JP4273682B2 - 繊維部材、および繊維とゴムとの複合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性に優れた繊維とゴムとの複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムと繊維との複合体は、ベルトやゴムホース、ダイヤフラムなどの多くの分野で使用されている。ベルトの分野では、自動車用タイミングベルト、ポリリブドベルト、ラップドベルト、Vベルト等があり、通常、織布状の基布とゴムとの複合体で構成されている。例えば、Vベルトではゴム製ベルトの周囲を帆布で保護しており、歯形ベルトではゴム製歯部に被覆布が積層されている。
【0003】
このような用途においては、複合体に用いるゴムとして、従来、耐油性ゴムであるクロロプレンゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムが主として用いられてきた。近年、自動車の排ガス規制対策、騒音対策、自動車の燃費改善などのため、エンジンの小型化、エンジンルームの密閉化などが進められ、自動車用のベルトに用いられるゴムに高度の耐熱性が要求されるようになった。その結果、ベルト用のゴムとして、耐熱性と耐油性とを兼ね備えた不飽和結合が少ないニトリル基含有共重合体ゴムの使用が提案された(特開昭59−38046号公報)。
【0004】
しかし、例えば、自動車用タイミングベルトにおいては、歯形ベルトの歯部は帆布に代表される被覆布で保護されているが、上記のように、より過酷な条件下で用いられるため、ゴムと被覆布とが剥離する場合があった。そこで、被覆布をレゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス液(RFL液)で処理して接着することにより、接着力を強化する方法が提案された(特開平4−348146号公報)。この方法は、十分に実用に耐えるものであったが、RFL液の処理に手間がかかり、さらに高温状態で接着力が低下する場合があった。
【0005】
また、有機過酸化物で架橋可能なゴム100重量部、カルボキシル基を有するゴムを1〜30重量部および有機過酸化物を有機溶剤に溶解または分散させて、溶解液または分散液を被覆布に含浸させて、溶剤を除去して作製した繊維部材を、ゴム基材と積層して共加硫させて接着させる方法が提案されている(特開平10−95963号公報)。この方法では、RFL液で処理する必要がなく、しかも不飽和結合の少ないニトリル基含有共重合体ゴムとの接着性が良好であり、高温状態でも接着力の低下が少ない。
【0006】
しかし、この方法においても、ベルトの耐摩耗性が不十分な場合があり、さらなる改良が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、繊維とゴムとが強固に接着され、高温でも繊維とゴムとの接着力の低下がなく、耐摩耗性に優れた、駆動ベルトなどに適した繊維とゴムとの複合体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定のニトリル基含有共重合体ゴムを繊維材料に含浸させることにより、耐摩耗性に優れた複合体用の繊維部材が得られることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
【0009】
かくして本発明によれば、カルボン酸当量が1×10−3〜5×10−1ephr、ヨウ素価100以下、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量10〜60重量%のカルボキシル基含有ニトリルゴムを30重量%以上含有するゴム成分(a)、加硫剤(b)、2価金属化合物(c)、並びに芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン化合物、及びカルボン酸エステルからなる群より選ばれる溶媒(d)を含有し、かつ、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を含有しない溶液または分散液を繊維材料に含浸させ、溶媒(d)を実質的に除去してなる繊維部材(I)が提供され、さらに繊維部材(I)と、加硫剤(b)によってゴム成分(a)と共加硫可能なゴムからなるゴム基材(II)とを積層し、共加硫してなる繊維とゴムとの複合体が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるカルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体を他の単量体と共重合して得られるゴムであり、カルボキシル基を有するものである。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量10〜60重量%、好ましくは12〜55重量%、より好ましくは15〜50重量%のものである。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体含有量が少なすぎると耐油性に劣り、逆に多すぎると耐寒性に劣る。α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。
【0011】
カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)の製造において、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体と共重合させる単量体としては、共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体、α−オレフィンなどが例示される。共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好ましい。非共役ジエン系単量体としては、好ましくは炭素数が5〜12のものであり、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが例示される。α−オレフィンとしては、炭素数が2〜12のものが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示される。さらに、芳香族ビニル系単量体、フッ素含有ビニル系単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸またはその無水物、共重合性の老化防止剤などを共重合してもよい。
【0012】
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。フッ素含有ビニル系単量体としては、例えば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸としては、例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。共重合性の老化防止剤としては、例えば、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
【0013】
カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)は、カルボン酸当量が1×10-4〜1×10-1ephr、好ましくは1×10-3〜5×10-2ephr、より好ましくは2×10-3〜1×10-2ephrのものである。カルボン酸当量が小さすぎると耐磨耗性が不十分という問題があり、大きすぎると低温化での柔軟性が損なわれるという問題がある。
【0014】
カルボン酸を含有させるには、重合後に、カルボキシル基もしくは酸無水物基を有する化合物を重合体に付加させ、必要に応じてこれを加水分解するか、またはカルボキシル基を有する単量体あるいはα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物を共重合すればよく、いずれも公知の方法で行えばよい。
【0015】
なお、カルボキシル基を有する単量体としては、前述のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。また、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物も前述のものが挙げられる。
【0016】
カルボキシル基を有する単量体を共重合する場合は共重合する量を調整し、重合後にカルボキシル基を含有する化合物を付加させる場合は付加量を調整し、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)のカルボキシル基含有量が上記範囲になるように調整する。
【0017】
カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)のヨウ素価は、100以下、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。ヨウ素価が大きすぎると耐熱性に劣る。
【0018】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体と共役ジエン系単量体を共重合した場合には、ヨウ素価が大きくなることが多いが、ヨウ素価が大きい場合は、共重合ゴムの炭素−炭素不飽和結合を公知の方法で水素添加することによりヨウ素価を低くして用いてもよい。水素添加の方法は、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。なお、カルボン酸付加を行う場合は、カルボン酸付加と水素添加は、どちらを先にしてもよいが、カルボキシル基が水素添加反応時に解離する場合もあるので、水素添加反応を先に行うことが好ましい。
【0019】
カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)のムーニー粘度ML1+4(100℃)は、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜250、特に好ましくは30〜200である。ムーニー粘度が小さすぎると繊維部材(I)の加硫後の耐磨耗性が劣り、逆に大きすぎると溶液または分散液の調製が困難であり、繊維部材(I)の製造が困難である。
【0020】
本発明で用いるゴム成分(a)は、繊維を浸漬する溶液または分散液に含まれるゴムを合わせたものであって、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)を30重量%以上、好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上含有する。カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)以外のゴムは特に限定されないが、接着力に優れるという観点から、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)以外のヨウ素価100以下、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量10〜60重量%のニトリルゴム(a’’)が好ましく、その内、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10〜300のものがより好ましい。このニトリルゴム(a’’)は、カルボン酸当量が1×10-3ephrより小さいか5×10-1ephrより大きい以外は、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a)と同等のものである。ニトリルゴム(a’’)としては、カルボン酸当量が1×10-3ephr未満のものが好ましく、カルボキシル基を含有しないものがより好ましい。また、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)とニトリルゴム(a’’)の合計量は、ゴム成分(a)中、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
【0021】
本発明で用いる加硫剤(b)は、ゴム成分(a)を加硫できるものであれば特に限定されず、硫黄系加硫剤、有機過酸化物、ポリアミン系加硫剤などが例示される。
【0022】
硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物など有機硫黄化合物;などが挙げられる。有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが挙げられる。ジアルキルパーオキサイドとしては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイドとして、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。パーオキシエステルとして、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなど)などが挙げられる。ポリアミン系加硫剤は、2つ以上のアミノ基を有する化合物であって、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素がアミノ基またはヒドラジド構造、すなわち−CONHNH2で表される構造に置換されたものである。ポリアミン系加硫剤としては、脂肪族多価アミン類、芳香族多価アミン類、ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物などが挙げられ、具体的には、脂肪族多価アミン類として、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩などが、芳香族多価アミン類として、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシジフェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)などが、ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物としては、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
【0023】
加硫剤(b)の使用量は、ゴム成分(a)に含有されるゴムの種類および割合、加硫剤(b)の種類により異なるが、概ね、ゴム成分(a)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。加硫剤(b)の使用量が少なすぎると加硫密度が低下し、耐摩耗性に劣り、圧縮永久ひずみが大きくなる場合があり、多すぎると繊維部材としての柔軟性、耐屈曲疲労性または貯蔵安定性に劣る場合がある。
【0024】
本発明において用いられる2価金属化合物(c)は、亜鉛化合物が好ましく、また、酸化物が好ましく、酸化亜鉛または過酸化亜鉛がより好ましく、過酸化亜鉛が特に好ましい。
【0025】
2価金属化合物(c)の使用量は、ゴム成分(a)100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜20重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。2価金属化合物が少なすぎると、複合体の繊維部材(I)が加硫した部分の表面が耐摩耗性に劣り、多すぎると、スコーチを起こす原因となる。
【0026】
溶媒(d)は、ゴム成分(a)、加硫剤(b)および2価金属化合物(c)を均一に溶解または分散できるものであれば特に限定されず、好ましくはゴム成分(a)を均一に溶解する溶媒である。ゴム成分(a)がカルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)とニトリルゴム(a’’)のみを含有している場合、好ましい溶媒(d)としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、などの芳香族炭化水素以外のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン化合物;酢酸n−ブチル、酢酸エチルなどのカルボン酸エステルなどが挙げられる。本発明では、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン化合物、及びカルボン酸エステルからなる群より選ばれる溶媒を用いる。
【0027】
溶媒(d)の使用量は、ゴム成分(a)100重量部に対して、好ましくは100〜3500重量部、より好ましくは250〜2000重量部、特に好ましくは300〜1800重量部である。溶媒(d)の量が少なすぎると溶液粘度が高くなるため、繊維部材の製造が困難になる場合がある。逆に多すぎると、繊維部材に残留するゴム成分(a)の量が少なくなるため、繊維部材(I)の加硫後の耐摩耗性が劣る場合がある。
【0028】
上記のゴム成分(a)、加硫剤(b)、2価金属化合物(c)および溶媒(d)を含有する溶液または分散液には、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、一般的なゴムに使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、シリカなどの補強剤、炭酸カルシウム、クレー、タルク、ケイ酸カルシウムなどの充填剤、α,β−不飽和カルボン酸金属塩、可塑剤、加工助剤、加硫助剤、加硫促進剤、顔料などを含有していてもよい。 本発明では、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を含有しない。
【0029】
溶液または分散液の調製方法は特に限定されず、溶媒(d)にニトリルゴム(a)、加硫剤(b)、2価金属化合物(c)および必要に応じてその他の配合剤を加えて溶解または分散させても、予めゴム成分(a)、加硫剤(b)、2価金属化合物(c)および必要に応じてその他の配合剤を含有する組成物を調製しておいて、それを溶媒(d)に加えて溶解または分散させてもよい。予め組成物を調製して溶媒(d)に加えるものと、溶媒(d)に直接加えるものとに分けてもよい。ただし、加硫剤(b)のように高温で反応する成分を組成物に配合する場合は、反応しない温度で調製する必要がある。
【0030】
本発明で用いる繊維材料は、特に限定されず、例えば、ビニロン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン、芳香族ポリアミドなどのポリアミド繊維;綿、レーヨンなどの有機繊維;ガラス繊維、スチール繊維、カーボン繊維などの無機繊維;などからなり、織布、不織布、ステープル、フィラメント、コード、ロープなどの形態のものである。特に、耐磨耗性に優れたベルトを得るには、帆布など織布の基布を使用することが好ましい。
【0031】
本発明の繊維部材(I)は、これらの繊維材料を、上記の溶液または分散液に浸漬した後、取り出し、乾燥により溶媒(d)を実質的に除去したものであり、繊維材料にゴム成分(a)、加硫剤(b)および2価金属化合物(c)が付着しているものである。溶媒(d)の除去のための乾燥は、ゴム成分(a)が加硫剤(b)によって加硫されない温度で行われる。また、溶媒(d)が実質的に除去されるとは、乾燥後にさらに100℃で1時間の熱処理をした場合に、その前後の重量変化が1%以内であることをいう。ゴム成分(a)、加硫剤(b)、2価金属化合物(c)および溶媒(d)の種類、量比や、繊維材料の種類、形状、密度、さらには乾燥温度により、溶媒(d)が実質的に除去されるまでに要する時間は異なるので、同一材料、同一量比、同一乾燥温度で乾燥する場合は、予備実験を行って、乾燥時間を決めればよい。90〜100℃で40〜100分間程度の条件で乾燥すれば、通常は、溶媒(d)は実質的に除去される。
【0032】
繊維部材(I)の繊維材料へのゴム成分(a)、加硫剤(b)および2価金属化合物(c)の付着量は特に限定されないが、これらの付着する成分の合計量が繊維材料の重量を基準として、好ましくは5〜200重量%、より好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは20〜50重量%のものである。付着する成分の付着量が少なすぎると、繊維部材(I)の加硫後の耐摩耗性に劣り、逆に多すぎると繊維部材(I)の機械的特性または屈曲性に劣る。
【0033】
本発明で用いるゴム基材(II)は、加硫剤(b)によってゴム成分(a)と共加硫可能なゴムからなるものである。基材としての形状は、加硫することなく賦形したものであり、得られる複合体の使用目的に応じた形状である。また、ゴム基材(II)を構成するゴムは、それを加硫させる加硫剤を含有しているものが好ましく、特に加硫剤(b)を含有しているものが好ましい。
【0034】
ゴム基材(II)を構成するゴムは、上記の条件を満たす限り、特に限定されないが、接着性、耐熱性、耐油性などの観点から、ヨウ素価100以下、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量10〜60重量%のニトリルゴムが好ましく、その内、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10〜300のものがより好ましい。この好ましいニトリルゴムは、カルボキシル基を含有するという条件を必須としない以外は、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)と同等のものであり、カルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)またはニトリルゴム(a’’)として使用可能なゴムである。また、ゴム基材(II)を構成するゴムがカルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)として使用可能なゴムである場合、このゴムには2価金属化合物(c)を配合することが好ましく、配合量の範囲は、繊維部材(I)のカルボキシル基含有ニトリルゴム(a’)に対する2価金属化合物(c)の配合量の範囲と同じである。
【0035】
また、ゴム基材(II)を構成するゴムには、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、一般的なゴムに使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、シリカなどのの補強剤、炭酸カルシウム、クレー、タルク、ケイ酸カルシウムなどの充填剤、α,β−不飽和カルボン酸金属塩、可塑剤、加工助剤、加硫助剤、加硫促進剤、顔料などを配合してもよい。
【0036】
本発明の複合体は、繊維部材(I)とゴム基材(II)とを積層して共加硫したものである。共加硫するには、それぞれの接着部分を接合させて積層し、加熱すればよく、その結果として、繊維部材(I)とゴム基材(II)は加硫接着する。加熱処理の条件は、加硫接着する限り特に限定されず、ゴム基材(II)に用いたゴムの種類にもよるが、通常、5〜120分間、140〜180℃に加熱すればよい。表面で加硫接着が起こっても、繊維部材(I)またはゴム基材(II)の内部で、加硫が不十分である場合もあるので、加硫接着した後、二次加硫させることが好ましい。二次加硫する場合は、加硫剤の種類、繊維部材(I)およびゴム基材(II)のゴムの種類、加硫温度、形状などにより異なり、適した条件で行えばよい。
【0037】
加硫のための加熱処理方法は、特に限定されず、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などから、適宜選択すればよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の複合体は、繊維部材(I)とゴム基材(II)との接着力に優れ、また高温で保持した場合の接着力の低下も小さく、ゴムが加硫した繊維部材(I)からなる表面の耐摩耗性に優れている。そのため、本発明の複合体は、様々な用途に利用可能であるが、特にゴム基材(II)がヨウ素価100以下のニトリルゴムからなるものである場合、接着力、耐摩耗性以外に、耐熱性、耐油性にも優れることから、タイミングベルト、Vベルト、歯付ベルトなどの自動車用のベルトとして有用である。
【0039】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。部および%は、特に記載のない限り、重量基準である。なお、試験方法などは、下記のように行った。
【0040】
ゴム加硫物の引張強さ、伸び、100%引張応力、200%引張応力、300%引張応力は、シート状加硫物を作製した後、ダンベル状3号形の試験片を打ち抜き、これを用いてJIS K 6251に準じて、引張速度500mm/分で測定した。
【0041】
架橋ゴム組成物の硬さは、JIS K 6253に準じて、デュロメーター硬さタイプAを用いて測定した。
【0042】
空気加熱老化試験は、所定の時間、一定の過熱された空気中に試験片を放置する前後に、ダンベル状3号形の試験片の引張強さ、伸び、引張応力および硬さを測定し、空気加熱処理前の測定値を基準として、引張強さ、伸びおよび引張応力については、空気加熱老化処理後の変化率(%)を、硬さについては変化量を求めた。この変化率や変化量が小さいものほど、耐空気加熱老化性に優れる。
【0043】
剥離試験は、15cm×2.5cm角の複合体である剥離接着試験片を作製し、剥離試験片を沸騰水に3時間浸漬して、耐水接着試験片とした。接着力は、インストロン型のテンシロンを用いて剥離速度50mm/分で、繊維部材(I)とゴム基材(II)の剥離強度として測定した。また、剥離後の状態を目視で記録した。
【0044】
カーペット用テーバー摩耗試験機を用いて、複合体の繊維部材(I)が接着した表面の耐摩耗性を評価した。試験条件は荷重1kg、摩耗表面温度23℃、ディスク回転回数1万回で行い、摩耗減量を目視で評価した。評価の基準は、摩耗が認められないものから表面積の25%まで摩耗が認められるものを5、表面積の25〜50%の摩耗が認められるものを4、表面積の50〜75%の摩耗が認められるものを3、表面積の75〜90%の摩耗が認められるものを2、それ以上の摩耗が認められる場合は1とした。境界に近く、評価が困難な場合は、評価をやり直して、決めた。
【0045】
実施例1
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム1(アクリロニトリル単位含有量36%、ヨウ素価25.2、カルボン酸当量4×10-2ephr、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)79)100部に、硫黄0.5部、カーボンブラックN765を30部、ZnO210部、ステアリン酸1部、 トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(可塑剤)8部、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体(老化防止剤、大内新興化学工業社製、ノクラック224)1.5部、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(老化防止剤)1.5部、テトラメチルチウラムジスルフィド( 加硫促進剤)1.5部およびN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド( 加硫促進剤)1.5部を含有するゴム組成物Aを調製した。ゴム組成物Aを160℃、30分の条件で加硫して、得られた加硫物Aの引張強さ、伸び、100%引張応力、200%引張応力、300%引張応力および硬さを測定し、168時間、135℃の空気加熱老化試験にかけた。これらの結果を表1に示す。
【0046】
ゴム組成物A155部(ゴム量100部)を、トルエン70%とメチルエチルケトン30%の混合溶媒1035部に溶解し、これにナイロン製帆布(厚さ約0.3mm、重量約100g/m2)を浸漬し、100℃で80分間加熱して乾燥し、ナイロン製帆布に対して重量が31.1%増加した繊維部材Aを得た。なお、繊維部材Aは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0047】
実施例2
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムAの代わりにカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムB(アクリロニトリル単位含有量33%、ヨウ素価36、カルボン酸当量4×10-2ephr、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)106)を用いる以外は実施例1と同様にゴム組成物Bを得た。ゴム組成物Bを実施例1と同様に加硫して加硫物Bを得、その物性などを測定した結果を表1に示す。また、ゴム組成物Aの代わりにゴム組成物Bを用いる以外は実施例1と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量が29.4%増加した繊維部材Bを得た。繊維部材Bは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0048】
比較例1
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムAの代わりにカルボキシル基を含有しないアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムc(アクリロニトリル単位含有量36.2%、ヨウ素価28、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)78)を用い、カーボンブラックを60部にし、ZnO2の代わりにZnOを用いる以外は実施例1と同様にゴム組成物cを得た。このゴム組成物を実施例1と同様に加硫して加硫物cを得、その物性などを測定した結果を表1に示す。また、ゴム組成物A155部の代わりにゴム組成物c185部を用いる以外は実施例1と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量が28.6%増加した繊維部材cを得た。この繊維部材cは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0049】
比較例2
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムAの代わりにヨウ素価の大きなアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムd(アクリロニトリル単位含有量27%、ヨウ素価290、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)48)を用い、カーボンブラックを25部にする以外は実施例1と同様にゴム組成物dを得た。ゴム組成物dを実施例1と同様に加硫して加硫物dを得、その物性などを測定した結果を表1に示す。また、ゴム組成物A155部の代わりにゴム組成物d155部を用いる以外は実施例1と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量が30.1%増加した繊維部材dを得た。繊維部材dは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0050】
実施例3
ゴム組成物Aを厚さ1.8mmのシート状に賦形し、繊維部材Aと積層し、10分間140℃、プレス圧0.1MPaでプレス加熱して加硫接着させ、2時間140℃で二次加硫させて厚さ2mmの複合体Aを得た。複合体Aについて、剥離試験とカーペット用テーバー摩耗試験を行った。さらに、複合体Aを72時間135℃に保持したものについても剥離試験を行った。結果を表1に示す。
【0051】
実施例4、比較例3〜4
繊維部材Aの代わりにそれぞれ繊維部材B、繊維部材cおよび繊維部材dを用いる以外は、実施例3と同様に処理し、試験を行った。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
実施例5
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムA100部、2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン40重量%含有品(Hercules製、Vulcup 40KE)6部、カーボンブラックN765を40部、ZnO210部、 トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(可塑剤)8部、オクチル化ジフェニルアミン(老化防止剤、大内新興化学工業社製、ノクラックAD−F)1.5部および2-メルカプトベンズイミダゾール(老化防止剤)1.5部 を含有するゴム組成物Eを調製した。ゴム組成物Eを170℃、20分の条件で加硫して、加硫物Eを得、その引張強さ、伸び、100%引張応力、200%引張応力、300%引張応力および硬さを測定し、168時間、150℃の空気加熱老化試験にかけた。これらの結果を表2に示す。また、ゴム組成物A155部の代わりにゴム組成物E167部を用いる以外は実施例1と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量が32.7%増加した繊維部材Eを得た。繊維部材Eは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0054】
実施例6
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムAの量を80部にし、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムcを20部加え、カーボンブラックの量を50部にする以外は、実施例5と同様に ゴム組成物Fを調製し、実施例5と同様に加硫物Fを得、その物性などを測定した結果を表2に示す。また、ゴム組成物A155部の代わりにゴム組成物F177部を用いる以外は実施例5と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量が31.4%増加した繊維部材Fを得た。繊維部材Fは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0055】
実施例7
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムAの量を50部にし、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムcを50部加え、カーボンブラックの量を65部にする以外は、実施例5と同様に ゴム組成物Gを調製し、実施例5と同様に加硫物Gを得、その物性などを測定した結果を表2に示す。また、ゴム組成物A155部の代わりにゴム組成物G192部を用いる以外は実施例5と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量が30.8%増加した繊維部材Gを得た。繊維部材Gは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0056】
比較例5
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムAの量を20部にし、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムcを80部加え、カーボンブラックの量を80部にする以外は、実施例5と同様に ゴム組成物hを調製し、実施例5と同様に加硫物hを得、その物性などを測定した結果を表2に示す。また、ゴム組成物A155部の代わりにゴム組成物h207部を用いる以外は実施例5と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量28.4%増加した繊維部材hを得た。繊維部材hは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0057】
比較例6
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムAの代わりに、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムcを用い、カーボンブラックの量を90部にする以外は、実施例5と同様に ゴム組成物iを調製し、実施例5と同様に加硫物iを得、その物性などを測定した結果を表2に示す。また、ゴム組成物A155部の代わりにゴム組成物i217部を用いる以外は実施例5と同様に処理し、ナイロン製帆布に対し重量が30.2%増加した繊維部材iを得た。繊維部材iは、厚さ約0.3mm、100℃に1時間加熱したところ、その前後での重量変化量は、0.1%以下であった。
【0058】
実施例8〜10、比較例7〜8
繊維部材Aの代わりにそれぞれ繊維部材E、繊維部材F、繊維部材G、繊維部材hおよび繊維部材iを用いる以外は、実施例3と同様に処理し、試験を行った。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
本発明の複合体(実施例3〜4および実施例8〜10)は、耐摩耗性に優れ、さらにゴム基材にヨウ素価の小さなゴムを用いた場合は、ゴム基材と繊維材料である繊維部材との接着力に優れ、また高温で保持した場合の接着力の低下も小さい。
【0061】
それに対し、ヨウ素価が小さくカルボキシル基を含有しないゴムのみを用いた繊維部材で製造した複合体(比較例3、8)、ヨウ素価が大きくカルボキシル基を含有しないゴムのみを用いた繊維部材で製造した複合体(比較例4)、ヨウ素価が小さくカルボキシル基を含有するゴムの割合が小さいゴム成分を用いた繊維部材で製造した複合体(比較例7)は、耐摩耗性に劣り、ゴム基材にヨウ素価の小さなゴムを用いた場合にも、ゴム基材と繊維材料である繊維部材との接着力に劣り、また高温で保持した場合の接着力の低下も大きい。
Claims (3)
- カルボン酸当量が1×10−3〜5×10−1ephr、ヨウ素価100以下、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量10〜60重量%のカルボキシル基含有ニトリルゴムを30重量%以上含有するゴム成分(a)、加硫剤(b)、2価金属化合物(c)、並びに芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン化合物、及びカルボン酸エステルからなる群より選ばれる溶媒(d)を含有し、かつ、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を含有しない溶液または分散液を繊維材料に含浸させ、溶媒(d)を実質的に除去してなる繊維部材(I)。
- 請求項1記載の繊維部材(I)と、加硫剤(b)によってゴム成分(a)と共加硫可能なゴムからなるゴム基材(II)とを積層し、共加硫してなる、繊維とゴムとの複合体。
- ベルトである請求項2記載の複合体。
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