JP2003292400A - Iii族窒化物結晶成長方法およびiii族窒化物結晶成長装置およびiii族窒化物結晶および半導体デバイス - Google Patents

Iii族窒化物結晶成長方法およびiii族窒化物結晶成長装置およびiii族窒化物結晶および半導体デバイス

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JP2003292400A
JP2003292400A JP2003018507A JP2003018507A JP2003292400A JP 2003292400 A JP2003292400 A JP 2003292400A JP 2003018507 A JP2003018507 A JP 2003018507A JP 2003018507 A JP2003018507 A JP 2003018507A JP 2003292400 A JP2003292400 A JP 2003292400A
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nitride crystal
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Hirokazu Iwata
浩和 岩田
Hisanori Yamane
久典 山根
Masahiko Shimada
昌彦 島田
Masataka Aoki
真登 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶成長条件と結晶形態、結晶成長の有無の
関係を明らかにし、実用的な結晶成長条件でのIII族窒
化物の結晶成長を可能とする。 【解決手段】 領域Aは、GaN結晶が成長しない領域
である。また、領域Bは、種結晶のみにGaN結晶が支
配的に結晶成長する領域である。また、領域Cは、柱状
のGaN結晶が支配的に結晶成長する領域である。ま
た、領域Dは、板状のGaN結晶が支配的に結晶成長す
る領域である。なお、ここでいう支配的とは、大部分が
その形態で結晶成長している状態をいう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III族窒化物結晶
成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置およびIII族窒
化物結晶および半導体デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、紫〜青〜緑色光源として用いられ
ているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、
その殆どがサファイア基板あるいはSiC基板上に、M
O−CVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法
(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製さ
れている。サファイアやSiCを基板として用いる場合
には、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大
きいことに起因する結晶欠陥が多くなる。このために、
デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長く
することが困難であったり、動作電力が大きくなったり
するという問題がある。
【0003】更に、サファイア基板の場合には絶縁性で
あるために、従来の発光デバイスのように基板側からの
電極取り出しが不可能であり、結晶成長したIII族窒化
物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その
結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながる
という問題がある。また、サファイア基板上に作製した
III族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離
が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされ
る共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このた
め、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、
あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研
磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行って
いるが、この場合にも、従来のLDのような共振器端面
とチップ分離を単一工程で容易に行うことが不可能であ
り、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
【0004】これらの問題を解決するために、サファイ
ア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やそ
の他の工夫を行うことで、結晶欠陥を低減させることが
提案されている。
【0005】例えば文献「Japanese Journal of Applie
d Physics Vol.36(1997) Part 2, No.12A, L1568-157
1」(以下、第1の従来技術という)には、図7に示す
ようなレーザダイオード(LD)が示されている。図7
のレーザダイオードは、MO−VPE(有機金属気相成
長)装置にてサファイア基板1上にGaN低温バッファ
層2とGaN層3を順次成長した後に、選択成長用のS
iOマスク4を形成する。このSiOマスク4は、
別のCVD(化学気相堆積)装置にて、SiO膜を堆
積した後に、フォトリソグラフィ,エッチング工程を経
て形成される。次に、このSiOマスク4上に再度、
MO−VPE装置にて20μmの厚さのGaN膜3’を
成長することで、横方向にGaNが選択成長し、選択横
方向成長を行わない場合に比較して結晶欠陥を低減させ
ている。更に、その上層に形成されている変調ドープ歪
み超格子層(MD−SLS)5を導入することで、活性
層6へ結晶欠陥が延びることを防いでいる。この結果、
選択横方向成長及び変調ドープ歪み超格子層を用いない
場合に比較して、デバイス寿命を長くすることが可能と
なる。
【0006】この第1の従来技術の場合には、サファイ
ア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比べ
て、結晶欠陥を低減させることが可能となるが、サファ
イア基板を用いることによる、絶縁性と劈開に関する前
述の問題は依然として残っている。更には、SiO
スク形成工程を挟んで、MO−VPE装置による結晶成
長が2回必要となり、工程が複雑化するという問題が新
たに生じる。
【0007】また、別の方法として、例えば文献「Appl
ied Physics Letters, Vol.73, No.6, p.832-834(199
8)」(以下、第2の従来技術という)には、GaN厚膜
基板を応用することが提案されている。この第2の従来
技術では、前述の第1の従来技術での20μmの選択横
方向成長後に、H−VPE(ハイドライド気相成長)装
置にて200μmのGaN厚膜を成長し、その後に、こ
の厚膜成長したGaN膜を150μmの厚さになるよう
に、サファイア基板側から研磨することにより、GaN
基板を作製する。このGaN基板上に、MO−VPE装
置を用いて、LDデバイスとして必要な結晶成長を順次
行ない、LDデバイスを作製することで、結晶欠陥を低
減させることが可能になるとともに、サファイア基板を
用いることによる絶縁性と劈開に関する前述の問題点を
解決することが可能となる。なお、この第2の従来技術
と同様のものとして、特開平11−4048号が提案さ
れており、図8には特開平11−4048号の半導体レ
ーザが示されている。
【0008】しかしながら、この第2の従来技術は、第
1の従来技術よりも更に工程が複雑になっており、より
一層のコスト高になる。また、この第2の従来技術の方
法で200μm程度の厚さのGaN厚膜を成長する場合
には、基板であるサファイアとの格子定数差及び熱膨張
係数差に伴う応力が大きくなり、基板の反りやクラック
が生じるという問題が新たに発生する。
【0009】この問題を回避するために、特開平10−
256662号には、厚膜成長する元の基板(サファイ
アとスピネル)の厚さを1mm以上とすることが提案さ
れている。このように、厚さ1mm以上の基板を用いる
ことにより、200μmの厚膜のGaN膜を成長させて
も、基板の反りやクラックを生じさせないようにしてい
る。しかしながら、このように厚い基板は、基板自体の
コストが高く、また研磨に多くの時間を費やす必要があ
り、研磨工程のコストアップにつながる。すなわち、厚
い基板を用いる場合には、薄い基板を用いる場合に比べ
て、コストが高くなる。また、厚い基板を用いる場合に
は、厚膜のGaN膜を成長した後には基板の反りやクラ
ックが生じないが、研磨の工程で応力緩和し、研磨途中
で反りやクラックが発生する。このため、厚い基板を用
いても、容易に、結晶品質の高いGaN基板を大面積化
で作製することはできない。
【0010】一方、文献「Journal of Crystal Growth,
Vol.189/190, p.153-158(1998)」(以下、第3の従来
技術という)には、GaNのバルク結晶を成長させ、そ
れをホモエピタキシャル基板として用いることが提案さ
れている。この第3の従来技術は、1400〜1700
℃の高温、及び数10kbarもの超高圧の窒素圧力中
で、液体GaからGaNを結晶成長させる手法となって
いる。この場合には、このバルク成長したGaN基板を
用いて、デバイスに必要なIII族窒化物半導体膜を成長
することが可能となる。従って、第1及び第2の従来技
術のように工程を複雑化させることなく、GaN基板を
提供できる。
【0011】しかしながら、第3の従来技術では、高
温,高圧中での結晶成長が必要となり、それに耐えうる
反応容器が極めて高価になるという問題がある。加え
て、このような成長方法をもってしても、得られる結晶
の大きさは高々1cm程度であり、デバイスを実用化す
るには小さ過ぎるという問題がある。
【0012】この高温,高圧中でのGaN結晶成長の問
題点を解決する手法として、文献「Chemistry of Mater
ials Vol.9 (1997) p.413-416」(以下、第4の従来技
術という)には、Naをフラックスとして用いたGaN
結晶成長方法が提案されている。この方法はアジ化ナト
リウム(NaN)と金属Gaを原料として、ステンレ
ス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ
=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を
600〜800℃の温度で24〜100時間保持するこ
とにより、GaN結晶を成長させるものである。この第
4の従来技術の場合には、600〜800℃程度の比較
的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々1
00kg/cm程度と第3の従来技術に比較して圧力
を低くできる点が特徴である。しかし、この第4の従来
技術の問題点としては、得られる結晶の大きさが1mm
に満たない程度に小さい点である。この程度の大きさで
はデバイスを実用化するには第3の従来技術と同様に小
さすぎる。
【0013】また、特開2000−327495号(以
下、第5の従来技術という)には、上述の第4の従来技
術と基板を用いたエピタキシャル法を組み合わせた技術
が提案されている。この第5の従来技術では、予め基板
表面にGaNあるいはAlNを成長させたものを基板と
して用い、この上に第4の従来技術を用いてGaN膜を
エピタキシャル成長させる。しかし、この第5の従来技
術は基本的にエピタキシャル成長であり、第1や第2の
従来技術と同様に結晶欠陥の問題解決には至らない。更
に、予めGaN膜あるいはAlN膜を基板上に成長させ
るため、工程が複雑となり高コストにつながる。
【0014】また、最近、特開2000−12900号
及び特開2000−22212号(以下、第6の従来技
術という)には、GaAs基板を用いてGaN厚膜基板
を作製する方法が提案されている。図9,図10には、
この第6の従来技術によるGaN厚膜基板の作製方法が
示されている。先ず、図9を参照すると、(111)G
aAs基板60上に第1の従来技術と同様にSiO
やSiN膜をマスク61として、GaN膜63を70μ
m〜1mmの厚さに選択成長する(図9(1)〜
(3))。この結晶成長はH−VPEにより行う。その
後、王水によりGaAs基板60をエッチング,除去
し、GaN自立基板63を作製する(図9(4))。こ
のGaN自立基板63を元に、更に再度H−VPEによ
り、数10mmの厚さのGaN結晶64を気相成長させ
る(図10(1))。この数10mmの厚さのGaN結
晶64をスライサーによりウェハ状に切り出し、GaN
ウェハを作製する(図10(2),(3))。
【0015】この第6の従来技術では、GaN自立基板
63が得られ、更に数10mmの厚さのGaN結晶64
を得ることができる。しかしながら、第6の従来技術に
は次のような問題点がある。すなわち、SiN膜やSi
膜を選択成長用マスクとして用いるため、その作製
工程が複雑になり、コスト高につながる。また、H−V
PEにより数10mmの厚さのGaN結晶を成長させる
際に、反応容器内にも同様の厚さのGaN結晶(単結晶
や多結晶)やアモルファス状のGaNが付着し、このた
め、量産性に問題がある。また、GaAs基板が犠牲基
板として一回の成長毎にエッチング,除去されるため、
コスト高につながる。また、結晶品質に関しても、基本
的にはGaAsという異種基板上の結晶成長からくる、
格子不整、熱膨張係数の違いによる、欠陥密度が高いと
いう問題も残る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、第1あるい
は第2の従来技術の問題点である工程を複雑化させるこ
となく、また、第3の従来技術の問題点である高価な反
応容器を用いることも無く、かつ、第3,第4の従来技
術の問題点である結晶の大きさが小さくなることなく、
高性能の発光ダイオードやLD等のデバイスを作製する
ために実用的な大きさで、かつ、低コスト,高品質のII
I族窒化物結晶を成長させることの可能なIII族窒化物結
晶成長方法およびIII族窒化物結晶および半導体デバイ
スを提供することを目的としている。
【0017】さらに、本発明は、第5あるいは第6の従
来技術の問題点である結晶品質を低下させることなく、
且つ工程を複雑化させることなく、低コストで高品質の
III族窒化物結晶を成長させることの可能なIII族窒化物
結晶成長方法およびIII族窒化物結晶および半導体デバ
イスを提供することを目的としている。
【0018】また、本願の発明者は、従来技術(特に第
4の従来技術)の問題点を改善するために、これまで、
特開2001−058900、特開2001−0640
97、特開2001−64098、特開2001−10
2316、特開2001−119103の技術を提案し
ている。
【0019】例えば、特開2001−058900で
は、III族原料とV族原料を外部より反応容器内に供給
することを提案している。また、特開2001−064
097では、V族原料を安定に供給することを提案して
いる。また、特開2001−64098では、種結晶を
用いて成長する方法を提案している。また、特開200
1−102316では、III族金属とアルカリ金属の混
合融液からのIII族窒化物結晶の成長について提案して
いる。また、特開2001−119103では、立方晶
のIII族窒化物結晶の成長方法を提案している。
【0020】しかし、これまで、アルカリ金属を用いて
III族窒化物結晶を成長する方法で、結晶成長条件と結
晶形態、結晶成長の有無の関係が明らかでなかった。
【0021】本発明は、さらに、結晶成長条件と結晶形
態、結晶成長の有無の関係を明らかにし、実用的な結晶
成長条件でのIII族窒化物の結晶成長を可能とするIII族
窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置お
よびIII族窒化物結晶および半導体デバイスを提供する
ことを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、反応容器内で、アルカリ金
属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形
成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、
III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成
長させるIII族窒化物結晶成長方法であって、圧力と温
度とで規定される領域に対応する結晶成長条件で、III
族窒化物の結晶を成長させることを特徴としている。
【0023】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のIII族窒化物結晶成長方法において、結晶成長条件
として、圧力と温度とで規定される領域を複数個設ける
とき、複数の領域のそれぞれに応じて互いに異なる結晶
形態のIII族窒化物の結晶が成長可能であることを特徴
としている。
【0024】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載のIII族窒化物結晶成長方法において、複数の領域の
うちの1つの領域は、III族窒化物の結晶成長形態とし
て、種結晶に結晶成長するものであることを特徴として
いる。
【0025】また、請求項4記載の発明は、請求項2記
載のIII族窒化物結晶成長方法において、Pを反応容器
内の実効的な窒素圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温
度(K)、a,bを係数とするとき、成長するIII族窒
化物の結晶形態は、logP=a/T+bで表される境
界により規定される領域に応じて決定されることを特徴
としている。
【0026】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載のIII族窒化物結晶成長方法において、log P=
a/T+bで表される境界は、アルカリ金属のIII族金
属との比によって制御可能であることを特徴としてい
る。
【0027】また、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成
長方法において、種結晶を用いて結晶成長可能な結晶成
長条件領域で、III族窒化物の結晶を種結晶を用いて結
晶成長させることを特徴としている。
【0028】また、請求項7記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成
長方法において、柱状結晶を用いて結晶成長可能な結晶
成長条件領域で、III族窒化物の結晶を柱状結晶を用い
て結晶成長させることを特徴としている。
【0029】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成
長方法において、板状結晶を用いて結晶成長可能な結晶
成長条件領域で、III族窒化物の結晶を板状結晶を用い
て結晶成長させることを特徴としている。
【0030】また、請求項9記載の発明は、請求項1乃
至請求項8のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶成
長方法において、III族窒化物結晶が成長せずに分解す
る条件領域、種結晶成長する成長条件領域、柱状結晶が
成長する成長条件領域、板状結晶が成長する成長条件領
域の内、複数の条件領域を利用して、III族窒化物結晶
を成長させることを特徴としている。
【0031】また、請求項10記載の発明は、請求項9
記載のIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒化物
結晶が成長せずに分解する条件領域と柱状結晶または板
状結晶が成長する成長条件領域とを利用して、III族窒
化物結晶を成長させることを特徴としている。
【0032】また、請求項11記載の発明は、請求項1
乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶
成長方法において、アルカリ金属としてナトリウム(N
a)を用い、少なくともIII族金属を含む物質としてガ
リウム(Ga)を用い、少なくとも窒素を含む物質とし
て窒素ガス(N)を用いて、III族窒化物として窒化
ガリウム(GaN)を結晶成長させるときに、窒化ガリ
ウム(GaN)の結晶成長条件を窒素ガス圧力とガリウ
ムとナトリウムの混合融液の温度とで規定することを特
徴としている。
【0033】また、請求項12記載の発明は、請求項1
1記載のIII族窒化物結晶成長方法において、Pを窒素
ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度(K)、a
1,b1,a2,b2を、a1=−5.40E−3,b
1=4.83,a2=−5.59E−3,b2=5.4
7の係数とするとき、a/T+b≦log P≦a
/T+bで表される結晶成長条件領域で、種結晶を
用いて窒化ガリウム(GaN)を結晶成長させることを
特徴としている。
【0034】また、請求項13記載の発明は、請求項1
1記載のIII族窒化物結晶成長方法において、Pを窒素
ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度(K)、a
2,b2,a3,b3を、a2=−5.59E−3,b
2=5.47,a3=−5.67E−3,b3=5.8
3の係数とするとき、a/T+b≦log P≦a
/T+bで表される結晶成長条件領域で、柱状の窒
化ガリウム(GaN)結晶を成長させることを特徴とし
ている。
【0035】また、請求項14記載の発明は、請求項1
1記載のIII族窒化物結晶成長方法において、Pを窒素
ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度(K)、a
3,b3を、a3=−5.67E−3,b3=5.83
の係数とするとき、a/T+b≦log Pで表さ
れる結晶成長条件領域で、板状の窒化ガリウム(Ga
N)結晶を成長させることを特徴としている。
【0036】また、請求項15記載の発明は、種結晶成
長する成長条件領域、柱状結晶が成長する成長条件領
域、板状結晶が成長する成長条件領域の内の1つの成長
条件領域を選択してIII族窒化物結晶を成長させるため
の圧力制御機構及び温度制御機構を有していることを特
徴としている。
【0037】また、請求項16記載の発明は、III族窒
化物結晶が成長せずに分解する条件領域、種結晶成長す
る成長条件領域、柱状結晶が成長する成長条件領域、板
状結晶が成長する成長条件領域の内、複数の条件領域を
利用してIII族窒化物結晶を成長させるための圧力制御
機構及び温度制御機構を有していることを特徴としてい
る。
【0038】また、請求項17記載の発明は、請求項1
乃至請求項14のいずれか一項に記載のIII族窒化物結
晶成長方法で作製されたIII族窒化物結晶であることを
特徴としている。
【0039】また、請求項18記載の発明は、請求項1
7記載のIII族窒化物結晶を用いた半導体デバイスであ
ることを特徴としている。
【0040】また、請求項19記載の発明は、請求項1
8記載の半導体デバイスにおいて、該半導体デバイス
は、光デバイスであることを特徴としている。
【0041】また、請求項20記載の発明は、請求項1
8記載の半導体デバイスにおいて、該半導体デバイス
は、電子デバイスであることを特徴としている。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0043】第1の実施形態 本発明の第1の実施形態は、反応容器内で、アルカリ金
属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形
成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、
III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成
長させるIII族窒化物結晶成長方法であって、圧力と温
度とで規定される領域に対応する結晶成長条件で、III
族窒化物の結晶を成長させることを特徴としている。
【0044】ここで、III族金属とは、Ga,Al,I
n等であり、また、アルカリ金属には、K,Na等が使
用可能である。また、窒素を含む物質とは、窒素ガス
や、アジ化ナトリウム,アンモニアなどの窒素を構成元
素に含む化合物である。
【0045】また、結晶成長条件を規定する圧力とは、
反応容器内の空間部分の圧力である。同様に、結晶成長
条件を規定する温度とは、結晶成長が起こる融液内,融
液表面の温度である。
【0046】本発明において、III族窒化物の結晶成長
方法は次のようになされる。すなわち、反応容器内に
は、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質
と、少なくとも窒素を含む物質とがあり、この反応容器
を結晶成長可能な温度に上げること、及び、反応容器内
の実効窒素分圧をIII族窒化物結晶が結晶成長する条件
に設定することにより、III族窒化物の結晶成長が開始
し、III族窒化物を継続的に結晶成長させることができ
る。
【0047】このように、本発明の第1の実施形態のII
I族窒化物結晶成長方法では、反応容器内で、アルカリ
金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を
形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とか
ら、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結
晶成長させるIII族窒化物結晶成長方法であって、圧力
と温度とで規定される領域に対応する結晶成長条件で、
III族窒化物の結晶を成長させるので、III族窒化物結晶
(具体的には、例えばIII族窒化物の薄膜結晶成長用の
基板となるIII族窒化物結晶)を容易に得ることができ
る。すなわち、第1あるいは第2の従来技術で述べたよ
うな複雑な工程を必要とせずに、低コストで、高品質の
III族窒化物結晶及びそれを用いた半導体デバイスを得
ることが可能となる。
【0048】また、1000℃以下と成長温度が低く、
100気圧程度以下と圧力も低い条件下でIII族窒化物
の結晶成長が可能となることから、第3の従来技術のよ
うに超高圧,超高温に耐えうる高価な反応容器を用いる
必要がない。その結果、低コストで、III族窒化物結晶
及びそれを用いた半導体デバイスを得ることが可能とな
る。
【0049】さらに、圧力と温度とで規定される領域に
対応する結晶成長条件で、III族窒化物の結晶を成長さ
せるので、結晶成長の制御性を格段に向上させることが
可能となり、所望の結晶形態を容易に得ることができ
る。
【0050】換言すれば、圧力と温度とで規定される領
域に対応する結晶成長条件で、III族窒化物の結晶を成
長させるので、混合融液を用いた良質なIII族窒化物結
晶を成長する場合の条件制御性を向上させることができ
る。すなわち、圧力と温度を制御することで、良質なII
I族窒化物結晶を成長することが可能となる。
【0051】第2の実施形態 本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態のIII族窒
化物結晶成長方法において、結晶成長条件として、圧力
と温度とで規定される領域を複数個設けるとき、複数の
領域のそれぞれに応じて互いに異なる結晶形態のIII族
窒化物の結晶が成長可能であることを特徴としている。
【0052】このように、第2の実施形態では、結晶成
長条件として、圧力と温度とで規定される領域を複数個
設けるとき、複数の領域のそれぞれに応じて互いに異な
る結晶形態のIII族窒化物の結晶を成長可能であるの
で、結晶成長の制御性を格段に向上させることが可能と
なり、所望の結晶形態を容易に得ることができる。
【0053】第3の実施形態 本発明の第3の実施形態は、第2の実施形態のIII族窒
化物結晶成長方法において、複数の領域のうちの1つの
領域は、III族窒化物の結晶成長形態として、種結晶に
結晶成長するものであることを特徴としている。
【0054】このように、第3の実施形態では、複数の
領域のうちの1つの領域は、III族窒化物の結晶成長形
態として、種結晶に結晶成長するものであるので、他の
領域への核発生及び結晶成長が殆ど発生せず、これによ
り、無駄な原料の消費を抑え、大型のIII族窒化物単結
晶を作製することが可能となる。また、種結晶のある所
定位置に大型の単結晶を成長させることができる。更
に、種結晶の結晶方位を制御することで、成長する結晶
の結晶方位も制御することが可能となり、基板として用
いる際に意図した結晶方位を使用することが容易とな
る。
【0055】第4の実施形態 本発明の第4の実施形態は、上述した第2の実施形態の
III族窒化物結晶成長方法において、成長するIII族窒化
物の結晶形態が、次式(数1)で表される境界により規
定される領域に応じて決定されることを特徴としてい
る。
【0056】
【数1】log P=a/T+b
【0057】ここで、Pは反応容器内の実効的な窒素圧
力(Pa)、Tは混合融液の絶対温度(K)、a,bは
係数である。
【0058】このように、第4の実施形態は、Pを反応
容器内圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度(K)、
a,bを係数とするとき、成長するIII族窒化物の結晶
形態が、log P=a/T+bで表される境界により
規定されるので、上記数式を元にして成長条件を決定
し、良質なIII族窒化物結晶を成長することが可能とな
る。より詳しくは、上記数式を元にして、圧力と温度を
決定することで、所望の結晶形態のIII族窒化物結晶を
成長させることが可能となる。
【0059】第5の実施形態 本発明の第5の実施形態は、第4の実施形態のIII族窒
化物結晶成長方法において、log P=a/T+bで
表される境界は、アルカリ金属のIII族金属との比によ
って制御可能であることを特徴としている。
【0060】このように、第5の実施形態では、第4の
実施形態のIII族窒化物結晶成長方法において、log
P=a/T+bで表される境界は、アルカリ金属(例
えば、Na)のIII族金属(例えば、Ga)との比によ
って制御可能であるので、領域を容易に制御することが
できる。
【0061】第6の実施形態 本発明の第6の実施形態は、第1乃至第5のいずれかの
実施形態のIII族窒化物結晶成長方法において、種結晶
を用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族窒
化物の結晶を種結晶を用いて結晶成長させることを特徴
としている。
【0062】このように、第6の実施形態では、種結晶
を用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族窒
化物の結晶を種結晶を用いて結晶成長させることで、大
型のIII族窒化物単結晶を作製することが可能となる。
すなわち、上記の結晶成長条件領域では、種結晶を元に
した結晶成長が支配的であり、他の領域への核発生及び
結晶成長が殆ど発生しないことから、無駄な原料の消費
を抑え、大型のIII族窒化物単結晶を作製することが可
能となる。また、種結晶のある所定位置に大型の単結晶
を成長させることができる。更に、種結晶の結晶方位を
制御することで、成長する結晶の結晶方位も制御するこ
とが可能となり、基板として用いる際に意図した結晶方
位を使用することが容易となる。
【0063】第7の実施形態 本発明の第7の実施形態は、第1乃至第5のいずれかの
実施形態のIII族窒化物結晶成長方法において、柱状結
晶を用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族
窒化物の結晶を柱状結晶を用いて結晶成長させることを
特徴としている。
【0064】このように、第7の実施形態では、柱状結
晶を用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族
窒化物の結晶を柱状結晶を用いて結晶成長させるので、
良質な柱状結晶を成長させることが可能となる。すなわ
ち、上記の結晶成長条件領域では、柱状結晶が支配的に
結晶成長することから、面方位が明確となっている。従
って、この柱状結晶を元にIII族窒化物基板を作製する
場合に、面方位の決定,スライスが容易となる利点があ
る。
【0065】第8の実施形態 本発明の第8の実施形態は、第1乃至第5のいずれかの
実施形態のIII族窒化物結晶成長方法において、板状結
晶を用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族
窒化物の結晶を板状結晶を用いて結晶成長させることを
特徴としている。
【0066】このように、第8の実施形態では、板状結
晶を用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族
窒化物の結晶を板状結晶を用いて結晶成長させるので、
良質な板状結晶を成長することが可能となる。すなわ
ち、上記の結晶成長条件領域では、板状結晶が支配的に
結晶成長することから、III族窒化物基板として用い易
い。この板状結晶をそのままIII族窒化物基板として用
いることも可能である。あるいは、表面の凹凸がある場
合でも、表面研磨するのみでIII族窒化物基板として使
用することができる。また、面方位が明確となっている
ことからも、基板としての使用を容易にすることができ
る。更に、この結晶成長条件領域での結晶成長では、板
状結晶の面方向結晶成長速度が早いことから、効率的に
III族窒化物結晶を成長することができ、低コストにつ
ながる。
【0067】第9の実施形態 本発明の第9の実施形態は、第1乃至第8のいずれかの
実施形態のIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒
化物結晶が成長せずに分解する条件領域、種結晶成長す
る成長条件領域、柱状結晶が成長する成長条件領域、板
状結晶が成長する成長条件領域の内、複数の条件領域を
利用して、III族窒化物結晶を成長させることを特徴と
している。
【0068】第9の実施形態は、III族窒化物結晶が成
長せずに分解する条件領域、種結晶成長する成長条件領
域、柱状結晶が成長する成長条件領域、板状結晶が成長
する成長条件領域の内、複数の条件領域を利用して、II
I族窒化物結晶を成長させることで、複数の形態を有す
る結晶成長が可能となる。従って、同一の結晶成長にお
いて異なる形態のIII族窒化物結晶を得ることができ
る。
【0069】第10の実施形態 本発明の第10の実施形態は、第9の実施形態のIII族
窒化物結晶成長方法において、III族窒化物結晶が成長
せずに分解する条件領域と柱状結晶または板状結晶が成
長する成長条件領域とを利用して、III族窒化物結晶を
成長させることを特徴としている。
【0070】第10の実施形態は、III族窒化物結晶が
成長せずに分解する条件領域と柱状結晶または板状結晶
が成長する成長条件領域とを利用して、III族窒化物結
晶を成長させることで、III族窒化物結晶に対して分解
と成長の両方を行うことができ、これにより、次のよう
な効果を得ることができる。すなわち、柱状結晶や板状
結晶が成長する条件領域では、多数の結晶核が発生す
る。多数の結晶核発生と分解の両条件を推移させること
で、小さな結晶が分解され、より大きな結晶が成長し易
くなる。従って、第10の実施形態によれば、大型の結
晶を成長させることができる。
【0071】第11の実施形態 本発明の第11の実施形態は、第1乃至第5のいずれか
の実施形態のIII族窒化物結晶成長方法において、アル
カリ金属としてナトリウム(Na)を用い、少なくとも
III族金属を含む物質としてガリウム(Ga)を用い、
少なくとも窒素を含む物質として窒素ガス(N)を用
いて、III族窒化物として窒化ガリウム(GaN)を結
晶成長させるときに、窒化ガリウム(GaN)の結晶成
長条件を窒素ガス圧力とガリウムとナトリウムの混合融
液の温度とで規定することを特徴としている。
【0072】このように、第11の実施形態は、アルカ
リ金属としてナトリウム(Na)を用い、少なくともII
I族金属を含む物質としてガリウム(Ga)を用い、少
なくとも窒素を含む物質として窒素ガス(N)を用い
て、III族窒化物として窒化ガリウム(GaN)を結晶
成長させるときに、窒化ガリウム(GaN)の結晶成長
条件を窒素ガス圧力とガリウムとナトリウムの混合融液
の温度とで規定するので、良質なGaN結晶を制御性良
く成長させることが可能となる。すなわち、窒素ガスを
用いることから圧力の制御が容易となる。更に、Naと
Gaを用いることから、NaとGaが均一に混ざり合
い、温度を均一に制御することが可能となる。従って、
窒素ガス圧力と混合融液の温度を制御することで、所望
の結晶形態も制御して、所望の結晶形態のGaN結晶を
容易に成長させることが可能となる。
【0073】第12の実施形態 本発明の第12の実施形態は、第11の実施形態のIII
族窒化物結晶成長方法において、次式で表される結晶成
長条件領域で、種結晶を用いて窒化ガリウム(GaN)
を結晶成長させることを特徴としている。
【0074】
【数2】a/T+b≦log P≦a/T+b
【0075】ここで、Pは窒素ガス圧力(Pa)、Tは
混合融液の絶対温度(K)、a1,b1, a2, b
2は係数で、a1=−5.40E−3, b1=4.8
3, a2=−5.59E−3, b2=5.47であ
る。
【0076】このように、第12の実施形態は、Pを窒
素ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度(K)、
a1,b1,a2,b2を、a1=−5.40E−3,
b1=4.83,a2=−5.59E−3,b2=5.
47の係数とするとき、a/T+b≦log P≦
/T+bで表される結晶成長条件領域で、種結晶
を用いて窒化ガリウム(GaN)を結晶成長させるよう
にしており、種結晶を元にしてGaN結晶を成長させる
ことが、圧力と温度を制御することで可能となる。すな
わち、上記の結晶成長条件領域では、種結晶を元にした
結晶成長が支配的であり、他の領域への核発生及び結晶
成長が殆ど発生しないことから、無駄な原料の消費を抑
え、大型のIII族窒化物単結晶を作製することが可能と
なる。また、種結晶のある所定位置に大型の単結晶を成
長させることができる。更に、種結晶の結晶方位を制御
することで、成長する結晶の結晶方位も制御することが
可能となり、基板として用いる際に意図した結晶方位を
使用することが容易となる。
【0077】第13の実施形態 本発明の第13の実施形態は、第11の実施形態のIII
族窒化物結晶成長方法において、次式で表される結晶成
長条件領域で、柱状の窒化ガリウム(GaN)結晶を成
長させることを特徴としている。
【0078】
【数3】a/T+b≦log P≦a/T+b
【0079】ここで、Pは窒素ガス圧力(Pa)、Tは
混合融液の絶対温度(K)、a2,b2, a3, b
3は係数で、a2=−5.59E−3, b2=5.4
7, a3=−5.67E−3, b3=5.83であ
る。
【0080】このように、第13の実施形態は、Pを窒
素ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度(K)、
a2,b2,a3,b3を、a2=−5.59E−3,
b2=5.47,a3=−5.67E−3,b3=5.
83の係数とするとき、a/T+b≦log P≦
/T+bで表される結晶成長条件領域で、柱状の
窒化ガリウム(GaN)結晶を成長させるようにしてお
り、これにより、良質な柱状結晶を成長させることが可
能となる。すなわち、上記の結晶成長条件領域では、柱
状結晶が支配的に結晶成長することから、面方位が明確
となっている。従って、この柱状結晶を元にIII族窒化
物基板を作製する場合に、面方位の決定,スライスが容
易となる利点がある。また、この結晶成長条件領域で
は、種結晶がなくとも、自発核発生により柱状結晶が成
長することから、前述の第12の実施形態で用いる種結
晶として、この第13の実施形態の結晶成長条件領域で
結晶成長した柱状結晶を使用することができる。
【0081】第14の実施形態 本発明の第14の実施形態は、第11の実施形態のIII
族窒化物結晶成長方法において、次式で表される結晶成
長条件領域で、板状の窒化ガリウム(GaN)結晶を成
長させることを特徴としている。
【0082】
【数4】a/T+b≦log P
【0083】ここで、Pは窒素ガス圧力(Pa)、Tは
混合融液の絶対温度(K)、a3,b3は係数で、a3
=−5.67E−3, b3=5.83である。
【0084】このように、第14の実施形態は、Pを窒
素ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度(K)、
a3,b3を、a3=−5.67E−3,b3=5.8
3の係数とするとき、a/T+b≦log Pで表
される結晶成長条件領域で、板状の窒化ガリウム(Ga
N)結晶を成長させるようにしており、これにより、良
質な板状結晶を成長することが可能となる。すなわち、
上記の結晶成長条件領域では、板状結晶が支配的に結晶
成長することから、III族窒化物基板として用い易い。
この板状結晶をそのままIII族窒化物基板として用いる
ことも可能である。あるいは、表面の凹凸がある場合で
も、表面研磨するのみでIII族窒化物基板として使用す
ることができる。また、面方位が明確となっていること
からも、基板としての使用を容易にすることができる。
更に、この結晶成長条件領域での結晶成長では、板状結
晶の面方向結晶成長速度が早いことから、効率的にIII
族窒化物結晶を成長することができ、低コストにつなが
る。また、この結晶成長条件領域では、種結晶がなくと
も、自発核発生により板状結晶が成長することから、前
述の第12の実施形態で用いる種結晶として、この第1
4の実施形態の結晶成長条件領域で結晶成長した板状結
晶を使用することができる。
【0085】第15の実施形態 本発明の第15の実施形態は、種結晶成長する成長条件
領域、柱状結晶が成長する成長条件領域、板状結晶が成
長する成長条件領域の内の1つの成長条件領域を選択し
てIII族窒化物結晶を成長させるための圧力制御機構及
び温度制御機構を有しているIII族窒化物結晶成長装置
である。
【0086】第15の実施形態のIII族窒化物結晶成長
装置は、種結晶成長する成長条件領域、柱状結晶が成長
する成長条件領域、板状結晶が成長する成長条件領域の
内の1つの成長条件領域を選択してIII族窒化物結晶を
成長させるための圧力制御機構及び温度制御機構を有し
ているので、III族窒化物結晶を種結晶成長する成長条
件、柱状結晶成長条件、板状結晶成長条件の所望の成長
条件に圧力,温度を制御することができる。従って、1
台の結晶成長装置で、所望の成長条件でIII族窒化物結
晶を成長させることが可能となる。
【0087】第16の実施形態 本発明の第16の実施形態は、III族窒化物結晶が成長
せずに分解する条件領域、種結晶成長する成長条件領
域、柱状結晶が成長する成長条件領域、板状結晶が成長
する成長条件領域の内、複数の条件領域を利用してIII
族窒化物結晶を成長させるための圧力制御機構及び温度
制御機構を有しているIII族窒化物結晶成長装置であ
る。
【0088】第16の実施形態のIII族窒化物結晶成長
装置は、III族窒化物結晶が成長せずに分解する条件領
域、種結晶成長する成長条件領域、柱状結晶が成長する
成長条件領域、板状結晶が成長する成長条件領域の内、
複数の条件領域を利用して成長させるための圧力制御機
構及び温度制御機構を有することで、III族窒化物結晶
を分解条件、柱状結晶成長条件、板状結晶成長条件の任
意の条件に制御することができる。従って、任意の形態
のIII族窒化物や大型のIII族窒化物結晶を成長させるこ
とが可能となる。
【0089】第17の実施形態 本発明の第17の実施形態は、第1乃至第14のいずれ
かの実施形態のIII族窒化物結晶成長方法で作製されたI
II族窒化物結晶である。
【0090】このIII族窒化物結晶は、第1乃至第14
のいずれかの実施形態のIII族窒化物結晶成長方法で作
製されたものであるので、高品質のものとなっている。
【0091】第18の実施形態 本発明の第18の実施形態は、第17の実施形態のIII
族窒化物結晶を用いた半導体デバイスである。
【0092】このように、第18の実施形態は、第17
の実施形態のIII族窒化物結晶を用いた半導体デバイス
であるので、高品質の半導体デバイスを提供できる。
【0093】なお、ここで、半導体デバイスは、光デバ
イスであっても良いし、電子デバイスであっても良い。
【0094】次に、上述した各実施形態をより詳細に説
明する。なお、以下では、説明の便宜上、III族窒化物
結晶がGaN結晶であるとして説明する。
【0095】図1は本発明のIII族窒化物結晶成長方法
で用いられる結晶成長装置の一例を示す図である。
【0096】図1を参照すると、反応容器101内に
は、アルカリ金属(以下の例では、Na)と少なくともII
I族金属(以下の例では、Ga)を含む物質との混合融液
103を保持する混合融液保持容器102が設置されて
いる。
【0097】なお、アルカリ金属(Na)は、外部から供
給されても良いし、あるいは、最初から反応容器101
内に存在していても良い。
【0098】また、混合融液保持容器102の上には蓋
109があり、混合融液保持容器102と蓋109との
間には、気体が出入できる程度の僅かな隙間がある。
【0099】また、反応容器101は、例えばステンレ
スで形成されている。また、混合融液保持容器102
は、例えば、BN(窒化ホウ素)、あるいは、AlN、
あるいは、パイロリティックBNで形成されている。
【0100】また、反応容器101には、III族窒化物
(GaN)を結晶成長可能な温度に反応容器101内を
制御するための加熱装置106が設けられている。すな
わち、加熱装置106による温度制御機能によって、反
応容器101内を結晶成長可能な温度に上げること、及
び、結晶成長が停止する温度に下げること、及び、それ
らの温度に任意の時間保持することが可能となってい
る。
【0101】また、図1のIII族窒化物結晶成長装置に
は、反応容器101内に少なくとも窒素を含む物質(例
えば、窒素ガス,アンモニアガスまたはアジ化ナトリウ
ム)を供給するための供給管104が設けられている。
なお、ここで言う窒素とは、窒素分子あるいは窒素を含
む化合物から生成された窒素分子や原子状窒素、および
窒素を含む原子団および分子団のことであり、本発明に
おいて、窒素とは、このようなものであるとする。
【0102】また、少なくとも窒素を含む物質は、容器
107に収納されている。ここで、少なくとも窒素を含
む物質として窒素ガスを用いるときには、容器107に
は窒素ガスが収納されている。
【0103】また、少なくとも窒素を含む物質として窒
素ガスを用いるときには、供給管104には、窒素ガス
の圧力を調整するために圧力調整機構(例えば、圧力調
整弁)105が設けられている。また、図1の装置に
は、反応容器101内の窒素ガスの圧力を検知する圧力
センサー111と、混合融液保持容器102の温度を検
知する温度センサー112とが設置され、反応容器10
1内の圧力が所定の圧力となるように、圧力センサー1
11は圧力調整機構105にフィードバックをかけるよ
うに構成されている。また、温度センサー112は、加
熱装置106にフィードバックをかけるように構成され
ている。
【0104】本発明の具体例では、少なくとも窒素を含
む物質として、窒素ガスを用い、窒素ガスを、反応容器
101外に設置されている容器107から供給管104
を通して反応容器101内の空間108に供給すること
ができる。この際、窒素ガスは、図1に示されているよ
うに、反応容器101の下側から供給されるようにして
いる。この窒素ガスの圧力は、圧力調整機構105によ
って調整することができる。
【0105】図1の装置を用いてIII族窒化物(Ga
N)の結晶を成長させる場合、反応容器101内の温
度,圧力を所定の温度,所定の圧力に設定し、この状態
を一定時間保持することで、混合融液保持容器102内
にはIII族窒化物結晶としてGaN結晶110が成長す
る。この場合、このときの温度,圧力の成長条件によ
り、GaN結晶110の結晶形態が異なってくる。
【0106】図2は結晶成長条件の温度と圧力の関係を
表した図である。なお、図2において、縦軸は反応容器
101内の窒素圧力であり、横軸は混合融液103の温
度(絶対温度)の逆数をとったものである。
【0107】図2において、領域Aは、GaN結晶が成
長しない領域である。また、領域Bは、種結晶のみにG
aN結晶が支配的に結晶成長する領域である。また、領
域Cは、柱状のGaN結晶が支配的に結晶成長する領域
である。また、領域Dは、板状のGaN結晶が支配的に
結晶成長する領域である。なお、ここでいう支配的と
は、大部分がその形態で結晶成長している状態をいう。
【0108】領域Cで支配的に成長する柱状の窒化ガリ
ウム(GaN)結晶とは、六方晶系のGaN結晶におい
て、C軸<0001>方向に結晶が伸びた形状のもので
ある。また、領域Dで支配的に成長する板状の窒化ガリ
ウム(GaN)結晶とは、六方晶系のGaN結晶におい
て、C面すなわち(0001)面方向に結晶が伸びた形
状のものである。
【0109】領域Aは、ライン1より圧力が低く、温度
が高い(1/Tが小さい)領域である。また、領域B
は、ライン1とライン2で挟まれた領域である。また、
領域Cは、ライン2とライン3で挟まれた領域である。
また、領域Dは、ライン3よりも圧力が高く、温度が低
い(1/Tが大きい)領域である。
【0110】ここで、本願の発明者らは、ライン1とラ
イン2とライン3が、それぞれ、次のように表されるこ
とを実験的に見出した。
【0111】すなわち、ライン1は、次式(数5)によ
って表わされる。
【0112】
【数5】log P=a/T+b
【0113】ここで、Pは窒素ガス圧力(Pa)、Tは
混合融液の絶対温度(K)、a1,b1は係数で、a1
=−5.40E−3, b1=4.83である。
【0114】また、ライン2は、次式(数6)によって
表わされる。
【0115】
【数6】log P=a/T+b
【0116】ここで、Pは窒素ガス圧力(Pa)、Tは
混合融液の絶対温度(K)、a2,b2は係数で、a2
=−5.59E−3, b2=5.47である。
【0117】また、ライン3は、次式(数7)によって
表わされる。
【0118】
【数7】log P=a/T+b
【0119】ここで、Pは窒素ガス圧力(Pa)、Tは
混合融液の絶対温度(K)、a3,b3は係数で、a3
=−5.67E−3, b3=5.83である。
【0120】前述した数2は、窒素ガス圧力がライン1
とライン2との間の領域Bになければならないことを表
わし、また、数3は窒素ガス圧力がライン2とライン3
との間の領域Cになければならないことを表わし、ま
た、数4は窒素ガス圧力がライン3より上の領域Dにな
ければならないことを表わしている。
【0121】先ず、図2の領域Bの結晶成長条件を用い
てGaN結晶を成長させる場合について説明する。この
領域Bでは、種結晶に支配的に結晶成長する。従って、
種結晶以外の領域には、結晶核の発生、及び結晶成長は
殆どしない。
【0122】具体的に、図1の結晶成長装置を用い、結
晶成長条件として、窒素ガス圧力を2MPa、融液温度
を850℃(1/T=8.9E−4 K−1)にしてG
aN結晶成長させた場合、図3に示すような結晶成長と
なる。すなわち、図1の混合融液103中に種結晶とな
るGaN結晶301を設置しておき、上記の結晶成長条
件(窒素ガス圧力;2MPa、融液温度;850℃)に
保持する。その後、種結晶301を元に、GaN結晶が
大きく成長し、成長後のGaN結晶302となる。
【0123】ここで、種結晶301として六角柱状の結
晶を用いており、その種結晶301の周りに結晶が成長
し、GaN結晶が大きくなっている。図3において、六
角柱の上面及び底面が(0001)面となっている。
【0124】図2の領域Bでは、種結晶に支配的に結晶
成長することから、種結晶以外の領域には新たな結晶成
長は起こり難く、原料の効率的な消費が可能となる。す
なわち、種結晶を元にして成長するGaN結晶で殆どの
原料が消費されることとなり、最初に仕込んだ金属Ga
が効率的に使用される。その結果、より大きなGaN結
晶を成長させることが可能となる。
【0125】また、種結晶を元に結晶成長できることか
ら、結晶方位の制御も容易になる。特に、予め結晶方位
の明確となっているGaN結晶を種結晶として用いるこ
とにより、結晶方位の精密制御が可能となる。その結
果、最終的にGaN基板として結晶をスライスする際
に、面方位が明確にし易いという利点がある。
【0126】また、このようにして得られるGaN結晶
は、欠陥密度の小さい良質な結晶となっている。
【0127】また、この例では、六角柱状の種結晶を用
いているが、後述のような板状結晶を種結晶として用い
ても良い。また、従来技術で述べたエピタキシャル膜上
に結晶成長させることも可能である。この場合、板状の
大きなGaN結晶を実現することができる。
【0128】次に、図2の領域Cの結晶成長条件を用い
てGaN結晶を成長させる場合について説明する。この
領域Cでは、柱状結晶が支配的に結晶成長する。
【0129】具体的に、図1の結晶成長装置を用い、結
晶成長条件として、窒素ガス圧力を3MPa、融液温度
を800℃(1/T=9.32E−4 K−1)にして
GaN結晶を成長させた場合、図4(a)または図4
(b)に示すような柱状結晶401が成長する。すなわ
ち、図1の結晶成長装置において、上記の結晶成長条件
(窒素ガス圧力;3MPa、融液温度;800℃)に保
持することで、混合融液103中に図4(a)または図
4(b)の形態のGaN結晶401が成長する。
【0130】ここで、図4(a)のように成長したGa
N結晶401は六角柱状のものであり、また、図4
(b)のように成長したGaN結晶401は六角柱の上
方に六角錘が重なったような形状のものである。図4
(a),図4(b)のいずれのGaN結晶401も上面
及び底面がC面(0001)面となっており、C軸方向
に伸びた結晶形態である。
【0131】図2の領域Cでは、上述のように柱状結晶
が支配的に結晶成長することから、面方位が明確となっ
ている。従って、この柱状結晶を元にGaN基板を作製
する場合に、面方位の決定,スライスが容易となる利点
がある。
【0132】また、この領域Cでは、種結晶がなくと
も、自発核発生により柱状結晶が成長することから、前
述の領域Bで用いる種結晶として、本領域Cで結晶成長
した柱状結晶を使用することができる。
【0133】次に、図2の領域Dの結晶成長条件を用い
てGaN結晶を成長させる場合について説明する。この
領域Dでは、板状結晶が支配的に結晶成長する。
【0134】具体的に、図1の結晶成長装置を用い、結
晶成長条件として、窒素ガス圧力を5MPa、融液温度
を750℃(1/T=9.77E−4 K−1)にして
GaN結晶を成長させた場合、図5に示すような板状結
晶501が成長する。すなわち、図1の結晶成長装置に
おいて、上記の結晶成長条件(窒素ガス圧力;5MP
a、融液温度;750℃)に保持することで、混合融液
103中、及び、融液表面に、図5の形態のGaN結晶
501が成長する。
【0135】なお、図2の領域Dの結晶成長条件を用い
て成長させたGaN結晶501としては、図5に示すよ
うな六角板状のもの以外にも、多角形状の六方晶の板状
結晶も得られる。いずれもC面(0001)面方向に伸
びた結晶形態である。
【0136】この領域Dでは、板状結晶が支配的に結晶
成長することから、GaN基板として用い易い。この板
状結晶をそのままGaN基板として用いることも可能で
ある。あるいは、表面の凹凸がある場合でも、表面研磨
するのみで、GaN基板として使用することができる。
また、面方位が明確となっていることからも、基板とし
ての使用を容易にすることができる。
【0137】更に、この領域Dでの結晶成長では、板状
結晶の面方向結晶成長速度が早いことから、効率的にG
aN結晶を成長することができ、低コストにつながる。
【0138】また、この領域Dでは、種結晶がなくと
も、自発核発生により板状結晶が成長することから、前
述の領域Bで用いる種結晶として、本領域Dで結晶成長
した板状結晶を使用することができる。
【0139】このように、本発明のIII族窒化物結晶成
長方法を用いて、III族窒化物結晶を作製することがで
きる。このように作製されたIII族窒化物結晶は、結晶
欠陥の少ない高品質な結晶となっている。
【0140】また、図11は本発明の結晶成長装置の他
の例を示す図である。図11の結晶成長装置は、図1の
結晶成長装置において、圧力センサー111と圧力調整
弁105との間に、圧力制御機構130が設けられ、ま
た、温度センサー112と加熱装置106との間に温度
制御機構131が設けられている。
【0141】図11の結晶成長装置では、圧力調整弁1
05を圧力制御機構130を介して制御し、また、加熱
装置106を温度制御機構131を介して制御すること
で、III族窒化物結晶の成長条件の設定や変更などを自
動的に行うことが可能となる。この結果、1台の結晶成
長装置で、所望の形態のIII族窒化物結晶を成長させる
ことが可能となる。あるいは、III族窒化物結晶を分解
条件、柱状結晶成長条件、板状結晶成長条件の任意の条
件に制御することが可能となる。従って、任意の形態の
III族窒化物や大型のIII族窒化物結晶を成長させること
が可能となる。すなわち、意図した結晶形態を任意の時
間成長,分解することが可能となり、低コストで大型の
III族窒化物結晶を成長させることができる。
【0142】図12あるいは図13は図11の結晶成長
装置の具体例を示す図である。図12,図13の例で
は、図11の圧力制御機構130,温度制御機構131
の機能を有するパーソナルコンピュータ140が設けら
れている。すなわち、圧力センサー111,温度センサ
ー112からの検知情報はパーソナルコンピュータ14
0に入力され、パーソナルコンピュータ140によっ
て、圧力センサー111,温度センサー112からの検
知情報に基づいて、容器101内の圧力,温度が所定の
圧力,温度となるように圧力調整弁105,加熱装置1
06を制御するように構成されている。
【0143】ここで、図12の例では、パーソナルコン
ピュータ140には、操作部として、板状結晶選択部1
41と、柱状結晶選択部142とが設けられており、ま
た、記憶部143には、板状結晶を成長させるための成
長条件(圧力,温度データ)と、柱状結晶を成長させる
ための成長条件(圧力,温度データ)とが記憶されてい
る。
【0144】図12の例では、オペレータが板状結晶選
択部141を選択操作すると、コンピュータ140は、
記憶部143から板状結晶を成長させるための成長条件
(圧力,温度データ)を読み出し、容器101内の圧
力,温度を、この圧力,温度に自動制御する。これによ
り、板状結晶を確実に成長させることができる。
【0145】また、オペレータが柱状結晶選択部142
を選択操作すると、コンピュータ140は、記憶部14
3から柱状結晶を成長させるための成長条件(圧力,温
度データ)を読み出し、容器101内の圧力,温度を、
この圧力,温度に自動制御する。これにより、柱状結晶
を確実に成長させることができる。
【0146】また、図13の例では、パーソナルコンピ
ュータ140には、操作部として、種々の成長方法を選
択可能な選択部144−1〜144−nが設けられてい
る。また、記憶部143には、種々の成長方法を実現す
るためのデータが記憶されている。例えば、記憶部14
3には、選択部144−1に対応させて、領域CでGa
N結晶を成長させた後、領域Dの成長条件に変更する成
長方法を実現するためのデータが記憶され、また、選択
部144−2に対応させて、領域Cあるいは領域DでG
aN結晶を成長させた後、分解領域である領域Aに条件
を変更し、しかる後、更に領域Cあるいは領域Dに条件
を変更する成長方法を実現するためのデータが記憶され
ている。
【0147】この場合、例えば選択部144−1が選択
されると、これに対応したデータが記憶部143から読
み出され、領域CでGaN結晶を成長させた後、領域D
の成長条件に変更する成長方法が実行されるようになっ
ている。また、例えば選択部144−2が選択される
と、これに対応したデータが記憶部143から読み出さ
れ、領域Cあるいは領域DでGaN結晶を成長させた
後、分解領域である領域Aに条件を変更し、その後、更
に領域Cあるいは領域Dに条件を変更する成長方法が実
行されるようになっている。
【0148】このような構成では、オペレータが選択部
144−1を選択すると、領域CでGaN結晶を成長さ
せた後、領域Dの成長条件に変更する成長方法が実行さ
れ、柱状結晶と板状結晶の両方の結晶形態のGaN結晶
を成長させることができる。
【0149】また、オペレータが選択部144−2を選
択すると、領域Cあるいは領域DでGaN結晶を成長さ
せた後、分解領域である領域Aに条件が変更し、領域C
あるいは領域Dで成長した柱状あるいは板状のGaN結
晶の内、小さい結晶が分解する。その後、更に領域Cあ
るいは領域Dに条件が変更し、再度GaN結晶成長が開
始し、この結果、大きな結晶を成長させることができ
る。
【0150】図6は本発明のIII族窒化物結晶を用いて
作製された半導体デバイスの構成例を示す図である。な
お、図6の半導体デバイスは、半導体レーザとして構成
されている。図6の半導体レーザは、本発明のIII族窒
化物結晶成長方法により作製されたIII族窒化物結晶を
用いたn型GaN基板601上に、n型AlGaNクラ
ッド層602、n型GaNガイド層603、InGaN
MQW(多重量子井戸)活性層604、p型GaNガ
イド層605、p型AlGaNクラッド層606、p型
GaNコンタクト層607が順次に結晶成長されて積層
されている。
【0151】この結晶成長方法としては、MO−VPE
(有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシ
ー)法等の薄膜結晶成長方法を用いることができる。
【0152】そして、このようなGaN,AlGaN,
InGaNの積層膜にリッジ構造が形成され、SiO
絶縁膜608がコンタクト層607のところでのみ穴開
けした状態で形成され、上部及び下部に、各々、p側オ
ーミック電極(Au/Ni)609及びn側オーミック
電極(Al/Ti)610が形成されている。
【0153】この半導体レーザでは、p側オーミック電
極609及びn側オーミック電極610から電流を注入
することで、レーザ発振し、図6の矢印方向にレーザ光
が出射される。
【0154】この半導体レーザは、本発明のIII族窒化
物結晶(GaN結晶)を基板として用いているため、半
導体レーザデバイス中の結晶欠陥が少なく、大出力動作
且つ長寿命のものとなっている。また、GaN基板はn
型であることから、基板に直接電極を形成することがで
き、第1の従来技術(図7)のようにp側とn側の2つ
の電極を表面からのみ取り出すことが必要なく、低コス
ト化を図ることが可能となる。更に、光出射端面を劈開
で形成することが可能となり、チップの分離と併せて、
低コストで高品質なデバイスを実現することができる。
【0155】なお、上述の例では、InGaN MQW
を活性層604としたが、AlGaN MQWを活性層
604として、発光波長の短波長化を図ることも可能で
ある。すなわち、本発明では、GaN基板の欠陥及び不
純物が少ないことで、深い順位からの発光が少なくな
り、短波長化しても高効率な発光デバイスが可能とな
る。
【0156】また、上述の例では、本発明を光デバイス
に適用した場合について述べたが、本発明を電子デバイ
スに適用することもできる。すなわち、欠陥の少ないG
aN基板を用いることで、その上にエピタキシャル成長
したGaN系薄膜も結晶欠陥が少なく、その結果、リー
ク電流を抑制できたり、量子構造にした場合のキャリア
閉じ込め効果を高めたり、高性能なデバイスが実現可能
となる。
【0157】すなわち、本発明のIII族窒化物結晶は、
前述したように、結晶欠陥の少ない高品質な結晶であ
る。このIII族窒化物結晶を用いて、デバイスを作製あ
るいは基板として用いて、薄膜成長からデバイス作製を
行うことで、高性能なデバイスが実現できる。ここで言
う高性能とは、例えば半導体レーザや発光ダイオードの
場合には、従来実現できていない高出力且つ長寿命なも
のであり、電子デバイスの場合には低消費電力、低雑
音、高速動作、高温動作可能なものであり、受光デバイ
スとしては低雑音、長寿命等のものである。
【0158】なお、上述の例では、反応容器101内に
少なくとも窒素を含む物質(例えば、窒素ガス,アンモ
ニアガスまたはアジ化ナトリウム)を供給するとした
が、反応容器101内に少なくとも窒素を含む物質(例
えば、窒素ガス,アンモニアガスまたはアジ化ナトリウ
ム)と不活性気体(例えば、アルゴンガス)との混合気
体を供給するようにしても良い。
【0159】なお、ここでいう不活性気体とは、反応容
器101内で、アルカリ金属、少なくともIII族金属を
含む物質、及び少なくとも窒素を含む物質と反応しない
気体である。
【0160】このように、反応容器101内に少なくと
も窒素を含む物質(例えば、窒素ガス,アンモニアガス
またはアジ化ナトリウム)と不活性気体(例えば、アル
ゴンガス)との混合気体を供給する場合でも、III族窒
化物結晶成長のための圧力は、混合ガス全体の圧力では
なく、反応容器内の実効的な窒素ガス圧力によって決定
される。
【0161】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項12記載の発明によれば、反応容器内で、アルカリ
金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を
形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とか
ら、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結
晶成長させるIII族窒化物結晶成長方法であって、圧力
と温度とで規定される領域に対応する結晶成長条件で、
III族窒化物の結晶を成長させるので、III族窒化物結晶
(具体的には、例えばIII族窒化物の薄膜結晶成長用の
基板となるIII族窒化物結晶)を容易に得ることができ
る。すなわち、第1あるいは第2の従来技術で述べたよ
うな複雑な工程を必要とせずに、低コストで、高品質の
III族窒化物結晶及びそれを用いた半導体デバイスを得
ることが可能となる。
【0162】また、1000℃以下と成長温度が低く、
100気圧程度以下と圧力も低い条件下でIII族窒化物
の結晶成長が可能となることから、第3の従来技術のよ
うに超高圧,超高温に耐えうる高価な反応容器を用いる
必要がない。その結果、低コストで、III族窒化物結晶
及びそれを用いた半導体デバイスを得ることが可能とな
る。
【0163】さらに、結晶成長の制御性を格段に向上さ
せることが可能となり、所望の結晶形態を容易に得るこ
とができる。
【0164】換言すれば、請求項1乃至請求項12記載
の発明においては、反応容器内で、アルカリ金属と少な
くともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該
混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金
属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させ
るIII族窒化物結晶成長方法であって、圧力と温度とで
規定される領域に対応する結晶成長条件で、III族窒化
物の結晶を成長させるので、混合融液を用いた良質なII
I族窒化物結晶を成長する場合の条件制御性を向上させ
ることができる。すなわち、圧力と温度を制御すること
で、良質なIII族窒化物結晶を成長することが可能とな
る。
【0165】特に、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載のIII族窒化物結晶成長方法において、結晶成
長条件として、圧力と温度とで規定される領域を複数個
設けるとき、複数の領域のそれぞれに応じて互いに異な
る結晶形態のIII族窒化物の結晶を成長可能であるの
で、結晶成長の制御性を格段に向上させることが可能と
なり、所望の結晶形態を容易に得ることができる。
【0166】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項2記載のIII族窒化物結晶成長方法において、複数の
領域のうちの1つの領域は、III族窒化物の結晶成長形
態として、種結晶に結晶成長するものであるので、他の
領域への核発生及び結晶成長が殆ど発生せず、無駄な原
料の消費を抑え、大型のIII族窒化物単結晶を作製する
ことが可能となる。また、種結晶のある所定位置に大型
の単結晶を成長させることができる。更に、種結晶の結
晶方位を制御することで、成長する結晶の結晶方位も制
御することが可能となり、基板として用いる際に意図し
た結晶方位を使用することが容易となる。
【0167】また、請求項4,請求項5記載の発明によ
れば、請求項2記載のIII族窒化物結晶成長方法におい
て、Pを反応容器内の実効的な窒素圧力(Pa)、Tを
混合融液の絶対温度(K)、a,bを係数とするとき、
成長するIII族窒化物の結晶形態は、log P=a/
T+bで表される境界により規定される領域に応じて決
定されるので、上記数式を元にして成長条件を決定し、
良質なIII族窒化物結晶を成長することが可能となる。
より詳しくは、上記数式を元にして、圧力と温度を決定
することで、所望の結晶形態のIII族窒化物結晶を成長
させることが可能となる。
【0168】また、請求項6記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物
結晶成長方法において、種結晶を用いて結晶成長可能な
結晶成長条件領域で、III族窒化物の結晶を種結晶を用
いて結晶成長させるので(すなわち、上記の結晶成長条
件領域では、種結晶を元にした結晶成長が支配的であ
り、他の領域への核発生及び結晶成長が殆ど発生しない
ことから)、無駄な原料の消費を抑え、大型のIII族窒
化物単結晶を作製することが可能となる。また、種結晶
のある所定位置に大型の単結晶を成長させることができ
る。更に、種結晶の結晶方位を制御することで、成長す
る結晶の結晶方位も制御することが可能となり、基板と
して用いる際に意図した結晶方位を使用することが容易
となる。
【0169】また、請求項7記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物
結晶成長方法において、柱状結晶を用いて結晶成長可能
な結晶成長条件領域で、III族窒化物の結晶を柱状結晶
を用いて結晶成長させるので、良質な柱状結晶を成長さ
せることが可能となる。すなわち、上記の結晶成長条件
領域では、柱状結晶が支配的に結晶成長することから、
面方位が明確となっている。従って、この柱状結晶を元
にIII族窒化物基板を作製する場合に、面方位の決定,
スライスが容易となる利点がある。
【0170】また、請求項8記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化物
結晶成長方法において、板状結晶を用いて結晶成長可能
な結晶成長条件領域で、III族窒化物の結晶を板状結晶
を用いて結晶成長させるので、良質な板状結晶を成長す
ることが可能となる。すなわち、上記の結晶成長条件領
域では、板状結晶が支配的に結晶成長することから、II
I族窒化物基板として用い易い。この板状結晶をそのま
まIII族窒化物基板として用いることも可能である。あ
るいは、表面の凹凸がある場合でも、表面研磨するのみ
でIII族窒化物基板として使用することができる。ま
た、面方位が明確となっていることからも、基板として
の使用を容易にすることができる。更に、この結晶成長
条件領域での結晶成長では、板状結晶の面方向結晶成長
速度が早いことから、効率的にIII族窒化物結晶を成長
することができ、低コストにつながる。
【0171】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のIII族窒化物
結晶成長方法において、III族窒化物結晶が成長せず分
解する条件領域、種結晶成長する成長条件領域、柱状結
晶が成長する成長条件領域、板状結晶が成長する成長条
件領域の内、複数の条件領域を利用して、III族窒化物
結晶を成長させることで、複数の形態を有する結晶成長
が可能となる。従って、同一の結晶成長において異なる
形態のIII族窒化物結晶を得ることができる。
【0172】また、請求項10記載の発明によれば、請
求項9記載のIII族窒化物結晶成長方法において、III族
窒化物結晶が成長せずに分解する条件領域と柱状結晶ま
たは板状結晶が成長する成長条件領域とを利用して、II
I族窒化物結晶を成長させることで、III族窒化物結晶に
対して分解と成長の両方を行うことができ、これによ
り、次のような効果を得ることができる。すなわち、柱
状結晶や板状結晶が成長する条件領域では、多数の結晶
核が発生する。多数の結晶核発生と分解の両条件を推移
させることで、小さな結晶が分解され、より大きな結晶
が成長し易くなる。従って、請求項10記載の発明によ
れば、大型の結晶を成長させることができる。
【0173】また、請求項11記載の発明によれば、請
求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のIII族窒化
物結晶成長方法において、アルカリ金属としてナトリウ
ム(Na)を用い、少なくともIII族金属を含む物質と
してガリウム(Ga)を用い、少なくとも窒素を含む物
質として窒素ガス(N)を用いて、III族窒化物とし
て窒化ガリウム(GaN)を結晶成長させるときに、窒
化ガリウム(GaN)の結晶成長条件を窒素ガス圧力と
ガリウムとナトリウムの混合融液の温度とで規定するの
で、良質なGaN結晶を制御性良く成長させることが可
能となる。すなわち、窒素ガスを用いることから圧力の
制御が容易となる。更に、NaとGaを用いることか
ら、NaとGaが均一に混ざり合い、温度を均一に制御
することが可能となる。従って、窒素ガス圧力と混合融
液の温度を制御することで、所望の結晶形態も制御し
て、所望の結晶形態のIII族窒化物結晶を容易に成長さ
せることが可能となる。
【0174】また、請求項12記載の発明によれば、請
求項11記載のIII族窒化物結晶成長方法において、P
を窒素ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度
(K)、a1,b1,a2,b2を、a1=−5.40
E−3,b1=4.83,a2=−5.59E−3,b
2=5.47の係数とするとき、a/T+b≦lo
gP≦a/T+bで表される結晶成長条件領域で、
種結晶を用いて窒化ガリウム(GaN)を結晶成長させ
ることにより、種結晶を元にしてGaN結晶を成長させ
ることが、圧力と温度を制御することで可能となる。す
なわち、上記の結晶成長条件領域では、種結晶を元にし
た結晶成長が支配的であり、他の領域への核発生及び結
晶成長が殆ど発生しないことから、無駄な原料の消費を
抑え、大型のIII族窒化物単結晶を作製することが可能
となる。また、種結晶のある所定位置に大型の単結晶を
成長させることができる。更に、種結晶の結晶方位を制
御することで、成長する結晶の結晶方位も制御すること
が可能となり、基板として用いる際に意図した結晶方位
を使用することが容易となる。
【0175】また、請求項13記載の発明によれば、請
求項11記載のIII族窒化物結晶成長方法において、P
を窒素ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度
(K)、a2,b2,a3,b3を、a2=−5.59
E−3,b2=5.47,a3=−5.67E−3,b
3=5.83の係数とするとき、a/T+b≦lo
gP≦a/T+bで表される結晶成長条件領域で、
柱状の窒化ガリウム(GaN)結晶を成長させることに
より、良質な柱状結晶を成長させることが可能となる。
すなわち、上記の結晶成長条件領域では、柱状結晶が支
配的に結晶成長することから、面方位が明確となってい
る。従って、この柱状結晶を元にIII族窒化物基板を作
製する場合に、面方位の決定,スライスが容易となる利
点がある。また、この結晶成長条件領域では、種結晶が
なくとも、自発核発生により柱状結晶が成長することか
ら、前述の請求項12で用いる種結晶として、本結晶成
長条件領域で結晶成長した柱状結晶を使用することがで
きる。
【0176】また、請求項14記載の発明によれば、請
求項11記載のIII族窒化物結晶成長方法において、P
を窒素ガス圧力(Pa)、Tを混合融液の絶対温度
(K)、a3,b3を、a3=−5.67E−3,b3
=5.83の係数とするとき、a /T+b≦log
Pで表される結晶成長条件領域で、板状の窒化ガリウ
ム(GaN)結晶を成長させることにより、良質な板状
結晶を成長することが可能となる。すなわち、上記の結
晶成長条件領域では、板状結晶が支配的に結晶成長する
ことから、III族窒化物基板として用い易い。この板状
結晶をそのままIII族窒化物基板として用いることも可
能である。あるいは、表面の凹凸がある場合でも、表面
研磨するのみでIII族窒化物基板として使用することが
できる。また、面方位が明確となっていることからも、
基板としての使用を容易にすることができる。更に、こ
の結晶成長条件領域での結晶成長では、板状結晶の面方
向結晶成長速度が早いことから、効率的にIII族窒化物
結晶を成長することができ、低コストにつながる。ま
た、この結晶成長条件領域では、種結晶がなくとも、自
発核発生により板状結晶が成長することから、前述の請
求項12で用いる種結晶として、本結晶成長条件領域で
結晶成長した板状結晶を使用することができる。
【0177】また、請求項15記載の発明によれば、種
結晶成長する成長条件領域、柱状結晶が成長する成長条
件領域、板状結晶が成長する成長条件領域の内の1つの
成長条件領域を選択してIII族窒化物結晶を成長させる
ための圧力制御機構及び温度制御機構を有しているの
で、1台の結晶成長装置で、所望の成長条件でIII族窒
化物結晶を成長させることが可能となる。
【0178】また、請求項16記載の発明によれば、II
I族窒化物結晶が成長せずに分解する条件領域、種結晶
成長する成長条件領域、柱状結晶が成長する成長条件領
域、板状結晶が成長する成長条件領域の内、複数の条件
領域を利用してIII族窒化物結晶を成長させるための圧
力制御機構及び温度制御機構を有しているので、III族
窒化物結晶を分解条件、柱状結晶成長条件、板状結晶成
長条件の任意の条件に制御することができる。従って、
任意の形態のIII族窒化物や大型のIII族窒化物結晶を成
長させることが可能となる。
【0179】また、請求項17記載の発明によれば、請
求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のIII族窒
化物結晶成長方法で作製されたIII族窒化物結晶である
ので、高品質のIII族窒化物結晶を提供できる。
【0180】また、請求項18乃至請求項20記載の発
明によれば、請求項17記載のIII族窒化物結晶を用い
た半導体デバイスであるので、高品質の半導体デバイス
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のIII族窒化物結晶成長方法で用いる結
晶成長装置の構成例を示す図である。
【図2】III族窒化物の結晶成長条件の温度と圧力の関
係を示す図である。
【図3】本発明により成長させたIII族窒化物結晶の一
例を示す図である。
【図4】本発明により成長させたIII族窒化物結晶の他
の例を示す図である。
【図5】本発明により成長させたIII族窒化物結晶の他
の例を示す図である。
【図6】本発明に係る半導体光デバイスの構成例を示す
図である。
【図7】従来のレーザダイオードを示す図である。
【図8】従来の半導体レーザを示す図である。
【図9】第6の従来技術によるGaN厚膜基板の作製方
法を示す図である。
【図10】第6の従来技術によるGaN厚膜基板の作製
方法を示す図である。
【図11】本発明の結晶成長装置の他の構成例を示す図
である。
【図12】図11の結晶成長装置の具体例を示す図であ
る。
【図13】図11の結晶成長装置の具体例を示す図であ
る。
【符号の説明】
101 反応容器 102 混合融液保持容器 103 混合融液 104 ガス供給管 105 窒素圧力調整弁 106 加熱装置 107 窒素ガス容器 108 反応容器内の空間 109 混合融液保持容器の蓋 110 III族窒化物(GaN)結晶 111 圧力センサー 112 温度センサー 130 圧力制御機構 131 温度制御機構 140 パーソナルコンピュータ 141 板状結晶選択部 142 板状結晶選択部 143 記憶部 144−1〜144−n 選択部 301 種結晶 302 成長後のGaN結晶 401 六角柱状のGaN結晶 501 板状のGaN結晶 601 n型GaN基板 602 n型AlGaNクラッド層 603 n型GaNガイド層 604 InGaN MQW活性層 605 p型GaNガイド層 606 p型AlGaNクラッド層 607 p型GaNコンタクト層 608 SiO絶縁膜 609 p側オーミック電極 610 n側オーミック電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 久典 宮城県仙台市宮城野区鶴ヶ谷1−12−4 (72)発明者 島田 昌彦 宮城県仙台市青葉区貝ヶ森3−29−5 (72)発明者 青木 真登 宮城県宮城郡利府町青山3−3−1 Fターム(参考) 4G077 AA02 BE15 CC04 EA02 EA03 EA06 EG30 EH10 HA02 HA12 5F073 AA13 AA74 CA07 CB02 CB22 DA05 DA32 EA24 EA28

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内で、アルカリ金属と少なくと
    もIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合
    融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と
    窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII
    族窒化物結晶成長方法であって、圧力と温度とで規定さ
    れる領域に対応する結晶成長条件で、III族窒化物の結
    晶を成長させることを特徴とするIII族窒化物結晶成長
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のIII族窒化物結晶成長方
    法において、結晶成長条件として、圧力と温度とで規定
    される領域を複数個設けるとき、複数の領域のそれぞれ
    に応じて互いに異なる結晶形態のIII族窒化物の結晶が
    成長可能であることを特徴とするIII族窒化物結晶成長
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のIII族窒化物結晶成長方
    法において、複数の領域のうちの1つの領域は、III族
    窒化物の結晶成長形態として、種結晶に結晶成長するも
    のであることを特徴とするIII族窒化物結晶成長方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のIII族窒化物結晶成長方
    法において、Pを反応容器内の実効的な窒素圧力(P
    a)、Tを混合融液の絶対温度(K)、a,bを係数と
    するとき、成長するIII族窒化物の結晶形態は、log
    P=a/T+bで表される境界により規定される領域
    に応じて決定されることを特徴とするIII族窒化物結晶
    成長方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のIII族窒化物結晶成長方
    法において、logP=a/T+bで表される境界は、
    アルカリ金属のIII族金属との比によって制御可能であ
    ることを特徴とするIII族窒化物結晶成長方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載のIII族窒化物結晶成長方法において、種結晶を用
    いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族窒化物
    の結晶を種結晶を用いて結晶成長させることを特徴とす
    るIII族窒化物結晶成長方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載のIII族窒化物結晶成長方法において、柱状結晶を
    用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族窒化
    物の結晶を柱状結晶を用いて結晶成長させることを特徴
    とするIII族窒化物結晶成長方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載のIII族窒化物結晶成長方法において、板状結晶を
    用いて結晶成長可能な結晶成長条件領域で、III族窒化
    物の結晶を板状結晶を用いて結晶成長させることを特徴
    とするIII族窒化物結晶成長方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に
    記載のIII族窒化物結晶成長方法において、III族窒化物
    結晶が成長せずに分解する条件領域、種結晶成長する成
    長条件領域、柱状結晶が成長する成長条件領域、板状結
    晶が成長する成長条件領域の内、複数の条件領域を利用
    して、III族窒化物結晶を成長させることを特徴とするI
    II族窒化物結晶成長方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のIII族窒化物結晶成長
    方法において、III族窒化物結晶が成長せずに分解する
    条件領域と柱状結晶または板状結晶が成長する成長条件
    領域とを利用して、III族窒化物結晶を成長させること
    を特徴とするIII族窒化物結晶成長方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項
    に記載のIII族窒化物結晶成長方法において、アルカリ
    金属としてナトリウム(Na)を用い、少なくともIII
    族金属を含む物質としてガリウム(Ga)を用い、少な
    くとも窒素を含む物質として窒素ガス(N)を用い
    て、III族窒化物として窒化ガリウム(GaN)を結晶
    成長させるときに、窒化ガリウム(GaN)の結晶成長
    条件を窒素ガス圧力とガリウムとナトリウムの混合融液
    の温度とで規定することを特徴とするIII族窒化物結晶
    成長方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のIII族窒化物結晶成
    長方法において、Pを窒素ガス圧力(Pa)、Tを混合
    融液の絶対温度(K)、a1,b1,a2,b2を、a
    1=−5.40E−3,b1=4.83,a2=−5.
    59E−3,b2=5.47の係数とするとき、a
    T+b≦log P≦a/T+b で表される結晶
    成長条件領域で、種結晶を用いて窒化ガリウム(Ga
    N)を結晶成長させることを特徴とするIII族窒化物結
    晶成長方法。
  13. 【請求項13】 請求項11記載のIII族窒化物結晶成
    長方法において、Pを窒素ガス圧力(Pa)、Tを混合
    融液の絶対温度(K)、a2,b2,a3,b3を、a
    2=−5.59E−3,b2=5.47,a3=−5.
    67E−3,b3=5.83の係数とするとき、a
    T+b≦log P≦a/T+b で表される結晶
    成長条件領域で、柱状の窒化ガリウム(GaN)結晶を
    成長させることを特徴とするIII族窒化物結晶成長方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項11記載のIII族窒化物結晶成
    長方法において、Pを窒素ガス圧力(Pa)、Tを混合
    融液の絶対温度(K)、a3,b3を、a3=−5.6
    7E−3,b3=5.83の係数とするとき、a/T
    +b≦log Pで表される結晶成長条件領域で、板
    状の窒化ガリウム(GaN)結晶を成長させることを特
    徴とするIII族窒化物の結晶成長方法。
  15. 【請求項15】 種結晶成長する成長条件領域、柱状結
    晶が成長する成長条件領域、板状結晶が成長する成長条
    件領域の内の1つの成長条件領域を選択してIII族窒化
    物結晶を成長させるための圧力制御機構及び温度制御機
    構を有していることを特徴とするIII族窒化物結晶成長
    装置。
  16. 【請求項16】 III族窒化物結晶が成長せずに分解す
    る条件領域、種結晶成長する成長条件領域、柱状結晶が
    成長する成長条件領域、板状結晶が成長する成長条件領
    域の内、複数の条件領域を利用してIII族窒化物結晶を
    成長させるための圧力制御機構及び温度制御機構を有し
    ていることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至請求項14のいずれか一
    項に記載のIII族窒化物結晶成長方法で作製されたこと
    を特徴とするIII族窒化物結晶。
  18. 【請求項18】 請求項17記載のIII族窒化物結晶を
    用いたことを特徴とする半導体デバイス。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の半導体デバイスにお
    いて、該半導体デバイスは、光デバイスであることを特
    徴とする半導体デバイス。
  20. 【請求項20】 請求項18記載の半導体デバイスにお
    いて、該半導体デバイスは、電子デバイスであることを
    特徴とする半導体デバイス。
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