JP2004038013A - 画像形成装置及び画像形成の位置ずれ量検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カラー画像を形成する機構を備えた画像形成装置において、各色の位置ずれ量を精度よく検出して位置ずれ量を正確に補正し得るようにする。
【解決手段】一定方向に移動する位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する場合において、ユニットパターンを複数配置したユニットパターン群を一定の配置間隔で配置し、各ユニットパターンは、基準色パターン及びカラーパターンを互いに平行かつユニットパターン群毎に異なる大きさでずらして重ね、そのユニットパターンの配列ラインがセンサと位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように位置ずれ量検出パターンを形成する。
【選択図】 図6
【解決手段】一定方向に移動する位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する場合において、ユニットパターンを複数配置したユニットパターン群を一定の配置間隔で配置し、各ユニットパターンは、基準色パターン及びカラーパターンを互いに平行かつユニットパターン群毎に異なる大きさでずらして重ね、そのユニットパターンの配列ラインがセンサと位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように位置ずれ量検出パターンを形成する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を用いてカラー画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置の、各色の位置ずれ量を精度よく検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置には、カラー画像(多色画像ともいう)を形成できるものがある。カラー画像形成装置では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(B)の各色の出力画像における色ずれをなくすことは画像品質向上のために重要であり、特に、画像の書込光学系と像担持体とを各色毎に1セットづつ備えた(4連)タンデム型の画像形成装置の場合は、各色の画像がそれぞれ別の書込光学系と像担持体で形成されるため、特に重要な課題である。
カラー画像形成装置の画像位置ずれを補正する技術に関して、従来、例えば特開平11−231586号公報や、特開平11−84978号公報に開示されている技術がある。特開平11−231586号公報に記載されている技術は、転写ベルト上に形成されたレジストマークを検出して求めた相対的な位置ずれ量に基づき書込み位置を補正する場合において、レジストマーク転写面の走行速度の変動量を検出して得た真の位置ずれ量を求めて書込位置を補正するというものである。また、特開平11−84978号公報に開示されている技術は、レジストパターンの横線及び斜め線を検出してパターンの位置を確定し、パターンの位置を比較し各パターンのずれ量を検出することによって、画像形成位置を補正するというものである。
【0003】
カラー画像形成装置の画像位置ずれを補正する従来技術として、転写ベルト等の像担持体に位置ずれ量の検出を目的とするパターン(位置ずれ量検出パターン)を書込み形成して、そこから反射される光をセンサで読取ることにより、各色のパターンを形成する際に生じた位置ずれ量を検出し、その検出値により書込みタイミングを補正するという技術がある。この従来技術の一例として、次のような技術がある。図24は、従来の位置ずれ量検出パターンの要部を模式的に示す平面図である。図に示すように、従来の位置ずれ量検出パターン500は幅W1、間隔W1で配置したブラックの画像形成位置を規定するブラックパターン501の下に、その他の色(シアン、マゼンタ又はイエロー)の画像形成位置を規定する同じく幅W1のカラーパターン502,503,504を間隔W1で配置するとともに、各カラーパターン502,503,504のブラックパターン501に対するずれ部Dを大きさが0,D2,D3,D4,・・・と直線的に変化するようにして形成したものである(ずれ部Dが0の場合はブラックパターン501の下にいずれかのカラーパターン502,503,504がずれなく重なった状態である)。なお、図示の都合上、図24では、各パターンは長さの短い短冊状に形成されているが、実際は長さの長い帯状に形成されている。
この位置ずれ量検出パターン500をセンサの読取り方向に色毎に順に並べて配列し、各検出パターンの出力より位置ずれ量を求める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、位置ずれ量検出パターン500をセンサで読取って位置ずれ量を検出する場合には次のような問題があった。
位置ずれ量検出パターン500をセンサで読取る場合、位置ずれ量検出パターン500が転写ベルトとともに副走査方向に移動するため、センサは位置ずれ量検出パターン500に対して相対的にみて副走査方向に移動する。その場合、センサには、位置ずれ量検出パターン500から反射された光が入力するが、このセンサが光を入力する光の取り込み口側(受光側)から光の入力側(発光側)をみたときの光ビームスポットを考える。この光ビームスポットの形状は、主にセンサのアパーチャに左右されるため、以下ではこの光ビームスポット形状を実効的にセンサのアパーチャの形状と考え、「実効アパーチャ」とする。
【0005】
従来の画像形成装置の場合、副走査方向に移動する位置ずれ量検出パターン500に対してセンサ(実効アパーチャ)は相対的に移動するから、図25に示すように位置ずれ量検出パターン500上に破線で示す実効アパーチャ550の軌跡を考えることができる(実際には、位置ずれ量検出パターン500が高速で図面の上方向に移動しているため、実効アパーチャ550の軌跡は高速で図面の下方向に移動している)。この実効アパーチャ550が相対的に移動する際に実効アパーチャ550の内側を位置ずれ量検出パターン500が通過する恰好になり、それによりセンサが位置ずれ量検出パターン500を検出することになる。
【0006】
センサの検出値により位置ずれ量を検出する場合は、図27に示すグラフにおいて、各センサ出力からその値に応じたずらし量をプロットしていき、そのプロットした点を結ぶ直線tを得てその直線tがX軸上で交差する点Gを求め、その点Gと原点との距離Lにより位置ずれ量Uを求める。しかし、上述のように実効アパーチャ550が位置ずれ量検出パターン500上を相対的に移動する場合、実効アパーチャ550の形状が円形であるため、位置ずれ量検出パターン500が実効アパーチャ550の端部にかかるとき(実効アパーチャ550の端部を位置ずれ量検出パターン500が通過する)は、図26に示すように、カラーパターン502のずれ部Dにおいて、その一部に実効アパーチャ550にキャッチされない欠落部Xが形成されてしまい、ずれ部Dが直線的に増加しないことになってしまう。そうすると、センサ出力の変化により得られる直線の傾きが直線t´のように変わってしまい、X軸上で交差する点Hが点Gと異なる位置になり、その結果、位置ずれ量が上述の位置ずれ量Uと異なる値になってしまう。こうなると、画像形成位置の位置ずれ量が正確に検出されなくなり、カラー画像の色ずれを起こすおそれがある。
【0007】
また、位置ずれ量検出パターン500は、転写ベルト等の像担持体とともに高速で移動しているため、像担持体の運動中の機械的な要因、例えば転写ベルトの搬送中の揺動などにより、像担持体が決められた位置からわずかながら移動するおそれがあり、そうなると、実効アパーチャ550の位置ずれ量検出パターン500に対する相対位置が実効アパーチャ550A,550Bのように変動してしまう(図24参照)。このことも、位置ずれ量の正確な検出に支障を来たすものであるため、画像形成の位置ずれ量が正確に検出されなくなる一因になるおそれがあった。
【0008】
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、カラー画像を形成する機構を備えた画像形成装置において、各色の位置ずれ量を精度よく検出して位置ずれ量を正確に補正し得るようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンの配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置を特徴とする。
この画像形成装置は、ずれ部の大きさが連続するユニットパターンが実効アパーチャの内側を留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生するようなことはない。
【0010】
また、画像形成装置は、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンは、ユニットパターンを複数配置して構成され、そのユニットパターンが、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターン及びその基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンが互いに平行でかつずれて重なり、上記ユニットパターンの配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置としてもよい。
【0011】
この画像形成装置も、実効アパーチャの内側をずれ部の大きさが連続するユニットパターンが留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生するようなことはない。
この画像形成装置は、上記位置ずれ量検出パターンがその移動方向と異なる方向にユニットパターンを複数配置したユニットパターン群をその移動方向に沿って一定の配置間隔で配置して構成され、かつ、そのユニットパターン群毎に上記基準色パターンに対する上記カラーパターンのずれが異なるとよい。
また、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、その手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンは、その移動方向と異なる方向にユニットパターンを複数配置して構成され、そのユニットパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンとその基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンとが互いに平行でなくずれて重なりかつ上記基準色パターンの配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置でもよい。
【0012】
この画像形成装置では、実効アパーチャの内側をずれ部の大きさが連続するユニットパターンが留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生するようなことはないが、1つのブラックパターンに対するカラーパターンのずれ部の量が漸次変化するように形成しているから、ずれ部の連続的変化検出にユニットパターン群を複数設けることを要しない。
上記画像形成装置では、上記基準色パターン及びカラーパターンが幅Wで形成されかつ上記各ユニットパターンの配置間隔がWであるとよい。この場合は、基準色パターン及びカラーパターンその両者をずれがなく重ねて形成すれば容易にかつ確実にずれ部Dを0にでき、カラーパターンの幅を最大限利用してずれ部を0から直線的に変化させることができる。
【0013】
また、上記位置ずれ量検出パターンは上記ユニットパターンの配列ラインが上記トレースラインと第1の交差角度をなす第1の検出パターン群と、その配列ラインが第2の交差角度をなす第2の検出パターン群とからなるとよい。
上記第1の検出パターン群と、上記第2の検出パターン群とが上記トレースラインに沿って連続して配置されているとよく、トレースラインに対して並列に配置されていてもよい。
また、上記画像形成の位置ずれ量のうち、主走査方向の位置ずれ量が、上記第1の検出パターン群の検出結果と上記第2の検出パターン群の検出結果の差から求まり、副走査方向の位置ずれ量が、上記第1の検出パターン群の検出結果と上記第2の検出パターン群の検出結果の和から求まるように構成されているようにすることができる。
【0014】
上記センサが、上記第1の検出パターン群を検出する第1のセンサと、上記第2の検出パターン群を検出する第2のセンサとからなるとよい。
そして、上記位置ずれ量検出パターンが、上記基準色パターン及び上記カラーパターンの幅がそれぞれ上記センサの位置ずれ量検出可能範囲以上の大きさを有し、その基準色パターンに対するカラーパターンのずれの大きさが上記位置ずれ量検出可能範囲の半分であり、かつその基準色パターンに対するカラーパターンのずれの方向が互いに相違する第1及び第2の前記ユニットパターンと、上記基準色パターン及び上記カラーパターンの幅が上記センサの位置ずれ量検出可能範囲以上の大きさを有し、その基準色パターンに対するカラーパターンのずれの大きさが上記位置ずれ量検出可能範囲の半分であり、かつ上記第1及び第2の上記ユニットパターンと異なる方向に配置された第3の上記ユニットパターンとから構成されていてもよい。
【0015】
この位置ずれ量検出パターンによれば、位置ずれがずれ部の最大値以下に収まり、しかも、ユニットパターンの配置間隔を上回ることもないから、位置ずれ量をその大きさ如何を問わず正確に検出できる。また、ずれ部の大きさの概略値を求めることができる。
そしてこの発明は、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記センサを上記位置ずれ量検出パターンの移動する方向と異なる方向に移動させるセンサ移動手段を設け、上記位置ずれ量検出パターンの配列ラインが、上記センサ移動手段により移動する上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置を提供する。
【0016】
この画像形成装置は、位置ずれ量検出センサを移動させてこれと位置ずれ量検出パターンを相対移動させることによりトレースラインを形成し、位置ずれ量検出パターンの配列ラインと一定の交差角度をなすようにする。
上記画像形成装置では、上記センサの上記位置ずれ量検出パターンを検出するサンプリング周期を上記位置ずれ量検出パターンの搬送周期と異ならせることがよい。また、そのサンプリング周期が上記位置ずれ量検出パターンの搬送周期よりも短いとよい。こうすると、ずれが異なるユニットパターンを確実に検出できて、サンプリング周期を搬送周期よりも短いと、細かく検出できるようになり、位置ずれ量検出の精度を高めることができる。
また、上記交差角度が45度に設定されているとよい。主走査、副走査方向それぞれにおいて、検出範囲及び検出感度を均等に設定することができる。
上記基準色パターンがブラックの画像形成位置を規定し、上記カラーパターンがシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの色の画像形成位置を規定するように構成されているとよい。パターンの形成が容易になる。
また、位置ずれ量検出パターンが、上記センサが検出するビームスポットの大きさよりも広い範囲に形成されているとよい。こうすると、位置ずれ量検出が確実に行える。
【0017】
そして、この発明は、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを、その配列ラインが上記センサと上記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成して、前記センサで検出する画像形成の位置ずれ量検出方法を提供する。
この画像形成の位置ずれ量検出方法によれば、実効アパーチャの内側をずれ部の大きさが連続するユニットパターンが留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生することはない。
【0018】
また、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを、ユニットパターンを複数配置したユニットパターン群を一定の配置間隔で配置し、上記各ユニットパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターン及びその基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンを互いに平行かつ上記ユニットパターン群毎に異なる大きさでずらして重ね、そのユニットパターンの配列ラインが上記センサと上記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成して、前記センサで検出する画像形成の位置ずれ量検出方法としてもよい。
【0019】
さらに、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを、その配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成し、上記センサを上記位置ずれ量検出パターンと異なる方向に移動させて、その位置ずれ量検出パターンを検出する画像形成の位置ずれ量検出方法としてもよい。
いずれの場合も、上記センサの上記位置ずれ量検出パターンを検出するサンプリング周期と、上記位置ずれ量検出パターンの搬送周期とを異ならせるとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(1)カラープリンタ1の構成
図1はこの発明による画像形成装置であるカラープリンタ1の概略の構成を示す図である。
カラープリンタ1は、本体内に現像装置10と、光走査ユニット16と、中間転写ベルト18と、定着ユニット24と、搬送ユニット33と、給紙トレイ34とを備え、その周囲にレジストローラ対23、繰出ローラ35、位置ずれ量検出センサ40及びコントロールユニット60を配置して構成されている。
現像装置10は、Black(B),Cyan(C),Magenta(M),Yellow(Y)の各色ごとに個別の現像ユニットを有し、各現像ユニットが除電及び帯電ユニット12B,12C,12M,12Yと、現像ユニット13B,13C,13M,13Yと、感光体ドラム14B,14C,14M,14Yを有している。
【0021】
光走査ユニット16は、図2及び図3に示すように、半導体レーザ51と、コリメートレンズ52と、アパーチャ53と、シリンドリカルレンズ54とを各色毎に設け、第1,第2のミラー5a,5bからなるポリゴンミラー5を中心に、Fθレンズ6と、補正用レンズ7と、色毎の反射ミラー9B,9C,9M,9Yと、受光センサ10a,10bと、受光レンズ14a,14bと、反射ミラー73と、ミラー81,82,83とを有している。
中間転写ベルト18は、ローラ19に掛け渡されていて、そのローラ19の回転運動に伴い周回運動をして移動する。また、この中間転写ベルト18には、後述する位置ずれ量検出パターンが形成されている。さらに、中間転写ベルト18の周囲には転写ローラ21B,21C,21M,21Yが設けられている。
【0022】
続いて、カラープリンタ1のプリント動作について説明すると、以下のようになる。カラープリンタ1は、プリント動作を開始すると、感光体ドラム14B,14C,14M,14Yを矢印方向に周動させながらその表面を除電及び帯電ユニット12B,12C,12M,12Yによって一様に帯電させる。そして、図示しないホストコンピュータ等から送られてくる画像形成信号が光走査ユニット16に入力されると、その画像形成信号のカラー画像に対応する複数色の画像データを画像処理して各色の半導体レーザ51がレーザビームLB,LC,LM,LYを出力する。レーザビームLB,LC,LM,LYは、コリメートレンズ52と、アパーチャ53と、シリンドリカルレンズ54とを通過して所定の回転速度で回転しているポリゴンミラー5にその左右両側から入射する。
【0023】
ポリゴンミラー5は第1,第2のミラー5a,5bによって、それぞれレーザビームLC及びLY、LB及びLMを周期的に偏向させてFθレンズ6に入力する。すると、偏向されたレーザビームLC及びLYと、LB及びLMがそれぞれ等角運動から等速運動へと変換されるとともに、補正用レンズ7による面倒補正が行われ、さらに、ミラー81,82,83により角度を変えられて副走査方向に回転運動をする感光体ドラム14B,14C,14M,14Yの表面に所定径のビームスポットを形成して各色の画像が書込みされ、B,C,M,Yの色ごとの静電潜像が形成される。
【0024】
そして、現像装置10の各現像ユニット13B,13C,13M,13Yが各色の静電潜像をそれぞれの色のトナーで現像して、B,C,M,Yのトナー画像が感光体ドラム14B,14C,14M,14Yの表面に形成される。これと並行して中間転写ベルト18がローラ19の回転に伴い周回運動をしていて、さらに、用紙39が繰出ローラ35により繰り出され、給紙トレイ34から給紙されてレジストローラ対23において一旦停止し、各色の画像の先端部が所定の転写位置に到達するようにタイミングをとって再給紙される(レジスト再給紙)。この再給紙された用紙に、各色のトナー画像が転写ローラ21B,21C,21M,21Yの静電力によって順次転写され、これによりカラー画像が得られる。この各色のトナー画像を多重転写された用紙は、定着ユニット24に送り込まれ、そこで定着ローラ25によりカラー画像が定着された後、排紙トレイ30に排紙される。
【0025】
(2)画像形成の位置ずれ量検出手順の第1の実施の形態
カラープリンタ1では、以下に説明する位置ずれ量検出パターンを中間転写ベルト18に書込み形成して、位置ずれ量検出センサ40がこの位置ずれ量検出パターンから反射される光を読取って出力する信号から、画像形成(パターンの形成)に内在する位置ずれ量を算出し、その算出結果から位置ずれを補正する。
a)中間転写ベルトと位置ずれ量検出センサとの配置関係
図4は、中間転写ベルト18と位置ずれ量検出センサ40との配置関係を示す平面図である。位置ずれ量検出センサ40は、3つのユニットセンサ40a,40b,40cを有している。各ユニットセンサ40a,40b,40cは、それぞれ検出を管轄するエリアが異なっていて、ユニットセンサ40a,40cは中間転写ベルト18の周回運動による進行方向aからみて左右両側(両端部)を検出するように配置され、ユニットセンサ40bはその中間のエリアを検出するように配置されている。図5は、ユニットセンサ40bと、それにより検出される位置ずれ量検出パターン100の要部とを図示した平面図である。
【0026】
b)位置ずれ量検出パターンの構成
図6は、第1の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン100を構成する第1の検出パターン群100Aの要部を模式的に示す平面図である。
第1の検出パターン群100Aは、中間転写ベルト18が回転しながら周回運動をして移動するその進行方向(副走査方向)aと異なる方向(主走査方向)bに沿ってユニットパターン101を一定の幅W1の配置間隔で複数(図面では4つ)配置したユニットパターン群90,91,92・・・が一定の配置間隔W3で配置された構成を有している。
ユニットパターン101は、基準色(以下の説明では、ブラックを基準色とするが基準色はブラックには限定されるものではなく、その他の色を基準色に設定してもよい)で作成され、その基準色の画像形成位置を規定するためのブラックパターン102と、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色で作成され、その色の画像形成位置を規定するカラーパターン103とからなっている。
【0027】
ユニットパターン101は、ブラックパターン102とカラーパターン103とが互いに平行であり、かつユニットパターン群90,91,92・・・毎に異なる大きさでずれて重なって、各ユニットパターンの配列にそって形成される配列ライン108が、進行方向aと一定の交差角度α(図面ではプラス45度に設定しているがプラス45度には限定されない。30度、60度でもよい。プラスは時計回りを意味する)をなすように配置して形成する。なお、図示の都合上、ユニットパターン101は長さの短い短冊状に形成されているが、実際は長さの長い帯状に形成する。
【0028】
ユニットパターン101を構成するブラックパターン102と、カラーパターン103とは、ともに短手辺の長さ(幅)が配置間隔と同じW1で、長手辺の長さがW2である同じ形状に形成し、このブラックパターン102とカラーパターン103とのずれ部Dを、ユニットパターン群毎にその大きさが直線的(増加又は減少量が一定)に変化するようにして形成する。つまり、ユニットパターン101は、ずれ部Dが、ユニットパターン群90,91,92・・・の順にD0,D1,D2・・・の順に変化したとき、このD0,D1,D2・・・の差が一定になるようにする。なお、ずれ部Dは、ずれの方向をブラックパターン102に対してカラーパターン103を右側又は左側にずらすことにより、その符号をプラス又はマイナスに変化させている。
そして、ユニットパターン群90,92の延長上には、ずれ部Dを上述の要領で変化させながらユニットパターン101を配置して、別のユニットパターン群を形成し、ユニットパターン群90,91,92を含むこれらのユニットパターン群により、第1の検出パターン群100Aを形成している。
【0029】
位置ずれ量検出パターン100は、図8に示すように、この第1の検出パターン群100Aと後述する第2の検出パターン群100Bとを進行方向aに沿って連続して配置している。位置ずれ量検出パターン100は、シアン、マゼンタ又はイエローの色毎に設けてあり(つまり、3つ設けられている)、それぞれがカラーパターン103を構成する各色の画像形成位置を規定する専用のパターンになっている。また、各位置ずれ量検出パターン100は、ユニットセンサ40bによって精度良く検出し得るように、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45よりも十分広い範囲に形成する。
【0030】
第1の検出パターン群100Aは、上述の各ユニットパターン群90,91,92・・・から構成されているが、第2の検出パターン群100Bは、図7に示すように、ユニットパターンの配列ラインが、進行方向aと交差角度β(図面ではマイナス45度に設定しているが−45度には限定されない。マイナスは半時計回りを意味する)をなしているほかは同様の構成を有している。この第2の検出パターン群100Bを構成するユニットパターン101は、ブラックパターン102及びカラーパターン103が、第1の検出パターン群100Aのブラックパターン102及びカラーパターン103と直交している。
【0031】
この発明による画像形成装置では、上述の位置ずれ量検出パターン100の代わりには、図9に示す位置ずれ量検出パターン110を形成してもよい。位置ずれ量検出パターン110は、第1の検出パターン群100Aと第2の検出パターン群100Bとを進行方向aに対して並列に配置して形成されている。この位置ずれ量検出パターン110を形成するときは、両者をそれぞれ個別に検出する第1のセンサと第2のセンサを設けるのが好ましい。第1の検出パターン群100Aと第2の検出パターン群100Bとを同じ1つのセンサで検出するよりも、それぞれにセンサを設けた方が個々のセンサの検出動作が無理なく行われ、検出精度を高めることができて好適である。
【0032】
上述のブラックパターン102と、カラーパターン103とは同じ大きさの幅W1で形成するため、その両者をずれがなく重ねて形成すれば容易にかつ確実にずれ部Dの量を絶対値が最も小さい0にすることができる。また、図10に示すように、ずれのない重なり状態を中心に順次ずれ部Dを変化させるとその量(幅)に応じてずれ部Dの量を直線的に変化させることが容易かつ確実に行える。
しかし、ブラックパターン102とカラーパターン103は、両者のずれ部Dの量がユニットパターン群毎に直線的に変化するように重なっていればよく、図11に示すように、必ずしも両者の幅が一致していなくてもよい。ここで、図11(1)はブラックパターン102の幅W12がカラーパターン103の幅W13よりも大きい場合、同図(2)はブラックパターン102の幅W12がカラーパターン103の幅W13よりも小さい場合である。なお、図11(1)の場合はずれ部Dを変化させてもセンサ出力が変動せず0のままになるケースが発生するおそれがあるが、同図(2)の場合はセンサ出力が0にならずに一定になるケースが発生するおそれがある(図12参照)。
【0033】
ブラックパターン102及びカラーパターン103の幅W1はユニットパターン101の配置間隔と一致している。したがって、図13に示すように、例えばカラーパターン103aがブラックパターン102aに重なった状態からずれ部Dを増やすと、カラーパターン103aは互いに隣接するブラックパターン102aと102bの両者に重なることなくその間に配置される恰好になり、さらにずれ部Dを増やせば、ブラックパターン102aには重ならずにブラックパターン102bだけに重なるようになる。よって、カラーパターン103の幅W1を最大限利用してずれ部Dを0から直線的に変化させることができ、ずれ部Dの量を直線的に変化させるためのブラックパターン102とカラーパターン103の配置を容易に決めることができる。
もちろん、ブラックパターン102及びカラーパターン103の幅W1はユニットパターン101の配置間隔と一致していなくてもよく、例えば、図14(1)に示すように、幅W1よりも狭いW14としてもよく、同図(2)に示すように幅W1よりも広いW15としてもよい。前者の場合はカラーパターン103aがずらし方によっては互いに隣接するブラックパターン102aと102bの両者に重なることがあるが、後者は逆にそのいずれにも重ならない場合が存在し得る。
【0034】
c)画像形成の位置ずれ量検出手順
次に、カラープリンタ1において、上述した位置ずれ量検出パターン100を形成して画像形成の位置ずれ量を検出する手順について説明する。なお、以下の説明では、ユニットセンサ40bにより位置ずれ量を検出する場合を例にとって説明する。
画像形成の位置ずれ量の検出は、図15のフローチャートに示す手順で行われる。この位置ずれ量の検出は、コントロールユニット60に設けられたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)が制御していて、そのCPUは、ROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムにしたがい制御処理を実行している。この場合、CPUは図16に示すように位置ずれ量算出手段61、位置ずれ量補正手段62として作動するとともに、光走査ユニット16を位置ずれ量検出パターン印刷手段63、書込み手段64として作動させる。なお、図15は画像形成の位置ずれ量検出の手順を示すフローチャートであり、図16は画像形成の位置ずれ量検出処理に対応した画像形成装置の機能ブロック図である。図15ではステップをSと略記している。
【0035】
CPUは位置ずれ量検出処理を開始するとステップ1に進み、光走査ユニット16を位置ずれ量検出パターン印刷手段63として作動させ、位置ずれ量検出パターン100を上述のようにして中間転写ベルト18上に書込みして形成する。
続くステップ2では、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン100から反射される光を読取って出力する信号をCPUに入力し、ステップ3では、CPUが位置ずれ量算出手段61として作動して、ステップ2でユニットセンサ40bが読取った結果から画像形成(パターンの形成)に内在する位置ずれ量を算出する。この位置ずれ量の算出は、従来と同様、図27に示すように、各センサ出力からその値に応じたずらし量をプロットしていき、そのプロットした点を結ぶ直線tを得てその直線tがX軸上で交差する点Gを求め、その点Gと原点との距離Lに対応する位置ずれ量Z1,Z2を求めることによって行われる(Z1は第1の検出パターン群100Aの検出結果、Z2は第2の検出パターン群100Bの検出結果から求める)。
そして、Z1(第1の検出パターン群100Aの検出結果)の場合は図6において右側のずれを正とし、Z2(第2の検出パターン群100Bの検出結果)の場合は左側のずれを正とすると、主走査方向のずれ部DはZ1−Z2、副走査方向のずれ部Dは、Z1+Z2に比例して求まる。
【0036】
ここで、ステップ2のユニットセンサ40bによる位置ずれ量検出パターン100の読取について説明する。
位置ずれ量検出パターン100は中間転写ベルト18とともに、ユニットセンサ40bに対して相対的に移動しているから、ユニットセンサ40bは位置ずれ量検出パターン100に対して、その逆方向に移動していると考えることができる。したがって、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45を考えると図18に示すように、その実効アパーチャ45が位置ずれ量検出パターン100を45A,45B,45C,45D,45E・・・の順に追跡しながら連続して移動することによって、帯状のトレースライン46を想定することができる。トレースライン46はユニットセンサ40b(実効アパーチャ45)と、位置ずれ量検出パターン100との相対的な移動(相対移動)によって形成されるものであるが、ユニットセンサ40bは静止し、そのユニットセンサ40bに対して位置ずれ量検出パターン100が移動しているから、トレースライン46は進行方向aと平行に形成される。したがって、ユニットパターン101の配列ライン108がトレースライン46と一定の交差角度αをなすことになる。
【0037】
この場合、実効アパーチャ45は、その内側をずれ部Dの大きさが連続する各ユニットパターン101が留まることなく次々に通過し、従来のように、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターン101が発生するようなことはない。また、図19に示すように、ユニットパターン101が実効アパーチャ45を通過する際にキャッチされない欠落部Xがその外側に形成されても、実効アパーチャ45にキャッチされる幅はユニットパターン群ごとに等しいと考えられ、したがって、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化するようになる。
よって、ステップ3において、CPUが位置ずれ量算出手段61として作動して位置ずれ量を算出する場合、ずれ部Dが連続的に変化するようになるから、ユニットセンサ40bの出力をプロットした際に得られる直線が正しい傾きをもった直線となり、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
【0038】
そして、続くステップ4では、CPUが位置ずれ量補正手段62として作動してステップ3で得た位置ずれ量に基づいて位置ずれを補正し、続くステップ5では、書込ユニット7が書込み手段64として作動して画像の出力が行われ、これをもって一連の処理が終了する。
ところで、以上の説明では、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン100を検出する際のサンプリング周期については言及していない。しかし、仮にこのサンプリング周期と、位置ずれ量検出パターン100の移動により得られる搬送周期T(搬送周期T=搬送間隔W4/位置ずれ量検出パターン100の進行速度V)とが一致していると仮定すると(搬送間隔W4:あるユニットパターン群からそれとずれ部Dが同じユニットパターン群までの間隔)、ユニットセンサ40bが、同じずれ部Dを有するユニットパターン101を検出するようになってしまい、ずれ部Dの直線的な変化を検出できないおそれがあるから不都合である。
【0039】
したがって、サンプリング周期と搬送周期Tとを異ならせて、ずれ部Dが異なるユニットパターン101を確実に検出できるようにするのが好ましい。また、その際には、サンプリング周期を搬送周期Tよりも短く(小さく)して各ユニットパターン群を細かく検出できるようにするのがよい。そうすると、ユニットセンサ40bのサンプリングポイントが増えて位置ずれ量算出時の直線を求めるためにプロットする点を増やすことができ、位置ずれ量検出の精度を高めることができる。また、ずれ部Dが同じユニットパターン101を対象として検出を複数回行うことも可能になり、その場合は各ユニットパターン101の検出により得た値から平均値を求めることにより、中間転写ベルト18の機械的な要因により実効アパーチャ45の位置ずれ量検出パターン100に対する相対位置の変動等があっても、その影響を希釈化して、位置ずれ量の検出精度を一層高めることができる。
【0040】
また、上述の位置ずれ量検出パターン100では、配列ライン108と進行方向aとの交差角度α,βをプラス45度、マイナス45度に設定している。交差角度α、βをこの45度に設定することによって、進行方向a(副走査方向)とその交差方向(主走査方向)の検出範囲及び検出感度を均等に設定することができる。ただし、副走査方向と主走査方向のいずれかを優先させるようにしてもよく、その場合は、交差角度αを45度以外の角度に設定すればよい。
【0041】
(3)画像形成の位置ずれ量検出手順の第2の実施の形態
図20は、第2の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン200の要部を模式的に示す平面図である。
位置ずれ量検出パターン200は、進行方向aの交差方向bに沿ってユニットパターン201を一定の幅W1の配置間隔で複数(図面では5つ)配置して構成され、位置ずれ量検出パターン100のように、ユニットパターン群を複数設けることなく形成されている。
ユニットパターン201は、基準色で作成され、その基準色の画像形成位置を規定するためのブラックパターン202と、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色で作成され、その色の画像形成位置を規定するカラーパターン203とからなっている。
【0042】
このユニットパターン201は、ブラックパターン202とカラーパターン203とが互いに平行でなくずれた状態で重なり、かつブラックパターン202による配列ライン208が進行方向aと一定の交差角度αをなすように配置されていて、1つのブラックパターン202に対するカラーパターン203のずれ部Dの量がD1,D2,D3に示すように漸次変化するように形成する。
また、中間転写ベルト18上には、位置ずれ量検出パターン200をシアン、マゼンタ又はイエローのそれぞれの色毎に形成し、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45よりも十分に広い範囲に形成する。なお、位置ずれ量検出パターン200も、位置ずれ量検出パターン100と同様に、交差角度αはプラス45度に設定しているがプラス45度には限定されない。図示の都合上、ユニットパターン201は長さの短い短冊状に形成されているが、実際は長さの長い帯状に形成する。また、ブラックパターン202と、カラーパターン203とは、ともに短手辺の長さ(幅)が配置間隔と同じW1で、長手辺の長さがW2である同じ形状に形成する(図示の都合上、長手辺の長さがW2はユニットパターン101の長手辺の長さがW2よりも長く形成されている)。
【0043】
このような位置ずれ量検出パターン200を形成して画像形成の位置ずれ量を検出するときは、パターンが相違するだけで、位置ずれ量検出パターン100を形成する場合と同様に図15に示す手順にしたがう。そして、位置ずれ量検出パターン100の場合と同様に、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン200に対し、相対的に逆方向に移動すると考えられるから、両者の相対移動によるトレースラインを想定でき、静止しているユニットセンサ40bに対して位置ずれ量検出パターン100が移動しているから、そのトレースラインは進行方向aと平行に形成される。
よって、ユニットパターン201の配列ライン208がトレースラインと一定の交差角度αをなすことになるから、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターン201が発生することはなく、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化するようになり、ずれ部Dの連続的な変化によって、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
【0044】
さらに、位置ずれ量検出パターン200によれば、次のような作用効果を奏する。位置ずれ量検出パターン100では、位置ずれ量の検出を1回行うためには複数のユニットパターン群を対象に検出を行わねばならないから、検出に用いるパターン全体の長さが長くなる。しかし、位置ずれ量検出パターン200は、1つのブラックパターン202に対するカラーパターン203のずれ部Dの量が漸次変化するように形成しているから、ずれ部Dの連続的変化を検出するためにユニットパターン群を複数設けることを要しない。したがって、位置ずれ量検出パターン200の全体の長さを短くでき、より長さの短いパターンで位置ずれ量を検出できるから、パターンの読取り時間を短縮でき、パターンの形成に必要なトナーを節約でき、位置ずれ量検出に要する処理時間を短縮することができる。また、ブラックパターン202とカラーパターン203とが互いに平行でなくずれた状態で重なっているから、1つのブラックパターン202を基準にしてずれ部Dをプラス、マイナスの双方を設定できる。したがって、位置ずれ量検出パターン100のように、交差角度が異なるパターンをそれぞれ形成する必要はなく、位置ずれ量検出パターン200の全体の長さが短くなる。
【0045】
(4)画像形成の位置ずれ量検出手順の第3の実施の形態
上述の実施の形態では、位置ずれ量検出パターン100,位置ずれ量検出パターン200を形成して画像形成の位置ずれ量を検出する手順について説明した。
位置ずれ量検出パターン100,位置ずれ量検出パターン200では、ブラックパターンとカラーパターンのずれ部Dを大きくしても、ユニットパターンの配置間隔を狭めてずれ部Dが隣接するユニットパターンに被る恰好にすると、ずれ部Dをそれ以上大きくできなくなる。すると、位置ずれ量の検出可能範囲が頭打ちになり、もしも位置ずれがユニットパターンの配置間隔よりも大きい場合はその位置ずれ量を正しく検出できないおそれがある。その一方で、位置ずれが大きくなることを見込んで配置間隔を広げるという考えもあるが、配置間隔を広げると、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45にキャッチされるユニットパターンの数が少なくなって、今度はユニットセンサ40bの出力が十分に得られなくなるおそれがある。
【0046】
そこで、第3の実施の形態では、予め想定し得る位置ずれ量の検出可能範囲の最大値(位置ずれ量検出可能範囲Wmax)を考慮して、以下に説明する位置ずれ量検出パターン300を形成し、位置ずれが広範囲になる場合や、位置合わせ補正可能領域全体の範囲のずれ量を簡略して検出する。
図22は、第3の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン300の要部を模式的に示す平面図である。
位置ずれ量検出パターン300は、第1のユニットパターン301と、第2のユニットパターン310と、第3のユニットパターン320とから構成されている。
第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320はいずれも基準色で作成され、その基準色の画像形成位置を規定するためのブラックパターン302と、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色で作成され、その色の画像形成位置を規定するカラーパターン303とからなっている。
【0047】
この第1、第2のユニットパターン301,310は、ブラックパターン302及びカラーパターン303の幅W5がユニットセンサ40bの位置ずれ量検出可能範囲Wmax以上の大きさを有するとともに、ブラックパターン302及びカラーパターン303のずれ部Dの大きさが位置ずれ量検出可能範囲Wmaxの半分であり、かつブラックパターン302に対するカラーパターン303のずれの方向が互いに相違するようにし、ブラックパターン302の配列ライン308が進行方向aと一定の交差角度α(図示ではプラス45度)をなすように形成する。第1のユニットパターン301では、ブラックパターン302に対してカラーパターン303を右側にずらし、第2のユニットパターン310では、ブラックパターン302に対してカラーパターン303を左側にずらして形成する。
【0048】
また、第3のユニットパターン320は、ブラックパターン302及びカラーパターン303の幅がユニットセンサ40bの位置ずれ量検出可能範囲Wmax以上の大きさを有して、ブラックパターン302及びカラーパターン303のずれ部Dの大きさが位置ずれ量検出可能範囲Wmaxの半分であり、かつ第1、第2のユニットパターン301、310と異なる方向に配置して形成する。また、ブラックパターン302の配列ライン308が進行方向aと一定の交差角度β(図示ではマイナス45度)をなすように形成する。
そして、この第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320を一組にして、それぞれのカラーパターンを構成するシアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色の画像形成位置を規定するパターンとする。その他、位置ずれ量検出パターン300は、中間転写ベルト18上にシアン、マゼンタ又はイエローの色毎に形成する点、実効アパーチャ45より十分広い範囲に形成する点、交差角度αの絶対値が45度には限定されない点及び第1,第2,第3のユニットパターン301,310,320は帯状に形成する点は、位置ずれ量検出パターン100,200と同様である。また、ブラックパターン302とカラーパターン303は、短手辺及び長手辺の長さ(幅)が同じであり、各ユニットパターンの配置間隔は、その短手辺の長さと同じである(長手辺の長さは図示の都合上、ユニットパターン101の長手辺の長さW2よりも短くなっている)。
【0049】
位置ずれ量検出パターン300を形成して画像形成の位置ずれ量を検出するときは、パターンが相違するだけで、位置ずれ量検出パターン100,200を形成する場合と同様に図15に示す手順にしたがう。そして、位置ずれ量検出パターン100の場合と同様に、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン300に対し、相対的に逆方向に移動すると考えられるから、両者の相対移動によるトレースラインを想定でき、また、そのトレースラインは進行方向aと平行に形成される。
よって、ユニットパターン301,310,320の配列ライン308がトレースラインと一定の交差角度αをなすことになるから、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生することはなく、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化するようになり、ずれ部Dの連続的な変化によって、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
さらに、位置ずれ量検出パターン300によると次のような作用効果を奏することになる。
【0050】
位置ずれ量検出パターン300は、ブラックパターン302及びカラーパターン303の幅がユニットセンサ40bの位置ずれ量検出可能範囲Wmax以上の大きさを有しているから、位置ずれはずれ部Dの最大値以下に収まり、しかも、ユニットパターンの配置間隔をブラックパターン302及びカラーパターン303の幅と同じ大きさに設定しているから、位置ずれがユニットパターンの配置間隔を上回ることもない。したがって、位置ずれ量をその大きさ如何を問わず正確に検出できるようになる。
また、ユニットパターンはずれ部Dの大きさが位置ずれ量検出可能範囲Wmaxの半分に設定されている。位置ずれ量検出パターン100,位置ずれ量検出パターン200では、ずれ部Dの大きさが変化しているので、ずれの大きさを広い範囲に渡って精度良く求められるが、位置ずれ量検出パターン300の場合はずれ部Dの大きさをその平均的な値、すなわち、Wmaxの半分に設定してその大きさのずれ部Dを固定的に検出するようにしてずれ部Dの大きさの概略値を求める。こうすると、位置合わせ補正可能領域全体に渡ってずれ部Dの概略値を求めることができる。さらに、位置ずれ量検出パターン300は、第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320からなるので、パターンの全長が短く、よって、パターンの読取り時間を短縮でき、パターンの形成に必要なトナーを節約でき、位置ずれ量検出に要する処理時間を短縮することもできる。
【0051】
一方、第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320の出力を順にA1,A2,A3とすると、第1、第2のユニットパターン301,310の平均値(A1+A2)/2を用いて、Z11=A1−(A1+A2)/2,
Z12=B1−(A1+A2)/2とすると、このZ11,Z12により概略値が求まる。主走査方向のずれ量はZ1−Z2,副走査方向のずれ量はZ1+Z2に比例して求まる。
また、位置ずれ量を検出する際には第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320を検出したユニットセンサ40bの出力はそのまま用いればよいが、基準となるブラックパターン302のみの出力との差をとって以下のA1’,A2’,B1’を求め、それらを用いても良い。
A1’=A1−ブラックパターン302のみの出力
A2’=A2−ブラックパターン302のみの出力
B1’=A1−ブラックパターン302のみの出力
【0052】
第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320に加えて、第3のユニットパターン320の進行方向aに対する交差角度を変えた(45度)にした別のユニットパターンを形成して、ずれ量の平均値を求めてからずれ量を求めてもよい。
さらに、位置ずれ量検出パターン300と、位置ずれ量検出パターン100又は位置ずれ量検出パターン200を併用してもよい。そうすると、位置ずれ量検出パターン300により、上述の要領で位置ずれ量の概略値を求め、さらに、精度の高い値を位置ずれ量検出パターン100又は位置ずれ量検出パターン200により求めることができる。この際、位置ずれ量検出パターン100又は位置ずれ量検出パターン200では、補正可能範囲全体に対して、ユニットパターンのこれよりも小さい間隔の範囲のずれ量が周期的に求まることになるが、位置ずれ量検出パターン300による概略値と併用すれば、補正可能範囲全体に対するずれ量を高い精度で求めることができる。
【0053】
(5)画像形成の位置ずれ量検出手順の第4の実施の形態
上述の各実施の形態では、位置ずれ量検出センサは位置を固定にして静止させる一方、位置ずれ量検出パターンを移動させることで両者を相対移動させてトレースラインを形成し、これと位置ずれ量検出パターンの配列ラインとが一定の交差角度をなすようにしている。このほか、位置ずれ量検出センサを位置ずれ量検出パターンと異なる方向に移動させて両者を相対移動させることにより、トレースラインを形成して、位置ずれ量検出パターンの配列ラインと一定の交差角度をなすようにしてもよい。
例えば、図21に示すように、進行方向aに平行に配置したユニットパターン401からなる従来と同様の位置ずれ量検出パターン400を形成し、この位置ずれ量検出パターン400に対してユニットセンサ40bを主走査方向に移動させて、両者の相対移動によりトレースライン47を形成し、このトレースライン47と各位置ずれ量検出パターンの配列方向、すなわち、進行方向aとが一定の交差角度βをなすようにする。こうしても、上述の各実施の形態と同様に、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターンの発生がなくなり、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化する。
【0054】
このようにユニットセンサ40bを移動させる手段(センサ移動手段)には、種々の手段が考えられる。例えば、図23に示す駆動機構450が考えられる。この駆動機構450は、ユニットセンサ40bを搭載したキャリア451と、ケーブル452と、駆動モータ453と、ガイドロッド454と、駆動ベルト455と、駆動プーリ456及び従動プーリ457とからなっている。そして、駆動モータに電流が供給されると、直結された駆動プーリ456が回転して、この駆動プーリ456と従動プーリ457とに掛け渡された駆動ベルト455が周回移動して、この駆動ベルト455の周回移動に伴い、ユニットセンサ40bを搭載したキャリア451がガイドロッド454に沿って移動(図示では左右)に往復移動する。
この駆動機構450により、ユニットセンサ40bを主走査方向に移動させて画像形成の位置ずれ量検出を行う場合は、図17に示す機能ブロック図による。この機能ブロック図は、駆動機構450がセンサ移動手段65として作動する点を除いて図16に示す機能ブロック図と一致しているので、詳しい説明を省略する。
【0055】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、センサからみた実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するパターンが発生することはなく、アパーチャ内ではずれの大きさが略連続して変化するようになるから、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像形成装置であるカラープリンタの概略の構成を示す図である。
【図2】図1に示したカラープリンタ内部の光走査ユニットの概略構成の片側を示す側面図である。
【図3】図1に示したカラープリンタ内部の光走査ユニットの概略構成を示す平面図である。
【図4】中間転写ベルトと位置ずれ量検出センサとの配置関係を示す平面図である。
【図5】ユニットセンサと、それにより検出される位置ずれ量検出パターン100の要部とを図示した平面図である。
【図6】第1の検出パターン群の要部を模式的に示す平面図である。
【図7】第2の検出パターン群の要部を模式的に示す平面図である。
【図8】位置ずれ量検出パターンを構成する第1の検出パターン群と第2の検出パターン群とを模式的に示す平面図である。
【図9】別の位置ずれ量検出パターンを構成する第1の検出パターン群と第2の検出パターン群とを模式的に示す平面図である。
【図10】ブラックパターンと、カラーパターンとのずれが、両者の重なりの変化に伴い変化する様子を図示した説明図である。
【図11】(1)はブラックパターンの幅がカラーパターンの幅Wよりも大きい場合、(2)はブラックパターンの幅がカラーパターンの幅よりも小さい場合の一例を模式的に示す説明図である。
【図12】センサ出力とずれとの関係を示すグラフであり、(1)は図11(1)に対応し(2)は図11(2)に対応している。
【図13】幅と配置間隔が等しいユニットパターンの、ブラックパターンと、カラーパターンとのずれが、両者の重なりの変化に伴い変化する様子を図示した説明図である。
【図14】(1)はブラックパターン及びカラーパターンの幅よりも配置間隔が狭いユニットパターン、(2)は配置間隔が広いユニットパターンの一例をそれぞれ示す説明図である。
【図15】画像形成の位置ずれ量検出の手順を示すフローチャートである。
【図16】位置ずれ量検出パターンを形成して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成装置の機能ブロック図である。
【図17】位置ずれ量検出パターンとともに、センサを移動させて画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成装置の機能ブロック図である。
【図18】位置ずれ量検出パターンとユニットセンサとの相対移動によりトレースラインを形成する状態を模式的に示す説明図である。
【図19】トレースラインにそって通過する位置ずれ量検出パターンを模式的に示す説明図である。
【図20】第2の位置ずれ量検出パターンを示す平面図である。
【図21】位置ずれ量検出パターンとユニットセンサとの相対移動によりトレースラインを形成する場合を模式的に示す平面図である。
【図22】第3の位置ずれ量検出パターンを示す平面図である。
【図23】駆動機構の概略構成を示す平面図である。
【図24】従来の位置ずれ量検出パターンの要部を模式的に示す平面図である。
【図25】従来の位置ずれ量検出パターンとセンサとの相対移動によりトレースラインを形成する場合を模式的に示す平面図である。
【図26】従来の位置ずれ量検出パターンをセンサで読取る際に欠落部が形成される状態を模式的に示す平面図である。
【図27】センサ出力とずれとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:カラープリンタ 10:現像装置
16:光走査ユニット 18:中間転写ベルト
24:定着ユニット 23:レジストローラ対
40:位置ずれ量検出センサ 45:実効アパーチャ
40b:ユニットセンサ 46:トレースライン
60:コントロールユニット 64:書込み手段
61:位置ずれ量算出手段
62:位置ずれ量補正手段
63:位置ずれ量検出パターン印刷手段
90,91,92:ユニットパターン群
100,110:位置ずれ量検出パターン
200,300:位置ずれ量検出パターン
101,201:ユニットパターン
102,202:ブラックパターン
103,203:カラーパターン
100A:第1の検出パターン群
100B:第2の検出パターン群
108:配列ライン 450:駆動機構
301:第1のユニットパターン
310:第2のユニットパターン
320:第3のユニットパターン
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を用いてカラー画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置の、各色の位置ずれ量を精度よく検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置には、カラー画像(多色画像ともいう)を形成できるものがある。カラー画像形成装置では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(B)の各色の出力画像における色ずれをなくすことは画像品質向上のために重要であり、特に、画像の書込光学系と像担持体とを各色毎に1セットづつ備えた(4連)タンデム型の画像形成装置の場合は、各色の画像がそれぞれ別の書込光学系と像担持体で形成されるため、特に重要な課題である。
カラー画像形成装置の画像位置ずれを補正する技術に関して、従来、例えば特開平11−231586号公報や、特開平11−84978号公報に開示されている技術がある。特開平11−231586号公報に記載されている技術は、転写ベルト上に形成されたレジストマークを検出して求めた相対的な位置ずれ量に基づき書込み位置を補正する場合において、レジストマーク転写面の走行速度の変動量を検出して得た真の位置ずれ量を求めて書込位置を補正するというものである。また、特開平11−84978号公報に開示されている技術は、レジストパターンの横線及び斜め線を検出してパターンの位置を確定し、パターンの位置を比較し各パターンのずれ量を検出することによって、画像形成位置を補正するというものである。
【0003】
カラー画像形成装置の画像位置ずれを補正する従来技術として、転写ベルト等の像担持体に位置ずれ量の検出を目的とするパターン(位置ずれ量検出パターン)を書込み形成して、そこから反射される光をセンサで読取ることにより、各色のパターンを形成する際に生じた位置ずれ量を検出し、その検出値により書込みタイミングを補正するという技術がある。この従来技術の一例として、次のような技術がある。図24は、従来の位置ずれ量検出パターンの要部を模式的に示す平面図である。図に示すように、従来の位置ずれ量検出パターン500は幅W1、間隔W1で配置したブラックの画像形成位置を規定するブラックパターン501の下に、その他の色(シアン、マゼンタ又はイエロー)の画像形成位置を規定する同じく幅W1のカラーパターン502,503,504を間隔W1で配置するとともに、各カラーパターン502,503,504のブラックパターン501に対するずれ部Dを大きさが0,D2,D3,D4,・・・と直線的に変化するようにして形成したものである(ずれ部Dが0の場合はブラックパターン501の下にいずれかのカラーパターン502,503,504がずれなく重なった状態である)。なお、図示の都合上、図24では、各パターンは長さの短い短冊状に形成されているが、実際は長さの長い帯状に形成されている。
この位置ずれ量検出パターン500をセンサの読取り方向に色毎に順に並べて配列し、各検出パターンの出力より位置ずれ量を求める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、位置ずれ量検出パターン500をセンサで読取って位置ずれ量を検出する場合には次のような問題があった。
位置ずれ量検出パターン500をセンサで読取る場合、位置ずれ量検出パターン500が転写ベルトとともに副走査方向に移動するため、センサは位置ずれ量検出パターン500に対して相対的にみて副走査方向に移動する。その場合、センサには、位置ずれ量検出パターン500から反射された光が入力するが、このセンサが光を入力する光の取り込み口側(受光側)から光の入力側(発光側)をみたときの光ビームスポットを考える。この光ビームスポットの形状は、主にセンサのアパーチャに左右されるため、以下ではこの光ビームスポット形状を実効的にセンサのアパーチャの形状と考え、「実効アパーチャ」とする。
【0005】
従来の画像形成装置の場合、副走査方向に移動する位置ずれ量検出パターン500に対してセンサ(実効アパーチャ)は相対的に移動するから、図25に示すように位置ずれ量検出パターン500上に破線で示す実効アパーチャ550の軌跡を考えることができる(実際には、位置ずれ量検出パターン500が高速で図面の上方向に移動しているため、実効アパーチャ550の軌跡は高速で図面の下方向に移動している)。この実効アパーチャ550が相対的に移動する際に実効アパーチャ550の内側を位置ずれ量検出パターン500が通過する恰好になり、それによりセンサが位置ずれ量検出パターン500を検出することになる。
【0006】
センサの検出値により位置ずれ量を検出する場合は、図27に示すグラフにおいて、各センサ出力からその値に応じたずらし量をプロットしていき、そのプロットした点を結ぶ直線tを得てその直線tがX軸上で交差する点Gを求め、その点Gと原点との距離Lにより位置ずれ量Uを求める。しかし、上述のように実効アパーチャ550が位置ずれ量検出パターン500上を相対的に移動する場合、実効アパーチャ550の形状が円形であるため、位置ずれ量検出パターン500が実効アパーチャ550の端部にかかるとき(実効アパーチャ550の端部を位置ずれ量検出パターン500が通過する)は、図26に示すように、カラーパターン502のずれ部Dにおいて、その一部に実効アパーチャ550にキャッチされない欠落部Xが形成されてしまい、ずれ部Dが直線的に増加しないことになってしまう。そうすると、センサ出力の変化により得られる直線の傾きが直線t´のように変わってしまい、X軸上で交差する点Hが点Gと異なる位置になり、その結果、位置ずれ量が上述の位置ずれ量Uと異なる値になってしまう。こうなると、画像形成位置の位置ずれ量が正確に検出されなくなり、カラー画像の色ずれを起こすおそれがある。
【0007】
また、位置ずれ量検出パターン500は、転写ベルト等の像担持体とともに高速で移動しているため、像担持体の運動中の機械的な要因、例えば転写ベルトの搬送中の揺動などにより、像担持体が決められた位置からわずかながら移動するおそれがあり、そうなると、実効アパーチャ550の位置ずれ量検出パターン500に対する相対位置が実効アパーチャ550A,550Bのように変動してしまう(図24参照)。このことも、位置ずれ量の正確な検出に支障を来たすものであるため、画像形成の位置ずれ量が正確に検出されなくなる一因になるおそれがあった。
【0008】
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、カラー画像を形成する機構を備えた画像形成装置において、各色の位置ずれ量を精度よく検出して位置ずれ量を正確に補正し得るようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンの配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置を特徴とする。
この画像形成装置は、ずれ部の大きさが連続するユニットパターンが実効アパーチャの内側を留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生するようなことはない。
【0010】
また、画像形成装置は、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンは、ユニットパターンを複数配置して構成され、そのユニットパターンが、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターン及びその基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンが互いに平行でかつずれて重なり、上記ユニットパターンの配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置としてもよい。
【0011】
この画像形成装置も、実効アパーチャの内側をずれ部の大きさが連続するユニットパターンが留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生するようなことはない。
この画像形成装置は、上記位置ずれ量検出パターンがその移動方向と異なる方向にユニットパターンを複数配置したユニットパターン群をその移動方向に沿って一定の配置間隔で配置して構成され、かつ、そのユニットパターン群毎に上記基準色パターンに対する上記カラーパターンのずれが異なるとよい。
また、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、その手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記位置ずれ量検出パターンは、その移動方向と異なる方向にユニットパターンを複数配置して構成され、そのユニットパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンとその基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンとが互いに平行でなくずれて重なりかつ上記基準色パターンの配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置でもよい。
【0012】
この画像形成装置では、実効アパーチャの内側をずれ部の大きさが連続するユニットパターンが留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生するようなことはないが、1つのブラックパターンに対するカラーパターンのずれ部の量が漸次変化するように形成しているから、ずれ部の連続的変化検出にユニットパターン群を複数設けることを要しない。
上記画像形成装置では、上記基準色パターン及びカラーパターンが幅Wで形成されかつ上記各ユニットパターンの配置間隔がWであるとよい。この場合は、基準色パターン及びカラーパターンその両者をずれがなく重ねて形成すれば容易にかつ確実にずれ部Dを0にでき、カラーパターンの幅を最大限利用してずれ部を0から直線的に変化させることができる。
【0013】
また、上記位置ずれ量検出パターンは上記ユニットパターンの配列ラインが上記トレースラインと第1の交差角度をなす第1の検出パターン群と、その配列ラインが第2の交差角度をなす第2の検出パターン群とからなるとよい。
上記第1の検出パターン群と、上記第2の検出パターン群とが上記トレースラインに沿って連続して配置されているとよく、トレースラインに対して並列に配置されていてもよい。
また、上記画像形成の位置ずれ量のうち、主走査方向の位置ずれ量が、上記第1の検出パターン群の検出結果と上記第2の検出パターン群の検出結果の差から求まり、副走査方向の位置ずれ量が、上記第1の検出パターン群の検出結果と上記第2の検出パターン群の検出結果の和から求まるように構成されているようにすることができる。
【0014】
上記センサが、上記第1の検出パターン群を検出する第1のセンサと、上記第2の検出パターン群を検出する第2のセンサとからなるとよい。
そして、上記位置ずれ量検出パターンが、上記基準色パターン及び上記カラーパターンの幅がそれぞれ上記センサの位置ずれ量検出可能範囲以上の大きさを有し、その基準色パターンに対するカラーパターンのずれの大きさが上記位置ずれ量検出可能範囲の半分であり、かつその基準色パターンに対するカラーパターンのずれの方向が互いに相違する第1及び第2の前記ユニットパターンと、上記基準色パターン及び上記カラーパターンの幅が上記センサの位置ずれ量検出可能範囲以上の大きさを有し、その基準色パターンに対するカラーパターンのずれの大きさが上記位置ずれ量検出可能範囲の半分であり、かつ上記第1及び第2の上記ユニットパターンと異なる方向に配置された第3の上記ユニットパターンとから構成されていてもよい。
【0015】
この位置ずれ量検出パターンによれば、位置ずれがずれ部の最大値以下に収まり、しかも、ユニットパターンの配置間隔を上回ることもないから、位置ずれ量をその大きさ如何を問わず正確に検出できる。また、ずれ部の大きさの概略値を求めることができる。
そしてこの発明は、レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、上記センサを上記位置ずれ量検出パターンの移動する方向と異なる方向に移動させるセンサ移動手段を設け、上記位置ずれ量検出パターンの配列ラインが、上記センサ移動手段により移動する上記センサと上記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなす画像形成装置を提供する。
【0016】
この画像形成装置は、位置ずれ量検出センサを移動させてこれと位置ずれ量検出パターンを相対移動させることによりトレースラインを形成し、位置ずれ量検出パターンの配列ラインと一定の交差角度をなすようにする。
上記画像形成装置では、上記センサの上記位置ずれ量検出パターンを検出するサンプリング周期を上記位置ずれ量検出パターンの搬送周期と異ならせることがよい。また、そのサンプリング周期が上記位置ずれ量検出パターンの搬送周期よりも短いとよい。こうすると、ずれが異なるユニットパターンを確実に検出できて、サンプリング周期を搬送周期よりも短いと、細かく検出できるようになり、位置ずれ量検出の精度を高めることができる。
また、上記交差角度が45度に設定されているとよい。主走査、副走査方向それぞれにおいて、検出範囲及び検出感度を均等に設定することができる。
上記基準色パターンがブラックの画像形成位置を規定し、上記カラーパターンがシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの色の画像形成位置を規定するように構成されているとよい。パターンの形成が容易になる。
また、位置ずれ量検出パターンが、上記センサが検出するビームスポットの大きさよりも広い範囲に形成されているとよい。こうすると、位置ずれ量検出が確実に行える。
【0017】
そして、この発明は、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを、その配列ラインが上記センサと上記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成して、前記センサで検出する画像形成の位置ずれ量検出方法を提供する。
この画像形成の位置ずれ量検出方法によれば、実効アパーチャの内側をずれ部の大きさが連続するユニットパターンが留まることなく次々に通過し、実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生することはない。
【0018】
また、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを、ユニットパターンを複数配置したユニットパターン群を一定の配置間隔で配置し、上記各ユニットパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターン及びその基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンを互いに平行かつ上記ユニットパターン群毎に異なる大きさでずらして重ね、そのユニットパターンの配列ラインが上記センサと上記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成して、前記センサで検出する画像形成の位置ずれ量検出方法としてもよい。
【0019】
さらに、レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、上記位置ずれ量検出パターンを、その配列ラインが、上記センサと上記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成し、上記センサを上記位置ずれ量検出パターンと異なる方向に移動させて、その位置ずれ量検出パターンを検出する画像形成の位置ずれ量検出方法としてもよい。
いずれの場合も、上記センサの上記位置ずれ量検出パターンを検出するサンプリング周期と、上記位置ずれ量検出パターンの搬送周期とを異ならせるとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(1)カラープリンタ1の構成
図1はこの発明による画像形成装置であるカラープリンタ1の概略の構成を示す図である。
カラープリンタ1は、本体内に現像装置10と、光走査ユニット16と、中間転写ベルト18と、定着ユニット24と、搬送ユニット33と、給紙トレイ34とを備え、その周囲にレジストローラ対23、繰出ローラ35、位置ずれ量検出センサ40及びコントロールユニット60を配置して構成されている。
現像装置10は、Black(B),Cyan(C),Magenta(M),Yellow(Y)の各色ごとに個別の現像ユニットを有し、各現像ユニットが除電及び帯電ユニット12B,12C,12M,12Yと、現像ユニット13B,13C,13M,13Yと、感光体ドラム14B,14C,14M,14Yを有している。
【0021】
光走査ユニット16は、図2及び図3に示すように、半導体レーザ51と、コリメートレンズ52と、アパーチャ53と、シリンドリカルレンズ54とを各色毎に設け、第1,第2のミラー5a,5bからなるポリゴンミラー5を中心に、Fθレンズ6と、補正用レンズ7と、色毎の反射ミラー9B,9C,9M,9Yと、受光センサ10a,10bと、受光レンズ14a,14bと、反射ミラー73と、ミラー81,82,83とを有している。
中間転写ベルト18は、ローラ19に掛け渡されていて、そのローラ19の回転運動に伴い周回運動をして移動する。また、この中間転写ベルト18には、後述する位置ずれ量検出パターンが形成されている。さらに、中間転写ベルト18の周囲には転写ローラ21B,21C,21M,21Yが設けられている。
【0022】
続いて、カラープリンタ1のプリント動作について説明すると、以下のようになる。カラープリンタ1は、プリント動作を開始すると、感光体ドラム14B,14C,14M,14Yを矢印方向に周動させながらその表面を除電及び帯電ユニット12B,12C,12M,12Yによって一様に帯電させる。そして、図示しないホストコンピュータ等から送られてくる画像形成信号が光走査ユニット16に入力されると、その画像形成信号のカラー画像に対応する複数色の画像データを画像処理して各色の半導体レーザ51がレーザビームLB,LC,LM,LYを出力する。レーザビームLB,LC,LM,LYは、コリメートレンズ52と、アパーチャ53と、シリンドリカルレンズ54とを通過して所定の回転速度で回転しているポリゴンミラー5にその左右両側から入射する。
【0023】
ポリゴンミラー5は第1,第2のミラー5a,5bによって、それぞれレーザビームLC及びLY、LB及びLMを周期的に偏向させてFθレンズ6に入力する。すると、偏向されたレーザビームLC及びLYと、LB及びLMがそれぞれ等角運動から等速運動へと変換されるとともに、補正用レンズ7による面倒補正が行われ、さらに、ミラー81,82,83により角度を変えられて副走査方向に回転運動をする感光体ドラム14B,14C,14M,14Yの表面に所定径のビームスポットを形成して各色の画像が書込みされ、B,C,M,Yの色ごとの静電潜像が形成される。
【0024】
そして、現像装置10の各現像ユニット13B,13C,13M,13Yが各色の静電潜像をそれぞれの色のトナーで現像して、B,C,M,Yのトナー画像が感光体ドラム14B,14C,14M,14Yの表面に形成される。これと並行して中間転写ベルト18がローラ19の回転に伴い周回運動をしていて、さらに、用紙39が繰出ローラ35により繰り出され、給紙トレイ34から給紙されてレジストローラ対23において一旦停止し、各色の画像の先端部が所定の転写位置に到達するようにタイミングをとって再給紙される(レジスト再給紙)。この再給紙された用紙に、各色のトナー画像が転写ローラ21B,21C,21M,21Yの静電力によって順次転写され、これによりカラー画像が得られる。この各色のトナー画像を多重転写された用紙は、定着ユニット24に送り込まれ、そこで定着ローラ25によりカラー画像が定着された後、排紙トレイ30に排紙される。
【0025】
(2)画像形成の位置ずれ量検出手順の第1の実施の形態
カラープリンタ1では、以下に説明する位置ずれ量検出パターンを中間転写ベルト18に書込み形成して、位置ずれ量検出センサ40がこの位置ずれ量検出パターンから反射される光を読取って出力する信号から、画像形成(パターンの形成)に内在する位置ずれ量を算出し、その算出結果から位置ずれを補正する。
a)中間転写ベルトと位置ずれ量検出センサとの配置関係
図4は、中間転写ベルト18と位置ずれ量検出センサ40との配置関係を示す平面図である。位置ずれ量検出センサ40は、3つのユニットセンサ40a,40b,40cを有している。各ユニットセンサ40a,40b,40cは、それぞれ検出を管轄するエリアが異なっていて、ユニットセンサ40a,40cは中間転写ベルト18の周回運動による進行方向aからみて左右両側(両端部)を検出するように配置され、ユニットセンサ40bはその中間のエリアを検出するように配置されている。図5は、ユニットセンサ40bと、それにより検出される位置ずれ量検出パターン100の要部とを図示した平面図である。
【0026】
b)位置ずれ量検出パターンの構成
図6は、第1の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン100を構成する第1の検出パターン群100Aの要部を模式的に示す平面図である。
第1の検出パターン群100Aは、中間転写ベルト18が回転しながら周回運動をして移動するその進行方向(副走査方向)aと異なる方向(主走査方向)bに沿ってユニットパターン101を一定の幅W1の配置間隔で複数(図面では4つ)配置したユニットパターン群90,91,92・・・が一定の配置間隔W3で配置された構成を有している。
ユニットパターン101は、基準色(以下の説明では、ブラックを基準色とするが基準色はブラックには限定されるものではなく、その他の色を基準色に設定してもよい)で作成され、その基準色の画像形成位置を規定するためのブラックパターン102と、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色で作成され、その色の画像形成位置を規定するカラーパターン103とからなっている。
【0027】
ユニットパターン101は、ブラックパターン102とカラーパターン103とが互いに平行であり、かつユニットパターン群90,91,92・・・毎に異なる大きさでずれて重なって、各ユニットパターンの配列にそって形成される配列ライン108が、進行方向aと一定の交差角度α(図面ではプラス45度に設定しているがプラス45度には限定されない。30度、60度でもよい。プラスは時計回りを意味する)をなすように配置して形成する。なお、図示の都合上、ユニットパターン101は長さの短い短冊状に形成されているが、実際は長さの長い帯状に形成する。
【0028】
ユニットパターン101を構成するブラックパターン102と、カラーパターン103とは、ともに短手辺の長さ(幅)が配置間隔と同じW1で、長手辺の長さがW2である同じ形状に形成し、このブラックパターン102とカラーパターン103とのずれ部Dを、ユニットパターン群毎にその大きさが直線的(増加又は減少量が一定)に変化するようにして形成する。つまり、ユニットパターン101は、ずれ部Dが、ユニットパターン群90,91,92・・・の順にD0,D1,D2・・・の順に変化したとき、このD0,D1,D2・・・の差が一定になるようにする。なお、ずれ部Dは、ずれの方向をブラックパターン102に対してカラーパターン103を右側又は左側にずらすことにより、その符号をプラス又はマイナスに変化させている。
そして、ユニットパターン群90,92の延長上には、ずれ部Dを上述の要領で変化させながらユニットパターン101を配置して、別のユニットパターン群を形成し、ユニットパターン群90,91,92を含むこれらのユニットパターン群により、第1の検出パターン群100Aを形成している。
【0029】
位置ずれ量検出パターン100は、図8に示すように、この第1の検出パターン群100Aと後述する第2の検出パターン群100Bとを進行方向aに沿って連続して配置している。位置ずれ量検出パターン100は、シアン、マゼンタ又はイエローの色毎に設けてあり(つまり、3つ設けられている)、それぞれがカラーパターン103を構成する各色の画像形成位置を規定する専用のパターンになっている。また、各位置ずれ量検出パターン100は、ユニットセンサ40bによって精度良く検出し得るように、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45よりも十分広い範囲に形成する。
【0030】
第1の検出パターン群100Aは、上述の各ユニットパターン群90,91,92・・・から構成されているが、第2の検出パターン群100Bは、図7に示すように、ユニットパターンの配列ラインが、進行方向aと交差角度β(図面ではマイナス45度に設定しているが−45度には限定されない。マイナスは半時計回りを意味する)をなしているほかは同様の構成を有している。この第2の検出パターン群100Bを構成するユニットパターン101は、ブラックパターン102及びカラーパターン103が、第1の検出パターン群100Aのブラックパターン102及びカラーパターン103と直交している。
【0031】
この発明による画像形成装置では、上述の位置ずれ量検出パターン100の代わりには、図9に示す位置ずれ量検出パターン110を形成してもよい。位置ずれ量検出パターン110は、第1の検出パターン群100Aと第2の検出パターン群100Bとを進行方向aに対して並列に配置して形成されている。この位置ずれ量検出パターン110を形成するときは、両者をそれぞれ個別に検出する第1のセンサと第2のセンサを設けるのが好ましい。第1の検出パターン群100Aと第2の検出パターン群100Bとを同じ1つのセンサで検出するよりも、それぞれにセンサを設けた方が個々のセンサの検出動作が無理なく行われ、検出精度を高めることができて好適である。
【0032】
上述のブラックパターン102と、カラーパターン103とは同じ大きさの幅W1で形成するため、その両者をずれがなく重ねて形成すれば容易にかつ確実にずれ部Dの量を絶対値が最も小さい0にすることができる。また、図10に示すように、ずれのない重なり状態を中心に順次ずれ部Dを変化させるとその量(幅)に応じてずれ部Dの量を直線的に変化させることが容易かつ確実に行える。
しかし、ブラックパターン102とカラーパターン103は、両者のずれ部Dの量がユニットパターン群毎に直線的に変化するように重なっていればよく、図11に示すように、必ずしも両者の幅が一致していなくてもよい。ここで、図11(1)はブラックパターン102の幅W12がカラーパターン103の幅W13よりも大きい場合、同図(2)はブラックパターン102の幅W12がカラーパターン103の幅W13よりも小さい場合である。なお、図11(1)の場合はずれ部Dを変化させてもセンサ出力が変動せず0のままになるケースが発生するおそれがあるが、同図(2)の場合はセンサ出力が0にならずに一定になるケースが発生するおそれがある(図12参照)。
【0033】
ブラックパターン102及びカラーパターン103の幅W1はユニットパターン101の配置間隔と一致している。したがって、図13に示すように、例えばカラーパターン103aがブラックパターン102aに重なった状態からずれ部Dを増やすと、カラーパターン103aは互いに隣接するブラックパターン102aと102bの両者に重なることなくその間に配置される恰好になり、さらにずれ部Dを増やせば、ブラックパターン102aには重ならずにブラックパターン102bだけに重なるようになる。よって、カラーパターン103の幅W1を最大限利用してずれ部Dを0から直線的に変化させることができ、ずれ部Dの量を直線的に変化させるためのブラックパターン102とカラーパターン103の配置を容易に決めることができる。
もちろん、ブラックパターン102及びカラーパターン103の幅W1はユニットパターン101の配置間隔と一致していなくてもよく、例えば、図14(1)に示すように、幅W1よりも狭いW14としてもよく、同図(2)に示すように幅W1よりも広いW15としてもよい。前者の場合はカラーパターン103aがずらし方によっては互いに隣接するブラックパターン102aと102bの両者に重なることがあるが、後者は逆にそのいずれにも重ならない場合が存在し得る。
【0034】
c)画像形成の位置ずれ量検出手順
次に、カラープリンタ1において、上述した位置ずれ量検出パターン100を形成して画像形成の位置ずれ量を検出する手順について説明する。なお、以下の説明では、ユニットセンサ40bにより位置ずれ量を検出する場合を例にとって説明する。
画像形成の位置ずれ量の検出は、図15のフローチャートに示す手順で行われる。この位置ずれ量の検出は、コントロールユニット60に設けられたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)が制御していて、そのCPUは、ROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムにしたがい制御処理を実行している。この場合、CPUは図16に示すように位置ずれ量算出手段61、位置ずれ量補正手段62として作動するとともに、光走査ユニット16を位置ずれ量検出パターン印刷手段63、書込み手段64として作動させる。なお、図15は画像形成の位置ずれ量検出の手順を示すフローチャートであり、図16は画像形成の位置ずれ量検出処理に対応した画像形成装置の機能ブロック図である。図15ではステップをSと略記している。
【0035】
CPUは位置ずれ量検出処理を開始するとステップ1に進み、光走査ユニット16を位置ずれ量検出パターン印刷手段63として作動させ、位置ずれ量検出パターン100を上述のようにして中間転写ベルト18上に書込みして形成する。
続くステップ2では、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン100から反射される光を読取って出力する信号をCPUに入力し、ステップ3では、CPUが位置ずれ量算出手段61として作動して、ステップ2でユニットセンサ40bが読取った結果から画像形成(パターンの形成)に内在する位置ずれ量を算出する。この位置ずれ量の算出は、従来と同様、図27に示すように、各センサ出力からその値に応じたずらし量をプロットしていき、そのプロットした点を結ぶ直線tを得てその直線tがX軸上で交差する点Gを求め、その点Gと原点との距離Lに対応する位置ずれ量Z1,Z2を求めることによって行われる(Z1は第1の検出パターン群100Aの検出結果、Z2は第2の検出パターン群100Bの検出結果から求める)。
そして、Z1(第1の検出パターン群100Aの検出結果)の場合は図6において右側のずれを正とし、Z2(第2の検出パターン群100Bの検出結果)の場合は左側のずれを正とすると、主走査方向のずれ部DはZ1−Z2、副走査方向のずれ部Dは、Z1+Z2に比例して求まる。
【0036】
ここで、ステップ2のユニットセンサ40bによる位置ずれ量検出パターン100の読取について説明する。
位置ずれ量検出パターン100は中間転写ベルト18とともに、ユニットセンサ40bに対して相対的に移動しているから、ユニットセンサ40bは位置ずれ量検出パターン100に対して、その逆方向に移動していると考えることができる。したがって、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45を考えると図18に示すように、その実効アパーチャ45が位置ずれ量検出パターン100を45A,45B,45C,45D,45E・・・の順に追跡しながら連続して移動することによって、帯状のトレースライン46を想定することができる。トレースライン46はユニットセンサ40b(実効アパーチャ45)と、位置ずれ量検出パターン100との相対的な移動(相対移動)によって形成されるものであるが、ユニットセンサ40bは静止し、そのユニットセンサ40bに対して位置ずれ量検出パターン100が移動しているから、トレースライン46は進行方向aと平行に形成される。したがって、ユニットパターン101の配列ライン108がトレースライン46と一定の交差角度αをなすことになる。
【0037】
この場合、実効アパーチャ45は、その内側をずれ部Dの大きさが連続する各ユニットパターン101が留まることなく次々に通過し、従来のように、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターン101が発生するようなことはない。また、図19に示すように、ユニットパターン101が実効アパーチャ45を通過する際にキャッチされない欠落部Xがその外側に形成されても、実効アパーチャ45にキャッチされる幅はユニットパターン群ごとに等しいと考えられ、したがって、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化するようになる。
よって、ステップ3において、CPUが位置ずれ量算出手段61として作動して位置ずれ量を算出する場合、ずれ部Dが連続的に変化するようになるから、ユニットセンサ40bの出力をプロットした際に得られる直線が正しい傾きをもった直線となり、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
【0038】
そして、続くステップ4では、CPUが位置ずれ量補正手段62として作動してステップ3で得た位置ずれ量に基づいて位置ずれを補正し、続くステップ5では、書込ユニット7が書込み手段64として作動して画像の出力が行われ、これをもって一連の処理が終了する。
ところで、以上の説明では、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン100を検出する際のサンプリング周期については言及していない。しかし、仮にこのサンプリング周期と、位置ずれ量検出パターン100の移動により得られる搬送周期T(搬送周期T=搬送間隔W4/位置ずれ量検出パターン100の進行速度V)とが一致していると仮定すると(搬送間隔W4:あるユニットパターン群からそれとずれ部Dが同じユニットパターン群までの間隔)、ユニットセンサ40bが、同じずれ部Dを有するユニットパターン101を検出するようになってしまい、ずれ部Dの直線的な変化を検出できないおそれがあるから不都合である。
【0039】
したがって、サンプリング周期と搬送周期Tとを異ならせて、ずれ部Dが異なるユニットパターン101を確実に検出できるようにするのが好ましい。また、その際には、サンプリング周期を搬送周期Tよりも短く(小さく)して各ユニットパターン群を細かく検出できるようにするのがよい。そうすると、ユニットセンサ40bのサンプリングポイントが増えて位置ずれ量算出時の直線を求めるためにプロットする点を増やすことができ、位置ずれ量検出の精度を高めることができる。また、ずれ部Dが同じユニットパターン101を対象として検出を複数回行うことも可能になり、その場合は各ユニットパターン101の検出により得た値から平均値を求めることにより、中間転写ベルト18の機械的な要因により実効アパーチャ45の位置ずれ量検出パターン100に対する相対位置の変動等があっても、その影響を希釈化して、位置ずれ量の検出精度を一層高めることができる。
【0040】
また、上述の位置ずれ量検出パターン100では、配列ライン108と進行方向aとの交差角度α,βをプラス45度、マイナス45度に設定している。交差角度α、βをこの45度に設定することによって、進行方向a(副走査方向)とその交差方向(主走査方向)の検出範囲及び検出感度を均等に設定することができる。ただし、副走査方向と主走査方向のいずれかを優先させるようにしてもよく、その場合は、交差角度αを45度以外の角度に設定すればよい。
【0041】
(3)画像形成の位置ずれ量検出手順の第2の実施の形態
図20は、第2の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン200の要部を模式的に示す平面図である。
位置ずれ量検出パターン200は、進行方向aの交差方向bに沿ってユニットパターン201を一定の幅W1の配置間隔で複数(図面では5つ)配置して構成され、位置ずれ量検出パターン100のように、ユニットパターン群を複数設けることなく形成されている。
ユニットパターン201は、基準色で作成され、その基準色の画像形成位置を規定するためのブラックパターン202と、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色で作成され、その色の画像形成位置を規定するカラーパターン203とからなっている。
【0042】
このユニットパターン201は、ブラックパターン202とカラーパターン203とが互いに平行でなくずれた状態で重なり、かつブラックパターン202による配列ライン208が進行方向aと一定の交差角度αをなすように配置されていて、1つのブラックパターン202に対するカラーパターン203のずれ部Dの量がD1,D2,D3に示すように漸次変化するように形成する。
また、中間転写ベルト18上には、位置ずれ量検出パターン200をシアン、マゼンタ又はイエローのそれぞれの色毎に形成し、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45よりも十分に広い範囲に形成する。なお、位置ずれ量検出パターン200も、位置ずれ量検出パターン100と同様に、交差角度αはプラス45度に設定しているがプラス45度には限定されない。図示の都合上、ユニットパターン201は長さの短い短冊状に形成されているが、実際は長さの長い帯状に形成する。また、ブラックパターン202と、カラーパターン203とは、ともに短手辺の長さ(幅)が配置間隔と同じW1で、長手辺の長さがW2である同じ形状に形成する(図示の都合上、長手辺の長さがW2はユニットパターン101の長手辺の長さがW2よりも長く形成されている)。
【0043】
このような位置ずれ量検出パターン200を形成して画像形成の位置ずれ量を検出するときは、パターンが相違するだけで、位置ずれ量検出パターン100を形成する場合と同様に図15に示す手順にしたがう。そして、位置ずれ量検出パターン100の場合と同様に、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン200に対し、相対的に逆方向に移動すると考えられるから、両者の相対移動によるトレースラインを想定でき、静止しているユニットセンサ40bに対して位置ずれ量検出パターン100が移動しているから、そのトレースラインは進行方向aと平行に形成される。
よって、ユニットパターン201の配列ライン208がトレースラインと一定の交差角度αをなすことになるから、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターン201が発生することはなく、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化するようになり、ずれ部Dの連続的な変化によって、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
【0044】
さらに、位置ずれ量検出パターン200によれば、次のような作用効果を奏する。位置ずれ量検出パターン100では、位置ずれ量の検出を1回行うためには複数のユニットパターン群を対象に検出を行わねばならないから、検出に用いるパターン全体の長さが長くなる。しかし、位置ずれ量検出パターン200は、1つのブラックパターン202に対するカラーパターン203のずれ部Dの量が漸次変化するように形成しているから、ずれ部Dの連続的変化を検出するためにユニットパターン群を複数設けることを要しない。したがって、位置ずれ量検出パターン200の全体の長さを短くでき、より長さの短いパターンで位置ずれ量を検出できるから、パターンの読取り時間を短縮でき、パターンの形成に必要なトナーを節約でき、位置ずれ量検出に要する処理時間を短縮することができる。また、ブラックパターン202とカラーパターン203とが互いに平行でなくずれた状態で重なっているから、1つのブラックパターン202を基準にしてずれ部Dをプラス、マイナスの双方を設定できる。したがって、位置ずれ量検出パターン100のように、交差角度が異なるパターンをそれぞれ形成する必要はなく、位置ずれ量検出パターン200の全体の長さが短くなる。
【0045】
(4)画像形成の位置ずれ量検出手順の第3の実施の形態
上述の実施の形態では、位置ずれ量検出パターン100,位置ずれ量検出パターン200を形成して画像形成の位置ずれ量を検出する手順について説明した。
位置ずれ量検出パターン100,位置ずれ量検出パターン200では、ブラックパターンとカラーパターンのずれ部Dを大きくしても、ユニットパターンの配置間隔を狭めてずれ部Dが隣接するユニットパターンに被る恰好にすると、ずれ部Dをそれ以上大きくできなくなる。すると、位置ずれ量の検出可能範囲が頭打ちになり、もしも位置ずれがユニットパターンの配置間隔よりも大きい場合はその位置ずれ量を正しく検出できないおそれがある。その一方で、位置ずれが大きくなることを見込んで配置間隔を広げるという考えもあるが、配置間隔を広げると、ユニットセンサ40bからみた実効アパーチャ45にキャッチされるユニットパターンの数が少なくなって、今度はユニットセンサ40bの出力が十分に得られなくなるおそれがある。
【0046】
そこで、第3の実施の形態では、予め想定し得る位置ずれ量の検出可能範囲の最大値(位置ずれ量検出可能範囲Wmax)を考慮して、以下に説明する位置ずれ量検出パターン300を形成し、位置ずれが広範囲になる場合や、位置合わせ補正可能領域全体の範囲のずれ量を簡略して検出する。
図22は、第3の位置ずれ量検出パターンである位置ずれ量検出パターン300の要部を模式的に示す平面図である。
位置ずれ量検出パターン300は、第1のユニットパターン301と、第2のユニットパターン310と、第3のユニットパターン320とから構成されている。
第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320はいずれも基準色で作成され、その基準色の画像形成位置を規定するためのブラックパターン302と、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色で作成され、その色の画像形成位置を規定するカラーパターン303とからなっている。
【0047】
この第1、第2のユニットパターン301,310は、ブラックパターン302及びカラーパターン303の幅W5がユニットセンサ40bの位置ずれ量検出可能範囲Wmax以上の大きさを有するとともに、ブラックパターン302及びカラーパターン303のずれ部Dの大きさが位置ずれ量検出可能範囲Wmaxの半分であり、かつブラックパターン302に対するカラーパターン303のずれの方向が互いに相違するようにし、ブラックパターン302の配列ライン308が進行方向aと一定の交差角度α(図示ではプラス45度)をなすように形成する。第1のユニットパターン301では、ブラックパターン302に対してカラーパターン303を右側にずらし、第2のユニットパターン310では、ブラックパターン302に対してカラーパターン303を左側にずらして形成する。
【0048】
また、第3のユニットパターン320は、ブラックパターン302及びカラーパターン303の幅がユニットセンサ40bの位置ずれ量検出可能範囲Wmax以上の大きさを有して、ブラックパターン302及びカラーパターン303のずれ部Dの大きさが位置ずれ量検出可能範囲Wmaxの半分であり、かつ第1、第2のユニットパターン301、310と異なる方向に配置して形成する。また、ブラックパターン302の配列ライン308が進行方向aと一定の交差角度β(図示ではマイナス45度)をなすように形成する。
そして、この第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320を一組にして、それぞれのカラーパターンを構成するシアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの色の画像形成位置を規定するパターンとする。その他、位置ずれ量検出パターン300は、中間転写ベルト18上にシアン、マゼンタ又はイエローの色毎に形成する点、実効アパーチャ45より十分広い範囲に形成する点、交差角度αの絶対値が45度には限定されない点及び第1,第2,第3のユニットパターン301,310,320は帯状に形成する点は、位置ずれ量検出パターン100,200と同様である。また、ブラックパターン302とカラーパターン303は、短手辺及び長手辺の長さ(幅)が同じであり、各ユニットパターンの配置間隔は、その短手辺の長さと同じである(長手辺の長さは図示の都合上、ユニットパターン101の長手辺の長さW2よりも短くなっている)。
【0049】
位置ずれ量検出パターン300を形成して画像形成の位置ずれ量を検出するときは、パターンが相違するだけで、位置ずれ量検出パターン100,200を形成する場合と同様に図15に示す手順にしたがう。そして、位置ずれ量検出パターン100の場合と同様に、ユニットセンサ40bが位置ずれ量検出パターン300に対し、相対的に逆方向に移動すると考えられるから、両者の相対移動によるトレースラインを想定でき、また、そのトレースラインは進行方向aと平行に形成される。
よって、ユニットパターン301,310,320の配列ライン308がトレースラインと一定の交差角度αをなすことになるから、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターンが発生することはなく、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化するようになり、ずれ部Dの連続的な変化によって、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
さらに、位置ずれ量検出パターン300によると次のような作用効果を奏することになる。
【0050】
位置ずれ量検出パターン300は、ブラックパターン302及びカラーパターン303の幅がユニットセンサ40bの位置ずれ量検出可能範囲Wmax以上の大きさを有しているから、位置ずれはずれ部Dの最大値以下に収まり、しかも、ユニットパターンの配置間隔をブラックパターン302及びカラーパターン303の幅と同じ大きさに設定しているから、位置ずれがユニットパターンの配置間隔を上回ることもない。したがって、位置ずれ量をその大きさ如何を問わず正確に検出できるようになる。
また、ユニットパターンはずれ部Dの大きさが位置ずれ量検出可能範囲Wmaxの半分に設定されている。位置ずれ量検出パターン100,位置ずれ量検出パターン200では、ずれ部Dの大きさが変化しているので、ずれの大きさを広い範囲に渡って精度良く求められるが、位置ずれ量検出パターン300の場合はずれ部Dの大きさをその平均的な値、すなわち、Wmaxの半分に設定してその大きさのずれ部Dを固定的に検出するようにしてずれ部Dの大きさの概略値を求める。こうすると、位置合わせ補正可能領域全体に渡ってずれ部Dの概略値を求めることができる。さらに、位置ずれ量検出パターン300は、第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320からなるので、パターンの全長が短く、よって、パターンの読取り時間を短縮でき、パターンの形成に必要なトナーを節約でき、位置ずれ量検出に要する処理時間を短縮することもできる。
【0051】
一方、第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320の出力を順にA1,A2,A3とすると、第1、第2のユニットパターン301,310の平均値(A1+A2)/2を用いて、Z11=A1−(A1+A2)/2,
Z12=B1−(A1+A2)/2とすると、このZ11,Z12により概略値が求まる。主走査方向のずれ量はZ1−Z2,副走査方向のずれ量はZ1+Z2に比例して求まる。
また、位置ずれ量を検出する際には第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320を検出したユニットセンサ40bの出力はそのまま用いればよいが、基準となるブラックパターン302のみの出力との差をとって以下のA1’,A2’,B1’を求め、それらを用いても良い。
A1’=A1−ブラックパターン302のみの出力
A2’=A2−ブラックパターン302のみの出力
B1’=A1−ブラックパターン302のみの出力
【0052】
第1、第2、第3のユニットパターン301,310,320に加えて、第3のユニットパターン320の進行方向aに対する交差角度を変えた(45度)にした別のユニットパターンを形成して、ずれ量の平均値を求めてからずれ量を求めてもよい。
さらに、位置ずれ量検出パターン300と、位置ずれ量検出パターン100又は位置ずれ量検出パターン200を併用してもよい。そうすると、位置ずれ量検出パターン300により、上述の要領で位置ずれ量の概略値を求め、さらに、精度の高い値を位置ずれ量検出パターン100又は位置ずれ量検出パターン200により求めることができる。この際、位置ずれ量検出パターン100又は位置ずれ量検出パターン200では、補正可能範囲全体に対して、ユニットパターンのこれよりも小さい間隔の範囲のずれ量が周期的に求まることになるが、位置ずれ量検出パターン300による概略値と併用すれば、補正可能範囲全体に対するずれ量を高い精度で求めることができる。
【0053】
(5)画像形成の位置ずれ量検出手順の第4の実施の形態
上述の各実施の形態では、位置ずれ量検出センサは位置を固定にして静止させる一方、位置ずれ量検出パターンを移動させることで両者を相対移動させてトレースラインを形成し、これと位置ずれ量検出パターンの配列ラインとが一定の交差角度をなすようにしている。このほか、位置ずれ量検出センサを位置ずれ量検出パターンと異なる方向に移動させて両者を相対移動させることにより、トレースラインを形成して、位置ずれ量検出パターンの配列ラインと一定の交差角度をなすようにしてもよい。
例えば、図21に示すように、進行方向aに平行に配置したユニットパターン401からなる従来と同様の位置ずれ量検出パターン400を形成し、この位置ずれ量検出パターン400に対してユニットセンサ40bを主走査方向に移動させて、両者の相対移動によりトレースライン47を形成し、このトレースライン47と各位置ずれ量検出パターンの配列方向、すなわち、進行方向aとが一定の交差角度βをなすようにする。こうしても、上述の各実施の形態と同様に、実効アパーチャ45の周縁部分を固定的に通過するユニットパターンの発生がなくなり、実効アパーチャ45内ではずれ部Dの大きさが略連続して変化する。
【0054】
このようにユニットセンサ40bを移動させる手段(センサ移動手段)には、種々の手段が考えられる。例えば、図23に示す駆動機構450が考えられる。この駆動機構450は、ユニットセンサ40bを搭載したキャリア451と、ケーブル452と、駆動モータ453と、ガイドロッド454と、駆動ベルト455と、駆動プーリ456及び従動プーリ457とからなっている。そして、駆動モータに電流が供給されると、直結された駆動プーリ456が回転して、この駆動プーリ456と従動プーリ457とに掛け渡された駆動ベルト455が周回移動して、この駆動ベルト455の周回移動に伴い、ユニットセンサ40bを搭載したキャリア451がガイドロッド454に沿って移動(図示では左右)に往復移動する。
この駆動機構450により、ユニットセンサ40bを主走査方向に移動させて画像形成の位置ずれ量検出を行う場合は、図17に示す機能ブロック図による。この機能ブロック図は、駆動機構450がセンサ移動手段65として作動する点を除いて図16に示す機能ブロック図と一致しているので、詳しい説明を省略する。
【0055】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、センサからみた実効アパーチャの周縁部分を固定的に通過するパターンが発生することはなく、アパーチャ内ではずれの大きさが略連続して変化するようになるから、位置ずれ量を精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像形成装置であるカラープリンタの概略の構成を示す図である。
【図2】図1に示したカラープリンタ内部の光走査ユニットの概略構成の片側を示す側面図である。
【図3】図1に示したカラープリンタ内部の光走査ユニットの概略構成を示す平面図である。
【図4】中間転写ベルトと位置ずれ量検出センサとの配置関係を示す平面図である。
【図5】ユニットセンサと、それにより検出される位置ずれ量検出パターン100の要部とを図示した平面図である。
【図6】第1の検出パターン群の要部を模式的に示す平面図である。
【図7】第2の検出パターン群の要部を模式的に示す平面図である。
【図8】位置ずれ量検出パターンを構成する第1の検出パターン群と第2の検出パターン群とを模式的に示す平面図である。
【図9】別の位置ずれ量検出パターンを構成する第1の検出パターン群と第2の検出パターン群とを模式的に示す平面図である。
【図10】ブラックパターンと、カラーパターンとのずれが、両者の重なりの変化に伴い変化する様子を図示した説明図である。
【図11】(1)はブラックパターンの幅がカラーパターンの幅Wよりも大きい場合、(2)はブラックパターンの幅がカラーパターンの幅よりも小さい場合の一例を模式的に示す説明図である。
【図12】センサ出力とずれとの関係を示すグラフであり、(1)は図11(1)に対応し(2)は図11(2)に対応している。
【図13】幅と配置間隔が等しいユニットパターンの、ブラックパターンと、カラーパターンとのずれが、両者の重なりの変化に伴い変化する様子を図示した説明図である。
【図14】(1)はブラックパターン及びカラーパターンの幅よりも配置間隔が狭いユニットパターン、(2)は配置間隔が広いユニットパターンの一例をそれぞれ示す説明図である。
【図15】画像形成の位置ずれ量検出の手順を示すフローチャートである。
【図16】位置ずれ量検出パターンを形成して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成装置の機能ブロック図である。
【図17】位置ずれ量検出パターンとともに、センサを移動させて画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成装置の機能ブロック図である。
【図18】位置ずれ量検出パターンとユニットセンサとの相対移動によりトレースラインを形成する状態を模式的に示す説明図である。
【図19】トレースラインにそって通過する位置ずれ量検出パターンを模式的に示す説明図である。
【図20】第2の位置ずれ量検出パターンを示す平面図である。
【図21】位置ずれ量検出パターンとユニットセンサとの相対移動によりトレースラインを形成する場合を模式的に示す平面図である。
【図22】第3の位置ずれ量検出パターンを示す平面図である。
【図23】駆動機構の概略構成を示す平面図である。
【図24】従来の位置ずれ量検出パターンの要部を模式的に示す平面図である。
【図25】従来の位置ずれ量検出パターンとセンサとの相対移動によりトレースラインを形成する場合を模式的に示す平面図である。
【図26】従来の位置ずれ量検出パターンをセンサで読取る際に欠落部が形成される状態を模式的に示す平面図である。
【図27】センサ出力とずれとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:カラープリンタ 10:現像装置
16:光走査ユニット 18:中間転写ベルト
24:定着ユニット 23:レジストローラ対
40:位置ずれ量検出センサ 45:実効アパーチャ
40b:ユニットセンサ 46:トレースライン
60:コントロールユニット 64:書込み手段
61:位置ずれ量算出手段
62:位置ずれ量補正手段
63:位置ずれ量検出パターン印刷手段
90,91,92:ユニットパターン群
100,110:位置ずれ量検出パターン
200,300:位置ずれ量検出パターン
101,201:ユニットパターン
102,202:ブラックパターン
103,203:カラーパターン
100A:第1の検出パターン群
100B:第2の検出パターン群
108:配列ライン 450:駆動機構
301:第1のユニットパターン
310:第2のユニットパターン
320:第3のユニットパターン
Claims (21)
- レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、
前記位置ずれ量検出パターンの配列ラインが、前記センサと前記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすことを特徴とする画像形成装置。 - レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、
前記位置ずれ量検出パターンは、ユニットパターンを複数配置して構成され、該ユニットパターンが、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターン及び該基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンが互いに平行でかつずれて重なり、前記ユニットパターンの配列ラインが、前記センサと前記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすことを特徴とする画像形成装置。 - 前記位置ずれ量検出パターンは、その移動方向と異なる方向に前記ユニットパターンを複数配置したユニットパターン群をその移動方向に沿って一定の配置間隔で配置して構成され、かつ、該ユニットパターン群毎に前記基準色パターンに対する前記カラーパターンのずれが異なることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、
前記位置ずれ量検出パターンは、その移動方向と異なる方向にユニットパターンを複数配置して構成され、
該ユニットパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターンと該基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンとが互いに平行でなくずれて重なり、かつ前記基準色パターンの配列ラインが、前記センサと前記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすことを特徴とする画像形成装置。 - 前記基準色パターン及び前記カラーパターンが幅Wで形成され、かつ前記各ユニットパターンの配置間隔がWであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項記載の画像形成装置。
- 前記位置ずれ量検出パターンは前記ユニットパターンの配列ラインが前記トレースラインと第1の交差角度をなす第1の検出パターン群と、該配列ラインが第2の交差角度をなす第2の検出パターン群とからなることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記第1の検出パターン群と、前記第2の検出パターン群とが前記トレースラインに沿って連続して配置されていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記第1の検出パターン群と、前記第2の検出パターン群とが前記トレースラインに対して並列に配置されていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記画像形成の位置ずれ量のうち、主走査方向の位置ずれ量が、前記第1の検出パターン群の検出結果と前記第2の検出パターン群の検出結果の差から求まり、副走査方向の位置ずれ量が、前記第1の検出パターン群の検出結果と前記第2の検出パターン群の検出結果の和から求まるように構成されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項記載の画像形成装置。
- 前記センサが、前記第1の検出パターン群を検出する第1のセンサと、前記第2の検出パターン群を検出する第2のセンサとからなることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
- 前記位置ずれ量検出パターンが、
前記基準色パターン及び前記カラーパターンの幅がそれぞれ前記センサの位置ずれ量検出可能範囲以上の大きさを有し、該基準色パターンに対するカラーパターンのずれの大きさが前記位置ずれ量検出可能範囲の半分であり、かつ該基準色パターンに対するカラーパターンのずれの方向が互いに相違する第1及び第2の前記ユニットパターンと、
前記基準色パターン及び前記カラーパターンの幅が前記センサの位置ずれ量検出可能範囲以上の大きさを有し、該基準色パターンに対するカラーパターンのずれの大きさが前記位置ずれ量検出可能範囲の半分であり、かつ前記第1及び第2の前記ユニットパターンと異なる方向に配置された第3の前記ユニットパターンとから構成されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - レーザビームを走査して静電潜像を形成する手段と、該手段により形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する手段と、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する手段を備えた画像形成装置であって、
前記センサを前記位置ずれ量検出パターンの移動する方向と異なる方向に移動させるセンサ移動手段を設け、
前記位置ずれ量検出パターンの配列ラインが、前記センサ移動手段により移動する前記センサと前記位置ずれ量検出パターンとの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすことを特徴とする画像形成装置。 - 前記センサの前記位置ずれ量検出パターンを検出するサンプリング周期を前記位置ずれ量検出パターンの搬送周期と異ならせたことを特徴とする請求項1乃至9、11及び12のいずれか一項記載の画像形成装置。
- 前記センサのサンプリング周期が前記位置ずれ量検出パターンの搬送周期よりも短いことを特徴とする請求項13記載の画像形成装置。
- 前記交差角度が45度に設定されていることを特徴とする請求項1乃至5及び11乃至14のいずれか一項記載の画像形成装置。
- 前記基準色パターンがブラックの画像形成位置を規定し、前記カラーパターンがシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの色の画像形成位置を規定することを特徴とする請求項2乃至15のいずれか一項記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至16のいずれか一項記載の画像形成装置において、
前記位置ずれ量検出パターンが、前記センサが検出するビームスポットの大きさよりも広い範囲に形成されていることを特徴とする画像形成装置。 - レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、
前記位置ずれ量検出パターンを、その配列ラインが前記センサと前記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成して、前記センサで検出することを特徴とする画像形成の位置ずれ量検出方法。 - レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、
前記位置ずれ量検出パターンを、ユニットパターンを複数配置したユニットパターン群を一定の配置間隔で配置し、前記各ユニットパターンは、基準色の画像形成位置を規定する基準色パターン及び該基準色と異なる色の画像形成位置を規定するカラーパターンを互いに平行かつ前記ユニットパターン群毎に異なる大きさでずらして重ね、該ユニットパターンの配列ラインが前記センサと前記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成して、前記センサで検出することを特徴とする画像形成の位置ずれ量検出方法。 - レーザビームの走査により静電潜像を形成してその形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、一定方向に移動する像担持体に形成された位置ずれ量検出パターンをセンサで検出して画像形成の位置ずれ量を検出する画像形成の位置ずれ量検出方法であって、
前記位置ずれ量検出パターンを、その配列ラインが、前記センサと前記位置ずれ量検出パターンの相対移動によるトレースラインと一定の交差角度をなすように形成し、前記センサを前記位置ずれ量検出パターンと異なる方向に移動させてその位置ずれ量検出パターンを検出することを特徴とする画像形成の位置ずれ量検出方法。 - 前記センサの前記位置ずれ量検出パターンを検出するサンプリング周期と、前記位置ずれ量検出パターンの搬送周期とを異ならせることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか一項記載の画像形成の位置ずれ量検出方法。
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