JP2001103689A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JP2001103689A
JP2001103689A JP27281999A JP27281999A JP2001103689A JP 2001103689 A JP2001103689 A JP 2001103689A JP 27281999 A JP27281999 A JP 27281999A JP 27281999 A JP27281999 A JP 27281999A JP 2001103689 A JP2001103689 A JP 2001103689A
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yoke
housing
electric machine
core
rotating electric
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Naoo Kodaira
直雄 小平
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Mitsuba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヨークのインサート鋳造におけるバリ発生を
防止し、バリ取り作業等、回転電機における工数削減と
製品精度の向上を図る。 【解決手段】 回転電機のハウジング内に一体に成形さ
れるヨーク7の側部に板状部材の両端部を対向させて継
目部64を形成する。継目部64には、板状部材の上端
部65と下端部66に形成された凹部65a, 66aと
凸部65b, 66bとを組み合わせた係合部68が形成
される。係合部68により、上端部65と下端部66
は、周方向には相対的に移動可能で、軸方向には相対的
な移動が制限される状態で係合する。ヨーク7の内径
は、常温時には中子外径よりも小径で、ハウジング鋳造
時には熱膨張して中子外径と略同径となる寸法に形成さ
れている。ヨーク7の内径が常に中子に密着した状態で
インサート鋳造が実施され、ヨーク内周側のバリ発生が
防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機に関し、
特に、ヨークをハウジング内に一体成形した回転電機に
適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動機や発電機等の回転電機では、いわ
ゆるインサート鋳造によってヨークをハウジング内に一
体に鋳込み、部品形状の簡素化や組付工数の削減を図っ
たものが種々存在している。また、電動機によって操舵
補助力を得る電気式動力操舵装置(電動パワーステアリ
ング装置)でも、ヨークとハウジングとを一体化し、そ
の内部に電動機の各構成部品を収容したもの登場してい
る。
【0003】ここで、ヨークのインサート鋳造において
は、一般に図9のようなパイプ状のヨーク51が使用さ
れる。図9は、従来の回転電機のヨーク形状を示す説明
図である。このようなヨーク51では、鋳造作業に際
し、図9に示したように中央の空洞部に中子52が挿入
され、その状態で鋳造型に装着される。そして、型内に
湯が注入され、ヨーク51をインサートした形でハウジ
ングが鋳造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなヨークをインサート鋳造した回転電機では、金型に
装着後、金型の熱によりヨークが膨張する。このため、
金型とヨークとの間の隙間が増加して湯が差し込み易く
なり、ヨーク内周側にバリが発生するという問題があっ
た。この場合、ヨーク内のバリを成形後に除去する必要
があり、コストアップの要因となるという問題がある。
また、ヨークの膨張により、金型の精度を製品に転写す
ることができず、製品精度が低下するという問題もあっ
た。
【0005】本発明の目的は、ヨークのインサート鋳造
におけるバリ発生を防止し、バリ取り作業等、回転電機
の製造工程における工数削減と、その製品精度の向上を
図る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の回転電機は、磁
性体からなる板状部材を曲げて円筒状に形成し、その側
部に前記板状部材の両端部を対向させてなる継目部を備
えたヨークをハウジング内に一体に成形した回転電機で
あって、前記ヨークの継目部は、対向する前記端部同士
が周方向には相対的に移動可能で、軸方向には相対的な
移動が制限される状態で係合した係合部を有することを
特徴としている。
【0007】これにより、ヨーク内径を常温で中子外径
より小さく設定し、ヨーク内径が常に中子外径に密着し
た状態でインサート鋳造を行うことが可能となる。従っ
て、ヨークと中子との間に隙間が生じることなく鋳造が
行われ、ヨーク内周側のバリ発生が防止でき、また、成
形後のバリ取り作業も不要となる。さらに、中子とヨー
クが密着するため、金型精度が製品に転写され製品精度
が安定する。
【0008】この場合、前記係合部を、前記板状部材の
端部の一方側に形成された凹部と他方側に形成された凸
部とを組み合わせて構成しても良い。
【0009】また、前記ヨークを、その内周側に中子が
挿入された状態で金型に装着されて前記ハウジングと一
体に成形するようにしても良く、この際、ヨークの内径
を、常温時には前記中子の外径よりも小径で、前記ハウ
ジング成形時に熱膨張により前記中子外径を超えない寸
法に形成するようにしても良い。なお、常温とは15〜
20℃をいう(JIS規格K0211:分析化学用語
(基礎部門))。
【0010】これにより、ヨーク内径が常温で中子外径
より小さく、鋳造時の熱膨張によりヨーク内径が拡径し
温度が平衡状態となったとき、ヨークの内径が中子の外
径を超えない範囲で略同寸法となる。従って、ヨークに
温度上昇に伴う熱膨張が生じてもその内径が常に中子に
密着した状態でインサート鋳造が実施され、ヨークと中
子との間に隙間が生じることなく鋳造が行われる。この
ため、ヨーク内周側のバリ発生が防止でき、また、成形
後のバリ取り作業も不要となる。さらに、中子とヨーク
が密着するため、金型精度が製品に転写され製品精度が
安定する。
【0011】さらに、前記ヨーク端部にアンダーカット
部を備えた固定部を形成し、この固定部により、ヨーク
の回り止めや抜け止めを行っても良い。これにより、温
度変化によってヨークとハウジングとの間の摩擦力低下
に伴う両者の間の締結力低下を防ぐことが可能となる。
外力をヨークの外皮部分と固定部とで受けることができ
るため、外力の作用範囲が分散して応力の低減を図るこ
とが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本
発明の回転電機に使用されるヨークの一実施の形態を示
す斜視図、図2は図1のヨークに中子を挿入した状態を
示す説明図である。
【0013】図1に示したように、当該ヨーク7は、図
9に示した従来の回転電機におけるヨーク51がシーム
レスのパイプ部材であるのに対して、鉄等の磁性体から
なる板状部材を丸めたいわゆる巻ヨーク構造となってい
る。そして、このヨーク7の側面には、板材の両端縁の
合わせ目である継目部64が形成されている。
【0014】ここで継目部64は、対向する上端部65
と下端部66が、周方向には相対移動可能であるが、軸
方向には相対移動不能に組み合わされている。すなわ
ち、上端部65と下端部66にはそれぞれ、係合部68
として凹部65a, 66aと凸部65b, 66bが交互
に形成されており、凹部65aは凸部66bと、また、
凹部66aは凸部65bとそれぞれ嵌め合わされてい
る。この場合、継目部64は自然状態では閉じた状態と
なっており、ヨーク7全体としては継目部64を閉じる
方向に若干付勢されている。
【0015】当該ヨーク7もまた、図2に示したよう
に、その中に中子67を挿入して金型に装着される。こ
の場合、ヨーク7の内径は、鋳造時の温度上昇により膨
張して中子67の外径とほぼ同寸法となるよう設定され
ている。すなわち、ヨーク7は、常温では熱膨張分だけ
中子67の外径よりも小径に形成されている。従って、
鋳造時には、図2に示したように、継目部64を周方向
に若干広げてヨーク7を拡径し中子67を挿入すること
になる。この際、ヨーク7は自然状態では閉じているこ
とから、中子67を挿入するとヨーク7は板ばね的に作
用し、中子67の外周に密着する。そして、ヨーク7は
この状態で金型に装着され回転電機のハウジング内に一
体に鋳込まれる。
【0016】その後、当該ヨーク7は、鋳造時の熱膨張
によりその内径が拡径し、徐々に中子67の外径に近づ
き継目部64の隙間も減少して行く。そして、温度が平
衡状態となったとき、ヨーク7の内径が中子67の外径
を超えない範囲で略同寸法となる。すなわち、ヨーク7
は温度上昇に伴う熱膨張が生じてもその内径が常に中子
67に密着した状態でインサート鋳造が実施されること
になる。従って、ヨーク7と中子67との間に隙間が生
じることなく鋳造が行われ、ヨーク7内周側にバリが差
し込むのを防止することができる。また、これに伴いバ
リ取り作業も不要となり、その分の工数を削減すること
が可能となる。さらに、中子67とヨーク7が密着する
ことから、金型精度が製品に転写され、製品精度の安定
化を図ることができる。
【0017】なお、ヨーク7における係合部68の形態
は図1のものには限定されず、凹部65a, 66aや凸
部65b, 66bの数や大きさは適宜変更可能である。
この場合、例えば図3(a), (b)のように凹部や凸
部を一カ所としても良く、また、図3(c)のように凹
部や凸部を台形に形成しても良い。図3(c)の場合、
継目部64は、軸方向(図3(c)において左右方向)
に沿った継目部64aと、径方向に沿って斜めに延びる
継目部64bから構成される。ここでは、軸方向の継目
部64aの総距離は、図1や図3(a),(b)の場合
に比して短くなっている。また、継目部64bの隙間も
小さく形成されており、従って、継目部64におけるバ
リの発生を抑えることが可能となっている。
【0018】次に、このような構成からなるヨーク7を
用いた回転電機を備えた電気式動力操舵装置(以下、動
力操舵装置と略す)について説明する。図4は図1のヨ
ークを用いた電気式動力操舵装置の全体構成を示す断面
図、図5は図4に示した電気式動力操舵装置の要部の拡
大断面図である。
【0019】当該動力操舵装置は、中空状の電動機(回
転電機)1をラック軸2の周囲に配した構成となってお
り、例えば自動車前輪等の操向車輪の操舵装置として取
り付けられる。本実施の形態の動力操舵装置では、電動
機1のヨーク7として図1のものが用いられ、ハウジン
グAと一体に鋳込まれた構成となっている。
【0020】図4の動力操舵装置では、ハウジングAと
ハウジングBはスクリュー部8において結合されてお
り、ハウジングA側には電動機1が、ハウジングB側に
はボールねじ機構3がそれぞれ収容されている。ハウジ
ングAおよびBの内部には、ラック軸2が左右方向に移
動自在に取り付けられており、その両端にはタイロッド
やナックルアーム等を介して車輪が連結される。この場
合、当該動力操舵装置は、ハウジングAの取付部9とブ
ラケット10により車両本体に取り付けられる。そし
て、電動機1が発生する力をボールねじ機構3を介して
ラック軸2に伝達し、操舵力のアシストを行っている。
【0021】ハウジングAはアルミダイキャスト製の中
空部材であり、前述のように図1のヨーク7と一体に成
形されている。ハウジングAの図4において右端側に
は、操向ハンドルと連結された操舵軸5とラック軸2と
の結合部6が形成されている。この結合部6では、操舵
軸5に設けられた図示しないピニオンと、ラック軸2の
側部に形成された図示しないラック歯とが噛み合ってお
り、操舵軸5の回転がラック軸2の図中の左右方向の動
きに変換される。なお、結合部6の軸上には操舵軸5の
回転トルクを検出する図示しないトルクセンサが設けら
れており、その検出値に基づき電動機1による補助操舵
力が制御される。
【0022】次に、電動機1は、ヨーク7の内周側にマ
グネット14を設け、その内側にアーマチュアアッセン
ブリ(電機子)44を配設した構成となっている。図6
は電動機1の構成を示す分解斜視図、図7はヨーク7の
配設状態を示した説明図である。この場合、ヨーク7
は、図7に示すような形で前述のようにハウジングAに
鋳込まれており、図6では、ハウジングAのうちヨーク
7の外周を覆う部分(図7における符号a部分)は省略
されている。
【0023】アーマチュアアッセンブリ44は、円筒状
のアーマチュアシャフト11と、アーマチュアシャフト
11の外側に取り付けられたアーマチュアコア15と、
アーマチュアシャフト11に固定されたコンミテータ2
2とから構成されている。アーマチュアアッセンブリ4
4の中央は軸方向に貫通する形で空洞となっており、こ
こにラック軸2が挿通される。ここではコンミテータ2
2としてディスク形のものが使用されており、その端面
には軸方向からブラシ23が摺接している。ブラシ23
は、合成樹脂製のブラシホルダ41内に保持されてお
り、スプリング43によりコンミテータ22に所定圧力
で押し付けられている。
【0024】ここで、ブラシホルダ41は、ハウジング
A内においてマグネット14に隣接して配設されてい
る。つまり、当該動力操舵装置では、ブラシホルダ41
とマグネット14が別のハウジングに分かれて配設され
る構成ではなく、両者が同じハウジングA内に配設され
る構成となっている。また、ブラシホルダ41を構成す
る合成樹脂は非磁性体でもある。そこで、当該動力操舵
装置では、マグネットホルダとブラシホルダを一体化
し、ブラシホルダ41にマグネットホルダとしての機能
をも持たせ、部品点数や作業工数の削減を図っている。
【0025】すなわち、ブラシホルダ41は、図6に示
したようにブラシ23を収容保持するブラシ保持部41
aと、それと一体となった複数のマグネットホルダアー
ム(マグネットホルダ部、以下、アームと略記する)4
1bが突設されている。そして、このアーム41bの間
にはマグネット収容部45が形成されており、そこにマ
グネット14が装着される。この場合、ブラシホルダ4
1では、アーム41bがホルダ41と一体化されている
ことから、ブラシ23とアーム41bとの位置関係は、
常に所定の関係が維持される。従って、カバー46を圧
入しても両者の位置関係がずれることがなく、モータ特
性のバラツキを極小化することが可能となる。
【0026】また、マグネット14の内側にはさらにマ
グネットカバー(以下、カバーと略記する)46が圧入
され、これにより、ヨーク7の内側には界磁極であるマ
グネット14が周方向に間隔をおいて複数固定されるこ
とになる。この場合、カバー46内には図示しない弾性
治具が挿入され、その先端部(図6において右端側)4
6aが図5のように外側に変形されてハウジングA内に
抜け止めされる。
【0027】また、ブラシホルダ41のアーム41bの
部分は、前述のようにカバー46を圧入し膨出させるこ
とによりヨーク7内に固定される。従って、ブラシホル
ダ41は、カバー46の張力によりマグネット14と共
にヨーク7内に固定され、ブラシホルダを深穴の底にね
じ止めする作業が不要となり、その組み付け性が大幅に
改善される。
【0028】ブラシホルダ41の図6において右側の端
面には、電力供給用のバスバー47が突出形成されてい
る。このバスバー47は、ブラシホルダ41と一体に成
形されており、ハウジングAに形成されたバスバー挿入
孔48に挿通される。バスバー47の先端は、バスバー
挿入孔48からハウジングA外に突出しており、そこに
はカプラー42が取り付けられる。そして、このカプラ
ー42とバスバー47を介してブラシ23に電力が供給
される。
【0029】また、ブラシホルダ41は、バスバー47
とバスバー挿入孔48とによって回り止めされる。すな
わち、ブラシホルダ41は、バスバー47を包囲するブ
ラシホルダ41の樹脂部と、ハウジングAのバスバー挿
通孔48とを嵌合させることにより回り止めされる。
【0030】アーマチュアシャフト11の一端側(図4
において右端側)はハウジングAに取り付けられたベア
リング17によって保持されている。また、その他端側
(図4において左端側)には、複数の突起を有するトレ
ランスリング18aが固定された嵌合部18が形成され
ている。そして、この嵌合部18をボールねじ機構3の
ナット部19に圧入することにより両者が嵌合固定さ
れ、ナット部19がアーマチュアシャフト11と一体に
回転するようになる。
【0031】次に、ハウジングBは、ハウジングAと同
様、アルミダイキャスト製の中空部材であり、内部にボ
ールねじ機構3が組み込まれている。このボールねじ機
構3は、ナット部19と、ラック軸2の外周に形成され
たスクリュー部30と、ナット部19とスクリュー部3
0との間に介装された多数のボール31とからなる一般
に周知な構成のものである。そして、ラック軸2は、軸
回りの回動が規制された状態でナット部19によって左
右方向に往復動自在支持され、ナット部19の回転に伴
って左右方向に移動する。
【0032】ナット部19は、ハウジングBに固定され
たアンギュラーベアリング4を介してハウジングBに対
し軸回りに回動自在に保持されている。アンギュラーベ
アリング4は、ハウジングBの開口部にねじ込まれたベ
アリング固定用リング32とハウジングBの内部に形成
された段部33との間で軸方向の動きが規制された状態
で固定されている。また、ナット部19とアンギュラー
ベアリング4との間の軸方向の動きは、ナット部19の
左端にねじ込まれたベアリング固定用リング34とナッ
ト部19の外周に形成された段部35とによって規制さ
れる。
【0033】このような構成からなる当該動力操舵装置
では、電動機1が組み付けられたハウジングAと、アン
ギュラーベアリング4とラック軸2が取り付けられたボ
ールねじ機構3を組み付けたハウジングBとを組み付け
製品とする。そこで、まずハウジングAの組み付けにつ
いて説明する。
【0034】ここでは初めに、ヨーク7が一体に鋳込ま
れたハウジングA内に、開口側(図4において左端側)
からその底部にベアリング17を取り付ける。次に、ブ
ラシ23等を装着したブラシホルダ41を開口側からハ
ウジングA内に挿入する。この際、ブラシホルダ41の
バスバー47がバスバー挿入孔48と合うようにブラシ
ホルダ41を挿入する。バスバー挿入孔48からハウジ
ングAに突出したバスバー47の先端部には、カプラー
42が取り付けられる。
【0035】ブラシホルダ41挿入後、マグネット14
を取り付ける。この場合、マグネット14は、ブラシホ
ルダ41に突設されたアーム41bの間に装着される。
また、マグネット14の内側にはカバー46が圧入され
る。カバー46を圧入した後、カバー46内には弾性治
具が遊嵌状態で挿入される。そして、この弾性治具をブ
ラシホルダ41の基部と当接させ、その状態でさらに軸
方向に押圧する。これにより、弾性治具の先端部が径方
向に膨出し、カバー46の先端部46aが外側に変形さ
れ、カバー46はハウジングA内に固定される。また、
それと共にアーム41bもカバー46によってハウジン
グA内に固定される。すなわち、マグネット14と共に
ブラシホルダ41もヨーク7内に固定され、これにより
ブラシホルダを深穴の底にねじ止めする作業が不要とな
り、組み付け性が大幅に向上することが可能となってい
る。
【0036】このようにカバー46を固定した後、予め
組み付けておいたアーマチュアアッセンブリ44をハウ
ジングA内に挿入する。この際、アーマチュアシャフト
11の先端部はベアリング17に嵌合させ、ハウジング
Aの組み付けを完了する。なお、当該動力操舵装置では
この時点で電動機1の構成が出来上がっているため、ハ
ウジングBを組み付ける前にモータ性能の検査を行うこ
とができる。従って、製品完全以前にモータの適否を判
断でき、不良損失の低減を図ることが可能となってい
る。
【0037】一方、ハウジングBでは、ラック軸2と組
み付けられた状態のボールねじ機構3が、アンギュラー
ベアリング4を介して装着される。そこでは、まずナッ
ト部19の段部35とベアリング固定用リング34の間
にアンギュラーベアリング4が取り付けられる。次に、
アンギュラーベアリング4とナット部19およびラック
軸2が一体化したモジュールを、ハウジングBの開口側
(図4において右端側)からハウジングB内に挿入す
る。そして、アンギュラーベアリング4を段部33に当
接させ、ベアリング固定用リング32をハウジングBの
開口部にねじ込んで前記モジュールをハウジングB内に
固定する。
【0038】このようにして組み付けられた両ハウジン
グA, Bはスクリュー部8にて結合される。すなわち、
ハウジングAの図中左端内周に形成された雌ねじに、ハ
ウジングBの図中右端外周に形成した雄ねじをねじ込む
ことにより両者が一体化される。この際、アーマチュア
シャフト11の嵌合部18はナット部19に圧入され、
ナット部19がアーマチュアシャフト11と連結され
る。その後、ハウジングAに挿入されたラック軸2と操
舵軸5とを接続させ、操舵軸5のピニオン歯とラック軸
2のラック歯とを噛み合わせる。
【0039】このように、当該動力操舵装置では、ハウ
ジングAに電動機1がユニット化されて組み込まれる一
方、ハウジングBにボールねじ機構3およびラック軸2
がユニット化されて組み込まれている。従って、最終的
な組み付けは両ユニットを結合させるだけで良く、ボー
ルねじ機構3部分の組み付け性の向上が図られる。
【0040】一方、当該動力操舵装置は次のように動作
する。すなわち、まず操向ハンドルが操作されて操舵軸
5が回動し、この回動に応じた方向にラック軸2が移動
して転舵操作がなされる。この操作により、図示しない
ステアリングトルクセンサが作動すると、検出トルクに
応じてカプラー42を介してブラシ23からコンミテー
タ22に電力が供給される。そして、これにより電動機
1が作動してアーマチュアシャフト11が回転し、これ
と結合されたナット部19もまた回転する。ナット部1
9が回転するとボールねじ機構3の作用によりラック軸
2に操舵補助力が伝達される。これによりラック軸2の
移動が促進され、操舵力が補助されることになる。
【0041】(実施の形態2)次に、本発明の回転電機
に使用されるヨークの他の実施の形態について説明す
る。図8は、その構成を示す斜視図である。なお、図1
のヨーク7と同様の部分については同一の符号を付し、
その詳細は省略する。
【0042】図8のヨーク70は、図1のヨーク7の端
部にアンダーカット形状の切り欠き(固定部)71を複
数個設けた構成となっている。この切り欠き71は、ヨ
ーク70がハウジング内に鋳込まれた際に回り止めおよ
び抜け止めとして作用し、ハウジングとの食い付き力の
向上を図っている。
【0043】ここで、図1のヨーク7では、ハウジング
Aとヨーク7との締結力は両者の摩擦力に依存してい
る。このため、温度変化による熱膨張差により両者の締
結力が低下するおそれがある。そこで、当該ヨーク70
ではその端面に切り欠き71を設け、この切り欠き71
による機械的締結力によりヨーク70を固定している。
すなわち、例えばこれを図4の動力操舵装置に適用した
場合、ハウジングAとヨーク70との間は切り欠き71
により回り止めされ、さらに、切り欠き71のアンダー
カット部71aにより抜け止めされる。従って、温度変
化によって両者の摩擦力が低下しても締結状態を維持す
ることができ、製品信頼性の向上が図られる。
【0044】また、図4の動力操舵装置では、ヨーク7
に加わる外力はヨーク7の外皮部分(図7における符号
a部分)に集中し、そこが強度的な弱点となり易い。こ
れに対し当該ヨーク70では、切り欠き71によっても
ヨーク70とハウジングAとを締結するため、外力を前
記外皮部分と切り欠き71とで受けることができる。従
って、外力の作用範囲が分散して応力の低減を図ること
が可能となる。なお、切り欠き71はハウジングAの肉
厚部分と連続しているため、その基部に肉厚を確保でき
強度的にも有利となっている。
【0045】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0046】例えば、実施の形態2における切り欠き7
1の形状は図8に示したものには限定されず、T型や前
方後円墳型などアンダーカットを有する種々の形状を採
用し得る。また、切り欠き71がヨーク70の板厚を貫
通している必要はなく、外周側に凹部を設ける形でも良
い。
【0047】なお、実施の形態1では、前輪用の動力操
舵装置について説明したが、具体的な構成や取り付け上
の環境が同じである後輪操舵装置にも適用できる。
【0048】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明を自動車の動力操舵装置用のモータに適用
した場合について説明したが、その適用対象はこれに限
定されるものではなく、例えば、他のモータや発電機に
広く適用できる。
【0049】
【発明の効果】本発明の回転電機によれば、ヨーク側部
に、対向する端部同士が周方向には相対的に移動可能
で、軸方向には相対的な移動が制限される状態で係合し
た係合部を設けたことにより、ヨーク内径を常温で中子
外径より小さく設定し、ヨーク内径が常に中子外径に密
着した状態でインサート鋳造を行うことが可能となる。
従って、ヨークと中子との間に隙間を生じさせることな
く鋳造を行うことができ、ヨーク内周側のバリ発生が防
止できる。また、鋳造後のバリ取り作業も省くことがで
き、工数の削減を図ることが可能となる。さらに、中子
とヨークが密着した状態で鋳造が行われるため、金型精
度が製品に転写され、製品精度を安定させることができ
る。
【0050】また、ヨーク内周側に中子を挿入して回転
電機のハウジングと一体に成形する際に、ヨークの内径
を、常温時は中子外径よりも小さく、成形時に熱膨張し
ても中子外径を超えない寸法とすることにより、ヨーク
に温度上昇に伴う熱膨張が生じてもその内径が常に中子
に密着した状態でインサート鋳造が実施され、ヨークと
中子との間に隙間が生じることなく鋳造が行われる。こ
のため、ヨーク内周側のバリ発生が防止でき、また、成
形後のバリ取り作業も不要となる。さらに、中子とヨー
クが密着するため、金型精度が製品に転写され製品精度
が安定する。
【0051】さらに、ヨーク端部にアンダーカット部を
備えた切り欠きを形成したことにより、この切り欠きに
より、ハウジング内に一体に成形されたヨークの回り止
めや抜け止めを行うことができる。従って、温度変化に
よってヨークとハウジングとの間の摩擦力が低下しても
両者の間の締結状態を維持できる。また、外力をヨーク
の外皮部分と切り欠きとで受けることができるため、外
力の作用範囲が分散して応力の低減を図ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機に使用されるヨークの一
実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のヨークに中子を挿入した状態を示す説明
図である。
【図3】(a)〜(c)は図1のヨークの変形例を示す
斜視図である。
【図4】図1のヨークを使用した回転電機を備えた電気
式動力操舵装置の全体構成を示す断面図である。
【図5】図4に示した電気式動力操舵装置の要部の拡大
断面図である。
【図6】図4の電気式動力操舵装置に使用される電動機
の構成を示す分解斜視図である。
【図7】図4の電気式動力操舵装置に使用される電動機
におけるヨークの配設状態を示した説明図である。
【図8】本発明の回転電機に使用されるヨークの他の実
施の形態を示す斜視図である。
【図9】従来の回転電機に使用されるヨークの構成を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 電動機(回転電機) 2 ラック軸 3 ボールねじ機構 4 アンギュラーベアリング 5 操舵軸 6 結合部 7 ヨーク 8 スクリュー部 9 取付部 10 ブラケット 11 アーマチュアシャフト 14 マグネット 15 アーマチュアコア 17 ベアリング 18 嵌合部 18a トレランスリング 19 ナット部 22 コンミテータ 23 ブラシ 30 スクリュー部 31 ボール 32 ベアリング固定用リング 33 段部 34 ベアリング固定用リング 35 段部 41 ブラシホルダ 41a ブラシ保持部 41b マグネットホルダアーム 42 カプラー 43 スプリング 44 アーマチュアアッセンブリ 45 マグネット収容部 46 マグネットカバー 46a 先端部 47 バスバー 48 バスバー挿入孔 51 ヨーク 52 中子 64 継目部 65 上端部 65a 凹部 65b 凸部 66 下端部 66a 凹部 66b 凸部 67 中子 68 係合部 70 ヨーク 71 切り欠き(固定部) 71a アンダーカット部 A ハウジング B ハウジング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体からなる板状部材を曲げて円筒状
    に形成し、その側部に前記板状部材の両端部を対向させ
    てなる継目部を備えたヨークをハウジング内に一体に成
    形した回転電機であって、 前記ヨークの継目部は、対向する前記端部同士が周方向
    には相対的に移動可能で、軸方向には相対的な移動が制
    限される状態で係合した係合部を有することを特徴とす
    る回転電機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回転電機において、前記
    係合部は、前記板状部材の端部の一方側に形成された凹
    部と他方側に形成された凸部とを組み合わせてなること
    を特徴とする回転電機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の回転電機におい
    て、前記ヨークは、その内周側に中子が挿入された状態
    で金型に装着されて前記ハウジングと一体に成形され、
    前記ヨークの内径は、常温時には前記中子の外径よりも
    小径で、前記ハウジング成形時に熱膨張により前記中子
    外径を超えない寸法に形成されてなることを特徴とする
    回転電機。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の回転電機におい
    て、前記ヨーク端部にはアンダーカット部を備えた固定
    部を有することを特徴とする回転電機。
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