JP4283314B2 - 照度センサ及び調光制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可視光の照度を電気信号に変換する光センサ回路および受光モジュールに関するものであり、特に人間の視感度特性に近い分光感度特性を実現する照度センサ、およびその照度センサを備える調光制御装置に関する。
近年、携帯電話や液晶テレビなどのバックライトを明るさを周囲の明るさに応じて自動的に調光することにより、携帯電話のバッテリー消耗を抑えたり、液晶の視認性を向上させる用途として、人間の視感度特性に近い照度センサの需要が急増してきている。
また、照度センサのデジタル化による高機能化により、より使いやすく、低コストの液晶バックライト自動調光システム用の照度センサが求められている。
可視光用センサは、シリコンフォトダイオード及びCdS(硫化カドミウム)セルの2つのセンサが代表的である。
シリコンフォトダイオードは小型で高速応答性に優れ、安定性が高いため、光通信、光ディスク用受光素子、光センサーなどで幅広く用いられている。
しかしながら、シリコンフォトダイオードの分光感度特性は人間の視感度とは大きく異なり、赤外線領域に感度を持っている。そのため、人間の視感度に近い分光感度特性とするためには分光感度を調節するための回路や視感度補正フィルタが必要である。
一方、CdSセルは人間の視覚に近い分光感度特性を持っており、古くからカメラの露出計や可視光センサとして用いられている。
しかしながら、近年では環境負荷物質問題により、硫化カドミウムを主成分とするCdSセルの使用が制限されつつある。2006年7月以降、欧州ではカドミウム、鉛、6価クロム、水銀を使用した製品は持ち込みが禁止されている。よって、環境負荷が小さいシリコンフォトダイオードを用いて、人間の視感度に近い分光感度特性を持ったセンサを構成する要望が高まってきている。
例えば特許文献1では、照度センサ内に複数のフォトダイオードを内蔵し、これらのフォトダイオード間に遮蔽板を設けることによって受光窓から入射する光を区分し、複数の領域の照度を検知するように構成している。これによって局所的に強い光が入射した場合でも照度分布を正確に検知することができる技術を開示している。
また特許文献2では、室内の照度変化に対して追従性を良くするために用いる照度データを、前回出力照度データ及び検出された照度データから作成する技術を開示している。この構成によって、記憶しておく照度データを少なくし、かつ照度変化に対する追従性を向上させることができる事項を開示している。
また、特許文献3では、フォトトランジスタによって検出された周囲の明るさを照度レベルとして取り込み、照度レベルに応じたPWM信号のデューティ値(DUTY比)によって白色LEDを駆動する構成が開示されている。
また特許文献4では、周囲の照度を検出するときにLED用電源回路のノイズの影響を避ける技術を開示している。この技術では、照度レベル検出回路で照度を検出するときには、センサ用電源回路を動作させるとともにLED用電源回路を停止させ、LED用電源回路のノイズの影響を避けている。
特開平10−142047号公報(平成10年(1998年)5月29日公開) 特開平9−145468号公報(平成9年(1997年)6月6日公開) 特開2004−22646号公報(平成16年(2004年)1月22日公開) 特開2004−233569号公報(平成16年(2004年)8月19日公開)
しかしながら、上記従来の構成では、低照度の場合に照度センサの信号がノイズの影響を受けやすく、また照度センサの信号を処理するために調光を行う装置に負担がかかるという問題点を有している。
図15は、従来の調光制御装置を示すブロック図である。これらの調光制御装置では、アナログ出力照度センサ510が照度に応じて出力する電圧あるいは電流のアナログ信号を人間の視感度に近い分光感度特性とするための処理を行うために、(1)照度センサの出力をサンプリングし、(2)PWM信号などの発光装置を制御するためのデジタル信号に変換し、(3)LED等の発光装置を制御して調光を制御している。
図15に示す従来例では、アナログ出力照度センサ510から出力されたアナログ信号を、A/D変換器によってデジタル信号に変換した後、CPU520により演算処理を行い、照度に応じたPWM信号を生成している。PWM信号は汎用LEDドライバ530のPWM変調端子に入力され、LEDバックライト等の自動調光が行われる。
図15に示す方法では、演算装置(CPU520)が常にアナログ出力照度センサ510の出力をサンプリングして、演算処理をする必要がある。そのためCPU520に負荷がかかり、他のアプリケーションの実行速度に影響を与えてしまう恐れがある。CPU520のパフォーマンス低下を避けるために、自動調光用に専用のCPUを使うことも可能であるが、コストアップの原因となってしまう。
また、低照度時にはアナログ出力照度センサ510の出力レベルが小さくなるため、アナログ出力照度センサ510とCPU520との配線が長くなった場合などにノイズの影響を受けやすいといった問題点もある。
また図16のように照度センサをデジタル出力のデジタル出力照度センサ510aとして構成し、照度センサとCPUとの間をI2Cなどのシリアルインターフェースで接続し、照度情報をデジタル信号として送受信する構成も知られている。この方式では、デジタル出力照度センサ510aとCPU520との間はデジタル信号で照度情報をやり取りするために、ノイズの影響を受けにくいといった利点がある。
しかしながら、図15に示す構成と同様に、CPU520が照度を常にモニタする必要がある。そのためCPU520に負荷がかかるという問題点は解決されない。また図15の構成と同様に、自動調光用に専用のCPUを使うことも可能であるが、コストアップの原因となってしまう。
また特許文献3のように、LEDドライバにA/D変換器等を内蔵し、アナログ出力照度センサが出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、適切な演算処理を行い、照度に応じてLED電流を調整してLEDバックライト等の自動調光を行う構成も知られている。
図17は、特許文献3に開示されているLEDドライバの構成を示すブロック図であり、図18に示すブロック図のように示すことが可能である。
図17及び図18の構成では、上記のように高機能LEDドライバ530aがA/D変換器等を内蔵しており、照度に応じてLED電流を調整し、調光を行うことができる。またこの構成では、CPU520と高機能LEDドライバ530aとはI2Cなどのシリアルインターフェースで接続されている。そのため、電源投入時に高機能LEDドライバ530aの初期設定を行うことができる。
図17及び図18の構成では、CPU520は電源投入時やリセット時などに高機能LEDドライバ530aのレジスタなどの初期設定を行うだけでよく、常に照度情報をサンプリングする必要がない。そのため、CPU520のパフォーマンスに影響を与えないで、自動調光システムを構築することが可能である。
しかしながら、高機能LEDドライバ530aに調光に関する機能の大部分を実装することになるため、アナログ出力照度センサ510の種類や調光を行うアプリケーション毎に高機能LEDドライバ530aを個別に設計する必要がある。そのため、LEDドライバの汎用性がなくなり、コストアップの要因になるという問題点があった。
また、アナログ出力照度センサ510がアナログ信号で照度情報を出力するため、低照度時にはノイズの影響を受けやすいといった問題点があった。
照度センサの信号がノイズの影響を受けにくくする技術として、特許文献4では照度レベル検出回路で照度を検出するときには、センサ用電源回路を動作させるとともにLED用電源回路を停止させ、LED用電源回路のノイズの影響を避ける構成を開示している。しかしながら上記構成では、照度レベル検出の度にLEDへの電力供給を停止するため、照明がちらつく可能性がある。
尚、特許文献1のように照度センサが複数の領域の照度を検知するように構成されている場合でも、上記の低照度の場合に照度センサの信号がノイズの影響を受けやすく、また照度センサの信号を処理するために調光を行う装置に負担がかかるという問題点は克服されていない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、低照度の場合でもノイズの影響を受けにくく、照度制御のための処理が調光装置の演算処理に影響することがなく、かつ汎用性に優れる照度センサ及び調光制御装置を提供することにある。
本発明の照度センサは、上記課題を解決するために、周囲の明るさに応じた電気信号を出力する受光手段と、上記受光手段が出力する電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、上記A/D変換手段が出力するデジタル信号を記憶する照度レジスタと上記照度レジスタの値に基づいて出力するデューティ比を記憶する複数のデューティ比レジスタとを含み、上記A/D変換手段が出力するデジタル信号に基づき、PWM信号の上記デューティ比を決定するデューティ比決定手段と、上記デューティ比決定手段が出力するデューティ比に基づいてPWM信号を出力するPWM信号出力手段とを備え、上記受光手段が出力する電気信号を対数圧縮し、電圧として出力する受光信号対数圧縮手段と、上記受光手段と同一の温度特性を有する温度補償手段と、上記温度補償手段が出力する電気信号を対数圧縮し、電圧として出力する温度補償信号対数圧縮手段と、参照電圧と熱電圧の定数倍の電圧との和であるオフセット電圧を出力するオフセット電圧出力手段と、上記温度補償信号対数圧縮手段が出力する電圧及び上記オフセット電圧出力手段が出力する上記オフセット電圧の和の電圧と、上記受光信号対数圧縮手段が出力する電圧との差の電圧を、アナログ信号として出力する電位差出力手段とをさらに備え、上記A/D変換手段は上記A/D変換手段に含まれ、上記A/D変換手段によって出力されたデジタル信号をアナログ信号に再変換するD/A変換手段と、上記電位差出力手段が出力するアナログ信号の大きさと、上記A/D変換手段に含まれ、上記A/D変換手段によって出力されたデジタル信号をアナログ信号に再変換するD/A変換手段が出力するアナログ信号の大きさとの大小を比較し、それぞれの上記アナログ信号の大きさが等しくなるように上記A/D変換手段が出力するデジタル信号の値を制御するためのデジタル信号制御信号を出力するアナログ信号比較手段と、上記アナログ信号比較手段から出力される上記デジタル信号制御信号に基づいて、出力するデジタル信号の値を増減し、該デジタル信号を上記A/D変換手段が出力するデジタル信号とする照度レベルアップダウンカウンタとを有しており、上記D/A変換手段が出力するアナログ信号は、上記参照電圧と熱電圧の変数倍の電圧との和であることを特徴としている。
本発明の参考に係る照度センサは、上記課題を解決するために、周囲の明るさに応じた電気信号を出力する受光手段と、上記受光手段が出力する電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、上記A/D変換手段が出力するデジタル信号を記憶する照度レジスタと上記照度レジスタの値に基づいて出力する上記デューティ比を記憶する複数のデューティ比レジスタとを含み、上記A/D変換手段が出力するデジタル信号に基づき、PWM信号のデューティ比を決定するデューティ比決定手段と、上記デューティ比決定手段が出力するデューティ比に基づいてPWM信号を出力するPWM信号出力手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の調光制御装置は、上記課題を解決するために、上記の照度センサを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明の照度センサは、受光手段によって検出した周囲の明るさに応じてA/D変換手段がデジタル信号を出力する。そしてこのデジタル信号に基づいてデューティ比を決定し、デューティ比をPWM信号として出力する。
そのため、上記照度センサと汎用LEDドライバなどとを組み合わせるだけで、バックライト自動調光システム等の調光制御装置を構築することが可能となる。
また、上記受光手段と、上記A/D変換手段と、上記デューティ比決定手段と、上記PWM信号出力手段とが集積し、一つの半導体装置を構成していてもよい。
上記の構成によれば、受光手段が出力する微小な信号を短い配線距離で電気的に配線することができ、外からのノイズの影響を小さくすることができる。
そのため、PWM信号を生成するまでの過程で外部からのノイズの影響を受けにくい構成とすることができる。
また、さらに上記受光手段と同一の温度特性を有する温度補償手段と、上記受光手段が出力する電気信号を対数圧縮し、電圧として出力する受光信号対数圧縮手段と、上記温度補償手段が出力する電気信号を対数圧縮し、電圧として出力する温度補償信号対数圧縮手段と、上記受光信号対数圧縮手段及び上記温度補償信号対数圧縮手段が出力する電位差をアナログ信号として出力する電位差出力手段と、上記A/D変換手段に含まれ、上記A/D変換手段によって出力されたデジタル信号をアナログ信号に再変換するD/A変換手段と、上記電位差出力手段が出力するアナログ信号の大きさと、上記A/D変換手段に含まれ、上記A/D変換手段によって出力されたデジタル信号をアナログ信号に再変換するD/A変換手段が出力するアナログ信号の大きさとの大小を比較し、上記それぞれのアナログ信号の大きさが等しくなるように上記A/D変換手段が出力するデジタル信号の値を制御するためのデジタル信号制御信号を出力するアナログ信号比較手段とを備えており、上記A/D変換手段は、上記デジタル信号制御信号に基づいて、出力するデジタル信号の値を増減する構成であっても良い。
上記の構成によれば、同一の温度特性を有している上記受光手段と温度補償手段との出力する電気信号を対数圧縮した後に差をとるので、上記受光手段と温度補償手段とが出力する電気信号に含まれる対数圧縮用のトランジスタあるいはダイオードのPN接合の逆方向飽和電流(Is)の影響を取り除くことができる。
また、上記A/D変換手段によって出力されたデジタル信号は、上記D/A変換手段によってアナログ信号に再変換され、上記アナログ信号比較手段によって比較される。上記アナログ信号比較手段は、入力される複数のアナログ信号の値が等しくなるようにデジタル信号制御信号を上記A/D変換手段に出力する。
そのため、熱電圧に比例する値として出力されている上記電位差出力手段のアナログ信号は、上述のようにアナログ信号の差分としてデジタル信号に変換されるので、熱電圧や本発明の照度センサを動作させるために用いられる電圧源の電位変動などの影響を受けることがない。
また、上記デューティ比決定手段がさらにレジスタ情報入力手段を備えており、上記レジスタ情報入力手段は、当該照度センサの外部に設けられたレジスタ情報出力手段から上記デューティ比レジスタに上記デューティ比を入力する構成であっても良い。
上記の構成によれば、PWM信号のデューティ比の値を本発明の照度センサの外部から入力することが可能であり、受光手段によって検出された周囲の明るさとデューティ比との対応関係を適宜更新することができる。
また、上記デューティ比決定手段がさらにデューティ比変化速度調節レジスタを備えており、上記デューティ比変化速度調節レジスタは、上記デューティ比が増加する場合と、減少する場合とで異なった時間変化率を記憶し、上記PWM信号出力手段は、上記デューティ比が増加または減少する場合に、それぞれ上記デューティ比変化速度調節レジスタが記憶している上記時間変化率に基づいて上記PWM信号のデューティ比を時間変化させて出力する構成であっても良い。
人間の目では、照度が急激に変化した場合にバックライト等の照明の輝度が急激に変化すると、画面のちらつきなどと認識されて違和感を感じることがある。
また、人間の目の特性では、暗い場所から明るい場所に急に出た場合、目が明るい場所に順応する時間(明順応時間)は短いが、明るい場所から暗い場所に急に入った場合、目が暗さに順応する時間(暗順応時間)は長いという傾向がある。
上記の構成のよれば、照度が低い(暗い)状態から高い(明るい)状態に変化する場合と、照度が高い(明るい)状態状態から低い(暗い)に変化する場合とでPWM信号出力のデューティ比が変化する時間変化率をそれぞれ設定し、デューティ比を変化させる場合に生じる、画面のちらつきなどの違和感をなくすことができる。
また、上記デューティ比の時間変化率が、1/400(0.25%)以下に設定されている構成であっても良い。
上記の構成によれば、自動調光時の明るさの変化がなめらかに見えるようにすることができる。
本発明の照度センサは、以上のように、周囲の明るさに応じた電気信号を出力する受光手段と、上記受光手段が出力する電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、上記A/D変換手段が出力するデジタル信号を記憶する照度レジスタと上記照度レジスタの値に基づいて出力する上記デューティ比を記憶する複数のデューティ比レジスタとを含み、上記A/D変換手段が出力するデジタル信号に基づき、PWM信号のデューティ比を決定するデューティ比決定手段と、上記デューティ比決定手段が出力するデューティ比に基づいてPWM信号を出力するPWM信号出力手段とを備えている。
また、本発明の調光制御装置は、以上のように、上記の照度センサを備えている。
そのため、本発明の照度センサは、受光手段によって検出した周囲の明るさの情報に基づいてデューティ比を決定し、PWM信号として出力することができる。
また、上記照度センサと汎用LEDドライバなどとを組み合わせるだけで、バックライト自動調光システム等の調光制御装置を構築することが可能となる。
それゆえ、低照度の場合でもノイズの影響を受けにくく、照度制御のための処理が調光装置の演算処理に影響することがなく、かつ汎用性に優れる照度センサ及び調光制御装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について図1〜図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図2は、本実施の形態の調光制御装置100を示すブロック図である。本実施の形態の調光制御装置100は、PWM(Pulse Width Modulation)信号を出力する照度センサ110と、マイクロコンピュータで構成されている演算装置(CPU120)と、汎用LEDドライバ130とを備えている。照度センサ110と汎用LEDドライバ130とは電気的に接続されている。また照度センサ110とCPU120とは電気的に接続されている。
照度センサ110は、フォトダイオードと、フォトダイオードの出力する電気信号を処理する信号処理回路とを内蔵しており、周囲の明るさに応じたPWM信号を出力する。出力されたPWM信号は、例えば後述するような一般的なPWM信号であっても良い。このように構成することにより、照度センサ110が出力するPWM信号を直接汎用LEDドライバ130のPWM変調端子に入力することができる。即ち、CPU120を介することなく、本実施の形態の照度センサ110と汎用LEDドライバ130とを組み合わせるだけで、バックライト自動調光システム等の調光制御装置を構築することが可能となる。
また、本実施の形態の調光制御装置100は、照度センサ110に電気的に接続されているCPU120を備えている。CPU120は、電源投入時やリセット時などに本実施の形態の照度センサ110の初期設定を行うために用いられる。初期設定では、照度センサ110の備えるレジスタの値などの制御を行う。
本実施の形態の調光制御装置100では、上述のようにCPU120が照度を常にモニタする必要がない。そのため、照度をモニタしている間であってもCPU120のパフォーマンスが低下することはない。
また、本実施の形態では、照度センサ110が出力するPWM信号は汎用LEDドライバ130に入力され、LEDによる調光を行なっている。汎用LEDドライバ130はPWM変調端子を備えており、上述のようなPWM信号の入力によってLEDを発光させる。本実施の形態でのPWM信号は、標準的なPWM信号として出力することができるので、冷陰極管などLED以外の発光装置の明るさを制御することも可能である。
図3は、本実施の形態で用いるPWM信号の一例を示す波形図である。PWM信号は、PWM周期とDUTY比とによって決定される信号である。PWM周期は、調光制御装置100毎に設定することのできる装置固有の周期である。またDUTY比の値は、PWM信号によって制御する機器の動作の割合を示している。例えば、DUTY=0%は出力信号が常にLowレベルであり、DUTY=100%は出力信号が常にHighレベルとなるように設定されている。また0〜100%の間のDUTYでは、DUTYの値(DUTY比)は(信号がHighレベルの時間/PWM周期)で定義されている。図3では、DUTYが大きくなるにしたがって、信号がHighレベルである時間の割合が大きくなっている。
本実施の形態では、PWM出力のHighレベル時にLEDを点灯させ、Lowレベルの時にLEDを消灯させる。このように構成することにより、バックライトなどに用いるLEDの明るさを、DUTYに比例した明るさに制御することができる。
尚、ほとんど全ての汎用LEDドライバや冷陰極管ドライバでは、PWM変調により明るさを制御することが可能である。そのため、本実施の形態の照度センサ110のPWM信号出力を用いて、発光装置の明るさをDUTYに比例した明るさに制御することが可能である。
図1は、本実施の形態の照度センサ110を示すブロック図である。
本実施の形態の照度センサ110は受光素子111、I−Vアンプ112、A/Dコンバータ113、レジスタ114、PWMコントローラ115、バッファ116、及びシリアルインターフェース117を備えている。受光素子111及びI−Vアンプ112、I−Vアンプ112及びA/Dコンバータ113、A/Dコンバータ113及びレジスタ114、レジスタ114及びPWMコントローラ115、PWMコントローラ115及びバッファ116のそれぞれは、電気的に接続されている。またレジスタ114はシリアルインターフェース117と電気的に接続しており、シリアルインターフェース117に電気的に接続されているシリアル接続端子119を介してCPU120と接続している。またバッファ116はPWM出力端子118と電気的に接続されている。
受光素子111は、外部から入射される光量に比例した光電流を発生させる。本実施の形態の照度センサ110では、受光素子111はフォトダイオードまたはフォトトランジスタで構成されていることが好ましいが、他の受光素子で構成されていても良い。受光素子111で発生したアナログ信号の光電流は、I−Vアンプ112によって電流−電圧変換され、A/Dコンバータ113でデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された照度データは、レジスタ114に格納され、現在の照度の値として記憶されるとともにPWMコントローラ115がPWM信号を制御するための値として用いる。
またレジスタ114は、照度データに対応するPWM信号のDUTYの値を格納している。レジスタ114に格納するレジスタマップは後述するが、DUTYの値をレジスタマップとして格納することにより、照度に対応するPWM信号のDUTYの値を任意に設定することが可能である。
PWMコントローラ115は、レジスタ114に格納されている照度データによって現在の照度の値を判定し、上記照度の値とレジスタ114に格納されているPWM信号のDUTYの値とに従ってPWM信号を生成する。生成されたPWM信号はバッファ116及びPWM出力端子118を介して出力される。
このように、本実施の形態の照度センサ110では、受光素子111で測定された照度データがI−Vアンプ112によって増幅された後、A/Dコンバータ113でデジタル信号に変換されるため、外部からのノイズの影響を受けにくい構成とすることができる。
また、本実施の形態の照度センサ110では、受光素子111、I−Vアンプ112、A/Dコンバータ113、レジスタ114、PWMコントローラ115、及びバッファ116などの信号処理回路を同じシリコンチップ上に集積した、OPIC(Optical IC、登録商標)として構成することもできる。このように構成すると、受光素子111とI−Vアンプ112との間の配線を短くすることができる。即ち、受光素子111が低照度時に出力する微小な光電流が、外部からのノイズの影響を受けにくい構成とすることができる。
尚、レジスタ114はI2Cなどの規格のシリアルインターフェース117及びシリアル接続端子119を介してCPU120と接続しているので、PWM信号のDUTYの値を設定するレジスタマップを照度センサ110の外部から設定することが可能である。
さらにレジスタ114に格納された照度データをシリアルインターフェース117を介して外部に読み出すことも可能である。即ち、レジスタ114に格納されている照度情報を使って、より複雑な調光制御をCPU120が行うことも可能である。
尚、DUTYの値があらかじめ固定されている場合には、図4のようにレジスタ114を用いずにA/Dコンバータ113から直接PWMコントローラ115に照度データを送信し、PWM信号を出力する構成としても良い。
図5は、本実施の形態の照度センサ110の受光素子111、I−Vアンプ112、及びA/Dコンバータ113を示すブロック図である。
受光素子111を構成するフォトダイオードPD1は、外部から入射される光に比例した光電流Ipdを発生させる。光電流Ipdは、I−Vアンプ112を構成するPNPトランジスタQP1のエミッタ、ベース間のPN接合ダイオードと、AMP1で構成される対数圧縮アンプとによって対数圧縮された電圧に変換される。
この対数圧縮アンプでは、PD1のカソード端子が電圧源Vrefの+端子に接続されるとともにAMP1の+端子に電気的に接続され、PD1のアノード端子がAMP1の−端子に電気的に接続されるとともにQP1のエミッタ端子に電気的に接続されている。そして、QP1のベース端子がAMP1の出力端子に電気的に接続されており、QP1のコレクタが電気的に接地されている。そのため、この対数圧縮アンプの出力電圧V1は、
V1=Vref−Vt×ln(Ipd/Is)
但し
Vt:k×T/q(熱電圧)
k :ボルツマン定数
T :絶対温度
q :素電荷
Is:逆方向飽和電流
で決定される。
また、PD1の温度特性を補償するために、フォトダイオードPD1電流の温度係数に等しくなるように参照電流Irefを構成する。参照電流Irefを構成するには、例えばPD1と熱結合したダイオードなどを用いることができるが、その他の方法で設定しても良い。参照電流Irefは、光電流Ipdと同様に、PNPトランジスタQP2のエミッタ、ベース間のPN接合ダイオードとAMP2とで構成される対数圧縮アンプにより、対数圧縮された電圧に変換される。そのため、Irefの対数圧縮アンプの出力電圧V2は
V2=Vref−Vt×ln(Iref/Is)
となる。
上記V1とV2とを、加減算回路で加算する。上記加減算回路は、AMP3と複数の抵抗器R1〜R4とで構成することができる。本実施の形態では、AMP3の−端子がR1を介してAMP1の出力端子と電気的に接続されているとともに、R4を介してAMP3の出力端子と電気的に接続されている。またAMP3の+端子がR2を介してAMP2の出力端子と電気的に接続されている。また、Vrefの+端子に抵抗器R5が電気的に接続されており、抵抗器R5の他端には、定電流源I1が接続されており、抵抗器R5には一定の電流が流れるように制御されている。抵抗器R5の両端には熱電圧Vtの定数倍の電圧A×Vtがかかるように構成されている。よって、R5の上部の端子電圧はVref+A・Vtとなり、この電圧がバッファアンプB1を介して、抵抗器R3に接続され、抵抗器R3の他端はAMP3の+端子に接続されている。そのため、電圧源V3のオフセット電圧はVref+A×Vtとなるように構成されている。
そして、R1〜R4の抵抗値を同じ抵抗値Rに設定すると、加減算回路の出力電圧V4は
V4=−V1+V2+V3
=−(Vref−Vt×ln(Ipd/Is))
+(Vref−Vt×ln(Iref/Is))+(Vref+A×Vt)
=Vref+Vt×(A+ln(Ipd/Iref))
となる。即ち温度依存性がある逆方向飽和電流Isの項をキャンセルすることができる。
次に、上記のV4の式を、照度(ルクス)との関係式に書き換える。
照度1ルクス時に受光素子111のPD1に流れる光電流をIpd_1lxとすると、上記V4は
V4=Vref+Vt×(A+ln(Ipd/Ipd_1lx)
+ln(Ipd_1lx/Iref))
=Vref+Vt×(A+ln(Ev)+ln(Ipd_1lx/Iref))
=Vref+Vt×(A−ln(Iref/Ipd_1lx)
+2.3025×log(Ev))
と書き直すことができる。
ここで、対数の底の変換式
ln(X)=log(X)/log(e)≒2.3025×log(X)
を用いた。
A−ln(Iref/Ipd_1lx)=0になるように定数Aを設定すると、V4は
V4=Vref+2.3025×Vt×log(Ev)
となり、照度の対数に対応した電圧を得ることができる。
即ち、
V4=Vref+C×log(Ev)
但し
Ev=照度(ルクス)
の形式に変形することができる。
このように本実施の形態のI−Vアンプ112では、受光素子111で測定した照度を対数圧縮する。測定した照度を対数圧縮するので、照度の測定のダイナミックレンジが広がり、低照度から高照度に対応することができる。また、受光素子111の出力電流を直接A/D変換する場合と比べて、低照度時の分解能を高くすることができるという効果がある。
次に、本実施の形態のA/Dコンバータ113の構成について説明する。
本実施の形態のA/Dコンバータ113は、コンパレータ(COMP1)、照度レベルアップダウンカウンタ113a、D/Aコンバータ113bで構成されている。
I−Vアンプ112から出力される対数圧縮されたアナログ信号は、COMP1の+端子に入力される。また、COMP1の−端子はD/Aコンバータ113bのVdac端子に電気的に接続されている。COMP1の出力端子は、照度レベルアップダウンカウンタ113aに電気的に接続されている。本実施の形態の照度レベルアップダウンカウンタ113aは、8ビットの精度を有しており、A/D変換を行うためのクロックADCLKが入力されている。そして、ADCLKに同期してI−Vアンプ112の出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する。また照度レベルアップダウンカウンタ113aは電気的にレジスタ114とD/Aコンバータ113bとに接続しており、照度レベルアップダウンカウンタ113aが出力したデジタル信号はa0〜a7の8ビットデジタル信号としてレジスタ114とD/Aコンバータ113bとに出力される。レジスタ114は、照度データとして出力されたデジタル信号を記憶する。
D/Aコンバータ113bは、後述するように入力されたデジタル信号をアナログ信号に再変換し、出力電圧VdacとしてCOMP1に出力する。本実施の形態のD/Aコンバータ113bでは、後述するように出力電圧Vdacが
Vdac=Vref+B×Vt
但し、
B:8ビット精度で変化する変数
となるように構成することができる。
変数Bは、後述するようにデジタル信号の出力値に比例して大きくなるように構成することができる。そのため、V4とVdacとを比較し、V4>Vdacの場合にはCOMP1の出力がHighレベルとなるように構成することができる。この場合、照度レベルアップダウンカウンタ113aはA/D変換を行うためのクロック信号であるADCLKに同期してカウントアップされる。
また逆に、V4<Vdacの場合には、COMP1の出力がLowレベルになる。この場合、照度レベルアップダウンカウンタ113aはADCLKに同期してカウントダウンされる。
即ち、照度レベルアップダウンカウンタ113aが出力する8ビットデジタル信号がD/Aコンバータ113bに入力され、D/Aコンバータ113bの出力電圧VdacとV4の電圧とが等しくなるようにフィードバックをかけることができる。D/Aコンバータ113bに入力されるデジタル信号が8ビット(256階調)であるので、上記の変数Bはフルレンジに対して256階調(8ビット)の精度で変化させることができる。またADCLKによってカウントする周期を変化させることができる。つまり、本実施の形態の照度センサ110の応答速度を調整することができる。
本実施の形態のA/Dコンバータ113では、V4の値とVdacの値とが等しい場合に出力されるデジタル信号の値が一定値となるので、変数Bは
V4=Vdac
Vref+2.3025×Vt×log(Ev)=Vref+B×Vt
即ち
B=2.3025×log(Ev)
となる。
本実施の形態のA/Dコンバータ113は、上記のようにI−Vアンプ112によって構成される対数アンプの出力電圧V4に含まれる熱電圧Vtの項及び電圧源Vrefの項をキャンセルすることができる。即ち、256階調(8ビット)の精度で変化する変数Bは、上記Vt及び上記Vrefの値を含まないようにすることができる。本実施の形態のA/Dコンバータ113は、Bの値に対応するようにデジタル信号を8ビット精度で出力するので、温度依存性が少ない、対数圧縮照度信号のA/D変換が可能である。
次に、本実施の形態のD/Aコンバータ113bについて説明する。
図6は、本実施の形態のD/Aコンバータ113bの回路図である。
本実施の形態のD/Aコンバータ113bでは、電圧源VccにpチャネルFETであるMP1及びMP2のソース端子がそれぞれ電気的に接続されており、MP1及びMP2のゲート端子同士がそれぞれ電気的に接続されるとともにMP2のドレイン端子に接続されている。またMP1のドレイン端子にnチャネルFETであるMN1のドレイン端子が電気的に接続され、MP2のドレイン端子にnチャネルFETであるMN2のドレイン端子が電気的に接続されている。そしてMN1及びMN2のゲート端子同士がそれぞれ電気的に接続されるとともにMN1のドレイン端子に接続されている。つまり、これらのFETはカレントミラー回路を構成している。そのため、MP1とMP2とに流れる電流が等しくなっている。
MN1のソース端子には、PNPトランジスタQP3のエミッタ端子が電気的に接続されている。またQP3のベース端子とコレクタ端子とはそれぞれ電気的に接地されている。そのため、MP1及びMP2のソースに流れる電流をI2とすると、PNPトランジスタQP3の両端の電圧Vbe1は
Vbe1=Vt×ln(I2/Is)
となる。
また、MN2のソース端子は、抵抗器Rrefと電気的に接続されており、Rrefの他端はPNPトランジスタQP4のエミッタ端子が電気的に接続されている。QP4はQP1の4倍のエミッタ面積を持つPNPトランジスタで構成する。またQP4のベース端子とコレクタ端子とはそれぞれ電気的に接地されている。
このとき、QP4の両端の電圧Vbe2は
Vbe2=Vt×ln(I2/4Is)
となる。
上記のように構成しているので、Vbe1とVbe2の電圧差がRrefの両端の電圧に等しくなる。
Vbe1=Vbe2+I2×Rref
即ち、I2は
I2=Vt×ln4/Rref
となる。
また、本実施の形態のD/Aコンバータ113bは、上述のように照度レベルアップダウンカウンタ113aが出力した8ビットデジタル信号であるa0〜a7の入力に対して、256階調(8ビット)の精度で変化する出力電圧Vdacを出力する。
本実施の形態のD/Aコンバータ113bでは、PチャネルMOSFETのMPa0、MPa1、MPa2、MPa3、MPa4、MPa5、MPa6、及びMPa7のそれぞれのゲート端子がMP2のドレイン端子に電気的に接続されており、また上記のそれぞれのドレイン端子がVdacの出力端子に電気的に接続されているとともに、抵抗器Rdacに電気的に接続されている。Rdacの他方の端子は、電圧源Vrefに電気的に接続している。そして、上記MPa0〜MPa7のソース端子は、それぞれ外部から電気的にON/OFF制御できるスイッチSW0〜SW7を介してVccに電気的に接続されている。上記のSW0〜SW7は、照度レベルアップダウンカウンタ113aが出力した8ビットデジタル信号であるa0〜a7のそれぞれがHighレベルの場合にスイッチがON状態となる。スイッチはPチャンネルMOSにしても良い。
上記のMPa0〜MPa7は、ゲートの長さがMP2と等しい。またゲートの幅は、MP2のゲートの幅に対してそれぞれ1倍、2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍の幅を有している。そのため、上記のMPa0〜MPa7では、SW0〜SW7のそれぞれがON状態になると、それぞれゲートの幅に対応した電流をそれぞれのドレイン端子に出力する。
本実施の形態のD/Aコンバータ113bでは、上述のようにMPa0〜MPa7のゲート端子がMP2のドレイン端子に電気的に接続されている。また、MP2のドレイン端子はMP1のゲート端子に電気的に接続されている。そのため、SW0がON状態になると、MP1及びMP2のゲートの幅と等しいゲートの幅を持つpチャネルFETのMPa0では、ゲート端子に電流I2が流れることになる。MPa1〜MPa7は、それぞれMPa0のゲートの幅の2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍の幅を有しているので、SW1〜SW7のそれぞれがON状態になった場合には、それぞれのゲート端子に電流I2の2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍の電流が流れることになる。
MPa0〜MPa7のドレイン端子は、抵抗器Rdacを介してVref(但しVcc>Vref)に電気的に接続しているので、Rdacに流れる電流Idacは
Idac=(1×a0+2×a1+4×a2+8×a3+16×a4+32×a5
+64×a6+128×a7)×I2
となる。
I2は、上述のように
I2=Vt×ln4/Rref
であるので、出力される電圧Vdacは、
Vdac=Vref+Idac×Rdac
=Vref+(1×a0+2×a1+4×a2+8×a3+16×a4
+32×a5+64×a6+128×a7)×I2×Rdac
=Vref+(1×a0+2×a1+4×a2+8×a3+16×a4
+32×a5+64×a6+128×a7)×ln4
×(Rdac/Rref)×Vt
となる。
RdacとRrefとが同じ温度係数を持った同じ種類の抵抗で構成すれば、上記Vdacは
Vdac=Vref+B×Vt
但し、
B:8ビット精度で変化する変数
と記載することができる。
a0〜a7は、Highレベルである”1”、及びLowレベルである”0”の組み合わせによって、256階調(8ビット精度)の値を表現することができるので、上述のように変数Bを8ビット精度で制御することが可能となる。尚、照度レベルアップダウンカウンタ113aが出力するビット数をさらに増やし、照度レベルアップダウンカウンタ113aとD/Aコンバータ113bとで制御するビット数を増やすこともできる。この場合には、制御するビット数が増えるので、さらに分解能を向上させることができる。
図7は、本実施の形態のI−Vアンプ112が出力するアナログ入力信号(V4)がA/Dコンバータ113に入力されたときのVdacに出力される信号を示すグラフである。
アナログ信号V4が照度レベルアップダウンカウンタ113aとD/Aコンバータ113bとによってA/D+D/A変換されて出力されるVdac信号は、上述のようにCOMP1の働きによってVdacとV4の電圧とが等しくなるようにフィードバックが行われている。
例えば、照度レベルアップダウンカウンタ113aが初期値の”00000000”である場合、図7に示すように時刻t0でのアナログ信号V4_t0がA/Dコンバータ113に入力されると、VdacはADCLKに同期してBが1ステップづつ上昇し、出力電圧が上昇する。そして、その時刻でのV4の電圧と、Vdacの電圧とが一致するようにフィードバックがかる。8ビット精度で変化するVdacの電圧は、照度レベルアップダウンカウンタ113aが出力するデジタル信号a0〜a7に対応しているため、入力されたアナログ信号(照度)に対応するデジタル信号がa0〜a7に出力される。このデジタル信号に変換された照度データはレジスタ114に格納され、後段に接続されているPWMコントローラ115が照度レベルに対応したPWM信号を出力する。
次に、照度レベルに対応するPWM出力信号のDUTYの設定について説明する。
図8は、A/Dコンバータ113が出力した照度データの上位4ビットに対応する16階調の照度レベル(横軸)に対して、PWM出力を行うためのDUTYが256階調(8bit、縦軸)で制御される様子を示すグラフである。DUTYは0〜100%の範囲で256階調(8ビット)で設定している。
本実施の形態では、PWM信号のDUTYがバックライト等の輝度に比例する。そのため図8に示す調光テーブルでは、照度レベルが0〜9の間は照度が上がるに従いバックライトの輝度が上がるように設定されている。また照度レベル9〜12の範囲では照度レベルが変化しても、バックライトの輝度の変化が少なくなるように設定されている。さらに照度レベルが12〜13の範囲では、照度が上がるに従いバックライトの輝度を減少させるように設定されている。
図9は、本実施の形態のレジスタ114に格納されるレジスタマップを示している。
本実施の形態のレジスタ114では、A/Dコンバータ113が出力した照度データを格納するADOレジスタ、16段階の照度レベルに対応して256階調(8ビット精度)でDUTYを設定する16個のOPT0〜OPT15レジスタ、及びDUTYの時間変化率を設定するSLOPEレジスタを備えている。
ADOレジスタは、A/Dコンバータ113が出力した照度データがリアルタイムに反映されるように構成されている。
OPT0〜OPT15レジスタは、図8に示すような照度レベルとDUTYとを対応付けるためのレジスタであり、それぞれの照度レベルに応じて8ビット精度で設定することができる。上述のように、レジスタ114はシリアルインターフェース117と電気的に接続しているので、上記OPT0〜OPT15レジスタの値は本実施の形態の照度センサ110の外部から設定することが可能である。また、レジスタ114に格納された照度データをシリアルインターフェース117を介して外部に読み出すことも可能である。即ち、レジスタ114に格納されている照度情報を使って、より複雑な調光制御をCPU120が行うことも可能である。
SLOPEレジスタは、DUTYの時間変化率を設定するレジスタである。人間の目では、照度が急激に変化した場合にバックライト等の照明の輝度が急激に変化すると、画面のちらつきなどと認識されて違和感を感じることがある。そのため、SLOPEレジスタは、図10に示す時刻−照度及び時刻−DUTYを示す波形図のように、照度が急激に変化しても、PWM出力のDUTYが急激に変化しないように、DUTYの時間変化率を設定するレジスタである。
図10では、時刻t1で照度が2から6に変化し、時刻t2で照度が6から2に変化する場合に、PWM信号のDUTYが変化する様子を示している。
人間の目の特性では、暗い場所から明るい場所に急に出た場合、目が明るい場所に順応する時間(明順応時間)は短いが、明るい場所から暗い場所に急に入った場合、目が暗さに順応する時間(暗順応時間)は長いという傾向がある。そのため、本実施の形態のSLOPEレジスタでは、照度が低い(暗い)状態から高い(明るい)状態に変化する場合と、照度が高い(明るい)状態状態から低い(暗い)に変化する場合とでPWM信号出力のDUTYが変化する時間変化率をそれぞれ設定する。
例えば、照度が低い(暗い)状態から高い(明るい)状態に変化し、PWM信号出力のDUTYを増加させる場合では、図9に記載する本実施の形態のSLOPEレジスタの上位4ビット(D4〜D7)であるUPSL(3:0)レジスタを用いてDUTYの時間変化率を設定する。また、照度が高い(明るい)状態から低い(暗い)状態に変化し、PWM信号出力のDUTYを減少させる場合では、図9に記載する本実施の形態のSLOPEレジスタの下位4ビット(D0〜D3)であるDWSL(3:0)レジスタを用いてDUTYの時間変化率を設定する。設定された時間変化率は、例えば目的とする照度に対応するDUTYの値に積算することによってDUTYの時間変化を行なえば良い。
図10を用いて説明すれば、例えば時刻t1で照度が2から照度6に変化した場合、DUTYは照度2に対応するDUTY1から照度6に対応するDUTY2にすぐに変化するのではなく、UPSLレジスタに記憶されている時間変化率に従ってDUTY1からDUTY2に変化するように制御される。
また、例えば時刻t2で照度が6から照度2に変化した場合、DUTYは照度6に対応するDUTY2から照度2に対応するDUTY1にすぐに変化するのではなく、DWSLレジスタに記憶されている時間変化率に従ってDUTY2からDUTY1に変化するように制御される。
また、これらのUPSLレジスタ及びDWSLレジスタの値は、任意に設定することができる。また、シリアルインターフェース117を介して本実施の形態の照度センサ110の外部から設定することが可能である。
このことにより、スムーズな自動調光をすることが可能となる。
尚、上述した自動調光を実現する自動調光モードのON/OFF機能を設けてもよい。そして、自動調光モードがOFFの場合、図9に示すようにPWM信号を出力するためのDUTYの値を設定するレジスタ(DUTYレジスタ)を設けてもよい。
また、PWM信号による輝度調整が可能な汎用LEDドライバは、機種によって入力可能なPWM信号の周波数の範囲が制限されているものもある。そのため、PWM信号の周期を制御し、上記周期を可変させるためのレジスタ(図示せず)を設けてもよい。このようなレジスタを設けることにより、本実施の形態の照度センサ110の汎用性を向上させることができる。
次に、図11を用いて本実施の形態のPWMコントローラ115を説明する。
図11は、本実施の形態のPWMコントローラ115を示すブロック図である。
本実施の形態のPWMコントローラ115は、PWM値アップダウンカウンタ115a、デジタルコンパレータ115b、マルチプレクサ(MUX115c)、プログラマブルプリスケーラ115d、分周回路115e、Delay回路115f、EXOR回路115g、PWM信号バッファ115h、及びPWM信号出力端子115iとを備えている。
本実施の形態のPWMコントローラ115では、PWM値アップダウンカウンタ115aで設定された10ビットのデジタル信号に従って、プログラマブルプリスケーラ115d、分周回路115e、Delay回路115f、及びEXOR回路115gによってPWM信号が生成される。PWM値アップダウンカウンタ115aの設定する10ビットのデジタル信号については後述するが、レジスタ114から読み出した現在の照度レベルに対応したDUTYと、PWM値アップダウンカウンタ115aが現在出力している10ビットのデジタル信号などとに基づいて、PWM値アップダウンカウンタ115a、デジタルコンパレータ115b、及びMUX115cなどによって設定される。
本実施の形態のPWMコントローラ115では、基準クロック(CLK)がプログラマブルプリスケーラ115dに入力される。プログラマブルプリスケーラ115dは、基準クロック可変入力端子115d1及び115d2を備えているので、これらの入力端子に入力されるデジタル信号の組み合わせによってCLKの周期を×1、×2、×4、×8倍することができる。プログラマブルプリスケーラ115dによって変調されたクロック信号は、プログラマブルプリスケーラ115dに電気的に接続されている分周回路115e及びDelay回路115fにCLK2として出力される。
このCLK2の周期は、PWM信号の周期と比例関係となるように設定する。このように設定することによって、プログラマブルプリスケーラ115dがPWM信号の周期を可変することが可能となる。
分周回路115eは、入力されたCLK2を11分周する。図12は、本実施の形態の分周回路115eが生成する出力信号を示す波形図である。本実施の形態では、11分周されたCLK2のうち10分周に相当する周期(CLK2の周期の1024倍の長さを持つ周期)がPWM信号の周期となるようにCLK2を設定する。そして、分周回路115eは、CLK2信号の周期TCLK2の2048倍の長さの周期を持ち、DUTYの値が50%の信号Xを生成する。
そして、分周回路115eは電気的に接続されているDelay回路115f及びEXOR回路115gに上記信号Xを出力する。
Delay回路115fは、PWM値アップダウンカウンタ115aが現在出力している10ビットのデジタル信号及びCLK2の信号に従って、信号Xを遅延させ、信号X_DELAYとして出力する。遅延させる時間はCLK2信号の周期TCLK2の0〜1024倍の範囲であり、TCLK2の長さに対して整数倍のステップで遅延させる。本実施の形態のPWMコントローラ115では、後述するようにPWMコントローラ115が出力するPWM信号のDUTY値を大きくする場合に、Delay回路115fが信号Xを遅延させる程度が大きくなるように設定する。
次に、本実施の形態のPWMコントローラ115では、Delay回路115fがEXOR回路115gに電気的に接続しており、Delay回路115fによって出力される遅延した信号X_DELAYがEXOR回路115gに入力される。EXOR回路115gは、分周回路115eから入力される信号Xと、Delay回路115fから入力される信号X_DELAYとを論理的にEXORをとる回路であり、上記のように処理された信号は電気的に接続されているPWM信号バッファ115hを介して、PWM信号バッファ115hが電気的に接続しているPWM信号出力端子115iに出力される。
このようにしてPWM信号出力端子115iに出力されるPWM信号は、上述のように設定されるため、Delay回路115fが信号Xを遅延させる程度が大きくなるに従ってPWM信号のDUTY値が大きくなる。
例えば、図12に示すように、Delay回路115fがTCLK2の0倍に相当する遅延を行った場合、PWM信号出力端子115iに出力されるPWM信号のDUTYは0%となる。また、TCLK2の256倍に相当する遅延を行った場合、PWM信号出力端子115iに出力されるPWM信号のDUTYは25%となる。
同様にTCLK2の512倍に相当する遅延ではDUTYが50%であり、TCLK2の768倍に相当する遅延ではDUTYが75%であり、TCLK2の1024倍に相当する遅延ではDUTYが100%となることが容易にわかる。これらのDelay回路115fでの信号の遅延の大きさと、PWM信号出力端子115iに出力されるPWM信号のDUTYとの関係をまとめると、表1のようになる。
Figure 0004283314
表1では、代表的なTCLK2の値について記載したが、Delay回路115fでは信号Xを遅延させる時間をTCLK2の1周期の長さ単位で、0〜1024の範囲で設定することができる。そのため、PWM信号出力端子115iに出力されるPWM信号のDUTYの範囲であるDUTY0%〜DUTY100%を、1024階調(0.0977%ステップ)で制御することができる。
DUTYの変化をデジタル的に行う場合、DUTYの変化ステップが256階調(0.391%ステップ)の場合では、ステップ毎の明るさの変化が人間の目が判別できる場合がある。そのため、256階調程度の階調変化では、自動調光時の明るさの変化がなめらかに見えない場合がある。
明るさの変化をなめらかにするためには、DUTYの変化ステップを400階調(0.25%ステップ)以上にする必要がある。本実施の形態のPWMコントローラ115では、10ビット制御を行うため、1024階調(0.0977%ステップ)で明るさを制御することができる。そのため、自動調光時の明るさの変化がなめらかに見えるようにすることができる。
次に、図11を用いてPWM値アップダウンカウンタ115aがDelay回路115fに出力する10ビットのデジタル信号について説明する。
本実施の形態のPWMコントローラ115では、PWM値アップダウンカウンタ115aとデジタルコンパレータ115b及びDelay回路115fとが電気的に接続されており、PWM値アップダウンカウンタ115aが出力した10ビットのデジタル信号がデジタルコンパレータ115b及びDelay回路115fに入力されている。またPWM値アップダウンカウンタ115aは、自動調光モードがOFFの場合やPWM値アップダウンカウンタ115aの初期値を入力するための入力端子を備えている。またPWM値アップダウンカウンタ115aは、レジスタ114のSLOPEレジスタに電気的に接続しており、PWM値アップダウンカウンタ115aのカウントをカウントアップする場合や、カウントダウンする場合にUPSLレジスタまたはDWSLレジスタの値を用いてカウントを更新する構成としても良い。また、上記のSLOPEレジスタの値に従ってカウントを更新する場合には、後述するようにDuty_Up_CLKまたはDuty_Down_CLKなどのカウントを更新するためのクロックをPWM値アップダウンカウンタ115aに入力するようにしても良い。さらにPWM値アップダウンカウンタ115aは、デジタルコンパレータ115b及びMUX115cによって出力されたPWM信号のDUTYの制御信号を入力する端子を備えている。
そして、デジタルコンパレータ115bは、レジスタ114から現在の照度レベルに対応したDUTYを読み出すためのDUTY設定値入力端子115b1と、PWM値アップダウンカウンタ115aから出力された10ビットのデジタル信号を入力するDUTY現在値入力端子115b2とを備えている。DUTY現在値入力端子115b2に入力される10ビットのデジタル信号は、Delay回路115fに入力されており、上述のようにPWM信号出力端子115iから出力するPWM信号を生成している信号である。
また、デジタルコンパレータ115bは、MUX115c及びPWM値アップダウンカウンタ115aに電気的に接続している。そしてデジタルコンパレータ115bは、上記のDUTY設定値入力端子115b1とDUTY現在値入力端子115b2とに入力された信号を比較し、PWM信号出力端子115iから出力するPWM信号のDUTYを制御するための制御信号をMUX115c及びPWM値アップダウンカウンタ115aに出力する。
MUX115cは、PWM値アップダウンカウンタ115a及びデジタルコンパレータ115bに電気的に接続しており、PWM値アップダウンカウンタ115aのカウントを上下することによってPWM信号出力端子115iから出力するPWM信号のDUTYを制御する。またレジスタ114に電気的に接続しており、レジスタ114のSLOPEレジスタの値に従ってPWM値アップダウンカウンタ115aのカウント値を制御する。
PWM値アップダウンカウンタ115a、デジタルコンパレータ115b、及びMUX115cの動作については後述する。
まず、自動調光モードがOFFの場合の動作について説明する。
本実施の形態のPWMコントローラ115を起動すると、PWM値アップダウンカウンタ115aは初期値として設定されている10ビットのデジタル信号をDelay回路115f及びデジタルコンパレータ115bに出力する。この初期値として用いられる10ビットのデジタル信号は、上述のようにPWM値アップダウンカウンタ115aに設けられた入力端子から設定されている初期値であっても良いし、自動調光モードがOFFの場合に用いる値であっても良い。また例えば”0000000000”などの定数であっても良い。これらの値は、PWM値アップダウンカウンタ115aに設けられたプリセット値Load端子115a1の値によって設定する構成としても良い。
本実施の形態のPWM値アップダウンカウンタ115aでは、プリセット値Load端子115a1に入力された信号がHighレベルになった場合に、自動調光モードがOFFの場合に用いるDUTY(7:0)レジスタのデータが入力され、上記DUTYレジスタのデータに従った初期値がPWM値アップダウンカウンタ115aにロードされる。またこのとき、PWM値アップダウンカウンタ115aはデジタルコンパレータ115b及びMUX115cによって行われる自動調光を行うための制御信号による制御に依存しない動作を行う。
本実施の形態では、例えばDUTYレジスタのデータは8ビットであるので、DUTY(7:0)レジスタによって設定されるDUTYを上位8ビットとし、下位2ビットを”00”とすることで10ビットの値に変換するなどの方法を用いる。尚他の方法で10ビットの値に変換しても良いし、PWM値アップダウンカウンタ115aに設定されている方法や初期値として10ビットの値を設定しても良い。
次に、自動調光モードがONの場合の動作について説明する。
自動調光モードがONの場合、プリセット値Load端子115a1に入力された信号がLowレベルとなる。この場合、PWM値アップダウンカウンタ115aが出力する10ビットのデジタル信号の初期値は、上述のようにPWM値アップダウンカウンタ115aに設けられた入力端子から設定されている初期値であっても良いし、自動調光モードがOFFの場合に用いる値であっても良い。また例えば”0000000000”などの定数であっても良い。
PWM値アップダウンカウンタ115aが出力した10ビットのデジタル信号は、Delay回路115fに入力されるとともにデジタルコンパレータ115bに入力される。Delay回路115fでは、上述するように10ビットのデジタル信号に従ってPWM信号を生成し、出力する。
デジタルコンパレータ115bでは、(1)現在の照度レベルに対応した8ビットのDUTYの値がレジスタ114からDUTY設定値入力端子115b1に入力されているとともに、(2)PWM値アップダウンカウンタ115aから出力された10ビットのデジタル信号の値がDUTY現在値入力端子115b2に入力されている。
レジスタ114から入力されるDUTYの値は、ADOレジスタに記憶されている照度データによって、図8及び上述する方法によって選択されたOPT0〜OPT15の何れかのレジスタによって設定され、該当するレジスタのDUTYの値がDUTY設定値入力端子115b1に入力されている。これらのDUTYの値は8ビットであるので、OPT0〜OPT15レジスタによって設定されるDUTYを上位8ビットとし、下位2ビットを”00”とすることで10ビットの値に変換される。尚、10ビットの値に変換する方法は、他の周知の方法を用いても良い。
そして、デジタルコンパレータ115bは、DUTY設定値入力端子115b1に入力され、10ビットに変換されたデータ(データC)と、DUTY現在値入力端子115b2に入力された10ビットのデジタル信号(データD)とを比較する。
デジタルコンパレータ115bは、GO、ZO、及びSOの出力端子を備えており、上記比較の結果、
データC>データDの場合、GO=Highレベル、ZO=SO=Lowレベル
データC=データDの場合、ZO=Highレベル、GO=SO=Lowレベル
データC<データDの場合、SO=Highレベル、GO=ZO=Lowレベル
の信号を出力する。
上記GO端子は、MUX115cに設けられた115c_c0端子に電気的に接続している。また上記ZO端子は、MUX115cに設けられた115c_c1端子に電気的に接続している。また上記SO端子は、PWM値アップダウンカウンタ115aに設けられた115a_U/D端子に電気的に接続している。上記115a_U/D端子は、PWM値アップダウンカウンタ115aのカウントをカウントアップまたはカウントダウンする信号の入力端子であり、115a_U/D端子にHighレベル信号が入力された場合にはカウントアップを行う。また115a_U/D端子にLowhレベル信号が入力された場合にはカウントダウンを行う。
また、MUX115cは、a0、a1、a2、a3の入力端子を備えており、a0はPWM信号のDUTYの値を小さくするときに用いられるDuty_Down_CLKに接続されている。またa2は、PWM信号のDUTYの値を大きくするときに用いられるDuty_Up_CLKに接続されている。そしてa1及びa3は、電気的に接地されている。
さらにMUX115cは、PWM値アップダウンカウンタ115aに設けられた115a_CK端子に電気的に接続しており、上記a0〜a2の何れかの入力端子から入力される信号を115a_CK端子に出力する。
ここで、MUX115cの動作を以下の表2のように設定する。
Figure 0004283314
本実施の形態のMUX115cは、115c_c0と115c_c1とに入力される信号によって、表2のようにa0〜a2の何れかの入力端子から入力される信号を115a_CK端子に出力する。
そのため、PWM値アップダウンカウンタ115aが出力する10ビットのデジタル信号は、以下のように更新されていく。
まず、データC>データDの場合、即ちレジスタ114から読み出されたDUTYの設定値よりも現在PWM信号出力端子115iから出力しているDUTYの値の方が大きい場合では、GOの値がHighレベルになる。
このとき、115c_c0はHighレベルであり、115c_c1はLowレベルであるので、MUX115cは表2に示すようにa2を選択する。そしてPWM値アップダウンカウンタ115aの115a_CKにはDuty_Down_CLKが出力される。
また、SOがLowレベルであるので、115a_U/D端子はLowレベルとなり、PWM値アップダウンカウンタ115aはカウントダウンを行う。
また、PWM値アップダウンカウンタ115aは上述のようにレジスタ114のSLOPEレジスタに電気的に接続しており、DWSLレジスタで設定されている時間変化率と、Duty_Down_CLKのクロックとに従ってカウントダウンされる。
上記のカウントダウンはデータC=データDとなるまでDuty_Down_CLKのクロックに従って継続される。
データC=データDとなったとき、ZOがHighレベルになり、115c_c1の値がHighレベルとなる。このとき、MUX115cは表2に示すように115c_c0の値によってa1またはa3を選択する。図11に示すように、a1及びa3は電気的に接地されているため、PWM値アップダウンカウンタ115aの115a_CKに入力されていたクロックが停止する。そのため、レジスタ114から読み出されたDUTYの設定値と、現在PWM信号出力端子115iから出力しているDUTYの値とが等しくなったときに、PWM値アップダウンカウンタ115aのカウントの更新が停止する。
同様に、データC<データDの場合、即ちレジスタ114から読み出されたDUTYの設定値よりも現在PWM信号出力端子115iから出力しているDUTYの値の方が小さい場合では、GO及びZOの値がLowレベルになる。
このとき、115c_c0はLowレベルであり、115c_c1はLowレベルであるので、MUX115cは表2に示すようにa0を選択する。そしてPWM値アップダウンカウンタ115aの115a_CKにはDuty_Up_CLKが出力される。
また、SOがHighレベルであるので、115a_U/D端子はHighレベルとなり、PWM値アップダウンカウンタ115aはカウントアップを行う。
また、PWM値アップダウンカウンタ115aは上述のようにレジスタ114のSLOPEレジスタに電気的に接続しており、UPSLレジスタで設定されている時間変化率と、Duty_Up_CLKのクロックとに従ってカウントダウンされる。
上記のカウントダウンはデータC=データDとなるまでDuty_Up_CLKのクロックに従って継続される。
データC=データDとなったとき、ZOがHighレベルになり、115c_c1の値がHighレベルとなる。このとき、MUX115cは表2に示すように115c_c0の値によってa1またはa3を選択する。図11に示すように、a1及びa3は電気的に接地されているため、PWM値アップダウンカウンタ115aの115a_CKに入力されていたクロックが停止する。そのため、レジスタ114から読み出されたDUTYの設定値と、現在PWM信号出力端子115iから出力しているDUTYの値とが等しくなったときに、PWM値アップダウンカウンタ115aのカウントの更新が停止する。
上記のような構成により、図10に示すように照度レベルが急激に変化した場合であっても、PWM信号出力端子115iから出力しているDUTYの値が急激に変化することなく、またDUTY0%〜DUTY100%のDUTYを1024階調(0.0977%ステップ)で制御することができるので、なめらかなバックライト等の自動調光が実現できる。
図13は、本実施の形態の調光制御装置の一実施形態であり、上述の照度センサ110と、コイル方式昇圧型LEDドライバ130aとを用いた調光制御装置100aを示すブロック図である。
本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130aは、例えばLEDバックライト自動調光システムとして用いることができる。
本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130aは、コイル方式昇圧部131、コイルL1、ショットキーダイオードD1、コンデンサCin、コンデンサCo、及び抵抗器Rsetを備えている。
コイル方式昇圧部131は、Vin、Vsw、Vo、FB、CTRL、及びGNDの各端子を備えている。Vin端子は、電圧源Vinに電気的に接続されるとともにコイルL1の一方の端子に電気的に接続されている。そしてVsw端子は上記L1の他方の端子に電気的に接続されているとともに、ショットキーダイオードD1のアノード端子に電気的に接続されている。Vo端子は、上記ショットキーダイオードD1のカソード端子に電気的に接続されているとともに、本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130aが駆動する発光ダイオードLED1のアノード端子に電気的に接続されている。FB端子は、上記LED1のカソード端子に電気的に接続されるとともに、抵抗器Rsetの一方の端子に電気的に接続されている。Rsetの他方の端子は電気的に接地されている。CTRL端子は、PWM変調端子132に電気的に接続している。このPWM変調端子132は、照度センサ110の備えるPWM出力端子118に電気的に接続している。GND端子は電気的に接地されている。またコンデンサCinの一方の端子はVinに電気的に接続されており、他方の端子は電気的に接地されている。またコンデンサCoの一方の端子はD1のカソード端子に電気的に接続されており、他方の端子は電気的に接地されている。
本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130aでは、入力電圧VinをVsw端子によってスイッチングすることにより、コイルL1にVinよりも高い電圧を発生させる。そして昇圧された電圧をコンデンサCoによって平滑化する。
ショットキーダイオードD1は、電流を一方向のみに流す。そのため、駆動されるLED1のアノード端子にかかる電圧が、Vinに対して高くなる。
LED1に流れる電流はRsetによって決定される。本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130aでは、Rsetの両端の電圧が一定電圧VFBになるようにVswがスイッチングされ、フィードバックがかかるように構成されている。
Vo端子は過電圧検出端子であり、昇圧された電圧がある一定値を超えた場合にコイル方式昇圧部131に内蔵される図示しない保護回路が働くように構成されている。上記保護回路は、コイル方式昇圧部131が行うスイッチング動作をストップし、コイル方式昇圧型LEDドライバ130aの電圧昇圧動作を停止する機能を有している。
CTRL端子は、LED1に流す電流をON/OFFする機能がある。本実施の形態のコイル方式昇圧部131では、CTRL端子がHighレベルの時はLEDが点灯し、CTRL端子がLowレベルの時はLEDが消灯する。よって、CTRL端子に照度センサ110のPWM信号を入力することにより、LED1がON/OFFを繰り返す動作を行う。そのため、PWM信号で出力されているDUTYの値が小さい場合にはLED1の発する照度が低くなり、DUTYの値が大きい場合にはLED1の発する照度が高くなる。つまり、本実施の形態の調光制御装置100aを用いてLEDバックライト自動調光システムを構成すると、DUTYの値が小さい場合にはLEDバックライトが暗くなり、DUTYの値が大きい場合にはLEDバックライトが明るくなるため、照度に応じてLEDバックライトの自動調光を行うことができる。
図14は、本実施の形態の調光制御装置の別の一実施形態であり、コイル方式昇圧型LEDドライバ130bを用いた調光制御装置100bを示すブロック図である。
本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130bは、コイル方式昇圧型LEDドライバ130aの構成に加えて、R6、R7、及びR8の抵抗器と、コンデンサC1とを備えている。
本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130bでは、コイル方式昇圧部131のCTRL端子はPWM変調端子132には電気的に接続されておらず、電圧源Vinに電気的に接続されている。またFB端子と本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130bが駆動するLED1のカソード端子との間に抵抗器R6が電気的に接続されている。またFB端子は、抵抗器R7の一方の端子に電気的に接続されている。R7の他方の端子は、コンデンサC1の一方の端子に接続されているとともに、抵抗器R8の一方の端子に接続されている。C1の他方の端子は電気的に接地されてる。またR8の他方の端子は、PWM変調端子132に電気的に接続している。
本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130bでは、R8とC1とが照度センサ110から出力されるPWM信号の矩形波を平滑化するためのRCフィルタとして機能する。RCフィルタを通過した後のC1の端子間にかかる電圧VC1は、PWM信号のDUTYの値に比例する。
本実施の形態のコイル方式昇圧型LEDドライバ130bが駆動するLED1のカソード端子の電圧をVsetとすると、LED1に流れる電流ILEDは、
ILED=Vset/Rset
である。
ここで、PWM信号の電圧の振幅がVs、DUTYの値がDの場合、
Vset=VFB+(R1/R2)×(VFB−VC1)
である。
VC1は凡そ(R2/(R2+R3))×Vs×Dであるので、
Vset≒VFB+(R1/R2)
×(VFB−(R2/(R2+R3))×Vs×D)
となる。
本実施の形態の調光制御装置100bでは、PWM信号で出力されているDUTYの値が小さい場合にはLED1の発する照度が高くなり、DUTYの値が大きい場合にはLED1の発する照度が低くなる。そしてLED1の照度はDUTYの値に反比例して減少する。つまり、本実施の形態の調光制御装置100bを用いてLEDバックライト自動調光システムを構成すると、DUTYの値が小さい場合にはLEDバックライトが明るくなり、DUTYの値が大きい場合にはLEDバックライトが暗くなるため、照度に応じてLEDバックライトの自動調光を行うことができる。
本発明の調光制御装置は、以上のように照度センサにフォトダイオードと信号処理回路とを内蔵している。そのため、照度センサが周囲の明るさに応じたPWM信号を出力するので、マイコン(CPU)を介することなく上記PWM信号を直接LEDドライバのPWM変調端子に接続することができる。そのため、本発明の照度センサと汎用のLEDドライバとの組み合わせのみで、バックライト自動調光システムなどの調光制御装置を構築することが可能となる。
また、フォトダイオードと信号処理回路とを同じシリコンチップ上に集積し、OPICとして構成することができる。これによって、低照度時の微小なフォトダイオード光電流が流れる配線の長さを短くすることができるので、外乱ノイズの影響を受けにくいバックライト自動調光用照度センサなどの調光制御装置を実現することができる。
尚、本発明の調光制御装置では、CPUは電源投入時にPWM出力照度センサの初期設定を行う操作のみを行えば良いので、CPUが照度を常モニタする必要がなく、CPUのパフォーマンスの低下を防ぐことができる。
また、ほとんどの汎用LEDドライバ又は冷陰極管ドライバは、PWM変調された信号によって明るさをコントロールすることができる。そのため、本発明の調光制御装置を用いることにより、汎用性にも優れ、CPUのパフォーマンスを下げることのない自動調光システムを低コストで実現することができる。
尚、本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。
以上のように、本発明の調光制御装置は、照度センサにフォトダイオードと、フォトダイオードの出力する電気信号を処理する信号処理回路とを内蔵しており、照度センサが周囲の明るさに応じたPWM信号を出力する。そのため、マイコンなどのCPUを介することなく、本発明の照度センサとPWM信号によって制御可能な発光装置とを組み合わせるだけで、バックライト自動調光システム等の調光制御装置を構築することが可能となる。また本発明の調光制御装置に備えられている照度センサは、一般的なPWM信号を生成することができるため、PWM信号によって制御可能な各種発光装置、例えば汎用LEDドライバや冷陰極管ドライバなどによって生じる照度の制御を行うことができる。
本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すブロック図であり、照度センサの構成を示すブロック図である。 図1に示す照度センサを備える調光制御装置の実施の一形態を示すブロック図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示す波形図であり、図2のPWMコントローラが生成するPWM信号の波形を示す波形図である。 本発明における調光制御装置の別の実施の一形態を示すブロック図であり、図1の照度センサの別の構成を示すブロック図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すブロック図であり、図1の受光素子、I−Vアンプ、及びA/Dコンバータの構成を示すブロック図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すブロック図であり、図5のD/Aコンバータの構成を示すブロック図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すグラフであり、図5のI−Vアンプ及びD/Aコンバータの出力する波形を示すグラフである。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すグラフであり、図1のA/Dコンバータが出力した照度データに対応するPWM出力のDUTYの値を示すグラフである。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すテーブルであり、図1のレジスタ114に格納されるレジスタマップを示すテーブルである。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示す波形図であり、図9のSLOPEレジスタによってPWM信号のDUTYが時間変化する様子を示す波形図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すブロック図であり、図1のPWMコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示す波形図であり、図11のPWMコントローラによって生成されるPWM信号を示す波形図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すブロック図であり、図2の汎用LEDドライバの構成を示すブロック図である。 本発明における調光制御装置の実施の一形態を示すブロック図であり、図2の汎用LEDドライバの別の構成を示すブロック図である。 従来の調光制御装置の構成を示すブロック図である。 従来の調光制御装置の別の構成を示すブロック図である。 従来の調光制御装置の別の構成を示すブロック図である。 従来の調光制御装置の別の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 調光制御装置
100a 調光制御装置
100b 調光制御装置
110 照度センサ
111 受光素子(受光手段)
112 I−Vアンプ
113 A/Dコンバータ(A/D変換手段)
113a 照度レベルアップダウンカウンタ
113b D/Aコンバータ(D/A変換手段)
114 レジスタ(デューティ比決定手段)
115 PWMコントローラ(PWM信号出力手段)
115a PWM値アップダウンカウンタ
115b デジタルコンパレータ
115b1 DUTY設定値入力端子
115b2 DUTY現在値入力端子
115c MUX
115d プログラマブルプリスケーラ
115e 分周回路
115f Delay回路
115g EXOR回路
117 シリアルインターフェース(レジスタ情報入力手段)
118 PWM出力端子
120 CPU(レジスタ情報出力手段)
130 汎用LEDドライバ
130a コイル方式昇圧型LEDドライバ
130b コイル方式昇圧型LEDドライバ
131 コイル方式昇圧部
132 PWM変調端子
ADO ADOレジスタ(照度レジスタ)
AMP1 対数圧縮アンプ(受光信号対数圧縮手段)
AMP2 対数圧縮アンプ(温度補償信号対数圧縮手段)
AMP3 加減算回路(電位差出力手段)
COMP1 コンパレータ(アナログ信号比較手段)
DUTY0 DUTYレジスタ
Iref 参照電流(温度補償手段)
LED1 発光ダイオード
OPT0〜OPT15 OPTレジスタ(デューティ比レジスタ)
PD1 フォトダイオード
SLOPE SLOPEレジスタ(デューティ比変化速度調節レジスタ)

Claims (4)

  1. 周囲の明るさに応じた電気信号を出力する受光手段と、
    上記受光手段が出力する電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
    上記A/D変換手段が出力するデジタル信号を記憶する照度レジスタと上記照度レジスタの値に基づいて出力するデューティ比を記憶する複数のデューティ比レジスタとを含み、上記A/D変換手段が出力するデジタル信号に基づき、PWM信号の上記デューティ比を決定するデューティ比決定手段と、
    上記デューティ比決定手段が出力するデューティ比に基づいてPWM信号を出力するPWM信号出力手段とを備え、
    上記受光手段が出力する電気信号を対数圧縮し、電圧として出力する受光信号対数圧縮手段と、
    上記受光手段と同一の温度特性を有する温度補償手段と、
    上記温度補償手段が出力する電気信号を対数圧縮し、電圧として出力する温度補償信号対数圧縮手段と、
    参照電圧と熱電圧の定数倍の電圧との和であるオフセット電圧を出力するオフセット電圧出力手段と、
    上記温度補償信号対数圧縮手段が出力する電圧及び上記オフセット電圧出力手段が出力する上記オフセット電圧の和の電圧と、上記受光信号対数圧縮手段が出力する電圧との差の電圧を、アナログ信号として出力する電位差出力手段とをさらに備え、
    上記A/D変換手段は
    上記A/D変換手段に含まれ、上記A/D変換手段によって出力されたデジタル信号をアナログ信号に再変換するD/A変換手段と、
    上記電位差出力手段が出力するアナログ信号の大きさと、上記A/D変換手段に含まれ、上記A/D変換手段によって出力されたデジタル信号をアナログ信号に再変換するD/A変換手段が出力するアナログ信号の大きさとの大小を比較し、それぞれの上記アナログ信号の大きさが等しくなるように上記A/D変換手段が出力するデジタル信号の値を制御するためのデジタル信号制御信号を出力するアナログ信号比較手段と
    上記アナログ信号比較手段から出力される上記デジタル信号制御信号に基づいて、出力するデジタル信号の値を増減し、該デジタル信号を上記A/D変換手段が出力するデジタル信号とする照度レベルアップダウンカウンタとを有しており、
    上記D/A変換手段が出力するアナログ信号は、上記参照電圧と熱電圧の変数倍の電圧との和であることを特徴とする照度センサ。
  2. 上記定数をA、上記温度補償手段が出力する電気信号をIref、照度1ルクス時に上記受光手段であるフォトダイオードに流れる光電流をIpd_1lxとすると、以下の式により上記定数が設定されることを特徴とする請求項1に記載する照度センサ。
    A−ln(Iref/Ipd_1lx)=0
  3. 上記変数をB、上記受光手段で測定した照度をEvとすると、上記変数は以下の式により求められることを特徴とする請求項2に記載する照度センサ。
    B=2.3025×log(Ev)
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載する照度センサを備える調光制御装置。
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