JP2009121608A - 電磁クラッチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源から電力が入力される第1給電回路部87,88を備え、カバー部材9に固定される固定枠体7と、第1給電回路部87,88と当接して電磁コイル5に電力を供給する第2給電回路部76を備え、ロータ4に設けられて固定枠体7に対して相対回転可能に嵌合される回転枠体8とを、固定枠体7から突出する第1給電回路部87,88の一部がカバー部材9に設けたプレート状の導電部材92cに接触するよう、カバー部材9とロータ4との間に設けた。
【選択図】図3
Description
また、この給電装置では、ウォームホイールの直近にスリップリングを配置しているため、ウォームホイールに塗布されているグリース等の異物がスリップリングに付着し易く、短絡等の導通不良を起こし易い。
図1〜4に示すように、本発明の電磁クラッチ1を採用した車両用ドアの開閉装置Aは、ギア側カバー部材91と給電部側カバー部材92とからなるカバー部材9の内部に、車両用ドアの駆動源である電動モータM、電動モータMに直結されたウォームギア103、ウォームギア103と噛合するウォームホイール2、ウォームホイール2と一体回転するアーマチャ3、アーマチャ3と協同で電磁クラッチ1を構成する電磁コイル5を内蔵したロータ4、ロータ4の回転を伝達するクラッチシャフト100、電磁コイル5に対して電力を供給する給電部S、及び電磁クラッチ1を接続/切断するように給電部Sを制御する制御部Eを備えている。
先ず、電磁クラッチ1の構成について説明する。図5は、ウォームホイール2へのアーマチャ3の取付態様を示す分解図である。図6は、ウォームホイール2へのアーマチャ3の取付部を示す要部拡大断面図である。図7は、電磁クラッチ1の分解斜視図である。
ロータ4には、図7に示すように、アーマチャ3との対向面の外周付近に沿って電磁コイル5が巻回されたボビン50を収納する環状の凹部41が形成される。この凹部41は、底部から上方に行くに従って、凹部41の内周壁部42の内径が小さくなるように、内周壁部42が傾斜して形成される。一方、凹部41の外周壁部43は略垂直に立設される。従って、底部から上方に行くに従って、凹部41の幅が大きくなる。
このロータ4において、磁場の通過面積が、外周壁部43の側と内周壁部42の側とで等しくなるように、外周壁部43のアーマチャ3と対向する端面43aの面積と、内周壁部42のアーマチャ3と対向する端面42aの面積とが等しく設定される。つまり、端面42aの周方向に垂直な方向の幅が、端面43aの周方向に垂直な方向の幅よりも大きく設定される。
そこで、このロータ4では、ロータ4の外周部近傍の所定領域のみがアーマチャ3と当接するように構成される。具体的には、外周壁部43が内周壁部42よりも高く形成され、アーマチャ3を吸着した際に、外周壁部43の端面43aのみがアーマチャ3と当接する。このような構成とすることにより、アーマチャ3とロータ4との当接部位を一定に保ち、回転トルクを一定に保つことができる。
次に、電磁クラッチ1の動作について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、電磁クラッチ1が切断状態にある場合を示す。給電部Sから電磁コイル5に対して電力供給が行われていない非給電時では、アーマチャ3は板バネ部材10によってウォームホイール2の側に弾性付勢(弾性保持)されている。このため、アーマチャ3とロータ4との間には隙間が存在し、電磁クラッチ1は切断状態となる。この切断状態では、図示しない車両用ドアは電動モータMに直結していないので、手動での開閉操作を少ない力で容易に行うことができる。また、アーマチャ3とロータ4との擦れによる異音が発生することもない。さらに、アーマチャ3は板バネ部材10によってウォームホイール2の側に引き寄せられているので、振動による接触音(いわゆる、カタカタ音)等も発生しない。
図5及び図6に示すように、アーマチャ3は、板バネ部材10を介してウォームホイール2に取り付けられる。アーマチャ3と板バネ部材10とはカシメピン40で固定される。ウォームホイール2には、複数の係合孔21(図5に示す実施形態では3つの貫通孔)が形成されている。アーマチャ3に固定される板バネ部材10には、前記複数の係合孔21に対応する位置に複数の係合爪11(図5に示す実施形態では3つの鍵状突片)が形成されている。ここで、板バネ部材10の側の係合爪11をウォームホイール2の側の係合孔21に貫通させて係合する。これにより、アーマチャ3はウォームホイール2に吊り下げられた状態で取り付けられる。また、この状態においては、アーマチャ3は板バネ部材10によってウォームホイール2の側に弾性付勢されつつ保持されている。このため、アーマチャ3はロータ4から確実に引き離される。また、係合爪11と係合孔21とが係合することにより、ウォームホイール2の側からアーマチャ3の側へ回転駆動力が伝達される。
この当接形態においては、当接部12はウォームホイール2の回転トルクの一部を負担することになる。このため、ウォームホイール2の側からアーマチャ3の側への駆動力の伝達が良好になる。例えば、入力された駆動力に対する応答速度が向上する。
また、当接部12はウォームホイール2の回転方向の衝撃を吸収することができる。その結果、例えば、振動による接触音や、駆動・停止に際しての打音の発生をより確実に抑制することができる。
電動モータMがウォームギア103を介してウォームホイール2を回転させると、ウォームホイール2の被当接部22と板バネ部材10の当接部12とが回転方向において弾性的に当接し、次いでアーマチャ3に回転駆動力が伝達される。ところが、ウォームホイール2がアーマチャ3に対して過剰に相対回転すると、板バネ部材10が弾性変形可能な領域を超えて塑性変形するおそれがある。例えば、板バネ部材10の当接部12が過大な力を受けて塑性変形すると、ウォームホイール2とアーマチャ3との間で回転方向の隙間(遊び)が生じ、異音の原因となる。また、板バネ部材10の係合爪11が塑性変形した場合には、ウォームホイール2に対するアーマチャ3の取付状態が変化し、電磁クラッチ1の接続/切断操作に悪影響を及ぼすこともある。
なお、例えば、板バネ部材10に所定以上の厚みを持たせることにより、板バネ部材10のみでウォームホイール2の回転駆動力を負担できる場合には、上述した回転抑制部材を設ける必要はない。
通常、ウォームホイール2には潤滑のためのグリースが塗布されている。ところが、このグリースがアーマチャ3に付着すると、アーマチャ3とロータ4とが接続されたときにロータ4の摩擦面にグリースが付着し、回転駆動力の伝達に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明の電磁クラッチは、給電部の構造及び配置を工夫したことにより、「部品点数の低減」、「コンパクト化」、及び「組み立ての容易化」を達成する。
給電部Sは、図3及び図4に示されるように、ロータ4と給電部側カバー部材92との間に配置される。具体的には、先ず給電側カバー部材92にスリップリング固定部材8を嵌合固定し、次にスリップリング固定部材8にブラシ固定部材7を相対回転可能に嵌合し、さらにブラシ固定部材7にロータ4を取り付ける。このとき、給電側カバー部材92に設けたプレート状の導電部材92cと、スリップリング87,88と、ブラシ部材76と、ロータ4に設けた電磁コイル5に電力を供給する端子部53とが電気的に接続される。
このような配置を採用したことにより、本発明の電磁クラッチ1は、従来の給電装置では必要であったリード線等の配線材料を使用することなく、電気回路を形成することができる。その結果、電磁クラッチの部品点数及び製造工数が減り、製造コストを低減することができる。これについて、以下詳細に説明する。
なお、スリップリング87,88は、スリップリング固定部材8にインサート成形にて固定してもよい。
なお、ブラシ部材76は、ブラシ固定部材7にインサート成形にて固定してもよい。
なお、給電回路部の保護を確実にするために、ブラシ固定部材7とスリップリング固定部材8との嵌合時において、両者間のシール性を高めることもできる。例えば、両者の嵌合部分に沿って、シール材を設けたり、密封用のグリースを塗布したりする。
スリップリング固定部材8に形成された係合部86が給電部側カバー部材92に形成された穴部92aに係合して、スリップリング固定部材8が固定される。このとき、スリップリング固定部材8に形成された位相決め突起85が給電部側カバー部材92に形成された穴部92eに挿入されることにより、導電部材92cとスリップリング87,88の端子部87b、88bとの回転位相とが一致する。これにより、導電部材92cとスリップリング87,88とが互いに接触し、電気的に接続される。このように、スリップリング固定部材8を給電部側カバー部材92に固定すると同時に、スリップリング87,88の端子部87b、88bが給電部側カバー部材92に設けた導電部材92cに接触する。
本発明の電磁クラッチ1では、スリップリング87,88及びブラシ部材76の配置を工夫したことにより、電磁クラッチ1のコンパクト化及び安定した電力供給を実現している。
なお、スリップリング87,88に対するブラシ部材76の配置は、厳密にロータ4の中心部(回転軸心)を挟んで対向していなくても、ブラシ固定部材7がブラシ部材76によって全体的に持ち上げられる状態であれば、多少のずれは許容される。
(1)上記実施形態では、給電部Sを、給電部側カバー部材92とロータ4との間に設けたが、ギア側カバー部材91とロータ4との間に設けても構わない。この場合、給電部側カバー部材92に設けていた導電部材92cを、ギア側カバー部材91に設ける。
2 ウォームホイール
3 アーマチャ
4 ロータ
5 電磁コイル
7 ブラシ固定部材(回転枠体)
8 スリップリング固定部材(固定枠体)
9 カバー部材
76 ブラシ部材(第2給電回路部)
87 スリップリング(第1給電回路部)
88 スリップリング(第1給電回路部)
92c プレート状の導電部材
M 電動モータ
Claims (2)
- カバー部材の内部に、
モータによって回転駆動されるウォームホイールと、
電磁コイルを有し、前記ウォームホイールと同一の回転軸心周りに回転可能なロータと、
前記ウォームホイールの側に取り付けられ、前記電磁コイルへの電力供給時に前記ロータに吸着されて当該ロータと一体回転するアーマチャとを備え、
電源から電力が入力される第1給電回路部を備え、前記カバー部材に固定される固定枠体と、前記第1給電回路部と当接して前記電磁コイルに電力を供給する第2給電回路部を備え、前記ロータに設けられて前記固定枠体に対して相対回転可能に嵌合される回転枠体とを、前記固定枠体から突出する前記第1給電回路部の一部が前記カバー部材に設けたプレート状の導電部材に接触するよう、前記カバー部材と前記ロータとの間に設けた電磁クラッチ。 - 前記第1給電回路部として一対のスリップリングを、前記回転軸心を中心とした同心円状に設けるとともに、前記第2給電回路部として一対のブラシを、前記回転軸心を挟んで対向する位置で、前記一対のスリップリングの夫々に当接する状態に設けた請求項1に記載の電磁クラッチ。
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2007
- 2007-11-15 JP JP2007296924A patent/JP2009121608A/ja active Pending
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