JP5117011B2 - 線材パネルフェンス - Google Patents
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Description
先ず特許文献1に開示された線材パネルフェンスの場合、その止め金具(固定金具と呼んでいる。)は、柱の内部へ固定される内板と、同柱の外部へ固定される外板と、両板を緊結するボルト、および内板を外板に対してボルトの軸線方向にのみ移動可能に固定する連結金具とで構成されている。この止め金具は、連結金具で内板と外板を平行な配置関係に連結し固定した構成であり、内板を柱のスリット(縦溝)を通じて内部へ挿入し、約90度回転してスリットの両縁へ掛け止めて固定する使用条件であるが故に、外板は線材パネルの縦線にしか適用できない不便さがある。そのため傾斜地に沿って線材パネル(の縦線)を傾けて設置する場合(実際にはこのような設置条件が多い。)は、必然的に、支柱のスリット(縦溝)に対して縦線が非平行に傾斜するので、前記縦線の止め付けが至難であり、縦線の傾斜度によっては使用できない場合もある。しかも外板の両端に形成した線材抱持部で平行する2本の縦線を抱き止める構成であるから、2本の縦線のピッチが外板の両端に形成した線材抱持部の間隔と一致する場合にしか適用できない不便さがあり、使用上の制限が多すぎて使い勝手が悪い。その上、細かい加工を必要とする部品を多く使用しているので、製造コストも高い。
本発明の次の目的は、線材パネルが、支柱の縦溝の近辺に外側板の線材抱持部で抱き止められる高剛度の線材が少なくとも1本存在するかぎり、その線材が縦線であるか横線であるか、或いは支柱(の縦溝)に対して平行であるか非平行であるか、又は直角であるか非直角であるかの別なく、それに応じた態様で支柱へ止め付け固定することができる自在性があり、使い勝手が良く、或いは支柱を立てた位置が隣り合う線材パネル同士の繋ぎ部であるか、又は同線材パネルの中間部位であるかの別なく、よって線材パネルが傾斜地に沿って傾けられ、地面に垂直に立てた支柱との間に傾斜角度を生ずる場合でも自在に適切に使用できる止め金具を使用して構築した線材パネルフェンスを提供することである。
本発明の更なる目的は、止め金具の構成が簡単で、その製造が容易で安価であり、大量に使用しても費用負担を軽減できる止め金具、およびこれを使用して構築した線材パネルフェンスを提供することである。
前面に縦溝1aを有する管状の支柱1と、一定の間隔で地面に立てられた前記支柱11、へ架け渡された線材パネル2と、前記線材パネル2を前記支柱1へその縦溝1aを利用して止め付け固定する止め金具10とで構築される線材パネルフェンスにおいて、
前記止め金具10は、支柱1の縦溝1aを通じて支柱1の管内へ差し入れて同縦溝1aの管内側へ掛け止められる内側板3と、支柱1の縦溝1aを跨いで外面へ位置させ、線材パネル2を構成する線材2aを抱き止める線材抱持部4aを有する外側板4と、および前記外側板4の孔4bへ通して前記内側板3の下孔3aへねじ込まれ双方の板材を緊結するタッピングねじ5とで構成されており、
止め金具10の内側板3は支柱1の縦溝1aの溝幅よりも細幅で、同縦溝1aに沿って内向きに形成された両側のリップ部1bを跨いで両端が支柱1の管内面と接する長さとされ、その中央部に前記タッピングねじ用の下孔3aが設けられており、
止め金具10の外側板4は、その縦長さ及び横長さが支柱の縦溝1aの溝幅よりも大きく形成され、少なくともその縁辺の一つに線材パネル2を構成する線材2a又は2bを抱き止める線材抱持部4aが延長した形状に形成され、前記線材抱持部4aの両側の隅角部は45度方向にカットした傾斜辺4c、4cに形成され、ほぼ中央部にタッピングねじ5を通す孔4bが形成されていると共に前記タッピングネジ5を通す孔4bは線材抱持部4aで抱き止める線材2a、2bと直交する方向に長い楕円形ないし長円形に形成されており、
タッピングねじ5を外側板4の孔4bへ通し、更にその先端部を内側板3の下孔3aへねじ込んだ状態で同内側板3を支柱1の縦溝1aを通じて支柱1の管内へ差し入れ縦溝1aの管内側へ掛け止めた上で、線材パネル2の該当する横線材2a又は縦線材2bを外側板4の線材抱持部4aで抱き止めさせ、タッピングねじ5をねじ込んで外側板4と内側板3とを緊結して前記線材パネル2を支柱1へ止め付け固定して構築されていることを特徴とする。
止め金具10の内側板3は支柱1の縦溝1aを跨ぐ長辺が縦溝1aの内方へ凸形状に湾曲されており、タッピングネジ用の下孔3aにはネジが形成されていないこと、及び内側板3の両短辺は長辺方向の中心線に対し非直角で、且つほぼ平行に傾斜した回り止め傾斜辺3bに形成されていることをそれぞれ特徴とする。
内側板3に設けられた下孔3aの口径はタッピングねじ5の外径よりも小さく、同内側板3の板厚はタッピングねじ5のねじピッチよりも大きいことを特徴とする。
また、止め金具10自体も、構成が簡単で製造が容易であり、単価が安いので、一工事あたりに大量に使用しても費用負担を軽減できる。
その上、線材パネル2の該当する(止め付け予定位置に直近の)横線材2a又は縦線材2bのいずれかを外側板4の線材抱持部4aで抱き止めさせた上で、当該外側板4をタッピングねじ5で内側板3と緊結して支柱1へ止め付け固定する構成であるから、線材パネル2が、支柱1の縦溝1aの近辺に外側板4の線材抱持部4aで抱き止める剛性大の線材2a又は2bが少なくとも1本存在するかぎり、その線材が縦線2bであるか横線2aであるか、或いは支柱1(の縦溝1a)に対して平行であるか非平行であるか、又は直角であるか非直角であるかの別なく、それなりに適応して支柱1へ止め付け固定することができる。従って、線材パネル2が傾斜地に沿って傾けられ、地面に垂直に立てた支柱1との間に傾斜角度を生ずる場合でも適切、自在に対応して線材パネルフェンスを構築できる。 或いはまた、支柱1の位置が隣り合う線材パネル2、2同士の繋ぎ部であるか、又は同線材パネル2の中間部位に位置するかの別なく、線材パネル2を支柱1へ止め付け固定することができ、線材パネルフェンスの設計・施工上の自由度が大きい。
要するに、本発明で使用する止め金具10は、使用上の自在性と適応性に富み、使い勝手が良いのである。
前記止め金具10は、支柱1の縦溝1aを通じて同縦溝1aの管内側へ掛け止める内側板3と、支柱1の縦溝1aを跨いで外面へ位置させ、線材パネル2を構成する線材2a又は2bを抱き止める線材抱持部4aを有する外側板4と、および前記外側板4の孔4bへ通して前記内側板3の下孔3aへねじ込まれ双方の板材3、4を緊結するタッピングねじ5とから成る。
止め金具10の内側板3は、支柱1の縦溝1aの溝幅よりも細幅で、同縦溝1aに沿って内向きに形成された両側のリップ部1bを跨いで両端が支柱1の管内面と接する長さとされ、その中央部に前記タッピングねじ用の下孔3aが設けられている。
止め金具10の外側板4は、その縦長さ及び横長さを支柱1の縦溝1aの溝幅よりも大きく形成し、少なくともその縁辺の一つに線材パネル2を構成する線材2a又は2bを抱き止める線材抱持部4aを延長した形状に形成し、前記線材抱持部4aの両側の隅角部は45度方向にカットした傾斜辺4c、4cに形成し、ほぼ中央部にタッピングねじ5を通す孔4bが形成されている。更に前記タッピングネジ5を通す孔4bは線材抱持部4aで抱き止める線材2a、2bと直交する方向に長い楕円形ないし長円形に形成されている。
線材パネルフェンスの構築手順としては、タッピングねじ5を外側板4の孔4bへ通し、更にその先端部を内側板3の下孔3aへ適度にねじ込んだ状態で同内側板3を支柱1の縦溝1aを通じて支柱1の管内へ差し入れ、同縦溝1aの管内側へ掛け止める。そして、線材パネル2の該当する線材2a又は2bを外側板4の線材抱持部4aで抱き止めさせ、タッピングねじ5を内側板3の下孔3aへねじ込んでゆき外側板4と内側板3とを緊結して、前記線材2a又は2bを、ひいては線材パネル2を柱1へ止め付け固定して線材パネルフェンスを構築する。
本発明の線材パネルフェンスは、図4A、Bおよび図5〜図7に示したように、前面に縦溝1aを有する管状の支柱1と、一定の間隔で地面に立てられた前記支柱1、1の前面へ架け渡される線材パネル2と、前記線材パネル2を前記支柱1へその縦溝1aを利用して止め付け固定する止め金具10とで構築される。因みに、管状の支柱1は、一例として、その外径はφ35mm程度、縦溝1aの溝幅は10mm程度の大きさが一般的である。
また、外側板4のほぼ中央部に設けられたタッピングねじを通す孔4bは、タッピングねじ5の外径よりも少し大きめの丸孔でも良いが、図1の場合は、線材抱持部4aで抱き止めた線材2aと直交する方向に少し長い楕円形孔ないし長円形孔として形成されている。その意図は、特には図6に例示したように、支柱1の縦溝1aと同方向のいわゆる縦線2bを止める際に、同縦線2bと縦溝1aとの間隔mの大小に対する適応性をできるだけ広くするためである。
また、図3がわかり易いように、外側板4において、一つの縁辺から延び出す延長形状に形成された線材抱持部4aの両側の隅角部は約45度方向にカットした傾斜辺4cに形成されている。その意義は図7に示すように傾斜地に沿って線材パネル2が傾き、外側板4が傾いて使用される場合に、外側板4の隅角部が支柱1の外形線からはみ出すことを防ぎ、図7の背面側から見た意匠性、見栄えを良好にするためである。
先ず図5は、線材パネル2のうち支柱1への固定予定位置に直近に位置する横線2aを外側板4の線材抱持部4aで抱き止めさせ、タッピングねじ5を強く締め付けて支柱1へ止め付け固定した線材パネルフェンスの実施例を示している。
図6は、線材パネル2のうち支柱1への固定予定位置に直近の縦線2bを、外側板4の線材抱持部4aで抱き止めさせ、タッピングねじ5を強く締め付けて支柱1へ止め付け固定した線材パネルフェンスの実施例を示している。
図7は、傾斜地に倣って傾斜させた線材パネル2のうち支柱1への固定予定位置に直近の横線2aを、外側板4の線材抱持部4aで抱き止めさせ、タッピングねじ5を強く締め付けて支柱1へ止め付け固定した線材パネルフェンスの実施例を示している。
勿論、本発明で使用する止め金具10は、図5〜図7から推認できるように、線材パネル2の升目の大きさが、止め金具を構成する内側板3および外側板4を出し入れできる限り問題なく使用できる便利さもある。
1a 縦溝
1b リップ部
2 線材パネル
2a 横線
2b 縦線
3 内側板
3a 下孔
3b 傾斜辺
4 外側板
4a 線材抱持部
4b 孔
5 タッピングねじ
10 止め金具
Claims (3)
- 前面に縦溝を有する管状の支柱と、一定の間隔で地面に立てられた前記支柱へ架け渡された線材パネルと、前記線材パネルを前記支柱へその縦溝を利用して止め付け固定する止め金具とで構築される線材パネルフェンスにおいて、
前記止め金具は、支柱の縦溝を通じて支柱の管内へ差し入れて同縦溝の管内側へ掛け止められる内側板と、支柱の縦溝を跨いで外面へ位置させ、線材パネルを構成する線材を抱き止める線材抱持部を有する外側板と、および前記外側板の孔へ通して前記内側板の下孔へねじ込まれ双方の板材を緊結するタッピングねじとで構成されており、
止め金具の内側板は支柱の縦溝の溝幅よりも細幅で、同縦溝に沿って内向きに形成された両側のリップ部を跨いで両端が支柱の管内面と接する長さとされ、その中央部に前記タッピングねじ用の下孔が設けられており、
止め金具の外側板は、その縦長さ及び横長さが支柱の縦溝の溝幅よりも大きく形成され、少なくともその縁辺の一つに線材パネルを構成する線材を抱き止める線材抱持部が延長した形状に形成され、前記線材抱持部の両側の隅角部は45度方向にカットした傾斜辺に形成され、ほぼ中央部にタッピングねじを通す孔が形成されていると共に前記タッピングネジを通す孔は線材抱持部で抱き止める線材と直交する方向に長い楕円形ないし長円形に形成されており、
タッピングねじを外側板の孔へ通し、更にその先端部を内側板の下孔へねじ込んだ状態で同内側板を支柱の縦溝を通じて支柱の管内へ差し入れ縦溝の管内側へ掛け止めた上で、線材パネルの該当する横線材又は縦線材を外側板の線材抱持部で抱き止めさせ、タッピングねじをねじ込んで外側板と内側板とを緊結して前記線材パネルを支柱へ止め付け固定して構築されていることを特徴とする、線材パネルフェンス。 - 止め金具の内側板は支柱の縦溝を跨ぐ長辺が縦溝の内方へ凸形状に湾曲されており、タッピングねじ用の下孔にはネジが形成されていないこと、及び内側板の両短辺は長辺方向の中心線に対し非直角で、且つほぼ平行に傾斜した回り止め傾斜辺に形成されていることをそれぞれ特徴とする、請求項1に記載した線材パネルフェンス。
- 内側板に設けられた下孔の口径はタッピングねじの外径よりも小さく、同内側板の板厚はタッピングねじのねじピッチよりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載した線材パネルフェンス。
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