JP4265907B2 - 画像形成装置及び画像形成の位置ずれ量検出方法 - Google Patents

画像形成装置及び画像形成の位置ずれ量検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を用いてカラー画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置において、各色の位置ずれ量を効率的かつ正確に検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置には、カラー画像(多色画像ともいう)を形成できるものがある。カラー画像形成装置では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(B)の各色の出力画像における色ずれをなくすことが画像品質を向上させるために重要であり、特に、画像の書込光学系と像担持体とを各色毎に1セットづつ備えた(4連)タンデム型の画像形成装置の場合は、各色の画像がそれぞれ別の書込光学系と像担持体で形成されるため、色ずれをなくすための各色の位置合わせが重要な課題となっている。
カラー画像形成装置の画像位置ずれを補正する技術に関して、従来、ブラックの印字パターンに例えばマゼンタの印字パターンを合成して作成する際に、マゼンタの印字パターンをブラックの印字パターンの非印字領域に作成し、マゼンタの印字パターンに位置ずれがあれば印字濃度が濃くなるようにして、相対的な位置ずれを検出するという技術があった(例えば、特許文献1参照。)。また、濃度最大のレジストずれ位置と、濃度最小のレジストずれ位置のパッチを生成し、検出される濃度値からレジストずれ量を計算して、少ないパッチ数でレジスト補正を行うという技術もあった(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−40746号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開2002−91119号公報(第1−3頁)
【0004】
また、カラー画像形成装置の画像位置ずれを補正する従来技術として、転写ベルト等の像担持体に位置ずれ量の検出を目的とするパターン(位置ずれ量検出パターン)を書込み形成して、そこから反射される光をセンサで読取り、各色のパターンを形成する際に生じた位置ずれ量を検出し、その検出値により書込みタイミングを補正するという技術があった。この従来技術の一例として、図21に示す位置ずれ量検出パターン500を用いるものがある。図21は、従来の位置ずれ量検出パターン500の要部を模式的に示す平面図である。図に示すように、位置ずれ量検出パターン500は、幅W1、間隔W1で配置した基準色(黒、すなわちブラック)の画像形成位置を規定する基準色パッチ501と、その他の色(シアン、マゼンタ又はイエローのいずれか)の画像形成位置を規定する同じく幅W1の非基準色パッチ502とをシフトさせて重ねたカラーパターン503を複数有している。
【0005】
各カラーパターン503は、各基準色パッチ501に対して非基準色パッチ502を右側にシフトさせたパターン群504と、左側にシフトさせたパターン群505とを有するが、このパターン群504とパターン群505との間にシフト量が0(基準色パッチ501と非基準色パッチ502とがずれなく重なっている)のパターン(基準色パターン)506が形成されている。パターン群504とパターン群505とは、基準色パッチ501に対する非基準色パッチ502のシフト方向が異なるが、ともに各カラーパターン503のシフト量の大きさがS1,S2,S3の3ステップで一定量づつ直線的に変化している。
そして、この位置ずれ量検出パターン500により位置ずれ量を検出する場合は、次のようにしていた。まず、基準色パターン506とともに、パターン群504と、パターン群505をセンサで検出する。次いで、それぞれのパターン群504,505のセンサ出力から、シフト量とセンサ出力との関係を示す直線を各パターン群について求めた上で、その2本の直線の交点を割り出し、その交点のセンサ出力に対応するシフト量から位置ずれ量を求めるというものである。なお、図示の都合上、図21では、各パターンは長さの短い短冊状に形成されているが、実際はセンサの光を取込む取込口に対して長さの長い帯状に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そして、このような位置ずれ量検出パターン500は、次のように数回にわたって形成している。すなわち、主走査、副走査それぞれの方向の検出のために形成し、シアン、マゼンタ、イエローの画像ごとに形成し(すなわち、位置ずれ量検出パターン500を3組形成する)、さらに、ブラック、シアン、マゼンタ又はイエローの各画像の傾斜を等しく揃える工程と、その傾斜を揃えた各画像の書出し位置を統一して、各画像の倍率を調整する工程のそれぞれの工程(すなわち、位置ずれ量検出パターン500をさらに2組形成する)でも形成する。また、各工程での検出精度を高めるため、位置ずれ量検出パターン500を形成する回数を増やしたり、シフト量の変化を細かくするため、各パターン群504,505を構成するカラーパターン503の個数を増やすこともあった。したがって、位置ずれ量検出パターン500を形成して位置ずれ量を検出するときは、形成されるパターンの全長が非常に長いものとなるため、パターンの全体を検出する検出時間が非常に長くなるという問題があった。また、以上のようにして、位置ずれ量を検出するためには、パターン群504とパターン群505のいずれについても、数多くのカラーパターン503を形成しなければならないから、形成されるパターン全体の個数が膨大なものとなる。そのため、それを形成するトナーの消費量も多大になるという問題もあった。
【0007】
一方、上述した特許文献2に開示されている従来技術は、少ないパッチ数でレジスト補正を行うというもので、次のような内容である。すなわち、細かい格子を並べた濃度最大を示すパッチと濃度最小を示す特殊なパッチを形成して単位シフト量あたりの検出濃度の変化(濃度変化率)を求める。その上で、位置ずれ量を測定するための別パッチを形成してその濃度を検出し、その検出値と、濃度変化率とから位置ずれを求めるというものである。
しかし、この従来技術は、濃度変化率を求めるためのパッチと、位置ずれ量を測定するためのパッチとが異なる手順で形成されるため、両者の濃度変化率が一致しないことも想定され、その場合は位置ずれを正確に検出できないおそれがあるという問題があった。また、いずれのパッチも細かい格子状の印字領域及び非印字領域を並べたものであるから、格子の太さにムラを生じて異常な値を生じるおそれがあり、そうなるとそれがそのまま検出される濃度に影響を及ぼし、濃度が不正確になるという問題もある。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、カラー画像を形成する機構を備えた画像形成装置において、位置ずれ量を検出するために形成するパターンの個数を減らして、検出時間を短縮するとともに、トナー消費量を低減し、さらには、位置ずれ量のより正確な検出を可能にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明による画像形成装置は、上記の目的を達成するため、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンが、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと、複数個のカラーパターンとからなり、上記各カラーパターンは基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとがシフトして重なり、その基準色パッチに対する非基準色パッチのシフト方向がすべて同一で、かつ基準色パッチに対する非基準色パッチのシフト量がすべて相違して形成される。
そして、上記センサが上記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力と各カラーパターンのシフト量とに基づいてセンサ出力とシフト量との関係を表す直線の近似式を求め、その近似式による単位シフト量あたりの出力変化率およびシフト量をゼロと仮定した場合のセンサ出力と、上記センサが上記基準色パターンを検出したときのセンサ出力とに基づいて位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段を設けたことを特徴とする
【0009】
また、この発明は、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンが、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと、2つのカラーパターンとからなり、上記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとがシフトして重なり、その基準色パッチに対するその非基準色パッチのシフト方向が互いに同一で、かつその基準色パッチに対するその非基準色パッチのシフト量が互いに相違して形成され、上記センサが上記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、上記センサが上記基準色パターンを検出したとのセンサ出力と上記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力との差である基準出力差と、上記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とに基づいて、位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段を設けたものも提供する。
【0011】
さらにこの発明は、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンが2つのカラーパターンからなり、上記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとがシフトして重なり、その基準色パッチに対するその非基準色パッチのシフト方向が互いに同一で、かつその基準色パッチに対するその非基準色パッチのシフト量が互いに相違して形成され、上記センサが上記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、上記センサの既定出力と上記センサが上記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力との差である基準出力差と、上記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とに基づいて、位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段を設けたものも提供する。
【0014】
上記画像形成装置は、上記センサの既定出力が、0に設定されているとよい。
また、いずれの画像形成装置も、上記各カラーパターンは、上記シフト量が上記非基準色パッチの幅以下に設定されているとよく、上記非基準色パッチの幅が上記基準色パッチの幅以下に形成されているとよい。
さらに、基準色パターン及び基準色パッチの基準色がブラックに設定され、上記非基準色パッチの非基準色がシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの色に設定されているとよい。
【0015】
この発明による画像形成の位置ずれ量検出方法は、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと複数個のカラーパターンで形成し、上記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとをシフトして重ね合わせ、その基準色パッチに対するその非基準色パッチのシフト方向をすべて同一にし、かつ基準色パッチに対する非基準色パッチのシフト量をすべて異ならせて形成する。
そして、上記センサが上記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力と各カラーパターンのシフト量とに基づいてセンサ出力とシフト量との関係を表す直線の近似式を求め、その近似式による単位シフト量あたりの出力変化率およびシフト量をゼロと仮定した場合のセンサ出力と、上記センサが上記基準色パターンを検出したときのセンサ出力とに基づいて位置ずれ量を算出して画像形成の位置ずれ量を検出することを特徴とする
【0016】
また、この発明は、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと2つのカラーパターンで形成し、上記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとをシフトして重ね合わせ、その基準色パッチに対するその非基準色パッチのシフト方向をすべて同一にし、かつ基準色パッチに対する非基準色パッチのシフト量をすべて異ならせて形成し、上記センサが上記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、上記センサが上記基準色パターンを検出したときのセンサ出力と上記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力との差である基準出力差と、上記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とを求め、その出力変化率と基準出力差とシフト量とに基づいて位置ずれ量を算出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法も提供する。
【0018】
さらに、この発明は、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを2つのカラーパターンで形成し、上記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとをシフトして重ね合わせ、その基準色パッチに対するその非基準色パッチのシフト方向をすべて同一にし、かつ基準色パッチに対する非基準色パッチのシフト量をすべて異ならせて形成し、上記センサが上記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と該各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、上記センサの既定出力と上記センサが上記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力の差である基準出力差と、上記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とを求め、その出力変化率と基準出力差とシフト量とに基づいて位置ずれ量を算出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法も提供する。
【0022】
上記位置ずれ量検出方法は、上記センサの既定出力を0に設定するとよい。
そして、上記画像形成の位置ずれ量検出方法は、上記各カラーパターンを、上記シフト量を上記非基準色パッチの幅以下にして形成するとよく、非基準色パッチの幅を上記基準色パッチの幅以下にして形成するとよい。
また、いずれの場合も、基準色パターン及び基準色パッチの基準色をブラックに設定し、上記非基準色パッチの非基準色をシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの色に設定するとよい。
さらに、上記画像形成の位置ずれ量検出方法は、各色の画像の傾斜を揃える工程と、その傾斜を揃えた各画像の書出し位置を統一し、各画像の倍率を調整する工程と、非基準色画像の画像形成位置を規定するための各工程で前記位置ずれ量検出パターンを形成するときに、上記基準色パターンを上記各工程で共通にして形成するとよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(1)カラープリンタ1の構成
図1はこの発明による画像形成装置であるカラープリンタ1の概略の構成を示す図である。
カラープリンタ1は、本体内に現像装置10と、光走査ユニット16と、中間転写ベルト18と、定着ユニット24と、搬送ユニット33と、給紙トレイ34とを備え、その周囲にレジストローラ対23、繰出ローラ35、位置ずれ量検出センサ40及びコントロールユニット60を配置して構成されている。
現像装置10は、Black(B),Cyan(C),Magenta(M),Yellow(Y)の各色ごとに個別の現像ユニットを有し、各現像ユニットが除電及び帯電ユニット12B,12C,12M,12Yと、現像ユニット13B,13C,13M,13Yと、感光体ドラム14B,14C,14M,14Yを有している。
【0024】
光走査ユニット16は、図2及び図3に示すように、半導体レーザ51と、コリメートレンズ52と、アパーチャ53と、シリンドリカルレンズ54とを各色毎に設け、第1,第2のミラー5a,5bからなるポリゴンミラー5を中心に、Fθレンズ6と、補正用レンズ7と、色毎の反射ミラー9B,9C,9M,9Yと、受光センサ10a,10bと、受光レンズ14a,14bと、反射ミラー73と、ミラー81,82,83とを有している。
中間転写ベルト18は、ローラ19に掛け渡されていて、そのローラ19の回転運動に伴い周回運動をして移動する。また、この中間転写ベルト18には、後述する位置ずれ量検出パターンが形成されている。さらに、中間転写ベルト18の周囲には転写ローラ21B,21C,21M,21Yが設けられている。
【0025】
続いて、カラープリンタ1のプリント動作について説明すると、以下のようになる。カラープリンタ1は、プリント動作を開始すると、感光体ドラム14B,14C,14M,14Yを矢印方向に周動させながらその表面を除電及び帯電ユニット12B,12C,12M,12Yによって一様に帯電させる。そして、図示しないホストコンピュータ等から送られてくる画像形成信号が光走査ユニット16に入力されると、その画像形成信号のカラー画像に対応する複数色の画像データを画像処理して各色の半導体レーザ51がレーザビームLB,LC,LM,LYを出力する。レーザビームLB,LC,LM,LYは、コリメートレンズ52と、アパーチャ53と、シリンドリカルレンズ54とを通過して所定の回転速度で回転しているポリゴンミラー5にその左右両側から入射する。
【0026】
ポリゴンミラー5は第1,第2のミラー5a,5bによって、それぞれレーザビームLC及びLY、LB及びLMを周期的に偏向させてFθレンズ6に入力する。すると、偏向されたレーザビームLC及びLYと、LB及びLMがそれぞれ等角運動から等速運動へと変換されるとともに、補正用レンズ7による面倒補正が行われ、さらに、ミラー81,82,83により角度を変えられて副走査方向に回転運動をする感光体ドラム14B,14C,14M,14Yの表面に所定径のビームスポットを形成して各色の画像が書込みされ、B,C,M,Yの色ごとの静電潜像が形成される。
【0027】
そして、現像装置10の各現像ユニット13B,13C,13M,13Yが各色の静電潜像をそれぞれの色のトナーで現像して、B,C,M,Yのトナー画像が感光体ドラム14B,14C,14M,14Yの表面に形成される。これと並行して中間転写ベルト18がローラ19の回転に伴い周回運動をしていて、さらに、用紙39が繰出ローラ35により繰り出され、給紙トレイ34から給紙されてレジストローラ対23において一旦停止し、各色の画像の先端部が所定の転写位置に到達するようにタイミングをとって再給紙される(レジスト再給紙)。この再給紙された用紙に各色のトナー画像が転写ローラ21B,21C,21M,21Yの静電力によって順次転写され、これにより、4色重ねのカラー画像が得られる。この各色のトナー画像を多重転写された用紙は、定着ユニット24に送り込まれ、そこで定着ローラ25によりカラー画像が定着された後、排紙トレイ30に排紙される。
【0028】
(2)画像形成の位置ずれ量検出手順の第1の実施の形態
カラープリンタ1では、以下に説明する位置ずれ量検出パターンを中間転写ベルト18に書込み形成して、位置ずれ量検出センサ40がこの位置ずれ量検出パターンから反射される光を読取って出力する信号から、画像形成(パターンの形成)に内在する位置ずれ量を算出し、その算出結果から位置ずれを補正する。
a)中間転写ベルトと位置ずれ量検出センサとの配置関係
図4は、中間転写ベルト18と位置ずれ量検出センサ40との配置関係を示す平面図である。位置ずれ量検出センサ40は、3つのユニットセンサ40a,40b,40cを有している。各ユニットセンサ40a,40b,40cは、それぞれ検出を管轄するエリアが異なっていて、ユニットセンサ40a,40cは中間転写ベルト18の周回運動による進行方向mからみて左右両側(両端部)を検出するように配置され、ユニットセンサ40bはその中間のエリアを検出するように配置されている。図5は、ユニットセンサ40bと、それにより検出される位置ずれ量検出パターン100の要部とを図示した平面図である。
【0029】
b)位置ずれ量検出パターンの構成
図6は、第1の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン100の要部を模式的に示す平面図である。
位置ずれ量検出パターン100は、中間転写ベルト18が回転しながら周回運動をして移動するその進行方向(副走査方向)mに沿って、パターン群104と基準色パターン105とが配置間隔W3で配置されて形成されている。パターン群104は、幅W1で長さW2で形成されたカラーパターン103(103a,103b,103c)を複数個有している(図では3個)。各カラーパターン103は、基準色(以下の説明では、ブラックを基準色とするが基準色はブラックに限定されるものではなく、その他の色を基準色に設定してもよい)で作成され、その基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチ101と、その他の色(シアン、マゼンタ又はイエローのいずれか)の画像形成位置を規定する同じく幅W1で長さW2の非基準色パッチ102とをシフトさせて重ねたものである。各カラーパターン103は、基準色パッチ101に対する非基準色パッチ102のシフト方向(図の矢印方向)がすべて同じ右側に統一されており、かつ基準色パッチ101に対する非基準色パッチ102のシフト量がすべて相違して形成されている(シフト量の大きさは、図面の上から順にS1,S2,S3の3ステップで一定量づつ直線的に変化(増加)している)。つまり、シフト量がS1,S2,S3の順に変化したとき、このS1,S2,S3の差が一定になっている。
基準色パターン105は、基準色パッチ101から構成されている。なお、図示の都合上、図6では、各パターンは長さの短い短冊状に形成されているが、実際はセンサが反射光を取込むための取込口に対して長さの長い帯状に形成されている。また、図面では、カラーパターン103が3個形成されているが、シフト量の変化を細かくしてカラーパターンの個数を増やしても良い。
【0030】
c)画像形成の位置ずれ量検出手順
次に、カラープリンタ1において、上述した位置ずれ量検出パターン100を用いて位置ずれ量を検出し、画像形成を行う手順について説明する。なお、以下の説明では、ユニットセンサ40bにより位置ずれ量を検出する場合を例にとって説明する。
位置ずれ量検出パターン100を形成して位置ずれ量を検出し、画像形成を行う場合、カラープリンタ1は図19のフローチャートに示す手順で作動する。この位置ずれ量の検出は、コントロールユニット60に設けられたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)が制御していて、そのCPUは、ROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムにしたがい制御処理を実行している。この場合、CPUは図20に示すように、この発明の特徴とする位置ずれ量算出手段61として作動するとともに、位置ずれ量補正手段62として作動し、さらに、光走査ユニット16を位置ずれ量検出パターン印刷手段63、書込み手段64として作動させる。なお、図19は、位置ずれ量検出パターン100を形成して位置ずれ量を検出し、画像形成を行う場合の動作手順を示すフローチャートであり、図20は画像形成の位置ずれ量検出処理に対応したカラープリンタ1の機能ブロック図である。なお、図19ではステップをSと略記している。
【0031】
CPUは、処理を開始するとステップ1に進み、光走査ユニット16を位置ずれ量検出パターン印刷手段63として作動させ、上述の位置ずれ量検出パターン100を中間転写ベルト18上に書込みして形成させる。続くステップ2では、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン100から反射される光を読取って出力する信号をCPUに入力し、ステップ3では、CPUが位置ずれ量算出手段61として作動して、ユニットセンサ40bがステップ2で読取った結果から画像形成(パターンの形成)に内在する位置ずれ量を算出する。この位置ずれ量の算出は、次のようにして行われる。
図7に示すように、縦軸にユニットセンサ40bのセンサ出力、横軸にシフト量(単位は例えばdot数)をとったグラフ(以下このグラフを「位置ずれ量算出グラフ」という)に、基準色パターン105と、各カラーパターン103(103a,103b,103c)を読取ってそれぞれのセンサ出力を求め、各センサ出力の値と対応するシフト量とが交差する位置の座標をプロットしていく。例えば、基準色パターン105、カラーパターン103a,103b,103cのセンサ出力がそれぞれV0,Va,Vb,Vcであったとする。この場合、位置ずれ量検出パターン100を形成するにあたり、基準色パターン105は、シフト量が0であり、各カラーパターンは非基準色パッチ102をシフトさせて形成していて、それぞれのシフト量が既知の値を有するから(例えば、S1:10dot,S2:20dot,S3:30dot)、そのシフト量とセンサ出力とが交差する箇所の座標として、点P0,P1,P2,P3をプロットすることができる。
【0032】
そして、各点P1,P2,P3の座標から、これらを結ぶ直線Lの近似式を求める。この直線Lの近似式は、センサ出力をY、シフト量をS、単位シフト量あたりのセンサ出力の変化率(出力変化率)をa、直線L上でシフト量が0であったと仮定した場合の出力(仮センサ出力)をBとすると、
Y=aS+B
のようにして求まる。こうして求めた直線Lは、仮にカラープリンタ1に位置ずれがないとすれば、縦軸上、センサ出力V0の点を通過するが(センサ出力V0は、シフト量0、すなわち、基準色パターン105のセンサ出力なので)、位置ずれがある場合は、図に示すように、B−V0=bで求まる大きさbだけずれて縦軸を通過する。この大きさbのセンサ出力に対応するシフト量を求めれば、それが位置ずれ量Dとなる(D=b/a)。このように、位置ずれ量検出パターン100によれば直線Lの近似式の出力変化率aと、シフト量が0であったと仮定した場合のセンサ出力をBと、基準色パターン105のセンサ出力V0とに基づいて位置ずれ量Dを、D=(B−V0)/aによって求めることができる。
【0033】
次に、ステップ4に進み、CPUが位置ずれ量補正手段62として作動してステップ3で得た位置ずれ量Dに基づき位置ずれを補正し、続くステップ5では、光走査ユニット16が書込み手段64として作動して画像の出力が行われ、これをもって一連の処理が終了する。
以上のようにして、カラープリンタ1では、位置ずれ量検出パターン100を形成して位置ずれ量を検出し、その上で画像形成を行っている。この位置ずれ量検出パターン100は、パターン群104を有するが、パターン群104を構成するカラーパターン103は、基準色パッチ101に対する非基準色パッチ102のシフト方向がすべて同じ右側に統一されていてシフト方向が異なるものを有してないが、カラーパターン103からでも上述のようにして、位置ずれ量を求めることができる。これに対し、上述した従来の位置ずれ量検出パターン500は、シフト方向が左右それぞれのカラーパターン503からなるパターン群504と、パターン群505とを有していて、この位置ずれ量検出パターン100と比べてカラーパターン503の個数が略2倍になっている。したがって、位置ずれ量検出パターン100を形成することにより、従来に比べて形成すべきパターン全体の個数をほぼ半減することができる。そのため、位置ずれ量検出パターン100を検出するのに要する時間も大幅に短縮でき、トナー消費量も大幅に低減することができる。
【0034】
特に、位置ずれ量検出パターン100を用いて画像形成を行う場合も、従来同様、位置ずれ量検出パターン100をシアン、マゼンタ又はイエローの画像ごとに形成し(すなわち、位置ずれ量検出パターン100を3組形成する)、さらに、各画像の傾斜を等しく揃える工程(傾斜統一工程)と、その傾斜を揃えた各画像の書出し位置を統一して、各画像の倍率を調整する工程(書出し倍率調整工程)のそれぞれの工程でも形成するから、この発明によると、形成されるパターン個数の削減効果は著しいものとなる。例えば、従来の位置ずれ量検出パターン500の場合は、縦1列だけでも1回に7個のカラーパターン503を必要とするから、全体では、少なくとも、7×2×3×3で126個形成する必要がある。これに対し、位置ずれ量検出パターン100の場合は、全体でも、4×2×3×3で72個形成すればよいから、126−72=54個の削減効果がある。
そして、位置ずれ量検出パターン100は、出力変化率を求める場合とシフト量を設定する場合のいずれにも利用され、双方の場合に同じパッチ(基準色パッチ101、非基準色パッチ102)を使用するようにし、特殊な形状のパッチを有しないから、正確な位置ずれの検出が可能である。さらに、カラーパターン103は、重ね合わせる基準色パッチ101と非基準色パッチ102を同じ条件で形成しているから、形成する際の都合でこれらの太さにムラを生じても、一方(例えば、基準色パッチ101)が太く又は細くなれば、他方(例えば、非基準色パッチ102の露出部分)もそれに対応して細く又は太くなるから、そのムラの影響が相殺され、センサ出力のシフト量に対する感度へは影響が及ばない。この点でも、位置ずれ量検出パターン100によれば正確な位置ずれの検出が可能になるといえる。
【0035】
(3)画像形成の位置ずれ量検出手順の第2の実施の形態
図9は、第2の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン150を示す平面図である。この位置ずれ量検出パターン150は、位置ずれ量検出パターン100と比較して、パターン群140がカラーパターン103aと103bの2つからなっている点で異なり、その他は同じ構成を有しているから、以下の説明はその相違点を中心に行い、共通点は省略ないし簡略化する。
この位置ずれ量検出パターン150を用いて位置ずれ量を検出し、画像形成を行う手順は、上記同様、図19に示すフローチャートにしたがって行われる。この場合、位置ずれ量検出パターン100を用いる場合と比較して、ステップ3が相違している。
すなわち、CPUは位置ずれ量算出手段61として作動すると、図8に示すように、位置ずれ量算出グラフ上に、基準色パターン105と、カラーパターン103(103a,103b)それぞれのシフト量と、センサ出力とが交差する箇所の座標をプロットする。例えば、基準色パターン105、カラーパターン103a,103bのセンサ出力がそれぞれ上記同様にV0,Va,Vbであったとする。すると、各センサ出力に応じた点として、点P0,P1,P2をプロットすることができる。
【0036】
そして、点P1,P2の座標について、センサ出力差ΔV=Vb−Vaと、シフト量差ΔS=S2−S1を求め、両者から、次の式1により、単位シフト量あたりのセンサ出力の変化率(出力変化率)aを求める。
式1 a=ΔV/ΔS
次に、基準色パターン105のセンサ出力V0と、カラーパターン103a,103bの一方のセンサ出力であるVaとの差(基準出力差:VX)を求め、その基準出力差VXに対応するシフト量SXを次の式2で求める。
式2 VX=Va−V0
SX=VX/a
こうして、出力変化率aと基準出力差VXとに基づいてシフト量SXを求め、そのシフト量SXから画像データ上のシフト量の値S1(図8および図9参照)を引くと、位置ずれ量Dを求めることができる。すなわち、位置ずれ量Dは、
式3 D=SX−S1
そして、ステップ4以降は、上述と同様にして処理が実行され、一連の処理が終了する。以上のようにして、位置ずれ量検出パターン150による場合も、位置ずれ量検出パターン100による場合と同様に、従来に比べて形成すべきパターン全体の個数をほぼ半減することができるから、位置ずれ量検出パターン150を検出するのに要する時間を大幅に短縮でき、トナー消費量を低減することができる。しかも、位置ずれ量検出パターン150は、カラーパターン103の個数が2個に絞られ、位置ずれ量検出パターン100よりも少なくなっているから検出時間、トナー消費量いずれも一層低減することができる。
【0037】
(4)画像形成の位置ずれ量検出手順の第3の実施の形態
図10、図11は、第3の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン200と、250を示す平面図である。この位置ずれ量検出パターン200と位置ずれ量検出パターン250は、それぞれ位置ずれ量検出パターン100、位置ずれ量検出パターン150と比較して、基準色パターン105を有しない点で異なり、その他は同じ構成を有しているから、以下の説明は相違点を中心に行い、共通点は省略ないし簡略化する。
この位置ずれ量検出パターン200,250を用いて位置ずれ量を検出し、画像形成を行う手順は、上記同様、図19に示すフローチャートにしたがって行われる。この場合、位置ずれ量検出パターン100,150を用いる場合と比較して、ステップ3が相違している。
位置ずれ量検出パターン100,150により位置ずれ量を検出する場合は基準色パターン105をユニットセンサ40bで検出して、その実測による出力値を位置ずれ量算出グラフ上にプロットしているが、位置ずれ量検出パターン200,250による場合は、基準色パターン105のセンサ出力を予め実測値ではない既定の基準値(既定出力Vt)に設定して、この既定出力Vtを用いて位置ずれ量を算出する。したがって、位置ずれ量を算出するには、上記計算式のV0を既定出力Vtにすればよい。
【0038】
そして、ステップ4、ステップ5を上記同様に順次実行すると、光走査ユニット16が書込み手段64として作動して画像の出力が行われ、これをもって一連の処理が終了する。
以上のようにして、位置ずれ量検出パターン200,250による場合も、位置ずれ量検出パターン100による場合と同様に、従来に比べて形成すべきパターン全体の個数をほぼ半減することができるから、位置ずれ量検出パターン200,250を検出するのに要する時間を大幅に短縮でき、トナー消費量を低減することができる。しかも、位置ずれ量検出パターン200,250は、基準色パターン105を有していないから、その分のパターン数が位置ずれ量検出パターン100よりも少なくなっている。そのため、検出時間やトナー消費量を一層低減することができる。
既定出力Vtは、一定の数値に設定すればよいが、センサ出力を調整してこれを0に設定するとよい。そうすると、計算が簡略化され、CPUの処理負担を軽減することができる。
【0039】
(5)画像形成の位置ずれ量検出手順の参考例
図12、図13は、第4の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン300と、350を示す平面図である。位置ずれ量検出パターン300は、基準色パターン105と、基準色パッチ101に対する非基準色パッチ102のシフト方向が第1の方向(図面の左側)に設定され、かつシフト量がS2に設定されたカラーパターン103dと、シフト方向が第2の方向(図面の右側)に設定され、かつシフト量がS2に設定されたカラーパターン103eとからなっている。位置ずれ量検出パターン350は、基準色パターン105を有してなく、カラーパターン103dと、カラーパターン103eとからなっている。
この位置ずれ量検出パターン300、350を用いて位置ずれ量を検出し、画像形成を行う手順は、上記同様、図19に示すフローチャートにしたがって行われる。いずれも、位置ずれ量検出パターン100を用いる場合と比較して、ステップ3が相違しているが、位置ずれ量検出パターン350により位置ずれ量を検出する場合は、上述の既定出力Vtを用いている。
【0040】
そして、CPUは位置ずれ量算出手段61として作動すると、図14に示すように、位置ずれ量算出グラフ上に、基準色パターン105のセンサ出力V0(又は既定出力Vt)に対応する点P0とともに、カラーパターン103(103d,103e)のシフト量(−S2、S2)と、センサ出力とが交差する箇所の座標をプロットする。例えばカラーパターン103d,103eのセンサ出力がそれぞれVd,Veであったとすると、各センサ出力に応じた点として、点P4,P5をプロットすることができる。なお、非基準色パッチ102を基準色パッチ101に対して右側にシフトした場合のシフト量を正とし、左側にシフトした場合のシフト量を負にしている。
【0041】
続いて、点P4,P5の座標について、次の式4により、単位シフト量あたりのセンサ出力の変化率(出力変化率)aを求める(SS=S2×2)。
式4 a=(Vd+Ve―2V0)/SS
次に、基準色パターン105のセンサ出力V0(又は既定出力Vt)と、カラーパターン103d,103eのセンサ出力Vd,Veとの差である基準出力差VXd,VXeを求め、その基準出力差VXd,VXeに対応するシフト量SXd,SXeを次の式5で求める。
式5:SXd=VXd/a (VXd=Vd−V0)
SXe=VXe/a (VXe=Ve−V0)
こうして求められるシフト量SXd,SXeと、画像データ上のシフト量S2との差を求め、両者の平均をとって位置ずれ量Dを求める。すなわち、位置ずれ量Dは、
式6 D=(D1+D2)/2
D1=S2−SXd
D2=SXe−S2
【0042】
そして、ステップ4以降は、上述と同様にして処理が実行され、一連の処理が終了する。以上のようにして、位置ずれ量検出パターン300,350による場合も、位置ずれ量検出パターン100による場合と同様に、従来に比べて形成すべきパターン全体の個数をほぼ半減することができるから、位置ずれ量検出パターン150を検出するのに要する時間を大幅に短縮でき、トナー消費量を低減することもできる。しかも、位置ずれ量検出パターン300,350は、それぞれカラーパターン103の個数が3個、2個に絞られ、位置ずれ量検出パターン100よりも少なくなっているから、検出時間、トナー消費量いずれも一層低減することができる。なお、既定出力Vtは、一定の数値に設定すればよいが、センサ出力を調整して0に設定するようにするとよい。そうすると、計算が簡略化され、CPUの処理負担を軽減することができる。
ところで、前述した各実施の形態において、カラーパターン103は幅W1で長さW2の基準色パッチ101と非基準色パッチ102をシフトさせて重ねたものとなっている。この非基準色パッチ102を基準色パッチ101に対してシフトさせるときにそのシフト量を大きくとりすぎると、例えば図16(a)に示すように、シフト量Sを幅W1よりも大きくすると、非基準色パッチ102が基準色パッチ101から離れて、両者の重なり合いが形成されなくなってしまう。これを避けるためには、シフト量Sを非基準色パッチ102の幅以下に設定すればよい。
【0043】
また、図16(b)に示すように、基準色パッチ101と非基準色パッチ102とを重ね合わせ、両者の右手辺101a,102aを互いに接近させながらシフト量を縮小していくと、仮に非基準色パッチ102の幅W12が基準色パッチ101の幅W11よりも大きいと、両者の右手辺101a,102aが一致しても、非基準色パッチ102の左手辺102bが基準色パッチ101の左手辺101bを越えてしまい、シフト量が0にならなくなってしまう。これを避けるためには、非基準色パッチ102の幅W12を基準色パッチ101の幅W11以下に設定すればよい。
次に、図12、図13に示した位置ずれ量検出パターン300350のように、シフト方向が異なるカラーパターン103を含む場合は、カラーパターン103を第1のパターン群と第2のパターン群とから形成してもよい。いずれも、複数個(3個以上)のカラーパターン103を有するが、第1のパターン群は、非基準色パッチ102を基準色パッチ101に対して左側にシフトさせて形成し、第2のパターン群は、非基準色パッチ102を基準色パッチ101に対して右側にシフトさせて形成する。
【0044】
そして、この位置ずれ量検出パターンを用いて位置ずれ量を検出する場合、CPUは位置ずれ量算出手段61として作動すると、位置ずれ量算出グラフ上には図15に示すように、基準色パターン105のセンサ出力V0に対応する点P0とともに、第1、第2のパターン群それぞれについて、カラーパターン103のシフト量と、センサ出力とが交差する箇所の座標をプロットする。この場合、第1のパターン群については、シフト方向が左なので縦軸の左側にプロットされ、第2のパターン群については、シフト方向が右なので縦軸の右側にプロットされる。ここで、第1、第2のパターン群それぞれにつき、位置ずれ量算出グラフ上の点をPLm(m:1−4)、PRm(m:1−4)としている。そして、縦軸の左側のPLm(m:1−4)の各点のセンサ出力(縦軸の値)について、式6にしたがって変換を行い、白丸で示される各点のセンサ出力を求める。
式6:PLn=PLm−2(PLm−V0)=2×V0−PLm
そして、こうして変換したPLnと、PRmとから
Y=aX+B
で表される1本の近似直線LLを求める。この直線LLは、仮にカラープリンタ1に位置ずれがないとすればセンサ出力V0の点を通過するが、位置ずれがあるため、B−V0=bで求まる大きさbだけずれて縦軸を通過する。この大きさbのセンサ出力に対応するシフト量を求めれば、それが位置ずれ量Dとなる(D=b/a)。このようにして位置ずれ量Dを求める場合、位置ずれ量Dはセンサ出力を得る際の誤差による各測定値のばらつきや、中間転写ベルト18の振動、ノイズなどの影響を受け難くなるため、精度良く求められる。
【0045】
上述のとおり、位置ずれ量を検出する場合は、位置ずれ量検出パターンを書込み形成しているが、その場合は同じ構成のパターンを、例えば次のように数回繰返して形成する。すなわち、位置ずれ量検出パターンは、主走査方向と、副走査方向のそれぞれの位置ずれ量を検出する場合に形成し、シアン、マゼンタ又はイエローの画像ごとに形成し、さらに傾斜統一工程と、第1、第2の書出し倍率調整工程でも形成する。そのほか、検出精度を高めるため、さらに繰返し形成する場合もある。よって、位置ずれ量検出パターンの形成は、合計で主走査方向について少なくても3×3=9回は繰返され、副走査方向についても同様に9回は繰返される。この場合、主走査方向、副走査方向について同数のパターンを形成している。そこで、形成されるパターン(基準色パターン及びカラーパターン)の総数を求めるため、位置ずれ量検出パターン150を用いた図17に示す模式的な図を考えると、形成されるパターン(基準色パターン及びカラーパターン)の総数は、少なくても6×9=54個となる。
【0046】
ところが、その9回で形成される全体のパターンのうち、基準色パターン105は、いずれのときでも基準となるものであって、一旦形成したものを後で使い回すことが可能である。その場合、図18に示すように、基準色パターン105を主走査方向の分と、副走査方向の分とで1回だけ形成して後の9回で共通に使用し、カラーパターン103だけをその都度9回繰返して形成するとよい。そうすると、基準色パターンが2個形成され、カラーパターンが4×9=36個形成されるから、形成されるパターン(基準色パターン及びカラーパターン)の総数は、最も少ない場合で、2+36=38個となる。このように、基準色パターン105を1回だけ形成して共通に使用するようにすると、形成されるパターンの総数を一層削減することができる。したがって位置ずれ量検出パターンの検出に要する時間を一層大幅に短縮でき、トナー消費量を一層低減することができる。
この図18に示す場合に関連して、精度向上のため、基準色パターン105を主走査方向と、副走査方向で3個づつ配置して平均をとるようにした場合は、形成されるパターンの総数は、6+36=42個となる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、形成すべきパターン全体の個数をほぼ半減することができるから、位置ずれ量検出パターンの検出に要する時間も大幅に短縮でき、トナー消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像形成装置であるカラープリンタの概略の構成を示す図である。
【図2】図1に示したカラープリンタ内部の光走査ユニットの概略構成の片側を示す側面図である。
【図3】図1に示したカラープリンタ内部の光走査ユニットの概略構成を示す平面図である。
【図4】中間転写ベルトと位置ずれ量検出センサとの配置関係を示す平面図である。
【図5】ユニットセンサと、それにより検出される位置ずれ量検出パターン100の要部とを図示した平面図である。
【図6】第1の位置ずれ量検出パターンの要部を模式的に示す平面図である。
【図7】位置ずれ量算出グラフの一例を示す図である。
【図8】別の位置ずれ量算出グラフを示す図である。
【図9】別の位置ずれ量検出パターンを模式的に示す平面図である。
【図10】基準色パターンを有しない位置ずれ量検出パターンを模式的に示す平面図である。
【図11】基準色パターンを有しない別の位置ずれ量検出パターンを模式的に示す平面図である。
【図12】シフト方向の異なるカラーパターンを有する位置ずれ量検出パターンを模式的に示す平面図である。
【図13】シフト方向の異なるカラーパターンを有する別の位置ずれ量検出パターンを模式的に示す平面図である。
【図14】図12又は図13に示す位置ずれ量検出パターンに対する位置ずれ量算出グラフの一例を示す図である。
【図15】別の位置ずれ量検出パターンに対する位置ずれ量算出グラフの一例を示す図である。
【図16】(a)はシフト量が非基準色パッチの幅よりも大きい場合の説明図、(b)は非基準色パッチの幅が基準色パッチの幅よりも大きい場合の説明図である。
【図17】基準色パターンを共通にして位置ずれ量検出パターンを形成する場合の説明図である。
【図18】基準色パターンを共通にして位置ずれ量検出パターンを形成する場合の別の説明図である。
【図19】画像形成の位置ずれ量検出の手順を示すフローチャートである。
【図20】位置ずれ量検出パターンを形成して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成装置の機能ブロック図である。
【図21】従来の位置ずれ量検出パターンの要部を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1:カラープリンタ 10:現像装置
16:光走査ユニット 18:中間転写ベルト
24:定着ユニット 23:レジストローラ対
40:位置ずれ量検出センサ 45:実効アパーチャ
40b:ユニットセンサ 46:トレースライン
60:コントロールユニット 64:書込み手段
61:位置ずれ量算出手段
62:位置ずれ量補正手段
63:位置ずれ量検出パターン印刷手段
90,91,92:ユニットパターン群
100,150:位置ずれ量検出パターン
101:基準色パッチ 102:非基準色パッチ
103:カラーパターン
200,250:位置ずれ量検出パターン
300,350:位置ずれ量検出パターン

Claims (15)

  1. レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、
    前記位置ずれ量検出パターンが、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと、複数個のカラーパターンとからなり、
    前記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとがシフトして重なり、該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト方向がすべて同一で、かつ該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト量がすべて相違して形成され、
    前記センサが前記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力と該各カラーパターンのシフト量とに基づいてセンサ出力とシフト量との関係を表す直線の近似式を求め、その近似式による単位シフト量あたりの出力変化率およびシフト量をゼロと仮定した場合センサ出力と、前記センサが前記基準色パターンを検出したときのセンサ出力とに基づいて、位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、
    前記位置ずれ量検出パターンが、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと、2つのカラーパターンとからなり、
    前記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとがシフトして重なり、該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト方向が互いに同一で、かつ該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト量が互いに相違して形成され、
    前記センサが前記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と該各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、前記センサが前記基準色パターンを検出したときのセンサ出力と前記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力との差である基準出力差と、前記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とに基づいて、位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、
    前記位置ずれ量検出パターンが2つのカラーパターンからなり、
    前記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとがシフトして重なり、該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト方向が互いに同一で、かつ該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト量が互いに相違して形成され、
    前記センサが前記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と該各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、前記センサの既定出力と前記センサが前記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力との差である基準出力差と、前記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とに基づいて、位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記センサの既定出力が、0に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記各カラーパターンは、前記シフト量が前記非基準色パッチの幅以下に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の画像形成装置。
  6. 前記各カラーパターンは、前記非基準色パッチの幅が前記基準色パッチの幅以下に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の画像形成装置。
  7. 前記基準色パターン及び基準色パッチの基準色がブラックに設定され、前記非基準色パッチの非基準色がシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの色に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の画像形成装置。
  8. レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する方法であって、
    前記位置ずれ量検出パターンを基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと複数個のカラーパターンで形成し、
    前記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとをシフトして重ね合わせ、該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト方向をすべて同一にし、かつ該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト量をすべて異ならせて形成し、
    前記センサが前記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力と該各カラーパターンのシフト量とに基づいてセンサ出力とシフト量との関係を表す直線の近似式を求め、その近似式による単位シフト量あたりの出力変化率およびシフト量をゼロと仮定した場合のセンサ出力と、前記センサが前記基準色パターンを検出したときのセンサ出力とに基づいて、位置ずれ量を算出して画像形成の位置ずれ量を検出することを特徴とする画像形成の位置ずれ量検出方法。
  9. レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する方法であって、
    前記位置ずれ量検出パターンを基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと2つのカラーパターンで形成し、
    前記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとをシフトして重ね合わせ、該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト方向をすべて同一にし、かつ該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト量をすべて異ならせて形成し、
    前記センサが前記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と該各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、前記センサが前記基準色パターンを検出したときのセンサ出力と前記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力との差である基準出力差と、前記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とを求め、その出力変化率と基準出力差とシフト量とに基づいて位置ずれ量を算出して画像形成の位置ずれ量を検出することを特徴とする画像形成の位置ずれ量検出方法。
  10. レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する方法であって、
    前記位置ずれ量検出パターンを2つのカラーパターンで形成し、
    前記各カラーパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パッチと、基準色と異なる色の画像形成位置を規定する非基準色パッチとをシフトして重ね合わせ、該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト方向をすべて同一にし、かつ該基準色パッチに対する該非基準色パッチのシフト量をすべて異ならせて形成し、
    前記センサが前記各カラーパターンを検出したときのセンサ出力の変化と該各カラーパターンのシフト量の変化から得られる単位シフト量あたりの出力変化率と、前記センサの既定出力と前記センサが前記いずれか1つのカラーパターンを検出したときのセンサ出力の差である基準出力差と、前記いずれか1つのカラーパターンのシフト量とを求め、その出力変化率と基準出力差とシフト量とに基づいて位置ずれ量を算出して画像形成の位置ずれ量を検出することを特徴とする画像形成の位置ずれ量検出方法。
  11. 前記センサの既定出力を0に設定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成の位置ずれ量検出方法。
  12. 前記各カラーパターンを、前記シフト量を前記非基準色パッチの幅以下にして形成することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項記載の画像形成の位置ずれ量検出方法。
  13. 前記各カラーパターンを、前記非基準色パッチの幅を前記基準色パッチの幅以下にして形成することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項記載の画像形成の位置ずれ量検出方法。
  14. 前記基準色パターン及び基準色パッチの基準色をブラックに設定し、前記非基準色パッチの非基準色をシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの色に設定することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項記載の画像形成の位置ずれ量検出方法。
  15. 各色の画像の傾斜を揃える工程と、その傾斜を揃えた各画像の書出し位置を統一し、各画像の倍率を調整する工程と、非基準色画像の画像形成位置を規定するための各工程で前記位置ずれ量検出パターンを形成するときに、前記基準色パターンを前記各工程で共通にして形成することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成の位置ずれ量検出方法。
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