JP2013185643A - 電磁クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブリッジの幅を拡大することなく、ブリッジの内径側角部に作用する最大曲げ応力を低減する。
【解決手段】アーマチャ4に対向して配置されるロータ1の摩擦板13は、回転軸線L0を中心とする仮想円D1に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔131と、周方向に隣り合う貫通孔131,131の間に設けられた周方向複数のブリッジ136とを有する。貫通孔131の内径側周縁131aに連なるブリッジ136の内径側角部136aの半径r1は、貫通孔131の外径側周縁131bに連なるブリッジ136の外径側角部136bの半径r2よりも大きい。
【選択図】図5
【解決手段】アーマチャ4に対向して配置されるロータ1の摩擦板13は、回転軸線L0を中心とする仮想円D1に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔131と、周方向に隣り合う貫通孔131,131の間に設けられた周方向複数のブリッジ136とを有する。貫通孔131の内径側周縁131aに連なるブリッジ136の内径側角部136aの半径r1は、貫通孔131の外径側周縁131bに連なるブリッジ136の外径側角部136bの半径r2よりも大きい。
【選択図】図5
Description
本発明は、円周方向に沿って複数の貫通孔が設けられたロータを有する電磁クラッチに関する。
従来より、電磁力によりアームチャをロータの摩擦板へ吸引することで、アーマチャとロータとを一体に結合し、動力の伝達を行うようにした電磁クラッチが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載の電磁クラッチでは、アーマチャに対向するロータの摩擦板(中央リング)に複数の円弧状の貫通孔を穿設し、周方向に隣り合う貫通孔の間にブリッジを形成するとともに、貫通孔を介してロータの摩擦板を径方向複数に分割している。
この種の電磁クラッチでは、電磁吸引力を増大するために、ブリッジを流れる洩れ磁束を低減することが要求され、そのためにはブリッジの周方向幅はできるだけ小さい方が好ましい。しかしながら、ロータの外筒部の外周面にはVベルト等を介して回転力が負荷されるため、ロータの摩擦板には、Vベルトからの張力によって曲げモーメントが作用する。このため、ブリッジの幅を小さくすると、曲げモーメントによって、ブリッジの周縁部を起点にしてロータが破損するおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑み、ブリッジの幅を大きくすることなく、曲げモーメントに対するロータの強度を上昇させることができる電磁クラッチを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明による電磁クラッチ(100)は、外周面に回転駆動源からの回転力が負荷される外筒部(12)と、この外筒部(12)の軸方向端部から径方向内側に延在する摩擦板(13)とを一体に有し、回転駆動源からの回転力により回転軸線(L0)を中心として回転駆動されるロータ(1)と、外筒部(12)の径方向内側に配置された電磁コイル(3)を有するステータ(2)と、摩擦板(13)に対向して配置され、電磁コイル(3)への通電によって発生した電磁力により摩擦板(13)に吸着されるアーマチャ(4)とを備える。摩擦板(13)は、回転軸線(L0)を中心とする仮想円(D1)に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔(131)と、周方向に隣り合う貫通孔(131,131)の間に設けられた周方向複数のブリッジ(136)とを有する。とくに、貫通孔(131)の内径側周縁(131a)に連なるブリッジ(136)の内径側角部(136a)の半径(r1)は、貫通孔(131)の外径側周縁(131b)に連なるブリッジ(136)の外径側角部(136b)の半径(r2)よりも大きい。
これにより、ブリッジの内径側角部の応力集中が緩和される。このため、ブリッジの幅を拡大することなく、ブリッジの内径側角部に作用する最大曲げ応力を低減することができ、ロータの強度を上昇させることができる。
なお、上記に付した符号は、後述する実施形態に記載の具体的実施態様との対応関係を示す一例である。
以下、図1〜図5を参照して、本発明の電磁クラッチの一実施形態について説明する。電磁クラッチは、電磁コイルへの通電によって生じる電磁力により、回転駆動源からの動力を伝達および遮断する乾式単板クラッチである。以下では、一例として、エンジンからの動力を自動車用空調装置の圧縮機(冷媒圧縮機)に伝達および圧縮機への動力伝達を遮断する電磁クラッチについて説明する。
図1は、本実施形態に係る電磁クラッチ100の全体構成を示す断面図であり、図2,図3は、図1の要部拡大図である。なお、図1,2は、エンジンからの動力伝達を遮断した電磁クラッチ100のオフ状態を、図3は、エンジンからの動力を圧縮機へ伝達する電磁クラッチ100のオン状態をそれぞれ示す。
図1に示すように、電磁クラッチ100は、図示されない駆動源である車両エンジンによって回転駆動され、軸線L0を中心に回転するロータ1と、電磁コイル3を有するステータ2と、電磁コイル3への通電によって発生した電磁力により、ロータ1の摩擦板11の端面(摩擦面1a)に吸着されるアーマチャ4と、圧縮機(不図示)に回転動力を伝えるハブ5とを備える。なお、以下では、便宜上、軸線L0に沿った方向を前後方向、軸線L0に直交して放射状に延びる方向を径方向、軸線L0を中心とした円の周面に沿った方向を周方向とそれぞれ定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。圧縮機は、電磁クラッチ100の後方に配置されている。
ロータ1は、鉄等の磁性体により形成されている。図2に示すように、ロータ1は、軸線L0を中心とした円筒形状の内筒部11および内筒部11よりも大径の外筒部12と、径方向に延在し、内筒部11と外筒部12の前端部同士を接続する摩擦板13とを有する。すなわち、ロータ1の径方向断面は、後側が開口された断面コ字形状(逆コ字形状)を呈し、内筒部11と外筒部12の内側に円筒空間を有する。ロータ1の円筒空間には、ステータ2がロータ1から隙間を空けて収容され、ステータ2の周囲をロータ1が回転可能となっている。
ロータ1の円筒部11の内周面にはベアリング6が嵌合されている。ベアリング6の内周面は、図示しない圧縮機のフロントハウジングの外周面に固定され、ロータ1は、ベアリング6を介してフロントハウジングに回転可能に支持されている。ロータ1の外筒部12の外周面には、円筒形状のプーリ14が一体に接合され、プーリ14の外周面には、多重のV溝14aが形成されている。V溝14aには、エンジンとの間で図示しない多段式のVベルトが掛け渡され、Vベルトを介して伝達されたエンジンの回転動力により、ロータ1が回転する。
ステータ2は、電磁コイル3を支持するスプール21と、スプール21が収納されるハウジング22とを有する。スプール21は、電気絶縁性を有する樹脂を構成材として樹脂成形により形成されている。スプール21は、全体が軸線L0を中心とした環状形状であり、径方向外側が開口された断面U字形状を呈する。スプール21の円筒部21aの周囲にコイル線3aが券回され、電磁コイル3が形成されている。ハウジング22は、鉄等の磁性材により構成され、前側が開口された断面コ字形状を呈する。ハウジング22のコの字空間内に、電磁コイル3とスプール21が収容された状態で、ハウジング22内の隙間を埋めるように電機絶縁性を有する樹脂材23が充填され、電磁コイル3とスプール21が固定されている。ステータ2は、ハウジング22に固定されたサポート部材24を介して圧縮機のフロントハウジングに支持されている。
アーマチャ4は、前後方向に所定厚さを有する軸線L0を中心とした円環状の板状部材であり、鉄等の磁性体により構成されている。アーマチャ4の後端面には、ロータ1の摩擦面1aに対向して摩擦面4aが形成されている。アーマチャ4は、ロータ1およびハウジング22とともに図2の矢印に示すような磁気回路を形成する。
図1に示すように、ハブ5は、リベット7によりアーマチャ4の前端面に結合された環状のアウターハブ51と、アウターハブ51の径方向内側に配置された環状のインナーハブ52と、アウターハブ51とインナーハブ52との間に設けられた環状の弾性部材(例えばゴム部材)53とを有する。弾性部材53は、アウターハブ51の円筒部51aの内周面とインナーハブ52の円筒部52aの外周面に固定され、弾性部材53を介してアウターハブ51とインナーハブ52が一体化されている。インナーハブ52は、後方に突設された円筒部54を有する。円筒部54の内周面には、軸線L0を中心にして回転する圧縮機の回転軸(不図示)がスプライン結合され、ロータ1の回転は、アーマチャ4とハブ5を介して圧縮機に伝達される。なお、インナーハブ52と圧縮機の回転軸はボルトによって結合されるが、その図示は省略している。
図3は、ロータ1の摩擦板13の正面図(図2の矢視III図)である。図3に示すように、摩擦板13には、軸線L0を中心とした直径D1の仮想円CR1に沿って複数の円弧状の貫通孔131が形成されるとともに、直径D1よりも大きな直径D2の仮想円CR2に沿って複数の円弧状の貫通孔132が形成されている。貫通孔131,132の幅(径方向長さ)は周方向にわたって一定であり、貫通孔131,132はスロット状の細長い貫通溝(スロット孔)となっている。
摩擦板13は、これら貫通孔131,132を介して径方向3つの部分133〜135に分けられている。すなわち、貫通孔131よりも径方向内側の小径リング部133、貫通孔131と貫通孔132の間の中間リング部134および貫通孔132よりも径方向外側の大径リング部135に分けられている。
周方向に隣り合う貫通孔131と貫通孔131の間にはそれぞれブリッジ136が形成され、周方向に隣り合う貫通孔132と貫通孔132の間にはそれぞれブリッジ137が形成されている。ブリッジ136を介して小径リング部133と中間リング部134および中間リング134と大径リング部135がそれぞれ接続されている。ブリッジ136,137は、例えば摩擦板13を打ち抜き加工して貫通孔131,132を穿設することにより形成できる。
なお、各貫通孔131の形状(周方向長さや径方向長さ)は互いに等しく、各貫通孔132の形状も互いに等しい。また、各ブリッジ136の周方向長さW1は互いに等しく、各ブリッジ137の周方向長さW2も互いに等しい。すなわち、摩擦板13には、周方向等間隔に均等に貫通孔131と貫通孔132がそれぞれ設けられ、摩擦板13は、軸線L0を中心とした対称形状を呈している。
図2に示すように、アーマチャ4には、直径D1よりも大きく、かつ、直径D2よりも小さな直径D3の仮想円CR3に沿って周方向複数の円弧状の貫通孔41が形成されている。アーマチャ4は、貫通孔41を介して、貫通孔41よりも径方向内側の小径リング部42と、貫通孔41よりも径方向外側の大径リング部43とに分けられている。なお、図示は省略するが、周方向に隣り合う貫通孔41と貫通孔41の間にはブリッジ44が形成され、ブリッジ44を介して小径リング部42と大径リング部43が接続されている。
以上のように構成された電磁クラッチ100の動作を説明する。エンジンからの回転動力によりロータ1が回転している状態で、電磁クラッチ100のオン動作が指令されると、電磁コイル3が通電される。この電磁コイル3の通電により磁束が発生し、図2の矢印に示すように、ハウジング22からロータ1およびアーマチャ4を経てハウジング22に戻る磁気回路を磁束が流れる。すなわち、ハウジング22、摩擦板13の小径リング部133、アーマチャ4の小径リング部42、摩擦板13の中間リング部134、アーマチャ4の大径リング部43、および摩擦板13の大径リング部135へと順次磁束が流れる。
これにより、ロータ1の摩擦面1aとアーマチャ4の摩擦面4aとの間に電磁吸引力(電磁力)が発生し、アーマチャ4は、弾性部材53(図1)の弾性力に抗して摩擦面1aに吸引され、アーマチャ4がロータ1の摩擦面1aに吸着されて、ロータ1とハブ5が一体に回転する。その結果、ハブ5を介して圧縮機の回転軸に回転力が伝達され、圧縮機が作動する。この場合、ロータ1の摩擦板13に貫通孔131,132(いわゆる磁気遮断部)を設けているので、磁束洩れが少なく、大きな電磁吸引力を発生できる。
その後、電磁クラッチ100のオフ動作が指令されると、電磁コイル3への通電が遮断され、アーマチャ4に作用する電磁吸引力が解除される。これにより、図1に示すように、アーマチャ4は弾性部材53の付勢力により前方に変位し、アーマチャ4の摩擦面4aがロータ1の摩擦面1aから離間して、摩擦面1a,4a間に空隙が生じる。この状態では、エンジンからの回転動力はロータ1に伝達されるだけで、ハブ5には伝達されない。このため、圧縮機の回転軸への動力伝達が遮断され、圧縮機の作動が停止する。
ところで、ロータ1の回転時には、ロータ1の外筒部12の外周面(プーリ14)にVベルトを介して回転力が負荷される。その結果、図4に示すように外筒部12にはVベルトの張力よる径方向内側への荷重F(ベルト軸荷重と呼ぶ)が作用する。ベルト軸荷重Fは、代表すると摩擦板13よりも後方にオフセットした位置P(プーリ14の前後方向中央位置)に作用するため、摩擦板13には、ベルト軸荷重Fによる曲げモーメントMが作用する。このため、摩擦板13の径方向内側のブリッジ136に、最大曲げ応力が作用し、ブリッジ136の周縁部(応力集中部)を起点にしてロータ1が破損するおそれがある。
これを回避するためには、ブリッジ136の幅W1(図3)を大きくすることが考えられる。しかしながら、ブリッジ136の幅W1を大きくすると、磁束洩れが大きくなり、電磁吸引力の低下を招く。そこで、磁束洩れを大きくすることなく、ベルト軸荷重Fに対するロータ1の強度を向上するため、本実施形態では、以下のようにブリッジ136を構成する。
図5(a),(b)は、それぞれ図3の要部拡大図である。とくに図5(a)は、内径側のブリッジ136の拡大図を示し、図5(b)は、外径側のブリッジ137の拡大図を示している。ここで、図5(a)に示す貫通孔131の内径側周縁131aに連なるブリッジ136の内径側角部136aの半径をr1、外径側周縁131bに連なるブリッジ136の外径側角部136bの半径をr2とする。また、図5(b)に示す貫通孔132の内径側周縁132aに連なるブリッジ137の内径側角部137aの半径をr3、外径側周縁132bに連なるブリッジ137の外径側角部137bの半径をr4とする。なお、半径r1〜r4は、いわゆる隅角R部である。
図5(a)に示すように、本実施形態では、ブリッジ136の内径側角部136aの半径r1を、外径側角部136bの半径r2よりも大きくしている。具体的には、貫通孔131の径方向長さをL1とすると、半径r1はL1の0.5倍よりも大きく、半径r2はL1の0.5倍よりも小さい。これによりブリッジ136の内径側角部136aの応力集中を緩和することができ、ロータ1の破損を防ぐことができる。
すなわち、曲げモーメントMによる最大応力は、ブリッジ136の内径側角部136aで発生し、内径側角部136aの形状によってロータ1の強度が左右される。この点を考慮して本実施形態では、内径側角部136aの半径r1を外径側角部136bの半径r2よりも大きくしたので、ブリッジ136の幅W1を大きくすることなく、ロータ1の強度を効率的に高めることができる。この場合、半径r1は、ブリッジ136の幅W1、貫通孔131の径方向長さL1、ベルト軸荷重F、曲げモーメントM等を考慮し、所定の安全率を加味して実験あるいは解析等によって決定される。そして、ブリッジ136の幅W1と半径r1の値を決定した後に、これらの値W1、r1を満たすように、半径r2が決定される。一例を挙げると、W1を6mm、r1を3mmとすると、r2は0.8mmとなる。
一方、径方向外側のブリッジ137に関しては、曲げモーメントMによる応力が小さいため、内径側角部137aの半径r3を大きくする必要がない。このため、図5(b)に示すように、本実施形態では、内径側角部137aの半径r3と外径側角部137bの半径r4を例えば同一の値としている。具体的には、貫通孔132の径方向長さをL2とすると、半径r3、r4はそれぞれL2の0.5倍である。また、本実施形態では、貫通孔131の径方向長さL1と貫通穴132の径方向長さL2を互いに等しくしている。このため、半径r1は半径r3、r4よりも大きい。一例を挙げると、W2は6mm、r3、r4は1.25mmである。なお、L1とL2を互いに異なった値とした上で、半径r1を半径r3、r4より大きくしてもよい。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ロータ1の摩擦板13に、軸線L0を中心とする仮想円CR1に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔131と、隣り合う貫通孔131,131の間に設けられた周方向複数のブリッジ136とを設けた。そして、貫通孔131の内径側周縁131aに連なるブリッジ136の内径側角部136aの半径r1を、外径側周縁131bに連なる外径側角部136bの半径r2よりも大きくした。これによりブリッジ136の幅W1を拡大することなく、ブリッジ136の内径側角部136aに作用する最大曲げ応力を低減することができ、ロータ1の破損を防ぐことができる。
(1)ロータ1の摩擦板13に、軸線L0を中心とする仮想円CR1に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔131と、隣り合う貫通孔131,131の間に設けられた周方向複数のブリッジ136とを設けた。そして、貫通孔131の内径側周縁131aに連なるブリッジ136の内径側角部136aの半径r1を、外径側周縁131bに連なる外径側角部136bの半径r2よりも大きくした。これによりブリッジ136の幅W1を拡大することなく、ブリッジ136の内径側角部136aに作用する最大曲げ応力を低減することができ、ロータ1の破損を防ぐことができる。
(2)上記貫通孔131とブリッジ136に加え、ロータ1の摩擦板13に、仮想円CR1よりも大径の仮想円CR2に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔132と、隣り合う貫通孔132,132の間に設けられた周方向複数のブリッジ137とを設けた。そして、ブリッジ136の内径側角部136aの半径r1を、ブリッジ137の内径側角部137aの半径r3よりも大きくした。すなわち、径方向の異なる位置に複数のブリッジ136,137がある場合に、最内径のブリッジ136における内径側角部136aの半径r1が最大となるようにした。これにより最内径以外のブリッジ137に関しては、加工性等を考慮して半径r3、r4を決定することができ、設計の自由度が大きい。
(3)アーマチャ4にも、仮想円CR1よりも大径かつ仮想円CR2よりも小径の仮想円CR3に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔41と、隣り合う貫通孔41,41の間に設けられた周方向複数のブリッジ44とを設けた。これにより摩擦板13とアーマチャ4との間に、径方向に蛇行して磁気回路が形成されるので(図2)、電磁吸引力を増大することができ、電磁クラッチ100の性能が向上する。
(4)ブリッジ136の内径側角部136aの半径r1を、貫通孔131の径方向長さL1の0.5倍よりも大きくした。したがって、半径r1とブリッジ136の幅W1とを定めた後に、これらr1とW1とを満たすように外径側角部136bの半径r2を定める場合に、r2は必然的にr1よりも小さくなり、r1>r2の設計要件を容易に満たすことができる。
(5)軸線L0を中心とした内筒部11および外筒部12と、内筒部11と外筒部12の前端部同士を接続する摩擦板13とを有する断面コ字形状に、ロータ1を形成した。そして、内筒部11と外筒部12の間に、電磁コイル3を有するステータ2を配置するとともに、内筒部11の径方向内側にベアリング6を配置するようにした。ここで、ロータ1の全体形状やステータ2、ベアリング6の配置は一般的なものであり、大幅な設計変更をすることなく、ロータ1の強度を大幅に向上することができる。
(変形例)
本実施形態の変形例として以下のようなものが考えられる。上記実施形態では、ロータ1の摩擦板13に、軸線L0を中心とした仮想円D1、D2に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔131,132を形成し、周方向に隣り合う貫通孔131,131および132,132の間にそれぞれ周方向複数のブリッジ136,137を設けるようにした。すなわち、仮想円D1(第1の仮想円)に沿って複数の貫通孔131(第1の貫通孔)とブリッジ136(第1のブリッジ)を設け、仮想円D1よりも大径の仮想円D2(第2の仮想円)に沿って複数の貫通孔132(第2の貫通孔)とブリッジ137(第2のブリッジ)を設けるようにした。しかし、貫通孔131,132とブリッジ136,137の配置や個数は上述したものに限らない。例えば、貫通孔とブリッジを径方向3箇所以上設けてもよい。この場合、最内径のブリッジの内径側角部の半径を外径側角部の半径より大きくすればよい。すなわち、貫通孔の内径側周縁に連なるブリッジの内径側角部の半径を、外径側周縁に連なるブリッジの外径側角部の半径よりも大きくするのであれば、摩擦板13に設けられる貫通孔とブリッジの構成はいかなるものでもよい。外筒部12と、外筒部12の軸方向端部から径方向内側に延在する摩擦板13とを一体に有し、回転駆動源からの回転力により回転軸線L0を中心として回転駆動されるのであれば、ロータ1の形状は上述したものに限らない。
本実施形態の変形例として以下のようなものが考えられる。上記実施形態では、ロータ1の摩擦板13に、軸線L0を中心とした仮想円D1、D2に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔131,132を形成し、周方向に隣り合う貫通孔131,131および132,132の間にそれぞれ周方向複数のブリッジ136,137を設けるようにした。すなわち、仮想円D1(第1の仮想円)に沿って複数の貫通孔131(第1の貫通孔)とブリッジ136(第1のブリッジ)を設け、仮想円D1よりも大径の仮想円D2(第2の仮想円)に沿って複数の貫通孔132(第2の貫通孔)とブリッジ137(第2のブリッジ)を設けるようにした。しかし、貫通孔131,132とブリッジ136,137の配置や個数は上述したものに限らない。例えば、貫通孔とブリッジを径方向3箇所以上設けてもよい。この場合、最内径のブリッジの内径側角部の半径を外径側角部の半径より大きくすればよい。すなわち、貫通孔の内径側周縁に連なるブリッジの内径側角部の半径を、外径側周縁に連なるブリッジの外径側角部の半径よりも大きくするのであれば、摩擦板13に設けられる貫通孔とブリッジの構成はいかなるものでもよい。外筒部12と、外筒部12の軸方向端部から径方向内側に延在する摩擦板13とを一体に有し、回転駆動源からの回転力により回転軸線L0を中心として回転駆動されるのであれば、ロータ1の形状は上述したものに限らない。
アーマチャ4に、仮想円D1よりも大径かつ仮想円D2よりも小径の仮想円D3(第3の仮想円)に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔41を形成し、これら周方向に隣り合う貫通孔41の間に周方向複数のブリッジ44を設けるようにしたが、アーマチャ4の構成は上述したものに限らない。例えばアーマチャ4のブリッジ44の応力集中を緩和するために、ブリッジ44の内径側角部の半径を外径側角部の半径よりも大きくしてもよい。ブリッジ136の内径側角部136aの曲率r1を、貫通孔131の径方向長さL1の0.5倍より大きくしたが、r1>r2を満たすのであれば、0.5倍より小さくてもよい。ロータ1を断面コ字形状としたが、ロータ1の形状は上述したものに限らない。弾性部材53ではなく、板ばねを用いてハブ5を構成してもよい。
以上の実施の形態では、電磁クラッチ100を自動車用空調装置の圧縮機に適用したが、本発明の電磁クラッチは、他の回転機器にも同様に適用することができる。したがって、エンジンからの動力によりロータ1を駆動するのではなく、他の回転駆動源(例えばモータ)によりロータ1を駆動するようにしてもよい。また、電磁クラッチ100を介して回転力が伝達される従動側機器は圧縮機以外であってもよい。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態および変形例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。すなわち、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。
1 ロータ
2 ステータ面
12 外筒部
13 摩擦板
131 貫通孔
131a 内径側周縁
131b 外径側周縁
136 ブリッジ
136a 内径側角部
136b 外径側角部
r1,r2 半径
2 ステータ面
12 外筒部
13 摩擦板
131 貫通孔
131a 内径側周縁
131b 外径側周縁
136 ブリッジ
136a 内径側角部
136b 外径側角部
r1,r2 半径
Claims (5)
- 外周面に回転駆動源からの回転力が負荷される外筒部(12)と、この外筒部(12)の軸方向端部から径方向内側に延在する摩擦板(13)とを一体に有し、前記回転駆動源からの回転力により回転軸線(L0)を中心として回転駆動されるロータ(1)と、
前記外筒部(12)の径方向内側に配置された電磁コイル(3)を有するステータ(2)と、
前記摩擦板(13)に対向して配置され、前記電磁コイル(3)への通電によって発生した電磁力により前記摩擦板(13)に吸着されるアーマチャ(4)とを備えた電磁クラッチ(100)であって、
前記摩擦板(13)は、前記回転軸線(L0)を中心とする仮想円(D1)に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔(131)と、周方向に隣り合う前記貫通孔(131,131)の間に設けられた周方向複数のブリッジ(136)とを有し、
前記貫通孔(131)の内径側周縁(131a)に連なる前記ブリッジ(136)の内径側角部(136a)の半径(r1)は、前記貫通孔(131)の外径側周縁(131b)に連なる前記ブリッジ(136)の外径側角部(136b)の半径(r2)よりも大きいことを特徴とする電磁クラッチ。 - 請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、
前記周方向複数の貫通孔(131,132)およびブリッジ(136,137)は、
第1の仮想円(D1)に沿って配列された円弧状の複数の第1の貫通孔(131)および周方向に隣り合う前記第1の貫通孔(131,131)の間に設けられた周方向複数の第1のブリッジ(136)と、
前記第1の仮想円(D1)よりも大径の第2の仮想円(D2)に沿って配列された円弧状の複数の第2の貫通孔(132)および周方向に隣り合う前記第2の貫通孔(132,132)の間に設けられた周方向複数の第2のブリッジ(137)とを含み、
前記第1のブリッジ(136)の内径側角部(136a)の半径(r1)は、前記第2のブリッジ(137)の内径側角部(137a)の半径(r3)よりも大きいことを特徴とする電磁クラッチ。 - 請求項2に記載の電磁クラッチにおいて、
前記アーマチャ(4)は、前記第1の仮想円(D1)よりも大径かつ前記第2の仮想円(D2)よりも小径の第3の仮想円(D3)に沿って配列された円弧状の複数の貫通孔(41)と、これら周方向に隣り合う貫通孔(41,41)の間に設けられた周方向複数のブリッジ(44)とを有することを特徴とする電磁クラッチ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁クラッチにおいて、
前記ブリッジ(136)の内径側角部(136a)の半径(r1)は、前記貫通孔(131)の径方向長さ(L1)の0.5倍よりも大きいことを特徴とする電磁クラッチ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁クラッチにおいて、
前記ロータ(1)は、前記外筒部(12)の径方向内側に配置され、前記摩擦板(13)の径方向内側端部に接続された内筒部(11)を有し、
前記内筒部(11)と前記外筒部(22)との間に前記ステータ(2)が配置され、
前記内筒部(11)の径方向内側にベアリング(6)が配置されていることを特徴とする電磁クラッチ。
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WO2019132222A1 (ko) * | 2017-02-22 | 2019-07-04 | 한온시스템 주식회사 | 전자클러치 및 이를 포함하는 압축기 |
Citations (2)
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JP2005069401A (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-17 | Toyota Motor Corp | はすば歯車 |
WO2010146864A1 (ja) * | 2009-06-18 | 2010-12-23 | 三菱重工業株式会社 | 電磁クラッチ、圧縮機、電磁クラッチの製造方法 |
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2012
- 2012-03-07 JP JP2012050715A patent/JP2013185643A/ja active Pending
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