JP4263311B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタフェルールと、この光コネクタフェルールに予め挿入された光ファイバに対して別の光ファイバを突き合わせ接続する接続機構とを具備する光コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバ先端に簡便に取り付けることができる光コネクタとして、光コネクタフェルールと、この光コネクタフェルールの突き合わせ接続される接合端面に対向する後端部に組み立てられ、光コネクタフェルールに予め挿入した光ファイバに対して別の光ファイバを突き合わせ接続する接続機構とを備えたものが提案されている。
図4は、この種の光コネクタの一例を示す図であって、図4(a)は正面図、図4(b)は接続機構の断面図である。
【0003】
図4(a)に示す光コネクタ1は、JIS C 5981等に制定される、いわゆるMT形光コネクタフェルール2(以下、「光コネクタフェルール」)と、この光コネクタフェルール2の接合端面3に対向する後端部4に組み立てられた接続機構5とを備えている。接続機構5は、光コネクタフェルール2に予め挿入された複数本(図4においては2本)の光ファイバ6(裸ファイバが一般的)と、別途挿入される多心光ファイバ7(図4においては2心光ファイバテープ心線)とを突き合わせ接続する。
図4(b)に示すように、接続機構5は、開閉自在な二つ割り構造の素子8と、この素子8の外側に装着されたクランプバネ9(図4(b)ではコ字状バネ)とを備えている。前記素子8の二つ割りに分離される内部には、光コネクタフェルール2側の光ファイバ6に対して多心光ファイバ7先端に露出された裸ファイバ7aを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心機構として、V溝やU溝等からなる調心溝10(図4(b)ではV溝)が設けられている。2心光ファイバテープ心線である光ファイバ7の先端を素子8に挿入することで、該光ファイバ7先端に予め露出された2本の裸ファイバ7aが調心溝10に挿入され、この調心溝10内で、2本の裸ファイバ7aが、予め調心溝10に挿入された2本の光ファイバ6にそれぞれ突き合わせ接続され、これにより光ファイバ6、7同士が接続される。接続機構5は、2心の光ファイバ7の2本の裸ファイバ7aに対応するべく、2本の調心溝10を素子8内に備えている。
光ファイバ6、7同士を接続する際には、楔11を、素子8の二つ割りの分離境界に圧入することで、クランプバネ9のクランプ力に抗して素子8を開放し、調心溝10への裸ファイバ7aの挿入を可能にする。光ファイバ6、7同士の接続完了後には、素子8から楔11を引き抜き、クランプバネ9のクランプ力によって素子8内に光ファイバ6、7を挟み込み、接続状態を維持する。これにより、接続機構5からの光ファイバ7の引き抜きが規制され、光ファイバ7先端に光コネクタ1が取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、2心光ファイバテープ心線である光ファイバ7の先端に露出させた2本の裸ファイバ7aを、正確に同じ長さに切り揃えることは、厳密な意味では困難であり、例えば、図5に示すように、裸ファイバ7a間に、数μm〜数十μm程度のずれが生じていることが普通である。
しかしながら、光ファイバ7先端の裸ファイバ7a間に先端位置のずれが存在していれば、この光ファイバ7を、前述の光コネクタ1の接続機構5内に挿入した時に、長い方の裸ファイバ7aが先行して、光コネクタフェルール2側の光ファイバ6と突き合わせ接続され、他方の裸ファイバ7aは、光コネクタフェルール2側の光ファイバ6に対して突き合わせることが不可能になったり、突き合わせることができても、突き合わせ力の不足によって、目的の接続損失が安定に得られなくなる懸念があった。
【0005】
この問題は、二つ割り構造の素子間に光ファイバ6,7aをクランプして突き合わせ接続状態を維持する構造の接続機構に限らず、先行して光コネクタフェルール2に挿入された光ファイバ6に対して別の光ファイバ7aを接続することで、光ファイバ7先端に取り付けられるタイプの各種光コネクタについて共通である。この種の光コネクタに設けられる接続機構としては、図4(b)に示したメカニカルスプライス方式のもの以外、例えば、カシメ固定方式のものや、接着固定方式のもの等、各種構成が存在する。また、調心機構としても、調心溝以外、マイクロキャピラリ等各種構成が採用可能である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、光コネクタフェルールに予め挿入されている光ファイバに対して、別の光ファイバを接続することで、光ファイバ先端に取り付けられるタイプの光コネクタにおいて、光コネクタフェルール側の複数本の光ファイバに対して接続される、多心光ファイバ先端の複数本の光ファイバの長さが不揃いであっても、突き合わせ接続時の突き合わせ力によって光コネクタフェルール側の光ファイバに形成された湾曲部が湾曲部収納凹所に収納されることで、多心光ファイバ側の光ファイバの長さの違いを吸収して、効率良く突き合わせ接続することができる光コネクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、光コネクタフェルールと、該光コネクタフェルールの突き合わせ接続される接合端面に対向する後端部に組み立てられ、前記光コネクタフェルールに予め挿入された複数本の光ファイバに対して多心光ファイバを調心機構によって位置決めして突き合わせ接続する接続機構とを備えてなる光コネクタにおいて、前記接続機構における光ファイバ同士の突き合わせ接続時の突き合わせ力によって前記接合端面方向へ押し込まれた前記光コネクタフェルール側光ファイバに生じた湾曲部(53a)を収納する湾曲部収納凹所(62)が、前記接続機構における光ファイバ同士の突き合わせ接続位置と前記光コネクタフェルール接合端面との間に設けられ、前記湾曲部収納凹所内では、前記多心光ファイバ側の光ファイバの内の長い物に対応する前記フェルール側光ファイバが湾曲していることを特徴とする光コネクタを前記課題の解決手段とした。
本発明では、例えば、多心光ファイバ先端の複数本の光ファイバの長さが不揃いであっても、長さの長い光ファイバと突き合わせ接続された光コネクタフェルール側光ファイバ(以下、「フェルール側光ファイバ」と略称する)が調心機構を滑るようにして移動し、湾曲部収納凹所に対応する部分に湾曲部が形成される。これにより、多心光ファイバ側の光ファイバ間の長さのずれが吸収され、全ての光ファイバを、フェルール側光ファイバに対して突き合わせ接続することができる。
【0008】
前記接続機構における、フェルール側光ファイバに対する、多心光ファイバ先端の光ファイバの接続形態としては、以下の4つが採用可能である。
(a)多心光ファイバ先端の光ファイバの全てに湾曲部が形成され、フェルール側光ファイバに対して突き合わせ接続されている。
(b)多心光ファイバ先端の光ファイバの全てが、湾曲部の形成無しに、フェルール側光ファイバに対して突き合わせ接続されている。
(c)多心光ファイバ先端の光ファイバの長さが不揃いで、最も短いものを除く一部の光ファイバのみに湾曲部が形成され、フェルール側光ファイバに対して突き合わせ接続され、湾曲されていない光ファイバの全てが、フェルール側光ファイバに対して突き合わせ接続されている。
(d)多心光ファイバ先端の光ファイバの長さが不揃いで、最も短いものを除く一部の光ファイバが、フェルール側光ファイバに対して突き合わせ接続され、他の光ファイバの全てが、フェルール側光ファイバに対して、屈折率整合剤を介して光接続されている。突き合わせ接続されている光ファイバは、湾曲部が形成されている場合、湾曲部が形成されていない場合のどちらも存在可能である。
【0009】
湾曲部が形成されたフェルール側光ファイバは、湾曲部収納凹所に収納された湾曲部が光ファイバ自身の剛性によってバネ力を発揮し、多心光ファイバ側へ押圧力を作用させるから、フェルール側光ファイバに湾曲部が存在する状態では、温度変化による長さ寸法の若干の変化等の影響を受けても、光ファイバ同士が直接突き合わせ接続された状態が維持される。多心光ファイバは、何らかの固定手段により固定される。これにより、湾曲部から作用するバネ力が、光ファイバ間の突き合わせ力として作用する。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光コネクタにおいて、前記接続機構は、前記多心光ファイバ先端に露出させた複数本の光ファイバを、開閉自在な二つ割り構造の素子内に設けられた調心機構によって、それぞれ光コネクタフェルール側の目的の光ファイバに対して突き合わせ接続可能に位置決め調心し、かつ、突き合わせ接続した両光ファイバを、前記素子の外側に装着されたクランプバネのクランプ力により、前記素子に挟み込んで接続状態を維持するように構成され、前記湾曲部収納凹所は、前記素子の二つ割りに分割される一方または両方に形成されていることを特徴とする。
この光コネクタによれば、クランプバネのクランプ力に抗して二つ割りの素子を開放した状態で接続機構に挿入した多心光ファイバを、調心機構にて、フェルール側光ファイバと位置決め調心して突き合わせ接続する。突き合わせ完了後、素子を閉じることで、クランプバネのクランプ力により光ファイバが突き合わせ接続状態を保ったまま(あるいは屈折率整合剤を介した光接続状態を保ったまま)接続機構内にクランプ固定される。
光ファイバ同士の突き合わせ接続時に、突き合わせ力によってフェルール側光ファイバに形成された湾曲部が、湾曲部収納凹所内に収納されることで、多心光ファイバ側の光ファイバの長さのずれが吸収されることは、請求項1記載の発明と同様である。但し、湾曲部収納凹所は、素子の二つ割りに分割される一方または両方に形成されているので、光ファイバ同士の突き合わせ接続時に素子が開放されると、光ファイバ同士の突き合わせ接続位置から湾曲部収納凹所までのフェルール側光ファイバのクランプが解除されるため、湾曲部の形成が円滑になされる。湾曲部が確実に形成されれば、素子を閉じた後にも、湾曲部のバネ力によって、光ファイバ間の突き合わせ力が維持される。
素子を開放し、接続機構から多心光ファイバを引き抜くと、素子内におけるフェルール側光ファイバのクランプ状態が解消され、フェルール側光ファイバが自身の剛性によって直線状に戻り、湾曲部が解消される。この後、光ファイバを接続機構に挿入すれば、最初の突き合わせ接続作業と同様に、この光ファイバをフェルール側光ファイバと突き合わせ接続することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の光コネクタ50を示す全体斜視図、図2は光コネクタ50を示す断面図、図3は接続機構の作用を示す図であって、(a)は開放時を示す断面図、(b)は閉塞時を示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の光コネクタ50は、光コネクタフェルール51と、この光コネクタフェルール51の突き合わせ接続される接合端面51aに対向する後端部51bに組み付けられた接続機構52とを備えている。
【0012】
光コネクタフェルール51は、JIS C 5981等に制定されるMT形光コネクタフェルールに似た構成であり、長方形状の接合端面51aの長手方向両端部にガイドピン穴51cを備えており、このガイドピン穴51cにガイドピンを挿入、嵌合させることで、別の光コネクタフェルール等との突き合わせ接続時の位置決めを行うことができる。また、この光コネクタフェルール51には、2本の光ファイバ53(裸ファイバ)が並行に挿入されている。これら光ファイバ53の一端は、接合端面51aに露出され、他端は、接続機構52内に挿入されている。なお、両光ファイバ53の長さは揃えられていることが普通である。
【0013】
図1および図2に示すように、接続機構52は、ベース54およびこのベース54に対して開閉する蓋体55、56からなる開閉自在な二つ割り構造の素子57と、この素子57の外側に装着され、該素子57を一体化するようにしてクランプ保持するクランプバネ58(本実施の形態では、コ字状バネ)とを備えている。
ベース54の蓋体55、56に対向する対向面54aには、調心機構としての調心溝60が貫通形成され、この調心溝60によって、光コネクタフェルール51に挿入された2本の光ファイバ53と、前記素子57に別途挿入される多心光ファイバ59(本実施の形態では、2心光ファイバテープ心線)先端に露出させた2本の光ファイバ59a(裸ファイバ)とが、突き合わせ接続可能に位置決め調心される。図3(a)、(b)に示すように、前記調心溝60は、2本並行に形成されている。
【0014】
光コネクタフェルール51側の光ファイバ53は、前記調心溝60に挿入され、前記クランプバネ58のクランプ力によって、素子57内にクランプ保持される。図2に示すように、ベース54から突設された鍔部54b、蓋体55から突設された鍔部55aは、光コネクタフェルール51の後端部51aから切り込んだ形状の切込部51dに挿入されている。調心溝60は、ベース54の鍔部54bにも到達されているので、フェルール側光ファイバ53は、光コネクタフェルール51の接合端面51a近傍に位置する一端を除く大半の部分が調心溝60内に収納され、素子57間に安定にクランプ保持される。
なお、ベース54の鍔部54bは、切込部51dへの嵌着や光コネクタフェルール51への接着等により固定している。一方、蓋体55側の鍔部55aは、切込部51d内での移動が許容されている。この蓋体鍔部55aの移動は、蓋体55、56とベース54との間を開閉する方向であり、切込部51dにガイドされつつ円滑になされる。
図1、図2中、符号61は接着剤注入窓であり、光コネクタフェルール51内に挿入した光ファイバ53を、接合端面51a近傍にて固定する接着剤を注入するためのものである。
【0015】
蓋体55には、鍔部55aのベース54に対向する内面側を切り欠いた形状の湾曲部収納凹所62が形成されている。フェルール側光ファイバ53の他端は、前記湾曲部収納凹所62を越えて、素子57の後端部(図2中右端)に到達されており、湾曲部収納凹所62には、光ファイバ53の中央部が臨むようになっている。一方、フェルール側光ファイバ53に対して突き合わせ接続する多心光ファイバ59は、素子57の後端部(図2中右端)に開口されたテーパ状の導入部60aから調心溝60に挿入され、その先端に予め露出された裸ファイバである光ファイバ59aが、調心溝60によって位置決め調心され、光コネクタフェルール1側の光ファイバ53と突き合わせ接続されるようになっている。調心溝60の、蓋体55の後端側に連設された蓋体56に対向する部分には、蓋体55に対応する調心部60cに比べて調心精度の低い光ファイバ導入溝60bが形成されているから、導入部60aから挿入された光ファイバ59aは、光ファイバ導入溝60bを経由して、調心溝60の調心部60cに向けて円滑に挿入される。光ファイバ導入溝60bと調心部60cとの間は、傾斜部60dによって緩やかに調心精度が変化している。
【0016】
また、多心光ファイバ59の光ファイバ59aが露出されていない被覆部59bは、光ファイバ導入溝60b周囲のベース対向面54a上に乗り上げ、蓋体56とベース54との間に挟み込まれる。蓋体55、56は、互いに分離されているため、それぞれ単独でベース54に対して開閉される。また、クランプバネ58も、スリット58aによって分離された各部が、それぞれ、蓋体55、56のいずれかに対応する単独のコ字状バネとして機能する。このため、素子57内では、光ファイバ59a、被覆部59bのいずれも、安定にクランプすることができる。
なお、蓋体55、56は、それぞれ、ベース54との間に個別に形成された楔挿入穴64a、64bに、専用の楔を挿入することで、単独で開閉することも可能になっている。
【0017】
この光コネクタ50を多心光ファイバ59先端に取り付けるには、多心光ファイバ59先端の複数本の光ファイバ59aを、それぞれ光コネクタフェルール51側光ファイバ53に対して光接続するとともに、多心光ファイバ59先端を接続機構52内にクランプ固定する。
まず、図3(a)に示すように、素子57の側部から、該素子57の二つ割りの分離境界に楔63を圧入して、クランプバネ58のクランプ力に抗して素子57を開放しておき、この状態を維持したまま、多心光ファイバ59先端を図2に示す導入部60aから素子57内に挿入し、多心光ファイバ59先端に予め露出しておいた光ファイバ59aを、それぞれ目的の調心溝60に挿入し、予め、調心溝60内に収納されている光ファイバ53に対して突き合わせる。そして、多心光ファイバ59を光ファイバ53方向に押圧して、光ファイバ53、59a間の突き合わせ力を維持した状態にて、楔63を素子57から引き抜く。すると、図3(b)に示すように、クランプバネ58のクランプ力によって素子57が閉じられ、フェルール側光ファイバ53および多心光ファイバ59が素子57内にクランプ保持されて、光ファイバ53、59同士の接続状態が維持される。
【0018】
多心光ファイバ59を光ファイバ53方向に押圧して、光ファイバ53、59a間に突き合わせ力を与える際には、多心光ファイバ59先端の2本の光ファイバ59aの長さが互いに異なる場合、光ファイバ53への押圧力によって、長い方の光ファイバ59aのみに対応する光ファイバ53、あるいは2本の光ファイバ59aの両方に対応する光ファイバ53を湾曲させ、この湾曲部53aを湾曲部収納凹所62に収納する。これにより、湾曲部53aによって光ファイバ59a間の長さの差が吸収され、全ての光ファイバ59aとフェルール側光ファイバ53との突き合わせ接続状態を確保できる。光ファイバ59a間の長さの差は、数μm〜数十μm程度の微小なものであることが一般的であり、光ファイバ53の湾曲部53aは、光ファイバ53に座屈を生じない程度の極めて微小で良い。湾曲部53aが形成された光ファイバ53の、光コネクタフェルール51の光ファイバ53に対する突き合わせ力は、湾曲の程度によって殆ど変動しない。これにより、多心光ファイバ59側の全ての光ファイバ59aが、ほぼ均等の突き合わせ力を以て、フェルール側光ファイバ53に対して突き合わせ接続(一部の光ファイバが屈折率整合剤を介して光接続されている場合も含む)される。
【0019】
光ファイバ53に湾曲部53aが存在する状態では、光コネクタ50の経年劣化による光ファイバ53、59aの微小な位置ずれや、温度変化によって光ファイバ53、59aに長さ寸法の若干の変化等が生じても、湾曲部53aが変形することで、光ファイバ53、59aの突き合わせ接続状態を確保できる。しかも、フェルール側光ファイバ53自身の剛性により湾曲部53aから作用するバネ力が、光ファイバ53、59a同士の突き合わせ力として機能するため、これにより、目的の接続損失が安定に得られる利点がある。このことは、2本の光ファイバ59aの長さが異なる場合に限らず、2本の光ファイバ59aの長さが同じ場合も、フェルール側光ファイバ53に湾曲部53aが形成されている状況においては、同様である。
なお、2本の光ファイバ59aの長さが同じ場合は、各光ファイバ53に湾曲部53aを形成しなくても、十分な突き合わせ力が確保できれば目的の低接続損失が得られる。また、多心光ファイバ59側の両光ファイバ59aがフェルール側光ファイバ53に直接当接されずに、屈折率整合剤を介して光接続される接続形態も採用可能である。
【0020】
2本の光ファイバ59aの長さが異なる場合では、長い方の光ファイバ59aが、フェルール側光ファイバ53に対して突き合わせ接続され、短い方の光ファイバ59aが、フェルール側光ファイバ53に対して当接されずに、屈折率整合剤を介して光接続されている接続形態も採用可能である。この場合、長い方の光ファイバ59aに対応する光ファイバ53に湾曲部53aを形成しなくても突き合わせ接続状態を確保できるが、湾曲部53aを形成すると、突き合わせ力が確実に得られ、目的の低接続損失が確実に得られることは言うまでも無い。
【0021】
このように、本発明に係る光コネクタ50によれば、湾曲部収納凹所62によって、フェルール側光ファイバ53に湾曲部53aが形成されることを可能にし、光ファイバ59aの長さが不揃いであっても、フェルール側光ファイバ53に湾曲部53aが形成されることによって、光ファイバ53、59aの全ての対の光接続を可能にできる。また、湾曲部収納凹所62は、フェルール側光ファイバ53の中央部に対応する位置に形成されており、光ファイバ53、59a同士の突き合わせ接続は、湾曲部収納凹所62よりも光コネクタ50後端側の調心溝60上(詳細には調心部60c)でなされるから、フェルール側光ファイバ53には、湾曲部53aが形成される程度の長さが必要であるが、多心光ファイバ59側の光ファイバ59aの露出長は短くて済み、光ファイバ59aの切り揃え作業性や、調心溝60への挿入作業性等を向上できる利点がある。
【0022】
光ファイバ53、59a同士の接続後、素子57を開放すれば、接続機構52から多心光ファイバ59を引き抜くことができる。多心光ファイバ59の引き抜きと同時に、光ファイバ53が自身の剛性で直線状に戻るため、湾曲部53aが解消される。再度、多心光ファイバ59を接続機構52に挿入すれば、前述と同様に、湾曲部53aの形成によって多心光ファイバ59側の光ファイバ59aの長さの不揃いを吸収して、全ての光ファイバ53、59aの対の光接続を確実に行うことができる。したがって、この光コネクタ50では、取り付け対象の多心光ファイバ59の変更が可能である。
【0023】
素子57を透明樹脂から形成しておき、光ファイバ53または多心光ファイバ59の各光ファイバ59aに送入した可視波長の試験光の漏洩光を、接続機構52外側から観察できるようにしておくと、光ファイバ53、59a間の突き合わせ接続状態を簡単に検知することができ、光ファイバ53、59a同士の接続を効率良く行うことができる(例えば、特願平8−6177等が関連する)。
すなわち、光ファイバ53、59a同士が正しく接続されていない時には、接続機構52の外側にて観察される試験光の漏洩光量が多く、接続が正しくなされると、漏洩光が減少あるいは観察されなくなるため、漏洩光を観察しつつ多心光ファイバ59に光ファイバ53方向への押圧力を付与することで、全ての光ファイバ53、59aの対を正しく突き合わせ接続することができる。正しく突き合わ接続がなされたことが確認された時に、速やかに素子57を閉じて光ファイバ53、59をクランプすることで、接続状態を簡便に維持することができる。
【0024】
なお、本発明の光コネクタは、前記実施の形態に何ら限定されるものではなく、各種変更が可能である。
例えば、湾曲部収納凹所の形成位置は、蓋体55ではなく、ベース54側であっても良い。しかしながら、蓋体55に形成することが、形成作業性の面で有利であること等から、一般的と考えられる。また、湾曲部収納凹所を、蓋体とベースの両側に形成することも可能である。但し、いずれの場合も、湾曲部収納凹所の形成位置は、光ファイバ同士の突き合わせ接続位置と接合端面との間である。接続機構としては、C形バネによって、断面円形の素子が一体化状態にクランプ保持される構成、多心光ファイバをカシメや接着等により固定する構成等、各種構成が採用可能である。
また、前記実施の形態では、ベース54のみに調心溝60が形成された接続機構52を例示したが、これに限定されず、蓋体側のみ、あるいはベース側と蓋体側の双方に調心溝が形成されている構成も採用可能である。
調心機構としては、V溝やU溝等の調心溝に限定されず、例えば、マイクロキャピラリ、光ファイバを3以上の精密ボールや精密ロッドに担持する機構等、各種構成が採用可能である。
この光コネクタの対応心数は2心に限定されず、3心以上であっても良い。対応心数を変更する場合は、光コネクタフェルールに挿入する光ファイバ本数、接続機構に設ける調心機構の数等が変更される。
【0025】
【発明の効果】
本発明の光コネクタによれば、開閉自在な二つ割り構造の素子間に調心機構を備えてなる接続機構にて、この接続機構が組み付けられた光コネクタフェルール側の複数本の光ファイバに、多心光ファイバ先端の複数本の光ファイバを突き合わせ接続する際に、前記素子に形成された湾曲部収納凹所内に、突き合わせ力によってフェルール側光ファイバに形成された湾曲部を収納するようになっているため、多心光ファイバ先端の複数本の光ファイバの長さが不揃いであっても、多心光ファイバ側の光ファイバの内の長いものに対応するフェルール側光ファイバが湾曲することによって、全ての光ファイバを、フェルール側光ファイバに対して目的の突き合わせ力を以て突き合わせ接続させることができるといった優れた効果を奏する。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、開閉可能な二つ割りの素子内に設けられた調心機構によって、位置決め調心した光ファイバ同士を突き合わせ接続するので、素子を開放した状態では、フェルール側光ファイバに湾曲部が円滑かつ確実に形成され、素子を閉じた後に、光ファイバの剛性により前記湾曲部から作用するバネ力を光ファイバ同士の突き合わせ力として確実に作用させることができる。また、光ファイバ同士の突き合わせ接続後、素子を開放すれば、フェルール側光ファイバに対して接続する多心光ファイバを変更でき、この時にも、フェルール側光ファイバに形成される湾曲部によって、多心光ファイバ先端の複数本の光ファイバ間の長さのずれを吸収して、全ての光ファイバをフェルール側光ファイバと突き合わせ接続できるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光コネクタの一実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】 図1の光コネクタの側断面図である。
【図3】 図1の光コネクタの接続機構の作用を示す断面図であって、(a)は開放状態、(b)は閉塞状態を示す。
【図4】 接続機構を具備する光コネクタの一例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は接続機構を示す断面図である。
【図5】 先端に裸ファイバが露出された光ファイバテープ心線を示す平面図である。
【符号の説明】
50…光コネクタ、51…光コネクタフェルール、51a…接合端面、51b…後端部、52…接続機構、53…光ファイバ(フェルール側光ファイバ、裸ファイバ)、53a…湾曲部、57…素子、58…クランプバネ(コ字状バネ)、59…多心光ファイバ(2心光ファイバテープ心線)、59a…光ファイバ(裸ファイバ)、60…調心機構(調心溝)、60c…調心機構(調心部)、62…湾曲部収納凹所。
Claims (2)
- 光コネクタフェルール(51)と、該光コネクタフェルールの突き合わせ接続される接合端面(51a)に対向する後端部(51b)に組み立てられ、前記光コネクタフェルールに予め挿入された複数本の光ファイバ(53)に対して多心光ファイバ(59)を調心機構(60、60c)によって位置決めして突き合わせ接続する接続機構(52)とを備えてなる光コネクタにおいて、
前記接続機構における光ファイバ同士の突き合わせ接続時の突き合わせ力によって前記接合端面方向へ押し込まれた前記光コネクタフェルール側光ファイバに生じた湾曲部(53a)を収納する湾曲部収納凹所(62)が、前記接続機構における光ファイバ同士の突き合わせ接続位置と前記光コネクタフェルール接合端面との間に設けられ、前記湾曲部収納凹所内では、前記多心光ファイバ側の光ファイバの内の長い物に対応する前記フェルール側光ファイバが湾曲していることを特徴とする光コネクタ(50)。 - 前記接続機構は、前記多心光ファイバ先端に露出させた複数本の光ファイバ(59a)を、開閉自在な二つ割り構造の素子(57)内に設けられた調心機構(60、60c)によって、それぞれ光コネクタフェルール側の目的の光ファイバ(53)に対して突き合わせ接続可能に位置決め調心し、かつ、突き合わせ接続した両光ファイバを、前記素子の外側に装着されたクランプバネ(58)のクランプ力により、前記素子に挟み込んで接続状態を維持するように構成され、
前記湾曲部収納凹所は、前記素子の二つ割りに分割される一方または両方に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
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JP16443899A JP4263311B2 (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | 光コネクタ |
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