JP4623280B2 - ゴム組成物、加硫性ゴム組成物および加硫物 - Google Patents
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で表されるハイドロカルマイト化合物(B)1〜60重量部を含有してなるゴム組成物が提供される。
また、上記ハイドロカルマイト化合物(B)が、下記式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)および式(7)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、下記式(5)で表される化合物であることが、特に好ましい。
そして、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対し、さらにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸金属塩(C)3〜100重量部を含有してなる上記に記載のゴム組成物が提供される。
また、上記に記載のゴム組成物と、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対して0.2〜10重量部の有機過酸化物加硫剤(D)とを、含有してなる加硫性ゴム組成物、および、該加硫性ゴム組成物を加硫してなる加硫物が提供される。
で表されるハイドロカルマイト化合物(B)1〜60重量部を含有してなることを特徴とする。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体としては、ニトリル基を含有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば限定されず、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましい。
共役ジエン系単量体としては、α、β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能な共役ジエン含有化合物であれば限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
ハイドロカルマイト化合物(B)の含有量は、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対して好ましくは1〜60重量部、より好ましくは3〜50重量部、特に好ましくは5〜40重量部である。(B)成分の含有量が少なすぎると加硫物が耐油性に劣るおそれがあり、逆に多すぎると機械的特性に劣る可能性がある。
で表されるハイドロカルマイト化合物(B)1〜60重量部および有機過酸化物加硫剤(D)0.2〜10重量部を含有するものである。また、本発明の加硫性ゴム組成物は、さらにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸金属塩(C)3〜100重量部を含有することが好ましい。
調製した加硫性ゴム組成物を170℃で20分間、10MPaでプレスして加硫し、厚さ2mmのシートを得、これよりJIS K6251に従いJIS3号ダンベル形状の試験片を作製した。この試験片3枚を用いて引張強さ及び破断伸び(伸び)をJIS K 6251に従い、また、タイプAデュロメータ硬さをJIS K 6253に従い、それぞれ測定して常態物性とした。
上記(1)と同様にして作製した試験片3枚/試料をJIS K 6257のノーマルオーブン法に従って170℃に504→?時間置いてから取り出して上記(1)と同様にして引張強さ、伸び及び硬さを測定し、それらの上記(1)の常態物性からの変化の百分率(硬さは差)を求めた。各々の変化の絶対値が小さいほど、耐熱老化性に優れる。
試験片を浸せきしている間、150℃の試験用潤滑油1200mlに1分当たり50mlの空気を吹き込む以外はJIS K6258の規定と同様にして試験片を該潤滑油に168時間浸せきし、伸びを測定し、浸せきによる変化の百分率を求めた。また、浸せき前後の硬さを測定し、変化(差)を求めた。試験用潤滑油としては、IRM902(a油)、API・SJ/GF−2級油(ウルトラSUPER MILD SJ,本田技研工業社製、4サイクル四輪車用エンジンオイル、(b油)ならびに該API・SJ/GF−2級油99.6体積%および硝酸0.4体積%からなる試験油(c油)を用いた。伸び変化率および硬さの変化の絶対値が小さいほど、耐劣化油性に優れる。
ヨウ素価7のニトリル基含有共重合ゴム〔Zetpol 2000、日本ゼオン社製、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加物、アクリロニトリル単量体単位含有量36重量%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)85〕100部に、SRFカーボンブラック(シーストS、東海カーボン社製)25部、ハイドロカルマイト化合物(カルマックスC、日本化学工業社製、3CaO・Al2O3・CaCO3・10H2O、平均粒径10μm)20部、亜鉛華1号10部、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート(可塑剤)8部、4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(老化防止剤)1.5部、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(老化防止剤)1.5部および1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(バルカップ40KE、GEO Specialty Chemicals Inc製、有機過酸化物)8部(有機過酸化物純分3.2部)を配合し、50℃でロール混練して、加硫性ゴム組成物を調製した。この加硫性ゴム組成物を170℃で20分間、10MPaの圧力でプレスすることにより加硫し、厚さ2mmのシートとし、3号形ダンベルを用いて打ち抜いて、試験片を作製した。この試験片を用いて加硫物の常態物性、耐熱老化性および耐劣化油性を試験、評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、カーボンブラック25部を5部に、ハイドロカルマイト化合物20部を40部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に行った。実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に示す。
実施例1において、カーボンブラック25部を5部に、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン40%品8部を9部(有機過酸化物純分3.6部)にそれぞれ変更し、さらにメタクリル酸亜鉛15部を添加した他は実施例1と同様に行った。実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に示す。
実施例1において、ハイドロカルマイト化合物20部を用いず、カーボンブラック25部を40部に増量した他は実施例1と同様に行った。実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に示す。
実施例3において、ハイドロカルマイト化合物20部を用いず、カーボンブラック5部を25部に増量した他は実施例3と同様に行った。実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に示す。
実施例2において、ヨウ素価7のニトリル基含有共重合ゴム100部に代えてヨウ素価200以上のニトリル基含有共重合ゴム〔Nipol DN3350、日本ゼオン社製、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル単量体単位含有量33重量%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)50〕100部を用い、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン40%品8部を3部(有機過酸化物純分1.2部)に減量した他は実施例2と同様に行った。実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に示す。ただし、耐熱老化試験後の引張強さ、伸びおよび潤滑油浸せき試験後の伸びについては、硬さ変化が大きく実施できなかった。
実施例2において、ヨウ素価7のニトリル基含有共重合ゴム100部に代えて、下記によって得たヨウ素価150以上のニトリル基含有共重合ゴム〔アクリロニトリル単量体単位含有量59重量%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)88〕100部を用い、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン40%品8部を3部(有機過酸化物純分1.2部)に減量した他は実施例2と同様に行った。実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に示す。ただし、耐熱老化試験後の引張強さ、伸び、および潤滑油浸せき試験後の伸びについては、硬さが高くなり実施できなかった。
反応容器に水250部、アクリロニトリル80.0部および1,3−ブタジエン4.2部を仕込み、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部を、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.0部を、さらに活性剤として硫酸第一鉄0.015部をそれぞれ仕込み、十分に脱気した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロペルオキシド0.05部を仕込み、10℃で乳化重合を開始した。重合転化率が8%、24%および37%に達した時点で1,3−ブタジエンをそれぞれ6.1部、5.2部および4.5部を添加した。また、重合転化率が10%、25%、38%および47%に達した時点で活性剤と開始剤とをそれぞれ反応開始時と同量添加し、重合転化率が55%に達するまで重合を継続した。
重合転化率が55%になった時点で、0.2部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加して重合を停止させた。重合停止に続いて、加温し、減圧下70℃で水蒸気蒸留により未反応単量体を回収した後、老化防止剤としてアルキル化フェノールを2部添加し、共重合体ラテックスを得た。
凝固剤として塩化カルシウム3部を溶解した凝固水3000部を50℃に保持し、その中に上記共重合体ラテックスを滴下し、共重合ゴムを凝固させてクラムとし、水洗後、50℃、減圧下で乾燥して高ヨウ素価・高アクリロニトリル単位含有NBRを得た。
実施例2において、ハイドロカルマイト化合物25部を70部に増量した他は実施例2と同様に行った。実施例1と同様の試験、評価を行った結果を表1に示す。
一方、ハイドロカルマイトを用いる代わりにカーボンブラックを増量したり、メタクリル酸亜鉛を使用したりしても耐熱老化試験で伸びの低下や硬さの増加が大きく、また、潤滑油浸せき試験で伸びと硬さの変化が大きかった(比較例1、2)。原料ゴムとしてヨウ素価が高すぎるNBRを用いると引張試験ができないほど耐熱老化試験によっても潤滑油浸せき試験によっても硬さの変化が大きかった(比較例3)。また、原料ゴムとしてヨウ素価が高すぎ、かつ、アクリロニトリル単位含有量も高すぎるNBRを用いると、常態での硬さが高くなり、また、耐熱老化試験によっても潤滑油浸せき試験によっても硬さが高くて引張試験ができなかった(比較例4)。ハイドロカルマイトの配合量が多すぎると常態での引張強さの低下が大きかった(比較例5)。
Claims (6)
- 前記ハイドロカルマイト化合物(B)が、前記式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項2に記載のゴム組成物。
- ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対し、さらにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸金属塩(C)3〜100重量部を含有してなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴム組成物と、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対して0.2〜10重量部の有機過酸化物加硫剤(D)とを、含有してなる加硫性ゴム組成物。
- 請求項5に記載の加硫性ゴム組成物を加硫してなる加硫物。
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