JP4268762B2 - ホースボックス、パネルトラック、またはステーションワゴン型車両用引き込み可能ルーフ - Google Patents

Description

【０００１】
現在、引き込み可能ルーフ付車両は、キャブリオレと呼ばれるセダンあるいはクーペが中心となっている。
【０００２】
剛性ルーフキャブリオレは、当技術分野で知られている技術を利用してルーフをトランクに引き込むことができる通常のプロフィール（短尺ルーフおよびトランク）を備えている。
【０００３】
本発明の目的は、引き込み可能なルーフ設備をホースボックス、パネルトラック、あるいはステーションワゴン型車両まで拡張して、剛性ルーフ車両ベースでオープンルーフのオプションを提供することである。
【０００４】
引き込まれやすくなっていないルーフエリアのプロファイルが両方の位置における居住性とトランク容積の適切な基準となることが、上記の形式の車両の主な問題点であることは明らかである。
【０００５】
本発明の目的は、居住性を低下させたり、トランクの容積を減少させたりすることのない単純な手段により、車両ルーフの全自動引き込みを行うことである。
【０００６】
したがって本発明は、フロントガラスの上縁部とトランク前部の上部にある直立アーチ部材の上縁部との間に延びるルーフ、およびアーチ部材とトランク後部との間に延びる少なくとも部分的にガラスをはめた後部を含む、ホースボックス、パネルトラック、またはステーションワゴン型車両用の引き込み可能ルーフを提供する。
【０００７】
本発明によれば、ルーフは２つの部分に別れ、アーチ部材に近い第１の部分は、２本の関節式アームにより車両の側部に接続され、このアームは、ルーフの前記部分がアーチ部材の前方にある直立位置と、前記アームおよびルーフの前記第１の部分がトランク内にある後部に向かって揺動された位置との間で移動可能であり、ルーフの第２の部分は、アームが揺動する場合に第１の部分の上にルーフの第２の部分を移動させる手段により第１の部分に接続されている。
【０００８】
２本のアームがトランクに向かって揺動すると、ルーフの２つの部分が、アーチ部材の下を移動し、トランク内で重なり、トランクの容積のわずかな部分を占める。
【０００９】
本発明の好ましい実施形態においては、アーチ部材とトランクの後部との間にある前記後部が、トランクの後部上縁部の周囲を回転し、その結果、トランクに入るようになっている。
【００１０】
引き込み可能ルーフは、トランクの内部に向かって上記後部および前記アームを自動的かつ連続的に揺動させ、これと同時に、ルーフの第２の部分を第１の部分の上で移動させる手段を含むことが好ましい。
【００１１】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の説明によりさらに明らかとなる。
【００１２】
添付の図面は、非制限的な例として挙げるものである。
【００１３】
図１および図２に示す本発明の実施形態において、ホースボックス、パネルトラック、またはステーションワゴン型車両用の引き込み可能ルーフは、フロントガラスの上縁部２とトランク５の前部の上部にある直立アーチ部材４の上縁部３との間に延びるルーフ１を具備している。少なくとも部分的にガラスをはめ込んだ後部６が、アーチ部材４とトランク５の後部７との間に延びている。
【００１４】
本発明によれば、ルーフ１は、２つの部分８および９に分かれている。アーチ部材４の近くにある第１の部分８は、２本の関節式アーム１１、１２により、車両の側部１０に接続され、このアームは、ルーフの第１の部分８が、アーチ部材４の前方にある直立位置（図１を参照）と、アーム１１、１２およびルーフの第１の部分が、トランク５内にある、後部に揺動された位置（図２を参照）との間を移動することができる。
【００１５】
ルーフの第２の部分９は、アーム１１および１２が揺動するにしたがってルーフの第２の部分９を第１の部分８の上で移動させる手段により、第１の部分８に接続されている。
【００１６】
したがって、ルーフの２つの部分８および９は、トランクに収納されると、図２に示すように重ね合わされ、部分的に入れ子になる。
【００１７】
アーチ部材４とトランク５の後部７との間の後部６は、トランク５の上部後縁部１４に近い軸１３の周囲を回転し、その結果、図１および図２に示すように、トランク５内に収まる。
【００１８】
本発明による引き込み可能ルーフは、トランク５の内部に向かって後部６を揺動させ、トランク５の内部に向かってアーム１１、１２を揺動させ、同時にルーフの第２の部分９を第１の部分８の上で移動させる命令を自動的かつ連続的にだす手段を含む。
【００１９】
一方で、ルーフの２つの部分８および９を関節接続する回転リンク１５により、他方で、ルーフの第１の部分８に沿って移動し、ルーフの第１の部分８上でのルーフの第２の部分９の滑動を案内するスライド１６により、ルーフの第２の部分９の第１の部分８の上側における移動が確実になる。
【００２０】
リンク１５は、ルーフの第２の部分９に最も近いルーフの第１の部分８に接続されたアーム１１の角運動により回転する。
【００２１】
図３および図４は、アーム１１の端部に、リンク１５の端部にあるギア１８と中間ギア１９を介してかみ合うギア１７があり、したがって、リンク１５がアーム１１と同じ方向に回転する様子を示す図である。
【００２２】
ルーフの第２の部分９は、ルーフの第１の部分８上にあるスライド１６とかみ合うローラ２１を内蔵するアーム２０（図５および図６を参照）を備えている。
【００２３】
図５は、スライド１６の前部１６ａが、弧状になっており、ルーフを開くとルーフの第２の部分９を上方にオフセットできることを示している。
【００２４】
アーム２０のローラ２１が、スライドの弧状部分１６ａとかみ合うと、アーム２０は、軸支されたフィンガ２２にのる。このフィンガは、スプリング２３による力を受け、アーム２０を上方に移動して、ルーフの部分８に対する部分９の滑動を促進する。
【００２５】
図１、図２、および図７に示すように、トランク５の前部は、車両の後部座席背部２４により閉鎖される。ルーフの２つの部分８および９が、トランク５の方向に移動すると、座席背部２４は、軸２４ａの周囲を前部に向かって回転する。
【００２６】
これにより、トランク５の長さが増大し、トランクへのルーフの部分８、９の接近を促す。
【００２７】
座席背部２４は、ルーフの第１の部分８と接続されたアーム１２を座席背部２４に接続する機構によって回転する。
【００２８】
この機構は、ルーフの第１の部分８に対向したアーム１２の端部に接続された突起２５を含む。この突起２５の端部には、座席背部２４に固定した溝２７とかみ合うローラ２６がある。
【００２９】
後部６は、シリンダ４０により上向き方向に開く窓６ａを含む。
【００３０】
以上述べた引き込み可能ルーフの作動について、以下説明する。
【００３１】
ルーフの開放は、電動モータ２８により、後部６がトランク５に入る動作で始まる（図２を参照）。
【００３２】
後部６がトランク５内にある場合、後部のプロフィールは、完全にホイールのアーチ２９と後部照明アセンブリ３０との間になじむ。このアセンブリは、トランク内に突出している。
【００３３】
次にルーフの部分８に接続されているアーム１１が、電動モータ３１により、底部の軸１１ａの周囲を回転する。
【００３４】
２本のアーム１１および１２は、後部に向かって回転するとき、アーチ部材４の下でトランク５に向かってルーフの２つの部分８および９を回転させる。
【００３５】
アーム１１、１２が、ギア１７、１９、１８を介し、後部に向かって回転するにしたがって、アーム１１の角運動により、リンク１５が、アーム１１と同じ方向に回転する。
【００３６】
次にルーフの部分９が、溝１６とアーム２０により支持されるローラ２１との働きで、ルーフの部分８の上側を滑動する。
【００３７】
この移動の終了時点で、ルーフの２つの部分８および９は、トランク５の内部にあって、部分的に入れ子になり、わずかな高さしか占めていない。
【００３８】
ルーフの２つの部分８、９がトランク５に接近するのを促すために、後部座席の背部２４は、スイングアーム１２と関連した機構により前方に向かってわずかに回転する。
【００３９】
当然ながら、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。
【００４０】
したがって、図８に示すように、必要ならば、前部縁部２とアーチ部材４との間および／またはアーチ部材とトランクの上部後縁部１４との間に延びる剛性部材３２、３３により、車両の構造を強化することも可能である。
【００４１】
また、図９に示すように、トランク５の形状によりルーフの部分８、９がトランクを通過できるようになるのであれば、後部６をトランク５に向かって回転させるのではなく、固定しておくことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による引き込み可能ルーフを備えた車両の部分断面側面図である。
【図２】 トランク内に折り畳まれたルーフおよび後部を示す、図１に類似した図である。
【図３】 図１のＡ部分の詳細を示す見取図である。
【図４】 Ａ部分の詳細を示す断面図である。
【図５および図６】 それぞれ図１のＢ部分の詳細を示す見取図と断面図である。
【図７】 後部座席背部の回転を制御する機構を示す側面図である。
【図８および図９】 本発明の２つの実施形態を示す図である。

Claims (13)

1. フロントガラスの上縁部（２）とトランク（５）の前部の上にある直立アーチ部材（４）の上縁部（３）との間に延びるルーフ（１）およびアーチ部材（４）とトランクの後部（７）との間に延びる、少なくとも部分的にガラスをはめた後部（６）を含む、ホースボックス、パネルトラック、またはステーションワゴン型車両用の引き込み可能ルーフであって、ルーフ（１）は２つの部分（８、９）に別れ、アーチ部材（４）に近い第１の部分（８）は、２本の関節式アーム（１１、１２）により車両の側部（１０）に接続され、このアーム（１１、１２）は、ルーフの前記第１の部分（８）がアーチ部材（４）の前方にある直立位置と前記アーム（１１、１２）およびルーフの前記第１の部分（８）がトランク（５）内にある、後部に向かって揺動された位置との間で移動可能であり、ルーフの第２の部分（９）は、前記アーム（１１、１２）が揺動する場合に第１の部分（８）の上でルーフの第２の部分（９）を移動させる手段により第１の部分（８）に接続されていることを特徴とする引き込み可能ルーフ。
2. アーチ部材（４）とトランク（５）の後部（７）との間にある前記後部（６）が、トランク（５）の後部上縁部（７）の近くの軸（１３）の周囲を回転することにより、トランク（５）内に収まることを特徴とする請求項１に記載の引き込み可能ルーフ。
3. 自動的かつ連続的に、前記後部（６）を前記トランク（５）の内部に向かって揺動させ、前記アーム（１１、１２）を前記トランク（５）の内部に向かって揺動させ、これと同時にルーフの第２の部分（９）を第１の部分（８）の上で移動させる手段を含むことを特徴とする請求項２に記載の引き込み可能ルーフ。
4. 一方でルーフの２つの部分（８、９）を関節接続する回転リンク（１５）により、他方で、ルーフの第１の部分（８）の上側においてルーフの第２の部分（９）の滑動を案内する、ルーフの第１の部分（８）に沿ったスライド（１６）により、ルーフの第２の部分（９）が、第１の部分（８）の上側で移動することを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の引き込み可能ルーフ。
5. ルーフの第２の部分（９）に最も近い、ルーフの第１の部分（８）に接続されたアーム（１１）の角運動により、リンク（１５）が回転することを特徴とする請求項４に記載の引き込み可能ルーフ。
6. 前記アーム（１１）の端部が、リンク（１５）の端部に設けたギア（１８）と中間ギア（１９）を介してかみ合うギア（１７）を把持することを特徴とする請求項５に記載の引き込み可能ルーフ。
7. ルーフの第２の部分（９）が、ルーフの第１の部分（８）のスライド（１６）とかみ合うローラ（２１）を内蔵するアーム（２０）を把持することを特徴とする請求項４から６のいずれか一項に記載の引き込み可能ルーフ。
8. ルーフが開いたとき、ルーフの第２の部分（９）が、上向き方向にオフセットされるように、スライド（１６）の前部（１６ａ）が、弧状になっていることを特徴とする請求項７に記載の引き込み可能ルーフ。
9. アーム（２０）のローラ（２１）が、弧状部分（１６ａ）とかみ合うとき、アーム（２０）が、スプリング（２３）の力がかかる軸支フィンガ（２２）にのり、アーム（２０）を上方に移動させることを特徴とする請求項８に記載の引き込み可能ルーフ。
10. ルーフの２つの部分（８、９）がトランク（５）に向かって移動するときに前方に向かって回転する車両の後部座席背部（２４）により、トランク（５）の前部が閉鎖されることを特徴とする請求項１から９のいずれか一項に記載の引き込み可能ルーフ。
11. ルーフの第１の部分（８）に接続されたアームの一方（１２）を座席背部（２４）に接続する機構により、座席背部（２４）が回転することを特徴とする請求項１０に記載の引き込み可能ルーフ。
12. 前記機構が、座席背部に取り付けた溝（２７）とかみ合う端部を有する、ルーフの第１の部分（８）に対向するアーム（１２）の端部に接続された突起（２５）を含むことを特徴とする請求項１１に記載の引き込み可能ルーフ。
13. 前縁部（２）とアーチ部材との間および／またはアーチ部材とトランクの上部後縁部（１４）との間にある剛性部材（３２、３３）を含むことを特徴とする請求項１から１２のいずれか一項に記載の車両。

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