JP3101165U - 角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造 - Google Patents

角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造 Download PDF

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幸男 蔭山
文彦 川野
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Abstract

【課題】 簡単な構成で丸穴付きの枕木に角フックボルトを回り止めした状態で固定可能な角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造を提供する。
【解決手段】 上下に配置される螺子部12及び角形断面の軸部13と、下端部に形成したフック部14と、螺子部12の側面に形成した係合面15とを有する角フックボルト11と、枕木2の上面に幅方向に配置される中間部16と、枕木2の側面に沿って下方へ延びる1対のアーム部17と、中間部16の略中央部に形成した挿通穴18と、挿通穴18の口縁に形成した係止部とを有し、挿通穴18に角フックボルト11の螺子部12を挿通させて枕木2に組付けられ、角フックボルト11のとも回りを規制可能な回り止め金具20と、角フックボルト11の螺子部12に螺合されるナット部材21とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本考案は、角フックボルトを用いて丸穴付枕木を橋梁に固定するのに好適に利用可能な角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造に関する。
橋梁のH型鋼に対して枕木を固定するための枕木固定構造として、上下に配置される螺子部及び丸形断面の軸部と、下端部に形成したフック部とを有し、螺子部と軸部とを枕木の丸穴に装着し、フック部を橋梁のH形鋼のフランジ部に圧接係合させて枕木に組付けられるフックボルトと、フックボルトの螺子部に螺合され、フック部との間に枕木とH形鋼のフランジ部とを挟持して、枕木を橋梁に固定するナット部材とを備えたものが広く採用されている。
また、ナット部材の締結時にフックボルトがとも回りすることを防止するため、前記フックボルトの螺子部の側面に螺子部の軸方向の略全長にわたって係合面を形成するとともに、この螺子部の断面形状に適合する挿通穴を形成したL字状の回り止め金具を設け、挿通穴に螺子部を挿通させて回り止め金具を枕木の一方の側面に係合させることで、ナット部材を螺子部に締結するときにおけるフックボルトのとも回りを防止するようになした枕木固定構造も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、回り止め金具を用いることなく、フックボルトのとも回りを防止するための枕木固定構造として、フックボルトの軸部を角形断面に形成し、軸部に適合する角穴を枕木に形成し、フックボルトの軸部と枕木の角穴との係合により、フックボルトのとも回りを防止する枕木固定構造も提案され実用化されつつある。
実開昭63−95711号公報
ところで、軸部を角形断面に形成したフックボルト(以下、角フックボルトと称する)は、とも回り防止用の部材を別途設ける必要がなく、また材質や寸法を適正に設定することで、丸形断面のフックボルト(以下、丸フックボルトと称する)よりも引張り強度や締付けトルクを高く設定できるとともに、フック部のバネ効果を十分に発揮させて列車通過時における振動によってもナット部材が緩まないように構成できるという優れた利点を有しているが、枕木の耐用年数はフックボルトの耐用年数に比して格段に長く、既設の丸穴付きの枕木に関してはその交換時まで丸フックボルトを使用する必要があり、角フックボルトの普及が遅々として進まないという問題があった。
本考案の目的は、簡単な構成で丸穴付きの枕木に角フックボルトを回り止めした状態で固定可能な角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造を提供することである。
本出願人は、角フックボルトの普及について鋭意研究した結果、既設の丸穴付きに枕木に対して組み付け得るサイズの角フックボルトであっても、材質や寸法を適正に設定することで、引張り強度や締付けトルク、フック部のバネ効果を十分に確保できるとの試験結果を得て本考案を完成するに至った。
本考案に係る第1の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造は、枕木に形成した丸穴に角フックボルトを組付けて橋梁に対して枕木を固定する角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造であって、上下に配置される螺子部及び角形断面の軸部と、下端部に形成したフック部と、螺子部の側面にその軸方向の略全長にわたって形成した回り止め用の係合面とを有し、螺子部と軸部とを枕木の丸穴に装着し、フック部を橋梁の一部に係合させて枕木に組付けられる角フックボルトと、前記枕木の上面に幅方向に配置される中間部と、枕木の側面に沿って下方へ延びる1対のアーム部と、中間部の略中央部に形成した挿通穴と、挿通穴の口縁に形成した係止部とを有し、挿通穴に角フックボルトの螺子部を挿通させて枕木に組付けられ、係止部が角フックボルトの係合面に係合するとともに、アーム部が枕木に係合することで角フックボルトのとも回りを規制可能な回り止め金具と、前記角フックボルトの螺子部に螺合され、フック部との間に枕木と橋梁の一部と回り止め金具とを挟持して、枕木を橋梁に固定するナット部材とを備えたものである。
この第1の枕木固定構造は、枕木に形成した丸穴に角フックボルトを装着して枕木を固定するので、既設の丸穴付き枕木に対してもそれに組付けられる丸フックボルトの交換時に、丸フックボルトに代えて角フックボルトを組付けることができる。また、角フックボルトの螺子部にその略全長にわたって係合面を形成するとともに、簡単な構成の回り止め金具を設けることで、回り止め金具の係止部と角フックボルトの係合面との係合と、アーム部と枕木の両側面との係合とにより、ナット部材の締め付け時における角フックボルトのとも回りを防止できる。しかも、回り止め金具の中間部を枕木の上面側に配置させるので、枕木の上側からの回り止め金具の組付けが可能で、現場における回り止め金具の組付性を向上できるとともに、アーム部の両側面を枕木の側面に係合させるので、回り止め金具を安定的に枕木に係合させることができる。
ここで、前記挿通穴を枕木の幅方向に細長い長穴状に形成すること、前記ナット部材と回り止め金具間において螺子軸にスプリングワッシャと座板とを上下に外嵌装着すること、などが好ましい実施例である。
本考案に係る第2の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造は、枕木に形成した丸穴に角フックボルトを組付けて橋梁に対して枕木を固定する角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造であって、上下に配置される螺子部及び角形断面の軸部と、下端部に形成したフック部とを有し、螺子部と軸部とを枕木の丸穴に装着し、フック部を橋梁の一部に係合させて枕木に組付けられる角フックボルトと、前記枕木の下面に幅方向に配置される中間部と、枕木の側面に沿って上方へ延びる1対のアーム部と、両アーム部の上端から内向きに延びて枕木の上面に係合する爪部と、中間部の略中央部に形成した、角フックボルトの軸部に適合した角穴状の挿通穴とを有し、挿通穴に角フックボルトの軸部を挿通させて枕木に組付けられ、挿通穴が角フックボルトの軸部に係合するとともに、アーム部が枕木に係合することで角フックボルトのとも回りを規制可能な回り止め金具と、前記角フックボルトの螺子部に螺合され、フック部との間に枕木と橋梁の一部と回り止め金具を挟持して、枕木を橋梁に固定するナット部材とを備えたものである。
この第2の枕木固定構造は、枕木に形成した丸穴に角フックボルトを装着して枕木を固定するので、既設の丸穴付き枕木に対してもそれに組付けられる丸フックボルトの交換時に、丸フックボルトに代えて角フックボルトを組付けることができる。また、簡単な構成の回り止め金具を設けることで、回り止め金具の挿通穴と角フックボルトの軸部との係合と、アーム部と枕木の両側面との係合とにより、ナット部材の締め付け時における角フックボルトのとも回りを防止できる。しかも、回り止め金具の中間部を枕木の下面側に配置させるので、現場における回り止め金具の組付性は多少低下するが、爪部を枕木の上面側に係合させるので、回り止め金具を仮固定した状態でナット部材を締結することが可能となり、しかもアーム部の両側面を枕木の側面に係合させるので、回り止め金具を安定的に枕木に係合させることができる。
ここで、前記回り止め金具の中間部の長さを枕木の幅よりもやや大きく設定すること、前記枕木とナット部材間において螺子軸にスプリングワッシャと座板とを上下に外嵌装着すること、前記角フックボルトを下側へ付勢する弾性部材をフック部と回り止め金具間において軸部に外嵌装着すること、などが好ましい実施例である。
また、第1及び第2の枕木固定構造において、前記角フックボルトの螺子部の上端近傍部に取付穴を形成し、この取付穴にナット部材の脱落を規制する金属線材からなるピン部材であって、一端部に金属線材の途中部を曲げ加工することで、取付穴へのピン部材の取付操作用の操作部を形成し、他端側部分に操作部から略同方向へ延びる2本のピン本体を形成し、一方のピン本体に取付穴に挿通されるストレート状の挿入部を形成し、他方のピン本体に螺子部の外周に沿って配置される湾曲状の保持部と、保持部の突出側へ保持部に連なって延びる略U字状の案内部と、挿入部を挟んで反対側へ案内部に連なって延びる脱落規制部とを形成したピン部材を取付けること、などが好ましい実施例である。
本考案に係る第1の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造によれば、既設の丸穴付き枕木に対してもそれに組付けられる丸フックボルトの交換時に、丸フックボルトに代えて角フックボルトを組付けることができる。また、簡単な構成の回り止め金具を設けることで、ナット部材の締め付け時における角フックボルトのとも回りを防止でき、しかもこの回り止め金具は枕木の上側からの組付けが可能なので、現場における回り止め金具の組付性を向上できる。更に、回り止め金具のアーム部の両側面を枕木の側面に係合させるので、角フックボルトのとも回りを安定性良く防止できる。
ここで、前記挿通穴を枕木の幅方向に細長い長穴状に形成すると、枕木に形成された丸穴の位置が幅方向に多少ずれていた場合でも、回り止め金具を枕木の幅方向に位置調整して、枕木の丸穴と回り止め金具の挿通穴とを位置合わせして、角フックボルトを両穴に装着できるので好ましい。
また、前記ナット部材と回り止め金具間において螺子軸にスプリングワッシャと座板とを上下に外嵌装着すると、列車通過時における振動でナット部材が緩むことをスプリングワッシャにより効果的に防止できる。また、座板を設けることで、挿通穴を長穴に構成した場合でも、この座板によりスプリングワッシャを安定性良く受け止めることが可能となる。
本考案に係る第2の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造によれば、既設の丸穴付き枕木に対してもそれに組付けられる丸フックボルトの交換時に、丸フックボルトに代えて角フックボルトを組付けることができる。また、簡単な構成の回り止め金具を設けることで、ナット部材の締め付け時における角フックボルトのとも回りを防止できる。しかも、回り止め金具の爪部を枕木の上面側に係合させるので、回り止め金具を仮固定した状態でナット部材を締結することが可能となり、ナット部材の締め付け作業の作業性を向上できるとともに、アーム部の両側面を枕木の側面に係合させるので、角フックボルトのとも回りを安定性良く防止できる。
ここで、前記回り止め金具の中間部の長さを枕木の幅よりもやや大きく設定すると、中間部を枕木の幅方向に位置調整することで、回り止め金具の挿通穴と枕木の丸穴とを位置合わせてして、角フックボルトを両穴に装着できる。
前記枕木とナット部材間において螺子軸にスプリングワッシャと座板とを上下に外嵌装着すると、列車通過時における振動でナット部材が緩むことをスプリングワッシャにより効果的に防止できる。
前記角フックボルトを下側へ付勢する弾性部材をフック部と回り止め金具間において軸部に外嵌装着すると、回り止め部材をガタなく組み付けることができるとともに、列車通過時等における振動を弾性部材で吸収して該振動でナット部材が緩むことを防止できる。
第1及び第2の枕木固定構造において、前記角フックボルトの素材として、JIS規格のJIS G 3101で規定される一般構造用圧延鋼材SS400を用いると、既設の枕木における丸穴に組付け可能なサイズに角フックボルトを構成しつつ、角フックボルトの強度剛性や締め付けトルクを十分に確保することが可能となる。
前記角フックボルトの螺子部の上端近傍部に取付穴を形成し明瞭、この取付穴にナット部材の脱落を規制する金属線材からなるピン部材であって、一端部に金属線材の途中部を曲げ加工することで、取付穴へのピン部材の取付操作用の操作部を形成し、他端側部分に操作部から略同方向へ延びる2本のピン本体を形成し、一方のピン本体に取付穴に挿通されるストレート状の挿入部を形成し、他方のピン本体に螺子部の外周に沿って配置される湾曲状の保持部と、保持部の突出側へ保持部に連なって延びる略U字状の案内部と、挿入部を挟んで反対側へ案内部に連なって延びる脱落規制部とを形成したピン部材を取付けてもよい。この場合には、挿通部を角フックボルトの取付穴に挿通させ、保持部を螺子部の外周部に圧接させてピン部材を角フックボルトの螺子部に取付けることになる。そして、このようにピン部材を取付けた状態では、脱落規制部が挿入部を挟んで反対側まで延びているので、取付穴からピン部材を引き抜く際には、挿入部を中心にピン部材を回転させながら引き抜く必要があり、単に挿入部の方向にピン部材を引き抜こうとしても脱落規制部が角フックボルトの螺子部に係合するので、列車通過時の振動等でピン部材が脱落するという不具合を確実に防止できる。
先ず、本考案の第1実施例について図面を参照しながら説明する。尚、本実施例では、枕木の長さ方向を左右方向と定義し、H形鋼の長さ方向を前後方向と定義して説明する。
図1に示すように、橋梁には左右1対のH形鋼1が間隔をあけて略並行に設けられ、枕木2は左右のH形鋼1にわたってその上側に架け渡して設けられ、左右1対の枕木固定構造10によりH形鋼1に固定されている。レール5は、図示外の固定手段により左右に間隔をあけて枕木2上に固定されている。
次に、左右の枕木固定構造10について説明するが、両枕木固定構造10は左右対称の構成なので、右側のものについて説明する。
枕木固定構造10は、図1〜図6に示すように、枕木2に形成した丸穴3に角フックボルト11を組付けて橋梁のH形鋼1に対して枕木2を固定するもので、上下に配置される螺子部12及び角形断面の軸部13と、下端部に形成したフック部14と、螺子部12の側面にその軸方向の略全長にわたって形成した回り止め用の係合面15とを有し、螺子部12と軸部13とを枕木2の丸穴3に装着し、フック部14を橋梁のH形鋼1のフランジ部4に係合させて枕木2に組付けられる角フックボルト11と、枕木2の上面に幅方向に配置される中間部16と、枕木2の側面に沿って下方へ延びる1対のアーム部17と、中間部16の略中央部に形成した挿通穴18と、挿通穴18の口縁に形成した係止部19とを有し、挿通穴18に角フックボルト11の螺子部12を挿通させて枕木2に組付けられ、係止部19が角フックボルト11の係合面15に係合するとともに、アーム部17が枕木2に係合することで角フックボルト11のとも回りを規制可能な回り止め金具20と、角フックボルト11の螺子部12に螺合され、フック部14との間に枕木2と橋梁の一部と回り止め金具20とを挟持して、枕木2を橋梁に固定するナット部材21と、ナット部材21と回り止め金具20間において螺子部12に上下に外嵌装着したスプリングワッシャ22及び座板23と、ナット部材21の脱落を防止するために角フックボルト11の上端部に取り付けたピン部材24とを備えている。
前記角フックボルト11の素材として、本実施例ではJIS規格のJIS G 3101で規定される一般構造用圧延鋼材SS400を用いたが、枕木2の固定に必要な強度剛性を有するものであれば任意の金属材料を用いることができる。角フックボルト11の軸部13の長さは、フック部14をフランジ部4の下面に圧接係止させた状態で、螺子部12の途中部が枕木2の上面高さに位置する長さに設定されている。また、軸部13の横断面形状は、図6に示すように、略小判型に形成したが略正方形状や長方形状に形成してもよい。尚、本実施例において角形断面とは、略平行な2面を少なくとも1組有するものを指すものとする。
フック部14は、H形鋼1の上側のフランジ部4に下側から当接可能なものであれば任意の形状やサイズに設定可能であり、図1〜図3に示すように正面視で略半円弧状に形成してもよいし、軸部13の下端部から斜め上方へ略ストレート状に延びた形状に形成することも可能である。
螺子部12は締め付けトルクを十分に確保するため転造により形成したが、切削により形成することも可能である。螺子部12に形成する係合面15は、切削加工により形成してもよいが、螺子部12における強度を確保するためプレス成形にて形成することが好ましい。また、係合面15の個数は、3つ以上になると締め付けトルクを十分に確保できなくなるので、1乃至2つ形成することが好ましい。係合面15は螺子部12の外周の任意の位置に形成でき、図5に示すように、螺子部12の左右面に形成してもよいし、螺子部12の前後面に形成してもよい。
回り止め金具20の中間部16は枕木2の幅よりも多少長く設定され、中間部16に形成する挿通穴18は、枕木2における丸穴3の形成位置の誤差を吸収するため、枕木2の幅方向(前後方向)に細長い長穴状に形成されている。回り止め金具20の幅は、任意に設定可能であるが、回り止め金具20の取り付け安定性を確保するため角フックボルト11の直径の約3倍程度に設定することが好ましい。
ナット部材21としては、緩み防止機能を有するロックナットやハードロックナットなどの周知の構成のものを採用できる。スプリングワッシャ22は周知の構成のもので、列車通過時等の振動によりナット部材21が緩むことを防止するためのものである。
図1、図3、図4に示すように、ピン部材24は金属線材を曲げ加工して製作したもので、角フックボルト11の螺子部12の上端近傍部に形成した取付穴25に取付けられている。ピン部材24の一端部には金属線材の途中部を環状に曲げ加工することで、取付穴25へのピン部材24の取付操作用の操作部26が形成され、ピン部材24の他端側部分には操作部26から略同方向へ延びる2本のピン本体27が形成され、一方のピン本体27には取付穴25に挿通されるストレート状の挿入部28が形成され、他方のピン本体27には螺子部12の外周に沿って配置される湾曲状の保持部29と、保持部29の端部から保持部29の略突出側へ延びる略U字状の案内部30と、案内部30の端部から挿入部28を挟んで反対側へ延びる脱落規制部31とが形成されている。尚、このピン部材24は、枕木固定構造10以外の用途にも用いることができる。
このピン部材24においては、挿入部28を取付穴25に挿入し、保持部29を素材の弾性で螺子部12の外周面に圧接させて、螺子部12からの脱落が防止されるとともに、脱落規制部31が螺子部12の外周面に係合してピン部材24の抜け方向への移動が規制されるので、列車通過時等における振動でピン部材24が螺子部12から脱落することが確実に防止される。尚、ピン部材24を抜き取る際には、挿入部28を中心としてピン部材24を捩りながら抜き取ることになる。
このような枕木固定構造10により枕木2を固定する際には、角フックボルト11の螺子部12及び軸部13を下側から枕木2の丸穴3に挿通させて、角フックボルト11のフック部14をH形鋼1のフランジ部4の下側に位置させた状態で、回り止め金具20と座板23とスプリングワッシャ22とを螺子部12に順番に装着して、回り止め金具20の中間部16を枕木2の上面にセットするとともに、回り止め金具20のアーム部17を枕木2の左右両側に配置させ、ナット部材21を螺子部12に締結してからピン部材24を螺子部12に取付けて組み立てることになる。
この枕木固定構造10では、枕木2に形成した丸穴3に角フックボルト11を組付けることができるので、丸フックボルトに代えて角フックボルトを普及させることが可能となる。しかも、この角フックボルト11はSS400で構成しているので、十分な引張り強度や締め付けトルクを確保することができる。また、列車通過時等における振動は、軸部13及び螺子部12の長さ方向への弾性変形や、フック部14やスプリングワッシャ22の弾性変形により、効果的に吸収することが可能となり、該振動によりナット部材21が緩むことを効果的に防止できる。また、簡単な回り止め金具20を設けることで、枕木2に対する角フックボルト11の組付性を低下させることなく、ナット部材21の締め付け時における角フックボルト11のとも回りを防止できる。
次に、本考案の第2実施例について図面を参照しながら説明する。尚、前記第1実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、枕木2は左右1対の枕木固定構造10Aにより橋梁のH形鋼1に固定されるが、両枕木固定構造10Aは左右対称の構成なので、右側のものについて以下説明する。
図7〜図9に示すように、この枕木固定構造10Aは、枕木2に形成した丸穴3に角フックボルト11Aを組付けて橋梁に対して枕木2を固定するもので、前記第1実施例における螺子部12から係合面15を省略した螺子部12Aを有する角フックボルト11Aであって、螺子部12Aと軸部13とを枕木2の丸穴3に装着し、フック部14を橋梁の一部に係合させて枕木2に組付けられる角フックボルト11Aと、枕木2の下面に幅方向に配置される中間部40と、枕木2の側面に沿って上方へ延びるアーム部41と、両アーム部41の上端から内向きに延びて枕木2の上面に係合する爪部42と、中間部40の略中央部に形成した、角フックボルト11Aの軸部13に適合した角穴状の挿通穴43とを有し、挿通穴43に角フックボルト11Aの軸部13を挿通させて枕木2に組付けられ、挿通穴43が角フックボルト11Aの軸部13に係合するとともに、アーム部41が枕木2に係合することで角フックボルト11Aのとも回りを規制可能な回り止め金具44と、角フックボルト11Aの螺子部12Aに螺合され、フック部14との間に枕木2と橋梁の一部と回り止め金具44を挟持して、枕木2を橋梁に固定するナット部材21と、枕木2とナット部材21間において螺子部12Aに上下に外嵌装着したスプリングワッシャ22及び座板23と、フック部14と回り止め金具44間において軸部13に上下に外嵌装着した弾性部材45及び受板46と、ナット部材21の脱落を防止するために角フックボルト11Aの上端部に取り付けたピン部材24とを備えている。尚、本第2実施例では、前記第1実施例における角フックボルト11から係合面15を省略した角フックボルト11Aを用いたが、前記第1実施例で用いた角フックボルト11をそのまま利用することも可能である。
角フックボルト11Aは、螺子部12から係合面15を省略した以外は前記第1実施例の角フックボルト11と同様に構成されている。軸部13の長さは、フック部14をH形鋼1のフランジ部4の下面に圧接係合させた状態で、螺子部12の途中部が枕木2の上面高さに位置する長さに設定されている。
回り止め金具44は、細長い金属板を折曲したもので、中間部40と1対のアーム部41と爪部42とで倒立略門形に形成されている。回り止め金具44の挿通穴43は、角フックボルト11Aの軸部13に相対回転不能に外嵌する形状であれば任意の形状に構成でき、角フックボルト11Aの軸部13の平行な1対の係合面47に係合する係合部48を有する略正方形や長方形の角穴状や、軸部13の下端部に適合した略小判型に形成してもよい。回り止め金具44の中間部40は枕木2の幅よりも多少長く設定され、回り止め金具44を枕木2に取付けた状態で、中間部40を長さ方向に移動させることで、枕木2における丸穴3の形成位置の誤差に応じて挿通穴43の位置を微調整できるように構成されている。
受板46は、中央部に角フックボルト11Aの軸部13の下端部に係合する角穴49を形成した板状部材で構成されている。弾性部材45は圧縮コイルバネで構成され、弾性部材45は受板46により下側から支持されている。ナット部材21を締め付けると弾性部材45が圧縮されて回り止め金具44の中間部40が枕木2の底面に圧接され、列車通過時等における回り止め金具44の振動が防止されるように構成されている。
このような枕木固定構造10Aにより枕木2を固定する際には、先ず爪部42を枕木2の上面に係合させて回り止め金具44を枕木2に組付け、角フックボルト11Aに受板46及び弾性部材45を装着した状態で、枕木2の下側から螺子部12A及び軸部13を回り止め金具44の挿通穴43及び枕木2の丸穴3に挿通させるとともに、角フックボルト11Aのフック部14をH形鋼1のフランジ部4の下側に位置させる。次に、枕木2から上方へ突出する螺子部12Aに座板23とスプリングワッシャ22とを順番に装着してから、ナット部材21を螺子部12Aに締結し、最後にピン部材24を螺子部12Aに取付けて組み立てることになる。
本考案に係る第1の枕木固定構造の分解斜視図 角フックボルトの斜視図 組立状態における図1のA−A線断面図 図3のB−B線断面図 図3のC−C線断面図 図3のD−D線断面図 本考案に係る第2の枕木固定構造の分解斜視図 枕木固定構造の縦断面図(図4相当図) 図8のE−E線断面図
符号の説明
1 H形鋼 2 枕木
3 丸穴 4 フランジ部
5 レール
10 枕木固定構造 11 角フックボルト
12 螺子部 13 軸部
14 フック部 15 係合面
16 中間部 17 アーム部
18 挿通穴 19 係止部
20 回り止め金具 21 ナット部材
22 スプリングワッシャ
23 座板 24 ピン部材
25 取付穴 26 操作部
27 ピン本体 28 挿入部
29 保持部 30 案内部
31 脱落規制部
10A 枕木固定構造 11A 角フックボルト
12A 螺子部 40 中間部
41 アーム部 42 爪部
43 挿通穴 44 回り止め金具
45 弾性部材 46 受板
47 係合面 48 係合部
49 角穴

Claims (9)

  1. 枕木に形成した丸穴に角フックボルトを組付けて橋梁に対して枕木を固定する角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造であって、
    上下に配置される螺子部及び角形断面の軸部と、下端部に形成したフック部と、螺子部の側面にその軸方向の略全長にわたって形成した回り止め用の係合面とを有し、螺子部と軸部とを枕木の丸穴に装着し、フック部を橋梁の一部に係合させて枕木に組付けられる角フックボルトと、
    前記枕木の上面に幅方向に配置される中間部と、枕木の側面に沿って下方へ延びる1対のアーム部と、中間部の略中央部に形成した挿通穴と、挿通穴の口縁に形成した係止部とを有し、挿通穴に角フックボルトの螺子部を挿通させて枕木に組付けられ、係止部が角フックボルトの係合面に係合するとともに、アーム部が枕木に係合することで角フックボルトのとも回りを規制可能な回り止め金具と、
    前記角フックボルトの螺子部に螺合され、フック部との間に枕木と橋梁の一部と回り止め金具とを挟持して、枕木を橋梁に固定するナット部材と、
    を備えたことを特徴とする角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  2. 前記挿通穴を枕木の幅方向に細長い長穴状に形成した請求項1記載の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  3. 前記ナット部材と回り止め金具間において螺子軸にスプリングワッシャと座板とを上下に外嵌装着した請求項1又は2記載の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  4. 枕木に形成した丸穴に角フックボルトを組付けて橋梁に対して枕木を固定する角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造であって、
    上下に配置される螺子部及び角形断面の軸部と、下端部に形成したフック部とを有し、螺子部と軸部とを枕木の丸穴に装着し、フック部を橋梁の一部に係合させて枕木に組付けられる角フックボルトと、
    前記枕木の下面に幅方向に配置される中間部と、枕木の側面に沿って上方へ延びる1対のアーム部と、両アーム部の上端から内向きに延びて枕木の上面に係合する爪部と、中間部の略中央部に形成した、角フックボルトの軸部に適合した角穴状の挿通穴とを有し、挿通穴に角フックボルトの軸部を挿通させて枕木に組付けられ、挿通穴が角フックボルトの軸部に係合するとともに、アーム部が枕木に係合することで角フックボルトのとも回りを規制可能な回り止め金具と、
    前記角フックボルトの螺子部に螺合され、フック部との間に枕木と橋梁の一部と回り止め金具を挟持して、枕木を橋梁に固定するナット部材と、
    を備えたことを特徴とする角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  5. 前記回り止め金具の中間部の長さを枕木の幅よりもやや大きく設定した請求項4記載の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  6. 前記枕木とナット部材間において螺子軸にスプリングワッシャと座板とを上下に外嵌装着した請求項4又は5記載の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  7. 前記角フックボルトを下側へ付勢する弾性部材をフック部と回り止め金具間において軸部に外嵌装着した請求項4〜6のいずれか1項記載の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  8. 前記角フックボルトの素材として、JIS規格のJIS G 3101で規定される一般構造用圧延鋼材SS400を用いた請求項1〜7のいずれか1項記載の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
  9. 前記角フックボルトの螺子部の上端近傍部に取付穴を形成し、この取付穴にナット部材の脱落を規制する金属線材からなるピン部材であって、一端部に金属線材の途中部を曲げ加工することで、取付穴へのピン部材の取付操作用の操作部を形成し、他端側部分に操作部から略同方向へ延びる2本のピン本体を形成し、一方のピン本体に取付穴に挿通されるストレート状の挿入部を形成し、他方のピン本体に螺子部の外周に沿って配置される湾曲状の保持部と、保持部の突出側へ保持部に連なって延びる略U字状の案内部と、挿入部を挟んで反対側へ案内部に連なって延びる脱落規制部とを形成したピン部材を取付けた請求項1〜8のいずれか1項記載の角フックボルトを用いた橋梁用丸穴付枕木固定構造。
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