JP4267079B2 - 圧力制御弁 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、3/2方向制御弁タイプの比例動作型圧力制御弁であって、1つの弁ケーシングから成り、弁ケーシングは、制御圧室と、圧力媒体供給ラインと、アクチュエータに通ずる作業圧ラインと、圧力媒体サンプラインと、流れ抵抗が規定されているか又は規定可能な少なくとも2つの絞り段とを備えており、2つの絞り段は油圧ハーフブリッジの原理で互いに連結されている形式のものに関する。
背景技術
ドイツ国特許DE−C4426152号明細書によれば特に自動車用自動変速機の電磁式圧力制御弁が知られており、この圧力制御弁は、弁ケーシングと、鉄心によって移動可能に鉄心に結合された制御スプールとを備えていて、制御スプールは圧力媒体入り口からアクチュエータ接続口もしくは戻し口又はタンクへの接続を制御する。この制御スプールは弁ケーシング内の後方並びに前方の各軸受け箇所に支承されていて、調整ばねによってプレロードを受けている。この圧力制御弁によれば、汚染油による問題に起因する耐用寿命に関する弁特性の変動を生ずることがない。というのは、特に汚れに敏感な鉄心室内の流れに関して圧力降下が避けられるからである。軸受け空隙及び通気孔からのストリーマの出口において等しい速度エネルギーポテンシャルが支配する。
アメリカ合衆国特許US3916932号明細書によって知られる1つの弁は、油圧ハーフブリッジの原理に従って連結された2つの絞り段を有し、流量制御弁として主流内及び副流内での圧力媒体流の配分に用いられる。
これら公知の弁は、最小作業圧が0バール近くに低下してしまうか又は最小作業圧の時の圧力媒体漏出流がほぼゼロにまで減少してしまうという難点を有する。
本発明の課題は、特に自動車用自動変速機のシフト圧制御用としての比例動作型圧力制御弁において、最小作業圧がほぼ0バールであって、最小作業圧での制御スプールの終端位置における圧力媒体漏出流がほぼゼロにまで減少され、しかも弁の流れ性質をそのつどの使用条件に合致できるようにすることである。
発明の開示
本発明は、このような課題を、冒頭に述べた形式の圧力制御弁から出発して請求の範囲第1項中の特徴事項に示す構成によって解決した。有利な実施形態については請求の範囲の第2項以降に示すとおりである。
本発明の場合、圧力制御弁は連結されたスロットル又は絞り機構として構成されている(以下では「スロットル又は絞り」の概念を代表して「絞り」を用いる)。この連結された絞り機構は機械的もしくは油圧的に連結された2つの可変絞りから成っている。これらの可変絞りは油圧ハーフブリッジの原理で配置されている。両方の可変絞りの前には1つの固定絞りを前置するとよい。連結された絞り機構は3つの接続口を有しており、1つは圧力媒体供給ライン(接続口P)、1つはアクチュエータへの作業圧ライン(接続口A)、1つは圧力媒体サンプへの圧力媒体サンプライン(接続口T)である。接続口Pは入口側で第1の可変絞りもしくは固定絞りの前に、接続口Aは例えば両方の可変絞りの間に、そして接続口Tは出口側で第2の可変絞りの前にそれぞれ設けられている。いずれの絞りも流れ抵抗を生ずる。両方の可変絞りは調節可能な流れ抵抗である。この圧力制御弁の作用原理は、2つの連結された可変のすべり抵抗器又は1つの前置された固定抵抗器及び2つの可変のすべり抵抗器を有する電気的な分圧器の作用原理と同様に働く。いずれの絞りも一定の圧力低下を生ずる。第1の可変絞りもしくは固定絞りの入口側に流入圧が支配し、これに対して出口側では第2の可変絞りの後に周囲圧が支配する。両方の可変絞りの間の圧力は絞りの開放次第で周囲圧と流入圧との間で調整可能である。この場合両方の可変絞りは制御圧室の入口ポート及び出口ポートを形成し、絞りの開放並びに閉鎖のために各1つの閉鎖体を有している。本発明の場合入口側の絞りの閉鎖体がボール又は半球体又は円錐台または円筒体として、また、出口側の絞りの閉鎖体もボールまたは半球体又は円錐台又は円筒体として製作することができ、少なくとも入口側か又は出口側における閉鎖体がボール又は半球体又は円錐台又は円筒体として製作されている。両側における閉鎖体がボール又は半球体又は円錐台又は円筒体として製作されていてもよく、この場合には両方の閉鎖体が同一形状であっても異なる形状であってもよい。このようにして、両方の可変絞りの流入並びに流出特性を弁のそのつどの使用条件に合わせて最良に設定することができる。例えば個々の絞りの形式もシート弁又はスプール弁として、ひいてはシール面の形状並びに各弁による圧力増大も個々に設定可能である。両方の可変絞りは1つの制御スプールによって連結されている。この場合に絞り特にその閉鎖体は必ずしも制御スプールに剛性的もしくは一体に結合する必要はなく、別個にされて制御スプールにたんに接触しているだけでもよく、その場合接触力は圧力媒体流内の可動絞りの流れ抵抗によってあたえられる。一方の方向への制御スプールの移動によって入口絞りの横断面が増大され、同時に出口絞りの横断面は減少される。逆方向への制御スプールの移動の際は横断面は逆の変化を呈する。これは油圧ハーフブリッジの作用原理に相当する。この場合には連結の構成次第で、制御スプールに、一方の絞りが既に完全に開放されているのに対して他方の絞りはまだ完全には閉鎖されない(制御縁のアンダーラップ)位置を占めさせることができる。作動状態によっては、入口絞りが既に完全に開放され、出口絞りはまだ完全には閉鎖されてない場合がある。このような作動状態においては、2つの連結された可動絞りから成る絞り機構は固定の入口絞りと可変の出口絞りとを有する絞り機構に縮小される。
前置された固定絞りと2つの連結された可変絞りとから成る絞り機構において、入口の可変絞りの流れ抵抗が前置されている固定絞りの流れ抵抗よりも明らかに小さい場合には、入口の可変絞りは制御圧調整にとってもはや重要でない。このような作動状態においては、前置された固定絞りと後続の2つの連結された可変絞りとから成る絞り機構は、固定の入口絞りと可変の出口絞りとから成る絞り機構に縮小される。このような縮小された絞り機構によって例えば従来技術に従って変速機制御のために機械的なシフト圧が制御される。要するに、このような作動状態においては旧来のシート弁における長年の経験を利用できるということを意味する。
2つの連結された可変絞りによる絞り機構は、各1つの固定絞りと可変絞りとによる絞り機構と異なって、出口絞りが完全に解放された際に通過流量は最大になるのではなくて、入口の可変絞りの閉鎖によって値0にまで減少されるという利点を有する。同じことは、付加的に固定絞りが前置されている場合についてもいえる。作動状態「出口絞り完全開放」は、2つの連結された可変絞りによる上記両方の絞り機構においても、或は各1つの固定並びに可変絞りによる縮小した絞り機構においても、最小の制御圧に相当する。2つの連結された可変絞りによる絞り機構において−固定絞りの前置の有無に拘わらず−この最小の調整可能な制御圧が入口の閉鎖によって出口外側の周囲圧にまで減少されのに対して、各1つの固定並びに可変絞りによる絞り機構においては流体作用による残留圧が残る。各1つの固定並びに可変絞りによる絞り機構においては平均的な通過流量も大きい。従って、2つの連結された可変絞りによる絞り機構に比較して損失出力も大きい。2つの連結された可変絞りから成る絞り機構の持つ別の利点は、わずかな最大通過流量の結果として流入圧を供給するためのポンプを低出力に設計することができる点にある。
本発明の第1の実施態様によれば、圧力制御弁は2つの機械的又は油圧式に連結された可変の絞り段から成る機構として構成されている。この実施態様は簡単かつ安価な構造によって特色をなす。
本発明の有利な別の実施態様によれば、圧力制御弁は3つの絞り段、すなわち圧力側の固定の絞り段と2つの連結された可変の絞り段とから成る機構として構成されている。この場合には、たんに2つだけの可変絞り段である前記実施態様に比して流れ特性に関して多くの調整可能性が与えられる。
この圧力制御弁は変速機におけるシフト操作のために油圧を制御するのに有利に適用される。
本発明の有利な実施態様によれば、2つの可変の絞り段が1つの構造部品内に設けられている。制御圧室内への入口絞りが弁ケーシング内の入口ポートを形成する1つの孔の形をなしていて、1つの閉鎖体によって覆うことができる。出口絞りは1つのシート弁の形をなしていて、弁ケーシングの軸方向の一方の壁面が1つの閉鎖体、特にプッシュロッドの端面もしくはシール面を覆う。プッシュロッドに続いて軸線方向で延びているピン状の制御スプールが入口絞りの閉鎖体をそのシート部から押し離すことができる。この制御スプールは両方の絞りを連動させ、一方では閉鎖体によって入口ポート面を覆うことによって入口絞り横断面を規定し、他方では軸方向の壁面と端面との間隔によって出口絞り横断面を規定する。出口が閉鎖された状態ではプッシュロッドの端面もしくはシール面が弁ケーシングの壁面に接触する。この状態ではピン状の制御スプールは入口絞りの閉鎖体を入口ポートのシート部から押し離しており、制御圧室への入口ポートは完全に開放されている。逆に、制御スプールの軸方向移動により出口絞りは開いて制御圧室内、ひいては作業圧ライン内に圧力低下を生ずる。出口絞り横断面がさらに開くのに伴ってピン状の制御スプールもさらに引き戻される。かくして入口絞りの閉鎖体は入口ポートに接近し、その結果有効入口横断面が減少する。出口がほぼ完全に開放された時入口ポートは完全により閉鎖される。これによって制御圧室は入口から完全に遮断されて内部は周囲圧となる。
閉鎖体は必ずしも制御スプールもしくはプッシュロッドと一体に結合されている必要はなく、2部分又は多部分の分離構造であってよい。というのは、圧力媒体の流動もしくは圧力が閉鎖体を制御スプールに接触させ、制御スプールの引き戻しにも追従させるからである。特に制御スプールと一体に結合されてない場合、閉鎖体を受容するのに1つのケージを設けると有利であり、このケージは所期の流れ特性調整のためにも利用することができる。
入口ポートがシリンダ状の弁室の端面の一部をなすので、この端面に働く力は軸方向成分を有することになる。従って、制御圧室及び入口の種々の圧力にも拘わらず制御スプールの軸方向移動、ひいては入口ポートのシート部からの閉鎖体の押離しによって入口を開放させるには静圧の保持力を克服する必要がある。この保持力は入口内及び制御圧室内の平均圧力の差に入口ポートの面を乗じた値から得られる。従って入口ポートは妥当な弁特性を得るために過度に大きくは設計されない。弁が開放された際、鉄心へ及ぼす軸力は、アクチュエータ内の作業圧にほぼ相当する制御圧室内の圧力の平均値と自由な鉄心面(全鉄心面から制御スプール横断面を差し引いた面)と動圧によって閉鎖体へ及ぼす力との積として発生する。
閉鎖体が制御スプールと一体に製作されていると有利である。
技術的な変化形によれば、両方の絞りが機械的に連結されて1つの制御スプールによって制御される。制御スプールは両方の絞り口を貫通していて、その軸方向全長にわたって中央部を細くされた複動式の円錐部を有している。この制御スプールの横断面はスプール両端へ向かって大きくされていて、絞り口を完全に閉鎖できる。従って、一方又は他方の方向への移動によって入口絞り又は出口絞りを閉鎖する。
有利な実施態様によれば、これら機械的に連結された両方の絞りには1つの固定絞りが前置されている。
圧力制御弁は電磁操作されるならば有利である。この圧力制御弁の操作力は、電磁石が軟鉄心の誘導された磁気モーメントへ及ぼす力である。軟鉄心は有利にプッシュロッド上に押し嵌められている。
一変化形として圧力制御弁を圧電式又は空気圧式に操作することもできる。
本発明の別の有利な実施態様によれば、3つの絞りが1つの独立した構造部品内に設けられている。3つの絞りは入口側の1つの固定絞りと2つの連結された可動絞りとから組み合わされている。入口側の固定絞りは前置の絞りとしてから又は単数もしくは複数の孔の形のスロットルとして製作することができる。連結された2つの可変絞りは1つの制御圧室の入口及び出口を形成する。制御される入り口絞りは、シリンダ状の中空の制御圧室内へ一部位置している1つの制御スプールと協働する弁ケーシングの少なくとも1つの半径方向の入口ポートによって形成される。制御スプールは制御圧室内で軸方向で一定限移動可能である。この制御スプールは、シリンダ状の制御圧室内で密接に滑動する1つのスリーブ部分と、プッシュロッドの一方の端面との少なくとも1つのウエブ状の結合部分とから成っている。プッシュロッドの一方の端面は制御圧室の横断面よりも大きい。半径方向の入口ポートの横断面は制御スプールのスリーブ部分の周面によって任意な程度に閉ざすことができる。スリーブ部分の軸方向の外壁は入口絞りの制御縁をなし、要するにスプール弁として作用する。出口絞りは、弁ケーシングの一方の軸方向の内壁面がプッシュロッドの端面を覆う構造のシート弁から成っている。制御スプールのウエブ状の結合部分は制御縁相互間を機械的に連結している。出口絞りが閉ざされた状態では、プッシュロッドの端面は弁ケーシングの内壁面に接触している。スリーブ部分はシリンダ状の制御圧室内へ深く入り込んでいて、半径方向の入口ポートはスリーブ部分とプッシュロッド端面との間に位置している。この状態で入口ポートは完全に開放されている。この状態から制御スプールが軸方向で移動されることにより、出口絞りが開き始めて制御圧室内、ひいては作業圧ライン内に圧力低下を生ずる。出口絞りの横断面がさらに開くのに伴い、入口絞りの制御縁が半径方向の入口ポートの横断面を覆い始める。出口がほぼ完全に解放された際に入口ポートは完全に閉ざされる。かくして制御圧室は入口から完全に遮断され、内部には周囲圧が支配する。この実施態様においては、プッシュロッドとウエブ状の結合部分並びにスリーブ部分から成る制御スプールとが一体に製作される。旋削部品として製作することができ、その際にはプッシュロッドの制御スプールをなす方の端部が中空円筒の形に旋削され、次いで周方向のフライス加工によって軸方向の2つの円筒セグメントがウエブの形に残されてプッシュロッドとスリーブ部分との結合部分となる。入口ポートがシリンダ状の制御圧室の周面に形成されているので、この周面に働く力は軸方向成分を持たず、従って、制御スリーブの軸方向移動によって入口ポートを開放させる際に制御圧室内及び入口内の種々な圧力においても静圧による保持力を克服する必要はない。鉄心に及ぼす軸力は、アクチュエータ内の作業圧にほぼ相当する制御圧室内の圧力の平均値と全鉄心面(自由な鉄心面に結合部分の横断面を加えた面)との積として生ずる。
ウエブ状の結合部分を介してプッシュロッドに結合されているスリーブ部分は相応の材料の組み合わせによって直接弁ケーシング内に油圧側軸受けとして受容することができる。
プッシュロッドと制御スプールとが有利に一体構造とされている。
入口側の可動絞りが弁ケーシング内に複数の半径方向の入口ポートを有していると有利であって、この場合入口ポートは1つのリング通路を介して前置の固定絞りに接続されているようにする。
本発明の有利な実施態様によれば、プッシュロッドの一端にシール面が形成されており、このシール面は弁ケーシングに形成された対応するシール面と協働して最良のシール特性を有する平面シートシールを可能にする。
別の実施態様として、シール面としてのプッシュロッド端面と制御スプールとの間の範囲を円錐台の形にすることもできる。この場合には、平面シートシールの良好なシール特性と、円錐台による良好な、要するに可能な限りわずかな圧力増大とが組み合わされることになる。なお、円錐台の底部はプッシュロッドの端面上に位置する。
【図面の簡単な説明】
第1図は連結された2つの可変絞りを有する圧力制御弁の原理図、
第2図は連結された2つの可変絞りと前置された1つの固定絞りとを有する圧力制御弁の原理図、
第3図は本発明の圧力制御弁の第1実施例を示す縦断面図、
第4図は第1実施例の技術的変化形として、両方の絞り口を貫通すると共に全長にわたって中央部を円錐状に細くされている制御スプールを有している例(下半部の例は付加的に前置された固定絞りを有している)を示す概略図、
第5図及び第6図は本発明の圧力制御弁の第2実施例の主要部を90度ずらして示した縦断面図、
第7図は第6図中のA−A線による横断面図、
第8図は第2実施例における鉄心、プッシュロッド及び制御スプールから成る一体部品の全体図、
第9図は圧力媒体流・漏出線図、
第10図から第25図まではそれぞれ閉鎖体の組み合わせの異なる圧力制御弁の概略図であって、いずれも下半部には付加的に固定絞りが前置された例を示している。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1実施例である第3図に示す圧力制御弁は、大きな作動行程の際の圧力媒体供給ライン2における圧力媒体の遮断機能を有する3/2方向制御弁として働く。その機能はいわゆる油圧ハーフブリッジの機能に相当する。圧力媒体供給ライン2は軸方向の入口ポート8経て制御圧室7へ通じている。従来の形式で、符号1でそのケーシングを示す圧力制御弁は電磁石を備えており、この電磁石は鉄心13をばねの作用に抗して軸線Aの方向で動かす。鉄心13はプッシュロッド10を介して制御スプール12を制御する。シール面として形成されたプッシュロッド10の端面6に続く制御スプール12は、ピンの形に製作されていて、ボールとして製作された閉鎖体5を入口ポート8内のシート部から押し離すことができる。プッシュロッド10、制御スプール12及び閉鎖体5は一体状、2部分状、3部分状又は多部分状のいずれの構造に製作してもよい。圧力制御弁の一方の端部位置では閉鎖体5が圧力制御室7内への入口ポート8の孔を完全に閉ざす。他方の端部位置では出口ポートの制御縁11として作用する端面6が軸線方向で弁ケーシング1の壁面に接触する。同時に、閉鎖体5がピン状の制御スプール12によってシート部から押し出されて入口ポート8が解放され、加圧下の圧力媒体が完全に制御圧室7、ひいてはアクチュエータを給圧する。プッシュロッド10並びに制御スプール12の両方の端部位置においては、圧力媒体流が一方では制御圧室7への流入の閉鎖によって、他方では圧力媒体サンプへの流出の閉鎖によって遮断されている。その間に、制御圧室7へ流入する圧力媒体の圧力Pの上昇と共に流量Qは最大値に達する(第9図参照)。
要するに、閉鎖体5によって圧力媒体供給路2の入口ポート8が完全に閉ざされることによって圧力媒体漏れの最小化が得られ、その際軸線方向での圧力媒体供給により圧力媒体はわずかな動圧での軸力を閉鎖体5、ひいては制御スプール12及びプッシュロッド10へ及ぼす。制御スプール12を押し動かすための、つまり閉鎖体5をそのシート部から押し離すための操作力はわずかである。鉄心作用面として働くプッシュロッド10のシール面6へ制御圧室7から及ぼされる内部圧力によって容易な制御作用が可能になる。鉄心室は、DE−C4426152号明細書に記載の従来の直列のシート弁の場合と同様に無圧状態である。従来の2/2シート弁の場合にみられる問題、即ち、無圧の鉄心室が漏出圧力媒体の流入によって洗われて摩耗鉄分が汚染粒子として沈積という問題は、本発明の圧力制御弁の場合端部位置「最小作業圧」において制御圧室への流入が閉ざされることによって軽減される。従来の2/2圧力制御シート弁の場合は位置「最小圧」において流入が最大であり、ひいては汚染粒子の侵入及び取り込みも最大だった。本発明の圧力制御弁の場合さらに、有効利用可能な圧力範囲が比較的大きい。というのは、動圧に起因する残留圧力が発生しないからである(第9図参照)。例えば初期組付け時の汚染粒子として発生する直径200μmまでの等級のチップは閉鎖体5及び入口ポートの協働によって形成される制御縁9に挟み込まれることがある。このような作動行程においては流入は完全には遮断することができない。圧力媒体サンプへのわずかな流出路が残される。しかしこのようなチップ取り込みがあっても、制御スプール12のこの位置でのわずかな移動力の結果として、又はルーズな閉鎖体5の場合この閉鎖体へ働く圧力媒体のわずかな動圧の結果として、閉鎖体5の動きのロックは生じない。わずかな移動力に起因するわずかな締め付け力はチップの押し込みによる制御縁の損傷につながることはない。引き続く作動行程の際に入口ポートが再び開放されればチップは再び放出される。
第5図から第8図までに概略的に示す本発明の圧力制御弁の第2の実施例は、大きな作動行程の際に圧力媒体供給ライン2内の加圧下の圧力媒体を閉鎖することのできる3/2方向制御弁として働く。その機能は、不動に設定された付加的な前置の入口絞り3を有する油圧ハーフブリッジの機能に相当する。圧力媒体供給ライン2は半径方向の多数の流入孔を介して制御圧室7へ通じている。従来形式と同様、符号1でそのケーシングを示す圧力制御弁は電磁石(図示せず)を備え、この電磁石は鉄心13をばねの作用に抗して軸線Aの方向へ動かす。鉄心13はプッシュロッド10を介して制御スプール12を動かす。プッシュロッド10のシール面6に続いて伸びている制御スプール12は2つのウエブ108及び1つのスリーブ105から成っている。この制御スプール12及びプッシュロッド10は一体に製作されている。プッシュロッド10及び制御スプール12から成るこの複合部品は旋削部品として製作される。この旋削部品は、プッシュロッド10の端面6において、つまり単一の機能部品をなすプッシュロッド10と制御スプール12との移行部において、制御スプール側の直径が小さくされている。制御スプール12は中空円筒の形に旋削加工される。さらにこの中空円筒はプッシュロッド10とスリーブ105との間の移行部の範囲において、軸方向の2つのウエブ108だけ残るように、周方向に大きく切除される。残されたスリーブ105及びウエブ108の部分から成る中空円筒の直径は、スリーブ105が精密な嵌め合いで滑動できるように制御圧室7の内径に適合されている。このスリーブ105は一方の終端位置で制御圧室7への圧力媒体供給ライン2の入口ポートを完全に閉ざす。また、他方の終端位置では流出側の制御縁11として働くシール面6が軸線方向で弁ケーシング1の壁面4に接触する。同時に、圧力媒体供給ライン2の入口ポートが開放され、加圧下の圧力媒体が完全に制御圧室7、ひいてはアクチュエータを給圧する。鉄心13、プッシュロッド10及び制御スプール12から成る複合部品の両方の終端位置では圧力媒体流が、上述の第1実施例同様、一方では制御圧室7への入口の閉鎖によって、他方では圧力媒体サンプへの出口の閉鎖によって遮断される。その間に制御圧室7へ流入する圧力媒体の圧力の上昇に伴い流量Qは第9図に示すように最大に達する。
要するに、スリーブ105による入口ポートの完全閉鎖は、本発明の第1の実施例同様に圧力媒体漏出量の最小化を可能にし、しかも第1の実施例とは異なって、半径方向の圧力媒体供給がスリーブ105へ動圧に起因する軸力を及ぼすことがない。これによってスリーブ105を動かすための調整力はわずかである。制御スプール12の軸方向の位置、それもスリーブ105の制御縁9が圧力媒体供給ライン2の入口ポートをたんに部分的に覆う位置の時、制御スプール12に結合されている鉄心13は電磁石に対する位置としてはまだ磁力の少ない不都合な位置のままである。しかし、入口ポートのジオメトリーに基づくわずかな調整力を容易に電磁石からスリーブ105へ及ぼすことができる。プッシュロッド10の鉄心作用面として働くシール面6へ制御圧室7から内的な圧力が及ぼされることによって複雑でない制御機能が可能になる。スリーブ及び弁ケーシングの適宜な材料選択次第では、シート弁用の油圧式の滑り軸受けとすることができる。プッシュロッド10及び制御スプール12から成る複合部品は一方では鉄心13の直前において軸受け部を介して、他方では制御圧室7内において制御スプール12のスリーブ105によってそれぞれ支承される。鉄心側の軸受け部の嵌め合い寸法は摩耗鉄分の侵入が避けられるように設計されている。鉄心室は、この第2実施例においても、DE−C4426152号明細書に記載の従来の直列のシート弁の場合と同様に無圧状態である。従来の2/2シート弁の場合にみられる問題、即ち、無圧の鉄心室が漏出圧力媒体の流入によって洗われて摩耗鉄分が汚染粒子として沈積という問題は、第1実施例同様にこの第2実施例においても端部位置「最小作業圧」において制御圧室への流入が閉ざされることによって軽減される。例えば初期組付け時の汚染粒子として発生する直径200μmまでの等級のチップは制御縁9、スリーブ105及び入口ポートの間に挟み込まれることがある。このような作動行程においては入口は完全には遮断することができない。圧力媒体サンプへのわずかな流出路が残される。しかしこのようなチップ取り込みによる制御スプール12の動きのロックは制御スプール12のこの位置でのわずかな移動力の結果として、生じない。わずかな移動力に起因するわずかな締め付け力は第1実施例の場合と同様にチップの押し込みによる制御縁の損傷につながることはない。引き続く作動行程の際に入口ポートが再び開放されればチップは再び放出される。
第10図から第13図までに示す圧力制御弁は出口絞りが円錐台形の閉鎖体を有していて、その円錐面上にシール面6が形成されている。これに対して入口絞りの閉鎖体5は、選択的に、シート弁としての円筒体(第10図)、ボール(第11図)、円錐台(第12図)によってか又はスプール弁としての円筒体(第13図)によって製作される。この閉鎖体5は、入口絞り109を構成するためにも用いられる1つのケージ14内に受容される。
第14図から第17図までに示す弁構成の場合、出口絞り111のために円筒状の閉鎖体が用いられている。第18図から第21図までに示す弁構成の場合、出口絞り111の閉鎖体がいずれもボールから成っており、第22図から第25図までに示す弁構成の場合、出口絞り111の閉鎖体は円錐台を有する平面シートシールをなしている。入口絞り109の範囲における閉鎖体5の種々な変化形は第10図から第13図までに関して既に述べた例に相当する。
符号の説明
1 弁ケーシング
2 圧力媒体供給ライン
3 入口絞り
4 壁面
5 閉鎖体
6 端面/シール面
7 制御圧室
8 入口ポート
9 制御縁(入口側)
10 プッシュロッド
11 制御縁(出口側)
12 制御スプール
13 鉄心
14 ケージ
105 スリーブ
108 ウエブ
109 入口絞り
111 出口絞り
A 作動圧ライン
T 圧力媒体サンプライン
P 圧力ライン
P 圧力
Q 流量

Claims (14)

  1. 圧力制御弁であって、圧力ライン(P)用の接続口と、作業圧ライン(A)用の接続口と、周囲圧への出口ライン(T)用の接続口とを有するとともに、制御圧室(7)と2つの可変の絞り段(109,111)とを有し、
    前記2つの可変の絞り段の一方が、前記圧力ライン(P)から前記制御圧室(7)内に流入する圧力媒体の流れを制限する閉鎖体(5)を有する入口絞りとして構成されるとともに、前記2つの可変の絞り段の他方が、前記出口ライン(T)に流出する圧力媒体の流れを制限する閉鎖体を有する出口絞りとして構成されており、
    前記作業圧ライン(A)は前記制御圧室(7)に接続され、前記作業圧ライン(A)の流出圧が前記入口絞りおよび出口絞りの開度に依存して変化するようになっており、
    前記入口絞りの前記閉鎖体(5)が前記出口絞りの閉鎖体に機械的に連結されるか、或いは、前記入口絞りの前記閉鎖体(5)が前記出口絞りの閉鎖体と別体に形成されているが前記入口絞りの前記閉鎖体(5)に作用する圧力媒体の圧力によって前記出口絞りの閉鎖体側に押し付けられて前記出口絞りの閉鎖体と一緒に移動するようになっており、これによって、前記入口絞り及び出口絞りのうち一方の絞りの開度が増大すると他方の絞りの開度が減少するようになっており、
    前記入口絞りの前記閉鎖体(5)はボールの形に形成されており、前記出口絞りの閉鎖体はシール面(6)をなす平坦なシート部を有しており、
    前記ボールの形の前記閉鎖体(5)の直径は前記平坦なシート部のシール面(6)の直径よりも小さいことを特徴とする、圧力制御弁。
  2. 2つの可変の絞り段(109、111)から成る弁機構として構成されていることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の圧力制御弁。
  3. 圧力側に更に1つの固定絞り(103)を有する弁機構として構成されていることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の圧力制御弁。
  4. 2つの可変の絞り段が1つの構造部品内に設けられており、一方の絞りが制御圧室(7)内への入口絞りとして弁ケーシング(1)内の1つの孔の形をなしていて1つの閉鎖体によって覆うことができ、他方の絞りは出口絞りとして弁ケーシング(1)の軸方向の一方の壁面(4)がプッシュロッド(10)のシール面(6)を覆う1つのシート弁の形をなしており、プッシュロッド(10)から軸方向で延びているピン状の制御スプール(12)が入口絞りの閉鎖体をそのシート部から押し離すことができ、この制御スプール(12)は両方の絞りを連動させ、一方では閉鎖体を介して入口ポート面を覆うことによって入口絞り横断面を規定し、他方では軸方向の壁面(4)とシール面(6)との間隔によって出口絞り横断面を規定することを特徴とする、請求の範囲第1項から第3項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  5. 閉鎖体(5)を受容するためにケージ(14)が設けられていることを特徴とする、請求の範囲第1項から第4項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  6. 閉鎖体が制御スプール(12)と一体構造であることを特徴とする、請求の範囲第1項から第5項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  7. 両方の絞りが機械的に連結されて制御スプール(12)によって制御され、制御スプール(12)は両端から中央部に向かって円錐形に細くされていることを特徴とする、請求の範囲第1項から第6項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  8. 電磁操作可能であることを特徴とする、請求の範囲第1項から第7項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  9. 圧電式又は空気圧式に操作可能であることを特徴とする、請求の範囲第1項から第7項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  10. 電磁石から軟鉄心の誘導された磁気モーメントへ及ぼされる力によって操作力が与えられ、鉄心(13)はプッシュロッド(10)に嵌め付けられていることを特徴とする、請求の範囲第8項に記載の圧力制御弁。
  11. プッシュロッド(10)及び制御スプール(12)が一体構造であることを特徴とする、請求の範囲第1項から第10項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  12. シール面(6)がプッシュロッド(10)の一方の端面に形成されていることを特徴とする、請求の範囲第1項から第11項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
  13. プッシュロッド(10)の端面と制御スプール(12)との間の範囲が円錐台状に形成されていることを特徴とする、請求の範囲第12項に記載の圧力制御弁。
  14. 自動車変速機のシフト部材操作用の油圧を制御するために使用することを特徴とする、請求の範囲第1項から第13項までのいずれか1項に記載の圧力制御弁。
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