個だけ備え、上記エミッタ接地バイポーラトランジスタを複数個だけ並列接続して電力増幅器を構成した。この場合においても、直流に対しては開放となる第1のインピーダンス回路または第2のインピーダンス回路の少なくとも一方でもって、交流信号に関して上記抵抗をバイパスするバイパス経路を構成する。
【0022】
この構成により、上記ベースバイアス電圧供給端子と各バイポーラトランジスタのベース端子との間のベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。これにより、実効的に各抵抗での電圧降下の増大が抑制され、上記従来例で見られたゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0023】
また、温度上昇によるベース電流増大は、各抵抗での電圧降下によって抑制されるので、結果的に、各バイポーラトランジスタのコレクタ電流の増大が抑制され、熱的に均一かつ安定な動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0024】
また、一参考例では、上記インピーダンス回路部は、一方の端子が信号入力端子に接続され、他方の端子が上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子に接続された第1のインピーダンス回路と、
一方の端子が上記ベースバイアス電圧供給端子に接続され、他方の端子が上記ベース端子に接続された第2のインピーダンス回路とを有し、
上記第2のインピーダンス回路が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0025】
この一参考例の電力増幅器では、上記ベースバイアス電圧供給端子とベース端子との間に接続された第2のインピーダンス回路が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0026】
したがって、上記第2のインピーダンス回路が、交流信号に関して上記抵抗を直接にバイパスするバイパス経路を構成する。これにより、上記ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0027】
また、上記第2のインピーダンス回路は、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるので、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0028】
また、一参考例は、上記エミッタ接地バイポーラトランジスタと上記抵抗と上記第1のインピーダンス回路と上記第2のインピーダンス回路とが構成する増幅部を複数個だけ備え、上記複数個の増幅部の上記第2のインピーダンス回路が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0029】
この参考例では、各増幅部が有する第2のインピーダンス回路は直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0030】
したがって、上記第2のインピーダンス回路が、交流信号に関して上記抵抗を直接にバイパスするバイパス経路を構成する。これにより、上記ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0031】
また、上記第2のインピーダンス回路は、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるので、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0032】
また、一実施形態では、上記第1または第2インピーダンス回路のうちの少なくとも一方が、キャパシタを有し、このキャパシタによって、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通になっている。
【0033】
この実施形態の電力増幅器では、上記第1または第2のインピーダンス回路の少なくとも一方は上記キャパシタでもって、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通な回路とすることができる。したがって、簡単な回路構成でもって第1または第2のインピーダンス回路の少なくとも一方を実現できる。
【0034】
また、一実施形態では、上記第2のインピーダンス回路は、キャパシタを有し、このキャパシタによって、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通になっている。
【0035】
この実施形態では、上記第2のインピーダンス回路は、上記キャパシタでもって、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通の回路とすることができる。したがって、簡単な回路構成でもって上記第2のインピーダンス回路を実現できる。
【0036】
また、この発明では、ベース電圧供給手段を備え、上記ベース電圧供給端子と上記ベース電圧供給手段との間に可変インピーダンス回路が接続されている。
【0037】
この発明では、上記可変インピーダンス回路は、入力される信号の振幅に依存して、インピーダンスが変化する。このような可変インピーダンス回路は、たとえば、可変インピーダンス素子としてのダイオードあるいはバイポーラトランジスタを含んでいる。この可変インピーダンス回路によれば、入力信号電力の増大に伴って、ベース電圧供給手段から供給される電流が増大したときに、ベース電圧供給手段とベース電圧供給端子との間のインピーダンスが低下し、可変インピーダンス回路での電圧降下が低減される。したがって、この実施形態は、歪みをさらに抑制できる電力増幅器となる。
【0038】
一方、上記可変インピーダンス素子は温度に依存する特性を有するので、上記可変インピーダンス素子の付加は電力増幅器の熱的不安定動作を招く要因になるが、上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子とベースバイアス電圧供給端子との間に接続された抵抗による熱的安定動作効果によって、上記熱的不安定動作を回避できる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0040】
(第1の参考例)
図1に、この発明の電力増幅器の第1の参考例を示す。この第1参考例の電力増幅器は、ベース端子B,コレクタ端子Coを有したエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1と、ベースバイアス電圧供給端子VBとベース端子Bの間に接続された抵抗RBを備える。上記エミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1のコレクタ端子Coは信号出力端子RFOUTに接続されている。
【0041】
また、この第1参考例の電力増幅器は、2端子Pa1,Pb1を有する第1のインピーダンス回路Z1を備え、このインピーダンス回路Z1は、その端子Pa1が信号入力端子RFINに接続され、端子Pb1が上記ベース端子Bに接続されている。また、この第1参考例は、第2のインピーダンス回路ZZを備え、この第2のインピーダンス回路ZZの端子Paが上記信号入力端子RFINに接続され、端子Pbが上記ベースバイアス電圧供給端子VBに接続されている。
【0042】
ここで、第1インピーダンス回路Z1と第2インピーダンス回路ZZのうちの少なくとも一方は、その2端子間が直流成分に対して開放状態であるとともに交流成分に対して導通状態である。上記第1インピーダンス回路Z1と第2インピーダンス回路ZZがインピーダンス回路部ZI1をなす。
【0043】
したがって、この第1参考例では、直流に対してはベースバイアス電圧供給端子VBとベース端子Bとの間にあるのは抵抗RBのみである。したがって、温度上昇によるベース電流増大が上記抵抗RBでの電圧降下によって抑制される。これにより、結果的に、エミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1のコレクタ電流の増大を抑制できるので、トランジスタQ1の周囲温度の変化あるいは自己発熱に対して安定な動作を確保できる。
【0044】
一方、信号入力端子RFINから入力された高周波信号は、インピーダンス回路Z1を経由して、ベース端子Bに導かれる。高周波的には、バイポーラトランジスタQ1のベース端子Bとベースバイアス電圧供給端子VBの間に接続された抵抗RBの両端には、第1,第2インピーダンス回路Z1,ZZを経由した高周波成分についてのバイパス経路ができる。したがって、上記抵抗RBに向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、実効的に、上記抵抗RBでの電圧降下の増大が抑制され、上述したゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0045】
また、この第1参考例では、第1,第2のインピーダンス回路Z1,ZZによって、抵抗RBに対する高周波成分についてのバイパス経路を形成しているので、このバイパス経路での信号の通過位相あるいは通過振幅を変えることによっても、ベース端子Bに注入される電流波形を調整できる。また、この第1参考例では、上記バイパス経路を、2つのインピーダンス回路Z1,ZZで構成しているので、上述のような、ベース端子Bへ注入される電流波形の調整の自由度が高い回路構成となる。
【0046】
(第2の参考例)
次に、図2に、この発明の電力増幅器の第2の参考例を示す。この第2の参考例は、前述の第1の参考例に比べて、具体的かつ簡素な参考例の一例であり、図1における第1のインピーダンス回路Z1をキャパシタC1で構成し、第2のインピーダンス回路ZZをキャパシタCa1で構成したものである。
【0047】
この第2参考例によれば、直流に対して開放となるとともに交流に対して導通となる第1,第2のインピーダンス回路Z1,ZZをキャパシタC1,Ca1のような簡素な素子で回路構成でき、前述の第1参考例と同様に、熱的な安定動作と低歪み動作の両立を実現できる。
【0048】
(第3の参考例)
次に、図3に、この発明の第3の参考例を示す。この第3参考例は、前述の第2参考例において、キャパシタCa1に直列に抵抗Ra1を接続した直列回路を第2のインピーダンス回路としたものである。第1のインピーダンス回路は、第2参考例と同様、キャパシタC1で構成した。
【0049】
この第3参考例によれば、この第2のインピーダンス回路を構成する抵抗Ra1の抵抗値によって、抵抗RBを流れるベース電流の交流成分を調整できる。したがって、この第3参考例によれば、第2の参考例に比べて、電力増幅器のゲインコンプレッションを高精度に抑制できる。
【0050】
(第4の参考例)
次に、図4に、この発明の電力増幅器の第4の参考例を示す。この第4参考例は、ベース端子Bとコレクタ端子Coを有するエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1と、ベースバイアス電圧供給端子VBとベース端子Bの間に接続された抵抗RBとを有する。上記エミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1のコレクタ端子Coは信号出力端子RFOUTに接続されている。
【0051】
また、この第4参考例は、信号入力端子RFINに端子Pa1が接続され、ベース端子Bに端子Pb1が接続された第1のインピーダンス回路Z1と、ベースバイアス電圧供給端子VBに端子Paが接続され、ベース端子Bに端子Pbが接続された第2のインピーダンス回路ZZを有する。この第1,第2のインピーダンス回路Z1,ZZがインピーダンス回路部ZI2をなす。
【0052】
この第4参考例では、第2のインピーダンス回路ZZは、その2端子Pa,Pb間が直流に対して開放状態にあるとともに交流に対して導通となる。したがって、この第4参考例では、直流に対してはベースバイアス電圧供給端子VBとベース端子Bの間にあるのは抵抗RBのみである。
【0053】
したがって、この第4参考例では、温度上昇によるベース電流増大を、上記抵抗RBでの電圧降下によって抑制できるので、結果的にコレクタ電流の増大を抑制できる。したがって、トランジスタQ1の周囲温度の変化あるいは自己発熱に対する安定な動作を確保できる。
【0054】
一方、信号入力端子RFINから入力された高周波信号は、インピーダンス回路Z1を経由してベース端子Bに導かれる。この第4参考例では、高周波的には、バイポーラトランジスタQ1のベース端子Bとベースバイアス電圧供給端子VBの間に接続された抵抗RBの両端には、第2インピーダンス回路ZZが構成する高周波成分についてのバイパス経路ができる。したがって、上記抵抗RBに向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られることになり、実効的に上記抵抗RBでの電圧降下の増大が抑制され、上記従来例の課題であるゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0055】
(第5の参考例)
次に、図5に、この発明における電力増幅器の第5の参考例を示す。この第5参考例は、第4の参考例のより具体的かつ簡素な参考例の一例である。すなわち、この第5参考例では、図4に示した第1インピーダンス回路Z1をキャパシタC1とし、第2インピーダンス回路ZZをキャパシタCa1としたものである。
【0056】
この第5参考例では、このようなキャパシタC1,キャパシタCa1からなる簡素な回路構成の第1インピーダンス回路Z1,第2インピーダンス回路ZZによって、第4参考例と同様に、熱的な安定動作と低歪み動作とを両立できる。
【0057】
なお、上記第1から5の参考例においては、1つのバイポーラトランジスタQ1を備えたが、上記信号入力端子RFINと信号出力端子RFOUTとの間に並列接続された複数のエミッタ接地バイポーラトランジスタを備えてもよい。この場合は、本発明の第6〜第10参考例となる。
【0058】
(第11の参考例)
次に、図6に、この発明の電力増幅器の第11の参考例を示す。この第11参考例は、エミッタ接地型のn個のバイポーラトランジスタQ1〜Qnを備える。エミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1〜Qnは、そのコレクタ端子Co1〜Conが信号出力端子RFOUTに接続され、エミッタが接地されている。
【0059】
また、1番目のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1は、そのベース端子B1が第1のインピーダンス回路Z1の端子Pb1および抵抗RB1に接続されている。また、上記インピーダンス回路Z1の端子Pa1は、信号入力端子RFINに接続され、抵抗RB1はベース端子B1とベースバイアス電圧供給端子VBとの間に接続されている。
【0060】
同様に、k番目(k=2〜n)のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQk(k=2〜n)のベース端子Bkは、k番目の第1インピーダンス回路Zk(k=2〜n)の端子Pbk(k=2〜n)およびk番目の抵抗RBkに接続されている。また、k番目のインピーダンス回路Zk(k=2〜n)の端子Pak(k=2〜n)は、信号入力端子RFINに接続され、k番目の抵抗RBk(k=2〜n)はk番目のトランジスタQk(k=2〜n)のベース端子Bkとベースバイアス電圧供給端子VBとの間に接続されている。
【0061】
また、1個の第2のインピーダンス回路ZZは、信号入力端子RFINとベースバイアス電圧供給端子VBとの間に接続されている。
【0062】
上記1番目のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1と第1のインピーダンス回路Z1と抵抗RB1が1番目の増幅部U1を構成し、上記k番目のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQkと第1のインピーダンス回路Zkと抵抗RBkがk番目の増幅部Ukを構成している。したがって、この第11参考例では、n個のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1〜Qnとn個の抵抗RB1〜RBnとn個の第1インピーダンス回路Z1〜Znからなるn個の増幅部U1〜Unを備え、このn個の増幅部U1〜Unは、信号出力端子RFOUTと信号入力端子RFIN,ベースバイアス電圧供給端子VBとの間に並列に接続されている。
【0063】
この第11参考例では、n個の第1インピーダンス回路(Z1〜Zn)のすべてと、1個の第2インピーダンス回路ZZとのうちの少なくとも一方は、その2端子間が直流成分に対して開放状態にあるとともに交流成分に対して導通である。
【0064】
したがって、この第11参考例では、直流に対してはベースバイアス電圧供給端子VBと各バイポーラトランジスタQ1〜Qnのベース端子B1〜Bnの間にあるのは抵抗RB1〜nのみである。
【0065】
したがって、この第11参考例では、温度上昇による各バイポーラトランジスタQ1〜Qnのベース電流増大を上記抵抗RBk(k=1〜n)での電圧降下によって抑制できる。したがって、結果的に、各バイポーラトランジスタQ1〜Qnのコレクタ電流の増大を抑制できる。したがって、各バイポーラトランジスタQ1〜Qnの周囲温度の変化あるいは自己発熱に対して安定な動作を確保できる。
【0066】
一方、信号入力端子RFINから入力された高周波信号は、第1インピーダンス回路Z1〜Znによって、各バイポーラトランジスタQ1〜Qnのベース端子B1〜Bnに導かれる。
【0067】
この第11参考例では、高周波的には、各バイポーラトランジスタQk(k=1〜n)のベース端子Bk(k=1〜n)とベースバイアス電圧供給端子VBの間に接続された抵抗RBk(k=1〜n)の両端には、第2のインピーダンス回路ZZと第1のインピーダンス回路Zk(k=1〜n)を経由した高周波成分についてのバイパス経路が形成される。したがって、上記抵抗RBk(k=1〜n)に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。このため、実効的に、上記抵抗RBk(k=1〜n)での電圧降下の増大が抑制され、上記従来例の課題であるゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0068】
また、この第11参考例では、1個の第2インピーダンス回路ZZおよびn個の第1インピーダンス回路Zk(k=1〜n)によって、n個の抵抗RBk(k=1〜n)についての高周波成分についてのバイパス経路を形成している。この場合、各バイパス経路での信号の通過位相あるいは通過振幅を変えることによっても、各バイポーラトランジスタQ1〜Qnのベース端子B1〜Bnに注入される電流波形を調整できる。この第11参考例では、上記各バイパス経路において2つのインピーダンス回路ZZ,Zk(k=1〜n)が介在しているので、この2つのインピーダンス回路ZZ,Zk(k=1〜n)によって、各ベース端子B1〜Bnへ注入される電流波形の調整の自由度を高くすることができる。
【0069】
なお、携帯電話や無線LAN(ローカルエリア・ネットワーク)等の通信装置に用いられる送信用電力増幅器では、所定の出力を得るために、この第6参考例のごとく、複数のバイポーラトランジスタを並列に接続して増幅動作をするのが一般的である。したがって、この第11参考例の電力増幅器によれば、これらの用途に使用する場合の好ましい参考例となる。
【0070】
(第12の参考例)
次に、図7に、この発明の電力増幅器の第12の参考例を示すものである。この第12参考例は、前述の第11参考例のより具体的かつ簡素な参考例の一例である。この第12参考例は、図6におけるn個のインピーダンス回路Z1〜Znを、n個のキャパシタC1〜Cnで構成し、かつ、1つの第2インピーダンス回路ZZを1個のキャパシタCaxで構成したものである。
【0071】
この第12参考例の電力増幅器によれば、n個のキャパシタC1〜Cn,1個のキャパシタCaxで第1,第2のインピーダンス回路を構成した簡素な回路構成でもって、前述の第11参考例と同様、熱的な安定動作と低歪み動作とを両立できる。
【0072】
(第13の参考例)
次に、図8に、この発明の電力増幅器の第13の参考例を示す。この第13参考例は、前述の第12参考例におけるキャパシタCaxに換えて、このキャパシタCaxに抵抗Raxを直列に接続した直列回路を備え、この直列回路が第2のインピーダンス回路を構成している。
【0073】
この第13参考例では、1個の抵抗Raxの抵抗値によって、n個の各抵抗RBk(k=1〜n)を流れるベース電流の交流成分を調整できる。したがって、この第13参考例によれば、第12の参考例に比べて、電力増幅器のゲインコンプレッションを高精度に抑制できる。
【0074】
(第14の参考例)
次に、図9に、この発明の電力増幅器の第14の参考例を示す。この第14参考例は、n個のエミッタ接地型のバイポーラトランジスタQ1〜Qnを備えている。このn個のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1〜Qnのコレクタ端子Co1〜Conは信号出力端子RFOUTに接続されている。
【0075】
このn個のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1〜Qnのうちの1番目のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1のベース端子B1と信号入力端子RFINとの間には1番目の第1のインピーダンス回路Z1が接続されている。また、上記ベース端子B1とベースバイアス電圧供給端子VBとの間には、1番目の抵抗RB1と1番目の第2のインピーダンス回路Zx1とが並列に接続されている。
【0076】
同様に、k番目のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQk(k=2〜n)のベース端子Bk(k=2〜n)と信号入力端子RFINとの間には、k番目の第1のインピーダンス回路Zk(k=2〜n)が接続されている。また、上記ベース端子Bkとベースバイアス電圧供給端子VBとの間には、k番目の抵抗RBkとk番目の第2のインピーダンス回路Zxk(k=2〜n)とが並列に接続されている。
【0077】
上記1番目のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1と第1のインピーダンス回路Z1と抵抗RB1と第2のインピーダンス回路Zx1が1番目の増幅部V1を構成し、上記k番目のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQkと第1のインピーダンス回路Zkと抵抗RBkと第2のインピーダンス回路Zxkがk番目の増幅部Vkを構成している。したがって、この第14参考例では、n個のエミッタ接地型バイポーラトランジスタQ1〜Qnとn個の抵抗RB1〜RBnとn個の第1インピーダンス回路Z1〜Znとn個の第2インピーダンス回路Zx1〜Zxnからなるn個の増幅部V1〜Vnを備え、このn個の増幅部V1〜Vnは、信号出力端子RFOUTと信号入力端子RFIN,ベースバイアス電圧供給端子VBとの間に並列に接続されている。
【0078】
この第14参考例では、上記n個の第2のインピーダンス回路Zxk(k=1〜n)は、その2端子Pxak,Pxbk(k=1〜n)間が直流成分に対して開放状態にあると共に交流成分に対して導通である。
【0079】
したがって、この第14参考例では、直流に対しては、ベースバイアス電圧供給端子VBと各バイポーラトランジスタQk(k=1〜n)のベース端子Bk(k=1〜n)の間にあるのは抵抗RBk(k=1〜n)のみである。したがって、この第14参考例では、温度上昇によるベース電流増大が、上記抵抗RBk(k=1〜n)での電圧降下によって抑制される。したがって、結果的に、各バイポーラトランジスタQk(k=1〜n)のコレクタ電流の増大を抑制できるから、トランジスタQ1〜Qnの周囲温度の変化あるいは自己発熱に対して安定な動作を確保できる。
【0080】
一方、信号入力端子RFINから入力された高周波信号は、n個の第1のインピーダンス回路Z1〜Znによって、各バイポーラトランジスタQ1〜Qnのベース端子B1〜Bnに導かれる。
【0081】
また、この参考例では、高周波的には、各バイポーラトランジスタQ1〜Qnのベース端子B1〜Bnとベースバイアス電圧供給端子VBの間に接続された抵抗RB1〜RBnの両端には、第2のインピーダンス回路Zx1〜Zxnを経由した高周波成分についてのバイパス経路ができる。したがって、上記抵抗RB1〜RBnに向かって流れるベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られるので、上記抵抗RB1〜RBnでの電圧降下の増大を実効的に抑制でき、ゲインコンプレッションを抑制でき、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0082】
携帯電話や無線LAN等の通信装置に用いられる送信用電力増幅器では、所定の出力を得るために複数のバイポーラトランジスタを並列に接続して増幅動作をするのが一般的である。したがって、この第14参考例における電力増幅器はこれらの用途に使用する場合の好ましい参考例となる。
【0083】
(第15の参考例)
次に、図10に、この発明の電力増幅器の第15の参考例を示す。この第15参考例は、前述の第14参考例のより具体的かつ簡素な参考例の一例である。すなわち、この第15参考例は、図9における第2のインピーダンス回路Zx1〜ZxnをキャパシタCx1〜Cxnで構成し、第1のインピーダンス回路Z1〜ZnをキャパシタC1〜Cnで構成している。
この第15参考例によれば、このような簡素な回路構成でもって、熱的な安定動作と低歪み動作の両立を実現できる。
【0084】
(第16の参考例)
次に、図12に、この発明の第16の参考例を示す。この第16参考例の電力増幅器は、上述の図1に示される第1参考例の電力増幅器Amp1のベースバイアス電圧供給端子VBとベース電圧供給手段であるベース電圧供給回路121との間に、可変インピーダンス回路122が接続されている。
【0085】
上記可変インピーダンス回路122のインピーダンスは、この可変インピーダンス回路122を流れる電流値に依存する。つまり、この可変インピーダンス回路122の存在により、入力信号電力の増大に伴って上記ベース電圧供給回路121から供給される電流が増大したときに、ベースバイアス電圧供給端子VBとベース電圧供給回路121との間のインピーダンスが低下する。したがって、上記増幅用バイポーラトランジスタQ1のベースBへの入力信号の信号電力が増大したときに、上記可変インピーダンス回路122での電圧降下が低減されることになるので、電力増幅器としての歪みを一層抑制することができる。
【0086】
また、上記可変インピーダンス回路122は、例えば、可変インピーダンス素子としてのダイオード、バイポーラトランジスタのベース−エミッタ接合、あるいはベース−コレクタ接合などにより実現される。これらの可変インピーダンス素子は、温度に依存する特性を有するため、増幅用バイポーラトランジスタQ1のベース−エミッタ接合の温度特性に上記可変インピーダンス素子が持つ温度特性が重畳される。従来では、このことに起因して、温度上昇によるベース電流の増大がより顕著になり、電力増幅器の熱的不安定動作を招く要因になっていた。これに対して、この第16参考例では、増幅器Amp1を構成する図1の抵抗RBによる電圧降下によって、温度上昇によるベース電流の増大を抑制でき、かつ、この抵抗RBを付加しても電力増幅器の低歪み動作を実現できる。
【0087】
(第17の参考例)
次に、図13に、第17の参考例を示す。この第17参考例は、図12に示した第16参考例における可変インピーダンス回路122をより具体的な回路構成の可変インピーダンス回路132とした。
【0088】
この第17参考例の構成例では、可変インピーダンス素子をダイオードDxとした。このダイオードDxは、ベース電圧供給手段であるベース電圧供給回路121とベースバイアス電圧供給端子VBとの間に、ベースバイアス電圧供給端子VBに向かって順方向に接続されている。このダイオードDxとベース電圧供給回路121との間に抵抗Rx1が接続され、このダイオードDxと抵抗Rx1との接続点Pxとグランドとの間に、抵抗Rx2とキャパシタCxとが直列に接続されている。
【0089】
この抵抗Rx1,Rx2、およびキャパシタCxは、バイアス調整および可変インピーダンス量の調整のためのものであり、各素子(抵抗Rx1,Rx2およびキャパシタCx)の抵抗値,容量値は適宜設定される。
【0090】
(第18の参考例)
次に、図14に、第18の参考例を示す。この第18の参考例は、図12に示した第16参考例における可変インピーダンス回路122をより具体的な回路構成の可変インピーダンス回路142とした。
【0091】
この第18参考例の構成においては、可変インピーダンス素子はバイポーラトランジスタQxのベース−エミッタ接合により構成される。このバイポーラトランジスタQxは、エミッタがベースバイアス電圧供給端子VBに接続され、コレクタが抵抗Rx1を介して、ベース電圧供給手段であるベース電圧供給回路121に接続されている。また、このバイポーラトランジスタQxのベースは、上記コレクタに接続されている。
【0092】
上記コレクタと抵抗Rx1との接続点Px1は、上記コレクタとベースとの接続点Px2に接続され、この接続点Px2とグランドとの間には、抵抗Rx2とキャパシタCxが直列に接続されている。
【0093】
この抵抗Rx1,Rx2、およびキャパシタCxは、バイアス調整および可変インピーダンス量の調整のためのものであり、各素子(Rx1,Rx2およびCx)の抵抗値,容量値は適宜設定される。
【0094】
(第19の参考例)
次に、図15に、第19の参考例を示す。この第19参考例は、図12の第16参考例のベース電圧供給回路121に替えて、第1のベース電圧供給回路151と第2のベース電圧供給回路152を備える。また、この第19参考例では、図12の可変インピーダンス回路122に替えて、可変インピーダンス回路153を備える。
【0095】
この第19参考例では、可変インピーダンス素子をバイポーラトランジスタQxとした。このバイポーラトランジスタQxは、エミッタがベースバイアス電圧供給端子VBに接続され、コレクタが第2のベース電圧供給回路152に接続されている。また、このバイポーラトランジスタQxのベースは、抵抗Rx11を経由して、第1のベース電圧供給回路151に接続されている。また、上記ベースと抵抗Rx11との接続点Px11とグランドとの間には、抵抗Rx22とキャパシタCxxとが直列に接続されている。
【0096】
図15に示す構成例においては、可変インピーダンス素子はバイポーラトランジスタQxのベース−エミッタ接合により構成されるが、バイポーラトランジスタQxのベースが第1ベース電圧供給回路151に接続され、コレクタが第2ベース電圧供給回路152に接続されている点が、図14の構成例と異なる。この第19参考例では、ベースバイアス電圧供給端子VBへ供給する電流は、バイポーラトランジスタQx1のコレクタに直結された第2ベース電圧供給回路152から供給できる。したがって、電力増幅器Amp1の図1に示す電力増幅用トランジスタQ1へのベース電流供給能力が高く、高出力時のゲインコンプレッションを抑制できる。
【0097】
なお、図12〜図15に示した第16〜第19の参考例では、電力増幅器Amp1として、図1に示した第1参考例を備えたが、この電力増幅器Amp1を、図2〜図10に示した第2〜第5参考例、この第2〜第5参考例に対応する上述の第6〜第10参考例、第11〜第15参考例のうちのいずれか1つの電力増幅器としてもよい。この第11〜第13参考例のうちのいずれか1つの電力増幅器を、図12〜図15に示した第16〜第19の参考例における電力増幅器Amp1とした場合は、本発明の第1〜第3実施形態となる。
【0098】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の電力増幅器は、エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子とベースバイアス電圧供給端子との間に接続された抵抗に対して並列に接続され、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるインピーダンス回路部が、交流信号に関して上記抵抗をバイパスするバイパス経路を構成する。これにより、ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0099】
また、上記インピーダンス回路部は、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるので、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0100】
また、この発明では、バイポーラトランジスタのベース端子とベースバイアス電圧供給端子の間に接続された抵抗の両端には、第1および第2のインピーダンス回路を経由した高周波成分についてのバイパス経路ができる。したがって、ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0101】
また、上記第1および第2のインピーダンス回路の少なくとも一方は、インピーダンスが直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるため、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0102】
また、一実施形態は、上記エミッタ接地バイポーラトランジスタと上記抵抗と上記第1のインピーダンス回路とが構成する増幅部を複数個だけ備え、上記エミッタ接地バイポーラトランジスタを複数個だけ並列接続して電力増幅器を構成した。この場合においても、直流に対しては開放となる第1のインピーダンス回路または第2のインピーダンス回路の少なくとも一方でもって、交流信号に関して上記抵抗をバイパスするバイパス経路を構成する。
【0103】
この構成により、上記ベースバイアス電圧供給端子と各バイポーラトランジスタのベース端子との間のベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。これにより、実効的に各抵抗での電圧降下の増大が抑制され、従来例で見られたゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0104】
また、温度上昇によるベース電流増大は、各抵抗での電圧降下によって抑制されるので、結果的に、各バイポーラトランジスタのコレクタ電流の増大が抑制され、熱的に均一かつ安定な動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0105】
また、一参考例では、上記インピーダンス回路部は、一方の端子が上記ベースバイアス電圧供給端子に接続され、他方の端子が上記ベース端子に接続された第2のインピーダンス回路を有し、上記第2のインピーダンス回路が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0106】
したがって、上記第2のインピーダンス回路が、交流信号に関して上記抵抗を直接にバイパスするバイパス経路を構成する。これにより、上記ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0107】
また、上記第2のインピーダンス回路は、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるので、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0108】
また、一参考例では、上記エミッタ接地バイポーラトランジスタと上記抵抗と上記第1のインピーダンス回路と上記第2のインピーダンス回路とが構成する増幅部を複数個だけ備え、各増幅部が有する第2のインピーダンス回路は直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通である。
【0109】
したがって、上記第2のインピーダンス回路が、交流信号に関して上記抵抗を直接にバイパスするバイパス経路を構成する。これにより、上記ベースバイアス電圧供給端子から上記抵抗に向かうベース電流の交流成分の一部が上記バイパス経路へ割り振られる。したがって、上記抵抗での電圧降下の増大が実効的に抑制され、上記ゲインコンプレッションを抑制することができ、電力増幅器の低歪み動作が可能となる。
【0110】
また、上記第2のインピーダンス回路は、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるので、温度上昇によるベース電流増大を上記抵抗での電圧降下によって抑制できる。これにより、結果的に、コレクタ電流の増大が抑制され、熱的な安定動作と低歪み動作の両立が可能となる。
【0111】
また、一実施形態では、上記第1または第2インピーダンス回路のうちの少なくとも一方が、キャパシタを有し、このキャパシタによって、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通になっている。したがって、簡単な回路構成でもって第1または第2のインピーダンス回路の少なくとも一方を実現できる。
【0112】
また、一実施形態では、上記第2のインピーダンス回路は、キャパシタを有し、このキャパシタによって、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通になっている。したがって、簡単な回路構成でもって上記第2のインピーダンス回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の電力増幅器の第1の参考例を示す回路図である。
【図2】 この発明の電力増幅器の第2の参考例を示す回路図である。
【図3】 この発明の電力増幅器の第3の参考例を示す回路図である。
【図4】 この発明の電力増幅器の第4の参考例を示す回路図である。
【図5】 この発明の電力増幅器の第5の参考例を示す回路図である。
【図6】 この発明の電力増幅器の第11の参考例を示す回路図である。
【図7】 この発明の電力増幅器の第12の参考例を示す回路図である。
【図8】 この発明の電力増幅器の第13の参考例を示す回路図である。
【図9】 この発明の電力増幅器の第14の参考例を示す回路図である。
【図10】 この発明の電力増幅器の第15の参考例を示す回路図である。
【図11】 従来の電力増幅器を示す回路図である。
【図12】 この発明の電力増幅器の第16の参考例を示す回路図である。
【図13】 この発明の電力増幅器の第17の参考例を示す回路図である。
【図14】 この発明の電力増幅器の第18の参考例を示す回路図である。
【図15】 この発明の電力増幅器の第19の参考例を示す回路図である。
【符号の説明】
Q1〜Qn…エミッタ接地型バイポーラトランジスタ、
Qx…バイポーラトランジスタ、
Dx…ダイオード、
Z1〜Zn…第1のインピーダンス回路、
ZZ,Zx1〜Zxn…第2のインピーダンス回路、
RFIN…信号入力端子、RFOUT…信号出力端子、
VB…ベースバイアス電圧供給端子、
B,B1〜Bn…ベース端子、Co,Co1〜Con…コレクタ端子、
RB,RB1〜RBn,Rx1,Rx11,Rx2,Rx22…抵抗、
C1〜Cn,Ca1,Cax,Cx1〜Cxn,Cx,Cxx…キャパシタ、
121,151,152…ベース電圧供給回路、
122,132,142,153…可変インピーダンス回路。
Claims (3)
- コレクタ端子が信号出力端子に接続され、信号入力端子と信号出力端子との間に並列接続された複数のエミッタ接地バイポーラトランジスタと、
上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子とベースバイアス電圧供給端子との間に接続された抵抗と、
上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子と上記ベースバイアス電圧供給端子との間に上記抵抗に対して並列に接続され、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であるインピーダンス回路部と、を備え、
さらに、ベース電圧供給手段を備え、
上記ベースバイアス電圧供給端子と上記ベース電圧供給手段との間に、可変インピーダンス回路が接続され、
上記インピーダンス回路部は、
一方の端子が上記エミッタ接地バイポーラトランジスタのベース端子に接続され、他方の端子が信号入力端子に接続された第1のインピーダンス回路と、
一方の端子が上記信号入力端子に接続され、他方の端子が上記ベースバイアス電圧供給端子に接続された第2のインピーダンス回路とを有し、
上記第1のインピーダンス回路または上記第2のインピーダンス回路の少なくとも一方が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であることを特徴とする電力増幅器。 - 請求項1に記載の電力増幅器において、
上記エミッタ接地バイポーラトランジスタと上記抵抗と上記第1のインピーダンス回路とが構成する増幅部を複数個だけ備え、
上記複数個の増幅部の第1のインピーダンス回路または上記第2のインピーダンス回路の少なくとも一方が直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通であることを特徴とする電力増幅器。 - 請求項1または2に記載の電力増幅器において、
上記第1または第2インピーダンス回路のうちの少なくとも一方が、キャパシタを有し、このキャパシタによって、直流成分に対して開放であると共に交流成分に対して導通になっていることを特徴とする電力増幅器。
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