JP3679379B2 - フェンス固定具 - Google Patents

Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、バリケードの横設単管などを利用してこのバリケードにフェンスを固定したり、フェンスに補強用の単管などを固定してフェンスの立設設置状態や並設連結状態を補強したりすることができるフェンス固定具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、道路工事現場や家屋建築現場などでは、作業スペースの確保や作業時の周囲への安全確保などを目的として、現場周囲にフェンスを多数並べて設置し、一般人や一般車両の現場への侵入を阻止している。
【０００３】
従来のこのフェンス設置方法としては、予め現場周囲に設置用の枠を組んだりバリケードを並べておき、この枠組やバリケードに例えば針金やロープなどによってフェンスを結び付けて固定している。
【０００４】
しかし、多数のフェンスを一つ一つ結び付けていくことは時間と手間を要する作業であるために非常に煩わしく、また、このように結び付ける方法では結び付けが緩んでフェンスがガタついてしまい易いなどの問題を有するもので、本発明者はこのフェンスの固定作業をもっと容易に、且つ固定状態をもっと確固にすることはできないかと考えていた。
【０００５】
そして本発明者は、種々試行錯誤し研究を行った末、例えば、バリケードの横設単管を利用してこのバリケードに容易に且つ確固にフェンス体を固定したり、並設するフェンス体に対して補強用の単管などを極めて容易に且つ確固に固定して、フェンス体の設置状態を簡単に補強したりすることのできる画期的な本発明のフェンス固定具を完成させるに至った。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【０００７】
フェンス体１の端部に配される管材沿設本体部２に、このフェンス体１の表裏いずれか一側に沿設する管材３を挿通配設する挿通部４を設け、このフェンス体１の一側に配した管材３を挿通する挿通部４とは反対側のフェンス体１の他側に係止する係止部５を前記管材沿設本体部２に設け、前記挿通部４に挿通した管材３をフェンス体１の一側に締付固定する締付機構６をこの挿通部４に設けて、この締付機構６と前記係止部５とによりフェンス体１と管材３とが挟持圧接固定される構成とし、先端に引っ掛け係止部５を備えた腕部７を前記管材沿設本体部２に突設して前記係止部５を構成し、この係止部５は前記管材沿設本体部２に上下に所定間隔を置いて並設状態に突設して、この上下の係止部５の腕部７の並設間隙部を前記管材３が挿通し得る挿通部４としたことを特徴とするフェンス固定具に係るものである。
【０００８】
また、前記挿通部４に螺子部８を設けると共に、この螺子部８は、回動螺動により挿通部４に挿通した前記管材３に対して接離移動するように設けて、この螺子部８の回動螺動により管材３をフェンス体１の一側に締付固定する前記締付機構６を構成したことを特徴とする請求項１記載のフェンス固定具に係るものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態（発明をどのように実施するか）を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【００１０】
フェンス体１の端部に管材沿設本体部２を配設して、このフェンス体１の表裏いずれか一側に沿設させた管材３を挿通部４に挿通し、この挿通部４とは反対側のフェンス体１他側に係止部５を係止する。そして、締付機構６により挿通部４に挿通した管材３をフェンス体１の一側に締付固定すると、この締付機構６と係止部５とによりフェンス体１と管材３とが挟持圧接固定されることになる。
【００１１】
従って、従来のようにフェンス体１を一つ一つ結び付けていくような煩わしさはなく、例えば、図２に示すようにバリケード11の横設単管を管材３として、本発明品によりこの横設単管３にフェンス体１を前述のようにして容易に且つ強固に固定することができる。
【００１２】
また、例えば、図５に示すようにフェンス体１を多数隙間なく並設設置する場合においても、単に並設するフェンス体１の端部間に管材沿設本体部２を介在させて、挿通部４にフェンス体１に沿設させた長尺な管材３（単管）を挿通させ、この管材３を締付機構６で締付固定することで、並設するフェンス体１の補強材としてこのフェンス体１に管材３を固定することができ、これによりフェンス体１の並設状態は管材３によって補強され、且つ確固な連結状態となる。
【００１３】
よって、単に挿通部４にフェンス体１の一側に沿設させた管材３を挿通すると共に、フェンス体１の反対側（他側）に係止部５を係止して締付機構６で管材３を締付固定するだけの作業でフェンス体１と管材３とを固定することができるので、例えば上記したような管材３に対するフェンス体１の固定作業を極めて容易に行うことができ、しかもフェンス体１と管材３とを締付機構６と係止部５とでしっかりと挟持圧接するため、この管材３にフェンス体１が極めて強固に固定されて安定したフェンス設置状態を実現できることになるなど、極めて実用性に秀れた画期的なフェンス固定具となる。
【００１４】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【００１５】
図１〜図３は第一実施例、図４，図５は第二実施例を示している。
【００１６】
第一実施例について説明する。
【００１７】
本実施例は、フェンス体１の端部に配される管材沿設本体部２に、このフェンス体１の端部の表裏いずれか一側に沿設する管材３を挿通配設する挿通部４を設け、このフェンス体１の一側に沿設する管材３を挿通する挿通部４とは反対側のフェンス体１の他側に係止する係止部５を前記管材沿設本体部２に設けている。
【００１８】
具体的に説明すると、先端に引っ掛け係止部５を備えた腕部７を前記管材沿設本体部２に突設して前記係止部５を構成し、この係止部５は前記管材沿設本体部２に上下に所定間隔を置いて並設状態に突設して、この上下の係止部５の腕部７の並設間隙部を前記管材３が挿通し得る挿通部４としている。
【００１９】
更に詳しく説明すると、管材沿設本体部２は、図１に示すように一枚の金属板を略コ字状に切欠形成して構成し、この管材沿設本体部２の上下の遊離杆部を前記腕部７とし、この上下の腕部７と，腕部７の基部が連設する管材沿設本体部２の縦杆部２Ａとに囲まれた間隙部を前記管材３が挿通する挿通部４となるように上下の腕部７の並設間隔を設定構成している。
【００２０】
また、この腕部７は、管材沿設本体部２をフェンス体１の端部に当接配設してこのフェンス体１の一側に沿設する管材３を挿通部４に挿通した際に、この腕部７の先端部がフェンス体１の他側に突出することとなるように長さ寸法を設定し、更に、この上下の腕部７の先端部を夫々側方（同方向）へ９０度以上折曲してフック状に形成し、この先端フック部を前記フェンス体１の端部の縁枠部に係止する前記係止部５（引っ掛け係止部５）としている。
【００２１】
本実施例では、このように挿通部４及び係止部５を備えた管材沿設本体部２を一枚の板材によって一体的に構成したから、この構成は簡易に且つ安価に設計実現可能な構成となる。
【００２２】
また、本実施例では、前記挿通部４に挿通した管材３をフェンス体１の一側に締付固定する締付機構６をこの挿通部４に設けて、この締付機構６と前記係止部５とによりフェンス体１と管材３とが挟持圧接固定される構成としている。
【００２３】
具体的に説明すると、締付機構６は、前記挿通部４に螺子部８を設けると共に、この螺子部８は、回動螺動により挿通部４に挿通した前記管材３に対して接離移動するように設けて、この螺子部８の回動螺動により管材３をフェンス体１の一側に締付固定する構成としている。
【００２４】
この螺子部８について更に詳しく説明すると、コ字状の管材沿設本体部２の縦杆部２Ａを前記腕部７に対して略直角に折曲し、この縦杆部２Ａに貫通螺子穴９を形成している。また、この螺子穴９は、その貫通方向が腕部７の長さ方向と略平行となるように設け、この螺子穴９に締付具１０として蝶ボルト10を螺着している。
【００２５】
従って、この蝶ボルト10の回動螺動により挿通部４に挿通した前記管材３に対して蝶ボルト10先端が接離移動する構成で、この蝶ボルト10を一方向に回動螺動させると、この蝶ボルト10の先端部が管材３をフェンス体１側へ押圧して締付固定することになり、この状態から蝶ボルト10を逆方向に回動螺動させると、フェンス体１と管材３との締付固定状態が解除される構成としている。
【００２６】
次に、本実施例の使用方法を図２，図３に基づいて説明する。尚、図面では、バリケード11の横設単管を管材３として、この横設単管３にフェンス体１を固定した場合を示している。
【００２７】
フェンス体１の端部に管材沿設本体部２を当接配設して、このフェンス体１の表裏いずれか一側（図面では手前側）に沿設させた単管３を挿通部４に挿通し、この挿通部４とは反対側のフェンス体１他側に係止部５を引っ掛け係止する。
【００２８】
そして、蝶ボルト10を回動操作して締付機構６により挿通部４に挿通した単管３をフェンス体１の一側に締付固定すると、図３に示すようにこの締付機構６と係止部５とによりフェンス体１と単管３とが挟持圧接固定されることになり、バリケード11にフェンス体１が強固に固定されることになる。
【００２９】
尚、その他の使用方法として、例えば工事用単管で構築した柵に、この工事用単管を管材３としてフェンス体１を固定することもできる。
【００３０】
第二実施例について説明する。
【００３１】
本実施例は、前記第一実施例において、上方の腕部７先端の係止部５の折曲向きと、下方の腕部７先端の係止部５の折曲向きとが互いに逆向きとなるように形成した場合である。その他の構成は前記第一実施例と同様である。
【００３２】
このように構成した本実施例の場合、特に図５に示すように、フェンス体１を多数隙間なく並設設置する場合に使用すると有効である。
【００３３】
具体的に説明すると、並設するフェンス体１の端部間に管材沿設本体部２を介在させて、挿通部４にフェンス体１に沿設させた長尺な管材３（図面では長尺な単管）を挿通させ、この単管３を締付機構６で締付固定することで、並設するフェンス体１の補強材としてフェンス体１に単管３を固定することができる。
【００３４】
また、この際、上方の係止部５が隣接する一方のフェンス体１に係止し、下方の係止部５が隣接する他方のフェンス体１に係止するため、フェンス体１と単管３とが固定されると同時に隣接するフェンス体同士が極めて強固に連結固定されることになり、極めて連結強度の高いフェンス設置状態を実現できることになる。
【００３５】
尚、このようなフェンス体１の並設設置態様において、最も端に設置されたフェンス体１には、前記第一実施例の固定具を使用しても良い。
【００３６】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【００３７】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、単に挿通部にフェンス体の一側に沿設させた管材を挿通すると共に、フェンス体の反対側（他側）に係止部を係止して締付機構で管材を締付固定するだけの作業でフェンス体と管材とを固定することができるので、例えば、単管などの管材を利用してフェンス体を適所に固定することも、フェンス体に補強のための管材を固定することも、極めて容易に行うことができ、しかもフェンス体と管材とを締付機構と係止部とでしっかりと挟持圧接固定するため、この管材にフェンス体が極めて強固に固定されて安定的なフェンス設置状態を維持できることになるなど、極めて実用性に秀れた画期的なフェンス固定具となる。
【００３８】
しかも、本発明は、先端に引っ掛け係止部を備えた腕部を前記管材沿設本体部に突設して前記係止部を構成し、この係止部は前記管材沿設本体部に上下に所定間隔を置いて並設状態に突設して、この上下の係止部の腕部の並設間隙部を前記管材が挿通し得る挿通部としたため、前記作用効果を確実に発揮する本発明のフェンス固定具を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のフェンス固定具となる。
【００３９】
また、請求項２記載の発明においては、前記作用効果を確実に発揮する締付機構を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れたフェンス固定具となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 第一実施例を示す斜視図である。
【図２】 第一実施例の使用状態を示す斜視図である。
【図３】 第一実施例の使用状態を示す部分拡大側面図である。
【図４】 第二実施例を示す斜視図である。
【図５】 第二実施例の使用状態を示す部分拡大平断面図である。
【符号の説明】
１ フェンス体
２ 管材沿設本体部
３ 管材
４ 挿通部
５ 係止部
６ 締付機構
７ 腕部
８ 螺子部

Claims (2)

1. フェンス体の端部に配される管材沿設本体部に、このフェンス体１の表裏いずれか一側に沿設する管材を挿通配設する挿通部を設け、このフェンス体の一側に配した管材を挿通する挿通部とは反対側のフェンス体の他側に係止する係止部を前記管材沿設本体部に設け、前記挿通部に挿通した管材をフェンス体の一側に締付固定する締付機構をこの挿通部に設けて、この締付機構と前記係止部とによりフェンス体と管材とが挟持圧接固定される構成とし、先端に引っ掛け係止部を備えた腕部を前記管材沿設本体部に突設して前記係止部を構成し、この係止部は前記管材沿設本体部に上下に所定間隔を置いて並設状態に突設して、この上下の係止部の腕部の並設間隙部を前記管材が挿通し得る挿通部としたことを特徴とするフェンス固定具。
2. 前記挿通部に螺子部を設けると共に、この螺子部は、回動螺動により挿通部に挿通した前記管材に対して接離移動するように設けて、この螺子部の回動螺動により管材をフェンス体の一側に締付固定する前記締付機構を構成したことを特徴とする請求項１記載のフェンス固定具。
   【０００１】

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