JP4278330B2 - Iii族窒化物結晶製造方法およびiii族窒化物結晶製造装置 - Google Patents

Iii族窒化物結晶製造方法およびiii族窒化物結晶製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、III族窒化物結晶製造方法およびIII族窒化物結晶製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、青色のLEDは、赤色や緑色に比べて輝度が小さく実用化に難点があったが、近年、一般式InAlGaNで表されるIII族窒化物化合物半導体において、低温AlNバッファー層あるいは低温GaNバッファー層を用いることによる結晶成長技術の向上と、Mgをドーパントした低抵抗のp型半導体層が得られたことにより、高輝度青色LEDが実用化され、さらには、青色波長領域で発振する半導体レーザが実現された。
【0003】
一般に、高品質の半導体層を基板上にエピタキシャル成長させる場合には、基板と半導体層の格子定数や熱膨張係数が、同程度である必要がある。しかし、III族窒化物半導体は、これらを同時に満足する基板が現在世の中には存在しない。
【0004】
従って、III族窒化物では、一般に、サファイアやGaAsのようなIII族窒化物半導体と格子定数や熱膨張係数の大きく異なる異種基板上に、ELO等の結晶成長技術を駆使して厚膜GaNを成長し、それを基板として半導体レーザ結晶を作製している。
【0005】
しかるに、異種基板を用いて結晶成長された厚膜GaN基板は、転位密度が107cm-2程度と非常に多くの結晶欠陥が含まれており、実用的な高出力レーザ素子や、電子デバイスを作製するには未だ十分な品質であるとは言えない。
【0006】
また、異種基板を用いて結晶成長された厚膜GaN基板は、異種基板の面方位に依存してエピタキシャル成長したものであるので、その主面は、異種基板の面方位で決定されている。現状では、厚膜GaNを成長できる異種基板は、(0001)C面サファイアと(111)GaAsであるので、厚膜GaN基板の主面は(0001)C面のみとなっている。
【0007】
しかるに、C面を主面としたGaN基板に作製されたLEDやLDのチップカットでは、短冊型にカットすることが容易ではない。通常、C面を主面とした基板では、m面とa面が直交しているので、この面に沿ってチップカットが行われるが、a面には30°で交わる別のm面があるので、その面でへき開が起り、短冊型にチップカットされない場合がある。
【0008】
これに対し、m面を主面とした基板では、へき開容易面は、直交するC面とa面のみであり、a面を主面とした基板では、へき開容易面は、直交するC面とm面のみであるので、容易に短冊型にチップカットすることができる。
【0009】
また、C面上に結晶成長した結晶とその他の面上に結晶成長した結晶とでは、歪みをかけた場合のバンド構造の変化も異なるので、C面以外の基板を使用することで、デバイスの特性を向上することや、基板の面方位に依存した特性を利用して機能するデバイスの実現が期待できる。
【0010】
例えば、デバイス特性の向上としては、計算機シミュレーションでレーザーのしきい値を下げる検討が行なわれている。
【0011】
しかし、現状ではC面以外の主面を有する厚膜GaN基板は存在しないので、このようなデバイスは実現されていない。
【0012】
一方、高品質なGaN基板を作製するためのGaNバルク単結晶を作製する試みは様々な研究機関においてなされているが、いまだに数ミリ程度のものしか得られていないのが実状であり、実用化には程遠い状態である。
【0013】
文献「Chemistry of Materials Vol.9(1997) p.413−416」(従来技術1)には、Naをフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が示されている。この従来技術1の方法は、フラックスとしてのアジ化ナトリウム(NaN3)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶を成長させるものである。この方法では、600〜800℃程度の比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm2程度と低くできる点が特徴である。この方法で1mm程度の大きさのGaN結晶ができている。
【0014】
また、特開2001−64098(従来技術2)には、図8,図9に示すように、種結晶をフラックス融液の上に移動して結晶を引き上げる方法や、あるいは、フラックス融液中に種結晶を沈ませて、III族窒化物結晶のインゴットを作製する方法が開示されている。
【0015】
結晶を引き上げる方法では、図8に示されているように、反応容器101内に収容されたフラックスとIII族金属の混合融液102に種結晶103を用いて結晶成長を開始し、種結晶103を上方に移動して、気液界面113で結晶成長が行なわれるようにして、III族窒化物結晶のインゴット140を引き上げる。
【0016】
また、種結晶を融液中に沈めて成長する方法では、図9に示されているように、反応容器101内に収容されたフラックスとIII族金属の混合融液102と窒素原料ガスとの気液界面から種結晶103を用いて結晶成長を開始し、種結晶103を融液中に沈め、下方に移動して気液界面113で結晶成長が行なわれるようにする。そして、III族窒化物結晶のインゴット141を作製する。
【0017】
なお、図8,図9のどちらの方法も、反応容器内の窒素原料とフラックスの蒸気圧を制御するために窒素原料とフラックスの蒸気圧を外部からかけている。
【0018】
また、特開2001−64097(従来技術3)には、フラックス(Na)とIII族金属(Ga)の混合融液が収容された反応容器に、外部から窒素原料を気体として供給し、気液界面に種結晶を保持して成長を行なう方法が開示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1では、反応容器が小さく、得られる結晶の大きさは1mm程度であり、この程度の大きさではデバイスを実用化するには小さすぎる。
【0020】
また、従来技術2の引き上げによるインゴットの作製方法では、III族窒化物結晶のインゴットを作製することができるが、窒素が気相から融液中に溶け込み、結晶成長面に拡散する必要があるため、結晶成長は窒素の供給律速となる。そのため、面内で特性の均一な大きなインゴットを作製するには数μm/時と非常にゆっくり引き上げる必要があり、長時間を有するという問題がある。
【0021】
また、結晶を沈ませてインゴットを作製する場合は、窒素は気液界面から成長面に均一に供給されるのでインゴットの気液界面に平行な断面内で特性の均一なIII族窒化物のインゴットを作製することができる。しかし、この場合には、結晶を融液中に沈めるために、融液中の結晶に別の結晶核が付着して多結晶になる場合があった。
【0022】
また、従来技術3の種結晶を気液界面に保持して成長を行なう方法では、気液界面に平行に結晶が成長し、気液界面に平行な主面を有する板状結晶が成長する。これは、窒素の供給が気液界面から行われるので、気液界面に沿って成長が進むためである。しかし、従来技術3のように、種結晶を気液界面に浮かべただけでは結晶がある程度の大きさになると、結晶は、その自重で融液中に沈んでしまため、大きなものを作製することが困難であるという問題があった。
【0023】
本願の発明者は、従来技術3を追認する実験を行なった。すなわち、NaとGaの混合融液を使用して大きな板状結晶を成長させるための実験を行なった。
【0024】
その結果、気液界面には、C面を主面とする板状結晶が気液界面に平行に成長したが、この板状結晶は、約5mm程度の大きさになると、融液中に沈み、成長速度が遅くなる場合があった。
【0025】
また、結晶成長容器の側面で核が発生し、そこから気液界面に沿って成長する結晶も観察されたが、このような結晶は、容器側面から融液表面に向かって斜めに傾いて成長していた。この原因は、結晶成長中にNaとGaの混合融液の液面が低下するためと考えられる。
【0026】
Naは、結晶成長温度では蒸気圧が高いので、成長中に蒸発し、気液界面(液面)の低下が起る。そのため、成長点は気液界面の位置の低下をトレースするように下がり、結果として、斜めに傾いた結晶が成長すると考えられる。
【0027】
また、成長速度よりも気液界面(液面)の低下速度が速い場合は、結晶成長が中断してしまうことも分かった。
【0028】
従って、従来技術3においては、大面積の板状結晶が成長できない場合もあった。
【0029】
本発明は、これら従来のIII族窒化物結晶の作製上の問題点を解決し、大面積の高品質なIII族窒化物結晶を作製することの可能なIII族窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置を提供することを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、成長容器内で、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶製造方法において、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料ガスとの気液界面と前記成長容器内壁が交差する位置、あるいは、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料が分解して生成した窒素ガスとの気液界面と前記成長容器内壁が交差する位置に、III族窒化物結晶の成長中、III族窒化物結晶を継続して保持するとともに、前記混合融液の液面を検知する信号に基づいて前記成長容器の底板を移動させて、前記気液界面を一定の位置に保持し、気液界面に概ね平行に板状のIII族窒化物結晶を成長させることを特徴としている。
【0031】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のIII族窒化物結晶製造方法において、III族窒化物の種結晶の所定の結晶面を気液界面に平行にして保持し、該種結晶から気液界面に平行な主面を有する板状のIII族窒化物結晶を結晶成長することを特徴としている。
【0032】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のIII族窒化物結晶製造方法において、気液界面に平行にする種結晶の所定の結晶面は、(1−100)m面あるいは(11−20)a面であり、該種結晶からm面あるいはa面が気液界面に平行な板状のIII族窒化物結晶を成長することを特徴としている。
【0033】
また、請求項4記載の発明は、成長容器内で、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶製造装置において、前記混合融液の液面を検知するセンサーと、前記成長容器の底板を上下に移動させる移動装置と、前記センサーからの信号を処理して前記混合融液の気液界面の位置を一定にするように前記移動装置を制御する制御装置と、を備えたことを特徴としている。
【0034】
また、請求項5記載の発明は、アルカリ金属と III 族金属原料を含む混合融液中で III 族金属原料と窒素原料を反応させて III 族窒化物結晶を成長させる III 族窒化物結晶製造装置において、 III 族窒化物結晶の成長中に、気液界面に III 族窒化物結晶が成長する治具を浮かせる機構を用いて III 族窒化物結晶を気液界面に継続して保持する機構が設けられていることを特徴としている。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態のIII族窒化物結晶成長装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、この結晶製造装置には、ステンレス製の閉じた形状の反応容器10と、反応容器10内に設けられ、結晶成長を行なうための結晶成長容器18と、融液24の液面(気液界面)26を検知するためのセンサー20と、結晶成長容器18の底板17と、結晶成長容器18の蓋19と、結晶成長容器18の底板17を上下に移動するための移動治具16と、移動治具16を移動させる治具移動装置27と、センサー20からの信号を処理し、気液界面26の高さが一定に保持されるよう、移動治具16の移動を制御する制御装置23と、ヒーター15と、反応容器10内の全圧力をモニターするための圧力計14とが設けられている。
【0038】
ここで、結晶成長容器18と底板17と結晶成長容器18の蓋19の材質は、例えばBN(ボロンナイトライド)である。
【0039】
また、成長容器18と蓋19との間には、隙間がわずかにあいている。窒素原料ガスは、この隙間を通して結晶成長容器18の内部空間25内に入り、アルカリ金属とIII族金属の混合融液24との間に気液界面26を形成する。
【0040】
また、反応容器10の内部空間に窒素原料ガスを充満させ、かつ反応容器10内の窒素原料圧力を制御することを可能にするガス供給管11が反応容器10を貫通して装着されている。ここで、ガス供給管11はバルブ12で外部と分離することが可能となっている。また、窒素の圧力を圧力制御装置13で調整することが可能となっている。
【0041】
図1の結晶製造装置では、融液面(気液界面)26の高さが一定に保持されるように構成されている。すなわち、図1の装置では、センサー20の先端には空間的に分離した端子21,22が設置されており、センサー20の先端に設置されている端子21,22間の電気的導通の有無によって結晶成長容器18の底板17を停止あるいは上方に移動させ、液面(気液界面)26の高さを一定に保持するように構成されている。
【0042】
図1の装置では、結晶成長初期では、端子21,22がIII族金属とアルカリ金属の混合融液24に接しており、端子21,22間に電気的導通がある場合は、制御装置23から治具移動装置27に治具16の移動を停止させる信号が送られ、治具16は停止している。
【0043】
一方、混合融液24の液面(気液界面)26が下がり、端子21,22間の電気的導通がなくなった場合には、制御装置23から治具移動装置27に治具16を上方に移動させる信号が送られ、移動治具16が上方に移動する。移動治具16上には結晶成長容器18の底板17が設置されており、この底板17は、結晶成長容器18の内側面に接して上下に移動可能になっている。従って、治具16に連動して底板17も上方に移動し、融液24の液面(気液界面)26も上方に移動する。
【0044】
そして、融液面(気液界面)26が端子21と端子22に接し、端子21,22間が電気的に導通すると、制御装置23から治具移動装置27に治具16の移動を停止させる信号が送られ、治具16は停止する。すなわち、融液の液面(気液界面)26の移動が停止する。
【0045】
このように、図1の装置では、気液界面26は常にセンサー20の端子21,22の高さに保持される。これにより、常に一定高さの気液界面26に沿ってIII族窒化物結晶28の成長が継続し、気液界面26に平行な大型の板状のIII族窒化物結晶28を成長することができる。
【0046】
以下に、図1の結晶製造装置を使用したGaNの成長方法を説明する。
【0047】
まず、結晶成長容器18に、アルカリ金属としてNaを入れ、また、III族金属としてGaを入れ、結晶成長容器18の上に蓋19をかぶせる。
【0048】
アルカリ金属とIII族金属の量は、混合融液となった時の液面26の高さがセンサー20の端子21,22の高さよりもわずかに低くなるようにする。
【0049】
次いで、反応容器10を密閉し、バルブ12を閉じ、反応容器10内部を外部雰囲気と遮断する。
【0050】
次いで、ヒーター15の温度を700℃まで昇温する。
【0051】
次いで、センサー20を作動させる。この時点では、センサー20の端子21,22と混合融液24とは接していないので、移動治具16と底板17が上方へ移動する。それと連動して、液面26が上がり、センサー20の端子21、22と液面26とが接して、移動治具16と底板17の移動が停止する。
【0052】
次いで、バルブ12を開け、ガス供給管11から窒素原料ガスである窒素ガスを入れ、圧力制御装置13で窒素ガスの圧力を調整して、反応容器10内の全圧を5MPaにする。この状態で200時間保持した後、降温する。
【0053】
反応容器10内のガスの圧力を下げた後、反応容器10を開けると、Naの一部が成長容器18の下部に付着していた。また、成長容器18の底板17は上昇していたが、融液面(気液界面)26はセンサー20に接しており、GaNの結晶成長中、液面(気液界面)26が一定の高さに保たれていた。
【0054】
そして、気液界面26には、成長容器18の内壁に核発生して成長したGaNの板状単結晶28が気液界面26に平行に結晶成長していた。
【0055】
図1の結晶製造装置では、気液界面26が常に一定の高さに保持された状態で結晶成長することができるので、従来のように成長容器内壁と気液界面が交差する位置に核発生した結晶が、気液界面の位置の低下とともに斜めに成長したり、途中で成長が停止したりすることがなくなる。その結果、常に一定高さの気液界面に沿ってIII族窒化物の結晶成長が継続し、気液界面に平行な大型の板状のIII族窒化物結晶を成長することができる。
【0056】
第2の実施形態
図2は本発明の第2の実施形態のIII族窒化物結晶製造装置の構成例を示す図である。図2を参照すると、この結晶成長装置には、ステンレス製の閉じた形状の反応容器30と、反応容器30内に設けられ、結晶成長を行なうための結晶成長容器37と、結晶成長容器37の蓋38と、結晶を上下に移動するための移動治具39とが設けられている。
【0057】
ここで、図2の結晶成長容器37と結晶成長容器37の蓋38の材質は、例えばBN(ボロンナイトライド)である。
【0058】
また、成長容器37と蓋38との間には、隙間がわずかにあいている。窒素原料ガスは、この隙間を通して結晶成長容器37の内部空間46内に入り、アルカリ金属とIII族金属の混合融液45との間に気液界面48を形成するようになっている。
【0059】
また、結晶を上下に移動するための移動治具39には、種結晶43を取り付ける(保持する)種結晶ホルダー40と、融液面(気液界面)48を検知するセンサー端子41,42が備わっている。
【0060】
また、図2の結晶成長装置には、移動治具39を移動させる治具移動装置36と、センサー端子41,42からの信号を処理し、移動治具39の移動を制御する制御装置47と、ヒーター35と、反応容器30内の全圧力をモニターするための圧力計34とが設けられている。
【0061】
また、図2の装置では、反応容器30の内部空間に窒素原料ガスを充満させ、かつ反応容器30内の窒素原料圧力を制御することを可能にするガス供給管31が反応容器30を貫通して装着されている。ここで、ガス供給管31は、バルブ32で外部と分離することが可能となっている。また、窒素の圧力を圧力制御装置33で調整することが可能となっている。
【0062】
図2の結晶製造装置では、結晶を融液面(気液界面)48の高さに保持するように構成されている。すなわち、図2の装置では、結晶移動治具39に設けられているセンサー端子41、42間の電気的導通の有無によって結晶移動治具39を停止あるいは下方に移動させ、III族窒化物結晶44を融液45の液面(気液界面)48に保持するように構成されている。
【0063】
図2の装置では、結晶成長初期では、センサー端子41,42がIII族金属とアルカリ金属の混合融液45に接しており、センサー端子41,42間に電気的導通がある場合は、制御装置47から治具移動装置36に治具39の移動を停止させる信号が送られ、治具39は停止している。
【0064】
一方、混合融液45の液面(気液界面)48が下がり、端子41,42間の電気的導通がなくなった場合には、制御装置47から治具移動装置36に治具39を下方に移動させる信号が送られ、移動治具39が下方に移動する。
【0065】
そして、センサー端子41とセンサー端子42が融液面(気液界面)48に接し、センサー端子41,42間が電気的に導通すると、制御装置47から治具移動装置36に治具39の移動を停止させる信号が送られ、治具39は停止する。
【0066】
移動治具39には種結晶43を保持するホルダー40が設けられており、このホルダー40に種結晶43が設置されている。種結晶43とセンサー端子42,41は同じ高さに設定されており、センサー端子41,42が液面(気液界面)48に接すると種結晶43も液面(気液界面)48に接する。すなわち、種結晶43から気液界面48に沿って成長したIII族窒化物結晶44もセンサー端子41,42が液面(気液界面)48に接すると液面(気液界面)48に接する。
【0067】
従って、図2の結晶製造装置では、融液面(気液界面)48の移動に追随して種結晶43と成長した結晶44も移動し、結晶44は、常に融液面(気液界面)48に保持される。
【0068】
以下に、図2の結晶製造装置を使用したGaNの成長方法を説明する。
【0069】
まず、結晶成長容器37に、アルカリ金属としてNaを入れ、また、III族金属としてGaを入れる。
【0070】
アルカリ金属とIII族金属の量は、混合融液45となった時の液面48の高さがセンサー端子41,42の高さよりもわずかに低くなるようにする。すなわち、種結晶ホルダー40が融液45に接しない高さにする。
【0071】
次いで、種結晶ホルダー40にGaNの種結晶43を設置する。この時、種結晶43は、m面が気液界面48に平行になるように設置した。
【0072】
次いで、成長容器37の上に蓋38をかぶせる。次いで、反応容器30を密閉し、バルブ32を閉じ、反応容器30内部を外部雰囲気と遮断する。次いで、ヒーター35の温度を700℃まで昇温する。
【0073】
次いで、バルブ32を開け、窒素ガス供給管31から窒素ガスを入れ、圧力制御装置33で圧力を調整して反応容器30内の全圧を5MPaにする。
【0074】
次いで、センサー41,42を作動させる。いまの時点では、センサー端子41,42と融液45とは接していないので、移動治具39が下方へ移動する。それと連動して、種結晶43とセンサー端子41,42も下方へ移動し、センサー端子41,42と種結晶43とが液面48と接して、移動が停止する。この状態で200時間保持した後、降温する。
【0075】
反応容器30内のガスの圧力を下げた後、反応容器30を開けると、Naの一部が成長容器37の下部に付着していた。また、成長容器37内の融液面(気液界面)48は下降していたが、センサー端子41,42は融液面(気液界面)48に接しており、種結晶43から成長したm面を主面とするGaNの板状単結晶44が気液界面48に平行に結晶成長していた。
【0076】
図2の結晶製造装置では、結晶44を常に気液界面48に保持した状態で結晶成長することができるので、従来のように成長容器内壁と気液界面が交差する位置に核発生した結晶が、気液界面の位置の低下とともに斜めに成長したり、途中で成長が停止したりすることがなくなる。その結果、常に気液界面に沿ってIII族窒化物の結晶成長が継続し、気液界面に平行な大型の板状のIII族窒化物結晶を成長することができる。
【0077】
第3の実施形態
図3は本発明の第3の実施形態のIII族窒化物結晶製造装置の構成例を示す図である。
【0078】
図3の結晶製造装置は、ステンレス製の閉じた形状の反応容器50と、反応容器50内に設けられ、結晶成長を行なうための結晶成長容器56と、結晶成長容器56の蓋57と、結晶を気液界面63に保持する結晶保持治具58と、ヒーター55と、反応容器50内の全圧力をモニターするための圧力計54とが設けられている。
【0079】
ここで、結晶成長容器56と結晶成長容器56の蓋57と結晶保持治具58の材質は、例えばBN(ボロンナイトライド)である。
【0080】
また、結晶成長容器56と蓋57の間には隙間がわずかにあいている。窒素原料ガスは、この隙間を通して結晶成長容器56の内部空間61内に入り、アルカリ金属とIII族金属の混合融液62との間に気液界面63を形成する。
【0081】
図4は結晶保持治具58の一例を示す図である。図4を参照すると、結晶を気液界面63に保持する結晶保持治具58は、リング形状のものであって、リングの内側に種結晶59を取り付けるための種結晶ホルダー65が設けられている。なお、図4では、種結晶ホルダー65が1個しか図示されていないが、種結晶ホルダー65は、リングの対向面にさらに1個設置されている。
【0082】
また、図3の装置では、反応容器50の内部空間に窒素原料ガスを充満させ、かつ反応容器50内の窒素原料圧力を制御することを可能にするガス供給管51が反応容器50を貫通して装着されている。ここで、ガス供給管51は、バルブ52で外部と分離することが可能となっている。また、窒素の圧力を圧力制御装置53で調整することが可能となっている。
【0083】
図3の結晶製造装置では、結晶を気液界面63に保持するように構成されている。すなわち、図3の装置では、アルカリ金属とIII族金属の混合融液62に浮く結晶保持治具58を使用することで、常に気液界面63に結晶を保持するように構成されている。
【0084】
図3,図4の装置では、結晶保持治具58には種結晶ホルダー65が具備されており、これに種結晶59を設置して混合融液62に浮かべ、種結晶59から結晶成長を行なう。結晶保持治具58は常に融液62の表面に浮いているので、成長したIII族窒化物結晶60は、常に気液界面63に保持され、気液界面63に沿って板状のIII族窒化物結晶60の成長が継続する。
【0085】
以下に、図3の結晶製造装置を使用したGaNの成長方法を説明する。
【0086】
まず、結晶成長容器56に、アルカリ金属としてNaを入れ、また、III族金属としてGaを入れる。
【0087】
次いで、図4に示した結晶保持治具58の2つの種結晶ホルダー65にGaNの種結晶59を設置する。この時、種結晶59はC面が気液界面63に平行になるように設置する。
【0088】
次いで、種結晶59を設置した結晶保持治具58を成長容器56に収容し蓋57をかぶせる。次いで、反応容器50を密閉し、バルブ52を閉じ、反応容器50内部を外部雰囲気と遮断する。次いで、ヒーター55の温度を700℃まで昇温する。
【0089】
次いで、バルブ52を開け、ガス供給管51から窒素ガスを入れ、圧力制御装置53で圧力を調整して反応容器50内の全圧を5MPaにする。この状態で200時間保持した後、降温する。
【0090】
反応容器50内のガスの圧力を下げた後、反応容器50を開けると、Naの一部が成長容器56の下部に付着していた。また、成長容器56内の融液面(気液界面)63は下降していたが、結晶保持治具58は融液面(気液界面)63に接しており、図5に示すように、種結晶59から成長したC面を主面とするGaNの板状単結晶60が2枚、気液界面63に平行に結晶成長していた。
【0091】
図6は、図3の結晶製造装置において、種結晶を3個設置できる(3個の種結晶ホルダーを有する)結晶保持治具を使用して、図4,図5と同様の方法で結晶成長を行なった場合を示す図である。
【0092】
この場合は、種結晶59から成長したC面を主面とするGaNの板状単結晶60が3枚、気液界面63に平行に結晶成長していた。
【0093】
図3の結晶製造装置では、結晶60を常に気液界面63に保持した状態で結晶成長することができるので、従来のように成長容器内壁と気液界面が交差する位置に核発生した結晶が、気液界面の位置の低下とともに斜めに成長したり、途中で成長が停止したりすることがなくなる。その結果、常に気液界面に沿ってIII族窒化物の結晶成長が継続し、気液界面に平行な大型の板状のIII族窒化物結晶を成長することができる。
【0094】
第4の実施形態
図7は本発明の第4の実施形態のIII族窒化物結晶製造装置の構成例を示す図である。
【0095】
この第4の実施形態の結晶製造装置は、基本的には、第3の実施形態の結晶製造装置と同じであるが、第4の実施形態では、結晶成長容器を4個収容することができるように構成されている。
【0096】
図7の結晶製造装置には、ステンレス製の閉じた形状の反応容器70と、反応容器70内に設けられ、結晶成長を行なうための結晶成長容器77と、結晶成長容器77の蓋78と、結晶を気液界面に保持する結晶保持治具79と、ヒーター75と、反応容器70内の全圧力をモニターするための圧力計74と、結晶成長容器77を4台設置するための支持台76とが設けられている。
【0097】
ここで、結晶成長容器77,蓋78,結晶保持治具79は、第3の実施形態の結晶製造装置のものと同じものである。
【0098】
また、図7の装置では、反応容器70の内部空間に窒素原料ガスを充満させ、かつ反応容器70内の窒素原料圧力を制御することを可能にするガス供給管71が反応容器70を貫通して装着されている。ガス供給管71は、バルブ72で外部と分離することが可能となっている。また、窒素の圧力を圧力制御装置73で調整することが可能となっている。
【0099】
また、結晶を気液界面に保持する結晶保持治具79には、例えば図6に示したものと同様のものを用いることができる。この場合、結晶保持治具79は、リング形状のものであって、リングの内側に種結晶80を取り付ける種結晶ホルダーが3個具備されている。
【0100】
図7の結晶製造装置を使用しての結晶成長は、第3の実施形態と同様の手順で行なえる。異なる点は、1回で4個の結晶成長容器77にNaとGaと種結晶80を設置する点である。
【0101】
図7の結晶製造装置では、1つの結晶保持治具79に種結晶80を3個設置して結晶成長を行なうことで、1回の成長で、12枚のIII族窒化物(GaN)の板状結晶81を成長できた。なお、図7において、符号83は混合融液である。
【0102】
以上のように、第4の実施形態の装置を使用することで、板状のGaN単結晶を一度に多数枚、結晶成長することができる。
【0103】
上述した各実施形態からわかるように、本発明は、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させる場合に、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料ガスとの気液界面付近、あるいは、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料が分解して生成した窒素ガスとの気液界面付近に、III族窒化物結晶の成長中、III族窒化物結晶を継続して保持し、気液界面に概ね平行に板状のIII族窒化物結晶成長するようにしている。
【0104】
換言すれば、本発明では、結晶成長の位置を気液界面として、結晶成長を継続する間、成長している結晶を常に気液界面に保持して結晶成長を行なうようにしている。
【0105】
これにより、厚さが数百μm程度の大面積の板状結晶を、その主面を気液界面に概ね平行にして成長させることができる。なお、自然核発生で成長を行なうと通常、主面はC面となる。
【0106】
本発明において、アルカリ金属としては、通常Na(ナトリウム)やK(カリウム)が使用されるが、その他のアルカリ金属を使用することもできる。
【0107】
また、III族窒化物は、ガリウム,アルミニウム,インジウムから選ばれるIII族金属と窒素との化合物を意味する。
【0108】
また、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液中には、別の元素を溶融させておくこともできる。例えばn型不純物やp型不純物を溶融させドーピングしてもよい。
【0109】
また、本発明の結晶製造方法で使用する窒素原料としては、窒素ガスや窒素と別の元素との化合物等の窒素を構成元素とする物質を使用することができる。従って、窒素原料は、気体であっても液体であっても固体であっても良く、特にその種類は限定するものではないが、窒素原料を気体とするのが最も好ましい。すなわち、この場合には、窒素原料を気体として気相から供給し、気液界面付近の窒素濃度が最も高くなるようにすることができる。こうすることで、気液界面付近に結晶性の良い高品質のIII族窒化物を結晶成長させることができる。すなわち、成長速度を律速する窒素の供給を十分にして、成長速度を速くすることができる。また、窒素不足による窒素空孔等の欠陥が低減し、高品質なIII族窒化物を成長させることができる。具体的には、窒素原料としては、窒素ガスを使用することができる。また、窒素原料を気体とすることで、融液中の窒素濃度を小さくでき、この場合には、結晶成長容器の側面や底面での結晶成長が抑制され、III族原料の無駄な消費を少なくすることができる。
【0110】
また、本発明では、上述のIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒化物の種結晶の所定の結晶面を気液界面に平行にして保持し、該種結晶から気液界面に平行な主面を有する板状のIII族窒化物結晶を結晶成長するようにしている。
【0111】
自然核発生を利用して気液界面にIII族窒化物の板状結晶を成長すると、通常、結晶のC軸が気液界面に垂直になる。すなわち、C面が気液界面に平行になり、C面を主面とするIII族窒化物の板状結晶が成長する。
【0112】
本発明では、種結晶を使用し、前述のようにその面方位を規定して成長を行なうことで、所望の結晶面を主面とする板状結晶を成長することができる。
【0113】
また、本発明では、上述のIII族窒化物結晶成長方法において、気液界面に平行にする種結晶の所定の結晶面が、(1−100)m面あるいは(11−20)a面であり、この種結晶からm面あるいはa面が気液界面に平行な板状のIII族窒化物結晶を成長するようにしている。
【0114】
また、本発明では、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶成長装置において、III族窒化物結晶の成長中に、III族窒化物結晶を気液界面に継続して保持する機構が設けられている。
【0115】
ここで、III族窒化物結晶を気液界面に継続して保持する機構としては、III族窒化物結晶の成長中に、気液界面の位置を一定にする機構を用いることができる。
【0116】
あるいは、III族窒化物結晶を気液界面に継続して保持する機構としては、III族窒化物結晶の成長中に、III族窒化物結晶を気液界面の位置に移動する機構を用いることができる。ここで、III族窒化物結晶を気液界面の位置に移動する機構としては、結晶成長容器の上あるいは下に設置した治具を上下させてIII族窒化物結晶を移動させる機構を用いたり、あるいは、III族窒化物III族窒化物結晶が成長する治具を気液界面に浮かせる機構を用いることができる。
【0117】
また、上述した結晶を保持する機構には、種結晶を設置する手段が設けられている。このとき、結晶成長は種結晶を設置する機構(治具)に種結晶を設置した後、気液界面に種結晶を保持して種結晶から結晶成長を開始する。なお、種結晶を設置する方法は特に限定するものではない。
【0118】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項記載の発明によれば、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させる場合に、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料ガスとの気液界面付近、あるいは、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料が分解して生成した窒素ガスとの気液界面付近に、III族窒化物結晶の成長中、III族窒化物結晶を継続して保持し、気液界面に概ね平行に板状のIII族窒化物結晶を成長するので、III族窒化物の板状結晶を継続して成長することができる。その結果、大面積を有する高品質のIII族窒化物の板状結晶を成長することができる。
【0119】
特に、請求項2記載の発明では、請求項1記載のIII族窒化物結晶製造方法において、III族窒化物の種結晶の所定の結晶面を気液界面に平行にして保持し、該種結晶から気液界面に平行な主面を有する板状のIII族窒化物結晶を結晶成長するので、従来では、C面を主面とするIII族窒化物の板状結晶しか作製することが困難であったが、所望の結晶面を主面とするIII族窒化物の板状結晶を容易に作製することができる。従って、C面以外の主面を有するIII族窒化物基板を作製することができる。また、この板状結晶を使用してデバイスを作製する場合には、基板の面方位に依存した特性を利用して機能するデバイスを作製することが可能になる。
【0120】
また、請求項3記載の発明では、請求項2記載のIII族窒化物結晶製造方法において、気液界面に平行にする種結晶の所定の結晶面は、(1−100)m面あるいは(11−20)a面であり、該種結晶からm面あるいはa面が気液界面に平行な板状のIII族窒化物結晶を成長するので、従来作製が困難であったm面あるいはa面を主面とした板状結晶を容易に作製することができる。また、この板状結晶を使用してデバイスを作製する場合には、デバイスチップを容易に短尺形にチップカットすることができる。その結果、チップカット時の歩留まりが向上し、低コスト化を図ることができる。
【0121】
また、請求項4記載の発明では、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶製造装置において、III族窒化物結晶の成長中に、気液界面の位置を一定にする機構を用いてIII族窒化物結晶を気液界面に継続して保持する機構が設けられているので、原料の消費やアルカリ金属の蒸発によって結晶成長中に気液界面が低下しても、結晶を気液界面に保持することができて、従来のように、気液界面の低下とともに結晶が斜めに成長してしまうことや、結晶成長が中断してしまうことを防止できる。その結果、気液界面で大きなIII族窒化物の板状結晶を成長することができる。そして、成長容器の側面に核発生した結晶が成長した場合等で結晶を移動することが困難である場合に有効である。すなわち、このような場合でも、気液界面で大きなIII族窒化物の板状結晶を成長することができる。
【0122】
また、請求項5記載の発明では、アルカリ金属と III 族金属原料を含む混合融液中で III 族金属原料と窒素原料を反応させて III 族窒化物結晶を成長させる III 族窒化物結晶製造装置において、 III 族窒化物結晶の成長中に、気液界面に III 族窒化物結晶が成長する治具を浮かせる機構を用いて III 族窒化物結晶を気液界面に継続して保持する機構が設けられているので、治具から結晶成長した結晶を常に気液界面に保持することができる。また、結晶を上下するための大掛かりな機構を必要としないので、装置の構造を簡単なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のIII族窒化物結晶製造装置の構成例を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態のIII族窒化物結晶製造装置の構成例を示す図である。
【図3】 本発明の第3の実施形態のIII族窒化物結晶製造装置の構成例を示す図である。
【図4】 結晶保持治具の一例を示す図である。
【図5】 結晶成長の一例を示す図である。
【図6】 結晶成長の他の例を示す図である。
【図7】 本発明の第4の実施形態のIII族窒化物結晶製造装置の構成例を示す図である。
【図8】 従来技術を説明するための図である。
【図9】 従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
10 反応容器
11 ガス供給管
12 バルブ
13 圧力制御装置
14 圧力計
15 ヒーター
16 移動治具
17 底板
18 結晶成長容器
19 結晶成長容器の蓋
20 センサー
21,22 端子
23 制御装置
24 混合融液
26 気液界面
27 治具移動装置
28 板状単結晶
30 反応容器
31 ガス供給管
32 バルブ
33 圧力制御装置
34 圧力計
35 ヒーター
36 結晶成長容器の内部空間
37 成長容器
38 結晶成長容器の蓋
39 移動治具
40 種結晶ホルダー
41,42 センサー端子
43 種結晶
44 III族窒化物結晶
45 III族金属の混合融液
47 制御装置
48 融液面(気液界面)
50 反応容器
51 ガス供給管
52 バルブ
53 圧力制御装置
54 圧力計
55 ヒーター
56 結晶成長容器
57 結晶成長容器の蓋
58 結晶保持治具
59 種結晶
60 III族窒化物結晶
62 III族金属の混合融液
63 気液界面
70 反応容器
71 ガス供給管
72 バルブ
73 圧力制御装置
74 圧力計
75 ヒーター
76 支持台
77 結晶成長容器
78 結晶成長容器の蓋
79 結晶保持治具
80 種結晶
81 板状結晶
83 混合融液

Claims (5)

  1. 成長容器内で、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶製造方法において、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料ガスとの気液界面と前記成長容器内壁が交差する位置、あるいは、アルカリ金属とIII族金属を含む混合融液と窒素原料が分解して生成した窒素ガスとの気液界面と前記成長容器内壁が交差する位置に、III族窒化物結晶の成長中、III族窒化物結晶を継続して保持するとともに、前記混合融液の液面を検知する信号に基づいて前記成長容器の底板を移動させて、前記気液界面を一定の位置に保持し、気液界面に概ね平行に板状のIII族窒化物結晶を成長させることを特徴とするIII族窒化物結晶製造方法。
  2. 請求項1記載のIII族窒化物結晶製造方法において、III族窒化物の種結晶の所定の結晶面を気液界面に平行にして保持し、該種結晶から気液界面に平行な主面を有する板状のIII族窒化物結晶を結晶成長することを特徴とするIII族窒化物結晶製造方法。
  3. 請求項2記載のIII族窒化物結晶製造方法において、気液界面に平行にする種結晶の所定の結晶面は、(1−100)m面あるいは(11−20)a面であり、該種結晶からm面あるいはa面が気液界面に平行な板状のIII族窒化物結晶を成長することを特徴とするIII族窒化物結晶製造方法。
  4. 成長容器内で、アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶製造装置において、前記混合融液の液面を検知するセンサーと、前記成長容器の底板を上下に移動させる移動装置と、前記センサーからの信号を処理して前記混合融液の気液界面の位置を一定にするように前記移動装置を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とするIII族窒化物結晶製造装置。
  5. アルカリ金属とIII族金属原料を含む混合融液中でIII族金属原料と窒素原料を反応させてIII族窒化物結晶を成長させるIII族窒化物結晶製造装置において、III族窒化物結晶の成長中に、気液界面にIII族窒化物結晶が成長する治具を浮かせる機構を用いてIII族窒化物結晶を気液界面に継続して保持する機構が設けられていることを特徴とするIII族窒化物結晶製造装置。
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