JP2008231571A - 薄膜、及びその薄膜製造方法 - Google Patents
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Abstract
透明性、ガスバリア性の優れたガスバリア性のある薄膜を触媒CVDなどの方法において、効率よく製造する方法、及びその方法によって得られる薄膜を提
供することを目的とする。
【解決手段】
複数の種類の原料ガスを減圧下において反応させ、その反応物からなる薄膜を減圧系に配置されたフィルム上に形成する薄膜製造方法において、第1の原料ガス導入口から窒素含有ガス、及び水素が系内に保持された加熱金属の近傍に供給されること、及び当該減圧系に第2の原料ガス導入口からシラン系ガスが導入されること等を特徴とする薄膜製造方法、及びその製造方法から得られる薄膜。
【選択図】図1
Description
(特許文献1、2等)
一方、ポリオレフィン樹脂等からなる基材表面に薄膜、とりわけ、透明性、あるいはガスバリア性等の機能性を有した薄膜を形成するためには、上記触媒CVD等による薄膜製造方法等を採らざるを得なかった。
また、基材は、形成される薄膜との接着性を改良するために、その表面を、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理、脱脂処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。アンダーコートをする場合は、エポキシ系、ウレタン系などのアンダーコート剤が塗布される。
第1室に排気口があると第2の原料ガス導入口から導入されるガスが隔壁板の連通部を通して第1室に流入し加熱された金属体に接することで必要とされる化学種とは異なる分解種が生成したり、酸素ガスによって前記加熱された金属体の汚損が促進されるなどの問題が生じてしまうからである。
、フィルム8a上に薄膜状に堆積する。これにより、フィルム8a上にはSiNからなる薄膜が連続的に形成され、巻取ロール11に巻き取られる。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求めた。
<評価方法>
(1)水蒸気透過度[g/(m2・day)]:
厚さ50ミクロン(μm)の線状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製 商品名:T.U.X. FCS)の片面に、ウレタン系接着剤(ポリウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケラックA310):12重量部、イソシアネート系硬化剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケネートA3):1重量部及び酢酸エチル(関東化学社製):7重量部)を塗布・乾燥後、得られたガスバリア性フィルムの金属薄膜面を貼り合わせ(ドライラミネート)、多層フィルムを得た。
その多層フィルムを2枚重ね合わせ、3方をヒートシールして(線状低密度ポリエチレンフィルム面)袋状にした後、内容物として塩化カルシウムを入れ、もう1方をヒートシールにより、表面積が0.005m2になるように袋を作成し、これを温度40℃、湿度90%RHの条件で14日間調湿し、その後7日間調湿前後の袋重量差から水蒸気透過度を求めた。
(2)光線透過率(%)
HazeMeter(日本電色工業社製 NDH−300A)を使用して、ガスバリア性フィルム1枚の光線透過率をJIS K 7105に準拠して測定した。
(3)第1室1A容器内壁表面の堆積物の有無
第2の原料ガス導入口から導入されるシランガスが隔壁板の連通部を通して第1室に流入し加熱された金属体に接することでシラン分解種が生成していないか、成膜後第1室1A内壁表面の堆積物の有無を目視により確認した。
図1に示すような第1室1Aと第2室1Bを隔てる隔壁板2を設けた。隔壁板には直径1mmの孔を2cm間隔でフィルム流れ方向に12個、フィルム流れ方向に対し垂直方向に10個、計120個設けたステンレス板(厚み1mm)を使用した。
第1の原料ガス導入口4からアンモニアガス、及び水素ガスを導入し、第2室には第2の原料ガス導入口5からシランガスを導入できるようにした。 金属体にはタングステンワイヤー(直径0.5mm)を使用した。
厚さ50ミクロン(μm)の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる基材表面に、ウレタンアクリレート(ウレタンアクリレート系UV硬化塗材(新中村化学社製 商品名;UA−100H)を酢酸エチルで希釈し、メイヤーバーを用いて1.2g/m2(固形分)になるように塗布し、100℃、15秒間乾燥した。続いて、コート面にUV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:250mW/cm2、積算光量:325mJ/cm2の条件で紫外線を照射してアンダーコート層の重合を行った。
次にそのアンダーコート面に、CAT−CVDにより、厚さ60ナノメートルの無機薄膜層(SiN)を設けた。なお、製膜条件は、SiH4流量 12sccm、NH3流量30sccm、H2流量400sccm、第2室1Bのガス圧力30Pa、金属体温度1800℃、基材温度80℃である。
得られたガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度、全光線透過度、及び第1室1A内壁表面の堆積物の有無を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同じ隔壁板と金属体を装置内に設け、第1の原料ガス導入口4からアンモニアガス、及び水素ガスを導入し、第2室には第2の原料ガス導入口5からシランガスを、第3の原料ガス導入口6から酸素ガス(ヘリウム95%希釈)を導入できるようにした。
次に実施例1と同条件のアンダーコート面に、CAT−CVDにより、厚さ120ナノメートルの無機薄膜層(SiON)を設けた。なお、製膜条件は、SiH4流量 12sccm、NH3流量30sccm、H2流量350sccm、O2(ヘリウム95%希釈)流量14sccm、第2室1Bのガス圧力30Pa、金属体温度1800℃、基材温度80℃である。
得られたガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度、全光線透過度、及び第1室1A内壁表面の堆積物の有無を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
2:隔壁板
3:金属体
4:第1の原料ガス導入口
5:第2の原料ガス導入口
6:第3の原料ガス導入口
7:排気口
8:薄膜を形成したフィルム
9:ロール
10:供給ロール
11:巻き取りロール
12:仕切り部材
1A:第1室
1B:第2室
8a:フィルム
Claims (9)
- 複数の種類の原料ガスを減圧下において反応させ、その反応物からなる薄膜を減圧系に配置された基材上に形成する薄膜製造方法において、第1の原料ガス導入口から窒素含有ガス、及び水素が系内に保持され、かつ加熱された金属体の近傍に供給されること、及び当該減圧系に第2の原料ガス導入口からシラン系ガスが導入されることを特徴とする薄膜製造方法。
- 複数の種類の原料ガスを減圧下において反応させ、その反応物からなる薄膜を減圧系に配置された基材上に形成する薄膜製造方法において、第1の原料ガス導入口から窒素含有ガス、及び水素が系内に保持され、かつ加熱された金属体の近傍に供給されること、及び当該減圧系に第2の原料ガス導入口からシラン系ガス、及び酸素ガスが導入されることを特徴とする薄膜製造方法。
- 複数の種類の原料ガスを減圧下において反応させ、その反応物からなる薄膜を減圧系に配置された基材上に形成する薄膜製造方法において、第1の原料ガス導入口から窒素含有ガス、及び水素が系内に保持され、かつ加熱された金属体の近傍に供給されること、及び当該減圧系に第2の原料ガス導入口からシラン系ガスが導入されること、第3の原料ガス導入口から酸素ガスが導入されることを特徴とする薄膜製造方法。
- 複数の種類の原料ガスを減圧下において反応させ、その反応物からなる薄膜を減圧系に配置された基材上に形成する薄膜製造方法において、第1の原料ガス導入口から窒素含有ガス、及び水素、及びシラン系ガスが系内に保持され、かつ加熱された金属体の近傍に供給されること、及び当該減圧系に第2の原料ガス導入口から酸素ガスが導入されることを特徴とする薄膜製造方法。
- 前記減圧系に隘路、又は隔壁板によって連通部を有するように第1室と第2室が形成され、前記第1室に加熱された金属体、及び第1の原料ガス導入口が、第2室に減圧のための排気口、及び第2の原料ガス導入口があることを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の薄膜製造方法。
- 前記減圧系に隘路、又は隔壁板によって連通部を有するように第1室と第2室が形成され、前記第1室に加熱された金属体、及び第1の原料ガス導入口が、第2室に減圧のための排気口、第2の原料ガス導入口、及び第3の原料ガス導入口があることを特徴とする請求項3に記載の薄膜製造方法。
- 前記第2室に基材表面を前処理する表面改質装置、及び/又は基材表面を後処理する表面改質装置を設けた請求項5、又は6に記載の薄膜製造方法。
- 前記シラン系ガスがSiH4であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の薄膜製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれかの製造方法により得られ得るSiN、及び/又はSiONから形成されている薄膜。
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