JP2002307450A - ベルトスリーブの加硫用ジャケット - Google Patents

ベルトスリーブの加硫用ジャケット

Info

Publication number
JP2002307450A
JP2002307450A JP2001141072A JP2001141072A JP2002307450A JP 2002307450 A JP2002307450 A JP 2002307450A JP 2001141072 A JP2001141072 A JP 2001141072A JP 2001141072 A JP2001141072 A JP 2001141072A JP 2002307450 A JP2002307450 A JP 2002307450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
jacket
ethylene
rubber
olefin elastomer
belt sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001141072A
Other languages
English (en)
Inventor
Yorifumi Hineno
順文 日根野
Toshimichi Takada
俊通 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2001141072A priority Critical patent/JP2002307450A/ja
Publication of JP2002307450A publication Critical patent/JP2002307450A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン−α−オレフィンエラストマー組成
物からなるゴム層とジャケット間の離型性を改善し、使
用回数を向上させたベルトスリーブの加硫用ジャケット
を提供する。 【解決手段】 エチレン−α−オレフィンエラストマー
からなる圧縮ゴム層6を有するベルトスリーブ7を加硫
する際に使用するジャケット10が、水素化ニトリルゴ
ム単体もしくはこれにエチレン−α−オレフィンエラス
トマーを混合したゴム組成物を架橋した筒状体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はベルトスリーブの加
硫用ジャケットに係り、エチレン−α−オレフィンエラ
ストマーをゴム層に有するVリブドベルト、ローエッジ
シングルコグベルト、ローエッジダブルコグベルトのよ
うな動力伝動用ベルト、搬送用ベルトのような筒状のベ
ルトスリーブを加硫する際に使用するもので、離型性を
改善し、使用回数を増加させたベルトスリーブの加硫用
ジャケットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇し、これにともない動力伝
動用ベルトの使用環境温度も高くなってきた。従来、動
力伝動用ベルトは天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム
が主流であったが、高温雰囲気下では、熱により硬化し
た圧縮ゴム層で早期にクラックを生じるという問題が発
生した。
【0003】このようなベルトの早期破壊現象に対し、
従来からクロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討されて
きたが、これに代わり最近では、環境問題の重要性が増
すに連れて、環境負荷物質を含まない又は、含有量が少
ないポリマーとして、エチレン・α-オレフィンエラス
トマー注目されている。このエチレン−α−オレフィン
エラストマーはエチレン−プロピレン系ゴム(EPR)
やエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等
があり、優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価な
ポリマーであり、伝動ベルトへの使用も検討されつつあ
る。
【0004】しかしながら、心線をエチレン−α−オレ
フィンエラストマー組成物からなるゴム層中に埋設した
筒状体の未加硫ベルトスリーブを金型上に成形し、該未
加硫ベルトスリーブの外側に、主鎖が飽和して耐熱性に
優れ、ガス透過性が低いブチルゴムを素材とするジャケ
ットを挿入し、未加硫ベルトスリーブを加硫する場合、
加硫後にジャケットを抜き取る作業が大変な重労働であ
り、とりわけジャケットの離型性が悪いために自動化さ
れた製造ラインでは問題になっていた。このために、加
硫の際にはベルトスリーブ外面もしくはジャケット内面
にフッ素系離型剤やシリコン系離型剤を塗付して離型性
を改善していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベルトスリー
ブの圧縮ゴム層としてエチレン−α−オレフィンエラス
トマー組成物を使用し、この材質からなるゴム層が直接
ブチルゴムを素材とするジャケットに密着する場合に
は、ジャケットが早期に老化し硬化する現象が起り、従
来に比べてジャケットの使用回数が大きく減少した。こ
の原因は明らかでないが、エチレン−α−オレフィンエ
ラストマー組成物の配合剤、加硫条件(温度、時間)、
ジャケットの材質等に起因すると考えられている。特
に、加硫剤としてジクミルパーオキサイド等の有機過酸
化物を使用した場合には、この傾向が顕著であった。
【0006】しかも、加硫後、ジャケットがエチレン−
α−オレフィンエラストマー組成物の加硫ゴム層に粘着
し、即ちジャケットがエチレン−α−オレフィンエラス
トマー組成物と加硫ゴム層と密着するためにその剥離が
困難であった。
【0007】また、塗布した離型剤が加硫後に粕となっ
て加硫ゴム層の表面やジャケット内面に溜まり、加硫
後、付着した粕を除去するために清掃をしなければなら
なかった。しかも離型剤の溶媒として水を使用した場
合、水がエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物
と心線の接着性を低下させることがあった。
【0008】本発明はこのような背景から生まれたもの
であり、特にエチレン−α−オレフィンエラストマー組
成物からなるゴム層とジャケット間の離型性を改善し、
使用回数を向上させたベルトスリーブの加硫用ジャケッ
トを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、エチレン−α−オレフィンエラストマー
からなるゴム層を有するベルトスリーブを加硫する際に
使用するジャケットが、水素化ニトリルゴム単体もしく
はこれにエチレン−α−オレフィンエラストマーを混合
したゴム組成物を架橋した筒状体であるために、離型剤
を使用しなくても優れた離型性を有し、使用回数を増加
させることができる。
【0010】本願の請求項2載の発明では、心線をゴム
層中のスパイラルに埋設し、外周面にエチレン−α−オ
レフィンエラストマーからなるゴム層を配したベルトス
リーブを加硫する際に使用するジャケットが、水素化ニ
トリルゴム単体もしくはこれにエチレン−α−オレフィ
ンエラストマーを混合したゴム組成物を架橋した筒状体
であり、離型剤を使用しなくても優れた離型性を有し、
使用回数を増加させることができる。
【0011】本願の請求項3載の発明では、水素化ニト
リルゴムとエチレン−α−オレフィンエラストマーの合
計量100質量部に対して、水素化ニトリルゴムが少な
くとも30質量部以上であるベルトスリーブの加硫用ジ
ャケットにある。
【0012】本願の請求項4載の発明では、水素化ニト
リルゴム単体もしくはこれにエチレン−α−オレフィン
エラストマーを混合したゴム組成物を有機過酸化物で架
橋したベルトスリーブの加硫用ジャケットにある。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は金型面上にベルトスリーブ
を成形している状態を示す概略図、そして図2は本発明
に係るジャケットを金型面上に成形したベルトスリーブ
に被せた状態の断面図である。
【0014】これによると、金型1を成形機(図示せ
ず)に取付けた後、成形面2に水系離型剤を塗布し乾燥
した後、この上にゴム付き帆布3を巻き付けた後、心線
4をスパイラルにスピニングし、エチレン−α−オレフ
ィンエラストマー組成物からなるシート状の接着ゴム層
5とエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物から
なるシート状の圧縮ゴム層6を予め積層したシートを巻
き付けてベルトスリーブ7を得る。
【0015】圧縮ゴム層6に用いるゴムとしては、エチ
レン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレ
ン−ジエンモノマー(EPDM)からなるゴムがあり、
ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、
メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,
4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられ
る。
【0016】上記圧縮ゴム層6には、エチレン−α−オ
レフィンエラストマーの加硫剤としてパーオキサイドを
添加する。また、共架橋剤(co−agent)としT
IAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボ
ン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイ
ミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるもので
ある。
【0017】この中でもN,N’−m−フェニレンジマ
レイミドが好ましく、これを添加することによって架橋
度を上げて粘着摩耗等を防止することができる。N,
N’−m−フェニレンジマレイミドの添加量はエチレン
−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して
0.2〜10質量部であり、0.2質量部未満の場合に
は、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩耗性の改
善効果が小さく、一方10質量部を越えると加硫ゴムの
伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。更に、
上記ゴム層6、3には、硫黄をエチレン−α−オレフィ
ンエラストマー100質量部に対して0.01〜1質量
部添加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を制御す
ることができる。1質量部を越えると、架橋度が期待で
きる程に向上しないため、加硫ゴムの未耐摩耗性、耐粘
着摩耗性も向上しなくなる。
【0018】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2
・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1
・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分
間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
【0019】その添加量はエチレン−α−オレフィンエ
ラストマー100質量部に対して約1〜8質量部であ
り、好ましくは1.5〜4質量部である。
【0020】また、圧縮ゴム層6には、ナイロン6、ナ
イロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊
維を混入して伝動ベルトの圧縮ゴム層の耐側圧性を向上
させるとともに、プーリと接する面になる圧縮ゴム層の
表面をグラインダーによって研磨加工して該短繊維を突
出させる。圧縮ゴム層の表面の摩擦係数は低下して、ベ
ルト走行時の騒音を軽減する。これらの短繊維のうち、
剛直で強度を有し、しかも耐磨耗性を有するアラミド短
繊維が最も効果がある。
【0021】上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラス
トマー100質量部に対して1〜30質量部である。こ
のアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、
例えば商品名コーネックス、ノーネックス、ケブラー、
テクノーラ、トワロン等である。
【0022】更に、圧縮ゴム層6には、必要に応じてカ
ーボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カ
ルシウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止
剤、TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加して
もよい。
【0023】前記接着ゴム層5にも圧縮ゴム層6と同様
のエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物が使用
される。しかし、心線4であるポリエステル繊維、アラ
ミド繊維、ガラス繊維等と良好に接着するために、パー
オキサイドを含まない硫黄加硫によるエチレン−α−オ
レフィンエラストマー組成物や、クロロスルフォン化ポ
リエチレン組成物もしくは水素化ニトリルゴム組成物を
使用することもできる。尚、この層5には、短繊維を含
めない方がよい。
【0024】心線4にはポリエチレンテレフタレート繊
維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位
とするポリエステル繊維、ポリアミド繊維からなるロー
プが使用され、ゴムとの接着性を改善する目的で接着処
理が施される。このような接着処理としては繊維をレゾ
ルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL液)に浸漬
後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一
般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又は
イソシアネート化合物で前処理を行なった後に、RFL
液で処理する方法等もある。
【0025】本発明で使用するエチレン−2,6−ナフ
タレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な
条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることに
よって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフ
タレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第
3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成され
る。
【0026】成形機から金型1を取り出した後、ベルト
スリーブ7のエチレン−α−オレフィンエラストマー組
成物からなる圧縮ゴム層6の表面に、水素化ニトリルゴ
ム単体もしくはこれにエチレン−α−オレフィンエラス
トマーを混合したゴム組成物を架橋した筒状体であるジ
ャケット10を被せる。そして、これらを加硫缶に入れ
て、通常の条件で加硫する。ここで使用するジャケット
10の両端縁部には、加硫時に内部を密閉するためのフ
ランジ11が設けられている。しかし、フランジ11は
特に設ける必要はない。
【0027】上記ジャケット10の素材である水素化ニ
トリルゴムは、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、その他の不飽和ニトリル10〜55重量%と1,3
−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、その他の共役ジエン90〜
45重量%とからなる共重合体、さらにこれらのモノマ
ーに加えて共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを共
重合させた多元共重合体が挙げられる。
【0028】ニトリルゴム中の不飽和ニトリルの量が過
少であると耐油性が低く、また、逆に過多であると硬度
・モジュラスなどの一般的物性に劣る。エチレン性不飽
和モノマーとしてはスチレン、クロロメチルスチレン、
α−メチルスチレンなどのビニル芳香族化合物、(メ
タ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、エトキシエチルアクリレート、
マレイン酸、イタコン酸、モノメチルマレイン酸エステ
ル、ジメチルマレイン酸エステルなどの不飽和ジカルボ
ン酸、これらの不飽和ジカルボン酸のモノエステルおよ
びジエステルなどが挙げられる。アクリロニトリル結合
量は特に限定しないが、10〜30%が好ましい。
【0029】上記水素化ニトリルゴムに添加する可塑剤
としては、例えばポリジメチルシロキサンオイル、ジフ
ェニルシランジオール、トリメチルシラノール、その他
DOPなどのフタレート系、DOA、DIDAなどのア
ジペート系、DOS、DBSなどのセバケート系、TO
P、TBPなどのフォスフェート系、ポリエーテル系の
可塑剤を挙げることができる。可塑剤は熱老化による硬
化やブリード等を防止するために、少なくする方が好ま
しい。
【0030】カーボンブラックは、可塑剤のブリードを
抑制するとともに、硬度やモジュラスといった物性を高
く保つために配合するものであり、その配合量は特に制
限がないが、30〜100質量部、好ましくは40〜8
0質量部配合される。カーボンブラックの配合量が30
質量部未満であると、可塑剤のブリードが顕在化すると
共に硬度やモジュラスなどの物性が低下する。
【0031】本発明の水素化ニトリルゴム組成物には、
上記の可塑剤とカーボンブラック以外にも必要に応じて
種々の添加剤を配合する。例えば、架橋剤、老化防止
剤、耐熱剤、粘着付与剤、スコーチ防止剤、架橋促進
剤、促進助剤、架橋遅延剤、着色剤、紫外線吸収剤、難
燃剤、耐油性向上剤、その他充填剤等が挙げられる。
【0032】また、上記のジャケット10には、水素化
ニトリルゴムにエチレン−α−オレフィンエラストマー
を混合することもできる。水素化ニトリルゴムとエチレ
ン−α−オレフィンエラストマーの合計量100質量部
に対して、水素化ニトリルゴムが少なくとも30質量部
以上必要である。水素化ニトリルゴムが30質量部未満
になり、エチレン−α−オレフィンエラストマーの含有
量の多いジャケットは、ベルトスリーブのエチレン−α
−オレフィンエラストマーからなる圧縮ゴム層と相溶性
がよくなって密着し、離型性が悪くなる。
【0033】上記エチレン−α−オレフィンエラストマ
ーは、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン
−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からなるゴ
ムをいう。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペン
タジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボル
ネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなど
があげられる。
【0034】上記ジャケット10の製造方法としては、
円筒状ドラムに所定厚みの未加硫ゴム層を巻き付けて成
形体とし、この成形体の両端縁部の外方へ延びた未加硫
ゴムからなるフランジを付着した後、円筒状の他のジャ
ケットを嵌入してこれを加硫缶に入れて加硫した後、円
筒状ドラムから成形体を抜き取り得ることができる。
尚、ジャケット10内には、織物、編物、不織布等の繊
維材料のような補強材を積層することができる。
【0035】
【実施例】以下、更に具体的な実験例により本発明の効
果を確認する。 実施例1〜3、比較例1〜2 (ジャケットの作製)表1に示すゴム配合物をそれぞれ
バンバリーによって練り、これをカレンダーで厚さ0.
5mmの圧延シートにした。この圧延シートを外径1,
280mmの円筒状ドラムに24回巻き付けて厚さ12
mmの未加硫成形体とし、この成形体の両端縁部の外方
へ延びた同ゴム配合物のフランジを付着した後、円筒状
の他のジャケットを嵌入してこれを加硫缶に入れて加硫
した後、円筒状ドラムから加硫成形体を抜き取りジャケ
ットを作製した。加硫条件は170°C×20分、圧力
1.0MPaであった。
【0036】
【表1】
【0037】(ベルトスリーブの作製)金型の成形面
に、RFL液(スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン
三元共重合体100質量部、レゾルシン14.6質量
部、ホルマリン9.2質量部、苛性ソーダ1.5質量
部、水262.5質量部)のみで処理した綿帆布を1プ
ライ積層し、ポリエステル繊維のロープからなる心線を
巻付け、表2に示すEPDMのゴム組成物から調製し、
バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで厚さ
1mmに圧延した圧縮ゴム層用シートを3プライ、また
表2に示す厚さ0.5mmに圧延した接着ゴム層用シー
トとの積層物を巻き付けてベルトスリーブを作製した。
【0038】
【表2】
【0039】得られたベルトスリーブの外表面に離型剤
(カリ石鹸、脂肪酸グリコール)を塗付した場合と離型
剤を使用しない場合において、上記種々のジャケットを
嵌め込んで加硫(170°C×40分、圧力1.0MP
a)した後のジャケットの離型性を評価した。その結果
を表1に併記する。
【0040】この結果、実施例1のH−NBR/EPD
M(ブレンド比30/70)製ジャケットの離型性は、
離型剤を使用しなければ抜け難い状態であった。
【0041】実施例2のH−NBR/EPDM(ブレン
ド比50/50)製ジャケットの離型性は、離型剤を使
用しなくてもスムーズに抜くことができた。
【0042】実施例3のH−NBRのみからなるジャケ
ットの離型性は、離型剤を使用しなくてもスムーズに抜
くことができた。
【0043】比較例1のブチルゴム製ジャケットの離型
性は、離型剤を使用した場合でも抜け難い状態であっ
た。
【0044】比較例2のEPDM製ジャケットの離型性
は、離型剤を使用した場合でも、また離型剤を使用しな
い場合でも、抜けない状態であった。
【0045】
【発明の効果】以上のように本願の請求項記載の発明で
は、エチレン−α−オレフィンエラストマーからなるゴ
ム層を有するベルトスリーブを加硫する際に使用するジ
ャケットが、水素化ニトリルゴム単体もしくはこれにエ
チレン−α−オレフィンエラストマーを混合したゴム組
成物を架橋した筒状体であるために、離型剤を使用しな
くても優れた離型性を有し、使用回数を増加させること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型面上にベルトスリーブを成形している状態
を示す概略図である。
【図2】本発明に係るジャケットを金型面上に成形した
ベルトスリーブに被せた状態の断面図である。
【符号の説明】
1 金型 3 ゴム付き帆布 4 心線 5 接着ゴム層 6 圧縮ゴム層 7 ベルトスリーブ 10 ジャケット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−α−オレフィンエラストマー
    からなるゴム層を有するベルトスリーブを加硫する際に
    使用するジャケットであり、水素化ニトリルゴム単体も
    しくはこれにエチレン−α−オレフィンエラストマーを
    混合したゴム組成物を架橋した筒状体であることを特徴
    とするベルトスリーブの加硫用ジャケット。
  2. 【請求項2】 心線をゴム層中のスパイラルに埋設し、
    外周面にエチレン−α−オレフィンエラストマーからな
    るゴム層を配したベルトスリーブを加硫する際に使用す
    るジャケットであり、水素化ニトリルゴム単体もしくは
    これにエチレン−α−オレフィンエラストマーを混合し
    たゴム組成物を架橋した筒状体であることを特徴とする
    ベルトスリーブの加硫用ジャケット。
  3. 【請求項3】 水素化ニトリルゴムとエチレン−α−オ
    レフィンエラストマーの合計量100質量部に対して、
    水素化ニトリルゴムが少なくとも30質量部以上である
    請求項1または2記載のベルトスリーブの加硫用ジャケ
    ット。
  4. 【請求項4】 水素化ニトリルゴム単体もしくはこれに
    エチレン−α−オレフィンエラストマーを混合したゴム
    組成物を有機過酸化物で架橋した請求項1〜3のいずれ
    かに記載のベルトスリーブの加硫用ジャケット。
JP2001141072A 2001-02-06 2001-05-11 ベルトスリーブの加硫用ジャケット Pending JP2002307450A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001141072A JP2002307450A (ja) 2001-02-06 2001-05-11 ベルトスリーブの加硫用ジャケット

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001030224 2001-02-06
JP2001-30224 2001-02-06
JP2001141072A JP2002307450A (ja) 2001-02-06 2001-05-11 ベルトスリーブの加硫用ジャケット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002307450A true JP2002307450A (ja) 2002-10-23

Family

ID=26609016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001141072A Pending JP2002307450A (ja) 2001-02-06 2001-05-11 ベルトスリーブの加硫用ジャケット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002307450A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009034979A (ja) * 2007-07-06 2009-02-19 Mitsuboshi Belting Ltd ベルトスリーブの加硫用ジャケット
JP2021080440A (ja) * 2019-11-20 2021-05-27 三ツ星ベルト株式会社 成形用部材およびその用途

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009034979A (ja) * 2007-07-06 2009-02-19 Mitsuboshi Belting Ltd ベルトスリーブの加硫用ジャケット
JP2021080440A (ja) * 2019-11-20 2021-05-27 三ツ星ベルト株式会社 成形用部材およびその用途
JP7408527B2 (ja) 2019-11-20 2024-01-05 三ツ星ベルト株式会社 成形用部材およびその用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0243767B2 (ja)
JP2007170587A (ja) Vリブドベルト
JP2008291205A (ja) ベルト用ゴム組成物及びゴムベルト及び自動二輪車駆動用歯付ベルト
JP2004250709A (ja) ゴム組成物、その製造方法並びにそれらから得られる加硫された複合材料
JP2007009966A (ja) 伝動ベルト
JP5964674B2 (ja) 伝動ベルト
JP2012232517A (ja) 加硫用成形部材
JP2002307450A (ja) ベルトスリーブの加硫用ジャケット
JP2003012871A (ja) 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト
JP2009052740A (ja) Vベルト
JP4273682B2 (ja) 繊維部材、および繊維とゴムとの複合体
JPH11349752A (ja) ゴム組成物およびこれを用いた伝動ベルト
JP2002321228A (ja) ベルトスリーブの加硫用ジャケット
JP2006300149A (ja) 伝動ベルト
JP4495285B2 (ja) 伝動ベルト
JP5052999B2 (ja) ベルトスリーブの加硫用ジャケット
JP3623667B2 (ja) 動力伝動用ベルト
JP2006124484A (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び動力伝動ベルト
JP4550224B2 (ja) Vリブドベルト
JP4416060B2 (ja) 動力伝動用ベルト
JP4392563B2 (ja) 伝動ベルト
JP2003221470A (ja) 伝動ベルト用ゴム組成物及び伝動ベルト
JP2004292735A (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動ベルト
JP2004190686A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2614547B2 (ja) 動力伝動用ベルト