JP2968949B2 - 仮設建築用シートジョイントの取付具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、土木，建築の作業現場
の仮設建築物に防寒等のために張設するシート体のシー
トジョイントを仮設建築物の骨組みパイプに間隔を形成
して取付ける仮設建築用シートジョイントの取付具に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の仮設建築用シートジョイ
ントの取付具は、見当らない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】現在一般化して来た仮
設建築用の縦方向の骨組みパイプには、横方向の連結パ
イプをワンタッチ式のクサビにより簡易に締結して仮設
建築物を組立てることができるように、図８及び図１２
に示すようにくさび孔を放射状に設けた複数個の円板が
適当間隔で取付けられている。

【０００４】従って、仮設建築用シートジョイントは、
上記円板を避けるように仮設建築物の骨組みパイプから
離隔させて骨組みパイプに取付けなければ、シートジョ
イントで連結したシート体を平坦状に張設することがで
きない点である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、仮設建築物の
骨組みパイプに取付本体の主クランプを取付けて該主ク
ランプに間隔保持杆により連結した短パイプにシート体
のシートジョイントをクランプにより取付け、その骨組
みパイプの任意箇所に簡易迅速且つ堅固に取付けてシー
トジョイントの適当箇所を固定すると共に、シートジョ
イントを骨組みパイプから離隔して確実に骨組みパイプ
に連結固定してシート体を適切に平坦状に張設し得ら
れ、更に、骨組みパイプの太さの大小にかかわらず兼用
で使用でき、その上、反復使用し得て経済性を向上した
仮設建築用シートジョイントの取付具を提供することを
目的とする。

【０００６】すなわち、骨組みパイプを抱持する開閉可
能の主クランプ（１）と短パイプ（２）を間隔保持杆
（３）により連結した取付本体（ａ）と、その取付本体
（ａ）の短パイプ（２）に当てるシートジョイントの両
側止め片にそれぞれ引掛ける掛け片（４）を先端部内側
に形成した両側腕（５），（６）の基部を伸縮可能に連
結して短パイプ（２）を抱持するクランプ（ｂ）とによ
り仮設建築用シートジョイントの取付具（Ａ）を構成
し、骨組みパイプの任意箇所に簡易迅速且つ堅固に取付
けてシートジョイントの適当箇所を固定すると共に、シ
ートジョイントを骨組みパイプから離隔して確実に骨組
みパイプに連結固定してシート体を適切に平坦状に張設
し得られ、更に、骨組みパイプの太さの大小にかかわら
ず兼用で使用でき、その上、反復使用し得て経済性を向
上する目的を、骨組みパイプに取付本体の主クランプを
取付け、その主クランプに間隔保持杆により連結した短
パイプにシート体のシートジョイントをクランプにより
取付けることにより実現した。

【０００７】

【実施例】図面は、本発明の一実施態様を示し、その構
成を図面について説明すれば、（Ａ）は仮設建築用シー
トジョイントの取付具、（ａ）は取付具（Ａ）の取付本
体を示し、（１）は取付主体（ａ）の主クランプで、Ｌ
形台盤（７）と円弧状押え板（８）の基部をピン（９）
により枢着し、その台盤（７）の先端部にピン（１０）
により枢着したボルト（１１）を押え板（８）の先端突
出片（１２）の切溝（１３）内に出し入れ可能に嵌合し
てボルト（１１）の突出先端ねじ（１４）にナット（１
５）を螺合し、台盤（７）の一側壁中央部に穿った通孔
（１６）の内側に固定ナット（１７）を溶接して成る。

【０００８】（２）は短パイプで、該短パイプ（２）の
下部に溶接したねじボルトの間隔保持杆（３）の先端ね
じ（１８）に締付けナット（１９）を螺合し、その先端
ねじ（１８）の突出部を主クランプ（１）の台盤（７）
の通孔（１６）に挿通して固定ナット（１７）に螺合し
た後、短パイプ（２）を主クランプ（１）の軸心方向と
平行になして締付けナット（１９）を台盤（７）に締付
け、主クランプ（１）と短パイプ（２）付き間隔保持杆
（３）を一体に固定して取付本体（ａ）を構成する。

【０００９】（ｂ）は取付具（Ａ）のクランプを示し、
（５），（６）はクランプ（ｂ）の両側腕で、その一側
腕（５）は鉄板を外方への凸円弧状に弯曲し、他側腕
（６）は線材を屈曲して成り、該一側腕（５）及び他側
腕（６）の先端部内側には掛け片（４）をそれぞれ形成
する。そして、一側腕（５）の基部の外方屈曲片（２
０）にレバー（２１）の基部をピン（２２）により枢着
し、該レバー（２１）の中間部に他側腕（６）の基部を
回動自在に嵌着してクランプ（ｂ）を構成する。

【００１０】（Ｂ）は仮設建築物を示し、（２３）は仮
設建築物（Ｂ）の縦方向の骨組みパイプで、該骨組みパ
イプ（２３）には、くさび孔（２４）を放射状に設けた
複数個の円板（２５）が適当間隔で取付けられている。

【００１１】（２６）は横方向の連結パイプで、該連結
パイプ（２６）の両端部には、上下片にくさび孔（２
７）を穿ったコ字形取付金（２８）を固設する。（２
９）は筋交いで、該筋交い（２９）の両端部には連結パ
イプ（２６）に着脱可能に固定する取付金（３０）を固
設する。（３１）はくさび孔（２７），（２４）にわた
して打込むくさびである。

【００１２】（ｃ）は仮設建築物（Ｂ）の周囲や屋根に
張設するシートで、防寒材のマットを合成樹脂製シート
により被覆し、その合成樹脂製シートの縁部を突出させ
て該合成樹脂製シートの端縁部を軟質合成樹脂製丸棒ま
たはロープに巻付け固定し、シート（ｃ）の端縁部に薄
肉首部（３２）を形成して係止棒体（３３）を設ける。

【００１３】（ｄ）はシート体のシート（ｃ）を連結す
る長尺のシートジョイントで、合成樹脂，アルミニウム
等より成り、断面外方への凸円弧状で縦長の台板（３
４）の両側縁部には台板（３４）の全長にわたって外方
へ屈曲した止め片（３５）を形成し、該台板（３４）の
外方には両側の縦パイプ（３６）を並設し、その両側の
縦パイプ（３６）の反対向側部に縦パイプ（３６）の全
長にわたるスリット（３７）をそれぞれ設けて成る。

【００１４】その作用を説明する。図８に示すように多
数の骨組みパイプ（２３）を前後及び左右に適当間隔で
立て、その骨組みパイプ（２３）の適当円板（２５）に
おいて、連結パイプ（２６）の両端部の取付金（２８）
を前後または左右に隣接する骨組みパイプ（２３）の円
板（２５）にそれぞれ嵌合した後、図１１に示すように
くさび（３１）を取付金（２８）のくさび孔（２７）と
円板（２５）のくさび孔（２４）に打込んで連結パイプ
（２６）の取付金（２８）を円板（２５）に固定し、前
後及び左右の多数の骨組みパイプ（２３）をそれぞれ数
個づつの連結パイプ（２６）により連繋する。

【００１５】その後、図８に示すように上下に隣接する
連結パイプ（２６）の反対側端部に筋交い（２９）の両
端部の取付金（３０）をそれぞれ取付け、すべての上下
に隣接する連結パイプ（２６）を筋交い（２９）により
それぞれ支持して仮設建築物（Ｂ）を構成する。

【００１６】一方、数枚のシート（ｃ）を並置し、図１
０に示すように隣接するシート（ｃ）の接続側の薄肉首
部（３２）をシートジョイント（ｄ）の両側の縦パイプ
（３６）のスリット（３７）内にそれぞれ通し係止棒体
（３３）を縦パイプ（３６）内に挿入してその係止棒体
（３３）を縦パイプ（３６）内に嵌着する。そして、数
枚のシート（ｃ）をシートジョイント（ｄ）により連結
して所要大きさのシート体を形成する。

【００１７】そして、外周の各骨組みパイプ（２３）の
適当箇所において、図１０に示すように順次、取付本体
（ａ）の短パイプ（２）を外側になして主クランプ
（１）の台盤（７）と押え板（８）により骨組みパイプ
（２３）を挟んだ後、ボルト（１１）をピン（１０）を
軸とし内側へ回動させて押え板（８）の突出片（１２）
の切溝（１３）内に嵌合し、その後、ナット（１５）を
締付け主クランプ（１）を骨組みパイプ（２３）に固定
して図８に示すように骨組みパイプ（２３）に多数の取
付本体（ａ）を適当間隔で取付ける。

【００１８】そこで、図８に示すように上記シート体を
仮設建築物（Ｂ）の周囲の外方に配置すると共に、図１
０に示すようにそのシート体の縦方向のシートジョイン
ト（ｄ）の台板（３４）を取付本体（ａ）の短パイプ
（２）の外側面に当てる。

【００１９】一方、クランプ（ｂ）のレバー（２１）を
図６に鎖線で示すように外方へ向けてクランプ（ｂ）の
基部が伸長した状態になし、取付本体（ａ）の短パイプ
（２）の上部において図１０に示すようにクランプ
（ｂ）を短パイプ（２）の内側部に当ててそのクランプ
（ｂ）の両側腕（５），（６）の掛け片（４）をシート
ジョイント（ｄ）の台板（３４）の両側止め片（３５）
にそれぞれ引掛けた後、レバー（２１）をピン（２２）
を軸として内方へ回動操作すれば、クランプ（ｂ）の両
側腕（５），（６）の基部が短縮し、シートジョイント
（ｄ）の台板（３４）とクランプ（ｂ）の両側腕
（５），（６）により短パイプ（２）を挟持してシート
体のシートジョイント（ｄ）はクランプ（ｂ）により短
パイプ（２）に圧接固定し、シートジョイント（ｄ）は
取付具（Ａ）のクランプ（ｂ）及び取付本体（ａ）を介
して骨組みパイプ（２３）に固定連結される。

【００２０】従って、図８に示すように骨組みパイプ
（２３）の外方に取付具（Ａ）によって一定の間隔を形
成しシート体のシートジョイント（ｄ）を支持してシー
ト（ｃ）より成るシート体が張設される。

【００２１】その際、シート（ｃ）の係止棒体（３３）
は、シート（ｃ）の重量，張力等により、図１０に示す
ようにシートジョイント（ｄ）の縦パイプ（３６）内の
外側部に圧接してその係止棒体（３３）により縦パイプ
（３６）のスリット（３７）を閉塞する。

【００２２】一方、仮設建築物（Ｂ）が高いために、上
下方向においてもシート（ｃ）を横方向のシートジョイ
ント（ｄ）により連結した長いシート体を使用する等の
場合には、図１３に示すように取付本体（ａ）の締付け
ナット（１９）をゆるめて短パイプ（２）付き間隔保持
杆（３）を９０°回転した後、締付けナット（１９）を
主クランプ（１）に締付け、短パイプ（２）を主クラン
プ（１）の軸心方向と直交状態になして固定する。

【００２３】そこで、横方向のシートジョイント（ｄ）
の対応位置において、上記と同様に取付本体（ａ）の主
クランプ（１）を骨組みパイプ（２３）に取付けた後、
短パイプ（２）の外側面に横方向のシートジョイント
（ｄ）の台板（３４）を当ててそのシートジョイント
（ｄ）の台板（３４）と短パイプ（２）をクランプ
（ｂ）により締付け固定すると、骨組みパイプ（２３）
の外方に取付具（Ａ）によって一定の間隔を形成しシー
ト体の横方向のシートジョイント（ｄ）を支持してシー
ト（ｃ）より成るシート体を張設することができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明の仮設建築用シートジョイントの
取付具は、下記のような利点がある。

【００２５】（１） 取付具の取付本体の主クランプに
より仮設建築物の骨組みパイプを抱持した後、その取付
本体の短パイプの外側面にシートジョイントの台板を当
て、その後、クランプの基部が伸長した状態で該クラン
プを上記短パイプの内側部に当ててそのクランプの両側
腕先端部の掛け片を上記シートジョイントの台板の両側
止め片にそれぞれ引掛けた後、上記クランプの基部を短
縮させると、クランプによってシートジョイントを短パ
イプに圧接固定し、仮設建築物の骨組みパイプに取付具
を介し適当間隔を形成してシートジョイントが取付けら
れる。従って、

【００２６】（イ） 骨組みパイプと適当間隔を形成し
てシートジョイントが取付けられるから、骨組みパイプ
に仮設建築物組立て用のくさび孔付き円板等が取付けら
れていても、その円板等の突出部が邪魔になることなく
シートジョイントで連結したシート体を骨組みパイプの
外方に適切に平坦状に張設保持することができて作業上
有益である。

【００２７】（ロ） 取付具の着脱操作は簡易で、取扱
い易い。

【００２８】（ハ） 取付具は任意に骨組みパイプ及び
シートジョイントの適当箇所に取付け得るから、作業し
易くて、シートジョイントを常に堅固に支持することが
できる。

【００２９】（ニ） 取付具の取付本体を主クランプに
よって骨組みパイプに取付け、その取付本体の短パイプ
にシートジョイントをクランプにより取付けるから、骨
組みパイプと取付具の取付本体、及び該取付本体とシー
トジョイントの固定は何れも確実堅固で、取付具により
シートジョイント付きシート体を適確に支持することが
できる。

【００３０】（ヘ） 取付具の取付けに熟練を要するこ
となく、素人でも適切に作業することができる。

【００３１】（３） 取付具は反復使用し得て経済的で
ある。

【００３２】（５） 簡単に構成して容易安価に製作で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様を示す仮設建築用シートジ
ョイントの取付具の分解斜視図である。

【図２】その取付具の取付本体の平面図である。

【図３】同上正面図である。

【図４】同上側面図である。

【図５】図３のＰＰ線断面図である。

【図６】同上取付具のクランプの平面図である。

【図７】同上正面図である。

【図８】その取付具を使用して仮設建築物の周囲にシー
ト体を張設した状態の一部の正断面図である。

【図９】同上要部の拡大正断面図である。

【図１０】同上平断面図である。

【図１１】同上仮設建築物の連結要部の拡大正断面図で
ある。

【図１２】同上平断面図である。

【図１３】同上取付具を使用し、骨組みパイプにシート
体の横方向のシートジョイントを取付けて仮設建築物に
シート体を張設した状態の要部の正断面図である。

【符号の説明】

Ａ 取付具 Ｂ 仮設建築物 ａ 取付本体 ｂ クランプ ｃ シート ｄ シートジョイント １ 主クランプ ２ 短パイプ ３ 間隔保持杆 ４ 掛け片 ５ 一側腕 ６ 他側腕 ７ 台盤 ８ 押え板 ９ ピン １０ ピン １１ ボルト １２ 先端突出片 １３ 切溝 １４ 先端ねじ １５ ナット １６ 通孔 １７ 固定ナット １８ 先端ねじ １９ 締付けナット ２０ 外方屈曲片 ２１ レバー ２２ ピン ２３ 骨組みパイプ ２４ くさび孔 ２５ 円板 ２６ 連結パイプ ２７ くさび孔 ２８ 取付金 ２９ 筋交い ３０ 取付金 ３１ くさび ３２ 薄肉首部 ３３ 係止棒体 ３４ 台板 ３５ 止め片 ３６ 縦パイプ ３７ スリット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 骨組みパイプを抱持する開閉可能の主ク
   ランプと短パイプを間隔保持杆により連結した取付本体
   と、その取付本体の短パイプに当てるシートジョイント
   の両側止め片にそれぞれ引掛ける掛け片を先端部内側に
   形成した両側腕の基部を伸縮可能に連結して上記短パイ
   プを抱持するクランプとより成ることを特徴とする仮設
   建築用シートジョイントの取付具。