JP2002229511A - 有機el表示パネルの駆動装置および駆動方法 - Google Patents

有機el表示パネルの駆動装置および駆動方法

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JP2002229511A
JP2002229511A JP2001026590A JP2001026590A JP2002229511A JP 2002229511 A JP2002229511 A JP 2002229511A JP 2001026590 A JP2001026590 A JP 2001026590A JP 2001026590 A JP2001026590 A JP 2001026590A JP 2002229511 A JP2002229511 A JP 2002229511A
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JP2001026590A
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Takayoshi Yoshida
孝義 吉田
Yoichi Satake
陽一 佐竹
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Tohoku Pioneer Corp
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL表示装置の使用環境の明るさに応じ
て、EL素子の発光輝度を変化させることができる駆動
装置を提供すること。 【解決手段】 複数個の有機EL素子E11,E12……を
配列させて構成した表示パネル23には、有機素子Ex
も形成されており、この有機素子Exに所定の電流を加
えた場合の順方向電圧を照度センサとして利用してい
る。この有機素子Exの順方向電圧は、オペアンプOP
を介してPWM回路25に供給され、PWM回路からの
PWM信号により昇圧回路26から陽極線走査回路21
に与える昇圧電圧VHが制御される。これにより、表示
パネルに配列された各有機EL素子E11,E12……の発
光輝度が制御される。これにより、使用環境が暗い場合
には昇圧電圧VHも低下させることができるので、低消
費電力を実現させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機エレクトロ
ルミネッセンス(EL)素子を駆動する技術に関し、特
に外来光に応じて有機EL素子の発光輝度を調整するこ
とができる有機EL表示パネルの駆動装置および駆動方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に代わる低消費電力および
高表示品質、並びに薄型化が可能な表示装置として、E
L表示装置が注目されている。これはEL表示装置に用
いられるEL素子の発光層に、良好な発光特性を期待す
ることができる有機化合物を使用することによって、実
用に耐えうる高効率化および長寿命化が進んだことも背
景にある。
【0003】この有機EL素子は、発光駆動電圧が印加
されると、先ず、当該素子の電気容量に相当する電荷が
電極に変位電流として流れ込み蓄積される。続いて当該
素子固有の一定の電圧(発光閾値電圧=Vth)を越える
と、電極(ダイオード成分のアノード側)から発光層を
構成する有機層に電流が流れ初め、この電流に比例した
強度で発光すると考えることができる。
【0004】すなわち、有機EL素子は図8(A)に実
線で示すように駆動電圧(V)が発光閾値電圧(Vth)
以上の場合において、急激に電流(I)が流れて発光す
る。換言すれば、駆動電圧が発光閾値電圧(Vth)以下
の場合には、EL素子には電流は殆ど流れず発光しな
い。そして、駆動電圧(V)が発光閾値電圧(Vth)以
上の場合においては、図8(B)に示すように駆動電流
(I)にほぼ比例した輝度(L)で発光する。
【0005】一方、有機EL素子の発光輝度特性は、概
ね温度によって図8(A)に破線で示すように変化する
ことも知られている。すなわちEL素子は、前記した発
光閾値電圧より大なる発光可能領域においては、それに
印加される電圧(V)の値が大きくなるほどその発光輝
度(L)が大きくなる特性を有するが、高温になるほど
発光閾値電圧が小さくなり、低温になるほど発光閾値電
圧が大きくなる。したがってEL素子は、高温になるほ
ど小さい印加電圧で発光可能な状態となり、同じ発光可
能な印加電圧を与えても、高温時は明るく低温時は暗い
といった輝度の温度依存性を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この有機E
L素子を用いた表示パネルは、面発光であるという特質
を生かし、据え置き型または車載用機器のディスプレイ
にとどまらず、例えば携帯型端末機器または携帯電話器
等のディスプレイとして広く利用し得る可能性を有して
おり、既に一部の商品において実用化されている。
【0007】前記した携帯型端末機器、特に携帯電話器
においては、昼光下または夜間のいずれにおいても、区
別なくこれを利用する機会が多い。このために、この種
の商品においては、外来光の照度が大きい昼光下におい
て、ディスプレイ上の文字、あるいはキャラクタなどの
表示が十分に認識し得るように、EL素子の発光輝度が
調整されている場合が多い。また、EL素子の発光輝度
を調整することができる機能を備えたものも提供されて
いるが、これらはいずれも端末機器の操作ボタン等の操
作に基づくマイコンからの指令により、EL素子への駆
動電力を制御するものである。
【0008】したがって、携帯電話器等を含む端末機器
を昼光下または夜間において用いる場合に応じて、その
都度EL素子の発光輝度をマニュアル操作によって調整
することは、ユーザにとって煩わしい。したがって、E
L素子の発光輝度は、前記したように外来光の照度が大
きい昼光下において、ディスプレイ上の文字あるいはキ
ャラクタなどの表示が十分に認識し得るように、EL素
子の発光輝度を調整した状態で使用するケースが殆どに
なる。
【0009】しかしながら、有機EL素子の発光輝度
は、前記したとおり、素子に流れる電流値にほぼ比例し
て大きくなるという特性を有しているために、常に昼光
下の明るさに対応させて高輝度の発光を持続させた場合
においては、それに応じて電力を消費し、特に携帯電話
器等においては駆動用電池の過剰な電力消費を招き、例
えば電話の待ち受け時間を短縮させるという問題が発生
する。
【0010】本発明は、前記した問題点に着目してなさ
れたものであり、端末機器の使用時における周囲の明る
さ(外来光の大小)に応じてEL素子の発光輝度を調整
するように構成し、これにより低消費電力を実現させる
ことが可能な有機EL表示パネルの駆動装置および駆動
方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかる有機EL表示パネルの駆
動装置においては、複数個の有機EL素子を配列させて
構成した表示パネルと、前記各EL素子に対して発光駆
動電力を選択的に供給する駆動手段とが備えられた有機
EL表示パネルの駆動装置であって、前記駆動手段は、
外来光の照度に応じて、前記有機EL表示パネルにおけ
る有機EL素子の駆動電力を制御するように構成され
る。
【0012】この場合、好ましくは外来光の照度を検出
する照度センサが具備され、前記照度センサからのセン
サ出力に応じて、前記有機EL表示パネルにおける有機
EL素子の駆動電力を制御するように構成される。ま
た、前記照度センサは、好ましくは前記EL表示パネル
の発光面に到来する外来光の照度を検出するようになさ
れる。
【0013】そして、好ましい実施の形態においては、
前記照度センサとして、前記EL表示パネルに形成され
た有機膜を持つ素子が利用され、当該有機素子に所定の
電流を加えた場合の順方向電圧を照度センサの検出出力
として利用するように構成される。さらに好ましくは、
前記照度センサの検出出力として、複数個の有機素子が
直列接続され、直列接続された各有機素子の合成順方向
電圧を利用するように構成される。
【0014】また、他の好ましい実施の形態において
は、第1と第2の有機膜を持つ素子が具備され、第1の
有機素子には外来光が照射されるように構成し、第2の
有機素子には外来光が照射されないように構成されると
共に、前記第1と第2の有機素子の順方向電圧の差分
を、前記照度センサの検出出力として利用するように構
成される。
【0015】この場合、前記第1の有機素子として、複
数個の有機素子が直列接続され、前記第2の有機素子と
して、複数個の有機素子が直列接続されると共に、直列
接続された第1の各有機素子の合成順方向電圧と、直列
接続された第2の各有機素子の合成順方向電圧との差分
を、前記照度センサの検出出力として利用するように構
成されることが望ましい。
【0016】一方、本発明にかかる有機EL表示パネル
の駆動方法は、複数個の有機EL素子を配列させて構成
した表示パネルと、前記各EL素子に対して発光駆動電
力を選択的に供給する駆動手段とが備えられた有機EL
表示パネルの駆動方法であって、前記駆動手段は、照度
センサが検出する外来光の明るさの度合いが高い場合に
は、これが低い場合に比べて前記表示パネルにおける各
有機EL素子の発光量を増加させると共に、外来光の明
るさの度合いが低い場合には、これが高い場合に比べて
前記表示パネルにおける各有機EL素子の発光量を低下
させる制御がなされる。
【0017】前記した駆動方法を採用した有機EL表示
パネルの駆動装置によると、外来光の照度に応じて、有
機EL表示パネルにおけるEL素子の駆動電力を制御す
るようになされる。これにより、昼光下のように外来光
の照度が大きい場合においては、これに応じてEL素子
の輝度が上昇し、ディスプレイ上に表示される文字ある
いはキャラクタなどの表示を十分に認識することができ
る。
【0018】また、夜間のように外来光の照度が小さい
場合においては、これに応じてEL素子の輝度が低下さ
れるように制御される。すなわち、夜間のように外来光
の照度が小さい場合においては、たとえEL素子の輝度
が低下しても、ディスプレイ上に形成される文字あるい
はキャラクタなどの表示を十分に認識することができ
る。この場合においては、EL素子において消費される
電力が低減されると共に、例えばDC−DCコンバータ
において生成される昇圧電圧も低く抑えることができ
る。このために、特に携帯端末機器等における電池の消
費電力を低減させることに寄与できる。
【0019】一方、前記した駆動装置において利用され
る照度センサとして、EL表示パネルに形成された有機
膜を持つ有機素子を用いることにより、その順方向電圧
を照度情報として効果的に利用することができる。この
場合、複数個の有機素子を直列接続した構成とし、各有
機素子の合成順方向電圧を照度情報として利用すること
で、さらに、照度情報を高感度で検出することが可能と
なる。
【0020】さらに、第1と第2の有機素子を利用し、
第1の有機素子には外来光が照射されるように構成し、
第2の有機素子には外来光が照射されないように構成さ
せると共に、前記第1と第2の有機素子の順方向電圧の
差分を、前記照度センサの検出出力として利用するよう
に構成することにより、有機EL素子の温度依存性によ
る輝度変化を補償させることができると共に、外来光に
応じて有機EL素子の発光輝度を調整することが可能と
なる。
【0021】さらにまた、前記第1と第2の有機素子と
して、それぞれ複数個の有機素子を直列接続させて、各
合成順方向電圧の差分を前記照度センサの検出出力とし
て利用するように構成することにより、有機EL素子の
温度依存性による輝度変化を補償させることができると
共に、照度情報を高感度で検出することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる有機EL表
示パネルの駆動装置について、図面に基づいて説明す
る。図1は有機EL表示パネルの駆動装置の基本構成を
ブロック図によって示したものである。この装置におい
ては、外来光を受けてその情報を電圧変換して出力する
光センサ回路1と、この光センサ回路1からの電圧情報
を受けて演算制御を実行する演算制御回路2と、前記演
算制御回路2からの情報を受けて、例えばPWM信号を
出力するコントロール・ドライブ回路3と、このコント
ロール・ドライブ回路3からのPWM信号を受けて昇圧
電圧を制御するDC−DCコンバータ4と、このDC−
DCコンバータ4による昇圧電圧に基づいて発光輝度が
制御される表示パネル5より構成される。
【0023】そして、図1に示す実施の形態において
は、前記DC−DCコンバータ4からコントロール・ド
ライブ回路3に帰還する制御電圧が一定となるように、
前記PWM信号のパルス幅、またはデューティ比が制御
される。そして、この発明における好ましい実施の形態
においては、前記光センサー回路1における照度センサ
として、有機EL素子が用いられる。
【0024】図2は有機EL素子に投射される照度をパ
ラメータとした電圧・電流特性を示したものである。図
2においては縦軸に電流(μA)が示され、横軸に1つ
の有機EL素子における順方向電圧(V)が示されてお
り、特性Aは当該EL素子が18Lx(ルックス)の照
度を受けた場合を、特性Bは当該EL素子が930Lx
の照度を受けた場合を、さらに、特性Cは当該EL素子
が8300Lxの照度を受けた場合のそれぞれの電圧・
電流特性を示している。
【0025】図2に示した特性図から理解できるよう
に、有機EL素子は所定の定電流を印加した場合におい
ては、当該EL素子が受ける外来光(照度)に応じて、
順方向電圧が変化するという性質を有している。この場
合、EL素子が受ける照度が高くなるにしたがい、順方
向電圧(アノード電圧)が低くなるという特性を呈す
る。
【0026】図3は、前記した有機EL素子が受ける照
度に対応する順方向電圧の依存性を利用して、表示パネ
ルに配列された各有機EL素子の輝度を制御するように
構成した実施の形態を示している。なお、図3に示す形
態は、本発明をパッシブ駆動型表示パネルの駆動装置に
採用した場合の構成を示している。
【0027】このパッシブ駆動方式は、単純マトリクス
駆動方式とも呼ばれており、陽極線走査回路21と陰極
線走査回路22と表示パネル23とから構成される。こ
の単純マトリクス駆動方式における有機EL素子のドラ
イブ方法には、陰極線走査・陽極線ドライブ、および陽
極線走査・陰極線ドライブの2つの方法があるが、図3
に示す形態は、陰極線走査・陽極線ドライブの形態を示
している。
【0028】前記表示パネル23においては、ドライブ
線としての陽極線A1 ,A2 ,……と、走査線としての
陰極線B1 ,B2 ,……とをマトリクス(格子)状に配
置し、このマトリクス状に配置された陽極線と陰極線の
各交点位置に有機EL素子E11,E12,……をそれぞれ
接続した構成とされている。そして、陽極線走査回路2
1は、各陽極線A1 ,A2 ,……を介して表示パネル2
3に配列された各有機EL素子E11,E12,……の陽極
(アノード)に接続されており、また陰極線走査回路2
2は、各陰極線B1 ,B2 ,……を介して表示パネル2
3に配列された各有機EL素子E11,E12,……の陰極
(カソード)に接続されている。
【0029】陰極線走査回路22は、スイッチS21,S
22,……を表示すべき映像信号の同期信号に対応させて
一定時間間隔で順次アース端子側へ切り換えながら走査
することにより、陰極線B1 ,B2 ,……に対してアー
ス電位(0V)が順次与えられる。また、陽極線ドライ
ブ回路21は、前記陰極線走査回路22のスイッチ走査
に同期して、映像データに基づき各スイッチS11,S1
2,……をオン・オフ制御することにより陽極線A1 ,
A2 ,……に定電流駆動源としての定電流源21-1,2
1-2,……を接続し、所望の交点位置の有機EL素子に
駆動電流を供給するようになされる。
【0030】例えば、有機EL素子E11を発光させる場
合を例にとると、図3に示されたように、陰極線走査回
路22のスイッチS21のみがアース側に切り換えられ、
第1の陰極線B1 にアース電位が与えられる。この時、
陽極線ドライブ回路51のスイッチS11をオン動作させ
ることにより、定電流源21-1より陽極線A1 を介して
有機EL素子E11のアノードに定電流を印加させること
ができ、これにより有機EL素子E11を発光させること
ができる。
【0031】なお、走査中の陰極線B1 以外の他の陰極
線B2 ,B3 ,……には逆バイアス電圧+Vを印加する
ことにより、点灯制御される有機EL素子E11以外のE
L素子が、誤発光するのを防止するように構成されてい
る。したがって、この様な走査とドライブとを高速で繰
り返すことにより、任意の位置の有機EL素子を発光さ
せると共に、各有機EL素子があたかも同時に発光して
いるようになされる。
【0032】一方、前記表示パネル23には、表示機能
として利用しない有機EL素子Exが配置されている。
この有機EL素子Exは、発光駆動される前記した各E
L素子E11,E12,……の成膜時において同時に成膜さ
れ、発光用の各EL素子E11,E12,……と共に表示パ
ネル23上に形成されたものが利用される。そして、前
記EL素子Exのカソードはアース接続され、アノード
には一定の電流をEL素子Exに流す定電流源24が接
続された構成とされている。
【0033】このEL素子Exは、表示パネル23の面
上に到来する照度を測定するために利用されており、そ
のアノード端子はオペレーショナルアンプ(以下オペア
ンプと称する)OPの反転入力端子に接続され、カソー
ド端子は前記したとおりアース接続されると共に、オペ
アンプOPの非反転入力端子に接続されている。なお、
前記オペアンプOPは出力端から反転入力端子に対して
帰還抵抗R1 が接続された周知の負帰還増幅器を構成し
ており、したがって、オペアンプOPの出力端にはEL
素子Exの順方向電圧(アノード電圧)に対応する直流
電圧がもたらされる。
【0034】図3に示された回路構成によると、図2に
示したEL素子の特性から理解できるとおり、表示パネ
ル23の面上に到来する照度が増大した場合には、オペ
アンプOPの出力端における直流電圧値が低下し、ま
た、表示パネル23の面上に到来する照度が低下した場
合には、オペアンプOPの出力端における直流電圧値が
増大するように作用する。なお、前記した定電流源2
4、EL素子Ex、およびオペアンプOPにより、図1
に示す光センサ回路1を構成している。
【0035】前記オペアンプOPの出力端にもたらされ
る照度に対応する直流電圧は、図1に示す演算制御回路
2およびコントロール・ドライブ回路3に対応するPW
M回路25に供給される。このPWM回路25は、オペ
アンプOPからの直流出力によってパルス幅が変調され
るPWM信号を発生し、当該PWM信号は昇圧回路26
に供給される。この昇圧回路26は、図1に示すDC−
DCコンバータ4に該当するものであり、この昇圧回路
26は、直流電源27より供給される直流電圧を、前記
PWM信号に基づいて昇圧させるように作用する。
【0036】なお、前記昇圧回路26からはPWM回路
25に対して制御電圧が帰還されるように構成されてお
り、この実施の形態においては、PWM回路25に帰還
する制御電圧が一定となるように、前記PWM信号のパ
ルス幅、またはデューティ比が制御される。前記昇圧回
路26よりもたらされる直流電圧VHは、結果として前
記EL素子Exが受ける照度に対応したものであり、こ
の直流電圧VHは、陽極線ドライブ回路21における各
定電流源21-1,21-2,……に与えられ、各定電流源
21-1,21-2,……における出力電流を可変するよう
に機能する。
【0037】したがって、前記した構成によると照度セ
ンサを構成するEL素子Exの順方向電圧に基づいて、
定電流源21-1,21-2,……の電流値が制御される。
これにより、点灯される各EL素子E11,E12……に供
給される駆動電流が制御され、結果として各EL素子E
11,E12……の輝度が制御される。この場合、照度セン
サとして機能する前記EL素子Exが検出する外来光の
明るさの度合いが高い場合には、これが低い場合に比べ
て前記表示パネルにおける各有機EL素子の発光量を増
加させると共に、外来光の明るさの度合いが低い場合に
は、これが高い場合に比べて前記表示パネルにおける各
有機EL素子の発光量を低下させる制御がなされる。
【0038】前記した構成によると、EL表示パネルに
形成され、表示機能として利用しない有機EL素子Ex
を、照度センサとして利用するように構成されているの
で、格別に照度センサを配置する場合に比較すると、コ
ストの上昇を伴わず、しかも、EL表示パネルの面上の
照度を計測することが可能となる。この場合、EL表示
パネルの面上の照度に対応して、前記DC−DCコンバ
ータにより生成される昇圧電圧を、例えば照度の低下に
対応して低く設定するように制御される。したがって、
前記コンバータにおける電力ロス、或いは陽極ドライブ
線および陰極ドライブ線等における電力ロスも低減させ
ることができる。
【0039】なお、図4は照度センサとして前記した有
機EL素子Exを用いずに、フォトダイオードPDを用
いる場合の回路例を示している。このフォトダイオード
PDにおけるカソードは、オペアンプOPにより構成さ
れた帰還増幅器の反転入力端子に接続され、また、フォ
トダイオードPDにおけるアノードは、帰還増幅器の非
反転入力端子に接続される。この構成により、オペアン
プOPの出力端よりフォトダイオードPDが受ける照度
に対応した直流出力を得ることができる。
【0040】なお、前記したように照度センサとしてフ
ォトダイオードPDを用いる場合においては、フォトダ
イオードPDを、EL表示パネルの発光面に到来する外
来光の照度を効率的に検出できるように、発光面と同一
方向に向けて配置することが望ましい。また、前記した
ようにフォトダイオードPDを用いる代りに、光電変換
機能を有する例えばフォトトランジスタ、もしくはCD
Sを用いることもできる。
【0041】次に図5は、前記した表示パネルに形成さ
れ、表示機能として利用しない複数個の有機EL素子を
照度センサとして利用した場合を示している。この例に
おいては、3つの有機EL素子Ex11,Ex12,Ex13
が直列接続され、定電流源24より所定の電流が印加さ
れるように構成されている。そして、オペアンプOPは
直列接続された各有機EL素子の合成順方向電圧を入力
として、これに対応する直流電圧を出力するように構成
されている。
【0042】この構成によると、3つの有機EL素子に
よる合成順方向電圧を利用することができるので、図3
に示した実施の形態に比較すると、照度センサとしての
入力感度を高めることができる。なお、図5に示した例
は3つの有機EL素子を直列接続しているが、これらの
数は適宜選択することができることは勿論である。
【0043】さらに図6は、表示機能として利用しない
第1と第2の有機EL素子が利用され、第1の有機EL
素子Ex1 には外来光が照射されるように構成し、第2
の有機EL素子Ex2 には外来光が照射されないように
構成し、第1と第2の有機EL素子の順方向電圧の差分
を、照度センサの検出出力として利用するように構成し
た例を示す。この形態においては、第1と第2の有機E
L素子Ex1 ,Ex2に対してそれぞれ定電流源24
a,24bより同一値の電流が供給される。そして、第
2の有機EL素子Ex2 には外来光が照射されないよう
にマスク29がかけられている。
【0044】加えて、前記第1の有機EL素子Ex1 の
アノード端子は、入力抵抗R2 を介してオペアンプOP
の反転入力端子に接続され、また、第2の有機EL素子
Ex2 のアノード端子は、入力抵抗R3 を介してオペア
ンプOPの非反転入力端子に接続されている。したがっ
て、オペアンプOPは、第1と第2の有機EL素子にお
ける順方向電圧の差分を出力することになる。ここで、
前記したように第2の有機EL素子Ex2 はマスクされ
ているため、オペアンプOPからは第1の有機EL素子
Ex1 により得られる照度に応じた直流出力を得ること
ができる。
【0045】一方、図8(A)に基づいて先に説明した
ように、有機EL素子は温度依存性を有しているもの
の、図6に示す形態においては、第1と第2のEL素子
Ex1,Ex2 の順方向電圧の差分をとることにより、
温度変化に基づく順方向電圧の変化を補償することがで
きる。
【0046】さらにまた図7は、表示機能として利用し
ない第1の有機EL素子として、複数個の有機EL素子
を直列接続し、同じく表示機能として利用しない第2の
有機EL素子として、同数個の有機EL素子を直列接続
させた構成とされている。そして、第1の有機EL素子
Ex11,Ex12,Ex13には、外来光が照射されるよう
に構成し、第2の有機EL素子Ex21,Ex22,Ex23
には、外来光が照射されないようにマスク29がかけら
れており、他の構成は図6に示した例と同一である。
【0047】この構成によると、オペアンプOPは、第
1と第2の有機EL素子における合成順方向電圧の差分
を出力することになる。そして、前記したように第2の
有機EL素子Ex21,Ex22,Ex23はマスクされてい
るため、オペアンプOPからは第1の有機EL素子Ex
11,Ex12,Ex13により得られる照度に応じた合成順
方向電圧に対応する直流出力を得ることができる。さら
に、この構成によると、第1と第2のEL素子の合成順
方向電圧の差分がとられるため、温度変化に基づく順方
向電圧の変化を補償することができる。また、この実施
の形態においても、第1および第2の有機EL素子とし
て、それぞれ3つのEL素子を用いているが、この数は
適宜選択することができることは勿論である。
【0048】なお、本発明は前記したとおり、特に携帯
型の端末機器において利用することにより低消費電力を
実現でき、駆動電池の利用時間を延ばすことができると
いう特質を生かすことができるが、本発明はこれに限ら
ず、据え置き型もしくは車載用の機器に採用しても同様
に低消費電力を実現できる点で有効に利用することがで
きる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかる駆動方法を採用した有機EL表示パネルの駆動装
置によると、外来光に応じて有機EL素子の駆動電力を
調整することができるので、使用状態における周囲の明
るさに応じて表示パネルの発光輝度が調整される。した
がって、有機EL表示パネルを利用した機器において、
低消費電力を実現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる駆動装置の基本構成を示したブ
ロック図である。
【図2】有機EL素子が受ける照度をパラメータとした
電圧・電流特性を示した特性図である。
【図3】本発明をパッシブ駆動型表示パネルの駆動装置
に利用した形態を示す結線図である。
【図4】光センサの第1形態を示した結線図である。
【図5】光センサの第2形態を示した結線図である。
【図6】光センサの第3形態を示した結線図である。
【図7】光センサの第4形態を示した結線図である。
【図8】有機EL素子の諸特性を示した特性図である。
【符号の説明】
1 光センサ回路 2 演算制御回路 3 コントロール・ドライブ回路 4 DC−DCコンバータ 5 表示パネル 21 陽極線走査回路 21-1,21-2,…… 定電流源 22 陰極線走査回路 23 表示パネル 24,24a,24b 定電流源 25 PWM回路 26 昇圧回路 27 直流電源 A1 ,A2 … 陽極ドライブ線 B1 ,B2 … 陰極ドライブ線 E11,E12… 発光用有機EL素子 Ex 照度検出用有機EL素子 OP オペアンプ PD フォトダイオード S11,S12…… 陽極線スイッチ S21,S22…… 陰極線スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A Fターム(参考) 3K007 AB05 AB18 BA06 DA01 DB03 EB00 GA00 GA04 5C080 AA06 BB05 DD26 EE28 HH10 JJ02 JJ03 JJ05 KK07 5C094 AA07 AA22 AA31 AA43 AA56 BA27 CA19 DB01 DB04 DB10 EA04 EA10 EB02 FA01 FB01 GA10 HA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の有機EL素子を配列させて構成
    した表示パネルと、前記各EL素子に対して発光駆動電
    力を選択的に供給する駆動手段とが備えられた有機EL
    表示パネルの駆動装置であって、 前記駆動手段は、外来光の照度に応じて、前記有機EL
    表示パネルにおける有機EL素子の駆動電力を制御する
    ように構成したことを特徴とする有機EL表示パネルの
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 外来光の照度を検出する照度センサが具
    備され、前記照度センサからのセンサ出力に応じて、前
    記有機EL表示パネルにおける有機EL素子の駆動電力
    を制御するように構成した請求項1に記載の有機EL表
    示パネルの駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記照度センサは、前記EL表示パネル
    の発光面に到来する外来光の照度を検出するようになさ
    れた請求項2に記載の有機EL表示パネルの駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記照度センサとして、前記EL表示パ
    ネルに形成された有機膜を持つ素子が利用され、当該有
    機素子に所定の電流を加えた場合の順方向電圧を照度セ
    ンサの検出出力として利用するように構成された請求項
    2または請求項3に記載の有機EL表示パネルの駆動装
    置。
  5. 【請求項5】 前記照度センサの検出出力として、複数
    個の有機素子が直列接続され、直列接続された各有機素
    子の合成順方向電圧を利用するように構成された請求項
    4に記載の有機EL表示パネルの駆動装置。
  6. 【請求項6】 第1と第2の有機膜を持つ素子が具備さ
    れ、第1の有機素子には外来光が照射されるように構成
    し、第2の有機素子には外来光が照射されないように構
    成されると共に、前記第1と第2の有機素子の順方向電
    圧の差分を、前記照度センサの検出出力として利用する
    ように構成された請求項4に記載の有機EL表示パネル
    の駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の有機素子として、複数個の有
    機素子が直列接続され、前記第2の有機素子として、複
    数個の有機素子が直列接続されると共に、直列接続され
    た第1の各有機素子の合成順方向電圧と、直列接続され
    た第2の各有機素子の合成順方向電圧との差分を、前記
    照度センサの検出出力として利用するように構成された
    請求項6に記載の有機EL表示パネルの駆動装置。
  8. 【請求項8】 複数個の有機EL素子を配列させて構成
    した表示パネルと、前記各EL素子に対して発光駆動電
    力を選択的に供給する駆動手段とが備えられた有機EL
    表示パネルの駆動方法であって、 前記駆動手段は、照度センサが検出する外来光の明るさ
    の度合いが高い場合には、これが低い場合に比べて前記
    表示パネルにおける各有機EL素子の発光量を増加させ
    ると共に、外来光の明るさの度合いが低い場合には、こ
    れが高い場合に比べて前記表示パネルにおける各有機E
    L素子の発光量を低下させる制御がなされるようにした
    有機EL表示パネルの駆動方法。
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