JPWO2004106429A1 - ゴム組成物およびその架橋成形物 - Google Patents
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Abstract
ニトリル共重合ゴム(A)、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)およびグラフト共重合体(C)を含有してなる組成物であって、グラフト共重合体(C)が、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、α,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれた単量体を共重合させて得られるものであり、グラフト共重合体(C)中のα,β−エチレン性不飽和単量体単位および芳香族ビニル単量体単位の合計含有量が10〜60重量%であり、グラフト共重合体(C)の含有量がニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計100重量部に対して1〜30重量部であり、かつ、ニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計量に対する、ニトリル共重合ゴム(A)の含有量が50〜80重量%、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)が20〜50重量%であるゴム組成物。
Description
本発明は、耐オゾン性、機械的強度および伸張性に優れ、かつ層状剥離を生じ難い架橋成形物の材料となるゴム組成物およびその架橋成形物に関する。
従来、耐油性と耐オゾン性とを併せ持つゴム材料として、クロロプレンゴムが広く用いられている。しかし、クロロプレンゴムは塩素を含み環境問題の原因となる恐れがあるため、それに代わる代替材料が求められてきている。
クロロプレンゴムに代わる材料としてニトリル・共役ジエン共重合ゴムとオレフィン系エラストマーとからなるゴム組成物が検討されている。しかし、この二種のゴムのみを混練しても均一に混ざり合わず、その結果、このゴム組成物を架橋成形して得られる成形物は耐オゾン性には優れるものの、機械的強度や屈曲疲労性に劣り、使用中にニトリル・共役ジエン共重合ゴムとオレフィン系エラストマーとの界面で層状剥離が生じることがあった。そこで、このように均一に分散させるのが極めて困難なニトリル・共役ジエン共重合ゴムとオレフィン系エラストマーとからなるゴム組成物に、両者の相溶性を改良することを目的として、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体にスチレンと極性ビニル化合物との混合物を共重合させて得られたグラフト共重合体を添加することが提案された(例えば、特開昭54−106554号公報を参照)。しかし、この組成物を架橋成形すると、耐老化性や耐油性に優れた架橋成形物が得られるものの、層状剥離の抑制はまだ十分なものではなかった。
本発明の目的は、上記背景技術に鑑み、耐オゾン性、機械的強度および伸張性に優れ、かつ層状剥離を生じ難い架橋成形物の材料となるゴム組成物、およびその架橋成形物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、均一に分散させるのが困難な、ニトリル共重合ゴムとエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとのポリマーアロイに、特定のグラフト共重合体を配合してなるゴム組成物は、耐オゾン性、機械的強度および伸張性に優れかつ層状剥離を実質的に生じない架橋物を与えることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、ニトリル共重合ゴム(A)、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)およびグラフト共重合体(C)を含有してなる組成物であって、
グラフト共重合体(C)が、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、α,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれた少なくとも一種の単量体を共重合させて得られるものであり、グラフト共重合体(C)中のα,β−エチレン性不飽和単量体単位および芳香族ビニル単量体単位の合計含有量が10〜60重量%であり、グラフト共重合体(C)の含有量がニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計100重量部に対して1〜30重量部であり、
ニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計量に対する、ニトリル共重合ゴム(A)の含有量が50〜80重量%、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)が20〜50重量%であるゴム組成物が提供される。
グラフト共重合体(C)が、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、α,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれた少なくとも一種の単量体を共重合させて得られるものであり、グラフト共重合体(C)中のα,β−エチレン性不飽和単量体単位および芳香族ビニル単量体単位の合計含有量が10〜60重量%であり、グラフト共重合体(C)の含有量がニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計100重量部に対して1〜30重量部であり、
ニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計量に対する、ニトリル共重合ゴム(A)の含有量が50〜80重量%、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)が20〜50重量%であるゴム組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、上記ゴム組成物に架橋剤を配合した架橋性ゴム組成物を架橋成形してなる架橋成形物が提供される。
本発明のゴム組成物は、ニトリル共重合ゴム(A)、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)およびグラフト共重合ゴム(C)を含有して成る。
本発明で使用するニトリル共重合ゴム(A)(以下、ゴム(A)と略記することがある)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、これと共重合可能な単量体単位とからなり、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは33〜60重量%含有する。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると架橋成形物は耐油性に劣り、逆に、多すぎると耐寒性に劣る。
上記ニトリル共重合ゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と、これと共重合可能な単量体とを共重合させ、必要に応じて主鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化して得ることができる。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどを挙げることができる。これらの中でも、アクリロニトリルが好ましい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体の例としては、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体、α−オレフィン、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル系単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸およびその無水物、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、共重合性の老化防止剤などを挙げることができる。これらの中でも、共役ジエン単量体が好ましい。ニトリル共重合ゴム(A)中のこれら単量体単位の含有量は、好ましくは70〜20重量%、より好ましくは40〜65重量%である。
共役ジエン単量体としては、炭素数4〜8のものが好ましく、その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどを挙げることができる。中でも、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
非共役ジエン単量体は、炭素数5〜12のものが好ましく、その具体例としては1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。
α−オレフィンとしては、炭素数が3〜12のものが好ましく、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどを挙げることができる。
芳香族ビニル単量体としては、炭素数8〜16のものが好ましく、その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどを挙げることができる。フッ素含有ビニル系単量体としては、炭素数2〜12のものが好ましく、その具体例としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどを挙げることができる。
芳香族ビニル単量体としては、炭素数8〜16のものが好ましく、その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどを挙げることができる。フッ素含有ビニル系単量体としては、炭素数2〜12のものが好ましく、その具体例としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどを挙げることができる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、炭素数3〜8のものが好ましく、その具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸などを挙げることができる。α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸としては、炭素数4〜12のものが好ましく、その具体例としては、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などを挙げることができる。α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の無水物としては、炭素数5〜12のものが好ましく、その具体例としては、無水イタコン酸、無水マレイン酸などを挙げることができる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレートなどの、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;α−シアノエチルアクリレート、β−シアノエチルアクリレート、シアノブチルメタクリレートなどの、炭素数2〜12のシアノアルキル基を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノn−ブチルなどの、炭素数1〜18のアルキル基を有するα,β−エチレン性ジカルボン酸モノアルキルエステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどの、炭素数1〜18のアルキル基を有するα,β−エチレン性ジカルボン酸ジアルキルエステル;ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートなどの、炭素数2〜12のアルキルアミノアルキル基またはアミノアルキル基を有するα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;トリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレートなどの炭素数1〜18のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート;および、フルオロベンジルアクリレート、フルオロベンジルメタクリレートなどのフッ素置換ベンジル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
共重合性の老化防止剤の具体例としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどを挙げることができる。
ゴム(A)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは50,000〜3,000,000であり、より好ましくは70,000〜2,000,000であり、さらに好ましくは100,000〜1,500,000である。
また、ゴム(A)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜250、特に好ましくは30〜200である。ムーニー粘度が小さすぎると架橋物の機械的物性が劣る場合があり、逆に、大きすぎると加工性に劣る場合がある。
本発明で用いるエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)(以下、ゴム(B)と略記することがある)は、エチレン、α−オレフィンおよび必要に応じてこれらと共重合可能な単量体を共重合したゴムである。
ゴム(B)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィにより測定し、標準ポリスチレン換算値として、好ましくは50,000〜500,000、より好ましくは60,000〜300,000、特に好ましくは70,000〜200,000である。ゴム(B)の数平均分子量が小さすぎると架橋成形物が機械的強度に劣り、逆に、大きすぎると成形材料としての加工性に劣る。
α−オレフィンは炭素数3〜20のものが好ましく、その具体例としては、1−プロペン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。
ゴム(B)中のエチレン単位の含有量は、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは60〜97重量%、特に好ましくは65〜95重量%である。α−オレフィン単位の含有量は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%、特に好ましくは5〜35重量%である。ゴム(B)中のα−オレフィン単位の含有量が少なすぎると架橋物成形物の機械的強度に劣り、逆に、多すぎると耐寒性に劣る。
ゴム(B)は、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、エチレンおよびα−オレフィンと共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。そのような「他の単量体」としては、スチレン、ハロゲン置換スチレン、アルキル置換スチレンなどの芳香族ビニル単量体;ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどのジエン単量体;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどのシクロオレフィン単量体などが挙げられる。これら「他の単量体」の量は、0〜30重量%であることが好ましい。
ゴム(B)の製造方法は、特に限定されず、公知の方法で共重合すればよく、通常、溶液重合で製造される。
本発明に用いるグラフト共重合体(C)は、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、α,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれた少なくとも一種の単量体を共重合させて得られるものである。
炭素数4以上のα−オレフィンとしては、炭素数4〜10のものが好ましく、その具体例としては、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。これらの中でも、1−オクテンが特に好ましい。
グラフト共重合体(C)の製造に用いる、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体は、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンと共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよく、そのような他の単量体の例としては、前記ゴム(B)において共重合可能な単量体として例示したものと同様なものが挙げられる。共重合体中のそのような他の単量体単位の量は30重量%以下であることが好ましい。
上記のエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が、好ましくは5〜50、より好ましくは10〜45、さらに好ましくは15〜40である。
上記のエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体にα,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれた少なくとも一種の単量体を共重合させて得られるグラフト共重合体(C)は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が、好ましくは5〜240、より好ましくは10〜200、さらに好ましくは15〜180である。グラフト共重合体(C)のムーニー粘度が小さすぎると架橋成形物の機械的物性が劣る場合があり、逆に、大きすぎるとゴム組成物の加工性に劣る場合がある。
α,β−エチレン性不飽和単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体;メタクリル酸、およびメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;アクリル酸、およびメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;メチルビニルケトンなどのビニルケトン;ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニルエステル;などが挙げられる。なかでも、アクリロニトリルが特に好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレンなどが挙げられる。なかでも、スチレンが特に好ましい。
エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に上記α,β−エチレン性不飽和単量体および/または芳香族ビニル単量体を共重合させる方法は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。具体的には(1)エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとを共重合させる際に、α,β−エチレン性不飽和単量体および/または芳香族ビニル単量体も共重合させる方法、(2)エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、α,β−エチレン性不飽和単量体および/または芳香族ビニル単量体をグラフト付加させる方法などを用いることができる。前記(1)の方法においては、共重合の方法は、乳化重合、溶液重合などいずれの方法でもよく、(2)の方法においては、グラフト付加反応法は、熱による方法、電子線や紫外線などによる方法、これらを組み合わせた方法のいずれでもよい。
グラフト共重合体(C)は、その中のα,β−エチレン性不飽和単量体単位および芳香族ビニル単量体単位の合計含有量が、10〜60重量%、好ましくは20〜55重量%、より好ましくは25〜55重量%である。グラフト共重合体(C)中のこれら単量体単位の合計含有量が少な渦ぎるとグラフト共重合体(C)とゴム(A)との相容性が悪くなり、逆に、単量体単位の合計含有量が多過ぎるとグラフト共重合体(C)とゴム(B)との相容性が低下するとともにゴム組成物が硬くなる。
本発明のゴム組成物は、上記グラフト共重合体(C)の含有量が、ニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部、特に好ましくは3〜15重量部である。グラフト共重合体(C)の含有量が少なすぎると、架橋成形物の耐オゾン性に劣り、逆に、多すぎると耐油性に劣る。
また、本発明のゴム組成物は、ニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計量に対する、ニトリル共重合ゴム(A)の含有量が50〜80重量%、好ましくは53〜78重量%、特に好ましくは55〜75重量%であり、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)が20〜50重量%、好ましくは22〜47重量%、特に好ましくは25〜45重量%である。ゴム組成物中のゴム(A)の含有量が少なすぎると架橋成形物が耐油性に劣り、逆に、多すぎると耐オゾン性が劣る。ゴム(B)の含有量が少なすぎると架橋成形物の屈曲疲労性に劣り、逆に、多すぎると機械的強度に劣る。
本発明のゴム組成物は、架橋剤を配合することにより架橋性ゴム組成物とすることができる。架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物、ポリアミン系架橋剤などが例示される。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物などの有機硫黄化合物;などが挙げられる。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが挙げられる。ジアルキルパーオキサイドの具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイドの具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。パーオキシエステルの具体例としては、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。
ポリアミン系架橋剤は、2つ以上のアミノ基を有する化合物であって、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素がアミノ基またはヒドラジド構造、すなわち−CO NHNH2で表される構造に置換されたものである。ポリアミン系架橋剤には、脂肪族多価アミン類、芳香族多価アミン類、ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物などが含まれる。脂肪族多価アミン類の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩などが挙げられる。芳香族多価アミン類の具体例としては、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシジフェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)などが挙げられる。ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物の具体例としては、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
架橋剤の使用量は、架橋剤の種類により異なるが、概ね、本発明のゴム組成物100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。架橋剤の使用量が少なすぎると架橋密度が低くなり架橋成形物の耐油性に劣る場合があり、逆に、多すぎると屈曲疲労性に劣る。
硫黄系架橋剤を用いる場合は、通常、架橋促進剤を併用する。架橋促進剤としては、亜鉛華、スルフェンアミド系架橋促進剤、グアニジン系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、チウラム系架橋促進剤、ジチオ酸塩系架橋促進剤などが挙げられる。架橋促進剤の使用量は特に限定されず、架橋成形物の用途、要求性能、硫黄架橋剤の種類、架橋促進剤の種類などに応じて決めればよい。
また、有機過酸化物を用いる場合は、通常、架橋助剤を併用する。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドなどが挙げられる。これらは、クレー、炭酸カルシウム、シリカなどに分散させ、ゴム組成物の加工性を改良したものを使用してもよい。架橋助剤の使用量は特に限定されず、架橋物の用途、要求性能、架橋剤の種類、架橋助剤の種類などに応じて決めればよい。
本発明のゴム組成物には、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、一般的なゴムに使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、シリカなどの補強剤;炭酸カルシウム、クレー、タルク、ケイ酸カルシウムなどの充填剤;α,β−不飽和カルボン酸金属塩;可塑剤;顔料などを含有していてもよい。また、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、ゴム(A)、ゴム(B)およびグラフト共重合体(C)以外のゴムまたは樹脂を含有してもよい。
本発明のゴム組成物の調製方法は特に限定されず、他のゴム組成物と同様に一般的なゴム組成物の調製方法を採ればよい。混練には、密閉式混合機やオープンロールなどを用いればよい。架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤などを配合する場合、配合後は、架橋開始温度以下になるように温度調整をして混合する。
本発明の架橋成形物は、前述の本発明のゴム組成物を架橋成形したものである。ゴム組成物を架橋する方法は、特に限定されず、一般的なゴムの架橋方法で架橋することができる。
架橋時の温度は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは130〜190℃、特に好ましくは140〜180℃である。温度が低すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が低くなったりする場合がある。逆に、温度が高すぎる場合は、成形不良になる場合がある。また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、形状などにより異なるが、1分以上、5時間以下の範囲が架橋密度と生産効率の面から好ましい。
また、成形の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても、内部まで十分に架橋していない場合があるので、二次架橋を行ってもよい。
架橋するための加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法から適宜選択すればよい。
架橋するための加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法から適宜選択すればよい。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。部および%は、特に記載のない限り、重量基準である。なお、試験方法などは、下記のように行った。
(重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で標準ポリスチレン換算値として測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で標準ポリスチレン換算値として測定した。
(ムーニー粘度)
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS K6300従って測定した。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS K6300従って測定した。
(耐オゾン性)
JIS K6259に従い、同JIS4項記載の試験片を作製して、オゾン濃度80pphm、温度40℃、伸長率40%の環境下に保持し、保持開始後72時間および120時間でのクラックの発生状態をJIS K6259の表1に従って評価した。NCはクラックが発生しないことを表し、A−1、A−2、A−3はクラックの状態を表す。A−1からA−3へと数値が大きくなるほどクラックの亀裂が大きいが、いずれも試験片は破断には至っていない。CUTは、クラックにより試験片が破断したことを表す。
JIS K6259に従い、同JIS4項記載の試験片を作製して、オゾン濃度80pphm、温度40℃、伸長率40%の環境下に保持し、保持開始後72時間および120時間でのクラックの発生状態をJIS K6259の表1に従って評価した。NCはクラックが発生しないことを表し、A−1、A−2、A−3はクラックの状態を表す。A−1からA−3へと数値が大きくなるほどクラックの亀裂が大きいが、いずれも試験片は破断には至っていない。CUTは、クラックにより試験片が破断したことを表す。
(層状剥離)
架橋性ゴム組成物をプレス圧12MPa、160℃で20分間加熱して、厚さ4mmの25mm×150mmのシート状架橋成形物を作成した。この架橋成形物を23℃または100℃に放置し、角部分の厚さ方向の中央に上下の面と平行に形成される切り込みを入れ、この切り込みで分けられた上下の角部分をそれぞれ引張試験機用つかみ具に取り付け、引張試験機を用いて毎分50mmで上下に引張り、前記切り込みがさらに進行してシートが破壊されたときの状態を観察した。そして、前記の切り込みにそって、2枚のシートに分離しやすいものを層状に剥離しやすいと判断した。
架橋性ゴム組成物をプレス圧12MPa、160℃で20分間加熱して、厚さ4mmの25mm×150mmのシート状架橋成形物を作成した。この架橋成形物を23℃または100℃に放置し、角部分の厚さ方向の中央に上下の面と平行に形成される切り込みを入れ、この切り込みで分けられた上下の角部分をそれぞれ引張試験機用つかみ具に取り付け、引張試験機を用いて毎分50mmで上下に引張り、前記切り込みがさらに進行してシートが破壊されたときの状態を観察した。そして、前記の切り込みにそって、2枚のシートに分離しやすいものを層状に剥離しやすいと判断した。
製造例1[ニトリル共重合ゴム(A)の調製]
下記の重合処方により、耐圧容器中、5℃で重合転化率84%まで乳化重合反応を行い、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)のエマルジョンを得た。反応液のpHは重合前に予め10.5に調整した。
下記の重合処方により、耐圧容器中、5℃で重合転化率84%まで乳化重合反応を行い、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)のエマルジョンを得た。反応液のpHは重合前に予め10.5に調整した。
重合処方 添加量(重量部)
クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤) 0.01
硫酸第一鉄(還元剤) 0.01
t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤) 0.5
オクチル硫酸ナトリウム 2.0
脱イオン水 190
アクリロニトリル 33
ブタジエン 67
クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤) 0.01
硫酸第一鉄(還元剤) 0.01
t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤) 0.5
オクチル硫酸ナトリウム 2.0
脱イオン水 190
アクリロニトリル 33
ブタジエン 67
生成したエマルジョンを、塩化カルシウム(凝固剤)の水溶液に注いで重合体クラムのスラリー(水分散液)を得た。前記重合体クラムのスラリーを金網でろ過して凝固剤を含む水(セラム水)を除いて重合体クラムを回収した。回収された重合体クラムに水を加え十分に撹拌して水洗し、次いで、重合体クラムのスラリーを金網でろ過してセラム水を除き、重合体クラムを回収した。回収された重合体クラムを50℃で減圧乾燥してニトリル共重合ゴム(a1)を得た。ニトリル共重合ゴム(a1)、すなわちアクリロニトリル−ブタジエンゴムの重量平均分子量は400,000であった。
製造例2[グラフト共重合体(C)の調製]
温度調節用ジャケット、リボン型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、予め均一に溶解したエチレン−オクテン共重合体(エチレン60%、ムーニー粘度23)70部を含有するトルエン溶液300部を仕込み、スチレン20部、アクリロニトリル10部およびベンゾイルパーオキシド0.5部を添加し、80℃で7時間、さらに100℃まで昇温して4時間重合反応させた。重合率は94%であった。
温度調節用ジャケット、リボン型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、予め均一に溶解したエチレン−オクテン共重合体(エチレン60%、ムーニー粘度23)70部を含有するトルエン溶液300部を仕込み、スチレン20部、アクリロニトリル10部およびベンゾイルパーオキシド0.5部を添加し、80℃で7時間、さらに100℃まで昇温して4時間重合反応させた。重合率は94%であった。
取り出した粘稠な溶液から水蒸気蒸留によりトルエンおよび残留単量体を除き、細かく粉砕した後、60℃で一昼夜乾燥してスチレンおよびアクリロニトリルの含有量30%のグラフト共重合体(c1)を得た。
得られたグラフト共重合体(C)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)を測定し、その結果を表1に示す。
得られたグラフト共重合体(C)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)を測定し、その結果を表1に示す。
製造例3[グラフト共重合体(C)の調製]
エチレン−オクテン共重合体50部、スチレン35部、アクリロニトリル15部に変えたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c2)を得た。
エチレン−オクテン共重合体50部、スチレン35部、アクリロニトリル15部に変えたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c2)を得た。
製造例4[グラフト共重合体(C)の調製]
エチレン−オクテン共重合体70部、スチレン10部、アクリロニトリル10部およびブチルアクリレート10部を用いたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c3)を得た。
エチレン−オクテン共重合体70部、スチレン10部、アクリロニトリル10部およびブチルアクリレート10部を用いたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c3)を得た。
製造例5[グラフト共重合体(c)の調製]
エチレン−オクテン共重合体35部、スチレン45部、アクリロニトリル20部に変えたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c4)を得た。
エチレン−オクテン共重合体35部、スチレン45部、アクリロニトリル20部に変えたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c4)を得た。
製造例6[グラフト共重合体(C)の調製]
エチレン−プロピレン共重合体(エチレン70%)50部、スチレン20部、アクリロニトリル30部に変えたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c5)を得た。
エチレン−プロピレン共重合体(エチレン70%)50部、スチレン20部、アクリロニトリル30部に変えたこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合体(c5)を得た。
製造例1で調製したゴム(a1)70部、ゴム(B)(エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPT4070、三井化学製、エチレン単位含量59%、プロピレン単位含量30%、ヨウ素価22、数平均分子量90,000))30部、製造例2で調製したグラフト重合体(c1)5部、ステアリン酸1部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、正同化学)5部、カーボンブラック(シースト3、東海カーボン社製)40部、ジブチルジグリコールアジペート(アデカサイザーRS−107、旭電化社製、可塑剤)5部、ナフテン系オイル(サンセン415、日本サン石油社製、軟化剤)5部およびジフェニルアミン誘導体(アンテージOD、川口化学社製、老化防止剤)1部をバンバリーで、50℃に制御しながら5分間混練した。その後、硫黄(325メッシュ通過品)1部、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(架橋促進剤)2部、テトラエチルチウラムジスルフィド(架橋促進剤)0.2部を50℃でロール混練して、ゴム組成物を調製した。
このゴム組成物を、160℃、20分、プレス圧10MPaでプレス架橋を行い、シートを得、各試験片を作製した後、耐オゾン性および層状剥離を評価した。その結果を表1に示す。
実施例2、実施例3
グラフト共重合体(c1)の代わりに、それぞれ、製造例3で調製したグラフト重合体(c2)、製造例4で調製したグラフト重合体(c3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、シートを得、実施例1と同様の評価をおこなった。その結果を表1に示す。
グラフト共重合体(c1)の代わりに、それぞれ、製造例3で調製したグラフト重合体(c2)、製造例4で調製したグラフト重合体(c3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、シートを得、実施例1と同様の評価をおこなった。その結果を表1に示す。
比較例1、比較例2
グラフト共重合体(c1)の代わりに、それぞれ、製造例5で調製したグラフト重合体(c4)、製造例6で調製したグラフト重合体(c5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、シートを得、実施例1と同様の評価をおこなった。その結果を表1に示す。
グラフト共重合体(c1)の代わりに、それぞれ、製造例5で調製したグラフト重合体(c4)、製造例6で調製したグラフト重合体(c5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、シートを得、実施例1と同様の評価をおこなった。その結果を表1に示す。
表中の語句、記号などの説明は以下の通りである。
EOR:エチレン−オクテン共重合体、EPR:エチレン−プロピレン共重合体、St:スチレン、AN:アクリロニトリル、Ba:ブチルアクリレート
EOR:エチレン−オクテン共重合体、EPR:エチレン−プロピレン共重合体、St:スチレン、AN:アクリロニトリル、Ba:ブチルアクリレート
表1からわかるように、グラフト共重合体(C)中のスチレンおよびアクリロニトリルのグラフト共重合含有量が60%を超えるゴム組成物の架橋成形物は耐オゾン性に劣り、層状剥離現象が見られる(比較例1)。また、グラフト共重合体(C)の主鎖ポリマーの共重合成分であるα−オレフィンの炭素数が4以下であるゴム組成物の架橋成形物は層状剥離現象が十分に改良されない(比較例2)。
これに対し、本発明の架橋成形物は、耐オゾン性に優れかつ層状剥離が改良されている(実施例1〜3)。
本発明の架橋成形物は、耐油性、耐オゾン性、機械的強度および伸張性に優れかつ層状剥離を生じ難い。そのため、本発明の架橋成形物は、クロロプレンゴムの代替材料として、ロール、ホース、ベルト、シール材などの工業部品として好適に用いられる。具体的には、パッキン、燃料ホース、エアインテークホース、エアダクトホース、ブーツ材、自動車内装部材などの自動車用ゴム部品として特に好適である。
Claims (11)
- ニトリル共重合ゴム(A)、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)およびグラフト共重合体(C)を含有してなる組成物であって、
グラフト共重合体(C)が、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、α,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれた少なくとも一種の単量体を共重合させて得られるものであり、グラフト共重合体(C)中のα,β−エチレン性不飽和単量体単位および芳香族ビニル単量体単位の合計含有量が10〜60重量%であり、グラフト共重合体(C)の含有量がニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計100重量部に対して1〜30重量部であり、
ニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計量に対する、ニトリル共重合ゴム(A)の含有量が50〜80重量%、エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)が20〜50重量%であるゴム組成物。 - ニトリル共重合ゴム(A)が、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位30〜80重量%およびこれと共重合可能な単量体の単位70〜20重量%とからなる共重合体または該共重合体の水素化物である請求項1記載のゴム組成物。
- ニトリル共重合ゴム(A)の調製に用いるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体が、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびα−クロロアクリロニトリルか選ばれ、これと共重合可能な単量体が、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体、α−オレフィン、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル系単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸またはその無水物、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、および共重合性の老化防止剤の中から選ばれる請求項2記載のゴム組成物。
- ニトリル共重合ゴム(A)の調製に用いるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体が共役ジエン単量体である請求項2記載のゴム組成物。
- エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)が、エチレン50〜99重量%、炭素数3〜20のα−オレフィン1〜50重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜30重量%からなる共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- グラフト共重合体(C)の調製に用いるエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体が、エチレンと1−オクテンとの共重合体である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- グラフト共重合体(C)が、(1)エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとを共重合させる際に、α,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれる少なくとも一種の単量体をも共重合させる方法、または(2)エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、α,β−エチレン性不飽和単量体および芳香族ビニル単量体の中から選ばれる少なくとも一種の単量体をグラフト付加させる方法によって調製したものである請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
- グラフト共重合体(C)が、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体に、アクリロニトリルおよびスチレンの中から選ばれた少なくとも一種の単量体を共重合させて得られるものである請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
- グラフト共重合体(C)中のα,β−エチレン性不飽和単量体単位および芳香族ビニル単量体単位の合計含有量が20〜55重量%であり、グラフト共重合体(C)の含有量が、ニトリル共重合ゴム(A)およびエチレンとα−オレフィンとの共重合ゴム(B)の合計100重量部に対して2〜20重量部である請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物に架橋剤を配合した架橋性ゴム組成物を架橋成形してなる架橋成形物。
- 架橋剤が硫黄系架橋剤、有機過酸化物およびポリアミン系架橋剤の中から選ばれる請求項10記載の架橋成形物。
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