JP2019158007A - 電磁クラッチの組み付け体 - Google Patents

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昌憲 玉
Masanori Gyoku
昌憲 玉
規夫 北嶋
Norio Kitajima
規夫 北嶋
一郎 平野
Ichiro Hirano
一郎 平野
岩井 俊之
Toshiyuki Iwai
俊之 岩井
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Abstract

【課題】電磁クラッチにダンパを用いつつ、捩じり耐久性を低下させることなく軸バネ定数を小さくすることができる電磁クラッチの組み付け体を提供することを課題とする。【解決手段】アーマチュアプレート5と、ダンパ10と、アウタープレート8と、インナープレート9とを組み付けてなる電磁クラッチの組み付け体Aにおいて、アウタープレート8を、筒状の外周壁81と、外周壁81の基端からインナープレート9側に向けてダンパ10の内周よりも延びる延出部83とで少なくとも構成し、アウタープレート8とアーマチュアプレート5とを、延出部83を介して、ダンパ10の内周よりも内側にて接続する。【選択図】図5

Description

本発明は、動力源から圧縮機等の従動機器に伝達される動力を断続するため等に用いられる電磁クラッチに関し、特に、リング状のダンパ、このダンパを保持するためのアウタープレート及びインナープレート、並びにアーマチュアプレート等から成る組み付け体に関する。
動力源から圧縮機に伝達される動力を断続するために用いられる電磁クラッチは、圧縮機の駆動軸を中心として回転可能に支持されたロータと、このロータに対して軸方向で対峙するアーマチュアプレートと、ロータの内部に収容され、通電することにより、ロータとアーマチュアプレートとを経由する磁気回路を形成してアーマチュアプレートをロータに電磁吸引力により係合させる励磁コイルと、圧縮機の駆動軸に固装され、駆動軸と共に回転するハブと、アーマチュアプレートに連結されたアウタープレートと、ハブに連結されたインナープレートとを備え、ダンパ装置として、これらアウタープレートと、インナープレートと、それらの間の全周に亘って介在し、双方の部品と内周及び外周で接着されたリング状のダンパとを有している(特許文献1参照)。
リング状のダンパは、圧縮機及びエンジン等の駆動力源からのトルク変動吸収の能力が高く、アーマチュアプレートの摩擦面がロータの摩擦面に電磁吸引力により係合したり、離れたりするときの騒音も低く抑えられ、ダンパ装置として例えば特許文献2に示すような金属ばねを用いる場合よりもトルク変動吸収の能力や静粛性が良い。しかし、リング状のダンパは、金属ばねを用いる場合と比較して軸方向の弾性力が強いので、アーマチュアプレートをロータに確実に電磁吸引力により係合させるために必要な最低吸引電圧が高くなってしまう傾向がある。その場合には、起磁力のより高い電磁石を採用する必要があり、コイルの線径の拡大(コイルの大型化)が生じうるとの不都合を有する。
WO2003/069178号公報 特開2016−38080号公報
このようなリング状のダンパをダンパ装置に用いることによる不都合を解決するには、リング状のダンパの軸方向のバネ定数(以下、軸バネ定数。)を下げる必要がある。この点、本願の図11に示されるダンパ201の径方向の幅W2が広いほど、又は、軸方向の高さL2が低いほど、当該ダンパ201の軸バネ定数が下がる。
しかし、駆動軸の軸線Cからインナープレート203の内周面までの寸法Ri2及び駆動軸の軸線Cからアウタープレート202の外周縁までの寸法Ra2を固定したままで、駆動軸の軸心Cからダンパ201の外周面までの寸法Ro2を増やすことにより、ダンパ201の径方向の幅W2を広げると、ダンパ201よりも外周側におけるアウタープレート202とアーマチュアプレート204とを接続する固定部205を配置するための領域の確保が困難になる。
また、ダンパ201の径方向の幅W2を広げるために、駆動軸の軸線Cからダンパ201の外周面までの寸法Ro2を固定したままで、駆動軸の軸線Cからダンパ201の内周縁までの寸法Ri2を減らすと、より小さい半径でダンパ201の内周面とインナープレート203との間でトルクを伝達することになり、単位面積あたりのせん断力が増加し、捩じり耐久性が低下する。
更に、駆動軸の軸線Cからインナープレート203の外周面までの寸法Ri2及び駆動軸の軸心Cからダンパ201の外周面までの寸法Ro2を固定したままで、ダンパ201の軸方向の高さL2を低くした場合にも、ダンパ201の内周面とインナープレート203との接着面積の減少になるので、ダンパ201の捩じり耐久性を低下させる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、電磁クラッチにリング状のダンパを用いつつ、捩じり耐久性を低下させることなく軸バネ定数を小さくすることができる電磁クラッチの組み付け体を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る電磁クラッチの組み付け体は、 励磁コイルへの通電による電磁吸引力によりロータと係合されて前記ロータと一体に回転するリング状のアーマチュアプレートと、前記アーマチュアプレートの反ロータ側に配されて、前記アーマチュアプレートを前記ロータから離れる方向へ弾性力を発生するリング状のダンパと、前記ダンパを保持するために前記ダンパの外周側に配置されたリング状のアウタープレートと、前記ダンパを保持するために前記ダンパの内周側に配置されたリング状のインナープレートとを備えた電磁クラッチの組み付け体において、前記アウタープレートと前記アーマチュアプレートとを、前記ダンパの内周よりも内側にて接続したことを特徴としている(請求項1)。前記アウタープレートは、外周壁を有する部位と延出部を有する部位とが一体でも別体でも良い。また、インナープレートとハブとは、一体でも別体でも良い。アウタープレートとアーマチュアプレートとを接続するための固定部は、リベット等の固定具をアーマチュアプレート及びアウタープレートの双方の孔に挿入するものであっても、アーマチュアプレートに一体に形成した凸部をアウタープレートの孔に挿入するものであっても、更には、アウタープレートとアーマチュアプレートとを溶接により接続するものであっても良い。
これにより、アウタープレートの外周壁よりも外周側でアウタープレートとアーマチュアプレートとを接続する必要がなくなったので、アウタープレートの外周縁をアーマチュアプレートの外周縁まで広げることが可能である。インナープレートの駆動軸の軸心からダンパの内周縁までの寸法を大きくすることも可能である。よって、ダンパの内周寸法及び外周寸法の設計の自由度が増大するので、ダンパとアウタープレート及びインナープレートとの接触面積を十分に確保し、ダンパの径方向の寸法との比率を調整しながら、ダンパの軸方向の高さを小さくすることができる。
また、アウタープレートとアーマチュアプレートとの固定部による接続を、ダンパよりも内周側で行うことができるため、電磁クラッチの組み付け体のロータへの吸引力が作用する部位よりも内側でダンパ装置の反力が働くので、アーマチュアプレートがロータ側に固定部を起点として傾いても、係合力の強いアーマチュアプレートをロータの外周側部位側に当接させることが可能になる。
本発明の請求項2に係る電磁クラッチの組み付け体のアウタープレートは、前記ダンパの軸方向に延びる筒状の外周壁と、前記外周壁の基端から前記インナープレート側に向けて前記ダンパの内周よりも延びる延出部とを有し、前記アーマチュアプレートと前記アウタープレートとは、前記延出部を介して接続したことを特徴としている。これにより、アウタープレートが延出部を有する構成としても、部品点数の増加を防止することが可能である。
本発明の請求項3に係る電磁クラッチの組み付け体のアーマチュアプレートは、内周縁から当該アーアマチュアプレートの中心側に向けて突出した複数の突出部を有し、前記アウタープレートと前記アーマチュアプレートとは、前記突出部を介して接続したことを特徴としている。これにより、アーマチュアプレートの内周縁の内側に、必要部に限定して突出部を形成するので、アーマチュアプレートひいては電磁クラッチの組み付け体の軽量化を図ることができる。
本発明の請求項4に係る電磁クラッチの組み付け体のアウタープレートの材料は、バネ鋼であることを特徴としている。これにより、アウタープレートの延出部の材料がバネ鋼となるので、更にダンパ装置の軸バネ定数を下げることができる。
以上述べたように、本発明によれば、アウタープレートの外周壁よりも外周側でアウタープレートとアーマチュアプレートとを接続する必要がなくなった。このため、アウタープレートの外周縁をアーマチュアプレートの外周縁近傍まで広げることが可能であり、インナープレートの駆動軸の軸心からダンパの内周縁までの寸法を大きくすることも可能であるので、ダンパの内周寸法及び外周寸法の設計の自由度が増大する。従って、ダンパとアウタープレート及びインナープレートとの接触面積を十分に確保し、ダンパの径方向の寸法との比率を調整しながら、ダンパの軸方向の高さを小さくすることができる。これにより、この発明の電磁クラッチの組み付け体によれば、ダンパのインナープレート側における捩じり耐性を維持しながら、ダンパの軸バネ定数を下げることが可能である。
また、本発明によれば、アウタープレートとアーマチュアプレートとの固定部による接続を、ダンパよりも内周側で行うことができるため、電磁クラッチの組み付け体のロータへの吸引力が作用する部位よりも内側でダンパ装置の反力が働くので、アーマチュアプレートがロータ側に固定部を起点として傾いても、アーマチュアプレートは、ロータの外周側部位より当接することから、アーマチュアプレートがロータの内周側部位に当接するのを防止することが可能である。
この発明の実施例1の電磁クラッチの構成を示す断面図である。 (a)は実施例1の電磁クラッチを構成するアウタープレートの正面図、(b)は前記アウタープレートの断面図である。 (a)は実施例1の電磁クラッチを構成するアーマチュアプレートの正面図、(b)は前記アーマチュアプレートの断面図である。 実施例1の電磁クラッチを構成するインナープレートとハブとを兼ねる部材、ダンパ、アウタープレート及びアーマチュアプレートの組み付け工程を示した説明図である。 図4に示されたインナープレートとハブとを兼ねる部材、ダンパ、アウタープレート及びアーマチュアプレートを組み付けてなる組み付け体の断面図である。 (a)は実施例1の電磁クラッチを構成するインナープレートとハブとを兼ねる部材、ダンパ、アウタープレート、及び、アーマチュアプレートの組み付け体のロータへの吸引力が作用する位置と、この吸引力に対するダンパ装置の反力が作用する位置とを示した説明図であり、(b)は吸引力が作用する位置及びダンパ装置の反力が作用する位置によりアーマチュアプレートの外周部位がロータの外周側に当たった状態を示す説明図である。 (a)は実施例2の電磁クラッチを構成するアーマチュアプレート、ダンパ、ハブ、インナープレート及びアウタープレートのアーマチュアプレートの組み付け体の正面図、(b)は前記組み付け体の背面図である。 実施例2の電磁クラッチを構成するハブ、インナープレート、ダンパ、アウタープレート、及び、アーマチュアプレートの組み付け体の断面図である。 (a)は実施例3の電磁クラッチを構成するアウタープレートの正面図、(b)は前記アウタープレートの断面図である。 実施例3の電磁クラッチを構成するハブ、インナープレート、ダンパ、アウタープレート、及び、アーマチュアプレートの組み付け体の断面図である。 従来例の電磁クラッチを構成するインナープレートとハブとを兼ねる部材、ダンパ、アウタープレート、及び、アーマチュアプレートの組み付け体の断面図である。 (a)は従来例の電磁クラッチを構成するインナープレートとハブとを兼ねる部材、ダンパ、アウタープレート、及び、アーマチュアプレートの組み付け体のロータへの吸引力が作用する位置と、この吸引力に対するダンパ装置の反力が作用する位置とを示した説明図であり、(b)は吸引力が作用する位置及びダンパ装置の反力が作用する位置によりアーマチュアプレートの内周部位がロータの内周側に当たった状態を示す説明図である。
以下、本発明の電磁クラッチの実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1から図6において、この発明が適用される電磁クラッチ1の実施例1が示されている。
電磁クラッチ1は、エンジンや電動モータ等の駆動力源(図示せず。)から従動機器(以下、その例として圧縮機100を挙げる。)に対して回転動力を断続的に伝達するものである。そして、電磁クラッチ1は、圧縮機100の駆動軸101を中心として圧縮機100のハウジング102に回転可能に支持されたロータ4と、このロータ4に対して軸方向に所定の隙間を空けて対峙するアーマチュアプレート5と、圧縮機100の駆動軸101に固装され、駆動軸101と共に回転するハブ7と、アーマチュアプレート5に連結されたアウタープレート8と、ハブ7と一体化されたインナープレート9と、これらアウタープレート8とインナープレート9とを組み合わせることで生ずる環状隙間S1に挟持されたダンパ10とを有して構成されている。図5に示されるように、アーマチュアプレート5、アウタープレート8、ハブ7及びインナープレート9から成る部材、並びにダンパ10により電磁クラッチの組み付け体A(アーマチュアアッシーとも称する。)が構成される。また、アウタープレート8、ダンパ10及びインナープレート9の組み付け体を、適宜、ダンパ装置とも称する。
ロータ4は、磁性材によりリング状に形成されているもので、その外周に溝4aが形成されており、この溝4aに前記駆動力源からの動力を伝達するための動力伝達ベルト(図示せず。)が装着される。ロータ4は、内周にベアリング14が設けられ、このベアリング14を介して圧縮機100のハウジング102から突出する円筒部102aの外周に回転自在に外嵌されている。ロータ4の圧縮機100の本体とは反対側には、駆動軸101の軸線に対して略垂直となる平面状に形成され、アーマチュアプレート5の摩擦面5aと対峙する摩擦面4bを有している。摩擦面4bには、下記する励磁コイル6への通電によって発生する磁束を迂回させるためのスリット41が形成されている。
アーマチュアプレート5は、例えば低炭素鋼等を素材とした磁性材により形成されたリング状本体部51で基本的に構成されている。アーマチュアプレート5は、アウタープレート8に接続されるもので、駆動軸101の軸線に対して略垂直となる平面状に形成され、ロータ4に対し所定の隙間を空けつつ前記ロータ4の摩擦面4bと対峙する摩擦面5aを有している。この摩擦面5aは、ロータ4の軸心に対して略垂直となる平面状に形成されている。アーマチュアプレート5の摩擦面5aには、励磁コイル6への通電によって発生する磁束を迂回させるためにスリット52が形成されている。アーマチュアプレート5の図3及び図4に示される複数の突出部53、53の構成については後述する。
励磁コイル6は、ステータハウジング11のコイル溝11a内に収容されると共に樹脂モールド11bによって固定されたボビン12に巻回されている。この励磁コイル6が収容されたステータハウジング11は、取付部材13を介して圧縮機100のハウジング102に固定されている。ロータ4には、圧縮機100のハウジング102側が開口された環状空間42が形成されている。励磁コイル6が収納されたステータハウジング11は、この環状空間42に、所定の隙間を空けつつ収納されている。 したがって、ロータ4は、励磁コイル6をアーマチュアプレート5側から覆うように設けられ、この励磁コイル6と摺接することなく、励磁コイル6に沿って回転することになる。
アウタープレート8は、金属を材料として形成されており、ダンパ10を保持するための軸方向に延びる筒状の外周壁81と、底部82と、アーマチュアプレート5と固定部16を介して接続するための延出部83とが一体形成されたものとなっている。アウタープレート8の延出部83の構成については後述する。なお、ダンパ装置の軸バネ定数を下げるためにアウタープレート8の材料をヤング率の小さな金属のバネ鋼としても良い。
ハブ7は、駆動軸101の端部にスプライン嵌合により回転不能に嵌め合い、ボルト15によって接続されているもので、この実施例ではインナープレート9と一体化されている。インナープレート9は、金属により形成されており、ハブ7から径方向に延びる基部91と、この基部91の外周縁から軸方向に沿って略筒状に立設されてダンパ10を保持する内周壁92とを有して構成されている。
そして、アウタープレート8とインナープレート9とを同一平面上に組み合わせてアウタープレート8の外周壁81とインナープレート9の内周壁92との間に形成される環状隙間S1にダンパ10を介在させ、このダンパ10をアウタープレート8とインナープレート9との双方に接着することで、アウタープレート8とインナープレート9とをダンパ10を介して連結させている。
ダンパ10は、この実施例において、アウタープレート8の外周壁81とインナープレート9の内周壁92との全周にわたって設けられたリング状のエラストマー(例えば合成ゴムのNBRや塩素化ブチル等)により構成されたゴムダンパが一例として示されている。このダンパ10は、回転方向のトルク変動をねじりによって吸収し、トルク変動に伴う駆動軸101等の破損の防止等を図っている。また、このダンパ10により、アーマチュアのロータ4への係合に伴う弾性変形を許容し、励磁コイル6へ通電した場合には、ダンパ10の弾性変形により、アーマチュアプレート5がロータ4の摩擦面と係合し、励磁コイル6への通電が解除された場合には、ダンパ10の復元力によりアーマチュアプレート5をロータ4の摩擦面から離脱させるようにしている。なお、このような機能又は作用を有することができれば、ダンパ10はエラストマーにより構成されたゴムダンパに限定されない。ダンパ10のアーマチュアプレート5側の突部10a、10bの構成については後述する。
このような構成において、電磁クラッチ1の基本動作等を説明する。励磁コイル6の非通電時には、アーマチュアプレート5は、アウタープレート8を介してダンパ10の弾性力によりロータ4から所定の隙間を離れる位置で保持されており、これに伴いロータ4は空転した状態にある。これに対し、励磁コイル6が通電されると、ロータ4及びアーマチュアプレート5には磁路が形成されて、アーマチュアプレート5が、ダンパ10の弾性力に抗してロータ4側に電磁吸引により係合し、アウタープレート8、ダンパ10、インナープレート9及びハブ7を介して圧縮機100の駆動軸101が回動する。
ところで、この実施例1では、アウタープレート8は、図2及び図4で特に示されるように、3つの延出部83を有している。延出部83は、底部82の内周縁からアウタープレート8の中心に向けて延出している。すなわち、この実施例1では、延出部83は、外周壁81の基端から延びる形態としては、アウタープレート8の基端から底部82を介在させつつ間接的に延びている。もっとも、延出部83の外周壁81の基端から延びる形態として、図示しないが、底部82が無く、延出部83が外周壁81の基端から直接に延びる形態でも良い。
これらの延出部83は、図1及び図5に示されるように、アウタープレート8とインナープレート9とダンパ10とを組み付けたときに、その先端がダンパ10を越えてインナープレート9まで達し、且つ、インナープレート9と所定の寸法で重なり合うように、ハブ7に向けて延出している。延出部83は、ハブ7とは接せず、所定の空間が空いている。延出部83は、この実施例1では、等間隔で配置されており、アウタープレート8の中心に向けて直線的に延出している。そして、延出部83は、アウタープレート8、インナープレート9及びダンパ10との組み付け時に、ダンパ10を越えてインナープレート9と重なり合う部位に固定部16たるリベットで接続するための通孔84が形成されている。また、前述したように、アウタープレート8の材料をバネ鋼とすることで、延出部83もバネ鋼を材料とすることができる。これにより、ダンパ装置の軸ばね係数を更に下げることが可能である。
アーマチュアプレート5は、図3に示されるように、リング状本体部51の内周縁からアーマチュアプレート5の中心に向けて突出した3つの突出部53を有している。これらの3つの突出部53は、図1及び図5に示されるように、アウタープレート8と組み付けたときに、延出部83と一致するように配置されている。突出部53は、アーマチュアプレート5とアウタープレート8との組み付け時に、その中心が延出部83の通孔84の中心と一致するように、固定部16たるリベットで接続するための通孔54が形成されている。
インナープレート9は、アウタープレート8及びアーマチュアプレート5等との組み付け時に、その中心が通孔84、通孔54の中心と一致するように通孔93が形成されている。もっとも、この通孔93の内径は、固定部16の最大外径よりも大きく設定されており、固定部16が通孔84、54に達するために通過する孔として機能している。
ダンパ10は、図1や図5に示されるように、アーマチュアプレート5側において、内周側突部10aと外周側突部10bとが当該ダンパ10と一体に突出形成されている。内周側突部10aは、ダンパ10の内周側において、図5に示されるように、延出部83がある位置を外れるかたちで、駆動軸101の軸心を中心とした同一円軌道上に複数、円弧状に形成されている。また、外周側突部10bは、ダンパ10の外周側において、図5に示されるように、延出部83がある位置を外れるかたちで、駆動軸101の軸心を中心とした同一円軌道上に複数、円弧状に形成されている。
これにより、アーマチュアプレート5とアウタープレート8、ダンパ10及びインナープレート9から成るダンパ装置とを接続したときに、外周側突部10bはアーマチュアプレート5とアウタープレート8との間に挟まれて潰れたままの状態であるのに対し、内周側突部10aはアーマチュアプレート5に当接し、アーマチュアプレート5の動きにより軸方向の潰し量が変動するようになっている。よって、アーマチュアプレート5にダンパ装置の反力が作用して、振動等によりアーマチュアプレート5とロータ4とが不用意に当たるのを防止している。また、内周側突部10aの潰し代を所定の範囲に設定して、アーマチュアプレート5に恒常的に当接した状態とすることで、アーマチュアプレート5とロータ4とが吸引力により係合するときに滑り音の発生を抑制することも可能となっている。
このような電磁クラッチの組み付け体Aの構成とすることで、図11に示される従来例とは異なり、アウタープレート8の外周壁81よりも外周側でアウタープレート8とアーマチュアプレート5とを結合する必要がなくなった。このため、図5に示されるように、電磁クラッチの組み付け体Aの駆動軸の軸心Cからアウタープレート8の外周縁までの寸法Ra1を、図11に示される従来の寸法Ra2と同じに固定したまま、アウタープレート8の外周壁81をアーマチュアプレート5の外周縁に近づけることが可能になった。
これに伴い、図5に示されるように、電磁クラッチの組み付け体Aは、ダンパ10の径方向の幅W1を図11に示される従来の幅W2と同じに固定するか若干広げても、駆動軸の軸線Cからインナープレート9の外周面までの寸法Ri1を、図11に示される従来の寸法Ri2よりも大きくすることができ、これにより、ダンパ10のインナープレート9の内周壁92の内周面との接着面積を従来の接着面積よりも拡大させることができる。このため、ダンパ10の軸方向の高さL1を図11に示される高さL2より低くしても、ダンパ10のインナープレート9の内周壁92の内周面との接着面積を確保したままで、ダンパ10の断面積を従来のダンパ201と同様に設定することができる。
よって、ダンパ10とインナープレート9の内周壁92との接着面積が拡大することにより、ダンパ10の捩じれ耐性の向上を図ることができ、ダンパ10の断面積を従来と同様としつつダンパ10の軸方向の高さLを従来よりも低くすることが可能であるので、軸バネ定数を小さくすることができる。
また、図6に示されるように、アーマチュアプレート5とアウタープレート8との接続の工程を、延出部83の通孔84と突出部53の通孔54とが連通した状態で、固定部16たるリベットを通孔84、通孔54に挿入、篏合させて行うので、アーマチュアプレート5とアウタープレート8との接続位置がダンパ10の内周側よりもハブ7側になる。このため、電磁クラッチの組み付け体Aのロータ4への吸引力P1が作用する部位よりも内側でダンパ装置の反力P2が働くので、アーマチュアプレート5がロータ4側に固定部16を起点として傾いても、アーマチュアプレート5はロータ4の外周側部位に当接することから、アーマチュアプレート5がロータ4の内周側部位に当接するのを防止することが可能である。
実施例1の電磁クラッチの組み付け体Aについて、インナープレート9とハブ7とが一体に形成されているとして説明したが、必ずしもこれに限定されない。図7及び図8を用いて、インナープレート9とハブ7とが別体である、実施例2の電磁クラッチの組み付け体Aについて説明する。但し、実施例1の電磁クラッチの組み付け体Aと同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
実施例2の電磁クラッチの組み付け体Aを構成するハブ7は、駆動軸101がボルト15を介して接続される筒状部71と、この筒状部71から径方向外側に向けて延出したフランジ72と、フランジ72に設けられたインナープレート9に固定するための通孔73とを有して構成されている。フランジ72は、図7(a)に示されるように、アーマチュアプレート5の突出部52と干渉しないような形状(図7(a)では略三角形状)に形成されている。インナープレート9は、ハブ7のフランジ72と適切に重ね合わせた時に、その中心がフランジ72の通孔73の中心と一致するように通孔94が形成されている 。
これにより、インナープレート9の基部91とハブ7のフランジ72とを重ね合わせて、基部91の通孔94とフランジ72の通孔73とが連通した状態で、固定部17たるリベットを通孔94、通孔73に挿入、篏合させることで、インナープレート9とハブ7とが組み付けられる。固定部17による接続は、図示されたリベットを用いた接続に限定されず、例えば溶接による接続であっても良い。
実施例1及び実施例2の電磁クラッチの組み付け体Aについて、アウタープレート8は、外周壁81、底部82及び延出部83が一体に形成されたものとして説明したが、必ずしもこれに限定されない。図9及び図10を用いて、アウタープレート8が複数の部材8a、8bで構成される実施例3の電磁クラッチの組み付け体Aについて説明する。但し、実施例1及び実施例2の電磁クラッチの組み付け体Aと同様の構成については、同一の符号を付して、複数の部材8a、8bを説明するための場合を除き、その説明を省略する。
アウタープレート8は、図9及び図10に示されるように、外周壁81を有する第1の部材8aと、延出部83を有する第2の部材8bとを組み付けて構成されている。
第1の部材8aは、軸方向に延びる壁部からなるリング状の外周壁81と、外周壁81から径方向外側(外周側)に向けて延びる3つの固定用突出部85と、この固定用突出部85の突出方向の先端近傍に設けられた通孔86とを有して構成されている。第2の部材8bは、数が3つであり、それぞれの第2の部材8bは、第1の部材8aに組み付けたときに、外周壁81の内周側に延びる延出部83と、延出部83の基端から当該延出部83の延出方向とは反対方向に延びる固定用突出部87とを有する。延出部83は、実施例1、2と同様に、電磁クラッチの組み付け体Aの組み付け時にアーマチュアプレート5の通孔94と連通する位置に通孔84が形成されている。固定用突出部87は、電磁クラッチの組み付け体Aの組み付け時に、その中心が固定用突出部85の通孔86の中心と一致するように通孔88が形成されている 。
これにより、第1の部材8aの固定用突出部85と第2の部材8bの固定用突出部87とを重ね合わせて、固定用突出部85の通孔86と固定用突出部87の通孔88とが連通した状態で、固定部18たるリベットを通孔86、通孔88に挿入、篏合させることで、アウタープレート8が組み付けられる。なお、図9及び図10において、インナープレート9とハブ7とが別体の構成に適用される場合について示したが、必ずしもこれに限定されない。図示しないが、図1、図5に示されるように、インナープレート9とハブ7とが一体の構成の場合にも、実施例3の第1の部材8aと第2の部材8bとで成るアウタープレート8を適用することは可能である。固定部18による接続は、図示されたリベットを用いた接続に限定されず、例えば溶接による接続であっても良い。アウタープレート8が第1の部材8aと第2の部材8bに分離したので、第2の部材8bの材料だけがバネ鋼であっても良い。
1 電磁クラッチ
4 ロータ
5 アーマチュアプレート
53 突出部
54 通孔
6 励磁コイル
7 ハブ
8 アウタープレート
81 外周壁
83 延出部
9 インナープレート
10 ダンパ
16 固定部
A 電磁クラッチの組み付け体

Claims (4)

  1. 励磁コイルへの通電による電磁吸引力によりロータと係合されて前記ロータと一体に回転するリング状のアーマチュアプレートと、
    前記アーマチュアプレートの反ロータ側に配されて、前記アーマチュアプレートを前記ロータから離れる方向へ弾性力を発生するリング状のダンパと、
    前記ダンパを保持するために前記ダンパの外周側に配置されたリング状のアウタープレートと、
    前記ダンパを保持するために前記ダンパの内周側に配置されたリング状のインナープレートと
    を備えた電磁クラッチの組み付け体において、
    前記アウタープレートと前記アーマチュアプレートとを、前記ダンパの内周よりも内側にて接続したことを特徴とする電磁クラッチの組み付け体。
  2. 前記アウタープレートは、前記ダンパの軸方向に延びる筒状の外周壁と、前記外周壁の基端から前記インナープレート側に向けて前記ダンパの内周よりも延びる延出部とを有し、
    前記アーマチュアプレートと前記アウタープレートとは、前記延出部を介して接続したことを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチの組み付け体。
  3. 前記アーマチュアプレートは、内周縁から当該アーアマチュアプレートの中心側に向けて突出した複数の突出部を有し、
    前記アウタープレートと前記アーマチュアプレートとは、前記突出部を介して接続したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁クラッチの組み付け体。
  4. 前記アウタープレートの材料は、バネ鋼であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁クラッチの組み付け体。
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