JP5381985B2 - ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム - Google Patents

ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム Download PDF

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Description

本発明は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに係り、さらに詳しくは、常態物性および耐熱性が良好で、優れた耐油性を有する架橋物を与えることのできるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに関する。
水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムに代表されるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの、主鎖構造に炭素−炭素間不飽和結合の多い、一般的なニトリル基含有共重合ゴムに比べて、耐熱性、耐油性、耐オゾン性などに優れている。
しかし、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのニトリル基含有量や炭素−炭素間結合中の不飽和結合の割合などによっては、ニトリル基含有共重合体ゴムに比べて耐寒性が劣る場合があった。また、最近では、耐油性についてもより一層の改善が求められてきている。
これに対して、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの耐寒性を向上させるために、たとえば、特許文献1では、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体単位、共役ジエン系単量体単位、および飽和化共役ジエン系単量体単位を所定割合で有し、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が10℃以下であるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムが提案されている。
しかしながら、この特許文献1記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは、耐寒性に優れるものの、油に接触して用いられるベルト(たとえば、自動車部品用としてのベルト)等として使用した場合に、最近の厳しい要求水準に対しては耐油性が必ずしも十分でなく、そのため、更なる耐油性の向上が望まれていた。
特開2001−114940号公報(米国特許第6548604号明細書)
本発明は、常態物性および耐熱性が良好であり、かつ、耐油性に優れた架橋物を与えることのできるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを提供することを目的とする。また、本発明は、このようなニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに架橋剤を添加してなる架橋性ゴム組成物、およびこの架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物を提供することも目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と共役ジエン単量体単位(b)とを所定割合で含有し、かつ、架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が5〜20℃の範囲にあるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と、共役ジエン単量体単位(b)とを有し、前記共役ジエン単量体単位(b)の少なくとも一部を水素化してなるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムであって、前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)の含有割合が37〜45重量%、前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と前記共役ジエン単量体単位(b)との合計が93重量%以上、ヨウ素価が9以下であり、架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が5〜20℃の範囲にあることを特徴とするニトリル基含有高飽和共重合体ゴムが提供される。
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムにおいては、前記共役ジエン単量体単位(b)の含有割合が48〜63重量%であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと、架橋剤とを含有してなる架橋性ゴム組成物が提供される。
本発明の架橋性ゴム組成物においては、前記架橋剤が有機過酸化物であることが好ましい。
さらに、本発明によれば、上記架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。本発明のゴム架橋物は、油に接触して使用する部品として好適に用いられる。
本発明によれば、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを製造するに際して、
共重合に用いる単量体の全量を100重量%とした場合に、単量体の全量のうち90〜99重量%を用いて共重合を開始し、次いで、重合転化率が40〜90%となった時点で、共重合に用いる単量体の全量のうちの残部を追加添加して共重合体を得た後、
該共重合体に対して、選択的に水素添加することを特徴とする上記に記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの製造方法が提供される。
本発明によれば、常態物性および耐熱性が良好であり、かつ、耐油性に優れた架橋物を与えることのできるニトリル基含有高飽和共重合体ゴム、およびこれを架橋して得られ、常態物性および耐熱性が良好であり、かつ、耐油性に優れたゴム架橋物を提供することができる。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と、共役ジエン単量体単位(b)とを有し、前記共役ジエン単量体単位(b)の少なくとも一部を水素化してなり、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)の含有割合が37〜45重量%、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と共役ジエン単量体単位(b)との合計が93重量%以上、ヨウ素価が9以下であり、架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が5〜20℃の範囲にあるものである。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)を形成する単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば限定されず、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体として、これらの複数種を併用してもよい。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム中における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)の含有割合は、全単量体単位中、37〜45重量%であり、好ましくは38〜42重量%であり、特に好ましくは39〜41重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)の含有割合が上記範囲にあることで、耐油性および耐寒性に優れ、損失正接tanδのピークの半値幅が5〜20℃の範囲にある架橋物が得られやすくなる。
共役ジエン単量体単位(b)を形成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらのなかでも、1,3−ブタジエンが好ましい。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム中における、共役ジエン単量体単位(b)の含有割合は、全単量体単位中、好ましくは48〜63重量%であり、より好ましくは51〜62重量%、特に好ましくは59〜61重量%である。なお、共役ジエン単量体単位(b)は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム中において、少なくとも一部、好ましくは共役ジエン単量体単位(b)全量に対して97〜99.8重量%は、水素化された状態で含有され、上記含有割合は、水素化された状態で含有される共役ジエン単量体単位(b)をも含む割合である。共役ジエン単量体単位(b)の含有割合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の弾性が低下するおそれがある。一方、多すぎると、得られるゴム架橋物の耐油性、耐熱老化性、耐化学的安定性などが損なわれる可能性がある。
また、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム中における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と共役ジエン単量体単位(b)との合計の含有割合は、全単量体単位中、93重量%以上であり、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98〜100重量%である。これらの含有割合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の耐油性が低下する場合がある。なお、これら合計の含有割合は、水素化された状態で含有される共役ジエン単量体単位(b)をも含む割合である。
また、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)や共役ジエン単量体単位(b)を形成する単量体と共重合可能なその他の単量体の単位を含有していても良い。共重合可能なその他の単量体単位を形成する単量体としては、たとえば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物単量体、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル単量体、共重合性老化防止剤などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチルなどのアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルであって、アルキル基の炭素数が1〜18のもの;アクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチルなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステルおよびメタクリル酸アルコキシアルキルエステルであって、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸α−シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどのアクリル酸シアノアルキルエステルおよびメタクリル酸シアノアルキルエステルであって、シアノアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸ヒドロキシアルキルエステルおよびメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜12のもの;アクリル酸フルオロベンジル、メタクリル酸フルオロベンジルなどのフッ素置換ベンジル基含有アクリル酸エステルおよびフッ素置換ベンジル基含有メタクリル酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどのフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルおよびフルオロアルキル基含有メタクリル酸エステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチルなどの不飽和多価カルボン酸ポリアルキルエステル;アクリル酸ジメチルアミノメチルなどのアミノ基含有α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノn−ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノシクロヘキシルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル、マレイン酸モノメチルシクロペンチルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノn−ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル、フマル酸モノシクロペンチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル、シトラコン酸モノn−ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル、シトラコン酸モノメチルシクロペンチルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノn−ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノシクロペンチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル;などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物単量体としては、たとえば、無水マレイン酸などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、フルオロエチルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレンなどが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
これらの共重合可能なその他の単量体として、複数種類を併用してもよい。これらの共重合可能なその他の単量体の単位を含有する場合における、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム中の含有割合は、全単量体単位中、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。
なお、本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを、油に接触して用いられるゴム部品(たとえば、自動車部品用としてのベルト等)とする場合には、得られるゴム架橋物の耐油性を良くするために、カルボン酸エステル基またはカルボキシル基を有する単量体を共重合単量体として用いない方が好ましいが、このようなカルボン酸エステル基またはカルボキシル基を有する単量体(たとえば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体やα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物単量体)の単位を含有させる場合には、その含有割合を、全単量体単位中、5重量%以下とすることが望ましい。
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは、ヨウ素価が9以下である。ヨウ素価が高すぎると、得られるゴム架橋物の耐熱老化性や耐オゾン性が低下するおそれがある。
また、本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムは、架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が、5〜20℃の範囲であり、好ましくは10〜17℃の範囲、より好ましくは12〜15℃の範囲である。架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、常態物性および耐熱性を良好なものとしながら、耐油性の向上が可能となる。
架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅は、たとえば、次の条件により測定することができる。すなわち、粘弾性測定装置を用いて、測定周波数10Hz、静的歪0.5%、動的歪0.2%、昇温速度3℃/分の条件で測定することができる。なお、架橋物とした場合の粘弾性特性を測定する際には、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに、後述の架橋性ゴム組成物を調製する際に用いられる架橋剤や配合剤を適宜配合した状態で架橋物とし、得られた架橋物について粘弾性特性の測定を行ってもよい。
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、好ましくは10〜120、より好ましくは30〜110、特に好ましくは40〜80である。ムーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の機械的特性が低下するおそれがある。一方、高すぎると、架橋剤を添加し、架橋性ゴム組成物とした場合における加工性が低下する可能性がある。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの製造方法
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの製造方法は、特に限定されないが、乳化剤を用いた乳化重合により上述の単量体を共重合してニトリル基含有共重合体ゴムのラテックスを調製し、これを水素化することにより製造することが好ましい。乳化重合に際しては、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤等の通常用いられる重合副資材を使用することができる。
乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性乳化剤;などが挙げられる。
乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部である。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機または有機の過酸化物が好ましい。
重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部である。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;α−メチルスチレンダイマー;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましい。
分子量調整剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.8重量部である。
乳化重合の媒体には、通常、水が使用される。水の量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは80〜500重量部である。
乳化重合に際しては、さらに、必要に応じて安定剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができる。これらを用いる場合においては、その種類、使用量とも特に限定されない。
本発明においては、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを製造するに際して、共重合に用いる単量体の全量を100重量%とした場合に、まず、単量体の全量のうち90〜99重量%を用いて共重合を開始し、次いで、重合転化率が40〜90%となった時点で、共重合に用いる単量体のうちの残部(すなわち、1〜10重量量%)を追加添加して共重合体を得ることが好ましい。また、単量体の全量を100重量%とした場合に、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)を形成する単量体を37〜53重量%使用することが好ましい。このような方法を採用することにより、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅を上記範囲に制御することができる。
なお、共重合開始時に用いる単量体の比率は、単量体の全量のうち90〜99重量%であり、好ましくは92〜98重量%である。すなわち、共重合の途中で添加する単量体の比率は、単量体の全量のうち1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%である。共重合開始時に用いる単量体および共重合の途中で添加する単量体の比率を制御することにより、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅を所定の範囲に制御することができる。
また、共重合の途中で追加添加する単量体の添加時期としては、重合転化率が40〜90%となった時点であり、好ましくは50〜80%となった時点、より好ましくは55〜75%となった時点である。また、単量体を共重合の途中で追加添加する際には、複数回に分けて添加してもよい。たとえば、2回に分けて添加する場合には、重合転化率が好ましくは20〜50%となった時点で1回目の添加を行い、重合転化率が好ましくは50〜70%となった時点で2回目の添加を行うことが好ましい。
そして、得られた共重合体に対して、選択的に水素添加することにより、本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを製造することができる。なお、水素添加に用いる水素添加触媒の種類と量、水素添加温度などは、公知の方法に準じて決めればよい。
架橋性ゴム組成物
本発明の架橋性ゴム組成物は、上記ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと、架橋剤と、を含有してなるものである。
本発明で使用される架橋剤は、本発明のニトリル基含有高飽和共重合ゴムを架橋できるものであれば良く、特に限定されないが、好ましくは硫黄架橋剤または有機過酸化物架橋剤などが挙げられる。
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物などの有機硫黄化合物;などが挙げられる。硫黄架橋剤の使用量は、ニトリル基含有高飽和共重合ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部であり、より好ましくは0.2〜4.5重量部、さらに好ましくは0.3〜4重量部である。硫黄架橋剤を使用する場合において、その使用量が少なすぎると、架橋密度が低下し、得られる架橋物の圧縮永久ひずみが大きくなる傾向にある。一方、多すぎると、得られる架橋物の耐屈曲疲労性が不十分となったり、動的発熱量が高くなる場合がある。
有機過酸化物架橋剤としては、ゴム工業分野で架橋剤として使用されているものであれば良く、特に限定されないが、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが挙げられ、好ましくはジアルキルパーオキサイド類などが例示される。
ジアルキルパーオキサイド類としては、たとえば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。
ジアシルパーオキサイド類としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。
パーオキシエステル類としては、たとえば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなど)などが挙げられる。
有機過酸化物架橋剤の使用量は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム100重量部に対して、好ましくは1〜16重量部、より好ましくは1〜14重量部、さらに好ましくは1〜12重量部である。有機過酸化物架橋剤を使用する場合において、その使用量が少なすぎると、架橋密度が低下し、得られる架橋物の圧縮永久ひずみが大きくなる傾向にある。一方、有機過酸化物架橋剤の使用量が多すぎると、得られる架橋物のゴム弾性が不十分となる場合がある。
架橋剤として硫黄架橋剤を使用する場合は、架橋助剤として、亜鉛華、グアニジン系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、チウラム系架橋促進剤、ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤などを併用することが好ましい。
また、架橋剤として有機過酸化物架橋剤を使用する場合は、架橋助剤として、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドなどを併用しても良い。
架橋助剤は、単独で使用してもよいし、また、複数種を併用してもよく、クレイ、炭酸カルシウム、シリカなどに分散させ、ゴム組成物の加工性を改良したものを使用してもよい。架橋助剤の使用量は特に限定されず、架橋物の用途、要求性能、架橋剤の種類、架橋助剤の種類などに応じて決めればよい。
また、本発明の架橋性ゴム組成物には、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋剤、必要に応じて添加される架橋助剤、架橋促進剤以外に、ゴム分野において通常使用される配合剤、たとえば、カーボンブラックやシリカなどの補強性充填材、炭酸カルシウムやクレイなどの非補強性充填材、加工助剤、可塑剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、着色剤などを配合することができる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を配合することができる。
本発明の架橋性ゴム組成物には、上述した本発明のニトリル基含有高飽和共重合ゴム以外のゴムを配合してもよい。このような配合可能なゴムとしては、特に限定されないが、たとえば、一般的なアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムのような不飽和度の高いニトリル基含有共重合ゴムを配合する場合は、本発明のニトリル基含有高飽和共重合ゴム100重量部に対して、30重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。不飽和度の高いニトリル基含有共重合ゴムを配合する場合に、その配合量が多すぎると、得られる架橋物の耐空気加熱老化性、耐屈曲疲労性、伸び、および耐圧縮永久ひずみ性が低下する傾向にある。なお、本発明のニトリル基含有高飽和共重合ゴム以外のゴムを配合する場合は、それらのゴムを架橋できる架橋剤を必要量加えてもよい。
本発明の架橋性ゴム組成物は、他のゴム組成物と同様に一般的なゴム組成物の調製方法で調製すればよく、密閉式混合機やオープンロールなどを用いて混練すればよい。架橋剤や架橋助剤を配合する際に、架橋剤や架橋助剤の配合以降は、混練中に架橋しないように、架橋開始温度以下になるように温度調整をするのも一般的な架橋性ゴム組成物の調製方法と同様であり、通常は、架橋剤、架橋助剤などを含有しないゴム組成物を調製した後、これらの架橋に関わる成分をそれらに応じた架橋開始温度未満で配合し、混合すればよい。
ゴム架橋物
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を架橋することにより得られるものである。
架橋性ゴム組成物を架橋する方法は、特に限定されないが、架橋時の温度は、100〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは130〜180℃である。架橋時の温度が低すぎると、架橋時間が長時間必要となったり、得られるゴム架橋物の架橋密度が低くなったりする場合がある。架橋時の温度が高すぎると、成形不良となる場合がある。
また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、架橋物の形状などにより異なるが、得られる架橋物の架橋密度や生産効率の面より、1分以上、5時間以下の範囲が好ましい。架橋のための加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法から適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを用いて得られるものであるため、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が5〜20℃の範囲にあり、かつ、常態物性および耐熱性を良好に保ちながら、優れた耐油性を有するものである。
そして、このような本発明のゴム架橋物は、その特性を活かして、油に接触して使用する部品、たとえば、タイミングベルトなどの油中ベルトとして好適に用いることができる。
あるいは、本発明の架橋物は、油中ベルト以外にも、O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、メカニカルシール、ウェルヘッドシール、電気・電子機器用シール、空気圧機器用シール、エアコンディショナの冷却装置や空調装置の冷凍機用コンプレッサに使用されるフロン若しくはフルオロ炭化水素または二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄の洗浄媒体に使用される超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置(転がり軸受、自動車用ハブユニット、自動車用ウォーターポンプ、リニアガイド装置およびボールねじ等)用のシール、バルブおよびバルブシート、BOP(Blow Out Preventar)、プラターなどの各種シール用ゴム部材;および、インテークマニホールドとシリンダヘッドとの連接部に装着されるインテークマニホールドガスケット、シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;印刷用ロール、製鉄用ロール、製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロール;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジェターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材などの減衰材ゴム部品;ダストカバー、自動車内装部材、タイヤ、被覆ケーブル、靴底、電磁波シールド、フレキシブルプリント基板用接着剤等の接着剤、燃料電池セパレーターの他、化粧品、および医薬品の分野、食品と接触する分野、エレクトロニクス分野など幅広い用途に使用することもできる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験、評価は下記によった。
粘弾性試験(Tanδのピークの半値幅)
下記方法にて調製した粘弾性試験用のゴム組成物を、金型を用いて、加圧しながら170℃で20分間プレス成形して、幅10mm、長さ50mm、厚さ2.15mmの粘弾性試験用の架橋物を得た。そして、得られた粘弾性試験用の架橋物について、粘弾性測定装置(Explexor 500N、GABO QUALIMETER Testanlagen GmbH社製)を用いて、測定周波数:10Hz、静的歪:0.5%、動的歪:0.2%、測定温度範囲:−50〜100℃、昇温速度:3℃/分、チャック間距離:30mm、測定モード:テンションモード、の各条件で行った。
次に、粘弾性の温度−Tanδチャートを作成し、そのチャートのTanδのピーク値に対して半分の強度となる低温側の温度を開始点の温度とし、高温側の温度を終了点の温度とし、(終了点の温度―開始点の温度)の絶対値を半値幅とした。なお開始点と終了点とでTanδ値がずれた場合はベースラインを引いて行う。
ヨウ素価
JIS K 6235に準じて測定した。
ムーニー粘度(ポリマームーニー)
JIS K6300−1に従って測定した。単位は(ML1+4、100℃)。
耐油性試験
下記方法にて調製した架橋性ゴム組成物を、金型を用いて、加圧しながら170℃で20分間プレス成形して、縦20mm、横10mm、厚さ2mmのシート状の架橋物を得た。そして、JIS K6258に従い、150℃のエンジンオイル(トヨタ社の純正キャッスルオイルSM/GF−40W−20)中に、得られた架橋物を168時間浸漬し、浸漬前後の体積を測定し、体積変化率ΔV(単位:%)を測定した。
耐熱性
上記耐油性試験の評価に用いたシート状の架橋物と同様のものをJIS3号形ダンベルで打ち抜き、試験片を作製した。得られた試験片を用いて、JIS K6257「加硫ゴムの老化試験方法」の4項「空気加熱老化試験(ノーマルオーブン法)」の規定に準拠して、150℃、504時間の条件で空気加熱老化処理を行い、空気加熱老化処理前後における破断伸びを測定し、空気加熱老化処理による破断伸びの変化率(単位:%)を算出した。
常態物性(引張強さ、100%引張応力)
上記耐油性試験の評価に用いたシート状のゴム架橋物と同様のものをJIS3号形ダンベルで打ち抜き、試験片を作製した。そして、得られた試験片を用いてJIS K6251に従い、ゴム架橋物の引張強さ、および100%引張応力を、それぞれ測定した。
実施例1
ニトリル共重合体ゴムのラテックスの製造
反応器に、乳化剤としてのオレイン酸カリウム2部、安定剤としてのリン酸カリウム0.1部、および水150部を仕込み、ここに、アクリロニトリル52部、1,3−ブタジエン48部、および分子量調整剤としてのt−ドデシルメルカプタン0.45部を加えた。そして、活性剤としての硫酸第一鉄0.015部および重合開始剤としてのパラメンタンハイドロパーオキサイド0.05部を添加し、これらの存在下、10℃の条件下で乳化重合を開始した。重合開始後、重合転化率が65%になった時点で、1,3−ブタジエン2部を追加添加した。次いで、重合転化率が80%になった時点で、単量体100部あたり0.2部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加して重合を停止させた。そして、重合停止に続いて、加温し、減圧下、70℃で、水蒸気蒸留により、未反応単量体を回収した後、老化防止剤としてアルキル化フェノールを2部添加することにより、ニトリル共重合体ゴムのラテックスを得た。
そして、凝固剤としての塩化カルシウム3部を溶解した凝固水3000部を準備し、50℃に保持し、この凝固水の中に、上記にて得られたニトリル共重合体ゴムのラテックスを滴下して、ニトリル共重合体ゴムを凝固させてクラムとした。次いで、得られたクラムを、水洗後、50℃、減圧下で乾燥することにより、ニトリル共重合体ゴムを調製した。
次いで、得られたニトリル共重合体ゴムを、メチルイソブチルケトンに溶解し、パラジウム/シリカ触媒を用いて耐圧容器中で、水素圧5MPa、50℃で6時間水素添加反応を行うことにより、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを調製した。
そして、上記にて得られたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムについて、H−NMRによる各単量体単位の含有割合の測定、およびヨウ素価の測定を行った。
そして、得られたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを用いて、下記により、粘弾性試験用のゴム組成物を得た。
すなわち、得られたニトリル基含有高飽和共重合体ゴム100部に、亜鉛華5部、置換ジフェニルアミン(老化防止剤、ユニロイヤル社製、ナウガード445)1.5部、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩(老化防止剤、大内新興化学工業社製、ノクラック MBZ)1.5部および1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(有機過酸化物)40%品(ハーキュレス社製、バルカップ40KE)7部を配合し、混練することにより、粘弾性試験用のゴム組成物を得た。
また、上記とは別に、得られたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを用いて、下記により、架橋性ゴム組成物を得た。
すなわち、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム100部に、亜鉛華5部、ステアリン酸1部、SRFカーボンブラック(旭カーボン社製、旭#50)70部、可塑剤(アデカサイザーC−8、ADEKA社製)5部、置換ジフェニルアミン(老化防止剤、ユニロイヤル社製、ナウガード445)1.5部、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩(老化防止剤、大内新興化学工業社製、ノクラック MBZ)1.5部および1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(有機過酸化物)40%品(ハーキュレス社製、バルカップ40KE)7部を配合し、混練することにより、架橋性ゴム組成物を得た。
上記にて得られた粘弾性試験用のゴム組成物を用いて粘弾性測定を行うとともに、架橋性ゴム組成物を用いて、耐油性試験、耐熱性試験、常態物性(引張強さ、100%引張応力)の各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
予め重合させる単量体として、アクリロニトリル52部および1,3−ブタジエン48部の代わりに、アクリロニトリル40部および1,3−ブタジエン60部を用い、中途添加する単量体を、1,3−ブタジエン2部から1,3−ブタジエン3部とし、中途添加のタイミングを重合転化率67%に変更した以外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成物を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
予め重合させる単量体として、アクリロニトリル52部および1,3−ブタジエン48部の代わりに、アクリロニトリル45部および1,3−ブタジエン55部を用い、中途添加する単量体を、1,3−ブタジエン2部から1,3−ブタジエン5部とし、中途添加のタイミングを重合転化率67%に変更した以外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成物を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
予め重合させる単量体として、アクリロニトリル52部および1,3−ブタジエン48部の代わりに、アクリロニトリル63部および1,3−ブタジエン37部を用い、中途添加する単量体を、1,3−ブタジエン2部から1,3−ブタジエン4部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成物を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
予め重合させる単量体として、アクリロニトリル52部および1,3−ブタジエン48部の代わりに、アクリロニトリル25部および1,3−ブタジエン75部を用い、中途添加する単量体を、1,3−ブタジエン2部からアクリロニトリル4部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成物を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
予め重合させる単量体として、アクリロニトリル52部および1,3−ブタジエン48部の代わりに、アクリロニトリル44部および1,3−ブタジエン56部を用い、単量体の中途添加を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成物を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4
予め重合させる単量体として、アクリロニトリル52部および1,3−ブタジエン48部の代わりに、アクリロニトリル9部、1,3−ブタジエン47部およびブチルアクリレート13部を用い、中途添加する単量体を、1,3−ブタジエン2部から、アクリロニトリル10部、1,3−ブタジエン10部およびブチルアクリレート10部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成物を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005381985
表1中、「tanδのピークの半値幅の開始点」は、粘弾性特性におけるtanδのピーク値に対して半分の強度となる低温側の点を意味し、「tanδのピークの半値幅の終了点」は、粘弾性特性におけるtanδのピーク値に対して半分の強度となる高温側の点を意味する。
表1より、アクリロニトリル単位37〜45重量%、アクリロニトリル単位と1,3−ブタジエン単位との合計が93重量%以上、ヨウ素価が9以下であり、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が5〜20℃の範囲にある場合には、常態物性(引張強さ、100%引張応力)および耐熱性を良好なものとしながら、優れた耐油性を実現できることが確認できる(実施例1〜3)。
一方、アクリロニトリル単位の比率が高すぎる場合には、耐熱性に劣る結果となり(比較例1)、アクリロニトリル単位の比率が低すぎる場合には、耐油性に劣る結果となった(比較例2)。また、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が20℃を超えると、耐熱性に劣る結果となった(比較例3)。さらに、ブチルアクリレート単位の割合が20重量%であり、アクリロニトリル単位と1,3−ブタジエン単位との合計が93重量%未満とした場合には、耐油性に劣る結果となった(比較例4)。

Claims (7)

  1. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と、共役ジエン単量体単位(b)とを有し、前記共役ジエン単量体単位(b)の少なくとも一部を水素化してなるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムであって、
    前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)の含有割合が37〜45重量%、前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と前記共役ジエン単量体単位(b)との合計が93重量%以上、ヨウ素価が9以下であり、
    架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が5〜20℃の範囲にあることを特徴とするニトリル基含有高飽和共重合体ゴム。
  2. 前記共役ジエン単量体単位(b)の含有割合が48〜63重量%である請求項1に記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴム。
  3. 請求項1または2に記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと、架橋剤とを含有してなる架橋性ゴム組成物。
  4. 前記架橋剤が有機過酸化物である請求項3に記載の架橋性ゴム組成物。
  5. 請求項3または4に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  6. 油に接触して使用する部品である請求項5に記載のゴム架橋物。
  7. ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを製造するに際して、
    共重合に用いる単量体の全量を100重量%とした場合に、単量体の全量のうち90〜99重量%を用いて共重合を開始し、次いで、重合転化率が40〜90%となった時点で、共重合に用いる単量体の全量のうちの残部を追加添加して共重合体を得た後、
    該共重合体に対して、選択的に水素添加することを特徴とする請求項1又は2に記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの製造方法。
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