JP2006312971A - 電磁クラッチ - Google Patents

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俊宏 小西
Yasuo Tabuchi
泰生 田渕
Toshihiro Hayashi
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Abstract

【課題】 板ばね部材をゴム系弾性材からなる弾性部材によりアーマチュアに一体に結合するハブ構造を持つ電磁クラッチにおいて、板ばね部材の制振作用を向上する。
【解決手段】 アーマチュア5と板ばね部材13との間に、ゴム系弾性材からなる板状の弾性部材15を配置し、板ばね部材13の外周環状部13fを弾性部材15によりアーマチュア5に一体に結合し、板ばね部材13の内周環状部13aを、従動側機器に結合されるインナーハブ11に一体に結合し、弾性部材15を、板ばね部材13の内周環状部13aとインナーハブ11との間にも介在するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転動力の伝達および遮断を行う電磁クラッチに関し、例えばカーエアコンの圧縮機作動の断続のために用いて好適である。
従来、カーエアコンの圧縮機用電磁クラッチでは、エンジン等の駆動源により回転駆動されるロータと、このロータに対して所定の微小間隙を隔てて対向配置されたアーマチュアと、このアーマチュアを圧縮機側の回転軸に結合するハブ構造とを備えている。
そして、このハブ構造として、圧縮機側の回転軸に結合されるインナーハブと、このインナーハブに結合される板ばね部材とを有し、この板ばね部材をゴムからなる弾性部材にてアーマチュアに一体に結合する構造が公知になっている(特許文献1参照)。
また、別の従来技術として、インナーハブと、このインナーハブに結合される板ばね部材との間にゴムからなる弾性部材を配置する構造が公知になっている(特許文献2参照)。
特開2000−161389号公報 実開平2−5620号公報
ところで、特許文献1の従来技術は、板ばね部材のうち径方向外側部分とアーマチュアとの間にゴムからなる弾性部材を配置しているのみである。このため、板ばね部材の径方向内側部分はインナーハブに直接接触してインナーハブに連結されるだけである。
このような構成であると、アーマチュアの吸引作動に伴う衝撃によって板ばね部材が振動する際に、弾性部材が板ばね部材の径方向外側部分のみと接触して制振作用を発揮することになる。この結果、板ばね部材の径方向内側部分には制振作用を及ぼすことができず、板ばね部材の制振作用が不十分となり、クラッチ作動音を十分低減できない。
また、特許文献2の従来技術では、インナーハブと板ばね部材の径方向内側部分との間のみにゴムからなる弾性部材を配置し、板ばね部材の径方向外側部分はアーマチュアに直接連結される。このため、ばね部材の径方向外側部分には制振作用を及ぼすことができず、クラッチ作動音を十分低減できない。
本発明は上記点に鑑みて、板ばね部材をゴム系弾性材からなる弾性部材によりアーマチュアに一体に結合するハブ構造を持つ電磁クラッチにおいて、板ばね部材の制振作用を向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、アーマチュア(5)と板ばね部材(13)との間に、ゴム系弾性材からなる板状の弾性部材(15)を配置し、
板ばね部材(13)のうちクラッチ半径方向の外側部分(13f)を弾性部材(15)によりアーマチュア(5)に一体に結合し、
また、板ばね部材(13)のうちクラッチ半径方向の内側部分(13a)を、従動側機器に結合されるインナーハブ(11)に一体に結合し、
弾性部材(15)を、板ばね部材(13)の内側部分(13a)とインナーハブ(11)との間にも介在するようにしたことを特徴としている。
これによると、板ばね部材(13)のうちクラッチ半径方向の外側部分(13f)から内側部分(13a)に至る略全域にゴム系弾性材からなる弾性部材15が配置される。そのため、アーマチュア(5)が駆動側回転部材(4)に吸着されるクラッチオン時には板ばね部材(13)の撓みに伴って板ばね部材(13)の略全域の弾性部材15を圧縮変形させる。
この結果、弾性部材15の圧縮変形に伴うゴム材料の内部摩擦を増大して、板ばね部材13の制振作用を効果的に向上できる(後述の図7参照)。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、具体的には、板ばね部材(13)の内側部分(13a)とインナーハブ(11)とを機械的締結手段(12、14)により結合するとともに、この機械的締結手段(12、14)の配置部位を除いて板ばね部材(13)の外側部分(13f)から内側部分(13a)に至る全域に弾性部材(15)を配置すればよい。
請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の電磁クラッチにおいて、板ばね部材(13)の外側部分は外周環状部(13f)として構成され、板ばね部材(13)の内側部分は内周環状部(13a)として構成され、
内周環状部(13a)と外周環状部(13f)との間に半径方向に延びる複数の板ばね部(13e)を一体に形成し、
板ばね部材(13)のうち、アーマチュア(5)側の表面に内周環状部(13a)、外周環状部(13f)および複数の板ばね部(13e)の全域にわたって弾性部材(15)を配置すればよい。
これによると、1枚の2重環状形状からなる円板状の板ばね部材(13)を用いた構成にて、請求項1の作用効果を発揮できる。、
請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁クラッチにおいて、弾性部材(15)を、板ばね部材(13)のうちアーマチュア(5)と反対側の表面を覆うように形成すれば、弾性部材(15)による板ばね制振作用をさらに向上できる。
請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電磁クラッチにおいて、弾性部材(15)をアーマチュア(5)および板ばね部材(13)と一体成形すれば、弾性部材(15)を成形すると同時にアーマチュア(5)および板ばね部材(13)と接着でき、組み付け工程を簡略化できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1〜図6は本発明の一実施形態を示すものであり、図1は車両空調用冷凍サイクルの冷媒圧縮機に装着される電磁クラッチの断面図で、図2のA−A断面図である。図2は図1の左側からみた正面図であり、図3は図2のB−B断面図である。図4は板ばね部材13単体の正面図、図5は弾性部材15の接着範囲を斜線部で示す電磁クラッチの正面図、図6は樹脂製介在部材16単体の正面図である。
電磁クラッチ1は、ステータ2内に収容された電磁コイル3と、図示しない車両エンジンによって回転駆動される駆動側回転部材をなすロータ4と、電磁コイル3の発生する電磁力によってロータ4に吸着されるアーマチュア5と、このアーマチュア5に結合され、アーマチュア5と一体に回転する従動側回転部材をなすハブ6とを備えている。
このハブ6は図示しない冷媒圧縮機の回転軸に結合され、冷媒圧縮機に回転動力を伝える。冷媒圧縮機は本実施形態の従動側機器をなす。
ステータ2、ロータ4およびアーマチュア5は鉄系の磁性体で形成され、電磁コイル3の発生する磁束の磁気回路を構成する。ステータ2は断面コ字形の形状に形成され、その内側空間に電磁コイル3が収容されている。
電磁コイル3は具体的には、スプール7上に巻き回され、このスプール7とともにステータ2の内側空間にエポキシ等の絶縁樹脂部材8によって電気絶縁してモールド固定されている。なお、ステータ2は、リング状の支持部材9を介して図示しない冷媒圧縮機のハウジングに固定される。
ロータ4は、その外周部に多段式のVベルト(図示しない)が掛け渡されるプーリ4aを有し、Vベルトを介して伝達されたエンジンの回転動力によって回転する。ロータ4は、ステータ2を微小隙間を介在して収容する断面コ字形に形成されている。また、ロータ4は、その内周にベアリング10を備え、このベアリング10によってロータ4は図示しない冷媒圧縮機のハウジングの円筒ボス部の外周面上に回転自在に支持される。
アーマチュア5はリング状の円板形状に形成され、ロータ4の摩擦面4bに所定の微小間隙(例えば0.5mm程度)を隔てて対向配置される。なお、本例のアーマチュア5は、その半径方向の中間部に磁気遮断用溝部5aを形成している。この溝部5aはアーマチュア5の円周方向に細長く延びる円弧状の形状にて複数個(例えば4個)形成される。
従って、アーマチュア5のリング形状は、図1の上半部に示すように磁気遮断用溝部5aの外周側に位置する外周部5bと磁気遮断用溝部5aの内周側に位置する内周部5cとに区分される。なお、図1の下半部は、複数個の磁気遮断用溝部5ab相互間の位置(内外周の一体結合部)における断面形状を示している。
次に、本発明の要部をなすハブ6の詳細について説明すると、鉄系金属にて円筒状に形成されたインナーハブ11を有し、このインナーハブ11の円筒部内周面にはスプライン嵌合部11aが形成され、このスプライン嵌合部11aにて図示しない圧縮機回転軸が回り止めして一体に結合される。
また、インナーハブ11には、その円筒部の軸方向の一端部(外側端部)から半径方向の外方へ延びる取付フランジ部11bが一体形成されている。この取付フランジ部11bは環状の板形状であり、取付フランジ部11bの円形の外周形状は図2に図示されている。
この取付フランジ部11bにはリベット12により板ばね部材13を一体に固定している。但し、このリベット12による板ばね部材13の固定は、アーマチュア5および板ばね部材13に対する後述の弾性部材成形工程を終了した後に行う。
板ばね部材13は鉄系の金属ばね材により図4に示す概略円形の板形状に形成される。この概略円形の板形状は、中心部が開口した内周環状部13aと外周環状部13fとを有する2重の環状形状になっている。
板ばね部材13の内周環状部13aには複数(本例では3個)の取付穴13bが円周方向に等間隔で形成され、この取付穴13bおよび金属ワッシャ14(図1)の中心穴にリベット12を通して板ばね部材13の内周環状部13aを金属ワッシャ14を介して取付フランジ部11bに一体に固定している。従って、本実施形態では、リベット12および金属ワッシャ14によって、内周環状部13aと取付フランジ部11bとを一体に締結する機械的締結手段を構成している。
板ばね部材13の半径方向の中間部、すなわち、内周環状部13aと外周環状部13fとの間には複数の開口窓部13cが形成されている。この開口窓部13cは本例では板ばね部材13の円周方向の3箇所に等間隔に形成されている。開口窓部13cは円周方向に細長く延びる円弧状の形状であるが、開口窓部13cの内周形状の中央部には突起13dが形成されている。この突起13cは開口窓部13cの内周部から滑らかな曲面形状で半径方向の外方へ突出している。
そして、板ばね部材13のうち、3箇所の開口窓部13c相互の間には半径方向に延びる、幅の狭い板ばね部13eが形成される。従って、本例では板ばね部13eが板ばね部材13の円周方向の3箇所に等間隔に形成される。この3箇所の板ばね部13eによって、内周環状部13aと外周環状部13fとの間が一体に結合されている。
次に、板ばね部材13とアーマチュア5との間には板状の弾性部材15が介在されている。この弾性部材15により板ばね部材13の外周環状部13fとアーマチュア5の外周部5bとの間は一体に結合されている。
弾性部材15は、板ばね部材13とアーマチュア5との間のトルク伝達機能を果たすとともに、振動抑制(制振)作用を果たすゴム系弾性材である。ここで、弾性部材15に用いるゴム材質としては、車両の使用環境温度の広範な変化(−30℃〜120℃)に対してトルク伝達およびトルク変動吸収(振動減衰)の面で優れた特性を発揮するものが好ましく、例えば、塩素化ブチルゴムが好適である。その他に、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等を弾性部材15に用いてもよい。
なお、図5の斜線部は弾性部材15の配置(接着)範囲を示しており、図1および図5の図示から理解されるように、弾性部材15は、板ばね部材13とアーマチュア5との間だけでなくアーマチュア5の内周部からさらに半径方向内方へ延びて、板ばね部材13の内周環状部13aとインナーハブ11の取付フランジ部11bとの間にも配置されている。
より具体的には、内周環状部13aの内周端の内側に至る部位まで弾性部材15の内周部15dが形成され、板ばね部材13の内周環状部13aとインナーハブ11の取付フランジ部11bとの機械的締結部(リベット12および金属ワッシャ14の配置部)の周囲を弾性部材15の内周部15dで囲むようになっている。これにより、弾性部材15の内周部15dは板ばね部材13の内周環状部13aとインナーハブ11の取付フランジ部11bとの間に挟み込まれるようになっている。
また、弾性部材15は、板ばね部材13の外側表面およびアーマチュア5の外周端面上にも接着され、板ばね部材13の外側表面およびアーマチュア5の外周端面を弾性部材15にてほぼ全面的に覆うようになっている。ここで、板ばね部材13の外側表面とは、板ばね部材13のうちアーマチュア5と反対側の表面で、図1の左側表面である。
なお、板ばね部材13のうち、外周端部付近の微小範囲に板ばね部材13の露出部13g(図1、図3)を設けている。この露出部13gは、後述する弾性部材15の成形工程において成形金型にて板ばね部材13の外周端部付近を直接支持する部位であり、この成形金型による直接支持によって板ばね部材13の正規形状を安定的に維持する。
また、板ばね部材13の外周環状部13fに設けられている複数の開口部13h、13iはいずれも弾性部材15が成形工程にて板ばね部材13の外側(図1の左側)から板ばね部材13の内側(図1の右側)へ回り込みしやすくするためのものである。なお、弾性部材15の外周端付近の複数の円形凹部15aは、成形金型に装備される注入ゲートによって形成されるもので、この複数の円形凹部15aの部位から溶融ゴム材料の注入が行われる。
一方、弾性部材15のうち板ばね部13eに接着される部分とアーマチュア5との間にはこの両者間の接着を阻止する介在部材16が配置されている。この介在部材16の全体形状は図6に示す通り概略環状の板部材である。この介在部材16は、板ばね部材13のうち、開口窓部13cおよび板ばね部13eの形成部位を円周方向に延びる環状の形状になっている。従って、介在部材16は図1の上半部に示すようにアーマチュア5のうち内周部5cに対向して配置される。
この介在部材16は弾性部材15のゴム材質と非接着となる材質、具体的には樹脂で成形されている。本例では、介在部材16の材質として機械的強度、耐熱性等に優れたポリアミド樹脂(ナイロン66)を用いている。このポリアミド樹脂(ナイロン66)は、弾性部材15として用いる塩素化ブチルゴムの成形温度(溶融ゴムの温度)よりも十分高い耐熱温度を持っている。
また、介在部材16の外周部および内周部にはそれぞれ突起部16a、16b(図1、図3)が形成されている。そして、外周側突起部16aをアーマチュア5の磁気遮断用溝部5aに嵌合し、内周突起部16bをアーマチュア5の内周端面に嵌合することにより、介在部材16をアーマチュア5に組み付けることができる。
また、介在部材16のうち、板ばね部材13の開口窓部13cの一部の領域に対応して開口窓部16c(図3、図6)が形成され、この開口窓部16cの部分では弾性部材15がアーマチュア5の内周部5c上に直接接着されるようになっている。
弾性部材15のうち、板ばね部材13の開口窓部13c内に位置する扇形の突起部分15b(図2、図3)は介在部材16をアーマチュア5側へ押さえ付けて、介在部材16をアーマチュア5に固定する役割を果たす。
この扇形の突起部分15aの中央部に位置する開口部15cは、アーマチュア5のうち弾性部材15側の面に成形金型により直接支持される露出部5dを形成するためのものでる。
次に、アーマチュア5と板ばね部材13に対して弾性部材15を一体に成形する方法について説明する。まず、前処理としてアーマチュア5および板ばね部材13のうち弾性部材15が接着される部位に接着剤を塗布しておく。
次に、介在部材16の両突起部16a、16bを図1、図3のようにアーマチュア5の磁気遮断用溝部5aおよび内周端面に嵌合して、介在部材16をアーマチュア5に組み付ける。
次に、この介在部材16付きのアーマチュア5と板ばね部材13とを弾性部材15の成形金型内にセットする。ここで、アーマチュア5はロータ4側の面と露出部5dの部位において成形金型の内面で直接支持して位置決めできる。
また、板ばね部材13はその内周側の取付穴13b付近の表裏両面が露出部(図1の下半部参照)となるので、この取付穴13b付近の表裏両面と外周端部付近の露出部13gとを成形金型の内面で直接支持して、位置決めできる。
ここで、板ばね部材13は図1に図示するようにその内周部に比較して外周部がアーマチュア5側に位置するように板ばね部13eを弾性的に曲げ変形した状態で成形金型内にセットされる。
このため、板ばね部材13の内周部とアーマチュア5との距離(間隔)が、板ばね部材13の外周部(外周環状部13f)とアーマチュア5との距離(間隔)よりも大きくなっている。これに伴って、板ばね部材13のうち、開口窓部13cを介して半径方向で対向する突起13dと外周環状部13fとの間に所定の段差が発生するようになっている。
次に、弾性部材15を構成する溶融ゴム材料を成形金型の注入ゲートから金型内部空間に注入して、弾性部材15の成形を行う。この弾性部材15の成形は加硫成形であり、鉄系の金属材である板ばね部材13の表面およびアーマチュア5表面には弾性部材15が成形と同時に加硫接着される。
ここで、介在部材16は弾性部材15のゴム材料と非接着な樹脂材料で形成されているので、弾性部材15は介在部材16に接着されない。そして、アーマチュア5のうち、内周部5cは介在部材16により被覆されているので、弾性部材15はアーマチュア5の外周部5bのみに接着される。
従って、板ばね部材13の外周環状部13fのみが弾性部材15によってアーマチュア5の外周部5bに一体に結合される。
介在部材16は弾性部材15の成形範囲を規定する役割も果たすので、介在部材16の使用により成形金型の形状を簡素化でき、これにより、成形金型の製造コストを低減できる。
ところで、弾性部材15の成形終了後、アーマチュア5、板ばね部材13、弾性部材15および介在部材16を包含する成形構造物を成形金型から取り出すと、板ばね部材13は成形金型による曲げ変形の拘束状態から解放されるので、板ばね部材13の外周環状部13fが曲げ変形前の元に位置に復帰しようとするが、この外周環状部13fの変位によって突起13dの内側部分の弾性部材15が圧縮されるので、外周環状部13fの復帰がこの突起13d内側部分の弾性部材15によって抑えられる。これによって、アーマチュア5をロータ4側へ所定距離だけ変位させて、板ばね部材13の板ばね部13eに初期反力を発生できる。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明すると、電磁コイル3の通電停止時(クラッチオフ時)には、板ばね部材13の板ばね部13eに発生するばね力によってアーマチュア5がロータ4の摩擦面4bより所定間隔離れた位置に保持されている。
このため、図示しない車両エンジンからの回転動力はVベルトを介してロータ4に伝達されるだけで、アーマチュア5およびハブ6へは伝達されず、ロータ4のみがベアリング10上で空転している。従って、従動機器の冷媒圧縮機は停止している。
これに対し、電磁コイル3に通電されると、電磁コイル3の発生する電磁力によってアーマチュア5が板ばね部材13の板ばね部13eのばね力に抗してロータ4に吸引され、アーマチュア5がロータ4に吸着される。すると、ロータ4の回転がアーマチュア5、弾性部材15、板ばね部材13、およびインナーハブ11を介して冷媒圧縮機の回転軸に伝達され、冷媒圧縮機が作動する。
そして、電磁コイル3への通電が遮断されると、電磁力の消滅によりアーマチュア5が板ばね部材13の板ばね部13eのばね力により元の開離位置に復帰し、冷媒圧縮機が停止状態に戻る。
ところで、板ばね部材13と金属ワッシャ14との接触部を除いて、板ばね部材13のうちアーマチュア5側の表面(図1右側表面)の略全域にゴム系弾性材からなる弾性部材15を設けている。従って、板ばね部材13の外周環状部13fおよび板ばね部13eとアーマチュア5との間に弾性部材15が介在されるとともに、板ばね部材13の内周環状部13aとインナーハブ11の取付フランジ部11bとの間にも弾性部材15の内周部15dが介在されている。
さらに、板ばね部材13の外側表面(図1左側表面)も弾性部材15にてほぼ全面的に被覆している。この結果、上記のクラッチオン時に、アーマチュア5がロータ4の摩擦面に吸着されるときの衝撃、振動を弾性部材15の振動抑制作用により効果的に緩和できる。
同様に、圧縮機7の駆動トルク変動に起因する捩じれ共振も弾性部材15の振動減衰作用により緩和できる。これらの弾性部材15の振動抑制作用により、電磁クラッチ1および冷媒圧縮機の作動騒音を効果的に低減できる。
図7に基づいて本実施形態の構成が板ばね部材13の制振作用にとって有利なことをより具体的に説明する。図7は板ばね部材13の荷重と撓み量とにより決まるばね特性を示すもので、図7の特性aはアーマチュア5およびインナーハブ11と板ばね部材13との間にゴム系弾性材からなる弾性部材を配置しない場合のばね特性で、荷重と撓み量との関係が直線的な比例関係となる。
これに対し、図7の特性bは特許文献2のようにインナーハブ11と板ばね部材13の内側部分との間のみにゴム系弾性材からなる弾性部材を部分的に配置する場合であって、クラッチオン時には板ばね部材13の撓み量の増加に伴ってインナーハブ11上の弾性部材を圧縮変形するので、弾性部材の内部摩擦により荷重と撓み量との関係がヒステリシスを描くようになる。
特性cは本実施形態のばね特性であり、本実施形態では板ばね部材13のうちアーマチュア5側の表面(図1右側表面)の略全域にゴム系弾性材からなる弾性部材15を設けているので、クラッチオン時に弾性部材15の圧縮変形に伴う内部摩擦が特性bに比較して一段と増大する。
このため、板ばね部材13のばね特性のヒステリシス差も特性bに比較して一段と増大する。このヒステリシス差は、板ばね部材13のクラッチ軸方向のばね特性に対する弾性部材15の寄与度を表すものであり、このヒステリシス差は、板ばね部材13の制振特性の大きさを表している。当然ながら、弾性部材15の寄与度が大きいほど、板ばね部材13の制振作用を向上できる。このことから、本実施形態の構成によれば、板ばね部材13の制振作用を効果的に向上できる。
なお、樹脂製の介在部材16は弾性部材15と接着されないから、介在部材16がアーマチュア5に固定されていても、板ばね部材13の板ばね部13eはアーマチュア5により拘束されることなく、自由に弾性変形できる。この結果、板ばね部材13の板ばね部13eは、そのばね形状部の長さL(図4)の全長を弾性変形可能なスパン長さとして利用できる。これにより、板ばね部材13の板ばね部13eのばね定数を小さくして、アーマチュア5の吸引力を低減できると同時に、板ばね部材13に発生する応力も低減でき、板ばね部材13の耐久性を向上できる。
本発明の一実施形態による電磁クラッチの縦断面図で、図2のA−A断面図である。 図1の電磁クラッチの正面図である。 図2のB−B断面図である。 本発明の一実施形態によるハブに備えられる板ばね部材単体の正面図である。 本発明の一実施形態による弾性部材の接着範囲を示す電磁クラッチの正面図である。 本発明の一実施形態によるハブに備えられる樹脂製介在部材単体の正面図である。 本発明の一実施形態による板ばね部材のばね特性の説明図である。
符号の説明
3…電磁コイル、4…ロータ(駆動側回転部材)、5…アーマチュア、
11…インナーハブ、13…板ばね部材、13a…内周環状部(内側部分)、
13e…板ばね部、13f…外周環状部(外側部分)、15…弾性部材、15d…内周部。

Claims (5)

  1. 通電によって電磁力を発生する電磁コイル(3)と、
    駆動源により回転駆動される駆動側回転部材(4)と、
    前記電磁コイル(3)の発生する電磁力によって前記駆動側回転部材(4)に吸着され、前記駆動側回転部材(4)の回転を受けるアーマチュア(5)と、
    従動側機器に結合されるインナーハブ(11)と、
    前記アーマチュア(5)を前記駆動側回転部材(4)から開離する方向のばね力を発生する板ばね部材(13)と、
    前記アーマチュア(5)と前記板ばね部材(13)との間に配置され、ゴム系弾性材からなる板状の弾性部材(15)とを備え、
    前記板ばね部材(13)のうちクラッチ半径方向の外側部分(13f)が前記弾性部材(15)により前記アーマチュア(5)に一体に結合され、
    また、前記板ばね部材(13)のうち前記クラッチ半径方向の内側部分(13a)が前記インナーハブ(11)に一体に結合され、
    前記弾性部材(15)は、前記内側部分(13a)と前記インナーハブ(11)との間にも介在されるようになっていることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記内側部分(13a)と前記インナーハブ(11)とが機械的締結手段(12、14)により結合され、
    前記弾性部材(15)は、前記機械的締結手段(12、14)の配置部位を除いて前記外側部分(13f)から前記内側部分(13a)に至る全域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記板ばね部材(13)の外側部分は外周環状部(13f)として構成され、前記板ばね部材(13)の内側部分は内周環状部(13a)として構成され、
    前記内周環状部(13a)と前記外周環状部(13f)との間に半径方向に延びる複数の板ばね部(13e)が一体に形成され、
    前記板ばね部材(13)のうち、前記アーマチュア(5)側の表面に前記内周環状部(13a)、前記外周環状部(13f)および前記複数の板ばね部(13e)の全域にわたって前記弾性部材(15)が配置されることを特徴とする請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記弾性部材(15)は、前記板ばね部材(13)のうち前記アーマチュア(5)と反対側の表面を覆うように形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  5. 前記弾性部材(15)は前記アーマチュア(5)および前記板ばね部材(13)と一体成形されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
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