JP4279631B2 - 窒化物系半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)ウエハー基板の一方の面上に窒化物系半導体からなる積層体が形成されるとともに、分断後に素子となる部位に個々の素子に必要な構造を付与されてなり、分断後に素子となる部位同士の間には分断シロが設けられている半導体ウエハーを準備する工程と、
上記ウエハー基板の他方の面に対し、上記分断シロに沿ってスクライバーで割溝を形成する工程と、
上記割溝において上記半導体ウエハーを個々の素子へと分断する工程と、
を有する、窒化物系半導体素子の製造方法において、
上記分断する工程の前に、上記割溝の内部斜面をドライエッチングによって平滑化する工程を備え、
上記平滑化する工程におけるドライエッチングによって上記割溝以外の上記他方の面が粗面化されるように、上記割溝以外の上記他方の面にマスクを形成する、
ことを特徴とする、窒化物系半導体素子の製造方法。
(2)上記粗面化により形成された凹凸の高低差が50〜20000nmである、上記(1)記載の製造方法。
(3)上記スクライバーが、レーザースクライブ装置である、上記(1)または(2)記載の製造方法。
(4)上記マスクが、非マスク部が分散しているマスクである、上記(1)〜(3)記載の製造方法。
(5)上記マスクが、厚さにむらがあるマスクである、上記(1)〜(3)記載の製造方法。
(6)上記マスクが、材料組成に分布があるマスクである、上記(1)〜(3)記載の製造方法。
(7)上記マスクが、ドーム状のマスクである、上記(1)〜(3)記載の製造方法。
この場合のマスク2は、ドライエッチングの保護マスクであると同時に、パターニング用のマスクをも兼ねる。「非マスク部」とは、マスク2における、割溝3に対応する部分以外の開口部を意味する。開口部においてはエッチングが進行するため、開口部以外のエッチングが進行し難い部分が並存することで、エッチングレートが不均一化するので、粗面化が達成される。
マスクの厚みを不均一化することで、エッチングされる程度がウエハー基板11の他方の面内で異なるようになる。マスクの厚みを不均一化させる手段としては、マスクとしてフォトレジストを用い、かつ、レジスト形成時に露光量を部分的に変化させることが挙げられる。
マスク2の材料の耐エッチング性をマスク面内で不均一にしたり、異種材料の重ね合わせでマスクを構成するに際して当該材料をマスク面内で不均一になるようにすることで、ウエハー基板11の他方の面内のエッチングレートを不均一にし得る。そのような重ね合わせとしては、樹脂/樹脂であっても、樹脂/金属であっても、またその他のいかなる組合せでもよい。
マスク2として、熱処理により形状を丸くしたドーム状のレジストを用いる。レジストの「形状が丸い」とはレジスト層の角が丸いことを意味する。レジスト層の「角」とは、ウエハー基板11と接していない側の角を意味する。そのようなレジストを形成するには、レジストを形成する際のベーキングの温度を硬化温度近くまで上げればよい。そのことにより、レジスト材料の粘性が高まり、ダレを生ぜしめる(角を丸くする)ことができる。このように、形状を丸くしたレジストを用いドライエッチングすることにより、ウエハー基板11の他方の面にドーム状の丸い凸部(図示せず)を形成することができる。ウエハー基板11の他方の面に、このような凸部が形成されることにより、光取出し効率の向上が期待される。
直径2インチのC面サファイアウエハー基板11を、MOVPE装置に装着し、水素雰囲気下で1100℃まで昇温し、サーマルエッチングを行った。その後、温度を330℃まで下げ、III族原料としてトリメチルガリウム(以下TMGとも表記する)およびトリメチルアルミニウムを用いて、N原料としてアンモニアを流しながら、厚さ20nmのAlGaN低温バッファ層を成長させた。続いて1000℃に昇温し、原料としてTMG、アンモニアを流し、アンドープのGaN結晶層を2μm成長させた後、SiH4を流し、Siドープのn型GaNコンタクト層を3μm成長させた。続いて、温度を800℃に低下させた後、Siを5×1017cm-3添加したGaN障壁層(厚さ10nm)と、InGaN井戸層(発光波長380nm、In組成は0.03、厚さ3nm)とのペアを、6周期からなる発光層を作製した。成長温度を1000℃にして、厚さ30nmのp型AlGaNクラッド層、厚さ150nmのp型GaNコンタクト層を順に成長した。その後加熱を停止し、TMG、NH3の供給を停止して室温まで自然冷却した。このようにして発光波長380nmの近紫外LEDウエハーを得た。
上記RIEにてエッチング工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして素子10を得た。この素子10をステム台4にAuSnを用いてダイボンドして得られるサンプルのうち、上述の接着強度が80g以上であるサンプルは全体の95%にすぎなかった。この原因を調査した結果、割溝3に固着した白濁部の盛り上がりによる組み立て不良であることがわかった。その後、ワイヤーボンディングにより通電可能な状態とし、素子特性を測ったところ、380nm−4.5mWの素子特性を示した。この出力の低下は白濁部による光吸収の影響であると考えられる。
上述の割溝形成をダイヤモンドスクライブで行ったこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを得た。このサンプルをRIE装置にてエッチングを行なった後、ブレ−キング装置にて素子10に分割したところ、きれいな矩形に分割することが出来た。また、この素子10をステム台4にAuSnを用いてダイボンドした後、ワイヤーボンディングにより通電可能な状態とし、素子特性を測ったところ、380nm−5mWの素子特性を示した。
実施例2のうちRIEにてエッチング工程を行わなかったこと以外は実施例2と同じとした。このサンプルをブレ−キング装置にて素子10に分割したところ、チッピングが多発し、チッピングが発光部まで達したものが全体の約20%も存在していた。
上述の製造方法において、Al/Ti/Auからなる反射膜2を設ける代わりに、厚さ66.9nmのSiO2(誘電体膜)を設け、その上にレジストマスクを配置したこと以外は実施例1と同様にして素子10を得た。
RIEエッチングおよびレジストの剥離後、GaN系発光面が下、サファイア基板側が上面になるようにフリップチップ実装に供した。その後、素子特性を測ったところ、380nm−7mWの素子特性を示した。
上述の誘電体膜を形成しなかったこと以外は実施例3と同じようにして素子を得た。得られた素子特性を測ったところ、380nm−5mWの素子特性を示した。
実施例1の製造方法を次のように変更した。サファイア基板面にレジストを塗布した後、露光を行い、割溝3の部分に塗付されたレジストが除去されて、それ以外のところのレジストが直径10μmの円状になるようにした。なお、この円状に残るレジストはその隣合うレジストの中心位置が20μmの間隔になるような配置とした。円状のレジストの厚みは6μmとした。このレジストを現像した後、ハードベーキングを行い、レジスト角部が丸くなるような処理を施した。この断面形状はドーム状であった。
続いて、RIEに設置後、レジストが完全になくなる程度にエッチングを行った。このサンプルを観察したところ、サファイア基板面にドーム状の凹凸が多数形成されていた。この素子をGaN系発光面が下、サファイア基板側が上面になるようにフリップチップ実装を行ない、素子特性を測ったところ、380nm−7mWの素子特性を示した。
10 素子
11 ウエハー基板
12 積層体
2 マスク
3 割溝
4 ステム台
Claims (7)
- ウエハー基板の一方の面上に窒化物系半導体からなる積層体が形成されるとともに、分断後に素子となる部位に個々の素子に必要な構造を付与されてなり、分断後に素子となる部位同士の間には分断シロが設けられている半導体ウエハーを準備する工程と、
上記ウエハー基板の他方の面に対し、上記分断シロに沿ってスクライバーで割溝を形成する工程と、
上記割溝において上記半導体ウエハーを個々の素子へと分断する工程と、
を有する、窒化物系半導体素子の製造方法において、
上記分断する工程の前に、上記割溝の内部斜面をドライエッチングによって平滑化する工程を備え、
上記平滑化する工程におけるドライエッチングによって上記割溝以外の上記他方の面が粗面化されるように、上記割溝以外の上記他方の面にマスクを形成する、
ことを特徴とする、窒化物系半導体素子の製造方法。 - 上記粗面化により形成された凹凸の高低差が50〜20000nmである、請求項1に記載の製造方法。
- 上記スクライバーが、レーザースクライブ装置である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 上記マスクが、非マスク部が分散しているマスクである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記マスクが、厚さにむらがあるマスクである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記マスクが、材料組成に分布があるマスクである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記マスクが、ドーム状のマスクである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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