JP2007257894A - 電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法及び電子放出素子の製造方法 - Google Patents
電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法及び電子放出素子の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】基板温度を500℃〜600℃の範囲に設定してから基板の一面上に金属ガリウムを成長させて島状の種結晶体を形成する工程と、基板温度を950℃〜1050℃の範囲に設定してから前記一面上に窒化ガリウムを成長させて前記種結晶体上に前記一面に対して垂直な柱状結晶体を形成する工程と、基板温度を950℃以下にするか、若しくは、窒素源、ガリウム源のいずれか一方または両方の供給量を前記の工程よりも少なくして前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムを成長させて前記柱状結晶体の先端に先窄み状の先鋭部を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法を採用する。
【選択図】なし
Description
例えば、下記特許文献1には、カソード電極と、アノード電極と、カソード電極上に形成された電子放出部材からなり、電子放出部材が、難電子放出物質からなる中空円筒状体に易電子放出物質が充填されてなり、この易電子放出物質をカーボンナノチューブで構成した電子放出素子が開示されている。
また、下記特許文献2には、窒化ガリウム基板上に略角錐形状の窒化ガリウム結晶粒が形成されてなる電子放出部を備えた蛍光表示装置が開示されている。
また、上記特許文献2に開示された略角錐形状の窒化ガリウム結晶粒は、指向性に劣り、また製造プロセス自体が繁雑であるといった問題がある。
本発明の電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法は、電界放出型の電子放出素子に備えられる針状電子放出体の製造方法であって、基板温度を500℃〜600℃の範囲に設定してから基板の一面上にガリウム源を供給することにより、金属ガリウムをエピタキシャル成長させて島状の種結晶体を形成する種結晶体形成工程と、基板温度を950℃〜1050℃の範囲に設定してから前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記種結晶体上に前記一面に対して垂直な柱状結晶体を形成する柱状結晶体形成工程と、基板温度を950℃以下にするか、若しくは、窒素源、ガリウム源のいずれか一方または両方の供給量を前記柱状結晶体形成工程よりも少なくして前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記柱状結晶体の先端に先窄み状の先鋭部を形成する先鋭部形成工程と、を具備してなることを特徴とする。
また、本発明の電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法においては、前記種結晶体形成工程の前に、前記基板の一面に窒化膜を形成することが好ましい。
また、本発明の電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法においては、前記窒素源が、アンモニア、アミン基を有する化合物、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体であり、前記ガリウム源が金属ガリウムであることが好ましい。
また、本発明の電子放出素子の製造方法においては、前記針状電子放出体形成工程が、基板温度を500℃〜600℃の範囲に設定してから前記基板の前記一面上にガリウム源を供給することにより、金属ガリウムをエピタキシャル成長させて島状の種結晶体を形成する種結晶体形成工程と、基板温度を950℃〜1050℃の範囲に設定してから前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記種結晶体上に前記一面に対して垂直な柱状結晶体を形成する柱状結晶体形成工程と、基板温度を950℃以下にするか、若しくは、窒素源、ガリウム源のいずれか一方または両方の供給量を前記柱状結晶体形成工程よりも少なくして前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記柱状結晶体の先端に先窄み状の針状部を形成する針状部形成工程と、からなることが好ましい。
また、本発明の電子放出素子の製造方法においては、前記絶縁層を、前記金属ガリウムに対する濡れ性が劣る材料で形成し、前記針状電子放出体を前記凹部内のみに形成することが好ましい。
また、本発明の電子放出素子の製造方法においては、前記絶縁層上及び前記凹部内に前記針状電子放出体を形成した後、前記絶縁層上の前記針状電子放出体を除去してから前記ゲート電極を形成することが好ましい。
また、針状電子放出体を構成する種結晶体、柱状結晶体及び先鋭部はいずれも、ガリウムまたは窒化ガリウムの成長条件を変えるだけで作り分けることができるので、素子間において形状が均一な電子放出体を製造することができ、また、エッチングや研磨等の加工プロセスが不要となり、製造プロセスを簡素化することができる。
また、柱状結晶体は基板の一面に対して垂直に形成するので、指向性に優れた針状電子放出体を製造することができる。
また、窒化ガリウムからなる柱状結晶体及び先鋭部を順次形成することによって針状電子放出体を形成するので、電子を真空中に引き出すための電界が小さな電子放出素子を得ることができる。
また、針状電子放出体を構成する種結晶体、柱状結晶体及び先鋭部はいずれも、金属ガリウムまたは窒化ガリウムの成長条件を変えるだけで作り分けることができるので、素子間において形状が均一な電子放出体を製造することができ、また、エッチングや研磨等の加工プロセスが不要となって製造プロセスを簡素化できる。
また、柱状結晶体は基板の一面に対して垂直に形成するので、指向性に優れた針状電子放出体を製造することができる。
[針状電子放出体の製造方法]
本実施形態の針状電子放出体の製造方法について図1及び図2を参照して説明する。図1は、針状電子放出体の製造に用いる窒化ガリウム結晶成長装置の構成図であり、図2は、本実施形態の針状電子放出体の製造方法を説明する工程図である。
図1に示す窒化ガリウム結晶成長装置は、(a)基板の鉛直下方の表面を露出させて収納するととともに、基板に加熱を行うための基板収納部100と、(b)窒素原子を含有する窒素源となる気体等(アンモニア、アミン基を有する化合物等)に加熱を行うための鉛直上方が開放された第1の成長室200と、(c)成長させるべきガリウム元素材料(ガリウム源)および窒素原子を含有する窒素源となる気体等に加熱を行うため、鉛直上方が開放された第2の成長室300と、(d)基板収納部100で露出された基板の表面を、第1の成長室200の開放部の上方ないし第2の成長室300の開放部の上方へ移動させるための基板ステージ400と、(e)基板収納部100、第1の成長室200、第2の成長室300、および駆動部である基板ステージ400を収納するとともに、内部の残留蒸気圧を0.13Pa程度以下とする真空槽500とから構成されている。
まず、針状電子放出体を形成する基板を用意する。基板の材質としては、例えば単結晶シリコンからなる基板が好ましい。また、針状電子放出体を形成する基板の一面は、シリコンの(111)面であることが好ましい。この基板1の一面1aは清浄であることが好ましく、そのためには、この基板1を、硫酸−過酸化水素等のエッチング液で洗浄した後、図1に示す窒化ガリウム結晶成長装置の基板ホルダ110に取付け、基板1を基板ホルダ110ごと第1の成長室に移動させ、第1の成長室200内で0.1〜0.3mPa程度まで真空引きを行い、800〜1200℃、好ましくは900〜1100℃で、15〜60分間、好ましくは20〜40分間サーマルクリーニングを行い、表面を洗浄して清浄な一面1aとする。
窒化膜形成の具体的な形成条件としては、基板温度を800〜1100℃、好ましくは950〜1000℃、より好ましくは1000℃に保つとともに、図1に示す窒化ガリウム結晶成長装置の第1の成長室200内を700〜1000℃、好ましくは800〜900℃として、この第1の成長室200内に窒素原子を含有する窒素源を流入させる。このような窒素原子を含有する窒素源としては、アンモニア、アミン基を有する化合物、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、窒素、窒素ラジカル、窒化物溶液、および窒素イオンのいずれかであるのが好ましい。そのなかでも、アンモニアが最も好ましい。この窒素原子を含有する窒素源を、5〜200cm3/分、好ましくは50〜100cm3/分の流量で供給し、そのまま1〜30分間、好ましくは5〜10分間、より好ましくは5分間放置して、基板1の一面1aに窒化膜2を形成する。
次に、種結晶体形成工程では、図2(b)に示すように、窒化膜2の上に金属ガリウムをエピタキシャル成長させて島状の種結晶体3を形成する。
種結晶体3の具体的な形成条件としては、基板温度を500〜600℃、好ましくは540〜570℃まで低下させるとともに、基板1を基板ホルダ110ごと第2の成長室300に移動させる。また、窒素源の供給を停止して第2の成長室300内の圧力を0.1〜1mTorrに設定する。そして、ヒータ320を作動させて石英管310中のガリウム元素材料Gaを800〜850℃に加熱し、ガリウム原子を第2の成長室300内に流入させる。このようなガリウム元素材料Gaとしては金属ガリウムを用いることができる。ガリウム元素材料Gaの温度を800〜850℃に保ったまま数十秒間放置することにより、窒化膜2上に複数の島状の種結晶体3が形成される。
また、金属ガリウムに対してシリコンは濡れ性が悪いので、基板1として単結晶シリコン基板を用いる場合には、前述のように基板1の一面1aに窒化膜(SiN膜)を形成してから種結晶体3の形成を行うことが好ましい。
次に、柱状結晶体形成工程では、図2(c)に示すように、金属ガリウムからなる島状の各種結晶体3の上に、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて柱状結晶体4をそれぞれ形成する。
柱状結晶体4の具体的な形成条件としては、基板温度を950〜1050℃、好ましくは1000℃まで昇温させるとともに、石英管340を介して第2の成長室300内に窒素源を10〜300sccm、好ましくは100sccmの流量で供給し、第2の成長室300内の圧力を0.1〜1mTorrに保つ。窒素源としては上述と同様にアンモニアを用いることが好ましい。また、ガリウム元素材料Gaの温度は800〜850℃のままに保つことが好ましい。この条件を0.5〜4時間、より好ましくは2時間維持することにより、各種結晶体3の上に柱状結晶体4がそれぞれ形成される。
次に、先鋭部形成工程では、図2(d)に示すように、各柱状結晶体4の先端4aにそれぞれ、先窄み状の先鋭部5を形成する。この先鋭部5の形成条件としては、次の2通りの条件を例示できる。
または、基板温度を950〜1050℃、好ましくは1000℃に保ち、窒素源の供給量を10〜300sccm、好ましくは100sccmの流量に保ち、ガリウム元素材料Gaの温度を750〜800℃の範囲に低下させる。
または、基板温度を950〜1050℃、好ましくは1000℃に保ち、窒素源の供給量を10〜300sccm、好ましくは50sccmの流量に低下させ、ガリウム元素材料Gaの温度を750〜800℃の範囲に低下させる。
図3には、針状電子放出体6を電子放出エミッタとして用いた電界放出型の電子放出素子21を示す。この電子放出素子21は、基板1と、基板1の一面1a上に形成された窒化膜2と、窒化膜2上において一面1a対してほぼ垂直に形成された複数の針状電子放出体6と、針状電子放出体6に対向配置された電子引出電極11と、針状電子放出体6及び電子引出電極11にそれぞれ電気的に接続された電源部12とから概略構成されている。針状電子放出体6と電子引出電極11との間の空間は真空に保たれている。この電子放出素子21においては、針状電子放出体6がカソード(電子放出エミッタ)となり、電子引出電極11がアノードとなる。
そして、針状電子放出体6と電子引出電極11との間に電界を印加することによって、針状電子放出体6を構成する先鋭部5の先端から電子が放出される。
また、針状電子放出体6を構成する種結晶体3、柱状結晶体4及び先鋭部5がいずれも、ガリウムまたは窒化ガリウムの成長条件を変えるだけで作り分けることができるので、形状が均一な電子放出体6を製造することができ、また、エッチングや研磨等の加工プロセスが不要となって製造プロセスを簡素化できる。
また、柱状結晶体6を基板1の一面1aに対して垂直に形成するので、指向性に優れた針状電子放出体6を形成することができる。
[電子放出素子の製造方法]
次に、本実施形態の電子放出素子の製造方法について図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、電子放出素子の製造工程を示す模式図である。
本実施形態の電子放出素子の製造方法は、基板の一面上に絶縁層を積層するとともに、絶縁層に凹部を設けて一面を露出させる絶縁層形成工程と、凹部に針状電子放出体を形成する針状電子放出体形成工程と、絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程とから概略構成される。尚、本実施形態では後述するように、絶縁層を金属ガリウムに対する濡れ性が劣る材料で形成することによって、針状電子放出体を前記凹部内のみに形成する。以下、各工程について順次説明する。
まず図4(a)に示すように、基板31を用意し、この基板31の一面31a上に厚み1μm〜10μm程度の絶縁層32を形成する。基板31としては第1の実施形態と同様に、基板面(一面31a)が(111)面である単結晶シリコン基板を用いることが好ましく、絶縁層32としてはSiO2層が好ましい。このSiO2からなる絶縁層32は、単結晶シリコンの表面を酸素雰囲気中で熱処理する公知の手段により形成する。
次に、図4(c)に示すように、凹部33内に露出された基板31の一面31上に、種結晶体34を形成する。種結晶体34を形成するための装置並びに形成条件は、第1の実施形態における種結晶体形成工程と同様である。このようにして、高さが最大で10nm程度、直径が10nm〜1μm程度の略半球状の種結晶体34を、10nm乃至1μmの間隔を空けて複数形成する。尚、SiO2からなる絶縁層32の上には単結晶体34は形成されない。これは、SiO2に対する金属ガリウムの濡れ性が劣っているためである。
次に、絶縁層32及び凹部33の上に厚み1μm〜10μm程度のSOG層(SOG:Spin On Glass)を塗布して形成する。深さ1μm〜10μm程度の凹部33は針状電子放出体37と共にこのSOG層によって完全に埋める。次にCMP法によってSOG層を研摩して、図5(a)に示すように絶縁層32上面32aを露出させる。このとき凹部33は、残存したSOG層Sによって埋められたままである。
そして図5(d)に示すように、マスク層39及びSOG層Sを除去する。SOG層Sの除去は、希フッ酸またはバッファードフッ酸をエッチング液とするウェットエッチング法により行う。これにより、凹部33の内部に形成されていた針状電子放出体37が露出される。
そして、第1の実施形態における図3と同様にして、電子引出電極を図5(d)に示す針状電子放出体37に対向して配置し、針状電子放出体37及び電子引出電極にそれぞれ電源部を電気的に接続し、針状電子放出体37と電子引出電極との間の空間を真空雰囲気とすることによって、本実施形態の電子放出素子が構成される。本実施形態の電子放出素子においては、針状電子放出体37がカソード(電子放出エミッタ)となり、電子引出電極がアノードとなり、針状電子放出体37と電子引出電極との間に位置するゲート電極膜38がゲート電極になる。
そして、針状電子放出体37と電子引出電極との間に電界を印加することによって、針状電子放出体37を構成する先鋭部36の先端から電子が放出される。電子の放出量は、ゲート電極膜38の電位を制御することによって調整できる。
また、窒化ガリウムからなる柱状結晶体35及び先鋭部36を順次形成することによって針状電子放出体37を形成するので、電子を真空中に引き出すため電界が小さな電子放出素子を得ることができる。
また、絶縁層32を金属ガリウムに対する濡れ性が比較的劣るSiO2で形成し、この絶縁層32に凹部33を形成することによって基板31の一面31aの一部を露出させ、この一面31aに針状電子放出体37を形成するので、凹部33の形成箇所を適宜選択することによって針状電子放出体37の形成位置を制御できる。
[電子放出素子の製造方法]
次に、本実施形態の電子放出素子の製造方法について図6乃至図8を参照して説明する。図6乃至図8は、電子放出素子の製造工程を示す模式図である。
本実施形態の電子放出素子の製造方法は、第2の実施形態と同様に、基板の一面上に絶縁層を積層するとともに、絶縁層に凹部を設けて一面を露出させる絶縁層形成工程と、凹部に針状電子放出体を形成する針状電子放出体形成工程と、絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程とから概略構成される。尚、本実施形態では後述するように、絶縁層上及び凹部内に針状電子放出体を形成した後、絶縁層上の針状電子放出体を除去してからゲート電極を形成する。以下、各工程について順次説明する。
まず図6(a)に示すように、基板41を用意し、この基板41の一面41a上に厚み1μm〜10μm程度の絶縁層42を形成する。基板41としては第1の実施形態と同様に、基板面(一面41a)が(111)面である単結晶シリコン基板を用いることが好ましく、絶縁層42としてはSiO2層が好ましい。SiO2からなる絶縁層42は、単結晶シリコンの表面を酸素雰囲気中で熱処理する公知の手段により形成する。
次に、図6(c)に示すように、凹部43の内部と、凹部43の外部である絶縁層42上とに、窒化膜44を形成する。窒化膜44を形成するための装置並びに形成条件は、第1の実施形態における窒化工程と同様である。このようにして、厚み1nm乃至50nm程度の窒化膜44を形成する。
次に、図7(a)に示すように、絶縁層42及び凹部43の上に厚み1μm〜10μm程度のSOG層49(SOG:Spin On Glass)を塗布して形成する。深さ1μm〜10μm程度の凹部43は針状電子放出体48と共にこのSOG層49によって完全に埋められる。同時に、絶縁層42上の窒化膜44bに形成された針状電子放出体48もSOG層49によって完全に埋まる。
次に、図7(b)に示すように、CMP法によってSOG層49を研摩して、絶縁層32上の窒化膜44bを露出させる。凹部43の外部に形成された柱状電子放出体48はSOG層とともに除去される。このとき凹部43は、残存したSOG層Sによって埋められたままであり、凹部43の内部の針状電子放出体48はそのまま残存される。
次に、図8(a)に示すように、絶縁層42及び凹部43内部の窒化膜44をドライエッチングにより除去する。針状電子放出体48の下にある窒化膜44は、針状電子放出体48がマスクとなってエッチングされずにそのまま残される。ドライエッチングは、例えば、SF6とCHF3を用いた反応性イオンエッチング法を用いることが好ましい。
次に、図8(c)に示すように、導電膜50の上にレジストからなるマスク層51を形成し、このマスク層51には、凹部43の形成位置に対応する凹部52を設ける。この凹部52によって凹部43の内部の導電膜50が露出される。マスク層51及び凹部52の形成は、公知のフォトリソグラフィ技術を用いる。
この異方性エッチングによって、先鋭部47と、凹部42内面を構成する基板41の一面41aとに形成されていた導電膜50はそれぞれ、エッチングされて除去される。
一方、絶縁層42上の導電膜50aは、マスク層51によって保護されて残存し、最終的にゲート電極膜50aとなる。
また、凹部43の側壁面及び針状電子放出体48の側壁面に形成されていた導電膜50b、50cは、基板41から離れる方向に従ってエッチング量が多くなるものの、エッチングによって完全には除去されずに残存する。このように、これら導電膜50b、50cは基板41から離れるに従って膜厚が徐々に薄くなる。
更に、針状電子放出体48の先鋭部47を除いた側壁面には導電膜50cが形成されているので、針状電子放出体48の電気伝導度が向上する。一方、導電膜50cは先鋭部47には形成されていないので、先鋭部47における電子放出を阻害する虞はない。
そして、第1の実施形態における図3と同様にして、電子引出電極を図8(d)に示す針状電子放出体48に対向して配置し、針状電子放出体48及び電子引出電極にそれぞれ電源部を電気的に接続し、針状電子放出体48と電子引出電極との間の空間を真空雰囲気にすることによって、本実施形態の電子放出素子が構成される。本実施形態の電子放出素子においては、針状電子放出体48がカソード(電子放出エミッタ)となり、電子引出電極がアノードとなり、針状電子放出体48と電子引出電極との間に位置するゲート電極膜50aがゲート電極になる。
そして、針状電子放出体48と電子引出電極との間に電界を印加することによって、針状電子放出体48を構成する先鋭部47の先端から電子が放出される。電子の放出量は、ゲート電極膜50aの電位を制御することによって調整できる。
また、絶縁層42上及び凹部43内に針状電子放出体48を形成した後、絶縁層42上の針状電子放出体48を除去し、凹部43内の針状電子放出体48を残すので、凹部43の形成箇所を適宜選択することによって針状電子放出体48の形成位置を制御できる。
(実施例1)
まず、単結晶シリコンからなる基板を用意し、この基板を、硫酸−過酸化水素等のエッチング液で洗浄した後、図1に示す窒化ガリウム結晶成長装置の基板ホルダに取付けた。尚、基板の一面はシリコンの(111)面である。この基板1を第1の成長室に移動させて、サーマルクリーニングを行い、表面を洗浄して清浄な一面とした。
この結晶体は、電子親和力が1eV以下程度の窒化ガリウムから構成されるので、電子放出特性に優れたものであった。また、先端が尖っているので、電子放出特性がより優れたものであった。
上記実施例1と同様にして単結晶シリコンからなる基板を用意し、この基板に対して実施例1と同様にして窒化工程及び種結晶工程を行い、基板上にSiN膜を形成するとともにSiN膜上に種結晶体を形成した。
Claims (7)
- 電界放出型の電子放出素子に備えられる針状電子放出体の製造方法であって、
基板温度を500℃〜600℃の範囲に設定してから基板の一面上にガリウム源を供給することにより、金属ガリウムをエピタキシャル成長させて島状の種結晶体を形成する種結晶体形成工程と、
基板温度を950℃〜1050℃の範囲に設定してから前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記種結晶体上に前記一面に対して垂直な柱状結晶体を形成する柱状結晶体形成工程と、
基板温度を950℃以下にするか、若しくは、窒素源、ガリウム源のいずれか一方または両方の供給量を前記柱状結晶体形成工程よりも少なくして前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記柱状結晶体の先端に先窄み状の先鋭部を形成する先鋭部形成工程と、
を具備してなることを特徴とする電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法。 - 前記種結晶体形成工程の前に、前記基板の一面に窒化膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法。
- 前記窒素源が、アンモニア、アミン基を有する化合物、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体であり、前記ガリウム源が金属ガリウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子放出素子用の針状電子放出体の製造方法。
- 基板と、前記基板上に形成される針状電子放出体と、前記針状電子放出体に対向配置される電子引出電極と、前記針状放出体の周囲に形成される絶縁層と、前記絶縁層上に形成されるゲート電極とを具備してなる電界放出型の電子放出素子の製造方法であって、
前記基板の一面上に前記絶縁層を積層するとともに、前記絶縁層に凹部を設けて前記一面を露出させる絶縁層形成工程と、
前記凹部に前記針状電子放出体を形成する針状電子放出体形成工程と、
前記絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
を具備してなることを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 前記針状電子放出体形成工程が、
基板温度を500℃〜600℃の範囲に設定してから前記基板の前記一面上にガリウム源を供給することにより、金属ガリウムをエピタキシャル成長させて島状の種結晶体を形成する種結晶体形成工程と、
基板温度を950℃〜1050℃の範囲に設定してから前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記種結晶体上に前記一面に対して垂直な柱状結晶体を形成する柱状結晶体形成工程と、
基板温度を950℃以下にするか、若しくは、窒素源、ガリウム源のいずれか一方または両方の供給量を前記柱状結晶体形成工程よりも少なくして前記一面上に窒素源とガリウム源を供給することにより、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて前記柱状結晶体の先端に先窄み状の針状部を形成する針状部形成工程と、
からなることを特徴とする請求項4に記載の電子放出素子の製造方法。 - 前記絶縁層を、前記金属ガリウムに対する濡れ性が劣る材料で形成し、前記針状電子放出体を前記凹部内のみに形成することを特徴とする請求項5に記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記絶縁層上及び前記凹部内に前記針状電子放出体を形成した後、前記絶縁層上の前記針状電子放出体を除去してから前記ゲート電極を形成することを特徴とする請求項5に記載の電子放出素子の製造方法。
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