JP4283168B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被堆積材上に薄膜を堆積させる成膜装置に関する。
真空容器内に設置した触媒体又は発熱体(以下、触媒体とする。)に材料ガスを接触させ、材料ガスを触媒体で分解・活性化し、堆積種を被堆積材へ堆積させて薄膜を形成する成膜では、触媒CVD(Cat−CVD)、又は、触媒体をワイヤー状で用いているためホットワイヤーCVD(HW−CVD)と呼ばれている。このような触媒CVDにおいては、通常、ガス供給部より材料ガスを真空容器内へ導入し、1800℃程度の高温とされた触媒体(タングステン)の表面を通過させて、被堆積材へ堆積を行うようにしている。シリコンデバイス等、許容温度が400℃程度の被堆積材で成膜を行う場合には、触媒体と被堆積材との距離を例えば約50mmとしている。
ところで、触媒CVD等を行う際には、材料ガスを分解・活性化するために触媒体を所定の高温に維持する必要があるので、その輻射熱により被堆積材が劣化することがある。これを避ける方法としては、被堆積材と触媒体との距離を離すことが挙げられる。輻射熱は、距離の4乗に反比例するからである。しかしながら、触媒体と被堆積材との距離を離すと、薄膜形成速度(堆積速度)が極端に低下するという別の問題が発生してしまう。
そこで、被堆積材が例えばフィルム等の可撓材である場合、特許文献1に記載されるように、内部に冷却器を備えるロールに被堆積材を巻きつけた状態とすることにより、被堆積材の温度上昇を抑える方法が考えられる。
特開2002−69644号公報
しかしながら、例えば耐熱温度が100℃前後である非耐熱性の被堆積材に成膜する場合、前述の冷却ロールを用いる場合であっても、触媒体と被堆積材との距離をある程度離す必要がある。その結果、堆積速度が低下して、生産効率が低下するという問題がある。
また、被堆積材が板状である場合には、被堆積材を冷却装置に押し付けること(クランプ)や、被堆積材を静電吸着させること等により、被堆積材の温度上昇を抑える試みがなされている。しかしながら、前述のクランプでは冷却効果が小さく、また、静電吸着に用いる装置は非常に高価であり、且つ大面積の成膜が困難であるといった問題がある。また、プラスチックレンズ等の例えばmmオーダーの曲面やmmオーダーの凹凸を有する被堆積材の冷却はさらに困難であるため、触媒体と被堆積材との距離を離さなければならず、堆積速度の低下が著しい。さらに、被堆積材上に選択的に成膜を行う目的で、被堆積材の堆積させたくない領域をマスクで覆って成膜を行う場合には、マスクの冷却が困難であるため、マスクが加熱され、その影響で被堆積材に損傷を与えるおそれがある。
以上のように、非耐熱材やマスクを取り付けた状態の被堆積材へ成膜する場合には、高価な冷却装置を用いるか、堆積速度が低い状態で成膜を行わなければならないため、生産コストが高くつくという問題がある。
そこで本発明は、被堆積材の温度上昇の抑制と高速な成膜とを両立することが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
前述の問題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、例えば材料ガスとしてモノシラン、アンモニア、水素等を用いて触媒CVD法により窒化シリコン膜を形成する場合、これら材料ガスを活性化するにあたって、大量の水素の活性ガス(水素ラジカル)が存在すれば、必ずしも材料ガスの全てを触媒体で活性化しなくてもよく、触媒体表面で生成した水素ラジカルとモノシランとの気相反応を利用してモノシランを活性化し、窒化シリコン膜の成膜が可能であるという知見を得た。
本発明は以上の知見に基づき完成されたものであり、本発明に係る成膜装置は、真空容器内に設置された被堆積材上に薄膜形成を行う成膜装置であって、材料ガスの一部を活性化する触媒体と、前記真空容器内に材料ガスを導入するガス供給手段と、真空容器内の前記触媒体の外側で材料ガスの流通を遮断する隔壁とを備え、前記ガス供給手段は、前記触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの全部を直接導入するとともに、前記隔壁により材料ガスの被堆積材表面以外の領域への拡散を抑制することを特徴とする。
また、本発明に係る成膜装置は、真空容器内に設置された被堆積材上に薄膜形成を行う成膜装置であって、材料ガスの一部を活性化する触媒体と、前記真空容器内に材料ガスを導入するガス供給手段と、真空容器内の前記触媒体の外側での材料ガスの流通を遮断する隔壁とを備え、前記ガス供給手段は、前記触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの全部を直接導入するものであって、上記ガス供給手段により材料ガスの一部を導入して触媒体により活性化し、この活性した材料ガスにより、上記ガス供給手段により導入する残りの材料ガスを活性化するとともに、前記隔壁により材料ガスの被堆積材表面以外の領域への拡散を抑制することを特徴とする。
さらに、本発明に係る成膜装置は、真空容器内に設置された被堆積材上に薄膜形成を行う成膜装置であって、触媒体と接触するように材料ガスの一部を導入する第1のガス供給手段と、前記触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの一部を直接導入する第2のガス供給手段と、真空容器内の前記触媒体の外側での材料ガスの流通を遮断する隔壁とを備え、前記第1のガス供給手段により導入した材料ガスの一部を触媒体により活性化するとともに、この活性化した材料ガスにより、触媒体と被堆積材との間の空間に前記第2のガス供給手段により導入した少なくとも材料ガスの一部を活性化して堆積種として、被堆積材上に薄膜を堆積させるとともに、前記隔壁により材料ガスの被堆積材表面以外の領域への拡散を抑制することを特徴とする。
従来の触媒CVD法においては、触媒体表面で材料ガスを効率よく接触分解することに主眼が置かれており、ガスシャワーヘッド等のガス供給部から被堆積材へ至るガス導入経路の途中に触媒体が配置された構造のCVD装置を用い、触媒体の表面に全て材料ガスを通過させ、触媒体により材料ガスを活性化し、生成した堆積種を被堆積材上に堆積させるようにしている。
これに対し、本発明においては、全ての材料ガスを触媒体により活性化するのではなく、触媒体により活性化した一部の材料ガスにより、残りの材料ガスの少なくとも一部を間接的に活性化し、これにより生成した堆積種を被堆積材上に堆積させる。例えば、材料ガスとしてシランガス、アンモニアガス、及び水素ガスを用いて窒化シリコン膜を堆積させる場合には、水素ガスを触媒体で活性化して水素ラジカルを生成させ、この水素ラジカルによりシランガスを活性化して堆積種であるSiH3*を生成させるようにする。従来は、触媒体表面における水素ガスの活性化がシランガスにより著しく阻害されるため高速な堆積が不可能であったが、本発明においては、水素ガスを触媒体に接触させて活性化する一方で、シランガスは触媒体に接触させずに水素ラジカルにより活性化することにより、水素ガスの活性化を阻害することなくシランガスの堆積種を生成させる。このように、触媒体、又は触媒体により活性化された材料ガスのうち、最適な活性化の手段を材料ガスごとに適宜選択することで、互いの活性化を阻害することなく堆積種が効率的に生成される。したがって、被堆積材の表面近傍での堆積種の濃度が上昇し、高速での堆積が実現される。
また、本発明に係る成膜装置では、第2のガス供給手段により、触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの少なくとも一部を直接導入するので、触媒体により活性化した一部の材料ガスにより、残りの材料ガスが活性化されて堆積種を生成し、被堆積材上に薄膜が形成される。このため、材料ガスが効率的に活性化され、被堆積材の表面近傍での堆積種の濃度が上昇する。したがって、高速での堆積が実現される。また、上記真空容器内の前記触媒体の外側での材料ガスの流通を遮断する隔壁を設けることにより、触媒体の外側から触媒体と被堆積材との間に導入したシランガス等が通過することを抑制し、効率的な気相反応が望める。また、被堆積材表面以外の領域への窒化シリコンの堆積を抑制し、被堆積材上への窒化シリコンの堆積速度を高めることができる。さらにクリーンニングを行う頻度を少なくできる。
また、本発明に係る成膜装置では、ガス供給手段により、触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの全部を直接導入するので、触媒体により活性化した一部の材料ガスにより、残りの材料ガスが活性化されて堆積種を生成し、被堆積材上に薄膜が形成される。このため、材料ガスが効率的に活性化され、被堆積材の表面近傍での堆積種の濃度が上昇する。したがって、高速での堆積が実現される。
本発明によれば、材料ガスの少なくとも一部を触媒体により活性化するとともに、この活性化した材料ガスにより残りの材料ガスを活性化することで、例えば触媒体と被堆積材との距離を離した場合であっても堆積速度の低下が抑制されるので、触媒体の輻射熱による被堆積材の温度上昇を抑制しつつ、高速な成膜を行うことができる。したがって、本発明によれば、高価な冷却装置を用いることなく低温成膜を実現し、且つ、生産効率を向上することが可能になる
また、本発明の成膜装置によれば、第2のガス供給手段により、触媒体と被堆積材との間の空間に少なくとも一部の材料ガスを直接導入するので、堆積速度の低下を抑制しつつ、触媒体と被堆積材との距離を離した状態であっても高速な成膜を行うことができる。したがって、本発明によれば、高価な冷却装置を用いることなく被堆積材の熱損傷を抑制し、且つ、高い生産効率にて薄膜を成膜することが可能な成膜装置を提供することができる。
また、本発明の成膜装置によれば、触媒体と被堆積材との間の空間に全部の材料ガスを直接導入するので、堆積速度の低下を抑制しつつ、触媒体と被堆積材との距離を離した状態であっても高速な成膜を行うことができる。したがって、本発明によれば、高価な冷却装置を用いることなく被堆積材の熱損傷を抑制し、且つ、高い生産効率にて薄膜を成膜することが可能な成膜装置を提供することができる。
以下、本発明を適用した成膜装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示す本発明を適用した成膜装置は、モノシラン(SiH4)、メチルシラン類、アミノシラン類、シラザン類等のシリコン含有ガス(以下、単にシランガスと称する。)、アンモニアガス(NH3)、水素ガス(H2)等を材料ガスとして用い、任意の被堆積材上に窒化シリコン(SiNx)膜を触媒CVD法により成膜する装置である。この成膜装置は、ドライポンプやターボ分子ポンプ等の真空ポンプ1により真空とされる真空容器2内に、板状の基板である被堆積材3を支持する基板ホルダ4と、基板ホルダ4の上方にジグザグ状に張り渡されたワイヤー状の触媒体5と、真空容器2の上部に配置され、触媒体5から見て基板ホルダ4と反対側の空間に材料ガスの一部を導入する第1ガス供給部6と、基板ホルダ4と触媒体5との間の空間に材料ガスの一部を直接導入する第2ガス供給部7とを有している。図1の真空容器2の被堆積材3の外周付近には、真空ポンプ1と接続され、真空容器2内のガスを排気するための排気口8が形成されている。
図1に示す成膜装置は、第2ガス供給部(第2のガス供給手段)7から水素ガス、シランガス及びアンモニアガスが放出され、第1ガス供給部(第1のガス供給手段)6から水素ガス及びアンモニアガスが放出される構造とされている。水素ガスはガスボンベ9aに貯蔵されており、バルブ10a、バルブ10b、ガス流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)11a、バルブ10cを介して、第2ガス供給部7に供給される。また、水素ガスは、ガスボンベ9aからバルブ10a、バルブ10d、マスフローコントローラ11b及びバルブ10eを介して第1ガス供給部6に供給される。シランガスはガスボンベ9bに貯蔵されており、バルブ10f、マスフローコントローラ11c、バルブ10gを介して第2ガス供給部7に供給される。アンモニアガスはガスボンベ9cに貯蔵されており、バルブ10h、バルブ10i、マスフローコントローラ11d、バルブ10jを介して、第2ガス供給部7に供給される。また、アンモニアガスは、ガスボンベ9cから、バルブ10h、バルブ10k、マスフローコントローラ11e及びバルブ10lを介して、第1ガス供給部6に供給される。
図2に示すように、触媒体5はワイヤー状であり、枠状の支持体12に支持具13(ワイヤー)を介してジグザグ状に、互いに略平行に張り渡されて支持される。支持体12の内側の面積は、被堆積材3の面積と同じ程度か、又は被堆積材3の面積よりやや大とされている。触媒体5は、ワイヤー状の他、ロッド状でもよい。触媒体5には、触媒体5に電気を供給して通電加熱するための電源供給装置14が接続される。
触媒体5は、タングステン、モリブデン、タンタル、白金、金、ニッケル、レニウム、鉄、クロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、パラジウム、イリジウム、マンガン、銅、ロジウム等の金属やそれらの合金、カーボン(グラファイト)等により形成される。窒化シリコン膜を形成する場合、触媒体5としてはタングステンが有力であるが、形成される材料によって適宜選択すればよい。
基板ホルダ4は、さまざまな種類の被堆積材3や、成膜条件に対応可能なことから、ヒータ4aや冷却水路4b等の温度制御機構を有することが好ましい。基板ホルダ4を温度制御機構で温度制御することで、触媒体5の輻射熱による基板ホルダ4の温度変動を抑え、安定した成膜が可能である。また、基板ホルダ4には、触媒体5の輻射熱を受けて被堆積材3の温度が上昇しすぎないように、被堆積材3から基板ホルダ4への熱移動を良好とするために、被堆積材3の外周を押さえる錘を載せる機構(図示せず)や、静電チャックと呼ばれる静電気力で被堆積材3と基板ホルダ4を密着させる機構(図示せず)が備わっていてもよい。
触媒体5と被堆積材3との間に配置される第2ガス供給部7は、環状の形状とされ、例えば矢印Aに示すように、被堆積材3の外周から内周に向けて材料ガスを放出するガス放出口7aを複数有する。ガス流量等の成膜条件によって材料ガスを導入する最適な位置が異なるので、第2ガス供給部7のガス放出口7aは位置調整可能であることが好ましい。図1に示す成膜装置においては、第2ガス供給部7から水素ガス、シランガス及びアンモニアガスが供給可能とされる。
触媒体5と被堆積材3との間に第2ガス供給部7からシランガスのみを導入し、水素ガス及びアンモニアガスを第1ガス供給部6から導入するようにしてもよいが、被堆積材3上に均一な薄膜を形成するためには、シランガスと任意のガスとを混合し、シランガスを希釈することが好ましい。シランガスは、例えば10倍以上希釈することが好ましい。シランガスの希釈率を調整するためには、触媒体5と被堆積材3との間に水素ガス等の希釈用のガスをシランガスとは別に直接導入する方法、予め水素ガス等の希釈用のガスでシランガスを希釈した後で、第2ガス供給部7から触媒体5と被堆積材3との間に直接導入する方法、水素ガスやヘリウムガス等の希釈用ガスで所定の濃度に希釈されているシランガスが充填されたガスボンベを用いて、希釈シランガスを第2ガス供給部7から触媒体5と被堆積材3との間に直接導入する方法等いずれでもかまわない。触媒体5と被堆積材3との間でシランガスを希釈しない場合、副反応等を生じ、不均一な膜が形成されるおそれがある。シランガスを希釈するためのガスとしては、アンモニアガスを例示できるが、アンモニアガスの必要量はシランガスに対して2〜5倍程度であるので、この場合はアンモニアガスとともに他のガスを用いる。また、希釈用のガスとして、H*の発生を阻害しないガスを用いることができ、水素ガスが最も有効である。ここで不活性ガスのアルゴンを用いることも考えられるが、詳細な原因は不明であるが、アルゴン中に微量含有される酸素や水等の影響かアルゴンそのものの影響によりH*ラジカルの発生が阻害されることが予想され、不完全膜が形成されるおそれがある。また、シランガス希釈用の不活性ガスとしては、ヘリウムガス及び窒素ガス等を挙げることができる。ヘリウムガスの場合は、水素ラジカルの発生の阻害の影響は少ないが、水素ガスと比較して高価である。窒素ガスの場合は、触媒体がタングステンであると、窒素ガスがタングステン表面に吸着し、水素ラジカルを発生させるための触媒体面積が減少するおそれがある。
第1ガス供給部6は、材料ガスを放出する開口部6aを多数有するガスシャワーヘッドであり、例えば矢印Bに示すように、触媒体5表面に向けて材料ガスを均一に供給する。図1に示す成膜装置においては、第1ガス供給部6から水素ガス及びアンモニアガスが供給可能とされる。
本発明による窒化シリコン膜の成膜においては、図1に示すように、反応促進性のある水素ガスの一部を、第1ガス供給部6から導入し、触媒体5の表面を通過させることが好ましい。触媒CVD法による窒化シリコン膜の成膜において、水素ガスを導入することで、水素ガスが触媒体5の表面で活性化して生成するH*により、シランガスの活性化を促進し、低温での高速成膜でも透明性やバリア性等に優れた窒化シリコン膜が形成される。
ところで、アンモニアガスの分解はシランガスにより著しく阻害されるため、従来の成膜では、シランガスに対してアンモニアガスを100倍程度の比率で導入したとしても、アンモニアガスは導入量のうち数%程度しか分解されない。逆に、従来法では、シランガスは触媒体表面で効率的に分解され、水素ガスラジカルH*を大量に生成する。本発明では、基本的に、触媒体表面でシランガスの接触分解を行わないため、NH3系のラジカルが従来に比べて大量に生成し、その結果、窒化シリコン膜の組成比が適正な値から外れるおそれがある。特に、基板温度を上昇させず低温で成膜する場合、低屈折率(N=1.6〜1.7)であり、N含有量の多い、特性の不十分な窒化シリコン膜が形成されるおそれがある。したがって、アンモニアガスの導入量を従来の成膜より減らすとともに、触媒体5の表面には、少なくとも水素ガスを導入することが好ましい。水素ガスの代わりにCl2やHCl等を使用することも考えられるが、触媒体5がタングステンである場合、これらのガスは触媒体5を劣化させるおそれがある。
排気口8は、触媒体5から見て被堆積材3側に配置される。排気口8は、被堆積材3の表面におけるガスの流れを均等とするように排気できる形状であることが好ましい。これにより、均一な膜厚の膜を形成できる。被堆積材3に対して排気口の位置が偏っている場合、排気口8側の方が膜厚の厚くなる不均一な膜が形成されるおそれがある。排気口8からの吸引を均等に行うためには、真空容器2に整流板等を取り付けることや、被堆積材3と排気口8との距離を離すこと等があげられる。排気口8と真空ポンプ1との間の配管は、真空ポンプ1と結合しやすいように曲げられた形状であってもよい。
被堆積材3は、シリコン、ガリウム砒素等の半導体基板、ガラス、石英、サファイア等の透明基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリル(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、環状ポリオレフィン(APO)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)、可撓ガラス等の可撓性材料、塩化カリウム(KCl)、臭化カリウム(KBr)等の耐湿性のない無機材料等、任意のものを用いることができる。また、その形状は、板状、レンズ状、エンボス状等、任意の形状とすることができ、電子デバイスや有機ELデバイス等が被堆積材に搭載されていても良い。さらには、前記各材料等の多層構造材、前記材料に密着剤や平坦化処理剤等をコーティングしたもの、プラズマ処理したものであってもよい。
前記構成の成膜装置を用いて窒化シリコン膜を成膜する際には、先ず、基板ホルダ4に被堆積材3を設置し、真空ポンプ1を作動させて真空容器2内部を所定圧力に減圧する。次に、真空容器2内に第1ガス供給部6から矢印B方向にアンモニアガスや水素ガス、又は不活性ガス等を導入し、その雰囲気中で触媒体5を通電加熱する。それから、触媒体5と被堆積材3との間の空間に第2ガス供給部7からシランガス等を導入し、また、排気口8から排気することで、被堆積材3上に窒化シリコン膜が成膜される。
なお、触媒体5がタングステンである場合には、触媒体5を約1800℃程度に通電加熱してから、シランガス等の残りの材料ガスを導入し、成膜を行うことが好ましい。触媒体5が充分に加熱される前にシランガスを真空容器2内に導入すると、触媒体5が被毒するおそれがあるからである。
以下、前記構成の成膜装置を用い、シランガス、アンモニアガス及び水素ガスを材料ガスとして触媒CVD法により窒化シリコン膜を成膜する際の原理について、従来の触媒CVD法による窒化シリコン膜の成膜と比較しながら詳細に説明する。
例えば従来の触媒CVD装置、すなわち真空容器内に被堆積材を支持する基板ホルダーと被堆積材と所定間隔を有して配された触媒体と触媒体から見て被堆積材と反対側に配置されたガス放出器(ガスシャワーヘッド)とを有するCVD装置を用いて、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)等を材料ガスとして窒化シリコン膜を成膜する場合、例えば特開2000−277501号公報に記載されるように、ガスシャワーヘッドから飛来した材料ガスの触媒体(タングステン)表面における主な反応は、SiH4→SiH3*+H*、NH3→NH2*+H*で表される。なお、式中、*はラジカルの状態を表す。そして、これらの生成した分解活性種が被堆積材の表面に到達し、窒化シリコン膜を形成する。反応式で表すと、aSiH3*+bNH2*→cSiNxとなる。
また、触媒CVD法による窒化シリコン膜の成膜において、シランガス及びアンモニアガスとともに、水素ガスを導入する方法も考えられる。すなわち、シランガス(SiH4)、アンモニアガス及び水素ガスを材料ガスとし、単純に材料ガスの全てを触媒体の表面で活性化して堆積種を生成し、窒化シリコン膜を堆積させる場合、触媒体により、SiH4→Si*+4H*、SiH4+H*→SiH3*+H2であり、SiH3*が主要な堆積種であると考えられている。また、アンモニアガスの主な反応は、NH3→NH2*+H*であり、NH2*が主要な堆積種であると考えられている。水素ガスの主な反応は、H2→2H*であり、H*は、主に気相反応、被堆積材の表面反応を補助するために使われると考えられる。そして、触媒体により生成した堆積種が被堆積材の表面に到達し、水素ガスラジカルの補助により、窒化シリコン膜を形成する。反応式で表すと、aSiH3*+bNH2*→cSiNxとなる。
ところで、触媒体での分解効率はガスの種類に応じて異なる。例えば窒化シリコン膜の成膜に用いられる材料ガスの分解のし難さ(触媒体タングステン表面での滞在時間)は、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、水素ガス(H2)の順である。このため、SiH4が大量に存在すると、触媒体表面におけるNH3やH2の接触分解が阻害される。なお、低温で窒化シリコン膜を成膜するには、H*が大量に必要となるため、NH3の存在量も少量であることが好ましい。
本発明者らは、従来の触媒CVD法によりシランガス、アンモニアガス、水素ガス等の材料ガスから窒化シリコン膜を成膜する場合、SiH4→Si+4H*、SiH4+SiH3*+H2の反応において、(1)基本的にH*が大量に存在する場合にはSiH4を触媒体で接触分解する必要がない点、(2)SiH4が触媒体の表面を通過するとSiH4の一部がSiへ変化し、気相反応により非堆積種に変化したり、真空容器の内壁等に付着して、材料ガス効率が低下する点、(3)SiH4が触媒体上でH*の発生を阻害している点、(4)装置上の制約により触媒体と基板との距離が長くなるため、触媒体表面で生成した堆積種が被堆積材表面に到達する前に真空容器内壁等に付着して膜を形成し、材料の利用効率が低下する点に着目した。
本発明は、以上の点を考慮して完成されたものである。例えば、はじめに真空容器2に水素ガスや少量のアンモニアガスを導入し、触媒体5の表面で水素ガス、又は水素ガス及びアンモニアガスを活性化してH*及びNH2*を発生させた状態で、触媒体5と被堆積材3との間にSiH4を導入した場合、触媒体5表面で生成したH*により、被堆積材3近傍でSiH4+H*→SiH3*+H2の反応が起こる。このため、被堆積材3の表面近傍でSiH3*、NH2*及びH*の濃度が高くなり、材料ガス効率を低下させずに、高速で堆積することが可能である。
また、シランガスは、触媒体に接触せず、被堆積材3上に堆積して消費されたり、未反応のシランガスは、触媒体5から見て被堆積材3側に位置する排気口8へ吸引され、排気されるので、触媒体5に接近するシランガスは従来に比べて激減する。その結果、シランガスに起因する触媒体5表面でのアンモニアガス及び水素ガスの分解や活性化の阻害作用が軽減され、H*の生成量が増加するので、高濃度のH*の存在下で多くのシランガスを活性化できる。したがって、透明性やバリア性等に優れた良質な窒化シリコン膜を、高速で成膜することができる。
このとき、H*の濃度にもよるが、気相反応や基板表面反応を効率よく起こすためには、成膜圧力を10Pa以上とすることが好ましく、30Pa〜130Paとすることが好ましい。
また、本発明を適用した成膜装置は、図3及び図4に示すように、長尺状のプラスチックフィルム等の被堆積材に連続的に成膜を行う構造でもよい。この成膜装置において、フィルム状の被堆積材21は供給ロール22から供給され、成膜後に、巻取ロール23に巻き取られる。真空容器2の中間位置には、走行する被堆積材21の成膜領域を制限する遮蔽板24が設けられている。
触媒体5と被堆積材3との間に配置される第2ガス供給部7は、被堆積材3の直上に材料ガスを均一に直接導入するように、被堆積材21の走行方向に直交する複数の配管7bと、配管7bに所定間隔を有して設けられた複数の放出口7cとにより構成される。第2ガス供給部7は、例えば矢印Cに示すように、放出口7bから被堆積材3に向けて斜めに材料ガスを放出する。
図3に示す成膜装置は、図1に示す成膜装置と同様に、第2ガス供給部7から水素ガス、シランガス及びアンモニアガスが放出され、第1ガス供給部6から水素ガス及びアンモニアガスが放出される構造とされている。水素ガスはガスボンベ9aに貯蔵されており、バルブ10a、バルブ10b、ガス流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)11a、バルブ10cを介して、第2ガス供給部7に供給される。また、水素ガスは、ガスボンベ9aからバルブ10a、バルブ10d、マスフローコントローラ11b及びバルブ10eを介して第1ガス供給部6に供給される。シランガスはガスボンベ9bに貯蔵されており、バルブ10f、マスフローコントローラ11c、バルブ10gを介して第2ガス供給部7に供給される。アンモニアガスはガスボンベ9cに貯蔵されており、バルブ10h、バルブ10i、マスフローコントローラ11d、バルブ10jを介して、第2ガス供給部7に供給される。また、アンモニアガスは、ガスボンベ9cから、バルブ10h、バルブ10k、マスフローコントローラ11e及びバルブ10lを介して、第1ガス供給部6に供給される。
ところで、シランガス、アンモニアガス及び水素ガスを材料ガスとする場合、アンモニアガス及び水素ガスを触媒体5で活性化しても膜は形成されないが、シランガスは触媒体5で活性化されると、単独で膜を形成することが可能である。また、触媒体5と被堆積材3との間に材料ガスを導入しても、わずかではあるが、触媒体5と被堆積材3との間に導入した材料ガスが支持体12の外周と真空容器2との隙間を通過して拡散することにより、排気口8と反対側にも到達する。このため、触媒体5から見て排気口8と反対側の真空容器2の内壁、第1ガス供給部6、支持具13等の表面に窒化シリコン膜が形成され、材料ガスの利用効率が低下するおそれがある。
そこで、本発明を適用した成膜装置においては、図5に示すように、ワイヤー状の触媒体5を支持する枠状の支持体12の外側と真空容器2の内壁との間に、材料ガスの流通を遮断する隔壁31が設けられていることが好ましい。隔壁31を設けることにより、支持体12と真空容器2との隙間から触媒体5と被堆積材3との間に導入したシランガス等が通過することを抑制し、効率的な気相反応が望める。また、被堆積材3表面以外の領域への窒化シリコンの堆積を抑制し、被堆積材3上への窒化シリコンの堆積速度を高めることができる。また、被堆積材3表面以外の領域、特に真空容器2の内壁、真空容器2の内壁に設置される防着板及び真空容器2の上部に設置される第1ガス供給部6に、窒化シリコン膜が大量に形成されると、この窒化シリコン膜が剥離して、被堆積材3上の窒化シリコン膜に欠陥を引き起こすおそれがある。このため、真空容器2の内部を定期的にNF3等のガスを用いてクリーニングする必要があるが、隔壁31を設置することにより、被堆積材3表面以外の領域への窒化シリコンの堆積を抑制できるので、NF3等のクリーニングガス等を用いるクリーニングの頻度を減少できる。
隔壁31は、高温に加熱される触媒体5の近傍に配されるため、冷却機構を備えることが好ましいが、薄い板状でもかまわない。また、隔壁31は、図6に示すように、真空容器2の上部の内壁と支持体12の外周との間に設けられ、第1ガス供給部6の周囲を取り囲む形状であってもよい。
図7及び図8に、触媒体と接触するように材料ガスの一部を導入する第1ガス供給部6の変形例を示す。図7及び図8に示す第1ガス供給部6は、ワイヤー状の触媒体5を支持する支持体12の内周部であって、支持体12の対向する2辺に配置されている。それとともに、第1ガス供給部6は、触媒体5が貫通する貫通孔6bを複数有し、互いに略平行に張り渡された触媒体5の長さ方向の途中で触媒体5と交差して配置される。この貫通孔6bから、例えば矢印D方向に示すように、触媒体5の長手方向両端から中央に向けて触媒体5に沿うように材料ガスが導入される。この第1ガス供給部6から導入する材料ガスは、触媒体5での活性化を阻害されやすいガスであることが好ましく、例えば水素ガス、アンモニアガス等、特に水素ガスであることが好ましい。材料ガスとしてシランガス、アンモニアガス及び水素ガスを用いる場合、触媒体5の表面において、水素ガスの活性化はシランガス及びアンモニアガスによって阻害され、また、アンモニアガスの活性化はシランガスによって阻害される。このため、触媒体5に沿って前述のような活性化を阻害されやすいガスを適宜流すことで、ガスを効率よく活性化できる。
また、支持体12に張り渡す触媒体5の長さが長い場合、図9に示すように、第1のガス供給手段として、触媒体5の全体への材料ガスの接触を補助するための補助ガス供給路41を用いてもよい。この補助ガス供給路41は、触媒体5が貫通する貫通孔41aを複数有し、互いに略平行に張り渡された触媒体5の長さ方向の途中で触媒体5と交差して配置される。この貫通孔41aは、例えば矢印E方向に示すように、触媒体5に沿って材料ガスを放出する機能を兼ね備えるものである。このような構造の補助ガス供給路41を用いることで、触媒体5の長さ方向の途中から触媒体5に沿って材料ガスの一部を放出できるので、触媒体5の全体に満遍なく材料ガスを接触させ、材料ガスを効率的に活性化できる。また、触媒体5と被堆積材3との間にシランガス等を導入することで触媒体5と被堆積材3との距離を長くできるので、この補助ガス供給路41を用いて触媒体5で活性化されたガスは気相で均一に拡散し、補助ガス供給路41の陰になる部分も均一に成膜できる。
また、図9に示す補助ガス供給路41のガス放出面に、支持体12の外周と真空容器2の内壁との間での材料ガスの流通を遮断する隔壁を設けることが好ましい。なお、図9においては、隔壁の図示を省略してある。隔壁を設けることで、触媒体5と被堆積材3との間に導入したシランガス等が被堆積材3と反対側へ拡散することを抑制し、効率的な気相反応が望める。また、被堆積材3表面以外の領域への窒化シリコンの堆積を抑制し、被堆積材3上への窒化シリコンの堆積速度を高めることができる。
また、本発明の成膜装置は、図10に示すように、触媒体5と被堆積材3との間の空間に材料ガスを導入する第2ガス供給部7の本体7dが真空容器2の上部に設置され、触媒体5に接触するように材料ガスを導入する第1ガス供給部6が第2ガス供給部7の本体7dと触媒体5との間に配置された構成でもよい。図10における第2ガス供給部7は、真空容器2の上部に設置されている本体7dと、本体7dから下方に延びる配管7eと、触媒体5と被堆積材3との間であって被堆積材3の直上に開口するガス放出口7fとにより構成され、ガス放出口7fから矢印Gに示すように、材料ガスを触媒体5と被堆積材3との間であって被堆積材3の直上に直接導入する。また、図10における第1ガス供給部6は、環状の形状とされ、矢印Fに示すように、被堆積材3の外周から内周に向けて材料ガスを放出するガス放出口を複数有する。なお、第1ガス供給部6は、前述の図8又は図9に示す構成であってもよい。さらに、隔壁31を備えていてもよい。配管7eは、第1ガス供給部6の内周を通過する。
図10に示す成膜装置は、第2ガス供給部7から水素ガス、シランガス及びアンモニアガスが放出され、第1ガス供給部6から水素ガス及びアンモニアガスが放出される構造とされている。水素ガスはガスボンベ9aに貯蔵されており、バルブ10m、バルブ10n、マスフローコントローラ11f、バルブ10oを介して、第2ガス供給部7に供給される。また、水素ガスは、ガスボンベ9aからバルブ10m、バルブ10p、マスフローコントローラ11g及びバルブ10qを介して第1ガス供給部6に供給される。シランガスはガスボンベ9bに貯蔵されており、バルブ10r、マスフローコントローラ11h、バルブ10sを介して第2ガス供給部7に供給される。アンモニアガスはガスボンベ9cに貯蔵されており、バルブ10t、バルブ10u、マスフローコントローラ11i、バルブ10vを介して、第2ガス供給部7に供給される。また、アンモニアガスは、ガスボンベ9cからバルブ10t、バルブ10w、マスフローコントローラ11j、バルブ10xを介して第1ガス供給部6に供給される。
次に、本発明のさらに変形例について説明する。前述の図1〜図10においては、ガス供給手段として第1ガス供給部(第1のガス供給手段)6及び第2ガス供給部(第2のガス供給手段)7を有し、触媒体5と被堆積材3との間の空間に第2ガス供給部7から材料ガスの少なくとも一部を導入し、残りのガスを第1ガス供給部6から導入する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、触媒体5と被堆積材3との間の空間に水素ガス、シランガス、アンモニアガス等の材料ガスの全部を導入することにより、例えば窒化シリコン膜等の所望の膜の成膜を行なってもよい。この場合も、前述と同様の効果が得られる。このような成膜では、前述の成膜装置において第1ガス供給部6を持たず、第2ガス供給部7のみを有する成膜装置を用いるか、又は、第1ガス供給部6及び第2ガス供給部7の両方を有する成膜装置を用いるが、第1ガス供給部6へのガス供給を止めて第2ガス供給部7のみを使用することにより実現される。
なお、前述の説明では、水素ガス、シランガス及びアンモニアガスを材料ガスとして用いて窒化シリコン膜を成膜する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、水素ガスを用いることなく、シランガス及びアンモニアガスを用いて窒化シリコン膜を成膜する場合にも有効である。水素ガスを用いない場合、例えば前述の図1〜図10に示す成膜装置を用いるとともにバルブの開閉を適宜調整して水素ガスの供給を止めることによって、窒化シリコン膜を成膜できる。
また、本発明は、窒化シリコン膜を成膜する場合に限定されず、例えばその他の無機材料からなる膜や、高分子膜を成膜する場合にも適用可能である。このとき、薄膜の種類に応じて、触媒体の材料や材料ガス等が適宜選択されるが、堆積種を活性化するために必要な材料ガスがあれば触媒体表面を通過させて活性化し、その他のガスは触媒体と被堆積材との間に導入すればよいことは、他の種類の薄膜を形成する場合も同様である。
さらに、本発明の成膜装置は、図1〜図11に示す構成を適宜組み合わせることが可能であることは言うまでもない。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
成膜装置として、図1に示す構造の装置を用い、被堆積材としてシリコン基板を用いて、触媒CVD法により窒化シリコン膜を成膜した。また、水素ガス、アンモニアガス及びモノシランを材料ガスとして用いた。触媒体はタングステンにより形成されている。触媒体と基板との距離は200mmとした。
先ず、真空容器の被堆積材支持部材(基板ホルダー)に基板を設置し、真空ポンプにより真空容器の内部を減圧した。次に、第1のガス供給部6から水素を流量100sccmにて導入し、所定の圧力とした。そこで、触媒体に電流を流し、触媒体の温度を1800℃とした。基板ホルダーの温度は20℃とした。そして、第2のガス供給部7から、触媒体と基板との間にモノシランを流量10sccm、アンモニアを流量20sccm、水素を300sccmにて導入することにより、基板上に窒化シリコン膜を成膜した。真空容器内の成膜圧力は30Paとした。
以上の条件での堆積速度をエリプソメトリによる膜厚計測から求めたところ、50nm/分であった。この堆積速度は、触媒体と基板との距離を50mmとしたときに相当する堆積速度であった。このとき、前記の条件で成膜したときの基板の温度を、基板に貼り付けたシール式温度計により測定した。その結果、基板の温度は75℃であった。なお、基板の温度を熱電対とシール式温度計によりそれぞれ測定したところ、結果がほぼ同じであることが確認されたため、以下の実施例及び比較例においては、基板温度が180℃以下である場合はシール式温度計により、基板温度が180℃を超える場合は熱電対により基板温度を測定した。
(実施例2)
成膜装置として、図1に示す構造の装置を用いたが、第1のガス供給部6からガスを出さないで成膜を行った。被堆積材としてシリコン基板を用いて、触媒CVD法により窒化シリコン膜を成膜した。また、水素ガス、アンモニアガス及びモノシランを材料ガスとして用いた。触媒体はタングステンにより形成されている。触媒体と基板との距離は200mmとした。
先ず、真空容器の被堆積材支持部材(基板ホルダー)に基板を設置し、真空ポンプにより真空容器の内部を減圧した。次に、第2のガス供給部7から水素を流量400sccmにて導入し、所定の圧力とした。そこで、触媒体に電流を流し、触媒体の温度を1800℃とした。基板ホルダーの温度は20℃とした。そして、第2のガス供給部7から、触媒体と基板との間にモノシランを流量10sccm、アンモニアを流量20sccm、水素を400sccmにて導入することにより、基板上に窒化シリコン膜を成膜した。真空容器内の成膜圧力は30Paとした。
以上の条件での堆積速度をエリプソメトリによる膜厚計測から求めたところ、52nm/分であった。この堆積速度は、触媒体と基板との距離を50mmとしたときに相当する堆積速度であった。この時、前記の条件で成膜したときの基板の温度をシール式温度計や熱電対により測定した。その結果、基板温度は75℃であった。
実施例1と実施例2を比較すると、実施例1のほうが16BHF(バッファードフッ酸)におけるエッチングレートが小さく、より緻密な窒化シリコン膜であった。
以上のことから、触媒体と基板との間に材料ガスの一部又は全部を導入することで、触媒CVD法で成膜を行うにあたって、基板の温度上昇の抑制と高速な成膜とを両立できることがわかる。また、本実施例では、基板を一定温度の基板ホルダーに置くだけという簡便な設置方法で済み、高価な冷却装置は不要であった。
なお、実施例2のように、触媒体5と被堆積材3との間の空間に材料ガスの全部を導入する際には、例えば図11に示すように、第1のガス供給部6を持たず、ガス供給手段として触媒体5と被堆積材3との間の空間に材料ガスを導入する第2のガス供給部7のみを有する成膜装置を用いることもできる。
(比較例1)
従来の触媒CVD装置、すなわち、第2のガス供給部7を備えず、触媒体から見て基板と反対側にシャワーヘッド状の第1のガス供給部6を備えること以外は、実施例1で用いた成膜装置とほぼ同じ構成の装置を用いた。また、被堆積材としてシリコン基板を用いて、触媒CVD法により窒化シリコン膜を成膜した。水素ガス、アンモニアガス及びモノシランを材料ガスとして用いた。触媒体はタングステンにより形成されている。触媒体と基板との距離は200mmとした。
先ず、真空容器の基板ホルダーに基板を設置し、真空ポンプにより真空容器の内部を減圧した。次に、ガス供給部から、水素ガスを400sccm導入し、所定の圧力とし、触媒体の温度を1800℃とした。そして、モノシランを流量10sccm、アンモニアガスを流量20sccm、水素ガスを流量400sccmで、真空容器に導入することにより、基板上に窒化シリコン膜を成膜した。真空容器内の成膜圧力は10Paとした。
以上の条件での堆積速度をエリプソメトリで膜厚を計測し求めたところ、15nm/分であった。また、基板ホルダー温度を20℃で一定として、前記の条件で成膜したときの基板の温度をシール温度計や熱電対で計測したところ、基板温度は90℃であった。
(比較例2)
真空容器内の成膜圧力を30Paとしたこと以外は、比較例1と同様にして成膜を行った。この条件での堆積速度をエリプソメトリにより膜厚を求め計算したところ、7nm/分であり、比較例1より悪化していた。また、基板ホルダー温度を20℃で一定として、前記の条件で成膜したときの基板の温度は、75℃であった。
以上の比較例1及び比較例2の結果から、全ての材料ガスを触媒体から見て基板と反対側から導入するという従来の成膜では、実用的な堆積速度を得られないことがわかる。また、この触媒体を用いた場合、成膜圧力を10Pa付近としたときに、最高堆積速度を得られることがわかる。
(比較例3)
触媒体と基板との距離を50mmとしたこと以外は、比較例1と同様にして成膜を行った。この条件での堆積速度を求めたところ、成膜圧力10Paで50nm/分であり、実施例1と同等の堆積速度である。また、基板ホルダーの温度を20℃で一定とし、前記の条件で成膜したときの基板の温度を熱電対により測定した。その結果、基板温度は240℃であった。
以上の比較例1と比較例3の結果から、触媒体と基板との距離を近づけることで、堆積速度の向上が可能であるが、基板が加熱されることがわかり、従来の成膜では堆積速度と低温成膜との両立が困難であることがわかる。
(実施例3)
実施例3では、材料ガスとしてモノシラン及びアンモニアガスを用い、水素ガスを使用しなかったこと、並びに、成膜装置として図1に示すような装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして窒化シリコン膜を成膜した。なお、実施例3での材料ガスの流量は、第1のガス供給部6よりアンモニア流量100sccm、及び第2のガス供給部7から、モノシラン10sccm、アンモニアガス300sccmとした。
以上の条件での堆積速度を求めたところ、成膜圧力30Paで65nm/分であった。また、基板ホルダー温度を20℃で一定とし、前記の条件で成膜したときの基板の温度は、75℃であった。
以上の実施例3から、触媒体と基板との間に材料ガスの一部を導入することで、触媒CVD法で成膜を行うにあたって、基板の温度上昇の抑制と高速な成膜との両方を実現できることがわかる。
ただし、材料ガスとして水素ガスを用いない本実施例では、窒化シリコン(SiNx)膜が形成されるものの、成膜直後の膜をエリプソメトリにより測定したところ、測定不能であったか、又は屈折率1.1〜1.5程度であった。エリプソメトリで測定不能であることは、膜が粉状であることを示し、また、屈折率1.1〜1.5程度の膜は低密度であり、バリア性に劣るものである。すなわち、実施例3では、粉状であり、バリア性に劣る窒化シリコン膜が成膜された。また、窒化シリコン膜はすぐに酸化されて、最終的に屈折率1.45程度のSiOx膜に変化した。したがって、実施例1と実施例3との比較から、本発明の成膜装置では、材料ガスとしてモノシラン及びアンモニアガスとともに水素ガスを導入することが好ましいことがわかった。
(実施例4)
実施例4では、図5に示すような隔壁を有する成膜装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして成膜を行った。この条件での堆積速度をエリプソメトリにより膜厚を求め計算したところ、55nm/分であり、実施例1に比べて若干増加していた。また、基板ホルダー温度を20℃で一定として、前記の条件で成膜したときの基板の温度は、75℃であった。さらに、真空容器の内壁を観察したところ、触媒体よりガスの流れについて上流側の内壁には、窒化シリコン膜はほとんど堆積していなかった。
以上の実施例1と実施例4との比較から、触媒体を支持するフレームと真空容器内壁との間にガス流通を遮断する隔壁を設けることで、窒化シリコン膜の成膜速度を高められることがわかった。
(実施例5)
実施例5では、図7及び図8に示すような触媒体の支持体を有する成膜装置を用い、触媒体の長手方向両端から中央に向けて触媒体に沿うように水素ガスを流しながら成膜を行った。ただし、図7に示すような隔壁は用いなかった。それ以外の条件は、実施例1と同様である。この条件での堆積速度をエリプソメトリにより膜厚を求め計算したところ、48nm/分であった。成膜された窒化シリコン膜は、実施例1の窒化シリコン膜に比べてエッチングレートが小さく、緻密な膜であった。
(実施例6)
実施例6では、隔壁を真空容器内に取り付けた成膜装置を用いたこと以外は、実施例5と同様に成膜を行った。この条件での堆積速度をエリプソメトリにより膜厚を求め計算したところ、53nm/分であり、実施例5に比べて堆積速度の向上が見られた。また、成膜された窒化シリコン膜は、実施例5の窒化シリコン膜と同様に、実施例1の窒化シリコン膜に比べてエッチングレートが小さく、緻密な膜であった。
以上の実施例5及び実施例6から、触媒体に沿って材料ガスの一部を流すことで、実施例1に比べてより良質な窒化シリコン膜を得られることがわかった。
本発明の成膜装置の一例を示す模式図である。 図1中、触媒体等を示す概略平面図である。 本発明の成膜装置の他の例を示す模式図である。 図3中、第2ガス供給部等を示す概略平面図である。 本発明の成膜装置のさらに他の例であり、真空容器を抜き出して示す模式図である。 本発明の成膜装置のさらに他の例であり、真空容器を抜き出して示す模式図である。 本発明の成膜装置のさらに他の例を示す模式図である。 図7中、触媒体を支持する支持体等を示す概略平面図である。 補助ガス供給路等を示す平面図である。 本発明の成膜装置のさらに他の例を示す模式図である。 本発明の成膜装置のさらに他の例であり、触媒体と被堆積材との間に全部の材料ガスを導入する構成とされた成膜装置を示す模式図である。
符号の説明
1 真空ポンプ、2 真空容器、3 被堆積材、4 基板ホルダ、5 触媒体、6 第1ガス供給部(第1のガス供給手段)、7 第2ガス供給部(第2のガス供給手段)、8 排気口、9 ガスボンベ、10 マスフローコントローラ、11 バルブ、12 支持体、13 支持具、14 電源供給装置、21 被堆積材、22 供給ロール、23 巻取ロール、24 遮蔽板、31 隔壁、41 補助ガス供給路

Claims (5)

  1. 真空容器内に設置された被堆積材上に薄膜形成を行う成膜装置であって、
    材料ガスの一部を活性化する触媒体と、前記真空容器内に材料ガスを導入するガス供給手段と、真空容器内の前記触媒体の外側で材料ガスの流通を遮断する隔壁とを備え、
    前記ガス供給手段は、前記触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの全部を直接導入するとともに、前記隔壁により材料ガスの被堆積材表面以外の領域への拡散を抑制することを特徴とする成膜装置。
  2. 真空容器内に設置された被堆積材上に薄膜形成を行う成膜装置であって、
    材料ガスの一部を活性化する触媒体と、前記真空容器内に材料ガスを導入するガス供給手段と、真空容器内の前記触媒体の外側での材料ガスの流通を遮断する隔壁とを備え、
    前記ガス供給手段は、前記触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの全部を直接導入するものであって、上記ガス供給手段により材料ガスの一部を導入して触媒体により活性化し、この活性した材料ガスにより、上記ガス供給手段により導入する残りの材料ガスを活性化するとともに、前記隔壁により材料ガスの被堆積材表面以外の領域への拡散を抑制することを特徴とする成膜装置。
  3. 真空容器内に設置された被堆積材上に薄膜形成を行う成膜装置であって、
    触媒体と接触するように材料ガスの一部を導入する第1のガス供給手段と、前記触媒体と被堆積材との間の空間に材料ガスの一部を直接導入する第2のガス供給手段と、真空容器内の前記触媒体の外側での材料ガスの流通を遮断する隔壁とを備え、
    前記第1のガス供給手段により導入した材料ガスの一部を触媒体により活性化するとともに、この活性化した材料ガスにより、触媒体と被堆積材との間の空間に前記第2のガス供給手段により導入した少なくとも材料ガスの一部を活性化して堆積種として、被堆積材上に薄膜を堆積させるとともに、前記隔壁により材料ガスの被堆積材表面以外の領域への拡散を抑制することを特徴とする成膜装置。
  4. 前記第2のガス供給手段は、触媒体の間を通過して被堆積材に延びる複数の配管から被堆積材表面に略垂直に導入されることを特徴とする請求項3記載の成膜装置。
  5. 前記第1のガス供給手段は、水素ガスとアンモニアガスを真空装置内に供給する前に予め混合して導入するものであり、
    前記第2のガス供給手段は、水素ガスとシランガスを真空装置内に供給する前に予め混合して導入するものであり、
    水素ガスとアンモニアガスとを触媒体により活性化するとともに、この活性化した材料ガスにより、触媒体と被堆積材との間の空間に導入するシランガスであって予め水素ガスにより少なくとも10倍以上に希釈したシランガスを活性化して、被堆積材上に窒化シリコン膜を堆積させることを特徴とする請求項3記載の成膜装置。
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