JP2009222675A - 照度センサ、表示装置及び電子機器 - Google Patents

照度センサ、表示装置及び電子機器 Download PDF

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恵司 西原
Etsushi Sato
悦士 佐藤
Masahito Yoshida
雅人 吉田
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Abstract

【課題】携帯機器に適した電池電圧を使用しながら照度と出力電圧との間の線形性が満たされる領域で動作させることができ、照度検出精度の高い照度センサ、表示装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】外光の明るさに応じた光電流IPDを発生するフォトダイオード111と、増幅された接続点aの電位VPDをデジタルデータに変換し、照度センサ回路110出力としてLED制御ロジック回路120に出力するA/D変換器115と、フォトダイオード111に直列に接続された抵抗112と抵抗113の接続点bを接地する/しないを切り替えるスイッチ116とを備える。LED制御ロジック回路120は、フォトダイオード111の出力にあわせてスイッチ116のオンオフ制御して接続点bの電位を変えることで、接続点aの電位VPD、すなわちA/D変換器115の入力ゲインを切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯機器などの表示装置に使用されて周囲の明るさを検出する照度センサ、表示装置及び電子機器に関する。
従来、発光装置としては、例えば携帯電話機に搭載されたカメラ用補助光源などが知られている。特に、近年普及しているカメラ付き携帯電話機においては、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、LEDの駆動回路及びLEDの駆動回路を制御する制御回路から構成され、LCD表示部等のバックライトやカメラ撮影時の補助光源とされる発光装置が多く採用されている。
LEDとしては、1つもしくは複数の白色のLEDを搭載して白色の光源として用いられるもの、又はR(赤)、G(緑)、B(青)の各色のLEDを搭載して白色を含む様々な色の光源として用いられるものなどがある。また、駆動回路としては、LEDに一定の電流を加えることが可能な定電流回路などがある。そして、制御回路は、定電流回路の制御を携帯電話機のユーザの操作に応じて行い、LEDの点灯状態を変えることが可能である。
携帯機器などで使用されているLEDを使った発光表示装置は、屋内、屋外を問わず、さまざまな周囲の明るさの下で使用される。そのため、表示像があまり明るくないと、明るい所で使用する場合に見難くなる。また、逆に暗い場所で使用する場合は、表示画像が明るすぎても、まぶしくなり像を見難くなる。
特許文献1には、環境の明るさに応じて表示画像の明るさを調整する表示装置が記載されている。
図10は、特許文献1記載の発光表示装置の調光部の構成を示す図である。
図10において、発光表示装置の調光部10aは、電源電圧(15V)を印加する電源端子11、フォトダイオード12、オペアンプ13,14、抵抗15(抵抗値:R1)、抵抗16(抵抗値:R2)、及び可変抵抗17(抵抗値:R3)を備えて構成される。
フォトダイオード12は、外光の明るさに応じた光電流Iを発生する受光素子であり、電源端子11とオペアンプ13の正側入力端子に接続される。
抵抗16は、一端が電源端子11に接続され、他端が可変抵抗17及びオペアンプ14の正側入力端子に接続される。
オペアンプ14の出力電圧Vp’は、電源電圧15Vを抵抗16と抵抗17により分圧された電圧となる。オペアンプ14の出力端子は、抵抗15を介して、フォトダイオード12及びオペアンプ13の正側入力端子に接続される。
オペアンプ13の入力電圧Vpは、次式(1)で表されるように、オペアンプ14の出力電圧Vp’よりもR1×Iだけ高くなり、電流Iに応じて変動する。
Vp=Vp’+R1×I …(1)
以上のように、照度に従って変化する電圧Vpを出力することができる。オペアンプ13の入力電圧Vpは、オペアンプ14の出力電圧Vp’よりもI・R1だけ高くなり、電流Iに応じて変動する。フォトダイオード12が受光しないとき、電流は0になって、オペアンプ13の入力電圧Vpはオペアンプ14の出力電圧Vp’に等しくなる。オペアンプ13の出力電圧とフォトダイオード12の受光量は直線関係にあり、出力電圧Vpには最低値Vp’が存在する。
特開平10−282924号公報
しかしながら、このような従来の照度センサにあっては、以下のような問題点があった。
(1)携帯電話やゲーム機などの携帯機器では一般にリチウムイオン電池などが用いられ、電池電圧が3.3Vから3.7V程度であり、15Vなどの高電源電圧を使用することはできない。このため、電池電圧の低下の影響を受けやすく、検出精度を確保するのが難しい。例えば、長時間使用による電池出力電圧の低下により、元々広くない検出レンジがクリップされより狭小となる。また、フォトダイオードのアノードとカソードとの間に生じる電圧のため、電流・電圧変換の出力が2.0から2.5V程度まで制限される。この制限があるため、それ以上の出力電圧で使用しようとすると照度と出力電圧との間の線形性が崩れてしまう欠点があった。
(2)また、後段にサンプリング回路などを有さないため、蛍光灯などのちらつきをそのまま反映してしまい、表示装置の表示画像にちらつきが重畳されてしまうという欠点があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、携帯機器に適した電池電圧を使用しながら照度と出力電圧との間の線形性が満たされる領域で動作させることができ、照度検出精度の高い照度センサ、表示装置及び電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、蛍光灯等の外光のちらつきの影響を防止することができる照度センサ、表示装置及び電子機器を提供することを別の目的とする。
本発明の照度センサは、外光の明るさに応じた光電流を発生する受光素子と、発生した光電流を電圧に変換する電圧変換手段と、電圧に変換された受光素子出力をデジタルデータに変換し、照度データとして出力するA/D変換器と、電圧に変換された受光素子出力に基づいて、前記電圧変換手段の出力電位を変えることで前記A/D変換器の入力ゲインを切り替える切替手段と、を備える構成を採る。
本発明の表示装置は、照度センサによって検出した周囲の明るさに応じて発光素子の輝度を調整する表示装置であって、上記照度センサを用いる構成を採る。
本発明の電子機器は、照度センサによって検出した周囲の明るさに応じて発光素子の輝度を調整する表示装置を備える電子機器であって、上記照度センサを用いる構成を採る。
本発明によれば、受光素子の出力にあわせてA/D変換器の入力ゲインを切り替えることにより、照度と出力電圧との間の線形性が満たされる領域でA/D変換器を動作させることができる。また、蛍光灯のちらつきの周波数の2倍より低い周波数でサンプリングすることにより、商用電源周波数に起因する蛍光灯のちらつきの影響をも回避することができる。
その結果、機器を使用する使用者が必ずしも表示明るさの設定を変更しなくても、機器内の制御により、最適な明るさで表示することができる。また、暗い環境などでの不必要な明るさで表示することがなく、消費電力の削減、ひいては電池の消耗を抑えることができ、機器の使用時間の延長を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る照度センサの構成を示す回路図である。本実施の形態は、携帯電話機やゲーム機などの携帯機器などで使用されているLEDを使った発光表示装置の照度を検出する照度センサ回路に適用した例である。
図1において、発光表示装置100は、電源端子101,102、スイッチ103、照度センサ回路110、LED制御ロジック回路120、LED駆動回路130、及び表示用LED141〜147を備えて構成される。
電源端子101は、例えばリチウムイオン電池の3.3Vから3.7V程度の電圧を印加する照度センサ回路用電源端子である。
電源端子102は、表示用LED141〜147に電流を供給する表示用LED駆動用電源端子である。
スイッチ103は、LED制御ロジック回路120からのオンオフロジック信号に従って、電源端子101から照度センサ回路110への電源供給をオンオフする。
照度センサ回路110は、フォトダイオード111、抵抗112(抵抗値:R1)、抵抗113(抵抗値:R2)、バッファ114、A/D変換器115、及びMOSトランジスタからなるスイッチ116を備えて構成される。
フォトダイオード111は、外光の明るさに応じた光電流(フォトダイオード電流)IPDを発生する受光素子であり、受光すると照度に応じた光電流IPDを流す。フォトダイオード111の一端は、スイッチ103を介して電源端子101に接続され、電源端子101から3.7Vの電圧が印加される。フォトダイオード111の他端は、抵抗112に接続され(この接続点を点aとする)、抵抗112の他端は抵抗113に接続され(この接続点を点bとする)、抵抗113の他端は接地される。上記抵抗112及び抵抗113は、発生した光電流IPDを電圧に変換する電圧変換手段としての機能を有する。
フォトダイオード111は、直列接続された抵抗112及び抵抗113を介して外光の明るさに応じた光電流IPDを流す。フォトダイオード111と抵抗112との接続点aの電位VPDは、VPD=IPD×(R1+R2)となる。
バッファ114は、接続点aの電位VPDを増幅してA/D変換器115に出力する。
A/D変換器115は、増幅された接続点aの電位VPDをデジタルデータに変換し、照度センサ回路110出力として後段のLED制御ロジック回路120に出力する。A/D変換器115からは、フォトダイオード111が受光した照度に応じたデジタルデータが出力される。
抵抗112と抵抗113の接続点bは、スイッチ116を構成するMOSトランジスタのソースに接続され、このMOSトランジスタのドレインは接地される。また、このMOSトランジスタのゲートはLED制御ロジック回路120からの切替信号を受け、MOSトランジスタは、LED制御ロジック回路120からの切替信号によりオンオフする。上記スイッチ116は、A/D変換器115の入力ゲインを切り替える切替手段の一部を構成する。
LED制御ロジック回路120は、A/D変換器115の出力、すなわちフォトダイオード111が受光した照度に応じて、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)駆動のデューティ比を決定し、LED駆動回路130を介して表示用LED141〜147を制御する。
また、LED制御ロジック回路120は、スイッチ116に切替信号を出力して、スイッチ116が接続点bを接地する/しないを切り替える。LED制御ロジック回路120は、スイッチ116のオンオフにより接続点bの電位を変えることでA/D変換器115の入力ゲインを切り替える切替手段としての機能を有する。
さらに、LED制御ロジック回路120は、スイッチ103、バッファ114、及びA/D変換器115にオンオフロジック信号を出力して、これら各部の動作/非動作を制御する。これにより、照度センサ回路110、バッファ114、及びA/D変換器115への電源供給を適宜遮断することで省電力化を図ることができる。上記オンオフロジック信号の詳細については、実施の形態4の図8により後述する。
LED駆動回路130は、例えば定電流回路などからなり、LED制御ロジック回路120の出力に応じて、電源端子102に接続された表示用LED141〜147をそれぞれ発光させ、所望の明るさに点灯させる。
表示用LED141〜147は、LED駆動回路130の駆動制御により電流が印加されると発光するデバイスである。表示用LED141〜147は、白色、又は、白色を含む様々な色の発光が可能である。本実施の形態は、例えば携帯電話機などの携帯機器のキー操作部のキーバックライト用に適用した例であり、個数は7つの例であるが、勿論これに限定されるものではない。適用対象となるLEDは、携帯機器に限ってみてもLCD表示部のバックライトをはじめ、カメラ付き携帯電話機のカメラ撮影時の補助光源がある。本実施の形態の照度センサ回路110は、上述したLEDを含むあらゆる発光素子の明るさを検出するセンサに適用できる。
以下、上述のように構成された発光表示装置の動作について説明する。
受光素子として使用される一般的なフォトダイオード111では、上述したようにアノードとカソードの間の電圧の制約があるため、接続点aの電位VPDの最大出力電圧は、2.0から2.5V程度となり、この値以上の電圧では照度と出力電圧の線形性が崩れてしまう。
そこで、本実施の形態では、照度センサ回路110が、抵抗113の両端に接続されたスイッチ116と、このスイッチ116をオンオフ制御する切替手段としての機能を有するLED制御ロジック回路120とを備え、フォトダイオード111(受光素子)の出力にあわせてA/D変換器115の入力ゲインを切り替えることで、照度と出力電圧との間の線形性が満たされる領域で動作させる。
LED制御ロジック回路120は、照度が弱く光電流IPDの小さな場合にはスイッチ116をオフにし、逆に、照度が強く光電流IPDの大きな場合にはスイッチ116をオンにする。
スイッチ116がオフされると、フォトダイオード111に接続される抵抗112,113の抵抗値はR1+R2となり、接続点aの電位VPDは、IPD×(R1+R2)となる。また、スイッチ116がオンされると、抵抗113はショートされることになり、接続点aの電位VPDは、IPD×R1となる。
これにより、最大出力電圧の低い電位VPDであっても広範囲な照度を検出することが可能となる。
本実施の形態は、スイッチ116のオンオフ制御により、A/D変換器115の入力ゲインを切り替え、A/D変換器115を照度と出力電圧との間の線形性が満たされる領域で動作させる。この基本制御に加え、さらに、ゲイン切り替えは、フォトダイオード特性による非線形性部分が現れない領域で切り替えることを特徴とする。
図2は、照度[lx]とフォトダイオード111の出力電圧VPD[v]の関係を示す図であり、8ビットのA/D変換器115を用いた場合の例である。
図2に示すように、接続点aの電位VPDが2.5Vを超えるところから非線形性領域に入る。この非線形性領域は、照度からみると、スイッチ116がオフ状態(高ゲイン設定)の時は、255[lx]までの照度、スイッチ116がオン状態(低ゲイン設定)の時は、32000[lx]までの照度である。本実施の形態では、高ゲイン設定と低ゲイン設定との切り替えを、フォトダイオード特性による非線形性部分が現れない領域で行う。
例えば、LED制御ロジック回路120は、スイッチ116がオフ状態(高ゲイン設定)の時に入力されるA/D変換器115の出力がVPD=2V以上であることを示すとスイッチ116をオンし、スイッチ116がオン状態(低ゲイン設定)の時に入力されるA/D変換器115の出力がVPD=0.5V以下であることを示すとスイッチ116をオフする。
このように、高ゲイン設定範囲(スイッチ116をオフ時)と低ゲイン設定範囲(スイッチ116をオン時)との領域が相互に重なり合うようにすることで、線形性が崩れてしまう領域での使用を回避することができる。
ところで、本発光表示装置100を屋内で使用する場合、照度センサ回路110が蛍光灯のちらつきの影響を受ける可能性がある。商用電源周波数は、関西が60Hz、関東が50Hzであり、蛍光灯としては、交流の正負の電圧のピークとなるときに放電が起こるので、それぞれ120Hz、あるいは100Hzで点灯する。シャノンの定理に従えば、サンプリング周波数の1/2以上の周波数についてはサンプリングされない。したがって、A/D変換器115のサンプリング周波数を蛍光灯のちらつきの周波数の2倍、つまり、商用電源周波数の4倍にあたる200Hz以下とすれば、蛍光灯のちらつきの影響を除去することもできる。本実施の形態では、LED制御ロジック回路120が、スイッチ103にオンオフロジック信号を出力して所定期間だけ照度センサ回路110を起動すると共に、A/D変換器115の動作タイミングを商用電源周波数の4倍にあたる200Hz以下とする制御信号を出力する制御手段としての機能を有する。省電力化及び、蛍光灯のちらつきの影響を除去することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、外光の明るさに応じた光電流IPDを発生するフォトダイオード111と、増幅された接続点aの電位VPDをデジタルデータに変換し、照度センサ回路110出力としてLED制御ロジック回路120に出力するA/D変換器115と、フォトダイオード111に直列に接続された抵抗112と抵抗113の接続点bを接地する/しないを切り替えるスイッチ116とを備える。LED制御ロジック回路120は、フォトダイオード111の出力にあわせてスイッチ116のオンオフ制御して接続点bの電位を変えることで、接続点aの電位VPD、すなわちA/D変換器115の入力ゲインを切り替える。これにより、フォトダイオード111の出力にあわせてA/D変換器115の入力ゲインを切り替えることで、照度と出力電圧との間の線形性が満たされる領域でA/D変換器115を動作させることができる。
また、蛍光灯のちらつきの周波数の2倍より低い周波数でサンプリングするA/D変換器115を用いることで、蛍光灯のちらつきを除外した正しい値を基に照度制御を行うことができる。
したがって、本実施の形態の照度センサ回路110を発光表示装置100に適用することで、屋内、屋外を問わず利用される携帯機器に使用されているLEDなどを用いた表示装置の明るさを調整することが可能となる。この場合、商用電源周波数に起因する蛍光灯のちらつきの影響をも回避することができる。
その結果、機器を使用する使用者が必ずしも表示明るさの設定を変更しなくても、機器内の制御により、最適な明るさで表示することができる。また、暗い環境などでの不必要な明るさで表示することがなく、消費電力の削減、ひいては電池の消耗を抑えることができ、機器の使用時間の延長を実現することができる。
本実施の形態のセンサ回路は、広範に変化する環境の明るさを低電源電圧で検知できるので、携帯機器などの表示装置に好適である。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る照度センサの構成を示す回路図である。図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図3において、発光表示装置200は、電源端子101,102、スイッチ103、照度センサ回路210、LED制御ロジック回路220、LED駆動回路130、及び表示用LED141〜147を備えて構成される。
照度センサ回路210は、フォトダイオード111、抵抗112(抵抗値:R1)、抵抗113(抵抗値:R2)、バッファ114、A/D変換器115、ヒステリシス回路211、及びスイッチ116を備えて構成される。
照度センサ回路210は、図1の照度センサ回路110のA/D変換器115の出力側にヒステリシス回路211を設け、ヒステリシス回路211の出力を照度センサ回路210の出力としている。
LED制御ロジック回路220は、図1のLED制御ロジック回路120の機能に加えて、ヒステリシス回路211からの一致信号を基にA/D変換器115の入力ゲインを切り替えるヒステリシスによるゲイン切り替え制御を行う。
フォトダイオード111が受光する光の照度によっては、スイッチ116により、高ゲイン設定と低ゲイン設定とを相互に切り替わることが起こりうる。例えば、図2に示すように、高ゲイン設定と低ゲイン設定との切り替えを行うような照度近傍を繰り返し受光するとき、高ゲイン設定と低ゲイン設定とを相互に切り替わる。高ゲイン設定と低ゲイン設定の切り替わりが頻繁に連続して発生することは、回路動作の安定性を損なうので好ましくない。そこで、本実施の形態では、ヒステリシス回路211を用いて、高ゲイン設定と低ゲイン設定の切り替わりが頻繁に連続して発生することを回避する。
ヒステリシス回路211は、ゲート回路からなる一致回路を用いることで実現できる。
図4は、ヒステリシス回路211の動作を示すフローチャートであり、図4(a)は高ゲイン設定時、図4(b)は低ゲイン設定時のゲイン切り替えを示す。図中、○印は所定経過時間[s]、nは任意のサンプリング回数である。
図4(a)に示すように、周囲環境が比較的暗く高ゲイン設定の場合、周囲が明るくなり、フォトダイオード111の出力が徐々に大きくなると、A/D変換器115の出力がすべて1となる。この状態を任意のサンプリング回数(n回)にわたって連続して維持し、連続したn回においてA/D変換器115の出力がすべて1であれば、その一致信号をLED制御ロジック回路220に出力する。LED制御ロジック回路220は、この場合周囲環境が明るくなったと判定し、スイッチ116をオンし、高ゲイン設定から低ゲイン設定に切り替える。
また、図4(b)に示すように、周囲環境が比較的明るく低ゲイン設定の場合、周囲が暗くなり、フォトダイオード111の出力が徐々に小さくなると、A/D変換器115の出力がすべて0となる。この状態を任意のサンプリング回数(n回)にわたって、連続して維持し、連続したn回においてA/D変換器115の出力がすべて0であれば、その一致信号をLED制御ロジック回路220に出力する。LED制御ロジック回路220は、この場合周囲環境が暗くなったと判定し、スイッチ116をオフし、低ゲイン設定から高ゲイン設定に切り替える。
このように、本実施の形態では、ヒステリシス回路211を用いて、高ゲイン設定と低ゲイン設定の切り替わりが頻繁に連続して発生することを回避することができ、回路動作の安定性を高めることができる。
また、本実施の形態にあっても、実施の形態1と同様に、A/D変換器115のサンプリング周波数を蛍光灯のちらつきの周波数の2倍、つまり、商用電源周波数の4倍にあたる200Hz以下とすることで、蛍光灯のちらつきの影響を除去することができる。
なお、本実施の形態では、ヒステリシス回路211に一致回路を用いているが、本手法に限らず、他のヒステリシスを実現する方法を用いても構わない。
(実施の形態3)
実施の形態2では、ヒステリシス回路211を設けることで高ゲイン設定と低ゲイン設定とが相互に頻繁に切り替わることを回避することができた。
上記高ゲイン設定と低ゲイン設定とは別に、フォトダイオード111が受光する光の照度によっては、A/D変換器115の出力と所定の設定値との比較により決定されるLED制御ロジック回路120の出力も頻繁に切り替わることが起こりうる。LED制御ロジック回路120の出力が頻繁に連続して切り替わることは、表示用LED141〜147の輝度の変化を招くので好ましくない。実施の形態3は、照度による表示用LED141〜147の輝度の変化を回避する例について説明する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る照度センサの構成を示す回路図である。図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図5において、発光表示装置300は、電源端子101,102、スイッチ103、照度センサ回路310、LED制御ロジック回路320、LED駆動回路130、及び表示用LED141〜147を備えて構成される。
照度センサ回路310は、フォトダイオード111、抵抗112(抵抗値:R1)、抵抗113(抵抗値:R2)、バッファ114、A/D変換器115、ヒステリシス回路311、及びスイッチ116を備えて構成される。
照度センサ回路310は、図1の照度センサ回路110のA/D変換器115の出力側にヒステリシス回路311を設け、ヒステリシス回路311の出力を照度センサ回路310の出力としている。
LED制御ロジック回路320は、図1のLED制御ロジック回路120の機能に加えて、ヒステリシス回路311からの一致信号を基にLED制御ロジック回路320の出力を安定させる制御を行う。
ヒステリシス回路311は、ゲート回路からなる一致回路を用いることで実現できる。
図6は、ヒステリシス回路311の動作を示すフローチャートであり、図中、○印は所定経過時間[s]、nは任意のサンプリング回数である。
A/D変換器115の出力が、設定値X以上である状態が任意のサンプリング回数(n回)にわたって連続して設定値X以上であるとき、その結果をLED制御ロジック回路320に出力する。この設定値Xは複数である。LED制御ロジック回路320は、A/D変換器115の出力が設定値X以上でそれが連続した場合に、対応する輝度に変更又は設定することができると判断し、対応する輝度となるよう設定値を設定してLED駆動回路130を駆動する。すなわち、A/D変換器115の出力が、設定値X以上であってもそれがn回連続しない場合は、LED駆動回路130を駆動するための設定値を変えることなく、照度による表示用LED141〜147の輝度の変動を回避する。上記設定値Xは複数であり、上記制御は各設定値Xにおいて実施される。
同様に、A/D変換器115の出力が、設定値X−n以下である状態が任意のサンプリング回数(n回)にわたって連続して設定値X−n以下であるとき、その結果をLED制御ロジック回路320に出力する。この設定値X−nも複数である。LED制御ロジック回路320は、A/D変換器115の出力が設定値X−n以下でそれが連続した場合に、対応する輝度に変更又は設定することができると判断し、対応する輝度となるよう設定値を設定してLED駆動回路130を駆動する。すなわち、A/D変換器115の出力が、設定値X−n以下であってもそれがn回連続しない場合は、LED駆動回路130を駆動するための設定値を変えることなく、照度による表示用LED141〜147の輝度の変動を回避する。上記設定値X−nは複数であり、上記制御は各設定値X−nにおいて実施される。
このように、本実施の形態では、ヒステリシス回路311を用いて、LED制御ロジック回路320の出力も頻繁に切り替わることを回避することができ、表示用LED141〜147の輝度のむやみな変化を防ぐことができる。
なお、本実施の形態のヒステリシス制御に、実施の形態2のヒステリシス制御を併用してもよいことは言うまでもない。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4に係る照度センサの構成を示す回路図である。図3と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図7において、発光表示装置400は、電源端子101,102、スイッチ103、照度センサ回路410、LED制御ロジック回路420、LED駆動回路130、及び表示用LED141〜147を備えて構成される。
照度センサ回路410は、フォトダイオード111、抵抗112(抵抗値:R1)、抵抗113(抵抗値:R2)、バッファ114、A/D変換器115、ヒステリシス回路211、平均化回路411、及びスイッチ116を備えて構成される。
照度センサ回路410は、図3の照度センサ回路210のヒステリシス回路211の出力側に平均化回路411を設け、平均化回路411の出力を照度センサ回路410の出力としている。
LED制御ロジック回路420は、図1のLED制御ロジック回路120の機能に加えて、A/D変換器115を商用電源周波数のn倍で動作させる制御手段としての機能を有する。
平均化回路411は、n/2回以上のA/D変換器115の出力の平均値を出力する。
前記各実施の形態1乃至3では、A/D変換器115のサンプリング周波数を蛍光灯のちらつきの周波数の2倍、つまり、商用電源周波数の4倍にあたる200Hz以下とすることで、蛍光灯のちらつきの影響を除去していた。本実施の形態では、平均化回路411を用いることで、別の方法で蛍光灯のちらつきの影響を除去する。
図8は、スイッチ103のオンオフロジック信号とA/D変換器115の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
図8(a)に示すように、スイッチ103のオンオフロジック信号は、LED制御ロジック回路420によりTの周期でT1期間だけオンされる。なお、スイッチ103のオンオフロジック信号は、前記各実施の形態1乃至3についても同様である。
本実施の形態では、ヒステリシス回路211の出力に平均化回路411を設け、平均化回路411の出力をLED制御ロジック回路420に入力する。LED制御ロジック回路420は、A/D変換器115を商用電源周波数のn倍で動作させ、平均化回路411はn/2回以上のA/D変換器115の出力の平均値を出力する。
図8(a)の拡大図を図8(b)に示すように、T1期間において、n回のA/D変換器115の出力OUT1〜OUT(n)の平均を取り、この平均データを今回のA/D変換器115のデータとしてLED制御ロジック回路420に出力する。
このように、A/D変換器115を商用電源周波数のn倍で動作させ、平均化回路411が、n/2回以上のA/D変換器115の出力の平均値をとることで、A/D変換器115のサンプリング周波数を200Hz以下とする場合と同様に、蛍光灯のちらつきの影響を除去することができる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5に係る照度センサを有する携帯端末装置の構成を示す図であり、図9(a)はその外観図、図9(b)はその機能ブロック図である。本実施の形態に係る携帯端末装置は、携帯電話機に適用した例である。図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図9において、携帯端末装置500は、アンテナ501、RF部502、アナログベースバンド部503、メモリ504、デジタルベースバンド部を有するCPU505、カメラ,音楽再生機能などの各種機能部506、液晶ドライバ507、液晶ディスプレイ508、キー操作部509、照度センサ回路110、LED制御ロジック回路120、LED駆動回路130、表示用LED140、及び電源部510を備えて構成される。なお、表示用LED140は、図1の表示用LED141〜147を総称したもので、キー操作部509のキーのバックライトに使用される。これは一例であり、LCD表示部のバックライト、カメラ付き携帯電話機のカメラ撮影時の補助光源用LEDなどの明るさを検出する照度センサに適用できる。
携帯端末装置500は、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System),PDA(Personal Digital Assistants),ノート型PC,デジタルオーディオプレーヤー,携帯ゲーム機などの携帯機器である。これらの携帯機器の表示装置に使用されて周囲の明るさを検出するセンサ回路であればどのような電子機器にも搭載できる。
また、携帯端末装置500は、実施の形態1の照度センサ回路110を適用した例を代表して示したが、実施の形態2乃至4の照度センサ回路210,310,410を適用してもよい。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。例えば、上記各実施の形態は、各種の表示装置に適用した例であるが、発光素子の照度を検出するものであればどのような装置にも同様に適用できる。
例えば、上記各実施の形態では、高ゲイン設定と低ゲイン設定の2ゲイン切り替えを行っているが、2に限定されない。同様の方法により、3以上のA/D変換器の入力ゲインの切り替えを行うことができる。この場合でも、各ゲイン設定領域が相互に重なり合うようにすることで、線形性が崩れてしまう領域での使用を回避することが好ましい。
また、上記各実施の形態では照度センサ、発光表示装置、携帯端末装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、照度センサ回路、携帯機器、発光制御方法等であってもよいことは勿論である。
さらに、上記照度センサを構成する発光素子、各回路部、例えば抵抗、スイッチ等の種類、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られない。スイッチ103,116は、例えばMOSトランジスタを使用するのが一般的であるが、スイッチング動作を行う素子であればどのようなスイッチ素子であってもよい。
本発明に係る照度センサ、表示装置及び電子機器は、広範に変化する環境の明るさを低電源電圧で検知できるので、携帯機器などの表示装置に有効である。また、各種の表示装置における照度センサに適用して好適であるのみならず、表示装置以外の電子機器にも広く適用され得るものである。
本発明の実施の形態1に係る照度センサの構成を示す回路図 本実施の形態1に係る照度センサの照度とフォトダイオードの出力電圧VPDの関係を示す図 本発明の実施の形態2に係る照度センサの構成を示す回路図 本実施の形態2に係る照度センサのヒステリシス回路の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態3に係る照度センサの構成を示す回路図 本実施の形態3に係る照度センサのヒステリシス回路の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態4に係る照度センサの構成を示す回路図 本実施の形態4に係る照度センサのスイッチのオンオフロジック信号とA/D変換器の出力タイミングを示すタイミングチャート 本発明の実施の形態5に係る照度センサを有する携帯端末装置の構成を示す図 従来の発光表示装置の調光部の構成を示す図
符号の説明
100,200,300,400 発光表示装置
101,102 電源端子
103,116 スイッチ
110,210,310,410 照度センサ回路
120,220,320,420 LED制御ロジック回路
130 LED駆動回路
140,141〜147 表示用LED
111 フォトダイオード
112,113 抵抗
114 バッファ
115 A/D変換器
211,311 ヒステリシス回路
411 平均化回路
500 携帯端末装置

Claims (10)

  1. 外光の明るさに応じた光電流を発生する受光素子と、
    発生した光電流を電圧に変換する電圧変換手段と、
    電圧に変換された受光素子出力をデジタルデータに変換し、照度データとして出力するA/D変換器と、
    電圧に変換された受光素子出力に基づいて、前記電圧変換手段の出力電位を変えることで前記A/D変換器の入力ゲインを切り替える切替手段と、
    を備える照度センサ。
  2. 前記切替手段は、前記受光素子の出力特性の線形性が満たされる領域で、前記A/D変換器が動作するように前記A/D変換器の入力ゲインを切り替える請求項1記載の照度センサ。
  3. 前記A/D変換器は、複数の入力ゲインを有し、
    前記切替手段は、前記受光素子の出力特性の線形性が満たされる領域で、前記A/D変換器が動作するように前記A/D変換器の入力ゲインを一方のゲインから他方のゲインに切り替える請求項1記載の照度センサ。
  4. 前記A/D変換器の出力にヒステリシスを持たせるヒステリシス回路をさらに備える請求項1記載の照度センサ。
  5. 前記切替手段は、前記A/D変換器の入力ゲインの切り替えを、前記ヒステリシス回路のヒステリシスに従って切り替える請求項1記載の照度センサ。
  6. 前記ヒステリシス回路は、前記A/D変換器の出力が所定出力値で、かつその出力値が所定サンプリング回数にわたって連続して出力したことを検出する一致回路である請求項1記載の照度センサ。
  7. 前記A/D変換器を商用電源周波数の4倍以上で動作させる制御手段をさらに備える請求項1記載の照度センサ。
  8. 前記A/D変換器を商用電源周波数のn倍で動作させる制御手段と、
    n/2回以上の前記A/D変換器の出力の平均値を出力する平均化手段とをさらに備える請求項1記載の照度センサ。
  9. 照度センサによって検出した周囲の明るさに応じて発光素子の輝度を調整する表示装置であって、
    前記照度センサは、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の照度センサである表示装置。
  10. 照度センサによって検出した周囲の明るさに応じて発光素子の輝度を調整する表示装置を備える電子機器であって、
    前記照度センサは、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の照度センサである電子機器。
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