JP4279582B2 - 電動モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置等に用いて好適な電動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の電動パワーステアリング装置は、特許文献1に記載の如く、電動モータの回転軸に操舵装置のアシスト軸を接続し、電動モータの回転力を操舵装置に伝えることにより、運転者がステアリング軸に付与する操舵力をアシストする。
【0003】
従来の電動モータは、特許文献2に記載の如く、ブラシホルダのホルダ面上に設けたブラシ保持部にブラシを保持し、ブラシに接続されたピグテールをブラシホルダのホルダ面上に設けたピグテール保持部に保持し、このピグテールを給電ターミナルに接続している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9-84300
【0005】
【特許文献2】
特許3207177
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、ブラシホルダのホルダ面上に設けたピグテール保持部が、ホルダ面に対して上方に開口する保持溝を有し、ピグテールをこの保持溝に挿入してホルダ面に沿う横方向から保持するに過ぎず、保持溝の開口に抜け止めも備えていない。このため、車両の振動等により、ピグテールが振れ動き、電流リップル等のモータ性能に悪影響を及ぼす。
【0007】
本発明の課題は、電動モータにおいて、ブラシに接続されたピグテールをブラシホルダのホルダ面上で安定的に保持することにある。
【0008】
請求項1の発明は、ブラシホルダのホルダ面上に、ブラシを保持するブラシ保持部と、ブラシに接続されたピグテールを保持するピグテール保持手段とを有してなる電動モータにおいて、前記ピグテール保持手段が、ホルダ面に沿う横方向でピグテールを保持する横方向ピグテール保持部と、ホルダ面に交差する縦方向でピグテールを保持する縦方向ピグテール保持部とを互いに近接配置してなり、各ピグテール保持部のそれぞれが、ピグテールを挿入可能にする保持溝を有し、該保持溝の開口に該ピグテールの抜け止め部を備えてなるようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電動モータを用いてなる電動パワーステアリング装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う矢視図、図5は図4のV−V線に沿う断面図、図6はブラシホルダを示し、(A)は断面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、図7は図6のVII−VII線に沿う矢視図、図8はマグネットホルダを示し、(A)は断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は端面図、図9はブラシを示し、(A)は側面図、(B)は平面図、(C)は要部底面図、図10はターミナルの組付状態を示し、(A)は組付良を示す模式図、(B)は組付不良を示す模式図である。
【0013】
電動パワーステアリング装置10は、図1、図2に示す如く、車体フレーム等に固定されるアルミ合金製のギヤハウジング11を有する。そして、ステアリングホイールが結合されるステアリング軸12にトーションバー13を介してピニオン軸14を連結し、このピニオン軸14にピニオン15を設け、このピニオン15に噛合うラック16Aを備えたラック軸16をギヤハウジング11に左右動可能に支持している。ステアリング軸12とピニオン軸14の間には、操舵トルク検出装置17を設けてある。尚、ステアリング軸12とピニオン軸14は軸受12A、14A、14Bを介してギヤハウジング11に支持される。ラック軸16は、一端をラックガイド18Aに、他端を軸受18Bに摺動自在に支持される。そして、ラック軸16の中間部には左右のタイロッド19A、19Bが連結される。
【0014】
ギヤハウジング11には、図3に示す如く、電動モータ30のモータケース31が固定され、電動モータ30の回転軸32にはトルクリミッタ20を介してアシスト軸21が結合され、アシスト軸21はボールベアリング等の軸受21A、21Bによりギヤハウジング11に両端支持されている。そして、アシスト軸21の中間部にウォームギヤ22を一体に備え、このウォームギヤ22に噛合うウォームホイール23をピニオン軸14の中間部に固定してある。電動モータ30の発生トルクは、ウォームギヤ22とウォームホイール23の噛合い、ピニオン15とラック16Aの噛合いを介してラック軸16に操舵アシスト力となって付与され、運転者がステアリング軸12に付与する操舵力をアシストする。
【0015】
トルクリミッタ20は、電動モータ30の回転軸32に結合される接続体20Aと、アシスト軸21に結合される接続体20Bとを含む摩擦板式トルクリミッタである。電動パワーステアリング装置10の通常使用されるトルク(リミットトルクより小なるトルク)では、トルクリミッタ20の摩擦力により回転軸32とアシスト軸21を滑りなく結合し続け、他方、タイヤが操舵中に縁石に乗り上げる等により、ラック軸16のストロークが急停止せしめられたときの電動モータ30の慣性トルクがトルクリミッタ20の摩擦力を越える衝撃トルク(リミットトルク以上のトルク)に対しては、回転軸32をアシスト軸21に対してスリップさせ、電動モータ30のトルクをアシスト軸21の側に伝達させないように機能する。
【0016】
また、アシスト軸21はハウジング11に対し、軸方向の双方向に弾性支持され、電動パワーステアリング装置10の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、アシスト軸21に作用する過大推力を吸収可能とする。具体的には、アシスト軸21のための軸受21A、21Bの外輪をギヤハウジング11に固定し、アシスト軸21を軸受21A、21Bの内輪に隙間嵌めする。そして、アシスト軸21にフランジ25、26を設け、フランジ25と軸受21Aの内輪との間に予圧縮された弾性変形具27Aを、フランジ26と軸受21Bの内輪との間に予圧縮された弾性変形具27Bを介装する。即ち、弾性変形具27A、27Bは、アシスト軸21への装填状態で、一定の予圧縮量(一定の衝撃緩和性能)をもって組込まれ、結果としてアシスト軸21を軸方向の双方向に弾性支持する。
【0017】
ここで、電動モータ30は以下の如くに構成される。
電動モータ30は、図3〜図5に示す如く、モータケース31とブラシホルダ33(図6、図7)がボルト34でギヤハウジング11に固定され、回転軸32をモータケース31とブラシホルダ33のそれぞれに設けたボールベアリング等からなる軸受31A、31Bで支持している。
【0018】
そして、電動モータ30は、固定子35を有する。固定子35は、モータケース31を構成する鉄等の磁性材料により形成される筒状のヨーク36と、ヨーク36の内周の周方向複数位置にマグネット収容区画37Aを形成する絶縁性樹脂材料により形成された筒状体からなるマグネットホルダ37(図8)と、マグネットホルダ37のマグネット収容区画37Aに収容されて位置決め保持されるマグネット38と、マグネットホルダ37に位置決め保持されたマグネット38の内側に圧入される非磁性材料の極薄板により成形されたマグネットカバー39(不図示)とからなる。
【0019】
また、電動モータ30は、固定子35の内側に挿入されて回転軸32に固定される回転子41を有する。回転子41は、回転軸32の外周に設けられるアマチュアコア42とコンミテータ43とからなる。
【0020】
また、電動モータ30は、ブラシホルダ33に保持され、回転子41のコンミテータ43に接触せしめられるブラシ44を有する。ブラシ44は、図9に示す如く、ピグテール(リード線)45の一端が接続され、このピグテール45の他端にターミナル46が接続される。ブラシホルダ33は給電コネクタ47を一体に有し、給電コネクタ47にターミナル挿入孔48を備える。ブラシ44に接続された上述のターミナル46はターミナル挿入孔48に挿入されて固定化される。
【0021】
電動モータ30は、給電コネクタ47に相手コネクタ(不図示)を取付けることにより、相手コネクタの給電端子をターミナル46に嵌合する等の状態で接続し、ブラシ44に給電可能にする。電動モータ30は、ブラシ44から回転子41のコンミテータ43を経てアマチュアコア42に給電されると、アマチュアコア42の磁力線が固定子35のマグネット38で発生している磁界を切ることにより、回転子41が回転する。
【0022】
しかるに、ブラシホルダ33は図6、図7に示す如くに構成される。
ブラシホルダ33は、給電コネクタ47を一体成形した、絶縁性プラスチック材料からなる射出成形体である。ブラシホルダ33は、短円筒体51の一端側にヨーク36(モータケース31)をOリング51Aを伴なってインロー結合するとともに、短円筒体51の他端側にギヤハウジング11をOリング51Bを伴なってインロー結合し、ヨーク36とギヤハウジング11の間に挟持され、ボルト34によりヨーク36とブラシホルダ33とギヤハウジング11の3者を同軸結合可能とする。
【0023】
また、ブラシホルダ33は、短円筒体51の一端側の周方向特定位置(本実施形態では2位置)に係合凹部52を形成し、マグネットホルダ37の一方の端面にて外周に沿って設けた円弧状の係合凸部37Bをこの係合凹部52に係合させることにより、マグネットホルダ37が位置決めする固定子35のマグネット38に対する、ブラシホルダ33が保持するブラシ44の位置ずれをなくし、電動モータ30の回転性能が正転方向と逆転方向で異なるものになることを回避する。
【0024】
ブラシホルダ33は、ヨーク36の内部とギヤハウジング11の内部とを仕切る仕切壁53を短円筒体51の内部に設け、この仕切壁53の中央部に、回転軸32のためのボールベアリング等からなる前述の軸受31Bを一体にインサート成形して備える。
【0025】
ブラシホルダ33は、仕切壁53のコンミテータ43に臨む端面をホルダ面53Aとし、このホルダ面53A上の周方向複数位置(例えば左右2位置)にブラシ保持部54を設け、各ブラシ保持部54に左右のブラシ44のそれぞれをスライド可能に挿入するための貫通孔55を形成したケース体57が組付けられる。貫通孔55はブラシ44をコンミテータ43の側にスライド突出可能に納めてこれを位置決め保持する。ブラシホルダ33は、貫通孔55に挿入したブラシ44をバックアップ支持し、ブラシ44を貫通孔55の先端開口から突出させてコンミテータ43に押接せしめるブラシスプリング56を付帯して備える。尚、図4は2個のブラシ保持部54のうち、1個のブラシ保持部54にブラシ44とブラシスプリング56を組込み、残りの1個のブラシ保持部54にはブラシ44だけを組込んだ組込過程状態を示すものである。
【0026】
以下、電動モータ30において、(A)ピグテール45の保持構造、(B)ターミナル46の設置構造について説明する。
【0027】
(A)電動モータ30におけるピグテール45の保持構造(図4〜図7)
電動モータ30は、図4〜図6に示す如く、ブラシホルダ33の仕切壁53が形成するホルダ面53A上の周方向複数箇所(例えば左右のブラシ44のそれぞれに接続される左右2本のピグテール45に対応する左右2箇所)に、ブラシ44に接続されたピグテール45を保持するピグテール保持手段60を有する。ピグテール保持手段60は、ホルダ面53Aに沿う横方向(左右方向)と、ホルダ面53Aに直交する縦方向(上下方向)の双方向でピグテール45を保持する。
【0028】
ピグテール保持手段60は、ホルダ面53Aに沿う横方向でピグテール45の中間部を保持する横方向ピグテール保持部61と、ホルダ面53Aに直交する縦方向でピグテール45の中間部を保持する縦方向ピグテール保持部62とを有する。ピグテール保持部61とピグテール保持部62は互いに近接配置される。
【0029】
横方向ピグテール保持部61は、ピグテール45を挿入可能にする凹状保持溝61Aを有し、保持溝61Aの上向き開口にピグテール45の抜け止め部61Bを備える。抜け止め部61Bは保持溝61Aの開口の両側部に丸味状に突出して設けられ、保持溝61Aの開口を狭巾化したものである。
【0030】
縦方向ピグテール保持部62は、図7に示す如く、ピグテール45を挿入可能にする凹状保持溝62Aを有し、保持溝62Aの横向き開口(ブラシホルダ33の中心軸側に臨む開口)にピグテール45の抜け止め部62Bを備える。抜け止め部62Bは保持溝62Aの開口の両側部に丸味状に突出して設けられ、保持溝62Aの開口を狭巾化したものである。
【0031】
本実施形態にあっては、電動モータ30におけるピグテール45の保持構造を以上のように設けたから、以下の作用効果を奏する。
【0032】
▲1▼電動モータ30において、ブラシホルダ33のホルダ面53A上に設けたピグテール保持手段60が、ホルダ面53Aに沿う横方向と、ホルダ面53Aに直交する縦方向の双方向でピグテール45を保持する。このため、車両の振動等によっても、ピグテール45が左右上下方向に保持されていて振れ動くことがなく、電流リップル等のモータ性能に悪影響を及ぼすことがない。
【0033】
▲2▼ピグテール保持手段60が、横方向ピグテール保持部61と縦方向ピグテール保持部62とを有する。従って、横方向ピグテール保持部61と縦方向ピグテール保持部62のそれぞれによってピグテール45を左右上下方向で確実に保持する。
【0034】
▲3▼ピグテール保持部61、62が、ピグテール45を挿入可能にする保持溝61A、62Aの開口に抜け止め部61B、62Bを備えるから、ピグテール45を当該保持溝61A、62Aの内部に安定的に留置できる。
【0035】
▲4▼電動パワーステアリング装置10の電動モータ30において、上述▲1▼〜▲3▼を実現できる。
【0036】
(B)電動モータ30におけるターミナル46の設置構造(図3〜図6、図8〜図10)
電動モータ30は、ターミナル46に切欠状又は孔状等の係合部を設ける。本実施形態では、図9に示す如く、ターミナル46のピグテール45が接続される基端側寄りにおいて、本体部71の両側部に、凹状係合部71Aを切欠形成して設けた。
【0037】
尚、ターミナル46は、全体平板状をなし、ピグテール45が接続される基端部72を、本体部71に対して斜交する折り曲げ状基端部72とする。ターミナル46の本体部71をブラシホルダ33に一体の給電コネクタ47に設けてあるターミナル挿入孔48に完全挿入したとき、折り曲げ状基端部72はブラシホルダ33のホルダ面53A上でターミナル挿入孔48の後方に形成されている立上り壁73の上面を弾性曲げ変形して乗り越え、立上り壁73の前側(ターミナル挿入孔48の側)に形成されている下り勾配面74(立上り壁73の側に向けて下り勾配をなす)に添設される。ターミナル挿入孔48に挿入されたターミナル46の折り曲げ状基端部72は立上り壁73に突き当て状に衝合して抜け止めされる(図4、図5)。
【0038】
電動モータ30は、図8に示す如く、ヨーク36の内周に設けたマグネットホルダ37の端面に凸部81を設けてある。凸部81は、図8に示す如く、マグネットホルダ37の円弧状係合凸部37Bの内周に沿う複数位置(本実施形態では2位置)に突設される。電動モータ30は、図3〜図6に示す如く、ヨーク36(マグネットホルダ37)とブラシホルダ33をボルト34によりギヤハウジング11とともに前述の如くに結合した状態下で、(a)ブラシホルダ33に一体の給電コネクタ47のターミナル挿入孔48に前述の如くに完全挿入されているターミナル46の凹状係合部71Aに、マグネットホルダ37の上述の凸部81を合致させ、更に(b)ブラシホルダ33において上述(a)のターミナル46の凹状係合部71A及びマグネットホルダ37の凸部81に対応する位置に凹部82を設ける。凹部82は、本実施形態では、ブラシホルダ33の短円筒体51に形成された係合凹部52に沿う位置に設けられる。従って、ヨーク36(マグネットホルダ37)とブラシホルダ33とギヤハウジング11をボルト34によって結合したとき、マグネットホルダ37の凸部81は、ターミナル46の凹状係合部71Aに係入し(図10(A))、更にこの凹状係合部71Aを経てブラシホルダ33の凹部82に挿入されるものになる。
【0039】
尚、電動パワーステアリング装置10は、ヨーク36の内部とギヤハウジング11の内部との間で互いに通気可能にする貫通孔状の連通路83を、図3、図4、図6に示す如く、ブラシホルダ33の仕切壁53において上述の凹部82の内部に設け、換言すれば連通路83のマグネットホルダ37側に臨む開口を上述の凹部82とする。このとき、マグネットホルダ37の凸部81は、この凹部82に狭い通路(不図示)を介して挿入可能にされ、連通路83の上記開口(凹部82)を通過しようとする異物に対する遮蔽手段になる。
【0040】
本実施形態にあっては、電動モータ30におけるターミナル46の設置構造を以上のように設けたから、以下の作用効果を奏する。
【0041】
▲1▼電動モータ30において、ヨーク36とブラシホルダ33を結合した状態下で、図10(A)に示す如く、マグネットホルダ37の凸部81が、ブラシホルダ33の給電コネクタ47に設けてあるターミナル挿入孔48に挿入されて先に組付けられているターミナル46の係合部71Aに係入する。マグネットホルダ37の凸部81は、ターミナル46のターミナル挿入孔48への挿入方向に交差(本実施形態では直交)する方向で、該ターミナル46の係合部71Aに係入するから、ターミナル46をターミナル挿入孔48から抜け止めする。従って、相手コネクタを給電コネクタ47に取付けたとき、相手コネクタの給電端子によって該ターミナル46がターミナル挿入孔48から押出されて外れることがなく、該給電端子と該ターミナル46とは適切に接続する。
【0042】
▲2▼給電コネクタ47のターミナル挿入孔48に対し、ターミナル46が完全挿入されていない不良組付状態にあるときには、図10(B)に示す如く、ヨーク36とブラシホルダ33の結合時に、ヨーク36の内周に設けてあるマグネットホルダ37の凸部81が、ターミナル46の係合部71Aに非対応となり、該ターミナル46の係合部71A以外の部分に当たって干渉する。このため、ヨーク36をブラシホルダ33に対し結合できず、結果としてターミナル46の組付不良を発見できる。
【0043】
▲3▼マグネットホルダ37の凸部81がターミナル46の係合部71Aを経てブラシホルダ33の凹部82に挿入される。従って、ヨーク36とブラシホルダ33の組付け時に、マグネットホルダ37の凸部81がブラシホルダ33の凹部82に挿入不可となるときには、ブラシホルダ33とマグネットホルダ37の周方向での組付位置不良を発見できる。これにより、マグネットホルダ37が位置決めする固定子35のマグネット38に対する、ブラシホルダ33が保持するブラシ44の位置ずれをなくし、電動モータ30の回転性能が正転方向と逆転方向で異なるものになることを回避する。
【0044】
▲4▼ブラシホルダ33が仕切壁53を貫通する連通路83を有するから、電動パワーステアリング装置10の作動に基づく電動モータ30の発熱/冷却に応じてヨーク36の内部空気が温度変化して膨張、収縮するとき、ヨーク36の内部を連通路83によりギヤハウジング11の内部との間で呼吸させ、ヨーク36の内部に結露等が生ずることを回避する。
【0045】
▲5▼マグネットホルダ37の凸部81がブラシホルダ33に設けた連通路83におけるヨーク36の内部に臨む開口が形成する凹部82に対し、狭い通路を介して挿入され、ヨーク36の内外を折れ曲り状の通路にて連通する。このため、マグネットホルダ37の凸部81は、ヨーク36の内部とギヤハウジング11の内部の間における空気の呼吸を妨げずに、異物の通行は妨げる。
【0046】
▲6▼電動モータ30をギヤハウジング11に組付けた、電動パワーステアリング装置10の作動時に、ギヤハウジング11の内部のアシスト軸21の周辺に塗布してあるグリースが飛散しても、これが連通路83から電動モータ30のヨーク36の内部へ侵入することが凸部81の存在により妨げられる。
【0047】
▲7▼電動モータ30がギヤハウジング11に組付けられる前段階では、外気中のダストが連通路83から電動モータ30のヨーク36の内部へ侵入することが凸部81の存在により妨げられる。
【0048】
▲8▼電動パワーステアリング装置10の電動モータ30において、上述▲1▼〜▲7▼を実現できる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、電動モータにおいて、ブラシに接続されたピグテールをブラシホルダのホルダ面上で安定的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図である。
【図2】図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線に沿う矢視図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図6はブラシホルダを示し、(A)は断面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。
【図7】図7は図6のVII−VII線に沿う矢視図である。
【図8】図8はマグネットホルダを示し、(A)は断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は端面図である。
【図9】図9はブラシを示し、(A)は側面図、(B)は平面図、(C)は要部底面図である。
【図10】図10はターミナルの組付状態を示し、(A)は組付良を示す模式図、(B)は組付不良を示す模式図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
30 電動モータ
33 ブラシホルダ
44 ブラシ
45 ピグテール
53A ホルダ面
54 ブラシ保持部
60 ピグテール保持手段
61 横方向ピグテール保持部
61A 保持溝
61B 抜け止め部
62 縦方向ピグテール保持部
62A 保持溝
62B 抜け止め部

Claims (2)

  1. ブラシホルダのホルダ面上に、ブラシを保持するブラシ保持部と、ブラシに接続されたピグテールを保持するピグテール保持手段とを有してなる電動モータにおいて、
    前記ピグテール保持手段が、ホルダ面に沿う横方向でピグテールを保持する横方向ピグテール保持部と、ホルダ面に交差する縦方向でピグテールを保持する縦方向ピグテール保持部とを互いに近接配置してなり、
    各ピグテール保持部のそれぞれが、ピグテールを挿入可能にする保持溝を有し、該保持溝の開口に該ピグテールの抜け止め部を備えてなることを特徴とする電動モータ。
  2. 請求項に記載の電動モータを用いてなる電動パワーステアリング装置。
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