JP4281886B2 - 高負荷用鉄筋クリップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート構造物の鉄筋組立において鉄筋同士を交差状態に配置して強固に固定し、特に作業性を良くした上で荷重負荷においても緩みにくく高い信頼性が得られる高負荷用鉄筋クリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート構造物の鉄筋組立において鉄筋同士を直交するように配置して固定する場合、軟鉄線で両者の直交部分を結束したり溶接にて固着する固定方法や、弾発力の強いバネ板の両側を直交するようにカールして設けたクリップで鉄筋の直交部分をそれぞれ巻き込むようにして固定する方法などが採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の軟鉄線での結束による固定方法では、作業に熟練を要する、結束力も弱く緩み易い、コンクリートのかぶり厚保持のため直交部分でかぶり厚側の鉄筋突出長さを短くすると結束できないなどの問題がある。
また、溶接にて鉄筋同士を固着する固定方法では、前記同様に作業に熟練を要する、丸鋼同士の現場溶接であるので作業性が悪いし天候にも左右されるなどの問題がある。
特に道路や橋梁などにおいて、鉄筋組立時PCケーブルを所定位置に多数張設するために棚筋を新たに設けて支持するが、つまり鉄筋の端部をスターラップの縦部分に直交するように配置して軟鉄線で結束したり溶接で固着して棚筋を設け、その棚筋にPCケーブルを載置してゆくのであるが、コンクリート打設前の棚筋には、PCケーブルの重量や振動などの大きな負荷が直接掛かるから、軟鉄線やバネ板のクリップでは緩みが生じ、溶接では割れが生じて位置がずれてしまうことがあるという問題があった。
【0004】
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、コンクリート構造物の鉄筋組立において交差して配置される鉄筋同士をコンクリートのかぶり厚を増加させることなく固定することができ、また、熟練を要することなく誰でも簡単に強固に固定することができ、特に作業性を良くした上で荷重負荷においても緩みがなく高い信頼性が得られる高負荷用鉄筋クリップを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を解決するための手段として請求項1記載の高負荷用鉄筋クリップでは、第1鉄筋と第2鉄筋同士を交差させて強固に固定する高負荷用鉄筋クリップであって、クリップ本体とこのクリップ本体に開設した楔穴に装着する楔よりなり、前記クリップ本体は、交差させる二本の鉄筋のうち第1鉄筋の一側面を軸方向に沿って受ける第1係止溝と、該第1係止溝に係止した第1鉄筋に交差して第2鉄筋を挿入する開口部と、第2鉄筋に対し反第1鉄筋側であって第2鉄筋の反交差側側面を楔側面で押圧する位置に配置されると共に少なくとも楔挿入側が長穴に形成された楔穴とを有し、前記楔は前記楔穴より大きな終端部と、先細部分を延長するように突設したねじ部とこれに螺合するナットを有し、前記ねじ部は楔を楔穴の一方から挿入したとき楔穴の他方から突出する長さを有していることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の高負荷用鉄筋クリップでは、請求項1記載の高負荷用鉄筋クリップにおいて、クリップ本体における第2鉄筋挿入用の開口部が、第1係止溝に係止した第1鉄筋に対し交差した第2鉄筋の側面であって交差位置から軸方向に位置ずれした側面を受ける第2係止溝に形成され、かつ楔穴が、前記鉄筋同士の交差位置と前記第2係止溝との中間位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の高負荷用鉄筋クリップでは、請求項1または2記載の高負荷用鉄筋クリップにおいて、第2鉄筋を挿入可能な間隔を有して鋼板を断面略コ字状に折り曲げて折り曲げ部を長辺とする長方形状の平行二面部とこれ等を繋ぐ背面部とを設け、該平行二面部開口側の両長辺であってその一端側同士を第1鉄筋の直径より大きく切欠すると共にその一端側終端側に鍵状に屈曲して前記切欠側から胴部を挿入する第1鉄筋を平行二面部に直交するように係止する第1係止溝を設け、かつ第1係止溝に係止した第1鉄筋に直交状態で接触させる第2鉄筋の交差側側面を係止するように前記背面部を第2鉄筋に対し反第1鉄筋側端辺から切欠して第2係止溝を設け、さらに第2鉄筋の反交差側側面を臨むように平行二面部をそれぞれ長穴状に開設して楔穴を設けることによりクリップ本体を形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の高負荷用鉄筋クリップでは、請求項3記載の高負荷用鉄筋クリップにおいて、第1係止溝の溝底が凹状の略円弧状に形成されると共に、該第1係止溝は溝底に係止した鉄筋が平行二面部の切欠側長辺から適宜突出する位置に配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の高負荷用鉄筋クリップでは、請求項1ないし請求項4のうちいずれかの項に記載の高負荷用鉄筋クリップにおいて、楔先端に突設したねじ部の雄ねじが断面凹状に湾曲したねじ溝を有し、この雄ねじに螺合するナットが前記断面凹状に湾曲したねじ溝に螺合する断面凸状に湾曲したねじ山を有していることを特徴とする。
【0010】
【作用】
次に、本発明の作用を説明する。
本発明請求項1記載の高負荷用鉄筋クリップでは、クリップ本体が第1係止溝と第2係止溝を有しており、これらに係止した第1鉄筋および第2鉄筋は交差状態となり、このとき第2鉄筋は楔穴に臨んでいるので、この楔穴に楔を挿入し楔穴から突出したねじ部にナットを螺合して強固に締め付けることにより、第1鉄筋と第2鉄筋は、第1係止溝と楔との間で強固に固定されることになる。
本発明では、上記のように第1、第2係止溝にそれぞれ鉄筋を係止させるだけで鉄筋同士を交差させ、楔穴に挿入した楔をねじ部で締め付けるだけで鉄筋同士を強固に固定することができるので、良好な性能を有する状態に誰でも簡単に施工でき、高い信頼性を得ることができる。
【0011】
請求項2記載の高負荷用鉄筋クリップでは、楔が押圧する第2鉄筋は、その押圧位置が、交差した第1鉄筋とその交差位置から位置ずれしその第2鉄筋を係止した第2係止溝との間であるので、楔の押圧力で第2鉄筋が変移する事がなく、また楔を打ち込む程強固な固定状態となり、確実に安定して固定することができる。
【0012】
請求項3記載の高負荷用鉄筋クリップでは、クリップ本体を鋼板の折り曲げによる平行二面部に形成し、第1係止溝と楔穴を平行二面部同士に配置してるから、第1鉄筋と楔は安定して設置でき、また、第2係止溝を背面部に配置しているので、簡単な構造にて第1鉄筋と第2鉄筋同士を正確で簡単に交差させることができる。この場合、楔は予め楔穴に挿入しておくことができ、取扱が簡単となり手早く効率的に作業を進めることができる。
また、第1鉄筋はその胴部を直接第1係止溝に係止できるから、既に配筋されている鉄筋に対して簡単に装着でき、第2鉄筋を第2係止溝に挿入するだけで簡単に棚筋などを形成することができる。
また、楔挿入位置の平行二面部は独立しているから、ねじ部の強固な締め付けによって楔位置の平行二面部の間隔を絞り込むことにより、第2鉄筋を第1鉄筋に強固に固定し、その第2鉄筋に他の重量や振動などによる強い負荷が作用しても僅かにも変移しないように固定することができる。また、鋼板のバネ作用によりナットが大変緩みにくくなる。
【0013】
請求項4記載の高負荷用鉄筋クリップでは、第1鉄筋は溝底に安定した状態で固定され、このとき、第1鉄筋はクリップ本体より適宜に突出した状態となるから、第2鉄筋の端部をクリップ本体の端部に合わせると第1鉄筋より外方に突出するものがないので、予め第1鉄筋位置で設定されていたコンクリートのかぶり厚を簡単に守ることができる。
【0014】
請求項5記載の高負荷用鉄筋クリップでは、円弧状のねじとすることによってねじ溝に砂などの噛み込みがなく、条件の悪い現場などでもスムーズに作業を遂行することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明高負荷用鉄筋クリップの実施の形態を詳細に説明する。
図1は実施の形態1の高負荷用鉄筋クリップの使用方法を示す斜視図、図2は高負荷用鉄筋クリップの使用状態を楔を除いて示す平面図、図3は同上の背面図である。
図において、1はクリップ本体、2は楔、3は楔締め付け用のナット、4は垂直に配置された第1鉄筋、5は第2鉄筋であり第1鉄筋4に対し水平に配置される。
【0016】
前記クリップ本体1は、予め鋼板9に第1係止溝6、第2係止溝7、楔穴8を開設してから折り曲げて形成したものであり、詳細には、第2鉄筋5を挿入可能な間隔aを有して鋼板9を断面略コ字状に折り曲げ、同折り曲げ部10を長辺とする長方形状の平行二面部11,12と背面部13とを設けている。
また、前記平行二面部11,12の開口側の両長辺11a,12aであってその一端側同士を第1鉄筋4の直径より大きく切欠すると共に一方の短辺11b,12b側に鍵状に屈曲して第1鉄筋4を平行二面部11,12に直交するように係止する第1係止溝6,6を設けている。この第1係止溝6,6は、その溝底6aを凹状の略円弧状に形成すると共に、溝底6aに係止した鉄筋であってこのクリップを使用するような構造物に対応できるような鉄筋径dを使用した場合、最小径の鉄筋でも平行二面部の切欠側長辺11a,12aから適宜突出16する位置に配置している。
17は第1係止溝の幅、18は引っ掛かりの高さである。
更に、前記第1係止溝6に係止した第1鉄筋4に直交状態で接触させる第2鉄筋5の交差側側面5aを係止するように、前記背面部13を第2鉄筋5に対し反第1鉄筋側端辺13bから切欠して第2係止溝7を設けている。
また、前記第2鉄筋5の反交差側側面5bを臨むように平行二面部11,12をそれぞれ長穴状に開設して楔穴8,8を設けている。
11b,12bはリブであり、両者が寄り合うまで後述する楔を締め付けたら所定の締め付け完了と判る目安にしたり面の補強として作用させるものである。
【0017】
前記楔2は、楔本体14において前記楔穴8の全長8aより大きな終端部14aを有し、両当接面を曲面に形成した先の先細部分14bには、その先細部分14bを延長するようにねじ部15を突設している。このねじ部15は、楔2を一方の平行二面部12の楔穴8から挿入したとき他方の平行二面部11の楔穴8から突出する長さを有している。 尚、この楔2は、予めクリップ本体1の楔穴8に挿入し、ナット3を緩めに締め付け一体化しておく。この楔2は外さなくとも施工することができる。
尚、6bは溝底6aに設けた切欠であり、クリップ本体1を異形鉄筋にセットするとき、クリップ本体1の取り付け方向が変更できず鉄筋に設けられたリブが溝底に当たってすわりが悪くなるとき、そのリブを切欠6bに納めるようにしたものであり、不付きとすることもできる。
【0018】
次に、作用を説明する。
▲1▼例えばスターラップに棚筋を取り付ける場合、スターラップの垂直部分を第1鉄筋とし、この第1鉄筋4の胴部の所定位置にクリップ本体1を第1係止溝6の開口部から挿入する。このとき、クリップ本体1は垂直な第1鉄筋4に対して直交した状態にセットされる。
▲2▼次に、第2係止溝7から棚筋となる第2鉄筋5を挿入する。楔2はナット3を緩めにされていることから、楔2を装着していても楔本体14の斜面で摺動し隙間が大きくなるから、第2鉄筋5を容易に挿入することができる。
この時、第1鉄筋4は第2鉄筋5に押圧されて第1係止溝6の溝底6aに納まると共にクリップ本体1の端11a,12aから適宜突出16する。また、第2鉄筋5は、第1鉄筋4に対し水平に配置されると共に、楔穴8から反交差側側面5bを臨ませた状態となる。尚、第2鉄筋5の端部は第1鉄筋4の突出側側面より出ないようにする。
▲3▼次に、ナット3をラチェットスパナなどで締め付ける。楔本体14がクリップ本体1内にますます進入して第2鉄筋5を第1鉄筋4に押圧すると共に、平行二面部11,12の背面は第2係止溝7から楔穴8側端部まで開口しているため、ナット3を強硬に締め付けることによって平行二面部11,12の端部が拝むように寄り合って第2鉄筋5を拘束してしまう。
前記楔締め付け時、平行二面部が傾斜することにより楔方向が変位することがあるが、当接面が曲面のため力の作用方向にスムーズに変位しナットの座面が良く密着し緩み止めが良好にできるし、また楔機能を十分に作用させることができる。
【0019】
以上説明してきたように、本実施例の高負荷用鉄筋クリップは、上記のように第1、第2係止溝6,7にそれぞれ第1第2鉄筋4,5を係止させるだけで鉄筋同士を交差させ、楔穴8に挿入した楔2をねじ部15で締め付けるだけで鉄筋同士を強固に固定することができるので、3工程だけで良好な性能を有する状態に誰でも簡単に施工でき、高い信頼性を得ることができる。
楔2が押圧する第2鉄筋5は、その押圧位置が、交差した第1鉄筋4とその交差位置から位置ずれしその第2鉄筋5を係止した第2係止溝7との間であるので、楔2の押圧力で第2鉄筋5が変移する事がなく、また楔2を打ち込む程強固な固定状態となり、確実に安定して固定することができる。
第1鉄筋4はその胴部を直接第1係止溝6に係止できるから、既に配筋されている鉄筋に対して簡単に装着でき、第2鉄筋5を第2係止溝7に挿入するだけで簡単に棚筋などを形成することができる。
楔挿入位置の平行二面部11,12は独立しているから、ねじ部15の強固な締め付けによって楔位置の平行二面部の間隔を絞り込むことにより、第2鉄筋5を第1鉄筋4に強固に固定し、その第2鉄筋5に他の重量や振動などによる強い負荷が作用しても僅かにも変移しないように固定することができる。
また、鋼板のバネ作用によりナット3が大変緩みにくくなる。
第1鉄筋4はクリップ本体1より適宜に突出した状態となるから、第2鉄筋5の端部をクリップ本体1の端部に合わせると第1鉄筋4より外方に突出するものがないので、予め第1鉄筋位置で設定されていたコンクリートのかぶり厚19を簡単に守ることができる。
【0020】
次に、図4に基づいて実施の形態2を説明する。
本実施の形態の高負荷用鉄筋クリップでは、楔本体14の先端に突設したねじ部15の雄ねじ20が断面凹状に湾曲したねじ溝21を有し、この雄ねじ20に螺合するナット21が前記断面凹状に湾曲したねじ溝21に螺合する断面凸状に湾曲したねじ山22を有していることに特徴がある。
以上のように本実施の形態では、ねじ部15を円弧状のねじとすることによってねじ溝21に砂などの噛み込みがなく、条件の悪い現場などでもスムーズに作業を遂行することができる。
【0021】
次に、図5に基づいて実施の形態3を説明する。
本実施の形態のクリップ本体25は細長い鋼板を、その長手方向を間隔を設けて二つ折りするように折り曲げて形成したものである。図中6は第1係止溝、8は楔穴、11,12は平行二面部、26は開口部である。
この場合は、製造時の加工が簡単であり、安価に製造することができる。
【0022】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施の形態1において、楔穴8は平行二面部11の長手方向に対し傾斜して図示したが、平行二面部の長さを短くするためであり、長手方向に対し平行に設けても良い。
クリップ本体を形成する鋼板の厚さは任意に設定できる。または鍛造、鋳造などして設けることもできる。
【0023】
【発明の効果】
本発明の高負荷用鉄筋クリップにおいては、前記構成としたため、第1、第2係止溝にそれぞれ鉄筋を係止させるだけで鉄筋同士を交差させることができ、また、楔穴に挿入した楔をねじ部で締め付けるだけで鉄筋同士を強固に固定することができるので、良好な性能を有する状態に誰でも簡単に施工でき、高い信頼性を得ることができる。
【0024】
第2鉄筋の楔による押圧位置を、交差した第1鉄筋とその交差位置から位置ずれしその第2鉄筋を係止した第2係止溝との間に設定したため、楔の押圧力で第2鉄筋が変移する事がなく、また楔を打ち込む程強固な固定状態となり、確実に安定して固定することができる。
【0025】
クリップ本体を鋼板で形成することにより、簡単な構造にて第1鉄筋と第2鉄筋同士を正確で簡単に交差させることができる。この場合、楔は予め楔穴に挿入しておくことができ、取扱が簡単となり手早く効率的に作業を進めることができる。
また、第1鉄筋はその胴部を直接第1係止溝に係止できるから、既に配筋されている鉄筋に対して簡単に装着でき、第2鉄筋を第2係止溝に挿入するだけで簡単に棚筋などを形成することができる。
また、楔挿入位置の平行二面部は独立しているから、ねじ部の強固な締め付けによって楔位置の平行二面部の間隔を絞り込むことにより、第2鉄筋を第1鉄筋に強固に固定し、その第2鉄筋に他の重量や振動などによる強い負荷が作用しても僅かにも変移しないように固定することができる。
また、鋼板のバネ作用によりナットが大変緩みにくくなる。
【0026】
第1鉄筋をクリップ本体より適宜に突出した状態とすることにより、第2鉄筋の端部をクリップ本体の端部に合わせると第1鉄筋より外方に突出するものがないので、予め第1鉄筋位置で設定されていたコンクリートのかぶり厚を簡単に守ることができる。
【0027】
ねじ部を円弧状のねじとすることによって、ねじ溝に砂などの噛み込みがなく、条件の悪い現場などでもスムーズに作業を遂行することができるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態1にかかる高負荷用鉄筋クリップの使用方法を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1における高負荷用鉄筋クリップの使用状態を楔を除いて示す平面図である。
【図3】実施の形態1における高負荷用鉄筋クリップの使用状態を示す背面図である。
【図4】実施の形態2のねじ部を示す断面図である。
【図5】実施の形態3のクリップ本体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 クリップ本体
2 楔
4 第1鉄筋
5 第2鉄筋
6 第1係止溝
7 第2係止溝(開口部)
8 楔穴
10 折り曲げ部
11,12 平行二面部
11a,12a 長辺
11b,12b 短辺
13 背面部
14a 楔の終端部
15 ねじ部
16 鉄筋の突出
21 凹状に湾曲したねじ溝
22 凸状に湾曲したねじ山

Claims (5)

  1. 第1鉄筋と第2鉄筋同士を交差させて強固に固定する高負荷用鉄筋クリップであって、
    クリップ本体とこのクリップ本体に開設した楔穴に装着する楔よりなり、
    前記クリップ本体は、交差させる二本の鉄筋のうち第1鉄筋の一側面を軸方向に沿って受ける第1係止溝と、該第1係止溝に係止した第1鉄筋に交差して第2鉄筋を挿入する開口部と、第2鉄筋に対し反第1鉄筋側であって第2鉄筋の反交差側側面を楔側面で押圧する位置に配置されると共に少なくとも楔挿入側が長穴に形成された楔穴とを有し、
    前記楔は前記楔穴より大きな終端部と、先細部分を延長するように突設したねじ部とこれに螺合するナットを有し、前記ねじ部は楔を楔穴の一方から挿入したとき楔穴の他方から突出する長さを有していることを特徴とする高負荷用鉄筋クリップ。
  2. クリップ本体における第2鉄筋挿入用の開口部が、第1係止溝に係止した第1鉄筋に対し交差した第2鉄筋の側面であって交差位置から軸方向に位置ずれした側面を受ける第2係止溝に形成され、かつ楔穴が、前記鉄筋同士の交差位置と前記第2係止溝との中間位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の高負荷用鉄筋クリップ。
  3. 第2鉄筋を挿入可能な間隔を有して鋼板を断面略コ字状に折り曲げて折り曲げ部を長辺とする長方形状の平行二面部とこれ等を繋ぐ背面部とを設け、該平行二面部開口側の両長辺であってその一端側同士を第1鉄筋の直径より大きく切欠すると共にその一端側終端側に鍵状に屈曲して前記切欠側から胴部を挿入する第1鉄筋を平行二面部に直交するように係止する第1係止溝を設け、かつ第1係止溝に係止した第1鉄筋に直交状態で接触させる第2鉄筋の交差側側面を係止するように前記背面部を第2鉄筋に対し反第1鉄筋側端辺から切欠して第2係止溝を設け、さらに第2鉄筋の反交差側側面を臨むように平行二面部をそれぞれ長穴状に開設して楔穴を設けることによりクリップ本体を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の高負荷用鉄筋クリップ。
  4. 第1係止溝の溝底が凹状の略円弧状に形成されると共に、該第1係止溝は溝底に係止した鉄筋が平行二面部の切欠側長辺から適宜突出する位置に配置されていることを特徴とする請求項3記載の高負荷用鉄筋クリップ。
  5. 楔先端に突設したねじ部の雄ねじが断面凹状に湾曲したねじ溝を有し、この雄ねじに螺合するナットが前記断面凹状に湾曲したねじ溝に螺合する断面凸状に湾曲したねじ山を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれかの項に記載の高負荷用鉄筋クリップ。
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